JP3610403B2 - 光学異方体フィルムとその製造方法および液晶表示装置 - Google Patents

光学異方体フィルムとその製造方法および液晶表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスーパーツイストネマティック(以下STNという。)型または電界制御複屈折(以下ECBという。)型液晶表示装置などに用いられる光学異方体フィルム、その製造方法および該光学異方体フィルムを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
位相差フィルムは透明な熱可塑性高分子フィルムを一軸延伸することにより得られ、液晶表示素子、特にSTN型液晶表示素子またはECB型液晶表示素子の着色を補償して表示品質を向上させるための光学補償板(色補償板)として用いられている。位相差フィルムを用いた液晶表示素子は、軽い、薄い、安価である等の長所を持っている。
最近、液晶表示素子を自動車などに搭載して高温の条件下で使用することも多くなってきているが、液晶セルと位相差フィルムのレターデーション(位相差)が高温で異なり、高温での表示品質が低下する問題点があった。
また、STN型液晶表示装置の画面の大型化に伴い、バックライトに用いられる冷陰極管からの熱伝導により、液晶セルの温度が不均一となり、画面内で表示品位が異なる問題点があった。
【0003】
すなわち、温度が高くなると液晶分子や高分子の配向の緩和にともないレターデーションが小さくなるが、一般に液晶セルに使われている低分子液晶の配向緩和の方が位相差フィルムに使われている高分子の配向緩和より大きく、レターデーションの変化も大きいため、室温で最適化されていた両者のレターデーションが高温では最適条件からずれてしまい、液晶セルの色補償が不完全になり着色が生じるなどの問題が生じ、表示特性が低下する。
【0004】
特開平3−291601号公報には、大面積で均一な位相差フィルムを得るために、実質的にオルソ置換芳香族単位を含むポリエステルからなる液晶性高分子を溶解した溶液を公知の配向膜を有する基板上に塗布し、熱処理を行うことにより、水平配向させたものが例示されている。
位相差フィルムのレターデーションはフィルムの材料の屈折率異方性とフィルムの厚みの積で得られる。液晶性高分子のみを水平配向した位相差フィルムでは、液晶性高分子の屈折率異方性が大きいため、フィルム全面にわたって均一なレターデーションを得るためには、液晶性高分子の膜厚を非常に精密に制御する必要があり、工業的に困難であり、効率的でなかった。
【0005】
また、特表平4−500284号公報には、直鎖または環状の主鎖を有する側鎖型液晶ポリマーを用いて、液晶セルに使われている液晶分子と同じ温度依存性および波長依存性を有する位相差フィルムが例示されている。
しかしながら、側鎖型液晶ポリマーを用いてその膜厚を非常に精密に制御することは困難であった。
また、特開平5−257013号公報には高分子フィルムに液晶分子を分散し、高分子フィルムごと延伸することにより位相差フィルムを得ることが記載されている。
しかしながら、具体的にどのような特性を有する液晶化合物と高分子との組み合わせのときに優れた効果が得られるかの記載はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、組合わせて使用する液晶表示セルのレターデーションの温度変化率に応じた温度変化率を有する光学異方体フィルムと、該光学異方体フィルムの製造方法および該光学異方体フィルムを用いた高温での表示特性の優れた液晶表示装置、特にSTN型液晶表示装置またはECB型液晶表示装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、複屈折の発現を抑えた高分子や正の固有複屈折を有する高分子と負の固有複屈折を有する高分子の混合物からなる高分子(以下、これらの高分子をマトリックスポリマーまたは単にマトリックスと称することがある。)中に液晶化合物を混合したフィルムを延伸することにより光学異方体フィルムが得られ、高温で使用しても白黒レベルに優れた液晶表示装置が得られることを見出して本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、次に記す発明からなる。
〔1〕透明または半透明の高分子に液晶化合物が混合され、液晶化合物と高分子の重量和に対する該液晶化合物の割合が0.5〜50重量%であるフィルムが延伸されてなり、
80℃におけるレターデーションが30℃におけるレターデーションの20〜97%であることを特徴とする光学異方体フィルム。
【0009】
〔2〕透明または半透明の高分子に液晶化合物が混合され、液晶化合物と高分子の重量和に対する該液晶化合物の割合が0.5〜50重量%であるフィルムが延伸されてなり、
60℃におけるレターデーションが30℃におけるレターデーションの50〜99%であることを特徴とする光学異方体フィルム。
【0010】
〔3〕高分子のガラス転移点が80℃以上であることを特徴とする〔1〕または〔2〕記載の光学異方体フィルム。
【0011】
〔4〕液晶化合物の等方相転移温度より20℃高い温度で測定した光学異方体フィルムのレターデーションが、該光学異方体フィルムの30℃におけるレターデーションの80%以下であることを特徴とする〔1〕、〔2〕または〔3〕記載の光学異方体フィルム。
【0012】
〔5〕固有複屈折が正の高分子と負の高分子の混合物からなり、これらが相溶している高分子を用いることを特徴とする〔4〕記載の光学異方体フィルム。
【0013】
〔6〕光学異方体フィルムのヘイズが10%以下であることを特徴とする請求項〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕または〔5〕記載の光学異方体フィルム。
【0014】
〔7〕高分子と液晶化合物を混合しフィルムに成形したのち、加熱しながらフィルムを一軸延伸することを特徴とする〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕、〔5〕または〔6〕記載の光学異方体フィルムの製造方法。
【0015】
〔8〕前記〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕、〔5〕または〔6〕記載の光学異方体フィルムを使用した液晶表示装置。
【0016】
次に本発明を詳細に説明する。
本発明の光学異方体フィルムは、透明または半透明の高分子に液晶化合物が混合されてなるものである。該光学異方体フィルムのレターデーションの温度変化率については、80℃でのレターデーションが30℃でのレターデーションの20〜97%であり、好ましくは60〜95%、さらに好ましくは70〜93%である。該温度変化率が20%未満では、高温でのフィルムの機械的強度が小さくなり、97%を超えると液晶表示セルのレターデーションの温度依存性を充分補償できないので好ましくない。
【0017】
また、該光学異方体フィルムのレターデーションの温度変化率について、60℃でのレターデーションが30℃でのレターデーションの50〜99%であり、好ましくは60〜98%、さらに好ましくは70〜97%である光学異方体フィルムも本発明で好適に用いられる。
【0018】
本発明において、液晶化合物と高分子の割合については、液晶化合物が液晶化合物と高分子の重量和に対して0.5〜50重量%であり、1〜30重量%がより好ましく、1〜20重量%がさらに好ましい。該割合が0.5重量%未満では液晶化合物によるレターデーションの発現が小さく、レターデーションの温度依存性が小さくなり、50重量%を超えると得られるフィルムの強度が小さくなるので好ましくない。液晶化合物と高分子の割合について具体的には、前記の範囲の中でフィルムの強度や得られるレターデーションの温度依存性から適宜決めることができる。
本発明の光学異方体フィルムのレターデーションは、50〜2000nmであることが好ましく、より好ましくは100〜1500nm、更に好ましくは200〜800nmである。
【0019】
本発明の光学異方体フィルムは液晶表示セル、特にSTN型液晶表示セルまたはECB型液晶表示セルにより生じた位相差を主としてマトリックス中の液晶化合物(以下、液晶と称することがある。)により補償するので、用いる液晶は液晶表示セル、特にSTN型液晶表示セルに用いられている液晶(以下、STN液晶と称することがある。)またはECB型液晶表示セルに用いられている液晶に屈折率や、屈折率異方性の温度依存性などの特性が近いものが好ましい。
【0020】
本発明の光学異方体フィルムのレターデーションの温度変化率は、組合わせて使用する液晶表示セルの温度変化率に応じて最適になるように選択することができる。
すなわち、液晶表示セルの温度変化率が大きい場合には、光学異方体フィルムの温度変化率もそれに合わせて大きくし、液晶表示セルの温度変化率が小さい場合には、光学異方体フィルムの温度変化率もそれに合わせて小さくすればよい。光学異方体フィルムのレターデーションの温度変化率を調整するには、等方相転移温度の異なる液晶化合物を混合する、マトリックスと液晶化合物の混合比を変化させる、または固有複屈折の異なるマトリックスポリマーを使用する、延伸条件を変化させてマトリックスのレターデーションの発現を制御するなどの方法が例示される。
【0021】
本発明の光学異方体フィルムの光散乱は小さい方が好ましい。光散乱を左右する因子として液晶とマトリックスの屈折率の不整合や分散している液晶の粒径が挙げられる。マトリックスの屈折率を調整することは機械的な特性や溶媒に対する溶解性などの特性が変化する可能性があり好ましくないので、主として液晶の屈折率を調整することが好ましい。
本発明で用いる液晶の常光に対する屈折率は、1.4〜1.6が好ましい。
また、光散乱を小さくする方法として、高分子マトリックス中で相分離している液晶化合物の粒径を小さくする方法も例示される。
光散乱の程度を示す指標としてヘイズがあり、本発明の光学異方体フィルムのヘイズは小さいほうがよく10%以下が好ましく、より好ましくは7%以下である。
【0022】
本発明で用いる液晶はネマティック相またはスメクティック相を示すものが好ましい。ネマティック相またはスメクティック相を示す温度範囲は、好ましくは−30℃〜200℃、さらに好ましくは−30〜150℃、特に好ましくは−30℃〜120℃である。上記温度範囲を満たすような液晶を単独で用いてもよいし、温度範囲を上記範囲内にするために2種類以上の液晶を混合して用いてもよい。
【0023】
本発明で用いる液晶の種類は、低分子液晶、液晶オリゴマー、高分子液晶などが挙げられるが、マトリックスポリマーとの相溶性の観点から低分子液晶もしくは液晶オリゴマーが好ましく用いられる。更に好ましくは液晶オリゴマーである。
【0024】
本発明で用いる低分子液晶としては、下記一般式(1)で示されるものが例示される。
【化1】
Figure 0003610403
〔式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基である。Ar、Ar、Arはそれぞれ独立に1、4−フェニレン基、1、4−シクロへキシレン基、ピリジン−2、5−ジイル基、ピリミジン−2、5−ジイル基またはこれらの基の誘導体である。Sp、Spはそれぞれ独立に−COO−、−OCO−、−NCH−、−CHN−、−CH−CH−、−CH−O−、−O−CH−、−N=N−、単結合(ArとAr、またはArとArが直接結合することに該当する。)、または下記一般式(2)で示される基である。kは0または1の整数である(kが0のときArとBが直接結合することに該当する。)。Bはシアノ基、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基、アクリレート基またはメタクリレート基である。〕
【化2】
Figure 0003610403
【0025】
本発明で用いる液晶オリゴマーとしては側鎖型液晶オリゴマー、主鎖型液晶オリゴマーが例示されるが、分子量の制御が安価かつ容易である観点から側鎖型の液晶オリゴマーが好ましい。
【0026】
側鎖型液晶オリゴマーとしては下記一般式(3)で表されるものが例示される。
【化3】
Figure 0003610403
〔式中、Aは下記一般式(4)または(5)で表される基である。一般式(4)において−Si−O−は一般式(3)の主鎖であり、環状であっても直鎖状であってもよい。一般式(5)において−C−CH−は一般式(3)の主鎖であり、COO基はSpに結合する。一般式(3)においてAが一般式(4)のとき、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニレン基であり、一般式(3)においてAが一般式(5)のときRは炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基である。一般式(3)においてAr、Ar、Arは、それぞれ独立に1、4−フェニレン基、1、4−シクロへキシレン基、ピリジン−2、5−ジイル基、ピリミジン−2、5−ジイル基またはこれらの基の誘導体である。
Spは炭素数2〜8のアルキル基またはアルコキシ基である。Sp、Spはそれぞれ独立に−COO−、−OCO−、−NCH−、−CHN−、−CH−CH−、−CH−O−、−O−CH−、−N=N−、単結合(ArとAr、またはArとArが直接結合することに該当する。)、または前記一般式(2)で示される基である。kは0または1の整数である(kが0のときArとBが直接結合することに該当する。)。Bはシアノ基、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基、アクリレート基またはメタクリレート基である。〕
【0027】
【化4】
Figure 0003610403
【化5】
Figure 0003610403
【0028】
これらの側鎖型液晶オリゴマーは単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。また、側鎖型液晶オリゴマーの側鎖基は単一である必要はなく、異なる側鎖よりなる共重合物であってもよい。
また、これらの側鎖型液晶オリゴマーの分子量または重合度は分散状態を決定する点で重要である。分子量が小さいと相分離せず、分子量が高いと相分離した際の液晶の粒径が大きくなるため光散乱が強くなり実用的でない。本発明で好ましく用いられる液晶オリゴマーの平均的な重合度は、4〜30で、さらに5〜20である液晶オリゴマーが好ましい。
【0029】
次にマトリックスポリマーについて説明する。
本発明のマトリックスに用いられる高分子は、光学異方体フィルムが高温で使用されるために、使用温度やLCDとの貼合工程の温度で光学的性質や形状の変化が起こらない高分子が好ましく、ガラス転移温度がある程度高い熱可塑性エンジニアリング高分子、または可塑材が添加されている高分子では流動温度がある程度高い高分子が好ましく用いられる。
マトリックスの高分子のガラス転移温度または軟化温度は、液晶表示装置を使用する温度範囲内で光学特性の変化やフィルムの収縮などの変形のないように下限が決定され、光学異方体フィルムとする際に加熱しながら延伸する必要があるのでガラス転移温度が高すぎると工業的に好ましくないことから上限が決定される。
【0030】
マトリックスに求められるガラス転移温度もしくは軟化温度としては80℃〜250℃が好ましく、90℃〜200℃がさらに好ましい。
【0031】
これらの条件を満たす高分子としては、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、2酢酸セルロース、3酢酸セルロース、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが例示され、好ましくはポリカーボネート、ポリスルホン、3酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレートが例示される。
【0032】
本発明では光学異方体フィルム中の高分子による複屈折が小さいものも好適に用いられる。高分子による複屈折は、下記の二通りの方法による測定において、いずれかの方法で評価した高分子によるレターデーションが、光学異方体フィルムのレターデーションの80%以下である高分子を用いることが好ましい。さらに好ましくは50%以下の高分子を用いることがよい。
(i)混合されている液晶化合物の相転移温度より20℃高い温度で該フィルムのガラス転移温度又は軟化温度以下に光学異方体フィルムを加熱したときのレターデーションを高分子によるレターデーションとする。
(ii)液晶化合物が入っていない以外は光学異方体フィルムと同一の条件で作製した高分子フィルムのレターデーションとする。
ここで、固有複屈折率の小さい高分子の場合、(ii)の方法が適用される。
【0033】
上述した光学特性を満たすマトリックスポリマーとして複屈折の小さい高分子を用いてもよい。一般的にポリマーの配向による複屈折Δnはポリマーの固有複屈折Δnと配向関数fを用いて、下記数1のように表される。
【数1】
Δn=Δn×f
高分子の複屈折を低減する方法としては、固有複屈折の小さい高分子を使用する方法、固有複屈折が正の高分子と負の高分子を混合し見かけの固有複屈折を小さくする方法、配向関数を小さくする方法が例示される。
【0034】
固有複屈折の小さい高分子として、ポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリ−t−ブチルメタクリレート、ポリグリコールメタクリレートなどのポリメタクリル酸誘導体やポリアクリル酸、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレートなどのポリアクリル酸誘導体やポリビニルアセテート、ポリビニルブチレート、ポリオキシメチルフェニルシリレンなどが例示される。
これらのなかでもポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリ−t−ブチルメタクリレートが好ましい。
【0035】
次に、光学異方体フィルムのマトリックスとして、正の固有複屈折を有する高分子と負の固有複屈折を有する高分子とを混合して用いる場合に、正の固有複屈折を有する高分子としては、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン・三フッ化エチレン共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネートなどが例示され、負の固有複屈折を有する高分子としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンなどが例示される。
【0036】
正または負の固有複屈折を有する高分子であって、相溶する高分子の組み合わせと見かけの固有複屈折が小さくなる混合比(重量比)としては、ポリフェニレンオキサイドとポリスチレンでは20:80〜30:70、ポリエチレンオキサイドとポリメチルメタクリレートでは30:70〜40:60、フッ化ビニリデン・三フッ化エチレン共重合体とポリメチルメタクリレートでは5:95〜15:85、ポリフッ化ビニリデンとポリメチルメタクリレートでは15:85〜25:75、ポリ塩化ビニルとポリメチルメタクリレートでは15:85〜25:75などが例示される。
これらの中でも溶媒に溶けやすいポリフェニレンオキサイドとポリスチレン、ポリエチレンオキサイドとポリメチルメタクリレートの組み合わせが好ましい。
【0037】
また、配向関数を小さくする方法としては、液晶化合物を混合した高分子を液晶化合物と高分子のガラス転移温度以上で溶融温度以下の温度で加熱しながら延伸する方法が挙げられる。
該方法に適した高分子としては、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、2酢酸セルロース、3酢酸セルロース、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが例示され、好ましくはポリカーボネート、ポリスルホン、3酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンが例示される。
【0038】
複屈折の小さいポリマーマトリックスとして使用温度で光学的性質や形状の変化が起こらない高分子が好ましい。また複屈折の小さいマトリックスを使って本発明の光学異方体フィルムを得るためには、フィルムのガラス転移温度以上で延伸することから、マトリックスのガラス転移温度が高すぎると工業的に好ましくない。これらのことからガラス転移温度がある程度高い熱可塑性エンジニアリング高分子、または可塑材が添加されている高分子では流動温度がある程度高い高分子が挙げられる。
【0039】
これらのマトリックスの高分子のガラス転移温度または軟化温度は、液晶表示装置を使用する温度範囲内で光学特性の変化やフィルムの収縮などの変形のないように下限が求められ、光学異方体フィルムとする際に加熱しながら一軸延伸する必要があるのでガラス転移温度が高すぎると工業的に好ましくないことから上限が求められる。マトリックスに求められるガラス転移温度もしくは軟化温度としては90℃〜250℃が好ましく、90℃〜180℃がさらに好ましい。
【0040】
これらのマトリックスポリマーに機械的強度を付与やLCDパネルに貼合する際の接着性を改良するなどの目的のために添加物を用いてもよい。添加物の種類や量については、本発明の目的を損なわない程度の範囲であれば特に限定はない。
【0041】
次に、光学異方体フィルムの製造方法について説明する。
液晶化合物と高分子の混合方法としては、均一性の観点から溶液状態で混合することが好ましい。具体的には高分子を溶媒に懸濁または溶解して、これに液晶化合物を懸濁または溶解して混合する方法が挙げられる。該高分子は溶媒に対する溶解度が大きい方が好ましい。
【0042】
液晶とマトリックスポリマーの混合物からなるフィルムの成膜法については、液晶やマトリックスポリマーを溶剤に溶かしキャストする溶剤キャスト法、固体状態で混練しダイなどから押し出しフィルムにする押し出成型法、固体状態で混練した後カレンダロールでフィルムにするカレンダー法、プレスなどでフィルムにするプレス成型法などが例示される。この中でも膜厚精度に優れた溶剤キャスト法が好ましい。
成膜後のフィルムの厚みは特に制限はないが、20〜300μmが好ましく、より好ましくは70〜120μmである。
【0043】
成膜後フィルムを加熱しながら延伸するときの延伸方法としてはテンター延伸法、ロール間延伸法、ロール間圧縮延伸法などが例示される。フィルム面の均一性などの観点からテンター延伸法、ロール間延伸法が好ましい。
フィルムの加熱方法については特に制限はない。
【0044】
加熱温度については、使用するマトリックスポリマーや液晶の転移温度、得られる光学異方体フィルムのレターデーションの温度変化率により適宜選択されるが、液晶表示装置の使用温度以上が好ましく、具体的には90℃以上が好ましい。
【0045】
延伸倍率については、倍率が低いと液晶の配向が不充分になり、高すぎると生産性が悪くなるので好ましくない、具体的には1.2倍〜8倍が好ましく、1.5倍〜6倍がさらに好ましい。
延伸速度や冷却速度については特に限定はない
【0046】
本発明の液晶表示装置は、液晶表示セルと少なくとも1枚以上の光学異方体フィルムと少なくとも1枚以上の偏光フィルムを有する液晶表示装置である。特に、STN型液晶表示装置の場合には、液晶表示セルとして、電極を有する基板に挟持された、捩れ角が180〜360°である捩れネマティック配向した低分子液晶よりなるセルが例示される。
本発明の液晶表示装置において、光学異方体フィルムを配置する場所や枚数について特に制限はなく、偏光フィルムと液晶表示セルとの間であればどこでもよい。また偏光フィルムの吸収軸や液晶表示セルのラビング方向と光学異方体フィルムの延伸軸とのなす角などについてはコントラストや視角特性が最適になるように決められる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
液晶化合物は、元素分析、赤外吸収スペクトル、H−NMRスペクトルから構造を確認し、GPCから分子量を確認した。
得られた光学異方体フィルムのレターデーションは、偏光顕微鏡〔ニコン(株)製、OPTIPHOTO2−POL〕によりセナルモン法を用いて測定した。測定光の波長は546nmである。
レターデーションの温度依存性は、得られた光学異方体フィルムをホットステージ(メトラー社製商品名FP82ホットステージ)で加熱しながらレターデーションを測定し求めた。
ヘイズはヘイズコンピューター(スガ試験機製:HGM−2DP )を用いて測定した。
【0048】
実施例1
下記式(6)、(7)、(8)を1:1:1.5の比で側鎖に有し、下記式(9)で示されるモノマーをオリゴマーに対して28.2:71.7の比で有する環状シロキサンオリゴマー(ネマティック相を示し、ネマティック/等方相転移温度が121℃であり、ポリスチレン換算数平均分子量2030で重合度5に相当する。)を用いた。
【化6】
Figure 0003610403
【化7】
Figure 0003610403
【化8】
Figure 0003610403
【化9】
Figure 0003610403
ポリフェニレンオキサイド〔日本ポリエーテル(株)製、H−30グレード、数平均分子量4000〕:ポリスチレン(ウチダ化学製、数平均分子量100000):上記の環状シロキサン系液晶オリゴマーを重量比で26:64:10になるように混合し、その合計が20重量%になるように塩化メチレンに溶解した。この溶液を0.5mmギャップのアプリケーターからポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムと称することがある。東洋紡(株)製、商品名東洋紡エステルフィルムE−7006)上にキャストし風乾した。このフィルムを引っ張り試験機(東洋精機社製ストログラフ−T)を用い100℃で1.0cm/分の速度で1.9倍に延伸したところ、30℃で495nmのレターデーションを示す光学異方体フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは66μmであり、1μm当りのレターデーションは7.5nmであった。また、ヘイズは10%以下であった。得られた光学異方体フィルムの80℃でのレターデーションは443nmであり、30℃での値に対して89.5%の値になった。
得られた光学異方体フィルムをSTN液晶表示装置に搭載すると、80℃での表示特性は室温と変わらない良好な表示を示す。
【0049】
比較例1
ポリフェニレンオキサイド:ポリスチレンを重量比で29:71になるよう混合し、その合計がクロロホルムに20重量%になるように溶解した。
得られたフィルムを実施例1と同様に100℃で1.9倍に延伸したところ、30℃で24nmのレターデーションを示した。なお、フィルム厚みは56μmであり、1μm当りのレターデーションは0.43nmとなり、これは実施例1で得られたフィルムの5.7%にすぎなかった。
【0050】
実施例2
ポリメチルメタクリレート(アルドリッチ社製、数平均分子量120000):ポリシロキサン系液晶オリゴマーを重量比で93:7になるよう混合し、この合計が33重量%になるように塩化メチレンに溶解した。
このフィルムを引っ張り試験機を用い100℃で1.0cm/分の速度で2.0倍に延伸して、30℃で372nmのレターデーションを示す光学異方体フィルムを得た。フィルム膜厚は110μmであり、1μm当り3.38nmであった。
得られた光学異方体フィルムをガラス板に粘着材で貼り付け80℃でのレターデーションを測定したところ349nmであり、30℃での値の93.8%の値を示した。
得られた光学異方体フィルムをSTN型液晶表示装置に搭載すると、80℃での表示特性は室温と変わらない良好な表示を示す。
【0051】
比較例2
実施例2記載のポリメチルメタクリレートを塩化メチレンに33重量%になるよう溶解し、0.5mmギャップのアプリケーターからPETフィルム上にキャストした。
得られたフィルムを実施例2と同様の方法で2.0倍に延伸したところ、膜厚91μで室温で3.3nmのレターデーションを示し、1μm当り0.036nmのレターデーションを示し、実施例2で得られた光学異方体フィルムの1.1%にすぎなかった。
【0052】
実施例3
実施例1記載のポリシロキサン系液晶オリゴマーとポリカーボネート(帝人製:商品名パンライトC1400)を重量比で20:80になるよう混合し、混合物が15重量%になるように塩化メチレンに溶解した。この溶液を500μmギャップのアプリケーターを用いてガラス板上にキャストしフィルムを得た。
得られたフィルムを150℃で2.0倍に延伸し位相差フィルムを得た。得られた位相差フィルムのレターデーションは30℃で603.9nmで43μmの厚みであった。
得られた光学異方体フィルムの80℃でのレターデーションは574.2nmであり、30℃での値の95.0%の値であった。
【0053】
比較例3
実施例3記載のポリカーボネートを塩化メチレンに20重量%になるように溶解し、500μmのアプリケーターからガラス板上にキャストし103μmのフィルムを得た。フィルムを190℃で2.0倍に延伸して位相差フィルムを得た。得られた位相差フィルムのレターデーションは30℃で370nmであった。該位相差フィルムを用いて、実施例2と同様にしてSTN型液晶表示装置に搭載すると、80℃のとき室温と比較して表示特性が悪化する。
【0054】
実施例4
下記式(10)で示されるメソゲン基を側鎖に有する環状シロキサン系液晶オリゴマー(ネマティック相を示し、ネマティック/等方相転移温度113.6℃であり、ポリスチレン換算数平均分子量2200で重合度6に相当する。)と実施例3記載のポリカーボネートを重量比で15:85になるよう混合し、混合物を塩化メチレンに20wt%になるように溶解した。
【化10】
Figure 0003610403
得られた溶液を500μmギャップのアプリケーターからキャストしフィルムを得た。得られたフィルムを170℃で1.7倍に延伸したところ、30℃と80℃のレターデーションがそれぞれ405.1nm,363.9nmであり30℃に対する80℃のレターデーションが89.8%である、膜厚が63μmの光学異方体フィルムを得た。得られたフィルムのヘイズは2.3%であった。
得られた光学異方体フィルムをSTN型液晶表示装置に積層すると、80℃でも室温と変わらない良好な表示特性を示す。
【0055】
実施例5
下記式11で示されるメソゲン基を側鎖に有する直鎖状シロキサン系液晶オリゴマー(ネマティック相を示し、ネマティック/等方相転移温度66.6℃であり、ポリスチレン換算数平均分子量4650で重合度14に相当する。)と実施例3記載のポリカーボネートを重量比で7:93になるよう混合し、混合物を塩化メチレンに20wt%になるように溶解した。
【化11】
Figure 0003610403
得られた溶液を500μmギャップのアプリケーターからキャストしフィルムを得た。得られたフィルムを180℃で1.5倍に延伸したところ、30℃と80℃のレターデーションがそれぞれ556.6nm,316.6nmであり30℃に対する80℃のレターデーションが56.8%である、膜厚が106μmの光学異方体フィルムを得た。得られたフィルムのヘイズは2.6%であった。
得られた光学異方体フィルムをSTN型液晶表示装置に積層すると、80℃でも室温と変わらない良好な表示特性を示す。
【0056】
実施例6
実施例5と同じ直鎖状シロキサン系液晶オリゴマーを実施例3記載のポリカーボネートと重量比で10:90になるよう混合した以外は実施例5と同様にフィルムをキャストした。
得られたフィルムを180℃で1.5倍に延伸したところ30℃、60℃、80℃のレターデーションがそれぞれ469.4nm、361.6nm、151.9nmであり、30℃に対する60℃と80℃のレターデーションはそれぞれ77.0%と32.3%である光学異方体フィルムを得た。得られたフィルムのヘイズは3.8%であった。
得られた光学異方体フィルムを100℃に加熱したところ146.4nmのレターデーションを示し30℃における光学異方体フィルムのレターデーションに対するポリカーボネートマトリックスの寄与は31.1%であった。
得られた光学異方体フィルムをSTN型液晶表示装置に積層すると、80℃でも室温と変わらない良好な表示特性を示す。
【0057】
実施例7
上記式(11)で示されるメソゲン基を側鎖に有する直鎖状シロキサン系液晶オリゴマー(ネマティック相を示し、ネマティック/等方相転移温度76.2℃であり、ポリスチレン換算数平均分子量6568で重合度17に相当する。)と実施例3記載のポリカーボネートを重量比で3:97になるよう混合し、混合物を塩化メチレンに20wt%になるように溶解した。
得られた溶液を500μmギャップのアプリケーターからキャストしフィルムを得た。得られたフィルムを190℃で1.7倍に延伸したところ、30℃と80℃のレターデーションがそれぞれ405.4nm,336.9nmであり30℃に対する80℃のレターデーションが83.1%で、膜厚が90μmの光学異方体フィルムを得た。得られたフィルムのヘイズは3.8%であった。
得られた光学異方体フィルムをSTN型液晶表示装置に積層すると、80℃でも室温と変わらない良好な表示特性を示す。
【0058】
比較例4
上記式(11)で示されるメソゲン基を側鎖に有する直鎖状シロキサン系液晶オリゴマー(ネマティック相を示し、ネマティック/等方相転移温度84.2℃であり、ポリスチレン換算数平均分子量8327で重合度26に相当する。)と実施例3記載のポリカーボネートを重量比で3:97になるよう混合し、混合物を塩化メチレンに20wt%になるように溶解した。
得られた溶液を500μmギャップのアプリケーターからキャストしフィルムを得た。得られたフィルムを180℃で1.5倍に延伸したところ、30℃と80℃のレターデーションがそれぞれ547.8nm,553.3nmであり80℃に加熱してもレターデーションは変化しなかった。さらに得られたフィルムのヘイズは26.8%であった。
【0059】
【発明の効果】
本発明の光学異方体フィルムは、組合わせて使用する液晶表示セルのレターデーションの温度変化率に応じた温度変化率を有する。該光学異方体フィルムを液晶表示装置、特にSTN型液晶表示装置またはECB型液晶表示装置に用いることにより高温での表示特性の優れた液晶表示装置を得ることができる。

Claims (7)

  1. 透明または半透明の高分子に液晶化合物が混合されており該液晶化合物は、下記一般式(3)
    Figure 0003610403
    〔式中、Aは下式(4)または(5)
    Figure 0003610403
    で表される基であり;
    式(4)において−Si−O−は一般式(3)の主鎖であり、環状であっても直鎖状であってもよく;
    式(5)において−C−CH 2 −は一般式(3)の主鎖であり、COO基はSp 3 に結合し;
    一般式(3)においてAが式(4)のとき、R 2 は炭素数1〜6のアルキル基またはフェニレン基であり;
    一般式(3)においてAが式(5)のとき、R 2 は炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基であり;
    一般式(3)においてAr 4 、Ar 5 およびAr 6 は、それぞれ独立に1,4−フェニレン基、1,4−シクロへキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、またはピリミジン−2,5−ジイル基であり;
    Sp 3 は炭素数2〜8のアルキル基またはアルコキシ基であり;
    Sp 4 およびSp 5 はそれぞれ独立に−COO−、−OCO−、−NCH−、−CHN−、−CH 2 −CH 2 −、−CH 2 −O−、−O−CH 2 −、−N=N−、単結合、または下式(2)
    Figure 0003610403
    で示される基であり;
    2 は0または1の整数であり;
    2 はシアノ基、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基、アクリレート基またはメタクリレート基である。〕
    で示される側鎖型液晶オリゴマーを含有し、液晶化合物と高分子の重量和に対する該液晶化合物の割合が0.5〜50重量%であるフィルムが延伸されてなり、80℃におけるレターデーションが30℃におけるレターデーションの20〜97%であることを特徴とする光学異方体フィルム。
  2. 透明または半透明の高分子に液晶化合物が混合されており該液晶化合物は、下記一般式(3)
    Figure 0003610403
    〔式中、Aは下式(4)または(5)
    Figure 0003610403
    で表される基であり;
    式(4)において−Si−O−は一般式(3)の主鎖であり、環状であっても直鎖状であってもよく;
    式(5)において−C−CH 2 −は一般式(3)の主鎖であり、COO基はSp 3 に結合し;
    一般式(3)においてAが式(4)のとき、R 2 は炭素数1〜6のアルキル基またはフェニレン基であり;
    一般式(3)においてAが式(5)のとき、R 2 は炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基であり;
    一般式(3)においてAr 4 、Ar 5 およびAr 6 は、それぞれ独立に1,4−フェニレン基、1,4−シクロへキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、またはピリミジン−2,5−ジイル基であり;
    Sp 3 は炭素数2〜8のアルキル基またはアルコキシ基であり;
    Sp 4 およびSp 5 はそれぞれ独立に−COO−、−OCO−、−NCH−、−CHN−、−CH 2 −CH 2 −、−CH 2 −O−、−O−CH 2 −、−N=N−、単結合、または下式(2)
    Figure 0003610403
    で示される基であり;
    2 は0または1の整数であり;
    2 はシアノ基、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基、アクリレート基またはメタクリレート基である。〕
    で示される側鎖型液晶オリゴマーを含有し、液晶化合物と高分子の重量和に対する該液晶化合物の割合が0.5〜50重量%であるフィルムが延伸されてなり、60℃におけるレターデーションが30℃におけるレターデーションの50〜99%であることを特徴とする光学異方体フィルム。
  3. 高分子のガラス転移点が80℃以上であることを特徴とする請求項1または2記載の光学異方体フィルム。
  4. 液晶化合物の等方相転移温度より20℃高い温度で測定した光学異方体フィルムのレターデーションが、該光学異方体フィルムの30℃におけるレターデーションの80%以下であることを特徴とする請求項1、2または3記載の光学異方体フィルム。
  5. 固有複屈折が正の高分子と負の高分子の混合物からなり、これらが相溶している高分子を用いることを特徴とする請求項4記載の光学異方体フィルム。
  6. 光学異方体フィルムのヘイズが10%以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の光学異方体フィルム。
  7. 高分子と、下記一般式(3)
    Figure 0003610403
    〔式中、Aは下式(4)または(5)
    Figure 0003610403
    で表される基であり;
    式(4)において−Si−O−は一般式(3)の主鎖であり、環状であっても直鎖状であってもよく;
    式(5)において−C−CH 2 −は一般式(3)の主鎖であり、COO基はSp 3 に結合し;
    一般式(3)においてAが式(4)のとき、R 2 は炭素数1〜6のアルキル基またはフェニレン基であり;
    一般式(3)においてAが式(5)のとき、R 2 は炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基であり;
    一般式(3)においてAr 4 、Ar 5 およびAr 6 は、それぞれ独立に1,4−フェニレン基、1,4−シクロへキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、またはピリミジン−2,5−ジイル基であり;
    Sp 3 は炭素数2〜8のアルキル基またはアルコキシ基であり;
    Sp 4 およびSp 5 はそれぞれ独立に−COO−、−OCO−、−NCH−、−CHN−、−CH 2 −CH 2 −、−CH 2 −O−、−O−CH 2 −、−N=N−、単結合、または下式(2)
    Figure 0003610403
    で示される基であり;
    2 は0または1の整数であり;
    2 はシアノ基、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基、アクリレート基またはメタクリレート基である。〕
    で示される側鎖型液晶オリゴマーを含有する液晶化合物を混合してフィルムに成形したのち、加熱しながらフィルムを一軸延伸することを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の光学異方体フィルムの製造方法。
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