JPH05241019A - 複合位相差フィルム - Google Patents
複合位相差フィルムInfo
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- JPH05241019A JPH05241019A JP4115492A JP4115492A JPH05241019A JP H05241019 A JPH05241019 A JP H05241019A JP 4115492 A JP4115492 A JP 4115492A JP 4115492 A JP4115492 A JP 4115492A JP H05241019 A JPH05241019 A JP H05241019A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ＳＴＮ型液晶表示装置等に適用される視野角
特性に優れた位相差フィルムを提供する。 【構成】 フィルム面内に光軸を有する一軸配向した正
の屈折率異方性を有する熱可塑性高分子からなる位相差
フィルムと、固体相・液晶相の転移温度が５０℃以上で
ありかつホメオトロピック配向に固定された液晶高分子
からなる位相差フィルムとが、積層してなる複合位相差
フィルム、あるいは該液晶高分子からなる位相差フィル
ムを偏光フィルム上に積層してなるフィルムと、前記熱
可塑性高分子からなる位相差フィルムとが、粘着剤を介
して積層してなる複合位相差フィルム。
特性に優れた位相差フィルムを提供する。 【構成】 フィルム面内に光軸を有する一軸配向した正
の屈折率異方性を有する熱可塑性高分子からなる位相差
フィルムと、固体相・液晶相の転移温度が５０℃以上で
ありかつホメオトロピック配向に固定された液晶高分子
からなる位相差フィルムとが、積層してなる複合位相差
フィルム、あるいは該液晶高分子からなる位相差フィル
ムを偏光フィルム上に積層してなるフィルムと、前記熱
可塑性高分子からなる位相差フィルムとが、粘着剤を介
して積層してなる複合位相差フィルム。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示装置などに用い
られる位相差フィルムに関するものである。
られる位相差フィルムに関するものである。
【０００２】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】位相
差フィルムは光学的均質性と耐久性を備え、一軸配向性
を有する高分子フィルムであって、液晶表示装置の表示
品質を向上させるための光学補償板として一般に用いら
れている。位相差フィルムを用いたＳＴＮ型液晶表示装
置は、軽い、薄い、安価である等の長所を持つ反面、視
野角特性が悪い、白黒のレベルが劣っているなどの短所
を有していた。これらの短所は位相差フィルムを２枚積
層するなどの方法によりかなり改良されてきたが、視野
角特性についてはいまだ満足できるレベルに達していな
い。
差フィルムは光学的均質性と耐久性を備え、一軸配向性
を有する高分子フィルムであって、液晶表示装置の表示
品質を向上させるための光学補償板として一般に用いら
れている。位相差フィルムを用いたＳＴＮ型液晶表示装
置は、軽い、薄い、安価である等の長所を持つ反面、視
野角特性が悪い、白黒のレベルが劣っているなどの短所
を有していた。これらの短所は位相差フィルムを２枚積
層するなどの方法によりかなり改良されてきたが、視野
角特性についてはいまだ満足できるレベルに達していな
い。
【０００３】液晶表示装置の視野角特性は表示用液晶セ
ルの複屈折性の角度依存性のみならず、位相差フィルム
の複屈折性すなわちレターデーションの角度依存性に大
きく依存しており、位相差フィルムにおいては、レター
デーションの角度変化が小さいほど好ましいことが知ら
れている。特開平２−７３３２７および特開平２−１０
５１１１には、正の屈折率異方性を有した一軸配向性の
複屈折体（表示用ネマチック液晶セル）のレターデーシ
ョンの角度変化の低減方法の概念について記載されてお
り、一軸配向性の複屈折体に適当な液晶層厚み持つホメ
オトロピック配向した補償用液晶セルを積層することに
よりレターデーションの角度変化が低減できることが示
されている。また、特開平２−２５６０２３には上記の
概念と同様に、正の屈折率異方性を有する一軸延伸フィ
ルムと、液晶モノマーを法線方向に配向を維持しつつ光
重合などの方法により配向を固定した位相差フィルムと
を組み合わせることにより、レターデーションの角度変
化が低減でき、視野角特性が改良された位相差フィルム
が得られることが示されている。しかしながら、これら
の方法は、補償用液晶セルを用いるかまたは液晶の配向
操作と同時に固定化の操作が必要であり、操作性、生産
性などの点で課題が残る。
ルの複屈折性の角度依存性のみならず、位相差フィルム
の複屈折性すなわちレターデーションの角度依存性に大
きく依存しており、位相差フィルムにおいては、レター
デーションの角度変化が小さいほど好ましいことが知ら
れている。特開平２−７３３２７および特開平２−１０
５１１１には、正の屈折率異方性を有した一軸配向性の
複屈折体（表示用ネマチック液晶セル）のレターデーシ
ョンの角度変化の低減方法の概念について記載されてお
り、一軸配向性の複屈折体に適当な液晶層厚み持つホメ
オトロピック配向した補償用液晶セルを積層することに
よりレターデーションの角度変化が低減できることが示
されている。また、特開平２−２５６０２３には上記の
概念と同様に、正の屈折率異方性を有する一軸延伸フィ
ルムと、液晶モノマーを法線方向に配向を維持しつつ光
重合などの方法により配向を固定した位相差フィルムと
を組み合わせることにより、レターデーションの角度変
化が低減でき、視野角特性が改良された位相差フィルム
が得られることが示されている。しかしながら、これら
の方法は、補償用液晶セルを用いるかまたは液晶の配向
操作と同時に固定化の操作が必要であり、操作性、生産
性などの点で課題が残る。
【０００４】本発明者らは上記の問題を解決するために
鋭意検討した結果、補償用液晶セルを必要とせずに配向
を維持でき、しかもホメオトロピック配向すなわちフィ
ルム法線方向配向とした後の配向緩和を小さく抑えるこ
とが可能であるホメオトロピック配向に固定された液晶
高分子を用い、これとフィルム面内に光軸を有する一軸
配向した正の屈折率異方性を有する熱可塑性高分子から
なる位相差フィルムとを組み合わせた複合位相差フィル
ムが上記の課題を解決し、しかも優れた視野角特性を有
する位相差フィルムであることを見出して本発明を完成
するに至った。
鋭意検討した結果、補償用液晶セルを必要とせずに配向
を維持でき、しかもホメオトロピック配向すなわちフィ
ルム法線方向配向とした後の配向緩和を小さく抑えるこ
とが可能であるホメオトロピック配向に固定された液晶
高分子を用い、これとフィルム面内に光軸を有する一軸
配向した正の屈折率異方性を有する熱可塑性高分子から
なる位相差フィルムとを組み合わせた複合位相差フィル
ムが上記の課題を解決し、しかも優れた視野角特性を有
する位相差フィルムであることを見出して本発明を完成
するに至った。
【０００５】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、フィル
ム面内に光軸を有する一軸配向した正の屈折率異方性を
有する熱可塑性高分子からなる位相差フィルムと、固体
相・液晶相の転移温度が５０℃以上でありかつホメオト
ロピック配向に固定された液晶高分子からなる位相差フ
ィルムとが、積層してなる複合位相差フィルムに関する
もの、および固体相・液晶相の転移温度が５０℃以上で
ありかつホメオトロピック配向に固定された液晶高分子
からなる位相差フィルムを偏光フィルム上に積層してな
る位相差フィルムと、フィルム面内に光軸を有する一軸
配向した正の屈折率異方性を有する熱可塑性高分子から
なる位相差フィルムとが、粘着剤を介して積層してなる
複合位相差フィルムに関するものである。
ム面内に光軸を有する一軸配向した正の屈折率異方性を
有する熱可塑性高分子からなる位相差フィルムと、固体
相・液晶相の転移温度が５０℃以上でありかつホメオト
ロピック配向に固定された液晶高分子からなる位相差フ
ィルムとが、積層してなる複合位相差フィルムに関する
もの、および固体相・液晶相の転移温度が５０℃以上で
ありかつホメオトロピック配向に固定された液晶高分子
からなる位相差フィルムを偏光フィルム上に積層してな
る位相差フィルムと、フィルム面内に光軸を有する一軸
配向した正の屈折率異方性を有する熱可塑性高分子から
なる位相差フィルムとが、粘着剤を介して積層してなる
複合位相差フィルムに関するものである。
【０００６】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いる液晶高分子としては、液晶状態でネマチック相ま
たはスメクチック相をとる液晶高分子であれば主鎖型液
晶高分子または側鎖型液晶高分子いずれを用いてもよい
が、液晶高分子の固体相・液晶相の転移温度は５０℃以
上であることが必要である。該転移温度が５０℃未満の
ものは実使用において視野角特性の劣化が進む。好まし
くは７０℃以上である。
用いる液晶高分子としては、液晶状態でネマチック相ま
たはスメクチック相をとる液晶高分子であれば主鎖型液
晶高分子または側鎖型液晶高分子いずれを用いてもよい
が、液晶高分子の固体相・液晶相の転移温度は５０℃以
上であることが必要である。該転移温度が５０℃未満の
ものは実使用において視野角特性の劣化が進む。好まし
くは７０℃以上である。
【０００７】主鎖型液晶高分子の例としては、低分子液
晶と同様の構造を有するメソゲン基がエステル結合によ
り連なった全芳香族ポリエステル系液晶高分子、メソゲ
ン基とポリメチレン、ポリオキシエチレン、ポリシロキ
サンなどの屈曲鎖がエステル結合により交互に結合し屈
曲性が付与された主鎖からなる半剛直性ポリエステル系
液晶高分子などが挙げられるが、主鎖型液晶高分子は、
固体相・液晶相の転移温度が高くなる傾向があり、液晶
高分子を積層するフィルムなどの耐熱温度を考慮すると
転移温度が高くとも１５０℃を越えないように好ましく
は１２０℃を越えないように、屈曲鎖を増やす、分子量
を低く抑えるなどの操作を行うことが必要となる。ま
た、側鎖型液晶高分子の例としては、骨格鎖のメタクリ
ル酸、アクリル酸、ポリシロキサンなどに、側鎖として
屈曲鎖からなるスペーサーを介して低分子液晶と同様の
構造を持つメソゲン基が結合したものが挙げられるが、
側鎖型液晶高分子特に骨格鎖がポリシロキサン系の側鎖
型液晶高分子は、固体相・液晶相の転移温度が低くなる
傾向があるため、転移温度が５０℃以上となるようにス
ペーサーの長さやメソゲン基の種類を考慮することが必
要となる。また、転移温度を上げるために液晶高分子に
架橋剤を混合しておき配向の固定化の後で架橋反応を行
うなどの後処理を行ってもよい。
晶と同様の構造を有するメソゲン基がエステル結合によ
り連なった全芳香族ポリエステル系液晶高分子、メソゲ
ン基とポリメチレン、ポリオキシエチレン、ポリシロキ
サンなどの屈曲鎖がエステル結合により交互に結合し屈
曲性が付与された主鎖からなる半剛直性ポリエステル系
液晶高分子などが挙げられるが、主鎖型液晶高分子は、
固体相・液晶相の転移温度が高くなる傾向があり、液晶
高分子を積層するフィルムなどの耐熱温度を考慮すると
転移温度が高くとも１５０℃を越えないように好ましく
は１２０℃を越えないように、屈曲鎖を増やす、分子量
を低く抑えるなどの操作を行うことが必要となる。ま
た、側鎖型液晶高分子の例としては、骨格鎖のメタクリ
ル酸、アクリル酸、ポリシロキサンなどに、側鎖として
屈曲鎖からなるスペーサーを介して低分子液晶と同様の
構造を持つメソゲン基が結合したものが挙げられるが、
側鎖型液晶高分子特に骨格鎖がポリシロキサン系の側鎖
型液晶高分子は、固体相・液晶相の転移温度が低くなる
傾向があるため、転移温度が５０℃以上となるようにス
ペーサーの長さやメソゲン基の種類を考慮することが必
要となる。また、転移温度を上げるために液晶高分子に
架橋剤を混合しておき配向の固定化の後で架橋反応を行
うなどの後処理を行ってもよい。
【０００８】該液晶高分子は液晶相をとる温度領域にお
いては容易に一方向に配向することができるため、配向
方法はホメオトロピック配向をとることができれば特に
制限はないが、通常は、液晶高分子がネマチック相また
はスメクチック相をとる温度領域まで加熱した状態で電
場または磁場を印加することにより、ホメオトロピック
配向を得ることができる。特に液晶高分子の誘電率異方
性を利用して、液晶高分子フィルムの法線方向に電場を
かけて配向させる電場配向が有効である。また、配向温
度はネマチック相またはスメクチック相をとる温度領域
であれば特に制限はないが、配向速度を上げるために、
積層するフィルム面内に光軸を有する一軸配向した正の
屈折率異方性を有する熱可塑性高分子からなる位相差フ
ィルムのガラス転移温度以下で、且つネマチック相また
はスメクチック相の温度領域の上限に近い温度が好まし
い。ネマチック相およびスメクチック相のいずれの相を
も有する液晶高分子においては、積層する該熱可塑性高
分子からなる位相差フィルムのガラス転移温度以下で、
且つネマチック相をとる温度領域とスメクチック相をと
る温度領域のうち高い方の温度領域の上限に近い温度で
配向させればよい。
いては容易に一方向に配向することができるため、配向
方法はホメオトロピック配向をとることができれば特に
制限はないが、通常は、液晶高分子がネマチック相また
はスメクチック相をとる温度領域まで加熱した状態で電
場または磁場を印加することにより、ホメオトロピック
配向を得ることができる。特に液晶高分子の誘電率異方
性を利用して、液晶高分子フィルムの法線方向に電場を
かけて配向させる電場配向が有効である。また、配向温
度はネマチック相またはスメクチック相をとる温度領域
であれば特に制限はないが、配向速度を上げるために、
積層するフィルム面内に光軸を有する一軸配向した正の
屈折率異方性を有する熱可塑性高分子からなる位相差フ
ィルムのガラス転移温度以下で、且つネマチック相また
はスメクチック相の温度領域の上限に近い温度が好まし
い。ネマチック相およびスメクチック相のいずれの相を
も有する液晶高分子においては、積層する該熱可塑性高
分子からなる位相差フィルムのガラス転移温度以下で、
且つネマチック相をとる温度領域とスメクチック相をと
る温度領域のうち高い方の温度領域の上限に近い温度で
配向させればよい。
【０００９】該液晶高分子の配向の固定化は冷却により
行われる。固定化のための冷却は、電場または磁場を印
加した状態のまま固体相・液晶相転移温度以下に急冷す
ることにより達成されるが、転移温度付近では液晶高分
子の配向の緩和速度が遅いため必ずしも転移温度以下ま
で電場または磁場を印加し続けることは必要はなく、急
冷と同時に印加を止めてもよい。
行われる。固定化のための冷却は、電場または磁場を印
加した状態のまま固体相・液晶相転移温度以下に急冷す
ることにより達成されるが、転移温度付近では液晶高分
子の配向の緩和速度が遅いため必ずしも転移温度以下ま
で電場または磁場を印加し続けることは必要はなく、急
冷と同時に印加を止めてもよい。
【００１０】液晶高分子を、フィルム面内に光軸を有す
る一軸配向した正の屈折率異方性を有する熱可塑性高分
子からなる位相差フィルム上または偏光フィルム上へ積
層する方法としては、例えば、液晶相・等方相の転移温
度より高温の等方相で粘度が低い状態でフィルム上に積
層する方法、液晶相の温度領域で剪断応力をかけながら
積層すると同時に電場または磁場を印加する方法、液晶
高分子を溶解可能でかつ積層する基材を溶解もしくは膨
潤しない溶剤に溶解した液を塗布、乾燥する方法等を挙
げることができる。
る一軸配向した正の屈折率異方性を有する熱可塑性高分
子からなる位相差フィルム上または偏光フィルム上へ積
層する方法としては、例えば、液晶相・等方相の転移温
度より高温の等方相で粘度が低い状態でフィルム上に積
層する方法、液晶相の温度領域で剪断応力をかけながら
積層すると同時に電場または磁場を印加する方法、液晶
高分子を溶解可能でかつ積層する基材を溶解もしくは膨
潤しない溶剤に溶解した液を塗布、乾燥する方法等を挙
げることができる。
【００１１】本発明に用いる正の屈折率異方性を有する
熱可塑性高分子としては、例えば、ポリカーボネート、
ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホ
ン、２酢酸セルロース、ポリビニルアルコール、ポリエ
チレンテレフタレートなどがあげられ、正の屈折率異方
性を有するものであれば特に限定されないが、液晶高分
子の配向操作を行う温度領域でレターデーションの変化
が起こらないガラス転移温度が１００℃以上のエンジニ
アリング高分子が好ましい。また、これらの熱可塑性樹
脂からなる原反フィルムの製造方法としては、例えば、
溶剤キャスト法、押出成形法、プレス成形法などの成形
方法を用いればよく、該原反フィルムを、フィルム面内
に光軸を有する一軸配向した位相差フィルムとする方法
としては、例えば、テンター延伸法、ロール間延伸法、
ロール間圧縮延伸法などを用いればよいが、均質な位相
差フィルムを得るには、溶剤キャスト法により製膜した
原反フィルムをテンター延伸法により延伸することが好
ましい。
熱可塑性高分子としては、例えば、ポリカーボネート、
ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホ
ン、２酢酸セルロース、ポリビニルアルコール、ポリエ
チレンテレフタレートなどがあげられ、正の屈折率異方
性を有するものであれば特に限定されないが、液晶高分
子の配向操作を行う温度領域でレターデーションの変化
が起こらないガラス転移温度が１００℃以上のエンジニ
アリング高分子が好ましい。また、これらの熱可塑性樹
脂からなる原反フィルムの製造方法としては、例えば、
溶剤キャスト法、押出成形法、プレス成形法などの成形
方法を用いればよく、該原反フィルムを、フィルム面内
に光軸を有する一軸配向した位相差フィルムとする方法
としては、例えば、テンター延伸法、ロール間延伸法、
ロール間圧縮延伸法などを用いればよいが、均質な位相
差フィルムを得るには、溶剤キャスト法により製膜した
原反フィルムをテンター延伸法により延伸することが好
ましい。
【００１２】本発明に用いる液晶高分子と積層する偏光
フィルムとしては、液晶高分子の配向操作を行う温度領
域で偏光性能が低下しないものであればよいが、耐熱性
に優れる染料系偏光フィルムが好ましい。
フィルムとしては、液晶高分子の配向操作を行う温度領
域で偏光性能が低下しないものであればよいが、耐熱性
に優れる染料系偏光フィルムが好ましい。
【００１３】位相差フィルムの視野角特性を評価するに
は、セナルモンコンペンセーターを装備した偏光顕微鏡
において、正の屈折率異方性を有する位相差フィルムの
場合には遅相軸を、回転軸として傾斜させた状態で測定
したレターデーション（Ｒ）と水平な状態で測定したレ
ターデーション（Ｒ0 ）の比（Ｒ／Ｒ0 ）が１．１０と
なるときの傾斜角（θ1.10）を用い、この値をそのフィ
ルムの視野角と称する。レターデーションの角度変化が
小さいほどこの傾斜角（θ1.10）が大きく、すなわち視
野角特性が良いということになる。
は、セナルモンコンペンセーターを装備した偏光顕微鏡
において、正の屈折率異方性を有する位相差フィルムの
場合には遅相軸を、回転軸として傾斜させた状態で測定
したレターデーション（Ｒ）と水平な状態で測定したレ
ターデーション（Ｒ0 ）の比（Ｒ／Ｒ0 ）が１．１０と
なるときの傾斜角（θ1.10）を用い、この値をそのフィ
ルムの視野角と称する。レターデーションの角度変化が
小さいほどこの傾斜角（θ1.10）が大きく、すなわち視
野角特性が良いということになる。
【００１４】本発明の複合位相差フィルムの構造として
は、例えば図１および図２に示す如く、液晶高分子から
なる位相差フィルム１とフィルム面内に光軸を有する一
軸配向した正の屈折率異方性を有する熱可塑性高分子か
らなる位相差フィルム２とが積層してなるものがあり、
積層した状態で視野角θ1.10が４２°以上の広視野角の
複合位相差フィルムとして用いることができ、ＳＴＮ型
液晶表示装置の視野角特性の改良が行える。また、例え
ば図３に示す如く、ホメオトロピック配向が固定された
液晶高分子１と偏光フィルム４とが積層してなるフィル
ムと、フィルム面内に光軸を有する一軸配向した正の屈
折率異方性を有する熱可塑性高分子からなる位相差フィ
ルム２とが粘着剤を介して積層してなるものとして用い
ることもできる。この複合位相差フィルムをフィルム面
内に光軸を有する一軸配向した正の屈折率異方性を有す
る位相差フィルムと積層することで、面内に光軸を有す
る一軸配向した正の屈折率異方性を有する位相差フィル
ムのレターデーションの角度変化を小さくすることがで
き、積層状態で視野角θ1.10を４２°以上とすることが
できる。
は、例えば図１および図２に示す如く、液晶高分子から
なる位相差フィルム１とフィルム面内に光軸を有する一
軸配向した正の屈折率異方性を有する熱可塑性高分子か
らなる位相差フィルム２とが積層してなるものがあり、
積層した状態で視野角θ1.10が４２°以上の広視野角の
複合位相差フィルムとして用いることができ、ＳＴＮ型
液晶表示装置の視野角特性の改良が行える。また、例え
ば図３に示す如く、ホメオトロピック配向が固定された
液晶高分子１と偏光フィルム４とが積層してなるフィル
ムと、フィルム面内に光軸を有する一軸配向した正の屈
折率異方性を有する熱可塑性高分子からなる位相差フィ
ルム２とが粘着剤を介して積層してなるものとして用い
ることもできる。この複合位相差フィルムをフィルム面
内に光軸を有する一軸配向した正の屈折率異方性を有す
る位相差フィルムと積層することで、面内に光軸を有す
る一軸配向した正の屈折率異方性を有する位相差フィル
ムのレターデーションの角度変化を小さくすることがで
き、積層状態で視野角θ1.10を４２°以上とすることが
できる。
【００１５】
【発明の効果】本発明の複合位相差フィルムは、視野角
特性に優れた位相差フィルムである。また、該複合位相
差フィルムをＳＴＮ型液晶表示装置に適用することによ
り、液晶表示装置の表示特性、特に視野角特性を著しく
向上させることができる。
特性に優れた位相差フィルムである。また、該複合位相
差フィルムをＳＴＮ型液晶表示装置に適用することによ
り、液晶表示装置の表示特性、特に視野角特性を著しく
向上させることができる。
【００１６】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明は実施例に限定されるものではない。 実施例１ 溶剤キャスト法により製膜した厚さ１８５μｍのポリカ
ーボネートフィルムを、縦一軸延伸法により１８４℃で
２．１倍に延伸して、厚さ９８μｍ、Ｒ0 ＝８６７ｎ
ｍ、視野角θ1.10＝３８°である位相差フィルムを得
る。この位相差フィルム上に、式（Ｉ）に示す固体相・
ネマチック相の転移温度が９８℃、ネマチック相・等方
相の転移温度が１２０℃である側鎖型液晶高分子を１４
０℃の等方相状態で５μｍの厚みに積層した後に、１１
０℃で２０ｋＶの直流電場を印加してホメオトロピック
配向させ、電場を印加したまま２５℃まで急冷する。こ
の複合位相差フィルムは、Ｒ0 ＝８６７ｎｍであるが、
視野角θ1.10は４２°以上の広視野角特性を示すように
なる。
するが、本発明は実施例に限定されるものではない。 実施例１ 溶剤キャスト法により製膜した厚さ１８５μｍのポリカ
ーボネートフィルムを、縦一軸延伸法により１８４℃で
２．１倍に延伸して、厚さ９８μｍ、Ｒ0 ＝８６７ｎ
ｍ、視野角θ1.10＝３８°である位相差フィルムを得
る。この位相差フィルム上に、式（Ｉ）に示す固体相・
ネマチック相の転移温度が９８℃、ネマチック相・等方
相の転移温度が１２０℃である側鎖型液晶高分子を１４
０℃の等方相状態で５μｍの厚みに積層した後に、１１
０℃で２０ｋＶの直流電場を印加してホメオトロピック
配向させ、電場を印加したまま２５℃まで急冷する。こ
の複合位相差フィルムは、Ｒ0 ＝８６７ｎｍであるが、
視野角θ1.10は４２°以上の広視野角特性を示すように
なる。
【図１】フィルム面内に光軸を有する一軸配向した正の
屈折率異方性を有する熱可塑性高分子からなる位相差フ
ィルムと、固体相・液晶相の転移温度が５０℃以上であ
りかつホメオトロピック配向に固定された液晶高分子か
らなる位相差フィルムとが、積層してなる複合位相差フ
ィルムの断面図である。
屈折率異方性を有する熱可塑性高分子からなる位相差フ
ィルムと、固体相・液晶相の転移温度が５０℃以上であ
りかつホメオトロピック配向に固定された液晶高分子か
らなる位相差フィルムとが、積層してなる複合位相差フ
ィルムの断面図である。
【図２】フィルム面内に光軸を有する一軸配向した正の
屈折率異方性を有する熱可塑性高分子からなる位相差フ
ィルムと、固体相・液晶相の転移温度が５０℃以上であ
りかつホメオトロピック配向に固定された液晶高分子か
らなる位相差フィルムとが、積層してなる複合位相差フ
ィルムの断面図である。
屈折率異方性を有する熱可塑性高分子からなる位相差フ
ィルムと、固体相・液晶相の転移温度が５０℃以上であ
りかつホメオトロピック配向に固定された液晶高分子か
らなる位相差フィルムとが、積層してなる複合位相差フ
ィルムの断面図である。
【図３】固体相・液晶相の転移温度が５０℃以上であり
かつホメオトロピック配向に固定された液晶高分子から
なる位相差フィルムを偏光フィルム上に積層してなるフ
ィルムと、フィルム面内に光軸を有する一軸配向した正
の屈折率異方性を有する熱可塑性高分子からなる位相差
フィルムとが、粘着剤を介して積層してなる複合位相差
フィルムの断面図である。
かつホメオトロピック配向に固定された液晶高分子から
なる位相差フィルムを偏光フィルム上に積層してなるフ
ィルムと、フィルム面内に光軸を有する一軸配向した正
の屈折率異方性を有する熱可塑性高分子からなる位相差
フィルムとが、粘着剤を介して積層してなる複合位相差
フィルムの断面図である。
１・・・液晶高分子層 ２・・・熱可塑性高分子層 ３・・・粘着剤 ４・・・偏光フィルム ５・・・偏光フィルムの保護膜 ６・・・偏光素子
Claims (2)
- 【請求項１】フィルム面内に光軸を有する一軸配向した
正の屈折率異方性を有する熱可塑性高分子からなる位相
差フィルムと、固体相・液晶相の転移温度が５０℃以上
でありかつホメオトロピック配向に固定された液晶高分
子からなる位相差フィルムとが、積層してなる複合位相
差フィルム。 - 【請求項２】固体相・液晶相の転移温度が５０℃以上で
ありかつホメオトロピック配向に固定された液晶高分子
からなる位相差フィルムを偏光フィルム上に積層してな
るフィルムと、フィルム面内に光軸を有する一軸配向し
た正の屈折率異方性を有する熱可塑性高分子からなる位
相差フィルムとが、粘着剤を介して積層してなる複合位
相差フィルム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4115492A JPH05241019A (ja) | 1992-02-27 | 1992-02-27 | 複合位相差フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4115492A JPH05241019A (ja) | 1992-02-27 | 1992-02-27 | 複合位相差フィルム |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05241019A true JPH05241019A (ja) | 1993-09-21 |
Family
ID=12600508
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4115492A Pending JPH05241019A (ja) | 1992-02-27 | 1992-02-27 | 複合位相差フィルム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05241019A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001203074A (ja) * | 2000-01-17 | 2001-07-27 | Nitto Denko Corp | 有機ｅｌ発光装置、偏光面光源装置及び液晶表示装置 |
| JP2004226838A (ja) * | 2003-01-24 | 2004-08-12 | Nitto Denko Corp | 光学フィルム、楕円偏光板および画像表示装置 |
| JP2005165239A (ja) * | 2003-11-28 | 2005-06-23 | Dainippon Printing Co Ltd | 光学素子及びその製造方法、並びに液晶配向用基板及び液晶表示装置 |
| US7755728B2 (en) | 2005-03-31 | 2010-07-13 | Fujifilm Corporation | Optically anisotropic film, brightness increasing film, laminated optical film, and image display device using the same |
| CN110573915A (zh) * | 2017-04-28 | 2019-12-13 | 日东电工株式会社 | 液晶取向膜及其制造方法 |
-
1992
- 1992-02-27 JP JP4115492A patent/JPH05241019A/ja active Pending
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