JPH08235566A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH08235566A
JPH08235566A JP31855295A JP31855295A JPH08235566A JP H08235566 A JPH08235566 A JP H08235566A JP 31855295 A JP31855295 A JP 31855295A JP 31855295 A JP31855295 A JP 31855295A JP H08235566 A JPH08235566 A JP H08235566A
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員宏 黒田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造過程中にケン化工程を含まない塩化ビニ
ル共重合体を結合剤として用い、比表面積およびpHの
調整された金属磁性粉を磁性粉として用いることによ
り、分散性にすぐれ、また熱的安定性にすぐれ、特に高
温高湿下の保存性や、耐久走行性にすぐれ、電磁変換特
性のすぐれた磁気記録媒体を提供することにある。 【解決手段】 結合剤として、塩化ビニル、水酸基含有
単量体および極性基含有単量体を構成単位として含む
か、あるいは塩化ビニル、酢酸ビニル、水酸基含有単量
体および極性基含有単量体を構成単位として含む共重合
体であって、共重合体中の塩化ビニル単位含有量が60
〜95重量%であり、水酸基含有単量体の水酸基はビニ
ル基に直接結合しておらず、また極性基含有単量体はカ
ルボン酸基、リン酸基、硫酸基およびスルホン酸基また
はそれらの塩、アミノ基ならびにアンモニウム基のうち
の1種以上の極性基を有するものを含有し、磁性粉とし
てBET値30〜60m2/g、pH8〜10の金属磁性粉
を含有する磁気記録媒体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体に関し、
物理特性、特に分散性および高温高湿環境下の保存性、
走行性、電磁変換特性等の良好な磁気記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、記録の高密度化のため、磁性粉と
して従来の酸化物系から金属磁性粉への転換が進められ
ている。
【0003】また、磁気記録媒体の磁気特性向上を目的
として、磁性粉の微粒子化が進んでいる。特にオーディ
オ用の媒体では、S/N比向上のため、ノイズを低減さ
せるためには、金属磁性粉の微粒子化は必要不可欠であ
る。また、アルカリ性の金属磁性粉を用いることも電磁
変換特性上有効である。
【0004】しかし、微粒子金属磁性粉は磁性塗料とし
た場合の分散性が悪く、したがって磁性層への磁性粉の
含有率を高くすることが困難である。また、磁性粉自体
の反応性が従来の磁性粉に比べ高くなるので、高温高湿
下での経時変化等の問題や、物性信頼性等の問題が生じ
る。
【0005】ところで、本発明者らは、先に、塩化ビニ
ル−水酸基含有単量体−極性基含有単量体または塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−水酸基含有単量体−極性基含有単量
体からなる共重合体であって、構成成分としてビニルア
ルコールを含まない(ケン化工程を経ていない)ものを
結合剤として使用することを提案している(昭和60年
11月27日付出願)。
【0006】この共重合体はケン化工程を経ずに製造さ
れ、また極性基およびエポキシ基を含有しているため磁
性粉の分散性に優れ、特に高温高湿下での保存性、走行
性、電磁変換特性等の点できわめて良好な特性を示す。
【0007】そこで、本発明者等は、前記本発明者らの
提案による極性基を有する熱硬化性樹脂をバインダーと
して用いる場合の磁性塗料、磁性層について検討を行っ
たところ、BET値が30〜60m2/g、pHが8〜10
以上の微粒子金属磁性粉を用いる場合において、特に分
散性が向上し、物性信頼性および電磁変換特性が改善さ
れることを確認した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、製造
過程中にケン化工程を含まない塩化ビニル共重合体を結
合剤として用い、比表面積およびpHの調整された金属
磁性粉を磁性粉として用いることにより、分散性にすぐ
れ、また熱的安定性にすぐれ、特に高温高湿下の保存性
や、耐久走行性にすぐれ、電磁変換特性のすぐれた磁気
記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(7)の本発明により達成される。 (1)結合剤と磁性粉とを含有する磁性塗料を基体上に
塗設した磁気記録媒体において、前記結合剤が、塩化ビ
ニル、水酸基含有単量体および極性基含有単量体を構成
単位として含むか、あるいは塩化ビニル、酢酸ビニル、
水酸基含有単量体および極性基含有単量体を構成単位と
して含む共重合体を含有し、前記共重合体の塩化ビニル
単位含有量が60〜95重量%であり、前記水酸基含有
単量体の水酸基はビニル基に直接結合しておらず、また
前記極性基含有単量体はカルボン酸基、リン酸基、硫酸
基およびスルホン酸基またはそれらの塩、アミノ基なら
びにアンモニウム基のうちの1種以上の極性基を有し、
さらに前記磁性粉がBET値30〜60m2/g、pH8〜
10の金属磁性粉である磁気記録媒体。 (2)共重合体が0.01〜15重量%の極性基を含有
する上記(1)の磁気記録媒体。 (3)共重合体の酢酸ビニル単位含有量が20重量%以
下である上記(1)または(2)の磁気記録媒体。 (4)共重合体が0.01〜5重量%の水酸基を含有す
る上記(1)〜(3)のいずれかの磁気記録媒体。 (5)共重合体の数平均分子量が10000〜3000
0である上記(1)〜(4)のいずれかの磁気記録媒
体。 (6)結合剤が熱可塑性のエラストマーおよび/または
樹脂を70重量%以下含有する上記(1)〜(5)のい
ずれかの磁気記録媒体。 (7)共重合体が架橋剤によって架橋されている上記
(1)〜(6)のいずれかの磁気記録媒体。
【0010】なお、この出願の先願である特開昭61−
53368号には、本発明と一部重複する共重合体が開
示されているが、本発明における金属磁性粉においては
一切開示がない。
【0011】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。本発明は、結合剤として塩化ビニルおよび
水酸基含有単量体、または塩化ビニル、酢酸ビニルおよ
び水酸基含有単量体と、これに対して共重合可能な極性
基含有単量体とを構成成分とする共重合体であって構成
成分としてビニルアルコールを含まない(ケン化工程を
経ていない)ものを使用する。
【0012】本発明に用いる極性基含有単量体は、極性
基を含有するビニル単量体である。
【0013】極性基としては、カルボン酸基、リン酸
基、硫酸基およびスルホン酸基またはそれらの塩、アミ
ノ基ならびにアンモニウム基である。
【0014】この場合、カルボン酸基COOH、リン酸
基PO42 、硫酸基SO4 H、スルホン酸基SO3
の塩としては、K,Na等のアルカリ金属やCa,Mg
等のアルカリ土類金属の塩等の他、アンモニウム塩等で
あってもよい。
【0015】なお、リン酸基は、アルキル基、アリール
基等を有するモノリン酸エステル基であってもよい。
【0016】そして、アミノ基としては、非置換のもの
の他、アルキル基、アリール基等で置換されたモノ置換
アミノ基であってもよい。
【0017】さらに、アンモニウム基としては、非置換
のものの他、アルキル基、アリール基等で置換されたモ
ノ,ジ,トリ置換アミノ基であってもよい。
【0018】そして、アンモニウム基には、ハロゲン等
の酸アニオンが結合していてもよい。
【0019】本発明に用いる極性基含有単量体は上記極
性基を1種以上有するものである。そして、極性基は、
直接ビニル基に結合してもよく、あるいは、ビニル基に
結合する置換基に結合していてもよい。
【0020】極性基が結合するビニル基に結合する置換
基としては、ROCO−、R−、RNHCO−、RSi
−、RNCOOCO−等が好ましい。
【0021】この場合、Rは、アルキル基、特に炭素原
子数1〜10、アリール基(フェニル基、ナフチル基な
ど)等である。なお、これらには、さらに他に置換基等
が置換していてもよい。
【0022】これら極性基は、通常、ビニル基に直接な
いし間接的に1個のみ結合するが、2個以上結合してい
てもよい。
【0023】さらに、ビニル基には、他に、アルキル
基、特に炭素原子数1〜10のもの、アリール基等、好
ましくは低級アルキル基が結合していてもよい。
【0024】以下に、これら極性基含有単量体の具体例
を挙げる。
【0025】(1)カルボン酸基含有単量体 1) アクリル酸 2) メタクリル酸 3) クロトン酸 4) イソクロトン酸 5) ビニル酢酸 6) アンゲリカ酸 7) チグリン酸 8) アリル酢酸 9) β、β−ジメチルアクリル酸 10) ピロテレピン酸 11) ウンデシレン酸 12) マレイン酸 13) イタコン酸など。
【0026】(2)リン酸基含有単量体 1) CH2 =CHCOO(R)n-OPO(OH)2 ここで R: CH2 ,C(CH3)2 等の置換もしくは非置換のメ
チレン n: 1〜10程度 2) CH2 =CHCOO[C(CH3)2]n(CH2)m-OPO(OH)2 ここで m: 1〜10程度 n: 1〜10程度など。
【0027】(3)硫酸基含有単量体 1) 下記の化合物
【0028】
【化1】
【0029】ここで A: H またはNa,K 等のカチオンな
ど。
【0030】(4)スルホン酸基含有単量体 1) ビニルスルホン酸 2) ビニルスルホン酸塩 3) スチレンスルホン酸 4) スチレンスルホン酸塩 5) CH2 =CH(R)nSO3A ここで R:CH2,C(CH3)2 等の置換または非置換のメチレ
ン n: 1〜10程度 A: H またはNa,K 等のカチオン 6) CH2 =CH[C(CH3)2]n(CH2)mSO3A ここで m: 1〜10程度 n: 1〜10程度 A: H またはNa,K 等のカチオン 7) 下記の化合物
【0031】
【化2】
【0032】ここで A: H またはNa,K 等のカチオンな
ど。
【0033】(5)アミノ基含有単量体 1) アクリルアミド 2) CH2 = CHCOO(CH2)2-NH2 3) ジメチルアミノエチルメタクリレート 4) CH2 =CHCONH(CH2)2-SO3A ここで A: H またはNa,K等のカチオンなど。
【0034】(6)アンモニウム基含有単量体 1) CH2 =CH-COO(CH2)3N-(R')3 +X- ここでR':CH3,C2H5等のアルキル X: Cl,I 等のアニオン 2) ジアリルジメチル−アンモニウムブロミドなど。
【0035】このような極性基含有単量体は、共重合体
中に1種以上含有され、構成単位として総計0.02〜
40重量%程度含有される。
【0036】そして、この結果、極性基は共重合体中に
総計0.01〜15重量%、より好ましくは0.01〜
5重量%含有される。
【0037】極性基含有量が0.01重量%未満となる
と、分散性が悪化し、また、15重量%をこえると溶解
性、耐久性等の点で不都合を生じる。
【0038】このような極性基含有単量体を構成単位と
して含む共重合体は、塩化ビニルおよび水酸基含有単量
体を必須構成単位として含む。
【0039】塩化ビニル単位含有量は60〜95重量
%、より好ましくは70〜90重量%である。
【0040】塩化ビニル単位含有量が95重量%をこえ
ると溶解性が悪化する。
【0041】また、60重量%未満になると、分散性が
悪化する。
【0042】また、用いる水酸基含有単量体の水酸基は
直接ビニル基に結合せず、ビニル基に結合する置換基に
結合するものである。
【0043】より具体的には、この水酸基が結合し、ビ
ニル基に結合する置換基としては、ROCO−、R−が
好ましい。この場合、Rは、アルキル基、特に炭素原子
数2〜10、アリール基(フェニル基、ナフチル基な
ど)等であり、特に炭素原子数2〜5のアルキル基が好
ましい。
【0044】なお、これらには、さらに他の置換基等が
置換していてもよい。
【0045】そして、水酸基が結合するR中の炭素原子
は、エステル基に結合するものより、末端側のものが好
ましい。
【0046】これら置換基はビニル基に通常1個のみ結
合するが、2個以上結合していてもよい。
【0047】さらに、ビニル基には、他に、アルキル
基、特に炭素原子数2〜10のもの、アリール基等、好
ましくは低級アルキル基が結合していてもよい。
【0048】そして、これらの水酸基含有単量体の中
で、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好まし
い。
【0049】以下に、これら水酸基含有単量体の具体例
を挙げる。
【0050】1) 2−ヒドロキシエチルアクリレート 2) 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 3) 2−ヒドロキシプロピルアクリレート 4) 2−ヒドロキシプロピルメタクリレート 5) 3−ヒドロキシプロピルアクリレート 6) 3−ヒドロキシプロピルメタクリレート 7) 2−ヒドロキシブチルアクリレート 8) 2−ヒドロキシブチルメタクリレート 9) 3−ヒドロキシブチルアクリレート 10) 3−ヒドロキシブチルメタクリレート 11) 4−ヒドロキシブチルアクリレート 12) 4−ヒドロキシブチルメタクリレート 13) 5−ヒドロキシペンチルアクリレート 14) 5−ヒドロキシペンチルメタクリレート 15) 6−ヒドロキシヘキシルアクリレート 16) 6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート 17) ネオペンチルグリコールアクリレート 18) ネオペンチルグリコールメタクリレート 19)アリルカルビノール
【0051】このような水酸基含有単量体は、共重合体
中に、構成単位として0.02〜40%含有される。
【0052】そして、この結果、水酸基は共重合体中に
0.01〜5重量%含有される。
【0053】水酸基含有量が0.01重量%未満となる
と、分散性が悪化し、また後述の架橋剤による架橋度が
低下する。他方、5重量%をこえると溶解性や耐久性等
の点で不都合を生じる。
【0054】さらに、共重合体中には、構成単位とし
て、酢酸ビニルが含有されていてもよい。
【0055】酢酸ビニルの添加により、溶解性が良くな
る傾向にあるが、酢酸ビニル単位の含有量が20重量%
をこえると、分散性が悪化することになるので、酢酸ビ
ニル単位の含有量は20重量%以下である。
【0056】このような共重合体の数平均分子量は、通
常、10000〜30000とする。
【0057】数平均分子量が10000未満となると物
性が悪化し、また30000をこえると分散性が悪化す
る。
【0058】このような共重合体を合成するには、通
常、各単量体を常法に従い共重合すればよい。
【0059】あるいは酸基ないしアンモニウム基等は共
重合体合成後、別途常法に従い導入することもできる。
【0060】このような共重合体は磁気記録媒体の主バ
インダ(結合剤)として用いられるものである。
【0061】本発明において結合剤は、熱可塑性のエラ
ストマーおよび/または樹脂を結合剤における全樹脂分
に対して70重量%以下、特に20〜70重量%含有す
る。
【0062】熱可塑性エラストマーとしては、下記のも
のが好適である。
【0063】i )ポリウレタンエラストマー 熱可塑性エラストマーの系統としては、磁気記録媒体に
要求される磁性塗膜の耐摩耗性、PETフィルムとの接
着性、磁性材粒子との湿潤性のバランスが優れている点
で、特にウレタン系化合物は本発明の目的に適する。
【0064】このようなウレタン化合物の例としては、
イソシアネートとして、2,4−トルエンジイソシアネ
ート、2,6−トルエンジイソシアネート、1,3−キ
シレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシア
ネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フ
ェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシア
ネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニレンジイ
ソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジ
イソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート、デスモジュールL、デスモジュールN等の各種多
価イソシアネートと、網状飽和ポリエステル(エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ペンタエリスリット、ソルビトー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、のような多価アルコールと、フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、コハク酸、
アジピン酸、セバシン酸のような飽和多塩基酸との縮重
合によるもの)、網状飽和ポリエーテル(ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラエ
チレングリコール)やカプロラクタム、ヒドロキシ含有
アクリル酸エステル、ヒドロキシ含有メタアクリル酸エ
ステル等の各種ポリエステル類の縮重合物よりなるポリ
ウレタンエラストマーが有効である。
【0065】ii )アクリルニトリル−ブタジエン共重合
体エラストマー シンクレアペトロケミカル社製ポリBDリクイッドレジ
ンとして市販されている末端水酸基のあるアクリルニト
リルブタジエン共重合体あるいは日本ゼオン社製ハイカ
ー1432j等のエラストマー。
【0066】iii)ポリブタジエンエラストマー シンクレアペトロケミカル社製ポリBDリクイッドレジ
ンR−15等の低分子量末端水酸基を有するプレポリマ
ーが、特に熱可塑性プラスチックとの相溶性、磁性粉と
の親和性の上で好適である。
【0067】また、ポリブタジエンの環化物日本合成ゴ
ム製CBR−M901も熱可塑性プラスチックとの組合
わせにより優れた性能を発揮する。
【0068】その他、熱可塑性エラストマーで好適なも
のとしては、塩化ゴム、アクリルゴム、イソプレンゴム
およびその環化物(日本合成ゴム製CIR701)、エ
ポキシ変性ゴム、内部可塑化飽和線状ポリエステル(東
洋紡バイロン#300)等がある。
【0069】また、このようなエラストマー成分に代わ
る、あるいはこれに加える熱可塑性樹脂としては、線状
飽和ポリエステル樹脂、バイエル社製デスモフェン#8
00、#1100、#2200の様なイソシアネートと
の2液タイプに汎用性のある低分子量ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、クロルスルホン化
ポリエチレン樹脂、ビニルイソブチルエーテル、ポリア
ミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルピロ
リドン樹脂等を使用することができる。
【0070】また、結合剤は、特に共重合体の水酸基と
反応し得る化合物架橋剤により架橋することができる。
【0071】このような架橋剤としては、前にふれたよ
うなイソシアネート基を有する多官能性イソシアネート
化合物もしくはイソシアネート含有物のほか、ブチル化
メラミン樹脂等が挙げられる。
【0072】このような結合剤を硬化するには、一般に
加熱オーブン中で50〜80℃にて6〜100時間加熱
すればよい。
【0073】本発明の磁気記録媒体の磁性塗料に用いる
磁性粉は比表面積(BET値)30〜60m2/g、pH8
〜10の金属磁性粉である。
【0074】磁性粉の比表面積は1点吸着法による比表
面積自動測定装置(島津製作所製マイクロメリティック
ス2200−01型)にて測定すればよい。
【0075】BET値が、60m2/gをこえると分散性、
電磁変換特性、転写が悪化し、また30m2/g未満になる
とS/N比が悪くなる。
【0076】そこで、BET値は30〜60m2/gであ
る。
【0077】また、磁性粉のpHはJIS K5101
に準じて行えばよい。すなわち、磁性粉5gを蒸留水1
00mlとともにビーカーに入れ、加熱沸騰後室温まで冷
却し、磁性粉を沈降させ、その上澄液のpHをpHメー
ター(例えばHORIBAF−7)にて測定すればよ
い。
【0078】pHが8未満となると、例えばオーディオ
では低域での出力、感度が低下するなど電磁変換特性が
低下する。またpHが10をこえると耐久性は低下する
傾向にある。
【0079】用いる金属磁性粉の組成としては、Fe,
Co,Niの単体および、これらの合金、またはこれら
の単体および合金に、Cr,Mn,Co,Ni、さらに
はZn,Cu,Zr,Al,Ti,Bi,Ag,Pt等
を添加した金属が使用できる。また、これらの金属に
B,C,Si,P,Nなどの非金属元素を少量添加した
ものでも本発明の効果は失われない。
【0080】そして、これらの金属磁性粉のpHを8〜
10に調整するには、調製法や組成を選択すればよい。
【0081】また、金属磁性粉に、アミン系、アンモニ
ア系等を用いたアルカリ処理を施せばよい。
【0082】また、金属磁性粉は針状形態あるいは粒状
形態のものを使用し、磁気記録媒体として用いる用途に
よって選択すればよい。
【0083】そして、このような金属磁性粉と前述の結
合剤との混合比は、重量比で10/1〜1/10程度と
する。
【0084】磁性塗料には、その他必要に応じて各種研
磨剤、潤滑剤、帯電防止剤、分散剤等を用途に合せて使
用することが有効である。
【0085】なお、磁性粉と結合剤とを含む記録層の厚
さは、通常1〜7μm 程度とする。
【0086】基体としては、ポリエステルフィルム、ポ
リアミド、ポリイミド等の各種樹脂、アルミ金属、ガラ
スなど目的に応じていずれを用いてもよい。
【0087】また、このような基体の記録層設層面の反
対側に種々の公知のバックコート層を設けてもよい。
【0088】さらに、基体の両面に記録層を設けてもよ
い。
【0089】
【発明の具体的作用効果】本発明の磁気記録媒体は、結
合剤として、極性基単量体と、塩化ビニル−水酸基含有
単量体または塩化ビニル−酢酸ビニル−水酸基含有単量
体との共重合体であって、ケン化工程を経ていないもの
を用い、また、磁性粉として、比表面積(BET)30
〜60m2/g、pH8〜10の金属磁性粉を用いるため、
下記のすぐれた効果を有する。
【0090】(1)結合剤に極性基が含有されているた
め、磁性塗料中の磁性粉の分散性がきわめて良好であ
り、かつ磁性塗料の経時安定性がきわめて良好である。
【0091】(2)比表面積が30〜60m2/gの磁性粉
を用いるため結合剤との親和性がきわめて良好であり、
磁性層はすぐれた耐久走行性を示し、またS/N比が高
いなどすぐれた電磁変換特性を示す。
【0092】(3)pHが8〜10の磁性粉を用いるた
め、電磁変換特性(f特性)がきわめて良好である。
【0093】(4)結合剤として、ケン化工程を経てい
ない共重合体を用いることにより、脱塩酸および脱塩酸
による樹脂自体の化学変化を防止し、また樹脂から遊離
したHClによる磁性粉や他の磁気記録媒体構成の化学
変化を防止し、磁性層はすぐれた経時安定性を示す。
【0094】
【発明の具体的実施例】次に、本発明の具体的実施例を
示し、本発明をさらに詳細に説明する。
【0095】実施例1 表1に示される比表面積(BET値)、pHを有する金
属磁性粉を用意した。
【0096】
【表1】
【0097】なお、磁性粉の比表面積は、1点吸着法に
よる比表面積自動測定装置(島津製作所製マイクロメリ
ティックス2200−01型)にて測定した。
【0098】また、磁性粉のpHはJIS K5101
に準じて磁性粉5gを蒸留水100mlとともにビーカー
に入れ、加熱沸騰後のpHをpHメーター(HORIB
AF−7)にて測定した。
【0099】また、表2に示される重合体を用意した。
【0100】
【表2】
【0101】前記の金属磁性粉および共重合体を表3に
示す組合せで使用し、下記のようにして、磁性塗料を作
製した。
【0102】 金属磁性粉 100重量部 共重合体 10重量部 ポリウレタン樹脂 10重量部 (日本ポリウレタン社製ニッポラン2304) 潤滑剤 1重量部 研磨剤 1重量部 メチルエチルケトン 70重量部 メチルイソブチルケトン 70重量部 トルエン 70重量部
【0103】この混合物ボールミル中で約20時間分散
した。
【0104】次に、架橋剤としてコロネートL(日本ポ
リウレタン社製ポリイソシアネート)を添加し、8μm
のポリエステルベースに塗布した。表面加工処理後、熱
硬化処理を行い、塗膜厚5μm の磁気テープをえた。こ
れらの塗布組成物の表面加工処理前のものについてグロ
メーター(村上式)にて光沢度を測定した。
【0105】結果を表3に示す。
【0106】また、上記の磁気テープについて下記の測
定を行った。
【0107】(1)走行事故率(熱安定性) テープを50℃、80%RH環境下で24時間および4
8時間連続走行した時の走行事故率を測定した。
【0108】(2)電磁変換特性 333Hzでの最大出力レベル(MOL333)(dB) およ
び333Hzと16kHzでの感度(S333)(dB) と感度
(S16k)(dB)を測定した。
【0109】なお、測定数値は、サンプルNo.3(金
属磁性粉区分C、共重合体区分I)の測定数値に対する
相対値で示されている。
【0110】結果を表3に示す。
【0111】但し、金属磁性粉区分H(比較)の磁性粉
については、感度は高いもののS/N比が悪く、磁気テ
ープには不適当な結果となった。
【0112】
【表3】
【0113】表3に示される結果より本発明の効果は明
らかである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合剤と磁性粉とを含有する磁性塗料を
    基体上に塗設した磁気記録媒体において、 前記結合剤が、塩化ビニル、水酸基含有単量体および極
    性基含有単量体を構成単位として含むか、あるいは塩化
    ビニル、酢酸ビニル、水酸基含有単量体および極性基含
    有単量体を構成単位として含む共重合体を含有し、 前記共重合体の塩化ビニル単位含有量が60〜95重量
    %であり、 前記水酸基含有単量体の水酸基はビニル基に直接結合し
    ておらず、 また前記極性基含有単量体はカルボン酸基、リン酸基、
    硫酸基およびスルホン酸基またはそれらの塩、アミノ基
    ならびにアンモニウム基のうちの1種以上の極性基を有
    し、 さらに前記磁性粉がBET値30〜60m2/g、pH8〜
    10の金属磁性粉である磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 共重合体が0.01〜15重量%の極性
    基を含有する請求項1の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 共重合体の酢酸ビニル単位含有量が20
    重量%以下である請求項1または2の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 共重合体が0.01〜5重量%の水酸基
    を含有する請求項1〜3のいずれかの磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 共重合体の数平均分子量が10000〜
    30000である請求項1〜4のいずれかの磁気記録媒
    体。
  6. 【請求項6】 結合剤が熱可塑性のエラストマーおよび
    /または樹脂を70重量%以下含有する請求項1〜5の
    いずれかの磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 共重合体が架橋剤によって架橋されてい
    る請求項1〜6のいずれかの磁気記録媒体。
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