JPH10339810A - 光学異方体フィルムおよび液晶表示装置 - Google Patents

光学異方体フィルムおよび液晶表示装置

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JPH10339810A
JPH10339810A JP9116842A JP11684297A JPH10339810A JP H10339810 A JPH10339810 A JP H10339810A JP 9116842 A JP9116842 A JP 9116842A JP 11684297 A JP11684297 A JP 11684297A JP H10339810 A JPH10339810 A JP H10339810A
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polymer
film
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眞人 桑原
Toshihiro Onishi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レターデーションの波長分散の高い光学異方体
フィルムおよび該光学異方体フィルムを用いた良好な白
黒表示が得られる液晶表示装置を提供する。 【解決手段】[1]高分子と色素を混合してなる光学異
方体フィルムであり、該色素が可視域に吸収ピークを持
たず、紫外域に吸収ピークを持っており、アスペクト比
を色素分子の長軸の長さを色素分子の短軸の長さで除し
て得られた比と定義したとき、該色素分子のアスペクト
比が1.5以上であり、該光学異方体フィルムのレター
デーション(測定波長546nm)が50〜3000n
mである光学異方体フィルム。 [2]前記の[1]記載の光学異方体フィルムを用いる
液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非線形光学素子や
液晶表示装置等に用いられる光学異方体フィルムおよび
該光学異方体フィルムを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】位相差フィルムは、透明な熱可塑性高分
子フィルムを一軸延伸することにより得られ、液晶表示
素子、特に超ネジレネマティック(以下、STNと記す
ことがある。)型液晶表示素子または電界制御複屈折
(以下、ECBと記すことがある。)型液晶表示素子
(以下、LCDと記すことがある。)の着色を補償して
表示品質を向上させるための光学補償板(以下、色補償
板と記すことがある。)として用いられている。該位相
差フィルムを用いた液晶表示素子は、軽い、薄い、安価
である等の長所を持っている。しかしながら、STN型
LCDは応答速度が小さい課題があり、改良検討が進め
られている。応答速度の改良には、複屈折Δnの大きい
液晶を用いてセルギャップを小さくすることが効果的で
ある。しかし、Δnの大きな液晶は、一般的にΔnの波
長依存性が大きいので、液晶セルと併用する位相差フィ
ルムにもΔnの波長依存性が大きい、すなわちレターデ
ーションの波長依存性が大きい位相差フィルムを用いる
ことが効果的であることが知られている。応答速度の大
きいすなわち液晶のΔnが大きい液晶セルと、従来の位
相差フィルムを使用した場合、コントラストの高い液晶
表示装置が得られないことから、高速応答のSTN型液
晶表示装置に用いられている液晶材料の複屈折の波長分
散特性に一致する波長分散特性を有する位相差フィルム
が求められている。
【0003】位相差フィルムの波長分散性を改良する方
法として、特開平5−107413号公報には、波長分
散性の高いポリサルホン(以下、PSfと記すことがあ
る。)を用いた位相差フィルムが開示されている。同様
に、特開平6−174923号公報には、波長分散性の
高いポリアリレートを用いることが開示されている。し
かし、ポリサルホンやポリアリレートはガラス転移温度
が高いため加工が難しく、工業的な生産に問題があっ
た。また、液晶セルに用いる液晶材料により、レターデ
ーションの波長分散特性は異なるので、位相差フィルム
の波長分散性を制御することが必要になることもある。
特開平5−27119号公報および特開平6−1302
27号公報には、波長分散値の異なる光学異方体の組み
合わせによって波長分散性を制御することが示されてい
る。
【0004】次に、特表平4−500284号公報に
は、直鎖または環状の主鎖を有する側鎖型液晶ポリマー
を用いて、液晶セルに使われている液晶分子と同じ温度
依存性および波長依存性を有する位相差フィルムが例示
されている。配向膜上に液晶ポリマーを成膜すること
や、液晶ポリマー膜に電場や磁場などの外場を印加する
ことで、配向した液晶ポリマー膜が得られることが開示
されている。しかし、液晶ポリマーは、主鎖型、側鎖型
を問わず屈折率異方性が大きく、レターデーションが均
一な位相差フィルムを得るためには膜厚の厳しい制御が
要求されることから大面積のフィルムの生産が困難であ
った。また、特開平5−257013号公報には高分子
フィルムに液晶分子を分散し、高分子フィルムごと延伸
することにより、液晶セルに使われている液晶分子と同
じ屈折率異方性の波長分散を持った位相差フィルムにつ
いて記載されている。しかしながら、具体的に好ましい
波長分散性並びにどのような物性および構造の液晶をど
の程度分散させればよいかという記載はない。
【0005】また、特公平7−13683号公報の実施
例6には、ポリ塩化ビニルに液晶化合物をブレンドし
て、波長分散を高めた例が示されているが、ポリ塩化ビ
ニルのような軟化点の低い物質では、高温の環境で使用
した場合に変形および光学特性の低下が起こり使用に耐
えない。また、特開平7−13023号公報には、ポリ
カーボネートまたはポリアリレートに可塑剤を添加して
波長分散性を調整する方法が示されているが、紫外線を
吸収する色素の添加に関する記載はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、レタ
ーデーションの波長分散の高い光学異方体フィルムおよ
び該光学異方体フィルムを用いた良好な白黒表示が得ら
れる液晶表示装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意検討した結果、高分子(以下マ
トリックスポリマーや単にマトリックスと称することが
ある。)に特定の条件を満たす色素を混合することや高
分子に高分子液晶と色素を混合することにより、レター
デーションの波長分散の大きなポリマーを用いることな
く、レターデーションの波長依存性の大きい光学異方体
フィルムが容易に得られることを見出し、本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、[1]高分子と色
素を混合してなる光学異方体フィルムであり、該色素が
可視域に吸収ピークを持たず、紫外域に吸収ピークを持
っており、アスペクト比を色素分子の長軸の長さを色素
分子の短軸の長さで除して得られた比と定義したとき、
該色素分子のアスペクト比が1.5以上であり、該光学
異方体フィルムのレターデーション(測定波長546n
m)が50〜3000nmである光学異方体フィルムに
係るものである(以下、第1発明ということがある)。
更に、本発明は、[2]高分子と色素を混合してなる光
学異方体フィルムであり、該色素が可視域に吸収ピーク
を持たず、紫外域に吸収ピークを持っており、二色性を
有しており、該光学異方体フィルムのレターデーション
(測定波長546nm)が50〜3000nmである光
学異方体フィルムに係るものである(以下、第2発明と
いうことがある)。また、本発明は、[3]高分子と色
素と高分子液晶を混合してなる光学異方体フィルムであ
り、該色素が可視域に吸収ピークを持たず、紫外域に吸
収ピークを持っており、該色素分子の請求項1で定義さ
れたアスペクト比が1.5以上であり、該光学異方体フ
ィルムのレターデーション(測定波長546nm)が5
0〜3000nmである光学異方体フィルムに係るもの
である(以下、第3発明ということがある)。更に、本
発明は、[4]高分子と色素と高分子液晶を混合してな
る光学異方体フィルムであり、該色素が可視域に吸収ピ
ークを持たず、紫外域に吸収ピークを持っており、二色
性を有しており、該光学異方体フィルムのレターデーシ
ョン(測定波長546nm)が50〜3000nmであ
る光学異方体フィルムに係るものである(以下、第4発
明ということがある)。また、本発明は、[5]色素が
高分子と相分離してドメインを形成しており、光学異方
体フィルムの下記一般式(1)で定義されるαの値が
1.06を越える[1]または[2]記載の光学異方体
フィルムに係るものである。
【数3】α=RF/RD・・・(1) [式中、RFは水素F線(波長486nm)で測定した
レタ−デ−ションの値であり、RDはナトリウムD線
(波長589nm)で測定したレタ−デ−ションの値で
ある。] 更に、本発明は、[6]色素および高分子液晶が高分子
と相分離してドメインを形成しており、光学異方体フィ
ルムの[5]で定義されたαの値が1.06を越える
[3]または[4]記載の光学異方体フィルムに係るも
のである。また、本発明は、[7]色素が高分子と相溶
しており、光学異方体フィルムの請求項5で定義される
αの値が1.06を越える[1]または[2]記載の光
学異方体フィルムに係るものである。更に、本発明は、
[8]色素が高分子と高分子液晶の混合体に相溶してお
り、光学異方体フィルムの[5]で定義されるαの値が
1.06を越える[3]または[4]記載の光学異方体
フィルムに係るものである。また、本発明は、[9]色
素が延伸された高分子に吸着配向しており、光学異方体
フィルムの[5]で定義されるαの値が1.06を越え
ることを特徴とする[1]または[2]記載の光学異方
体フィルムに係るものである。更に、本発明は、[1
0]色素が延伸された高分子と高分子液晶の混合体に吸
着配向しており、光学異方体フィルムの[5]で定義さ
れるαの値が1.06を越えることを特徴とする[3]
または[4]記載の光学異方体フィルムに係るものであ
る。また、本発明は、[11]光学異方体フィルムのレ
ターデーション比(R40/R0)が下記式(2)を満た
す[1]〜[10]のいずれかに記載の光学異方体フィ
ルムに係るものである。
【数4】 0.900<R40/R0<1.100・・・(2) [式中、R0は、偏光顕微鏡でセナルモン法(測定波長
546nm)を用いて測定したフィルム法線方向から見
たレターデーションであり、R40は、該フィルムの遅
相軸を回転軸として該フィルムを水平から40゜傾斜し
て測定したときのレターデーションである。] また、本発明は、[12]前記[1]〜[11]のいず
れかに記載の光学異方体フィルムを用いる液晶表示装置
に係るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳細に説明する本
発明で用いられるマトリックスポリマーについて説明す
る。第1発明または第2発明の光学異方体フィルムのマ
トリックスに用いられる高分子は、光学異方体フィルム
を高温で使用した場合や、液晶セルとの貼合工程の温度
で光学的性質や形状の変化が起こらない高分子が好まし
く、ガラス転移温度がある程度高い熱可塑性エンジニア
リング高分子、または可塑材が添加されている高分子で
は流動温度がある程度高い高分子が好ましく用いられ
る。マトリックスの高分子のガラス転移温度または軟化
温度は、液晶表示装置を使用する温度範囲内で光学特性
の変化やフィルムの収縮などの変形のないように下限が
決定され、光学異方体フィルムとする際に加熱しながら
延伸する必要があるのでガラス転移温度が高すぎると工
業的に好ましくないことから上限が決定される。
【0009】マトリックスに求められるガラス転移温度
または軟化温度としては、80〜250℃が好ましく、
90〜230℃が更に好ましく、特に好ましくは100
〜200℃である。
【0010】これらの条件を満たす高分子としては、ポ
リカーボネート、ポリアリレート、2酢酸セルロース、
3酢酸セルロース、エチレンビニルアルコール共重合体
などが例示され、好ましくはポリカーボネート、ポリア
リレート、3酢酸セルロースが例示される。
【0011】次に、第3発明または第4発明の光学異方
体フィルムのマトリックスに用いられる高分子は、すな
わち色素と高分子液晶をマトリックスと混合する場合に
は、上記した高分子以外に、レターデーションの小さい
高分子を用いてもよい。第3発明または第4発明の光学
異方体フィルムでは、色素や高分子液晶が入っていない
以外は光学異方体フィルムと同一の条件で作製した高分
子フィルムのセナルモン法を用いて測定されたレターデ
ーションをマトリックスによるレターデーションとみな
す。
【0012】ここで、マトリックスのレターデーション
は、マトリックスポリマーの複屈折Δnとフィルムの厚
みdの積Δndで表される。レターデーションを小さく
するためにフィルムの厚みを薄くすることは、フィルム
のハンドリングや得られる光学異方体フィルムの光学特
性に悪影響を及ぼすので好ましくない。レターデーショ
ンを小さくするためには、マトリックスの複屈折を小さ
くすることが好ましい。一般的に、ポリマーの配向によ
る複屈折Δnはポリマーの固有複屈折Δn0と配向関数
fを用いて、下記式(3)のように表される。
【数5】Δn=Δn0×f・・・(3) 高分子の複屈折を低減する方法としては、固有複屈折の
小さい高分子を使用する方法、固有複屈折が正の高分子
と負の高分子を混合し見かけの固有複屈折を小さくする
方法、配向関数を小さくする方法が例示される。
【0013】固有複屈折の小さい高分子として、ポリメ
チルメタクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレー
ト、ポリ−t−ブチルメタクリレート、ポリグリコール
メタクリレートなどのポリメタクリル酸誘導体やポリア
クリル酸、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリ
レートなどのポリアクリル酸誘導体やポリビニルアセテ
ート、ポリビニルブチレート、ポリオキシメチルフェニ
ルシリレンなどや、ノルボルネン−エチレン共重合体
(三井石油化学(株)製:商品名APELなど)、含ノ
ルボルネン樹脂(日本合成ゴム(株)製:商品名ART
ONなど)、アモルファスポリオレフィン(日本ゼオン
(株)製:商品名ZEONEXなど)、光学用ポリエス
テル樹脂(鐘紡(株)製)、アクリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体(東レ(株)製:商品名トヨラック透明
グレードなど)などが例示される。これらのなかでもポ
リメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレ
ート、ポリ−t−ブチルメタクリレート、ノルボルネン
−エチレン共重合体、光学用ポリエステル樹脂、アモル
ファスポリオレフィン、アクリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体が好ましい。
【0014】次に、光学異方体フィルムのマトリックス
として、正の固有複屈折を有する高分子と負の固有複屈
折を有する高分子とを混合して用いる場合に、正の固有
複屈折を有する高分子としては、ポリ塩化ビニル、ポリ
フッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン・三フッ化エチレ
ン共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリフェニレン
オキサイド、ポリカーボネートなどが例示され、負の固
有複屈折を有する高分子としては、ポリメチルメタクリ
レート、ポリスチレンなどが例示される。
【0015】正または負の固有複屈折を有する高分子で
あって、相溶する高分子の組み合わせと見かけの固有複
屈折が小さくなる混合比(重量比)としては、ポリフェ
ニレンオキサイドとポリスチレンでは20:80〜3
0:70、ポリエチレンオキサイドとポリメチルメタク
リレートでは30:70〜40:60、フッ化ビニリデ
ン・三フッ化エチレン共重合体とポリメチルメタクリレ
ートでは5:95〜15:85、ポリフッ化ビニリデン
とポリメチルメタクリレートでは15:85〜25:7
5、ポリ塩化ビニルとポリメチルメタクリレートでは1
5:85〜25:75などが例示される。これらの中で
も溶媒に溶けやすいポリフェニレンオキサイドとポリス
チレン、ポリエチレンオキサイドとポリメチルメタクリ
レートの組み合わせが好ましい。
【0016】また、配向関数を小さくする方法として
は、色素と高分子液晶と高分子を混合したフィルムを高
分子のガラス転移温度または軟化点以上で、かつ高分子
の溶融温度以下の温度で加熱しながら延伸する方法が挙
げられる。該方法に適した高分子としては、ポリカーボ
ネート、2酢酸セルロース、3酢酸セルロース、ポリス
チレン、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが
例示され、好ましくはポリカーボネート、3酢酸セルロ
ース、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンが例
示される。
【0017】これらのマトリックスポリマーに機械的強
度を付与する際やLCDセルに貼合する際の接着性を改
良するなどの目的のために添加物を用いてもよい。添加
物の種類や量については、本発明の目的を損なわない程
度の範囲であれば特に限定はない。
【0018】一般に可視光線を強く選択吸収または反射
して固有の色を持つ物質を色素というが、本発明におい
ては、可視域に吸収ピークを持たず紫外線領域に吸収を
持つ化合物を色素という。本発明で用いられる色素は、
可視域に吸収ピークを持たず紫外線領域に吸収を持つこ
とが必須である。該色素の吸収ピーク波長は、300〜
400nmの範囲にあることが好ましく、更に好ましく
は330〜380nmである。また、第1発明または第
3発明で用いられる色素は、アスペクト比を色素分子の
長軸の長さを色素分子の短軸の長さで除して得られた比
と定義したとき、該色素分子のアスペクト比が1.5以
上であることを特徴とする。該アスペクト比は、原子間
距離が正しい距離になるように分子構造を描いて求める
ことができる。該分子構造を求めるために、コンピュー
ターを用いた分子力学計算を行ない、描いた分子構造の
最適化をしてから、分子の長軸、短軸を求める。本発明
における分子の長軸の長さは、最適化した分子構造にお
いて、最も距離が長い原子同士の原子間距離で定義さ
れ、分子の短軸の長さは、該分子の長軸と直交する方向
において最も距離が長い原子間の距離で定義される。本
発明において、分子構造を求めるには、Chem 3D
3.0(Cambridge Scientific
Computing Inc.社製)を用いる。分子
構造の最適化に用いるプログラムとしては、MOPAC
93(富士通製)が挙げられ、ハミルトニアンのパラメ
ーターとして、AM1を用い、収束条件はデフォルト値
を用いる。また、第2発明または第4発明で用いられる
色素は、紫外域で二色性を有する。該色素の二色比は、
色素分子の長軸方向における最大吸収波長での吸光度と
短軸方向の吸光度の比で定義される。該二色比は、色素
をオーダーパラメーターが0.8以上になるように配向
させ、色素の配向方向の吸光度と配向方向と垂直方向の
吸光度を測定することで求めることが可能である。第1
発明の光学異方体フィルムと第2発明の光学異方体フィ
ルムとは、ほぼ実質的に重複する。同様に、第3発明の
光学異方体フィルムと第4発明の光学異方体フィルムと
は、ほぼ実質的に重複する。特に、色素を配向させるこ
とが困難で吸収スペクトルを測定しても二色性が容易に
観測されない場合は、前記の分子長軸の長さを分子短軸
の長さで割って得られるアスペクト比により本発明で用
いることが可能な色素を規定できる。本発明で用いるこ
とができる色素は、二色比またはアスペクト比のいずれ
かが以下の条件を満たすことが好ましい。すなわち、ア
スペクト比としては、1.5以上20以下、好ましくは
1.8以上15以下である。二色比として、好ましくは
2以上50以下、更に好ましくは5以上30以下であ
る。
【0019】これらの条件を満たす色素として、とくに
限定はないが、Benzotriazol系、Benzophenon 系、Pyr
azoline系、Diphenyl polyene系、Binaphthyl polyen
e系、Biphenanthrenyl polyene 系、 Styrylbenzoxa
zol 系、Stilbene系、Benzidine 系、Benzothiazole
系、Benzoxazole 系、Benzimidazole 系、Hydroxya
zobenzene 系、Aminoazobenzene 系、Coumarin系、Ni
trodiphenylamine系の色素およびこれらの系列の色素の
誘導体が例示される。また、蛍光増白剤、蛍光顔料や紫
外線吸収剤として用いられている色素も好適に用いられ
る。上記の条件を満たす色素であれば本発明で用いるこ
とが可能である。本発明で用いることが可能である色素
の一例を色素ハンドブック(大河原信、北尾悌次郎、平
嶋恒亮、松岡賢 編、講談社サイエンティフィック社:
1986年第1版)に記載の色素番号で表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】次に、第3発明または第4発明の光学異方
体フィルムすなわち色素と高分子液晶と高分子を混合し
てなる光学異方体フィルムで用いられる高分子液晶につ
いて説明する。高分子液晶は、ネマティック相またはス
メクティック相を示すものが好ましい。ネマティック相
またはスメクティック相を示す温度範囲は、好ましくは
−30℃〜200℃、さらに好ましくは−30〜150
℃、特に好ましくは−30℃〜120℃である。上記温
度範囲を満たすような液晶を単独で用いてもよいし、温
度範囲を上記範囲内にするために2種類以上の高分子液
晶を混合して用いてもよい。
【0022】本発明で用いられる高分子液晶とは、液晶
として高分子量であるものであり、液晶オリゴマーと呼
ばれるものも含む。マトリックスポリマーとの相分離の
観点から高分子液晶の分子量または重合度の好ましい下
限が決まり、光散乱の観点から分子量または重合度の好
ましい上限が決まる。すなわち、分子量が大きすぎると
相分離した高分子液晶の粒径がマトリックス中での光の
波長以上になり、光散乱が生じ、分子量が小さすぎると
相分離が起こりにくくなり液晶の配向が起こらなくなる
ので好ましくない。本発明で用いられる高分子液晶とし
ては、数平均分子量1200〜10000が好ましく、
分子量1500〜6000が更に好ましい。
【0023】本発明で用いられる高分子液晶としては、
側鎖型高分子液晶、主鎖型高分子液晶が例示されるが、
分子量の制御が容易である観点から側鎖型の高分子液晶
が好ましい。
【0024】側鎖型高分子液晶としては下記一般式
(4)で表されるものが例示される。
【化1】 〔式中、Aは下記一般式(5)または(6)で表される
基である。一般式(5)において、−Si−O−は一般
式(4)の主鎖であり、環状であっても直鎖状であって
もよい。一般式(6)において、−C−CH2−は、一
般式(4)の主鎖であり、COO基はSp1に結合す
る。一般式(4)において、Aが一般式(5)のとき、
Rは炭素数1〜6のアルキル基またはフェニレン基であ
り、一般式(4)において、Aが一般式(6)のときR
は炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基であ
る。一般式(4)において、Ar1、Ar2、Ar3は、
それぞれ独立に1、4−フェニレン基、1、4−シクロ
へキシレン基、ピリジン−2、5−ジイル基、ピリミジ
ン−2、5−ジイル基またはこれらの基の誘導体であ
る。Sp1 は、炭素数2〜8のアルキル基またはアル
コキシ基である。Sp2、Sp3はそれぞれ独立に−CO
O−、−OCO−、−NCH−、−CHN−、−CH2
−CH2−、−CH2−O−、−O−CH2−、−N=N
−、単結合(Ar1とAr2、またはAr2とAr3が直接
結合することに該当する。)、または下記一般式(7)
で示される基である。kは、0または1の整数である
(kが0のときAr2とBが直接結合することに該当す
る。)。Bは、シアノ基、ハロゲン、炭素数1〜6のア
ルキル基もしくはアルコキシ基、アクリレート基または
メタクリレート基である。〕
【0025】
【化2】
【化3】
【化4】
【0026】これらの側鎖型高分子液晶は、単独で用い
てもよいし、混合して用いてもよい。また、側鎖型高分
子液晶の側鎖基は単一である必要はなく、異なる側鎖よ
りなる共重合高分子液晶であってもよい。
【0027】上述した色素や高分子液晶の高分子マトリ
ックスへの混合比は、色素または色素と高分子液晶の割
合が大きすぎると、光学異方体フィルムの機械的強度が
下がりハンドリングしにくくなるため上限がある。ま
た、色素または色素と高分子液晶の割合が小さすぎる
と、光学異方体フィルムの光学特性が発現しにくくなる
ため好ましくない。
【0028】色素をマトリックスポリマーに混合する場
合には、色素の濃度として〔色素/(色素とマトリック
スポリマーの和)〕、0.01〜20重量%が好まし
く、更に好ましくは0.1〜15重量%、特に好ましく
は0.5〜12重量%である。また、色素と高分子液晶
を高分子マトリックスに混合する場合には、色素の濃度
としては〔色素/(色素と高分子液晶とマトリックスポ
リマーの和)〕、0.01〜20重量%が好ましく、更
に好ましくは0.1〜15重量%、特に好ましくは0.
5〜12重量%であり、高分子液晶の濃度としては〔高
分子液晶/(色素と高分子液晶とマトリックスポリマー
の和)〕、0.01〜20重量%が好ましく、更に好ま
しくは0.1〜15重量%、特に好ましくは0.5〜1
2重量%である。
【0029】次に、本発明の光学異方体フィルム中の色
素または色素と高分子液晶の形態について説明する。本
発明の光学異方体フィルムでは、色素または色素と高分
子液晶は、高分子マトリックスから相分離しドメインを
形成していてもよく、相溶していてもよい。色素が高分
子または高分子と高分子液晶に吸着していてもよい。相
分離するか、相溶するか、吸着するかは、用いる色素と
用いる高分子または高分子液晶との組み合わせにより決
定される。本発明の光学異方体フィルムでは、色素また
は色素と高分子液晶がマトリックスから相分離している
場合、色素または色素と高分子液晶の混合物のドメイン
とマトリックスの界面で可視光の散乱が発生する可能性
がある。本発明の光学異方体フィルムでは、これらの界
面の散乱に起因する内部散乱は小さい方が好ましい。な
ぜならば散乱された光は一般に偏光状態が変化するため
内部散乱が大きい光学異方体フィルムの場合、特性が悪
化する可能性があり、また可視光の透過率が悪くなるた
めである。本発明の光学異方体フィルムで色素または色
素と高分子液晶を相溶させたい場合や、色素を高分子ま
たは高分子と高分子液晶に吸着させたい場合は、公知の
相溶化剤などを用いてもよい。
【0030】本発明の光学異方体フィルムにおいて、色
素または色素と高分子液晶のドメインが形成されている
場合には、色素または色素と高分子液晶のドメインの長
軸の長さは20〜500nmであることが好ましく、3
0〜400nmが更に好ましい。
【0031】本発明の光学異方体フィルムの法線方向か
ら観測したレターデーション(測定波長546nm)
は、50〜3000nmであり、好ましくは100〜2
500nmである。
【0032】本発明の光学異方体フィルムのレターデー
ションの波長分散を示す指標として、フィルムの法線方
向よりセナルモン法を用いて水素のF線(波長486n
m)で測定したレターデーションRFと、ナトリウムのD
線(波長589nm)で測定したレターデーションRD
比α=RF/RDを用いる。本発明では、波長分散を示す
指数αが、好ましくは1.061〜1.300であり、
より好ましくは1.065〜1.250である光学異方
体フィルムが好適に用いられる。
【0033】良好な視野角特性を示す光学異方体フィル
ムの特性を示す指標としては、546nmの光を用いて
フィルムの法線方向から測定したレターデーション(R
0)と該フィルムの遅相軸まわりにフィルムを水平面か
ら40度傾斜したときのレターデーション(R40)の比
40/ R0が挙げられる。本発明の光学異方体フィルム
においては、該比が0.900より大きく1.100よ
り小さいことが好ましい。該比は、組み合わせて使用す
る液晶セルの視野角依存性により適宜選択することがで
きる。
【0034】次に、本発明の光学異方体フィルムの製造
方法について説明する。本発明の光学異方体フィルムは
高分子と色素または高分子液晶と色素と高分子液晶を混
合し、フィルムに成形した後に該フィルムを延伸するこ
とで得られる(以下、第1の製造方法と言うことがあ
る)。また、高分子または高分子と高分子液晶を混合
し、フィルムに形成した後に該フィルムを延伸し、色素
を該延伸フィルムに吸着することでも得られる(以下、
第2の製造方法と言うことがある)。第1の製造方法の
色素または色素と高分子液晶の混合物とマトリックスポ
リマーの混合方法としては、均一に混合させるため溶液
状態で混合することが好ましい。具体的には、高分子を
溶媒に懸濁または溶解して、これに色素または色素と高
分子液晶を懸濁または溶解して混合する方法が挙げられ
る。本発明で用いられる溶媒は、高分子に対する溶解度
が大きい方が好ましい。
【0035】色素とマトリックスまたは色素と液晶とマ
トリックスからなるフィルムの成膜法については、色素
や液晶やマトリックスポリマーを溶剤に溶かしキャスト
する溶剤キャスト法、固体状態で混練しダイなどから押
し出しフィルムにする押し出成型法、固体状態で混練し
た後カレンダロールでフィルムにするカレンダー法、プ
レスなどでフィルムにするプレス成型法などが例示され
る。この中でも膜厚精度に優れた溶剤キャスト法が好ま
しい。成膜後のフィルムの厚みは、特に制限はないが、
薄すぎると機械的強度に悪影響を及ぼし、厚すぎると溶
媒キャスト法で成膜したときの溶媒の蒸発速度が遅くな
り生産性が悪くなることから、ある程度の膜厚範囲にあ
ることが好ましい。成膜後のフィルムの厚みとしては、
20〜500μmが好ましく、更に好ましくは50〜3
00μmである。
【0036】また、本発明の光学異方体フィルムの第2
の製造方法として、色素を混合しない以外は第1の製造
方法と同様の方法でフィルムの形成および延伸を行った
フィルムに色素を吸着してもよい。色素の吸着方法につ
いては、例えば延伸フィルムの貧溶媒で色素の良溶媒に
色素を溶解し、該色素溶液中で色素を該延伸フィルムに
含浸させる方法や、フィルムの軟化温度以下色素の融点
以上の温度で、色素を融解し該色素融液中で色素を該延
伸フィルムに含浸させる方法や、粉末状の色素を該延伸
フィルムに含浸させる方法などが例示される。
【0037】成膜後フィルムを加熱しながら延伸すると
きの延伸方法は、[11]記載の光学異方体フィルム以
外は同じ方法を使用でき、テンター延伸法、ロール間延
伸法、ロール間圧縮延伸法などが例示される。フィルム
面の均一性などの観点からテンター延伸法、ロール間延
伸法が好ましい。フィルムの加熱方法については特に制
限はない。
【0038】[11]記載の光学異方体フィルムとする
場合の延伸方法は、公知の方法を使うことができる。例
えば、(A)前記フィルム作成工程で作成したフィルム
を一軸延伸し、これを特開平6−300916号公報に
示されるように、ガラス転移温度または軟化温度以上で
熱緩和させる時に、フィルム面に平行かつ延伸軸に垂直
な方向の伸びを抑制しながら、延伸軸方向を収縮させる
方法、(B)前記フィルム作成工程で作成したフィルム
を一軸延伸し、この少なくとも片面に、熱収縮性を有す
るフィルムを、該熱収縮性を有するフィルムの熱収縮軸
が前記一軸延伸された高分子フィルムの延伸軸と直交す
るよう貼合し、得られた貼合体を加熱して、熱収縮させ
る方法、または(C)特開平5−157911号公報に
示されるように、前記フィルム作成工程で作成したフィ
ルムの少なくとも片面に熱収縮性を有するフィルムを、
該熱収縮性を有するフィルムの熱収縮軸が前記一軸延伸
された高分子フィルムの延伸軸と直交するよう貼合し、
得られた貼合体を延伸する方法などが挙げられる。これ
らの中で、(A)および(B)の方法が、量産性の面お
よびコスト面で好ましい。
【0039】ここで、フィルムを一軸延伸する方法は、
上述したいずれの方法を用いてもよいが、厚み方向の屈
折率の制御性およびフィルム面内のレターデーションの
均一性等の点で、ロール間延伸法またはテンター延伸法
により一軸延伸する方法が好ましい。
【0040】これらの延伸方法によりフィルムを延伸す
る際の加熱温度については、使用するマトリックスポリ
マーの軟化温度や色素や液晶の転移温度により適宜選択
される。延伸倍率については、倍率が低いと色素や液晶
の配向が不充分になり、高すぎると膜厚が薄くなりすぎ
てハンドリングが困難になるので好ましくない。具体的
には1. 1倍〜20倍が好ましく、1. 2倍〜15倍
がさらに好ましい。延伸速度や延伸後の冷却速度につい
ては特に限定はない。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。高分
子液晶は、元素分析、赤外吸収スペクトル、1H−NM
Rスペクトルから構造を確認し、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィ(GPC)から分子量を確認した。色
素の吸収ピーク波長は、分光光度計(日立製作所製、U
−350)を用いて色素/ ポリマー混合フィルムの透
過スペクトルを直接測定することにより求めた。フィル
ムの吸光度が大きすぎて吸収ピーク波長がわからないと
きは、色素1重量部をKBrの粉末99重量部と混合
し、加圧して厚み約1mmのペレットとした後透過スペ
クトルを測定することにより求めた。色素のアスペクト
比は、分子構造を化学構造式描画ソフト(Cambridge S
cientific Computing Inc. 製ChemDraw 2.1.3およ
びChem 3D 3.0 )を用いて描き、前述のようにMO
PAC93を用いて構造の最適化を行ない、得られた結
果をChem 3D 3.0 で描かせ、分子長軸の長さを短軸
の長さで割ることにより計算した。本発明の光学異方体
フィルムのレターデーションは、400、420、44
0、460、480、500、525、550、57
5、600、650、700、800nmのλ/4板を
用い分光器を装備した偏光顕微鏡〔オーク製作所(株)
製、TFM120−AFT〕によりセナルモン法を用い
て測定した。光学異方体フィルムの波長分散を示す一般
式(1)で定義されるαの値は、セナルモン法を用いて
測定したレターデーションをグラフ描画ソフト(WaveMe
trics 社製 Igol Pro3.0 ) でローレンツの式(下
記式8)を用いてカーブフィッティングし、フィッティ
ングの結果得られたフィッティング係数を用いて、48
6nmと589nmのレターデーション値を式(8)を
用いて計算し、式(1)より計算した。
【数6】 [式(8)において、λは測定波長、R(λ)は測定波
長でのレターデーションを示し、A,B,λ0はフィッ
ティング係数である。]光学異方体フィルムの視角依存
性は、傾斜治具を装備した偏光顕微鏡にてセナルモン法
を用いて546nmの波長の光で、法線方向から観測し
た該フィルムのレターデーションと遅相軸まわりに該フ
ィルムを傾斜したときのレターデーションを測定するこ
とにより評価した。
【0042】実施例1 環状シロキサンオリゴマー(ネマティック相を示し、ネ
マティック/等方相転移温度が121℃であり、ポリス
チレン換算数平均分子量2030)と、蛍光増白剤(住
友化学工業(株)製、商品名Whitefluor P
HR、吸収ピーク波長375nm、アスペクト比4.
6)と、ポリメチルメタクリレート(住友化学工業
(株)製、商品名スミペックスMHF、ガラス転移温度
122℃)とを、液晶オリゴマー:色素:ポリメチルメ
タクリレート=0. 9:10:90(重量比)で混合
し、100℃で2倍に延伸したところ、前記式1で定義
されるα=1.102である光学異方体フィルムを得
た。得られた光学異方体フィルムをSTNセルと組み合
わせて使用すると良好な白黒表示を得る。
【0043】比較例1 蛍光増白剤を混合しない以外は実施例1と同様にして光
学異方体フィルムを得た。得られた光学異方体フィルム
のαの値は、1.082になり、色素を混合した実施例
1と比較して小さい波長分散を示した。
【0044】実施例2 蛍光増白剤(住友化学工業(株)製、商品名White
fluor B、吸収ピーク波長369nm、アスペク
ト比1.9)10重量部とポリカーボネート樹脂(帝人
(株)製、商品名パンライトC−1400)90重量部
を塩化メチレンに20重量%になるよう溶解し混合し
た。得られた溶液をガラス板上にキャストし厚さ100
μmのフィルムを得た。得られたフィルムを130℃で
1.5倍に延伸したところ、α=1.075の光学異方
体フィルムが得られた。得られた光学異方体フィルムを
STNセルと組み合わせて使用すると良好な白黒表示を
得る。
【0045】比較例2 ポリカーボネート製位相差フィルム(住友化学工業
(株)製、商品名SEF480430)のレターデーシ
ョンの波長分散を測定したところ、α=1.060であ
った。また、ポリスルホン製位相差フィルムのレターデ
ーションの波長分散を測定したところ、α=1.099
であった。
【0046】実施例3 紫外線吸収剤(住友化学工業(株)製、商品名Sumi
sorb 310、吸収ピーク波長345nm、アスペ
クト比3.5)10重量部とポリカーボネート樹脂(帝
人(株)製、商品名パンライトC−1400)90重量
部を塩化メチレンに20重量%になるよう溶解し混合し
た。得られた溶液をガラス板上にキャストし、厚さ10
0μmのフィルムを得た。得られたフィルムを140℃
で1.5倍に延伸したところ、α=1.078の光学異
方体フィルムが得られた。得られた光学異方体フィルム
をSTNセルと組み合わせて使用すると良好な白黒表示
を得る。
【0047】実施例4 紫外線吸収剤(住友化学工業(株)製、商品名Sumi
sorb 310、吸収ピーク波長345nm、アスペ
クト比3.5)10重量部とポリアリレート樹脂(ユニ
チカ(株)製、商品名U−100)90重量部を塩化メ
チレンに20重量%になるよう溶解し混合した。得られ
た溶液をガラス板上にキャストし、厚さ100μmのフ
ィルムを得た。得られたフィルムを195℃で1.2倍
に延伸したところ、α=1.086の光学異方体フィル
ムが得られた。得られた光学異方体フィルムをSTNセ
ルと組み合わせて使用すると良好な白黒表示を得る。
【0048】
【発明の効果】本発明の光学異方体フィルムは、レター
デーションの波長分散が大きく、高速STN型液晶セル
と好適に組み合わせて使用することで良好な白黒表示を
示す液晶表示装置が得られる。また、本発明の光学異方
体フィルムは、従来のポリスルホンやポリアリレート製
の位相差フィルムと比較して製造が容易である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 19/60 C09K 19/60 G02F 1/133 500 G02F 1/133 500 1/1335 510 1/1335 510 // B29L 7:00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子と色素を混合してなる光学異方体フ
    ィルムであり、該色素が可視域に吸収ピークを持たず、
    紫外域に吸収ピークを持っており、アスペクト比を色素
    分子の長軸の長さを色素分子の短軸の長さで除して得ら
    れた比と定義したとき、該色素分子のアスペクト比が
    1.5以上であり、該光学異方体フィルムのレターデー
    ション(測定波長546nm)が50〜3000nmで
    あることを特徴とする光学異方体フィルム。
  2. 【請求項2】高分子と色素を混合してなる光学異方体フ
    ィルムであり、該色素が可視域に吸収ピークを持たず、
    紫外域に吸収ピークを持っており、二色性を有してお
    り、該光学異方体フィルムのレターデーション(測定波
    長546nm)が50〜3000nmであることを特徴
    とする光学異方体フィルム。
  3. 【請求項3】高分子と色素と高分子液晶を混合してなる
    光学異方体フィルムであり、該色素が可視域に吸収ピー
    クを持たず、紫外域に吸収ピークを持っており、該色素
    分子の請求項1で定義されたアスペクト比が1.5以上
    であり、該光学異方体フィルムのレターデーション(測
    定波長546nm)が50〜3000nmであることを
    特徴とする光学異方体フィルム。
  4. 【請求項4】高分子と色素と高分子液晶を混合してなる
    光学異方体フィルムであり、該色素が可視域に吸収ピー
    クを持たず、紫外域に吸収ピークを持っており、二色性
    を有しており、該光学異方体フィルムのレターデーショ
    ン(測定波長546nm)が50〜3000nmである
    ことを特徴とする光学異方体フィルム。
  5. 【請求項5】色素が高分子と相分離してドメインを形成
    しており、光学異方体フィルムの下記一般式(1)で定
    義されるαの値が1.06を越えることを特徴とする請
    求項1または2記載の光学異方体フィルム。 【数1】α=RF/RD・・・(1) [式中、RFは水素F線(波長486nm)で測定した
    レタ−デ−ションの値であり、RDはナトリウムD線
    (波長589nm)で測定したレタ−デ−ションの値で
    ある。]
  6. 【請求項6】色素および高分子液晶が高分子と相分離し
    てドメインを形成しており、光学異方体フィルムの請求
    項5で定義されたαの値が1.06を越えることを特徴
    とする請求項3または4記載の光学異方体フィルム。
  7. 【請求項7】色素が高分子に相溶しており、光学異方体
    フィルムの請求項5で定義されるαの値が1.06を越
    えることを特徴とする請求項1または2記載の光学異方
    体フィルム。
  8. 【請求項8】色素が高分子と高分子液晶の混合体に相溶
    しており、光学異方体フィルムの請求項5で定義される
    αの値が1.06を越えることを特徴とする請求項3ま
    たは4記載の光学異方体フィルム。
  9. 【請求項9】色素が延伸された高分子に吸着配向してお
    り、光学異方体フィルムの請求項5で定義されるαの値
    が1.06を越えることを特徴とする請求項1または2
    記載の光学異方体フィルム。
  10. 【請求項10】色素が延伸された高分子と高分子液晶の
    混合体に吸着配向しており、光学異方体フィルムの請求
    項5で定義されるαの値が1.06を越えることを特徴
    とする請求項3または4記載の光学異方体フィルム。
  11. 【請求項11】光学異方体フィルムのレターデーション
    比(R40/R0)が下記式(2)を満たすことを特徴と
    する請求項1〜10のいずれかに記載の光学異方体フィ
    ルム。 【数2】 0.900<R40/R0<1.100・・・(2) [式中、R0は、偏光顕微鏡でセナルモン法(測定波長
    546nm)を用いて測定したフィルム法線方向から見
    たレターデーションであり、R40は、該フィルムの遅
    相軸を回転軸として該フィルムを水平から40゜傾斜し
    て測定したときのレターデーションである。]
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれかに記載の光学
    異方体フィルムを用いることを特徴とする液晶表示装
    置。
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