JPH11305037A - 光学異方体フィルムおよび液晶表示装置 - Google Patents

光学異方体フィルムおよび液晶表示装置

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JPH11305037A
JPH11305037A JP10114899A JP11489998A JPH11305037A JP H11305037 A JPH11305037 A JP H11305037A JP 10114899 A JP10114899 A JP 10114899A JP 11489998 A JP11489998 A JP 11489998A JP H11305037 A JPH11305037 A JP H11305037A
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anisotropic film
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レターデーションの波長分散の高い光学異方体
フィルムおよび該光学異方体フィルムを用いた良好な白
黒表示が得られ、視野角依存性の小さい液晶表示装置を
提供する。 【解決手段】高分子と色素を混合してなる光学異方体フ
ィルムであり、該色素が可視域に吸収ピークを持たず、
紫外域に吸収ピークを持っており、該色素が色素が下記
一般式(1)で示される化合物であり 【化1】 [式中、R1、R2は、水素原子、C1-5の直鎖・分岐ア
ルキル基を、m、nは0〜4を表す。]で示される化合
物であり、該光学異方体フィルムのレターデーション
(測定波長550nm)が50〜3000nmである光
学異方体フィルム、及びそれを用いる液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非線形光学素子や
液晶表示装置等に用いられる光学異方体フィルムおよび
該光学異方体フィルムを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】位相差フィルムは、透明な熱可塑性高分
子フィルムを一軸延伸することにより得られ、液晶表示
素子、特に超ねじれネマティック(以下、STNと記す
ことがある。)型液晶表示素子または電界制御複屈折
(以下、ECBと記すことがある。)型液晶表示素子
(以下、LCDと記すことがある。)の着色を補償して
表示品質を向上させるための光学補償板(以下、色補償
板と記すことがある。)として用いられている。該位相
差フィルムを用いた液晶表示素子は、軽い、薄い、安価
である等の長所を持っている。しかしながら、STN型
LCDは応答速度が小さい課題があり、改良検討が進め
られている。応答速度の改良には、複屈折Δnの大きい
液晶を用いてセルギャップを小さくすることが効果的で
ある。しかし、Δnの大きな液晶は、一般的にΔnの波
長依存性が大きいので、液晶セルと併用する位相差フィ
ルムにもΔnの波長依存性が大きい、すなわち、レター
デーションの波長依存性が大きい位相差フィルムを用い
ることが効果的であることが知られている。応答速度の
大きい、すなわち、液晶のΔnが大きい液晶セルと、従
来の位相差フィルムを使用した場合、コントラストの高
い液晶表示装置が得られないことから、高速応答のST
N型液晶表示装置に用いられている液晶材料の複屈折の
波長分散特性に一致する波長分散特性を有する位相差フ
ィルムが求められている。
【0003】位相差フィルムの波長分散性を改良する方
法として、特開平5−107413号公報には、波長分
散性の高いポリサルホン(以下、PSfと記すことがあ
る。)を用いた位相差フィルムが開示されている。同様
に、特開平6−174923号公報には、波長分散性の
高いポリアリレートを用いることが開示されている。し
かし、ポリサルホンやポリアリレートはガラス転移温度
が高いため加工が難しく、工業的な生産に問題があっ
た。また、液晶セルに用いる液晶材料により、レターデ
ーションの波長分散特性は異なるので、位相差フィルム
の波長分散性を制御することが必要になることもある。
特開平5−27119号公報および特開平6−1302
27号公報には、波長分散値の異なる光学異方体の組み
合わせによって波長分散性を制御することが示されてい
る。
【0004】次に、特表平4−500284号公報に
は、直鎖または環状の主鎖を有する側鎖型液晶ポリマー
を用いて、液晶セルに使われている液晶分子と同じ温度
依存性および波長依存性を有する位相差フィルムが例示
されている。配向膜上に液晶ポリマーを成膜すること
や、液晶ポリマー膜に電場や磁場などの外場を印加する
ことで、配向した液晶ポリマー膜が得られることが開示
されている。しかし、液晶ポリマーは、主鎖型、側鎖型
を問わず屈折率異方性が大きく、レターデーションが均
一な位相差フィルムを得るためには膜厚の厳しい制御が
要求されることから大面積のフィルムの生産が困難であ
った。また、特開平5−257013号公報には高分子
フィルムに液晶分子を分散し、高分子フィルムごと延伸
することにより、液晶セルに使われている液晶分子と同
じ屈折率異方性の波長分散を持った位相差フィルムにつ
いて記載されている。しかしながら、具体的に好ましい
波長分散性並びにどのような物性および構造の液晶をど
の程度分散させればよいかという記載はない。
【0005】また、特公平7−13683号公報の実施
例6には、ポリ塩化ビニルに液晶化合物をブレンドし
て、波長分散を高めた例が示されているが、ポリ塩化ビ
ニルのような軟化点の低い物質では、高温の環境で使用
した場合に変形および光学特性の低下が起こり使用に耐
えない。また、特開平7−13023号公報には、ポリ
カーボネートまたはポリアリレートに可塑剤を添加して
波長分散性を調整する方法が示されているが、紫外線を
吸収する色素の添加に関する記載はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、レタ
ーデーションの波長分散の高い光学異方体フィルムおよ
び該光学異方体フィルムを用いた良好な白黒表示が得ら
れ、視野角依存性の小さい液晶表示装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意検討した結果、高分子(以下マ
トリックス高分子と称することがある。)に特定の構造
を有する色素を混合することにより、レターデーション
の波長分散の大きな高分子を用いることなく、レターデ
ーションの波長依存性の大きい光学異方体フィルムが容
易に得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、[1]高分子と色素を混合し
てなる光学異方体フィルムであり、該色素が可視域に吸
収ピークを持たず、紫外域に吸収ピークを持っており、
該色素が色素が下記一般式(1)で示される化合物であ
【0008】
【化2】
【0009】[式中、R1、R2は、それぞれ独立に、水
素原子または炭素数1〜15の直鎖もしくは分岐してい
てもよいアルキル基を表し、m、nは、それぞれ独立
に、0〜4の整数を表す。]で示される化合物であり、
該光学異方体フィルムのレターデーション(測定波長5
50nm)が50〜3000nmであることを特徴とす
る光学異方体フィルム。
【0010】[2]色素の濃度として、[色素/(色素
と高分子の和)]が3〜20重量%である上記[1]記
載の光学異方体フィルム。 [3]光学異方体フィルムの下記数式(1)で定義され
るαの値が1.06を越えることを特徴とする上記
[1]または[2]に記載の光学異方体フィルム。
【数3】α=RF/RD・・・(1) [式中、RFは水素F線(波長486nm)に相当する
波長で測定したレタ−デ−ションの値であり、RDはナ
トリウムD線(波長589nm)に相当する波長で測定
したレタ−デ−ションの値である。]
【0011】[4]光学異方体フィルムのレターデーシ
ョン比(R40/R0)が下記数式(2)を満たすことを
特徴とする上記[1]乃至[3]に記載の光学異方体フ
ィルム。
【数4】 0.900<R40/R0<1.100・・・(2) [式中、R0は、偏光解析装置でセナルモン法(測定波
長550nm)を用いて測定したフィルム法線方向から
見たレターデーションであり、R40は、該フィルムの遅
相軸を回転軸として、該フィルムへの光の入射角を水平
から40゜傾斜して測定したときのレターデーションで
ある。]
【0012】[5]上記[1]乃至[4]のいずれかに
記載の光学異方体フィルムを用いることを特徴とする液
晶表示装置。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるマトリックス高分子について説明す
る。光学異方体フィルムのマトリックスに用いられる高
分子は、光学異方体フィルムを高温で使用した場合や、
液晶セルとの貼合工程の温度で光学的性質や形状の変化
が起こらない高分子が好ましく、ガラス転移温度がある
程度高い熱可塑性エンジニアリング高分子、または可塑
材が添加されている高分子では流動温度がある程度高い
高分子が好ましく用いられる。マトリックス高分子のガ
ラス転移温度または軟化温度は、液晶表示装置を使用す
る温度範囲内で光学特性の変化やフィルムの収縮などの
変形のないように下限が決定され、光学異方体フィルム
とする際に加熱しながら延伸する必要があるのでガラス
転移温度が高すぎると工業的に好ましくないことから上
限が決定される。
【0014】マトリックス高分子に求められるガラス転
移温度または軟化温度の範囲としては、80〜250℃
が好ましく、90〜230℃が更に好ましく、特に好ま
しくは100〜200℃である。
【0015】これらの条件を満たす高分子としては、ポ
リカーボネート、ポリアリレート、2酢酸セルロース、
3酢酸セルロース、エチレンビニルアルコール共重合体
などが例示され、好ましくはポリカーボネート、ポリア
リレート、3酢酸セルロースが例示される。
【0016】レタデーションを発現する方法としては、
色素と高分子を混合したフィルムを高分子のガラス転移
温度または軟化点以上で、かつ高分子の溶融温度以下の
温度で加熱しながら延伸する方法が挙げられる。該方法
に適した高分子としては、ポリカーボネート、2酢酸セ
ルロース、3酢酸セルロース、ポリスチレン、エチレン
ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレートなどが例示され、好まし
くはポリカーボネート、3酢酸セルロース、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリスチレンが例示される。
【0017】これらのマトリックス高分子に機械的強度
を付与する際やLCDセルに貼合する際の接着性を改良
するなどの目的のために添加物を用いてもよい。添加物
の種類や量については、本発明の目的を損なわない程度
の範囲であれば特に限定はない。
【0018】次に、本発明の高分子と混合する色素につ
いて説明する。一般に可視光線を強く選択吸収または反
射して固有の色を持つ物質を色素というが、本発明にお
いては、可視域に吸収ピークを持たず紫外線領域に吸収
を持つ化合物を色素という。また、本発明でいうピーク
とは、吸収ピークの最大吸収点をいう。本発明で用いら
れる色素は、可視域に吸収ピークを持たず紫外線領域に
吸収を持つことが必須である。該色素の吸収ピーク波長
は、300〜400nmの範囲にあることが好ましく、
更に好ましくは330〜385nmである。
【0019】さらに、これらの条件を満たす色素で、前
記一般式(1)に示す化合物において、R1、R2の具体
例としては、水素原子、直鎖または分岐していてもよ
い、−CH3、−C25、−C37、−C49、−C5
11、−C613、−C715、−C817、−C919、−
1021、−C1123、−C1225、−C1327、−C
1429、−C1531が挙げられる。好ましくは、炭素数
が4以上の化合物である。
【0020】上述した色素のマトリックス高分子への混
合比は、色素の割合が大きすぎると、光学異方体フィル
ムの機械的強度が下がりハンドリングしにくくなるため
上限がある。また、色素の割合が小さすぎると、光学異
方体フィルムの光学特性が発現しにくくなるため好まし
くない。
【0021】色素をマトリックス高分子に混合する場合
には、色素の濃度として、[色素/(色素と高分子の
和)]が3〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは
5〜15重量%である。
【0022】次に、本発明の光学異方体フィルム中の色
素の形態について説明する。本発明の光学異方体フィル
ムでは、色素は、マトリックス高分子から相分離しドメ
インを形成していてもよく、相溶していてもよい。色素
が高分子に吸着していてもよい。相分離するか、相溶す
るか、吸着するかは、用いる色素と用いる高分子との組
み合わせにより決定される。
【0023】本発明の光学異方体フィルムでは、色素が
マトリックス高分子から相分離している場合、色素のド
メインとマトリックス高分子の界面で可視光の散乱が発
生する可能性がある。本発明の光学異方体フィルムで
は、これらの界面の散乱に起因する内部散乱は小さい方
が好ましい。なぜならば散乱された光は一般に偏光状態
が変化するため内部散乱が大きい光学異方体フィルムの
場合、特性が悪化する可能性があり、また可視光の透過
率が悪くなるためである。内部散乱を小さくするため
に、色素または色素のドメインの長軸の長さは20〜5
00nmであることが好ましく、30〜400nmがさ
らに好ましい。
【0024】本発明の光学異方体フィルムで、色素を高
分子に相溶させたい場合や、色素を高分子に吸着させた
い場合は、公知の相溶化剤などを用いてもよい。
【0025】本発明の光学異方体フィルムの法線方向か
ら観測したレターデーション(測定波長550nm)
は、50〜3000nmであり、好ましくは100〜2
500nmである。
【0026】本発明の光学異方体フィルムのレターデー
ションの波長分散を示す指標として、フィルムの法線方
向よりセナルモン法を用いて水素のF線(波長486n
m)に相当する波長で測定したレターデーションRFと、
ナトリウムのD線(波長589nm)に相当する波長で
測定したレターデーションRDの比α=RF/RDを用い
る。
【0027】本発明では、波長分散を示す指数αが、好
ましくは1.061〜1.300であり、より好ましく
は1.080〜1.250である光学異方体フィルムが
好適に用いられる。
【0028】良好な視野角特性を示す光学異方体フィル
ムの特性を示す指標としては、550nmの光を用いて
フィルムの法線方向から測定したレターデーション(R
0)と該フィルムの遅相軸まわりに、フィルムへの光の
入射角を40°傾斜したときのレターデーション
(R40)の比R40/R0が挙げられる。本発明の光学異方
体フィルムにおいては、視野角依存性を小さくするため
に、該比が0.900より大きく1.100より小さい
ことが好ましい。さらに好ましくは、該比が1に近いこ
とである。しかし、該比は、組み合わせて使用する液晶
セルの視野角依存性により適宜選択することができる。
【0029】次に、本発明の光学異方体フィルムの製造
方法について説明する。本発明の光学異方体フィルムは
高分子と色素を混合し、フィルムに成形した後に該フィ
ルムを延伸することで得られる(以下、第1の製造方法
と言うことがある)。また、高分子でフィルムに形成し
た後に該フィルムを延伸し、色素を該延伸フィルムに吸
着することでも得られる(以下、第2の製造方法と言う
ことがある)。第1の製造方法の色素とマトリックス高
分子の混合方法としては、均一に混合させるため溶液状
態で混合することが好ましい。具体的には、高分子を溶
媒に懸濁または溶解して、これに色素を懸濁または溶解
して混合する方法が挙げられる。本発明で用いられる溶
媒は、高分子に対する溶解度が大きい方が好ましい。
【0030】色素とマトリックス高分子からなるフィル
ムの成膜法については、色素やマトリックス高分子を溶
剤に溶かし、キャストする溶剤キャスト法、固体状態で
混練しダイなどから押し出しフィルムにする押し出成型
法、固体状態で混練した後カレンダロールでフィルムに
するカレンダー法、プレスなどでフィルムにするプレス
成型法などが例示される。この中でも膜厚精度に優れた
溶剤キャスト法が好ましい。成膜後のフィルムの厚み
は、特に制限はないが、薄すぎると機械的強度に悪影響
を及ぼし、厚すぎると溶媒キャスト法で成膜したときの
溶媒の蒸発速度が遅くなり生産性が悪くなることから、
ある程度の膜厚範囲にあることが好ましい。成膜後のフ
ィルムの厚みとしては、20〜500μmが好ましく、
更に好ましくは50〜300μmである。
【0031】また、本発明の光学異方体フィルムの第2
の製造方法として、第1の製造方法と同様の方法でフィ
ルムの形成および延伸を行ったフィルムに色素を吸着し
てもよい。色素の吸着方法については、例えば,延伸フ
ィルムの貧溶媒で色素の良溶媒に色素を溶解し、該色素
溶液中で色素を該延伸フィルムに含浸させる方法や、フ
ィルムの軟化温度以下色素の融点以上の温度で、色素を
融解し該色素融液中で色素を該延伸フィルムに含浸させ
る方法や、粉末状の色素を該延伸フィルムに含浸させる
方法などが例示される。
【0032】成膜後フィルムを加熱しながら延伸すると
きの延伸方法は、テンター延伸法、ロール間延伸法、ロ
ール間圧縮延伸法などが例示される。フィルム面の均一
性などの観点からテンター延伸法、ロール間延伸法が好
ましい。フィルムの加熱方法については特に制限はな
い。
【0033】延伸方法は、公知の方法を使うことができ
る。例えば、(A)前記フィルム作成工程で作成したフ
ィルムを一軸延伸し、これを特開平6−300916号
公報に示されるように、ガラス転移温度または軟化温度
以上で熱緩和させる時に、フィルム面に平行かつ延伸軸
に垂直な方向の伸びを抑制しながら、延伸軸方向を収縮
させる方法、(B)前記フィルム作成工程で作成したフ
ィルムを一軸延伸し、この少なくとも片面に、熱収縮性
を有するフィルムを、該熱収縮性を有するフィルムの熱
収縮軸が前記一軸延伸された高分子フィルムの延伸軸と
直交するよう貼合し、得られた貼合体を加熱して、熱収
縮させる方法、または(C)特開平5−157911号
公報に示されるように、前記フィルム作成工程で作成し
たフィルムの少なくとも片面に熱収縮性を有するフィル
ムを、該熱収縮性を有するフィルムの熱収縮軸が前記一
軸延伸された高分子フィルムの延伸軸と直交するよう貼
合し、得られた貼合体を延伸する方法などが挙げられ
る。これらの中で、(A)および(B)の方法が、量産
性の面およびコスト面で好ましい。
【0034】ここで、フィルムを一軸延伸する方法は、
上述したいずれの方法を用いてもよいが、厚み方向の屈
折率の制御性およびフィルム面内のレターデーションの
均一性等の点で、ロール間延伸法またはテンター延伸法
により一軸延伸する方法が好ましい。
【0035】これらの延伸方法によりフィルムを延伸す
る際の加熱温度については、使用するマトリックス高分
子の軟化温度や色素の転移温度により適宜選択される。
延伸倍率については、倍率が低いと色素の配向が不充分
になり、高すぎると膜厚が薄くなりすぎてハンドリング
が困難になるので好ましくない。具体的には1.1倍〜
20倍が好ましく、1.2倍〜15倍がさらに好まし
い。延伸速度や延伸後の冷却速度については特に限定は
ない。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。色素
の吸収ピーク波長は、色素を可溶媒に溶解し、分光光度
計(日立製作所製、U−350)を用いて測定した。本
発明の光学異方体フィルムのレターデーションは、42
0、440、480、550、575、600、700
nmのλ/4板を用い、分光器を装備した偏光解析装置
によりセナルモン法を用いて測定した。光学異方体フィ
ルムの波長分散を示す数式(1)で定義されるαの値
は、セナルモン法を用いて測定したレターデーションを
グラフ描画ソフト(WaveMetrics社製 Ig
or Pro3.0)でローレンツの式(下記数式3)
を用いてカーブフィッティングし、フィッティングの結
果得られたフィッティング係数を用いて、486nmと
589nmのレターデーション値を数式(3)を用いて
計算し、数式(1)より計算した。
【0037】
【数5】
【0038】[式中、λは測定波長、R(λ)は測定波
長でのレターデーションを示し、A,B,λ0はフィッ
ティング係数である。] 光学異方体フィルムの視角依存性は、傾斜治具を装備し
た偏光解析装置にてセナルモン法を用いて550nmの
波長の光で、法線方向から観測した該フィルムのレター
デーションと遅相軸まわりに該フィルムを傾斜したとき
のレターデーションを測定することにより評価した。
【0039】比較例1 ポリカーボネート製位相差フィルム(住友化学工業
(株)製、商品名SEF480430)のレターデーシ
ョンの波長分散を測定したところ、α=1.066であ
った。
【0040】実施例1 下式(1−1)で示される色素(吸収ピーク波長375
nm(DMF溶液))8.1重量部とポリカーボネート
樹脂(帝人(株)製、商品名パンライトC−1400)
91.9重量部を塩化メチレンに20重量%になるよう
溶解し混合した。得られた溶液をガラス板上にキャスト
し厚さ100μmのフィルムを得た。
【0041】
【化3】 色素(1−1)
【0042】得られたフィルムを167.5℃で1.5
倍に延伸し、レターデーションの波長分散を測定したと
ころ、α=1.106の光学異方体フィルムが得られ
た。このように、本発明の光学異方体フィルムは、比較
例1に比べて波長分散が大きくなった。
【0043】実施例2 下式(1−1)で示される色素(吸収ピーク波長375
nm(DMF溶液))10重量部とポリカーボネート樹
脂(帝人(株)製、商品名パンライトC−1400)9
0重量部を塩化メチレンに20重量%になるよう溶解し
混合した。得られた溶液をガラス板上にキャストし厚さ
100μmのフィルムを得た。
【0044】
【化4】 色素(1−1)
【0045】得られたフィルムを170℃で1.5倍に
延伸し、レターデーションの波長分散を測定したとこ
ろ、α=1.118の光学異方体フィルムが得られた。
このように、本発明の光学異方体フィルムは、比較例1
に比べて波長分散が大きくなった。
【0046】実施例3 下式(1−1)で示される色素(吸収ピーク波長375
nm(DMF溶液))8.1重量部とポリカーボネート
樹脂(帝人(株)製、商品名パンライトC−1400)
91.9重量部を塩化メチレンに20重量%になるよう
溶解し混合した。得られた溶液をガラス板上にキャスト
し厚さ100μmのフィルムを得た。
【0047】
【化5】 色素(1−1)
【0048】得られたフィルムを167.5℃で1.5
倍に延伸し、光学異方体フィルムのレターデーション比
(R40/R0)を測定したところ、R40/R0=1.09
0であった。得られたフィルムの両側に熱収縮性を有す
るフィルムを、熱収縮軸が、前記の一軸延伸された高分
子フィルムの延伸軸と直交するように貼合し、得られた
貼合品を155℃、3.5分加熱して、熱収縮延伸し
た。光学異方体フィルムのレターデーション比(R40
0)を測定したところ、R40/R0=1.020であっ
た。このように、得られた本発明の光学異方体フィルム
をSTNセルと組み合わせて使用すると、視野角依存性
の小さい表示が得られる。
【0049】
【発明の効果】本発明の光学異方体フィルムは、レター
デーションの波長分散が大きく、高速STN型液晶セル
と好適に組み合わせて使用することで良好な白黒表示を
示し、視野角依存性の小さい液晶表示装置が得られる。
また、本発明の光学異方体フィルムは、従来のポリスル
ホン製の位相差フィルムと比較して製造が容易である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子と色素を混合してなる光学異方体フ
    ィルムであり、該色素が可視域に吸収ピークを持たず、
    紫外域に吸収ピークを持っており、該色素が色素が下記
    一般式(1) 【化1】 [式中、R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子または
    炭素数1〜15の直鎖もしくは分岐していてもよいアル
    キル基を表し、m、nは、それぞれ独立に、0〜4の整
    数を表す。]で示される化合物であり、該光学異方体フ
    ィルムのレターデーション(測定波長550nm)が5
    0〜3000nmであることを特徴とする光学異方体フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】色素の濃度として、[色素/(色素と高分
    子の和)]が3〜20重量%である請求項1記載の光学
    異方体フィルム。
  3. 【請求項3】光学異方体フィルムの下記数式(1)で定
    義されるαの値が1.06を越えることを特徴とする請
    求項1または2記載の光学異方体フィルム。 【数1】α=RF/RD・・・(1) [式中、RFは水素F線(波長486nm)に相当する
    波長で測定したレタ−デ−ションの値であり、RDはナ
    トリウムD線(波長589nm)に相当する波長で測定
    したレタ−デ−ションの値である。]
  4. 【請求項4】光学異方体フィルムのレターデーション比
    (R40/R0)が下記数式(2)を満たすことを特徴と
    する請求項1乃至3記載の光学異方体フィルム。 【数2】 0.900<R40/R0<1.100・・・(2) [式中、R0は、偏光解析装置でセナルモン法(測定波
    長550nm)を用いて測定したフィルム法線方向から
    見たレターデーションであり、R40は、該フィルムの遅
    相軸を回転軸として、該フィルムへの光の入射角を40
    ゜傾斜して測定したときのレターデーションである。]
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載の光学異
    方体フィルムを用いることを特徴とする液晶表示装置。
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