JPH08245329A - 義歯床用裏装材 - Google Patents

義歯床用裏装材

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JPH08245329A
JPH08245329A JP7933395A JP7933395A JPH08245329A JP H08245329 A JPH08245329 A JP H08245329A JP 7933395 A JP7933395 A JP 7933395A JP 7933395 A JP7933395 A JP 7933395A JP H08245329 A JPH08245329 A JP H08245329A
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denture base
weight
lining material
liquid
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JP7933395A
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Junichi Okada
淳一 岡田
Hirohisa Tsukamoto
裕久 塚本
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GC Corp
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G C KK
GC Corp
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C69/00Esters of carboxylic acids; Esters of carbonic or haloformic acids
    • C07C69/52Esters of acyclic unsaturated carboxylic acids having the esterified carboxyl group bound to an acyclic carbon atom
    • C07C69/533Monocarboxylic acid esters having only one carbon-to-carbon double bond
    • C07C69/54Acrylic acid esters; Methacrylic acid esters
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K6/00Preparations for dentistry
    • A61K6/80Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth
    • A61K6/884Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth comprising natural or synthetic resins
    • A61K6/887Compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、不快な臭いや刺激性が極め
て少ないばかりでなく、特殊な硬化促進剤を用いずとも
表面硬化性に優れた義歯床用裏装材を得ることにある。 【構成】 粉末成分が、過酸化ベンゾイルを添加したメ
タクリル酸エステルの重合体粉末成分から成り、液成分
が、メチルメタクリレ−ト、メタクリル酸エステル、特
定構造を有するモノマーを組合わせ、これに4−ジメチ
ルアミノ安息香酸エステルと4,4’ジメチルアミノベ
ンゾフェノンから選ばれる1種以上の化合物、特定の3
級アミン及び重合禁止剤とを夫れ夫れ特定比率組合わせ
たものから成る構成の義歯床用裏装材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉末成分と液成分とを
混和して義歯床の粘膜面部に盛り口腔内に装着し、口腔
内の形状に合わせて重合硬化させ義歯床の適合性を調整
するために使用する義歯床用裏装材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】口腔粘膜に対する適合性が悪化した義歯
を使用すると、咀嚼時に痛みを感じるほか、義歯が外れ
易くなって了う。この様な義歯は、義歯床用裏装材と呼
ばれる歯科材料を用いることによって適合性の修正が行
われている。即ち、義歯の粘膜面部の表面に義歯床用裏
装材を盛り口腔内に挿入して装着する操作を行うことに
より、義歯床用裏装材が口腔粘膜の形態に合わせて流動
し硬化するため、適合良く修正された義歯が得られるの
である。
【0003】従来から用いられて来た義歯床用裏装材
は、平澤等の総説「市販各種リベース材の現況とその材
料学的な整理として」(Quintessence of dental techn
ologyVol.12/1987 DECEMBER p.1475)に記載されている
様にメチルメタクリレートやイソブチルメタクリレート
を液の主成分に使用している。しかし、これ等のモノマ
ーには粘膜に対する刺激性や不快な臭気があるため義歯
床用裏装材を用いた治療は患者にとって大変不快なもの
であった。
【0004】義歯床用裏装材は義歯と粘膜の僅かな隙間
に流れ込んで硬化しなくてはならない。このため義歯に
盛り上げる際には粘性が低くなければならない。しか
し、いつまでも粘性が低いと、口腔内で垂れて了い使い
難いので、急速に粘性が高くなり硬化する様に設定され
ている。この性質は義歯床用裏装材の液成分が粉末成分
の主成分であるメタクリル酸エステル系重合体を溶解す
ることによって得られるものであるため、刺激性や不快
な臭いを有しているにも関わらず、メタクリル酸エステ
ル系重合体の溶解性が高いメチルメタクリレートやイソ
ブチルメタクリレートが義歯床用裏装材に使用されてい
るのである。
【0005】近年、この様な材料の持つ不快な臭いや刺
激性を低減するためにメチルメタクリレートやイソブチ
ルメタクリレートを使用しない義歯床用裏装材が開発さ
れており、低刺激性リライニング材として一部市販され
ている。しかし低刺激性リライニング材は材料表面の硬
化性がメチルメタクリレートを含有する従来品に比べて
大幅に低下するという問題点が明らかになって来た。第
91回日本補綴歯科学会で有馬等(第91回日本補綴歯科学
会講演集 演題番号1-2-9)は市販の2種の低刺激性リラ
イニング材を空気中で硬化させた場合、249μm、267μ
m、水中で硬化させた場合、127μm、163μmと非常に厚
い未重合層があることを報告している。
【0006】この様に厚い未重合層が残存した材料で裏
装された義歯を口腔内で長期間使用すると、モノマーが
溶出し為害作用を及ぼす恐れがあるほか、硬化性が充分
でないため物性も悪く、変色も起こり易く、耐久性も劣
る等の問題点が生じている。これ等の問題点を解決する
ために有馬等は同発表で、或る種の硬化促進処理が効果
的であることを報告している。しかし、この様な処理を
実際の臨床に於いて歯科医が行うことは、操作ステップ
が煩雑であるばかりか、時間が掛かり難しい。この様な
ことから、新しい義歯床用裏装材には低刺激化のみなら
ず、余計な処理を行わなくても、表面が確実に硬化する
性質が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】義歯床用裏装材は義歯
と粘膜の僅かな隙間に流れ込んで硬化しなくてはならな
いため、義歯に盛り上げる際には、粘性が低くなければ
ならない。しかしいつまでも粘性が低いと、口腔内で垂
れて了って使い難いので、急速に粘性が高くなり硬化す
る様に設定される必要がある。具体的には、液成分と粉
末成分を混和後、8〜15分で粘度が1500Pa・secに達する
様に設定すると臨床的に使い易い。この点を考慮して義
歯床用裏装材を設計する場合、次の2点に留意すること
が極めて重要である。 (留意点1)粉末成分には成る可くモノマーに溶解し易
いメタクリル酸エステル系重合体を使用する。 (留意点2)液成分には成る可く重合体粉末を溶解し易
いメタクリル酸エステルを使用する。
【0008】これ等の点を考慮して、従来型の義歯床用
裏装材は粉末成分にポリエチルメタクリレート、液成分
にはメチルメタクリレートやイソブチルメタクリレート
が用いられて来たが、メチルメタクリレートやイソブチ
ルメタクリレートは刺激性や不快な臭いを有している。
そこで、口腔粘膜に対して低刺激性で不快な臭いの無い
義歯床用裏装材を得るためには、前述した(留意点2)
に加え、臭いや刺激性の少ないメタクリル酸エステルを
選択する必要がある。メチルメタクリレートやイソブチ
ルメタクリレートより分子量の高いメタクリル酸のアル
キルエステルを使用すれば、沸点が高く、揮発性が抑え
られるので、臭い等を改善することが出来る。しかし分
子量の大きなモノメタクリレートには脆化温度が低いと
いった欠点がある。一般にポリアルキルメタクリレート
のアルキル基の炭素数が多くなると、メチルメタクリレ
ートと比べて大幅に脆化温度が低くなる。この様にモノ
メタクリレートを液の主成分に添加した義歯床用裏装材
は軟らかく、傷が付き易くなって了う。米国歯科医師会
の規格No.17は義歯床用裏装材に関するものであり、そ
の中で当該材料のヌープ硬度は10以上と定められている
が、配合によっては本規格から外れる恐れも生じる。ま
た分子量の大きなモノメタクリレートは過酸化物とアミ
ンを触媒として常温重合を行った場合、一般にメチルメ
タクリレートやイソブチルメタクリレートよりも重合性
が悪い。
【0009】特開昭62-178502や特開平3-74311、特開平
3-206012、特開平3-206013、特開平4-29911、特開平6-4
8912、特開平6-56619などにはメチルメタクリレートや
イソブチルメタクリレートに代わる低刺激性で不快な臭
いの無いモノマーが提案されている。しかしこれ等の発
明で提案されている過酸化物とアミンを触媒とした常温
重合型組成物は、いずれも表層の硬化性が悪く、空気に
触れた面は勿論、口腔粘膜に密着させて硬化させた部分
にも厚い未重合層が残存して了う。そのため何等かの硬
化促進剤を併用しなければ、充分な耐久性を得ることが
出来ない。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等はこれ等の点
に鑑み、刺激性や不快な臭いが無いことは勿論のこと、
特殊な硬化促進剤を併用しなくとも表層の重合性の高い
義歯床用裏装材を得るべく、鋭意検討を続けた結果、粉
末成分が、過酸化ベンゾイルを添加したメタクリル酸エ
ステルの重合体粉末から成り、液成分が、 a.メチルメタクリレート 2.5〜15.0重量% b.下記の構造式(1)で表される化合物から選ばれる1種または2種以上 20〜40重量%
【0011】
【化2】
【0012】(式中Rはアルキル基またはフェニル基を
示す) c.1分子内にメタクリロイル基を2個または3個有するメタクリル酸エステル の1種若しくは2種以上 41〜75重量% d.4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、4,4’ジメチルアミノベンゾフェ ノンから選ばれる1種以上の化合物 0.5〜1.5重量% e.4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、4,4’ジメチルアミノベンゾフェ ノン以外の芳香族3級アミン 2.0〜3.0重量% f.重合禁止剤 0.09〜0.15重量% から成り、粉末成分と液成分とを混和することによって
重合を開始せしめることを特徴とする義歯床用裏装材
は、低刺激性で不快な臭いが無いばかりか、余計な処理
を行わなくても表面の未重合層を少なくすることが出来
ることを見い出し本発明を完成した。
【0013】以下、本発明に係る義歯床用裏装材に就い
て具体的に説明する。本発明で粉末成分の主成分にはメ
タクリル酸エステル重合体が使用されるが、好適に使用
されるポリマーは、従来型の義歯床用裏装材と同様ポリ
エチルメタクリレート粉末である。ポリメチルメタクリ
レート粉末はメチルメタクリレートの様な刺激性の高い
モノマーにしか充分に溶けないので使用することは出来
ない。その他、特開平6-279224には可塑剤に溶け易いポ
リマー粉末が各種例示されている。これ等の粉末は分子
量の大きなモノメタクリレートにも良く溶解するので、
低刺激性の義歯床用裏装材に応用することが出来るが、
粉末と液とを混和し粘度が充分に上昇した後も、べた付
く場合がある。本発明に係る義歯床用裏装材は常温で重
合するため粉末成分に触媒として過酸化ベンゾイルを添
加しなければならない。通常、常温重合型の義歯床用裏
装材は室温下では8〜15分で硬化が完了するものが使い
易いため、本発明の義歯床用裏装材では、粉末成分に過
酸化ベンゾイルが0.5〜1.5重量%添加される。
【0014】本発明の液成分に含有される各成分に於け
る化合物の種類と量は夫れ夫れ厳密に守らなければ口腔
粘膜に対して低刺激性で不快な臭いが無いことは勿論の
こと、表面硬化性も良い義歯床用裏装材を得ることは出
来ない。即ち、本発明に係る義歯床用裏装材の液成分で
は、下記の構造式(1)で表される化合物から選ばれる1
種または2種以上を20〜40重量%使用する。
【0015】
【化3】
【0016】式中、Rはアルキル基またはフェニル基で
あればよいが、アルキル基の場合、炭素数が3よりも少
ないとモノマーの刺激性が現れ、逆に4よりも多いと硬
化後の義歯床用裏装材の硬度が低下したり、ポリマーの
溶解性が低下する傾向があるので不適当である。このた
めRがアルキル基の場合は炭素数は3若しくは4個のも
のが適当である。フェニル基も好適に用いられるが、屈
折率がポリエチルメタクリレートよりも高くなり、硬化
体の透明性が損なわれるので注意が必要である。Rの例
として具体的には以下に示す構造式の様なものが挙げら
れるが、前述した理由からn−ブトキシエチルメタクリ
レートが望ましい。
【0017】
【化4】
【0018】これ等のモノマーはポリマーの溶解性が高
いが、最低でも20重量%以上含まれていないと本発明に
係る義歯床用裏装材の粉末成分と液成分の混和後、迅速
に粘度を上昇させることは出来ない。しかし、40重量%
を超えると硬化物のヌープ硬度を低下させるので注意し
なくてはならない。即ち、前記構造式(1)で表される化
合物の配合量は多いほど混和後の粘度上昇を速やかにす
ることが出来るが、硬化物のヌープ硬度が低下して傷が
付き易くなる。従って、前記構造式(1)で表される化合
物のポリマー溶解能のみで臨床上、好適な粘度上昇の速
さを得るためには該化合物は50重量%以上配合すること
が必要となるが、40重量%を超えるとヌープ硬度が10以
下となり、米国歯科医師会の規格値を満たすことが出来
ない。一方、ポリマーの粒径を通常の義歯床用裏装材で
使用しているものの半分以下に細かくすれば、該化合物
の配合量を40重量%以下に抑えたまま混和後の粘度上昇
を速やかにすることが可能である。しかし混和時に気泡
が入り易くなるので物性が低下して了うため、ポリマー
の粒度は余り細かくない方が良く、通常平均粒子径30〜
100μmのポリマーが使用される。
【0019】メチルメタクリレートを配合することも本
発明の義歯床用裏装材の特性を発現するために極めて重
要である。即ち、混和後の粘度上昇が速く、高い表面硬
度と気泡の混入の少ない義歯床用裏装材を得るために、
メチルメタクリレートを2.5〜15.0重量%配合すること
が必須である。メチルメタクリレートの配合量は2.5重
量%と極く少量でも表面の重合性が改善され、粉末成分
と混和した場合のなじみが良くなるので硬化物中の気泡
を少なくすることが可能となる。また、前述の様にメチ
ルメタクリレートは刺激性や不快な臭いを有するが15.0
重量%以下であれば刺激性や不快な臭いは殆ど認められ
ない。
【0020】次に、本発明の義歯床用裏装材の液成分に
は、モノマーとして1分子内にメタクリロイル基を2個
または3個持つメタクリル酸エステルを1種若しくは2
種以上使用する。これ等のモノマーはポリマー粉末の溶
解性が低いが義歯床用裏装材の硬化性を促進するために
使用される。この様なモノマーのうち粘性が低く、特殊
な官能基等による刺激性の無いものが好適である。例え
ば1,3ブタンジオールジメタクリレート、1,4ブタ
ンジオールジメタクリレート、1,6ヘキサンジオール
ジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリ
レート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、
ビス(2−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロ
パン等が挙げられる。中でも、1,6ヘキサンジオール
ジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリ
レートは若干のポリマー粉末溶解能を持ちながら口腔粘
膜に対する刺激性も少ないので特に好適である。ビス
(2−メタクリロキシエチル)2,2,4−トリメチル
ヘキサメチレンジカルバメートやビスフェノールAジグ
リシジルメタクリレート等は粘性が高く、粉末成分と混
和した時に気泡を巻き込み易いので、使用する場合は注
意が必要である。これ等のモノマーは義歯床用裏装材中
に41〜75重量%配合されるものであるが、41重量%未満
では硬化性の促進効果が少なく、75重量%を超えるとポ
リマー粉末の溶解性が低下する傾向がある。なお、エチ
レングリコールジメタクリレートやトリエチレングリコ
ールジメタクリレートも使用可能であるが、これ等のモ
ノマーには苦味があるので使用する場合は10重量%以下
にとどめておくことが望ましい。
【0021】4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、
4,4’ジメチルアミノベンゾフェノンから選ばれる1
種以上の化合物は、本発明に係る義歯床用裏装材の液成
分に0.5〜1.5重量%配合されなければならない。これ等
の化合物は通常、光重合触媒と併用してメタクリル酸エ
ステルモノマーを光重合する場合に用いられるものであ
る。しかるに本発明者等は液成分にこれ等の化合物0.5
〜1.5重量%と重合禁止剤0.09〜0.15重量%とを組合わ
せて配合すると、常温重合型の義歯床用裏装材の表面硬
化性を向上することを見い出した。特に口腔内で口腔粘
膜に接触させて重合させた場合には殆ど未硬化層を無く
することが出来る。なお、これ等の化合物は芳香族3級
アミンの1種であるが過酸化ベンゾイルと併用してメタ
クリル酸エステルモノマーを常温重合することは出来な
い。4−ジメチルアミノ安息香酸エステルの具体例とし
ては、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチ
ルアミノ安息香酸(n-ブトキシ)エチル、4−ジメチル
アミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香
酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。本発明者等はこ
の他脂肪族3級アミン類も効果があることを認めたが、
これ等の化合物は一般に毒性が高く、水溶性であるた
め、硬化物の吸水性を増加させるので不適当であった。
【0022】本発明に係る義歯床用裏装材では通常より
も多量の重合禁止剤が添加されていることも特徴の一つ
である。本発明に使用される重合禁止剤は通常のモノマ
ーの保存安定性を向上するために使用されるものと同じ
ものが使用可能である。例えば、ブチルヒドロキシトル
エン、2,4−ジメチル−6−ターシャリーブチルフェ
ノール、p−メトキシフェノール等が挙げられる。これ
等の化合物は重合禁止剤としてモノマーに0.01〜0.02%
添加されるのが普通である。しかし本発明に係る義歯床
用裏装材では、これ等の重合禁止剤は、前述の4−ジメ
チルアミノ安息香酸エステルや4,4’ジメチルアミノ
ベンゾフェノン等の化合物成分と特定量を組合わせるこ
とによって義歯床用裏装材の表面硬化性を向上させるた
めに使用しているため、通常よりも可成り多い0.09〜0.
15重量%使用することが必要である。
【0023】4−ジメチルアミノ安息香酸エステルと
4,4’ジメチルアミノベンゾフェノン以外の芳香族3
級アミンは、本発明に係る義歯床用裏装材を常温重合型
にするために必須の成分である。常温重合型のレジンの
硬化時間は、過酸化ベンゾイル量を固定し、芳香族3級
アミンの添加量で調節するのが普通であるが、本発明に
係る義歯床用裏装材では4−ジメチルアミノ安息香酸エ
ステルと4,4’ジメチルアミノベンゾフェノン以外の
芳香族3級アミンは最低でも2.0重量%含有させない
と、硬化物表面の未硬化層を無くすることは出来ない。
しかし、3.0重量%を超えると硬化時間が速くなり過ぎ
る傾向がある。本発明の義歯床用裏装剤材に於いては23
℃での硬化時間が8〜15分に設定されるのが好ましい。
なお、4−ジメチルアミノ安息香酸エステルと4,4’
ジメチルアミノベンゾフェノン以外の芳香族3級アミン
としては、過酸化ベンゾイルと組合わせて効果の有るも
のであれば何れを使用しても良いが、使用する芳香族3
級アミンの種類によっては、硬化特性が変化するので注
意が必要である。具体的には、ジプロパノールパラトル
イジン、パラトリルジエタノールアミン、ジメチルパラ
トルイジン等が挙げられ、これ等の1種若しくは2種以
上が使用される。しかし、ジメチルパラトルイジンは表
面硬化能を向上することが出来るが、硬化時の発熱温度
を上昇させるので患者に不快感を与える場合があるた
め、ジメチルパラトルイジンを配合する場合は1.5重量
%以下に押さえ他の芳香族3級アミンと組合わせた方が
良い。ジプロパノールパラトルイジン、パラトリルジエ
タノールアミンは発熱温度が低く、且つ表面硬化能も高
いので好適に使用出来るものである。
【0024】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。以下、実施例に於いては、触媒として過酸化ベン
ゾイルとジメチルパラトルイジン(以下、DMPTと略
記する)、パラトリルジエタノールアミンを使用し、重
合禁止剤にはブチルヒドロキシトルエン(以下、BHT
と略記する)、ハイドロキノンモノメチルエーテル(以
下、MEHQと略記する)を使用しているが、使用する
触媒、重合禁止剤を限定するものではない。
【0025】また、実施例、比較例に示した各種義歯床
用裏装材は、比較のため23℃での硬化時間が8〜11分に
なる様に触媒量を調節したものである。なお、23℃での
硬化時間は以下の方法で測定した。 (硬化時間の測定法)各種義歯床用裏装材1.5〜1.6gを
23℃にて混和し、ラバーカップに注ぐ。直ちにサーミス
タ温度計を挿入し、混和開始から、重合による発熱温度
が最大になる迄の時間を計測し硬化時間とした。
【0026】実施例1 (粉末成分)平均分子量50万、平均粒子径60μmのポリ
エチルメタクリレートに過酸化ベンゾイルを1.0重量%
添加。 (液成分) (重量%) メチルメタクリレート 15 n−ブトキシエチルメタクリレート 30 1,6ヘキサンジオールジメタクリレート 51.89 4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル 1 DMPT 2 BHT 0.11 上記組成の義歯床用裏装材を試作し、粉液比1.6/1.0
(粉/液)で混和し、試験に供した。評価試験の結果を
表1に示す。臭い、刺激性は可成り少なく、空気中、口
腔内での未重合層の厚さは大変薄くくなっていた。粉と
液のなじみは良く、気泡の混入も少なかった。
【0027】実施例2 (粉末成分)平均分子量50万、平均粒子径40μmのポリ
エチルメタクリレートに過酸化ベンゾイルを1.0重量%
添加。 (液成分) (重量%) メチルメタクリレート 10 n−ブトキシエチルメタクリレート 30 1,6ヘキサンジオールジメタクリレート 56.89 4−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステル 1 DMPT 1 パラトリルジエタノールアミン 1 BHT 0.11 上記組成の義歯床用裏装材を試作し、粉液比1.6/1.0
(粉/液)で混和し、試験に供した。評価試験の結果を
表1に示す。臭い、刺激性は可成り少なく、空気中、口
腔内での未重合層の厚さは大変薄くくなっていた。粉と
液のなじみは良く、気泡の混入も少なかった。
【0028】実施例3 (粉末成分)平均分子量50万、平均粒子径40μmのポリ
エチルメタクリレートに過酸化ベンゾイルを1.0重量%
添加。 (液成分) (重量%) メチルメタクリレート 10 n−ブトキシエチルメタクリレート 30 1,6ヘキサンジオールジメタクリレート 56.89 4−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステル 1 DMPT 1 ジプロパノールパラトルイジン 1 BHT 0.11 上記組成の義歯床用裏装材を試作し、粉液比1.6/1.0
(粉/液)で混和し、試験に供した。評価試験の結果を
表1に示す。臭い、刺激性は可成り少なく、空気中、口
腔内での未重合層の厚さは大変薄くなっていた。粉と液
のなじみは良く、気泡の混入も少なかった。
【0029】実施例4 (粉末成分)平均分子量25万、平均粒子径40μmのポリ
エチルメタクリレートに過酸化ベンゾイルを1.0重量%
添加。 (液成分) (重量%) メチルメタクリレート 3 n−ブトキシエチルメタクリレート 30 1,6ヘキサンジオールジメタクリレート 63.89 4,4’ジメチルアミノベンゾフェノン 1 パラトリルジエタノールアミン 2 BHT 0.11 上記組成の義歯床用裏装材を試作し、粉液比1.6/1.0
(粉/液)で混和し、試験に供した。評価試験の結果を
表1に示す。臭い、刺激性は可成り少なく、空気中、口
腔内での未重合層の厚さは大変薄くくなっていた。粉と
液のなじみは良く、気泡の混入も少なかった。
【0030】実施例5 (粉末成分)平均分子量25万、平均粒子径40μmのポリ
エチルメタクリレートに過酸化ベンゾイルを1.0重量%
添加。 (液成分) (重量%) メチルメタクリレート 10 n−ブトキシエチルメタクリレート 25 1,6ヘキサンジオールジメタクリレート 41.4 1,3ブタンジオールジメタクリレート 20 4−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステル 1.5 パラトリルジエタノールアミン 2 BHT 0.1 上記組成の義歯床用裏装材を試作し、粉液比1.6/1.0
(粉/液)で混和し、試験に供した。評価試験の結果を
表1に示す。臭い、刺激性は可成り少なく、空気中、口
腔内での未重合層の厚さは大変薄くくなっていた。粉と
液のなじみは良く、気泡の混入も少なかった。
【0031】実施例6 (粉末成分)平均分子量50万、平均粒子径60μmのポリ
エチルメタクリレートに過酸化ベンゾイルを1.0重量%
添加。 (液成分) (重量%) メチルメタクリレート 15 n−ブトキシエチルメタクリレート 30 1,6ヘキサンジオールジメタクリレート 52.39 4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル 0.5 DMPT 2 BHT 0.11 上記組成の義歯床用裏装材を試作し、粉液比1.5/1.0
(粉/液)で混和し、試験に供した。評価試験の結果を
表1に示す。臭い、刺激性は可成り少なく、空気中、口
腔内での未重合層の厚さは大変薄くくなっていた。粉と
液のなじみは良く、気泡の混入も少なかった。
【0032】実施例7 (粉末成分)平均分子量50万、平均粒子径60μmのポリ
エチルメタクリレートに過酸化ベンゾイルを1.0重量%
添加。 (液成分) (重量%) メチルメタクリレート 10 フェノキシエチルメタクリレート 30 1,6ヘキサンジオールジメタクリレート 57.39 4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル 0.5 DMPT 2 BHT 0.11 上記組成の義歯床用裏装材を試作し、粉液比1.5/1.0
(粉/液)で混和し、試験に供した。評価試験の結果を
表1に示す。臭い、刺激性は可成り少なく、空気中、口
腔内での未重合層の厚さは大変薄くくなっていた。粉と
液のなじみは良く、気泡の混入も少なかった。
【0033】比較例1 (粉末成分)平均分子量50万、平均粒子径40μmのポリ
エチルメタクリレートに過酸化ベンゾイルを1.0重量%
添加。 (液成分) (重量%) n−ブトキシエチルメタクリレート 40 1,6ヘキサンジオールジメタクリレート 56.89 4−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステル 1 DMPT 1 パラトリルジエタノールアミン 1 BHT 0.11 上記組成の義歯床用裏装材を試作し、粉液比1.6/1.0
(粉/液)で混和し、試験に供した。評価試験の結果を
表1に示す。臭い、刺激性は可成り少なかったものの空
気中、口腔内での未重合層の厚さが厚かった。また、粉
と液のなじみが悪く、気泡が入り易かった。
【0034】比較例2 (粉末成分)平均分子量50万、平均粒子径40μmのポリ
エチルメタクリレートに過酸化ベンゾイルを1.0重量%
添加。 (液成分) (重量%) メチルメタクリレート 30 n−ブトキシエチルメタクリレート 39.89 1,6ヘキサンジオールジメタクリレート 27 4−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステル 1 DMPT 1 パラトリルジエタノールアミン 1 BHT 0.11 上記組成の義歯床用裏装材を試作し、粉液比1.6/1.0
(粉/液)で混和し、試験に供した。評価試験の結果を
表1に示す。空気中、口腔内での未重合層の厚さは大変
薄かったものの、臭い、刺激性が強く感じられた。粉と
液のなじみは良く、気泡の混入は少なかった。
【0035】比較例3 (粉末成分)平均分子量50万、平均粒子径40μmのポリ
エチルメタクリレートに過酸化ベンゾイルを1.0重量%
添加。 (液成分) (重量%) メチルメタクリレート 10 n−ブトキシエチルメタクリレート 25 1,6ヘキサンジオールジメタクリレート 62.89 DMPT 1 パラトリルジエタノールアミン 1 BHT 0.11 上記組成の義歯床用裏装材を試作し、粉液比1.6/1.0
(粉/液)で混和し、試験に供した。評価試験の結果を
表1に示す。臭い、刺激性は可成り少なかったものの空
気中、口腔内での未重合層の厚さが厚かった。粉と液の
なじみは良く、気泡の混入は少なかった。
【0036】比較例4 (粉末成分)平均分子量50万、平均粒子径40μmのポリ
エチルメタクリレートに過酸化ベンゾイルを1.0重量%
添加。 (液成分) (重量%) メチルメタクリレート 10 n−ブトキシエチルメタクリレート 40 1,6ヘキサンジオールジメタクリレート 46.98 4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル 1 DMPT 1 パラトリルジエタノールアミン 1 BHT 0.02 上記組成の義歯床用裏装材を試作し、粉液比1.6/1.0
(粉/液)で混和し、試験に供した。評価試験の結果を
表1に示す。臭い、刺激性は可成り少なかった。また空
気中、口腔内での未重合層の厚さも大変薄くなってい
た。しかし硬化時間が4分と短く、義歯床用裏装材とし
て使用することは難しい。
【0037】比較例5 (粉末成分)平均分子量50万、平均粒子径40μmのポリ
エチルメタクリレートに過酸化ベンゾイルを1.0重量%
添加。 (液成分) (重量%) メチルメタクリレート 10 n−ブトキシエチルメタクリレート 59.88 1,6ヘキサンジオールジメタクリレート 27 4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル 1 DMPT 1 パラトリルジエタノールアミン 1 BHT 0.12 上記組成の義歯床用裏装材を試作し、粉液比1.6/1.0
(粉/液)で混和し、試験に供した。評価試験の結果を
表1に示す。臭い、刺激性は可成り少なく、口腔内での
未重合層の厚さも薄くなっていたが、ヌープ硬度が7.9
と低く、傷が付き易かった。粉と液のなじみは良く、気
泡の混入は少なかった。
【0038】比較例6 (粉末成分)平均分子量50万、平均粒子径40μmのポリ
エチルメタクリレートに過酸化ベンゾイルを1.0重量%
添加。 (液成分) (重量%) n−ブトキシエチルメタクリレート 59.88 1,6ヘキサンジオールジメタクリレート 37 4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル 1 DMPT 1 パラトリルジエタノールアミン 1 BHT 0.12 上記組成の義歯床用裏装材を試作し、粉液比1.6/1.0
(粉/液)で混和し、試験に供した。評価試験の結果を
表1に示す。臭い、刺激性は可成り少なく、口腔内での
未重合層の厚さも薄くなっていたが、ヌープ硬度が7.5
と低く、傷が付き易かった。粉と液のなじみは良く、気
泡の混入は少なかった。
【0039】比較例7 (粉末成分)平均分子量50万、平均粒子径40μmのポリ
エチルメタクリレートに過酸化ベンゾイルを1.0重量%
添加。 (液成分) (重量%) メタクリロキシエチルプロピオネート 49.38 1,6ヘキサンジオールジメタクリレート 50 DMPT 0.6 MEHQ 0.02 上記組成の義歯床用裏装材を試作し、粉液比1.6/1.0
(粉/液)で混和し、試験に供した。評価試験の結果を
表1に示す。臭い、刺激性は可成り少なかったが、口腔
内での未重合層が厚かった。また粉と液のなじみが悪く
気泡が入り易かった。
【0040】比較例8 (粉末成分)平均分子量50万、平均粒子径40μmのポリ
エチルメタクリレートに過酸化ベンゾイルを1.0重量%
添加。 (液成分) (重量%) メタクリロキシエチルブチレート 54.18 1,6ヘキサンジオールジメタクリレート 45 パラトリルジエタノールアミン 0.8 MEHQ 0.02 上記組成の義歯床用裏装材を試作し、粉液比1.6/1.0
(粉/液)で混和し、試験に供した。評価試験の結果を
表1に示す。臭い、刺激性は可成り少なかったが、口腔
内での未重合層が厚かった。また粉と液のなじみが悪く
気泡が入り易かった。ヌープ硬度も10以下であった。
【0041】比較例9 (粉末成分)平均分子量50万、平均粒子径40μmのポリ
エチルメタクリレートに過酸化ベンゾイルを1.0重量%
添加。 (液成分) (重量%) メトキシトリエチレングリコールメタクリレート 30 1,6ヘキサンジオールジメタクリレート 34.98 トリメチロールプロパントリメタクリレート 34 DMPT 1.0 MEHQ 0.02 上記組成の義歯床用裏装材を試作し、粉液比1.6/1.0
(粉/液)で混和し、試験に供した。評価試験の結果を
表1に示す。臭い、刺激性は可成り少なかったが、口腔
内での未重合層が厚かった。また粉と液のなじみが悪く
気泡が入り易かった。ヌープ硬度も10以下であった。
【0042】比較例10 (粉末成分)平均分子量50万、平均粒子径40μmのポリ
エチルメタクリレートに過酸化ベンゾイルを1.0重量%
添加。 (液成分) (重量%) 下記の構造式で示される化合物 30
【0043】
【化5】
【0044】 1,6ヘキサンジオールジメタクリレート 34.98 トリメチロールプロパントリメタクリレート 34 DMPT 1.0 MEHQ 0.02 上記組成の義歯床用裏装材を試作し、粉液比1.6/1.0
(粉/液)で混和し、試験に供した。評価試験の結果を
表1に示す。臭い、刺激性は可成り少なかったが、口腔
内での未重合層が厚かった。また粉と液のなじみが悪く
気泡が入り易かった。ヌープ硬度も10以下であった。
【0045】比較例11 (粉末成分)平均分子量50万,平均粒子径40μmのポリ
エチルメタクリレートに過酸化ベンゾイルを1.0重量%
添加。 (液成分) (重量%) エトキシエチルメタクリレート 30.0 1,6ヘキサンジオールジメタクリレート 69.18 DMPT 0.8 MEHQ 0.02 上記組成の義歯床用裏装材を試作し、粉液比1.6/1.0
(粉/液)で混和し、試験に供した。評価試験の結果を
表1に示す。臭い、刺激性は可成り少なかったが、口腔
内での未重合層が厚かった。
【0046】比較例12 (粉末成分)平均分子量50万,平均粒子径40μmのポリ
エチルメタクリレートに過酸化ベンゾイルを1.0重量%
添加。 (液成分) (重量%) ブトキシエチルメタクリレート 20.0 1,6ヘキサンジオールジメタクリレート 79.18 DMPT 0.8 MEHQ 0.02 上記組成の義歯床用裏装材を試作し、粉液比1.6/1.0
(粉/液)で混和し、試験に供した。評価試験の結果を
表1に示す。臭い、刺激性は可成り少なかったが、口腔
内での未重合層が厚かった。また餅状化時間が16分と遅
かった。
【0047】
【表1】
【0048】なお、評価のための各試験は以下の方法で
実施した。 (臭い、刺激性の評価法)各種義歯床用裏装材を混和
し、混和3分後に試験者の口腔内に挿入し、その際の刺
激、臭いを、市販の義歯床用裏装材:商品名「ジーシー
リベロン」(株式会社ジーシー社製)と比較して「○:
優れている」、「△:同等」、「×:劣る」で評価し
た。なお、「ジーシーリベロン」は液の主成分にメチル
メタクリレートを使用している従来型の義歯床用裏装材
である。
【0049】(未重合層の厚さ・・・23℃空気中)各種
義歯床用裏装材を混和し、ガラス板の上に載せたφ4×
8mmの金型に流し込み、上面を平らにして重合させ、混
和開始より15分後に未重合層を含めた硬化体の長さをマ
イクロメーターで計測した。続いて未重合部分をエタノ
ールで拭い、同様に長さを計測し、未重合層の厚さを求
めた。
【0050】(未重合層の厚さ・・・口腔内)各種義歯
床用裏装材を混和し、ガラス板の上に載せたφ4×8mm
の金型に流し込み、上面を平らにした後、口腔粘膜に密
着させ重合させた。混和開始より9分後に試験体を口腔
内から取り出し、混和開始より15分後に未重合層を含め
た硬化体の長さをマイクロメーターで計測した。続いて
未重合部分をエタノールで拭い、同様に長さを計測し、
未重合層の厚さを求めた。
【0051】(ヌープ硬度)米国歯科医師会規格ADA
No.17に記載の方法で試験した。
【0052】
【発明の効果】本発明の義歯床用裏装材は、低刺激性で
不快な臭いが殆ど認められず、未重合層を生じることも
殆ど無く、操作性、表面硬化性に優れたものであり、義
歯床の適合性の調整作業が極めて容易で精度良く行うこ
とが可能となり、且つ得られた義歯床は、長期間使用し
ても充分な強度と耐久性を有すると共に耐変色性にも優
れるという義歯床用裏装材に要求される性能を全て兼ね
備えたものであり、患者及び歯科医にとって満足した治
療が可能となり、歯科医療に貢献する処の極めて大なる
ものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉末成分が、過酸化ベンゾイルを添加した
    メタクリル酸エステルの重合体粉末から成り、 液成分が、 a.メチルメタクリレート 2.5〜15.0重量% b.下記の構造式(1)で表される化合物から選ばれる1種または2種以上 20〜40重量% 【化1】 (式中Rはアルキル基またはフェニル基を示す) c.1分子内にメタクリロイル基を2個または3個有するメタクリル酸エステル の1種若しくは2種以上 41〜75重量% d.4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、4,4’ジメチルアミノベンゾフェ ノンから選ばれる1種以上の化合物 0.5〜1.5重量% e.4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、4,4’ジメチルアミノベンゾフェ ノン以外の芳香族3級アミン 2.0〜3.0重量% f.重合禁止剤 0.09〜0.15重量% から成り、 粉末成分と液成分とを混和することによって重合を開始
    せしめることを特徴とする義歯床用裏装材。
  2. 【請求項2】構造式(1)で示される化合物がn−ブトキ
    シエチルメタクリレートである請求項1に記載の義歯床
    用裏装材。
  3. 【請求項3】1分子内にメタクリロイル基を2個または
    3個有するメタクリル酸エステルが1,6ヘキサンジオ
    ールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタ
    クリレートの何れか、または双方である請求項1または
    2に記載の義歯床用裏装材。
  4. 【請求項4】4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、
    4,4’ジメチルアミノベンゾフェノン以外の芳香族3
    級アミンが、ジプロパノールパラトルイジン、パラトリ
    ルジエタノールアミン、ジメチルパラトルイジンの1種
    または2種以上である請求項1ないし3に記載の義歯床
    用裏装材。
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