JPH08231958A - 重合性液晶組成物及び光学異方体の製造方法 - Google Patents

重合性液晶組成物及び光学異方体の製造方法

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JPH08231958A
JPH08231958A JP7038200A JP3820095A JPH08231958A JP H08231958 A JPH08231958 A JP H08231958A JP 7038200 A JP7038200 A JP 7038200A JP 3820095 A JP3820095 A JP 3820095A JP H08231958 A JPH08231958 A JP H08231958A
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polymerizable liquid
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Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
Hiroshi Hasebe
浩史 長谷部
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくとも2つの6員環を有する液晶性骨格
を部分構造として有する環状アルコール、フェノール又
は芳香族ヒドロキシ化合物の(メタ)アクリル酸エステ
ルである単官能(メタ)アクリレート化合物及び界面活
性剤を含有し、液晶相を示すことを特徴とする重合性液
晶組成物。 【効果】 この重合性液晶組成物は、基板上に塗布する
際のレベリング性が良く、結果として塗布後の光重合に
よって得られる光学異方体の膜厚むらを低減することが
できる。従って、低コストで膜厚むらのない光学異方体
を製造することができ、液晶表示素子の光学補償板や偏
光プリズム等の光学素子の材料として非常に有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶ディスプレイの光
学補償板や偏光プリズム等の材料として有用な重合性液
晶組成物、これを重合してなる光学異方体及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶ディスプレイ素子の表示品位
の向上と軽量化の両立に対する要求から、補償板として
内部の分子の配向構造が制御された高分子フィルムが求
められている。これに応える技術として、液晶性高分子
を用いる方法(特開平3−28822号公報、特開平4
−3022号公報、特開平4−55813号公報、特開
平5−27235号公報、特開平5−61039号公
報)や、2官能液晶性アクリレート化合物又は組成物を
用いる方法(特開平3−14029号公報)が知られて
いるが、これらの技術はフィルム内部の分子の配向構造
の均一性や、フィルムの耐熱性に問題があった。この問
題を解決するために本発明者等は、室温において液晶性
を有する重合性液晶組成物とその組成物を光重合して得
られる内部の配向構造が制御された高分子フィルム(光
学異方体)を先に提案した。該発明では重合性液晶組成
物を1枚の基板に担持させるか、又は2枚の基板に挟持
させた後、光重合を行ない光学異方体を製造している。
この際に、1枚の基板を用いる製造方法では、2枚の基
板を用いる製造方法と比較して製造コストを低くするこ
とができる。しかしながら、1枚の基板用いる製造方法
は、2枚の基板を用いる製造方法と比較して光学異方体
の膜厚制御が難しいため、光学異方体の膜厚むらが生じ
易いという欠点もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、重合性液晶組成物の重合によって光学異方
体を製造する際に、光学異方体の膜厚むらの発生を低減
することが可能な重合性液晶組成物を提供することにあ
る。また、これを光重合することにより得られる光学異
方体、及びその製造方法をも提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するために、重合性液晶組成物に着目して鋭意研究
を重ねた結果、本発明を提供するに至った。
【0005】即ち、本発明は少なくとも2つの6員環を
有する液晶性骨格を部分構造として有する環状アルコー
ル、フェノール又は芳香族ヒドロキシ化合物のアクリル
酸又はメタクリル酸エステルである単官能アクリレート
又は単官能メタクリレート及び界面活性剤を含有し、液
晶相を示すことを特徴とする重合性液晶組成物を提供す
る。
【0006】また、本発明の重合性液晶組成物を用いて (1)基板に配向処理を施す第1工程 (2)前記基板の配向処理を施した面に、重合性液晶組
成物を塗布する第2工程 (3)前記重合性液晶組成物を重合させて光学異方体を
形成する第3工程 を有する光学異方体の製造方法、及びこれより得られた
光学異方体をも提供する。
【0007】以下、本発明の重合性液晶組成物について
更に詳細に説明する。本発明の重合性液晶組成物は、界
面活性剤を含有することにより重合性液晶組成物の表面
張力を下げたものである。したがって、本発明の重合性
液晶組成物は、基板に塗布する際のレベリング性が向上
し、膜厚むらの発生を低減できる特徴を有する。また、
少なくとも2つの6員環を有する液晶性骨格を部分構造
として有する環状アルコール、フェノール又は芳香族ヒ
ドロキシ化合物のアクリル酸又はメタクリル酸エステル
である単官能アクリレート又は単官能メタクリレートを
含有することから、液晶相を室温付近で発現させること
ができ、そのため重合性液晶組成物を配向させた状態で
の光重合の際に、意図しない熱重合の誘起を避け、均一
な配向状態の固定化が可能であるという特徴も有する。
【0008】本発明の重合性液晶組成物に含有される界
面活性剤は、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性
剤の区別はないが、重合性液晶組成物に含有される界面
活性剤以外の成分との相溶性が良好である必要がある。
含有することができる界面活性剤としては、アルキルカ
ルボン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルスルホン酸
塩、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキル
リン酸塩、フルオロアルキルスルホン酸塩、ポリオキシ
エチレン誘導体、フルオロアルキルエチレンオキシド誘
導体、ポリエチレングリコール誘導体、アルキルアンモ
ニウム塩、フルオロアルキルアンモニウム塩類、シリコ
ーン誘導体等をあげることができる。更に具体的には
「MEGAFAC F−110」、「MEGAFAC
F−113」、「MEGAFAC F−120」、「M
EGAFAC F−812」、「MEGAFAC F−
142D」、「MEGAFAC F−144D」、「M
EGAFAC F−150」、「MEGAFAC F−
171」、「MEGAFACF−173」、「MEGA
FAC F−177」、「MEGAFAC F−18
3」、「MEGAFAC F−195」、「MEGAF
AC F−824」、「MEGAFAC F−833」
(以上、大日本インキ化学工業株式会社製)、「L−7
7」、「L−720」、「L−722」、「L−700
1」、「L−7002」、「L−7602」、「L−7
604」、「L−7605」、「L−7607N」、
「Y−7006」、「FZ−2104」、「FZ−21
10」、「FZ−2120」、「FZ−2161」、
「FZ−2162」、「FZ−2163」、「FZ−2
164」、「FZ−2165」、「FZ−2166」、
「FZ−2171」(以上、日本ユニカー株式会社製)
等の例をあげることができる。
【0009】本発明の重合性液晶組成物中における界面
活性剤の好ましい添加量は、重合性液晶組成物中に含有
される界面活性剤以外の成分や、使用温度等によって異
なるが、重合性液晶組成物中の総量が0.01〜10重
量%の範囲にあることが好ましく、0.03〜5重量%
の範囲にあることが特に好ましい。含有量が0.01重
量%より低いときは目的とする効果が得にくく、10重
量%より高いときは、重合性液晶組成物の液晶性が著し
く損なわれてしまうため好ましくない。
【0010】本発明の重合性液晶組成物に含有される前
記アクリレート又はメタクリレート化合物(以下、本発
明に係わる重合性化合物とする。)は、詳しくは一般式
(I)
【0011】
【化4】
【0012】(式中、Xは水素原子又はメチル基を表わ
し、6員環A、B及びCはそれぞれ独立的に、
【0013】
【化5】
【0014】を表わし、nは0又は1の整数を表わし、
mは1から4の整数を表わし、Y1及びY2はそれぞれ独
立的に、単結合、−CH2CH2−、−CH2O−、−O
CH2−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−C
H=CH−、−CF=CF−、−(CH24−、−CH
2CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、−CH2
CHCH2CH2−又は−CH2CH2CH=CH−を表わ
し、Y3は単結合、−COO−、−OCO−を表わし、
Rは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1
〜20のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基又は
アルケニルオキシ基を表わす。)で表わされる。
【0015】上記一般式(I)において、6員環A、B
及びCはそれぞれ独立的に
【0016】
【化6】
【0017】を表わし、mは1又は2の整数を表わし、
1及びY2はそれぞれ独立的に、単結合又は−C≡C−
を表わし、Rはハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1
〜20のアルキル基、アルコキシル基又はアルケニル基
を表わすことが好ましい。
【0018】本発明に係わる重合性化合物の代表的なも
のの例と、その相転移温度を示すが、本発明で使用する
ことができる重合性化合物は、これらの化合物に限定さ
れるものではない。
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】(上記中、シクロヘキサン環はトランスシ
クロヘキサン環を表わし、また相転移温度スキームのC
は結晶相、Nはネマチック相、Sはスメクチック相、I
は等方性液体相を表わし、数字は相転移温度を表わ
す。) 本発明に係わる重合性化合物は、単独で用いても、2種
以上の化合物を混合して用いてもよい。
【0023】また、本発明の重合性液晶組成物には重合
性官能基を有していない液晶化合物を、重合性液晶組成
物中の総量が10重量%を超えない範囲で添加してもよ
い。重合性官能基を有していない液晶化合物としてはネ
マチック液晶化合物、スメクチック液晶化合物、コレス
テリック液晶化合物等の通常この技術分野で液晶と認識
されるものであれば特に制限なく用いることができる
が、その添加量が増えるに従い、重合性液晶組成物を光
重合して得られる光学異方体の機械的強度が低下する傾
向にあるので、添加量を適宜調整する必要がある。
【0024】また、液晶性を示さない重合性の化合物も
添加することができる。このような化合物としては、通
常この技術分野で高分子形成性モノマーあるいは高分子
形成性オリゴマーとして認識されるものであればよい
が、アクリレート化合物が特に好ましい。
【0025】これらの液晶化合物又は重合性化合物は適
宜選択して組み合わせて添加してもよいが、少なくとも
得られる重合性液晶組成物の液晶性が失われないよう
に、各成分の添加量を調整することが必要である。
【0026】また、本発明の重合性液晶組成物には、そ
の重合反応性を向上させることを目的として、光重合開
始剤や増感剤を添加してもよい。ここで、使用すること
ができる光重合開始剤としては、例えば、公知のベンゾ
インエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン
類、ベンジルケタール類等を挙げることができる。その
添加量は、重合性液晶組成物中の含有量が10重量%以
下の範囲であることが好ましく、5重量%以下が特に好
ましい。
【0027】また、本発明の重合性液晶組成物には、そ
の保存安定性を向上させるために、安定剤を添加しても
よい。ここで使用することができる安定剤としては公知
のヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル
類、第三ブチルカテコール等を挙げることができる。そ
の安定剤の添加量は、重合性液晶組成物中の総量が0.
05重量%以下の範囲であることが好ましい。
【0028】また、本発明の重合性液晶組成物には、光
学異方体に2色性を付与するために、2色性色素を添加
してもよい。使用することができる二色性色素は、アゾ
系、アゾキシ系、アントラキノン系、ペリレン系等があ
り、これらの色素を単独又は混合して用いることができ
る。このような二色性色素としては、例えば、「LSY
−116」、「LSR−401」、「LSR−40
6」、「LSR−426」、「LSB−278」、「L
SB−350」(以上、三菱化学株式会社製)、「SI
−209」、「M−710」、「M−361」、「M−
86」、「M−618」、「SI−252」、「M−7
77」、「M−370」、「M−137」、「M−14
1」、「M−438」、「M−412」、「M−3
4」、「M−430」、「M−406」、「S−30
1」、「S−304」、「M−676」(以上、三井東
圧株式会社製)を挙げることができる。これらの2色性
色素の添加する場合の添加量は、製造する光学異方体の
用途によるが、重合性液晶組成物中の総量が0.1〜1
0重量%の範囲になるように調整するのが好ましく、
0.2〜2重量%の範囲が特に好ましい。
【0029】更に、本発明の重合性液晶組成物には、重
合性液晶組成物を光重合させて製造される光学異方体中
に液晶分子骨格の螺旋構造を導入する目的で、光学活性
化合物を添加してもよい。ここで使用することができる
光学活性化合物は、それ自体が液晶性を示す必要はな
く、また重合性官能基を有していても、有していなくて
もよい。またそのねじれの向きは使用する目的によって
適宜選択することができる。そのような光学活性化合物
としては、例えば、光学活性基としてコレステリル基を
有するペラルゴン酸コレステロール、ステアリン酸コレ
ステロール、光学活性基として2−メチルブチル基を有
する「CB−15」、「C−15」(以上BDH社
製)、「S1082」(メルク社製)、「CM−1
9」、「CM−20」、「CM」(以上チッソ社製)、
光学活性基として1−メチルヘプチル基を有する「S−
811」(メルク社製)、「CM−21」、「CM−2
2」(以上チッソ社製)を挙げることができる。この光
学活性化合物の添加量は、製造される光学異方体の用途
により適宜調整するのが好ましい。
【0030】次に、上記重合性液晶組成物の重合により
得られる光学異方体の製造方法について更に詳細に説明
する。本発明の製造方法は、 (1)基板に配向処理を施す第1工程 (2)前記基板の配向処理を施した面に、重合性液晶組
成物を塗布する第2工程 (3)前記重合性液晶組成物を重合させて光学異方体を
形成する第3工程 を有するものである。
【0031】重合性液晶組成物の一定方向への配向は、
重合性液晶組成物を塗布する基板として、例えば、基板
表面を布等でラビング処理したものや、あるいは基板表
面へのSiO2を斜方蒸着したものを用いれば達成する
ことができる。また、このような配向処理を施した基板
を用いない場合には、電場又は磁場を利用する方法を挙
げることができる。これらの配向手段は単独で用いて
も、また組み合わせて用いてもよい。その中でも、基板
表面を布等でラビング処理した基板を用いる方法は、そ
の簡便性から特に好ましい。
【0032】このとき使用することができる基板は、有
機材料、無機材料を問わずに用いることができる。具体
的な例を挙げると有機材料としては、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、
ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポ
リクロロトリフルオロエチレン、ポリアリレート、ポリ
スルホン、セルロース、ポリエーテルエーテルケトン、
また無機材料としては例えば、シリコン、ガラス等を挙
げることができる。また偏光フィルムを基板として用い
ると、偏光フィルムに直接光学異方体を作り込むことが
可能であり、このようにして得られる光学異方体は、楕
円偏光フィルムとして、液晶ディスプレイの構成部品と
して好適に用いることができる。
【0033】これらの基板を布等でラビングすることに
よって適当な配向性を得られないときは、公知の方法に
従ってポリイミド薄膜又はポリビニルアルコール薄膜等
の有機薄膜を基板表面に形成し、これを布等でラビング
してもよい。また通常のTN又はSTNセルで使用され
ているようなプレチルト角を与えるポリイミド薄膜を積
極的に用いることは、光学異方体の内部構造を更に精密
に制御できることから特に好ましい。また、電場によっ
て配向状態を制御する場合には、電極層を有する基板を
使用することができ、この場合は電極上に前述のポリイ
ミド薄膜等の有機薄膜を形成することが好ましい。な
お、本発明の重合性液晶組成物において、含有する界面
活性剤によっては、液晶分子を配列させるものもあるの
で、このような液晶材料を用いる場合は、特に基板に配
向処理を施さなくてもよい。
【0034】重合の方法としては、迅速な重合の進行が
望ましいので、紫外線又は電子線等のエネルギー線を前
述の基板に照射することによって、光重合させる方法が
好ましい。エネルギー線は、本発明の重合性液晶組成物
を塗布した基板面又は塗布していない基板面のどちらか
ら照射してもよいが、塗布していない基板面に照射する
場合、用いる基板は透明性を有していなければならな
い。また、重合時の温度は、本発明で使用する重合性液
晶組成物の液晶状態が保持される温度でなければならな
いが、熱重合を避ける意味からもできるだけ室温に近い
温度が好ましい。
【0035】また、このような本発明の方法によって作
製される光学異方体は、基板から剥離して用いても、ま
た剥離せずに基板に担持させたまま用いてもよい。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を示し、本発明を更に
詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。 (実施例1)式(a)
【0037】
【化10】
【0038】の化合物50重量部及び式(d)
【0039】
【化11】
【0040】の化合物50重量部及び光重合開始剤「I
RG−651」(チバガイギー社製)1.5重量部及び
非イオン性界面活性剤「MEGAFAC F−177」
(大日本インキ化学工業株式会社製)0.5重量部から
なる重合性液晶組成物(A)を調製した。得られた組成
物は室温でネマチック相を示し、ネマチック相から等方
性液体相への相転移温度は42℃であった。また、25
℃におけるne(異常光屈折率)は1.64であり、no
(常光屈折率)は1.52であった。
【0041】次に、重合性液晶組成物(A)をスピンコ
ーターを用いてガラス基板上に膜厚が10ミクロンにな
るように塗布した。この重合性液晶組成物(A)を塗布
したガラス基板を、2枚の偏光フィルムの間において観
察したところ、重合性液晶組成物(A)は均一なホメオ
トロピック配向しており、且つ膜厚むらもなかった。
【0042】次に、重合性液晶組成物(A)を塗布した
ガラス基板を窒素気流下において、室温で紫外線ランプ
(UVP社製、UVGL−25)を用いて160mJ/
cm 2の光量の紫外線を照射し、重合性液晶組成物を光
重合させて光学異方体を作製した。得られた光学異方体
には、均一なホメオトロピック配向が固定化されてお
り、且つ膜厚むらもなかった。また耐熱性にも優れてい
た。 (比較例1)実施例1において非イオン性界面活性剤
「MEGAFAC F−177」を添加しなかった以外
は、実施例1と同様にして光学異方体を作製した。得ら
れた光学異方体は、配向方向は均一なものの、膜厚むら
が観察された。 (実施例2)式(a)の化合物50重量部及び式(d)
の化合物50重量部及び光重合開始剤「IRG−65
1」(チバガイギー社製)1.5重量部及び非イオン性
界面活性剤ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト(商品名Tween#20)0.5重量部からなる重
合性液晶組成物(B)を調製した。得られた組成物は室
温でネマチック相を示し、ネマチック相から等方性液体
相への相転移温度は41℃であった。また、25℃にお
けるne(異常光屈折率)は1.64であり、no(常光
屈折率)は1.52であった。
【0043】次に、重合性液晶組成物(B)をスピンコ
ーターを用いてラビング処理を施したポリイミド配向膜
を有するガラス基板上に膜厚が10ミクロンになるよう
に塗布した。この重合性液晶組成物(B)を塗布したガ
ラス基板を、2枚の偏光フィルムの間において観察した
ところ、重合性液晶組成物は均一なホモジニアス配向し
ており、且つ膜厚むらもなかった。
【0044】次に、重合性液晶組成物(B)を塗布した
ガラス基板を窒素気流下において、室温で紫外線ランプ
(UVP社製、UVGL−25)を用いて160mJ/
cm 2の光量の紫外線を照射し、重合性液晶組成物を光
重合して光学異方体を作製した。得られた光学異方体に
は、均一なホモジニアス配向が固定化されており、且つ
膜厚むらもなかった。また耐熱性にも優れていた。 (比較例2)実施例2において非イオン性界面活性剤
「Tween#20」を添加しなかった以外は、実施例
2と同様にして光学異方体を作製した。得られた光学異
方体は、配向方向は均一なものの、膜厚むらが観察され
た。 (実施例3)式(a)の化合物50重量部と式(d)の
化合物50重量部、及び光重合開始剤「IRG−65
1」(チバガイギー社製)1.5重量部及び右巻きの螺
旋構造を誘起するカイラル化合物「R−811」(メル
ク社製)0.49重量部及び非イオン性界面活性剤「T
ween#20」0.5重量部からなり、螺旋ピッチが
16.1ミクロンの重合性液晶組成物(C)を得た。
【0045】この重合性液晶組成物(C)をスピンコー
ターを用いてラビング処理を施したポリカーボネート基
板上に膜厚が10ミクロンになるように塗布した。この
重合性液晶組成物を塗布したポリカーボネート基板を、
2枚の偏光フィルムの間において観察したところ、重合
性液晶組成物は230度右ねじれの螺旋配向をしてお
り、且つ膜厚むらもなかった。
【0046】次に、重合性液晶組成物(C)を塗布した
ポリカーボネート基板を窒素気流下において、室温で紫
外線ランプ(UVP社製、UVGL−25)を用いて1
60mJ/cm2の光量の紫外線を照射して、重合性液
晶組成物を光重合して光学異方体を作製した。得られた
光学異方体には、均一な230度右ねじれの螺旋配向が
固定化されており、且つ膜厚むらもなかった。 (比較例3)実施例3において非イオン性界面活性剤
「Tween#20」を添加しなかった以外は、実施例
3と同様にして光学異方体を作製した。得られた光学異
方体は、膜厚むら及びピンホール状の欠陥が観察され
た。
【0047】
【発明の効果】本発明の重合性液晶組成物は、基板上に
塗布する際のレベリング性が良いため、塗布後の光重合
によって得られた光学異方体の膜厚むらを低減すること
が可能である。
【0048】従って、本発明の重合性液晶組成物を用い
ると、低コストで膜厚むらのない光学異方体を製造する
ことができ、液晶表示素子の光学補償板や、偏光プリズ
ム等の光学素子の材料として非常に有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02F 1/1335 510 G02F 1/1335 510

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2つの6員環を有する液晶性
    骨格を部分構造として有する環状アルコール、フェノー
    ル又は芳香族ヒドロキシ化合物の(メタ)アクリル酸エ
    ステルである単官能(メタ)アクリレート及び界面活性
    剤を含有し、液晶相を示すことを特徴とする重合性液晶
    組成物。
  2. 【請求項2】 単官能(メタ)アクリレートが、一般式
    (I) 【化1】 (式中、Xは水素原子又はメチル基を表わし、6員環
    A、B及びCはそれぞれ独立的に、 【化2】 を表わし、nは0又は1の整数を表わし、mは1から4
    の整数を表わし、Y1及びY2はそれぞれ独立的に、単結
    合、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−C
    OO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−
    CF=CF−、−(CH24−、−CH2CH2CH2
    −、−OCH2CH2CH2−、−CH2=CHCH2CH2
    −又は−CH2CH2CH=CH−を表わし、Y3は単結
    合、−COO−、−OCO−を表わし、Rは水素原子、
    ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキ
    ル基、アルコキシ基、アルケニル基又はアルケニルオキ
    シ基を表わす。)で表わされる化合物である請求項1記
    載の重合性液晶組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(I)において、6員環A、B及
    びCはそれぞれ独立的に 【化3】 を表わし、mは1又は2の整数を表わし、Y1及びY2
    それぞれ独立的に単結合又は−C≡C−を表わし、Rは
    ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキ
    ル基、アルコキシル基又はアルケニル基を表わす請求項
    2記載の重合性液晶組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の重合性液晶組
    成物を用いた光学異方体の製造方法において、 (1)基板に配向処理を施す第1工程 (2)前記基板の配向処理を施した面に、重合性液晶組
    成物を塗布する第2工程 (3)前記重合性液晶組成物を重合させて光学異方体を
    形成する第3工程 を有することを特徴とする製造方法。
  5. 【請求項5】 重合が光重合である請求項4記載の光学
    異方体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載の製造方法で得られ
    た光学異方体。
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