JP2003329840A - 熱安定性に優れた位相差フィルム、及び偏光変換素子 - Google Patents

熱安定性に優れた位相差フィルム、及び偏光変換素子

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JP2003329840A
JP2003329840A JP2002141334A JP2002141334A JP2003329840A JP 2003329840 A JP2003329840 A JP 2003329840A JP 2002141334 A JP2002141334 A JP 2002141334A JP 2002141334 A JP2002141334 A JP 2002141334A JP 2003329840 A JP2003329840 A JP 2003329840A
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retardation film
retardation
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carbon atoms
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Yoshinori Ikeda
吉紀 池田
Akihiko Uchiyama
昭彦 内山
Isao Kawada
功 河田
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、高温保持における耐熱性を
有したλ/2板等の位相差フィルムを提供することであ
る。 【解決手段】 下記式(I) 【化1】 (式中R1、R2は、水素原子及び/又は炭素数1〜10
のアルキル基を表し、Ar1は置換基を有してもよい炭
素数6〜20の芳香族基を表す。)で表されるラクトン
系化合物及び下記式(II) 【化2】 (式中のR3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、ハロ
ゲン原子及び炭素数1〜3の炭化水素基から選ばれる少
なくとも1種の基である。)で示されるフルオレン環基
を有する合成高分子の配向フィルムからなる位相差フィ
ルムであり、該ラクトン系化合物は、該合成高分子の配
向フィルムの重量を基準として0.001重量%以上
3.0重量%未満で含有する、熱安定性に優れた位相差
フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置、偏
光ビームスプリッタ等の光学素子において用いられる2
分の1波長板として有効な位相差フィルムに関する。特
に詳しくは、熱安定性に優れ、かつ、位相差値が測定波
長400〜700nmにおいて、短波長ほど小さい位相
差フィルム、及びそれを用いてなる光学装置等に関す
る。
【0002】
【従来の技術】位相差フィルムは液晶表示装置のSTN
(スーパーツイステッドネマチック方式)等に用いら
れ、色補償、視野角拡大等の問題を解決するために用い
られている。一般に、色補償用の位相差フィルムの材料
としてはポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポ
リスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリ
オレフィン等が用いられ、視野角拡大用の位相差フィル
ム材料としては前記した材料に加えて高分子液晶、配向
硬化されたディスコティック液晶等が用いられる。
【0003】位相差フィルムの1種である4分の1波長
板(λ/4板)は、円偏光を直線偏光に、直線偏光を円
偏光に変換することが出来る。これは、液晶表示装置特
に観測者側から見て裏面側の電極を反射電極とした偏光
フィルム1枚板の反射型液晶表示装置や、偏光フィルム
と4分の1波長板とを組み合わせたことからなる反射防
止フィルム、また、コレステリック液晶等からなる右回
り左回りのどちらか一方の円偏光のみを反射する反射型
偏光フィルムと組み合わされて用いられる。
【0004】また、位相差フィルムの一種である2分の
1波長板(λ/2板)は、直線偏光の偏光面を90度回
転させる機能がある。この機能により、p偏光およびs
偏光は、λ/2板を通過することによりそれぞれ他方の
偏光に変換される。これを利用して、2分の1波長板と
偏光ビームスプリッタを組み合わせて、光の利用効率を
上げる偏光変換素子の一つであるPS変換素子が提案さ
れている(液晶、第2巻、第2号、37〜38頁199
8記載)。ここで、このPS変換素子の具体的な働きを
示す。まず、偏光ビームスプリッタにおいて、p偏光お
よびs偏光の一方(通常はp偏光)を透過し、他方(通
常はs偏光)を反射する。次に、この偏光ビームスプリ
ッタにより分離したp偏光およびs偏光(通常はp偏
光)に対して、λ/2板を通過させる。λ/2板を通過
することにより、偏光面が90度回転するため、p偏
光、s偏光の一方は他方に変換される。このようにし
て、PS変換素子に光を入射すると、全体の偏光の振動
方向をそろえて出射することができる。液晶表示装置で
は、特定の振動方向の偏光しか利用しないため、PS変
換素子を用いることにより、光の利用効率が著しく改善
することができる。PS変換素子およびそれを用いて光
の利用効率を改善した液晶表示装置については、例えば
特開平8−114765号公報、特開平10−5495
8号公報および特開平10−186544号公報に記載
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術において、
広帯域の波長にわたりλ/2の特性を得るためには、2
枚以上(通常は3枚)の位相差フィルムを遅相軸が交差
するように積層しなければならない。このために、目的
とするλ/2板を得るために、遅相軸に対してある角度
に合わせて位相差フィルムを裁断する工程、粘着剤塗布
工程、貼り合わせ工程が必要となっており、コストアッ
プ、生産性の低下、さらに特性のばらつきが大きくなる
といった問題がある。さらに、偏光変換素子は、液晶表
示素子として用いられる場合、光源にもっとも近い場所
で用いられるとともに、光が変換素子に集光されるた
め、素子表面の温度上昇が大きく、おおよそ130度ま
で上昇してしまう場合がある。そのために、位相差フィ
ルムのガラス転移温度が低かったり、耐熱性に乏しいポ
リマーや化合物を用いた光学異方性層等では、位相差フ
ィルムにおいて広帯域の波長にわたるλ/2の特性から
のずれが生じたり、熱劣化により位相差フィルム自体が
色味を呈してしまい、表示された画像のコントラストや
色味を著しく損なってしまうという問題もある。
【0006】本発明の主な目的は、製造の裁断、粘着剤
塗布、貼り合わせ工程を減らして、製造が容易となり、
さらに、高温保持における耐熱性を有したλ/2板を提
供することである。
【0007】さらに本発明の他の目的は、このλ/2板
を用いることで性能の優れた偏光変換素子を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために位相差フィルム用の合成高分子材料及び
特定の配合物等を鋭意検討した。そして、下記の〔1〕
〔9〕により目的を達成した位相差フィルム、および
偏光変換素子を得ることができた。 〔1〕 下記式(I)
【0009】
【化7】
【0010】(式中R1、R2は、水素原子及び/又は炭
素数1〜10のアルキル基を表し、Ar1は置換基を有
してもよい炭素数6〜20の芳香族基を表す。)で表さ
れるラクトン系化合物及び下記式(II)
【0011】
【化8】
【0012】(式中のR3およびR4はそれぞれ独立に水
素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜3の炭化水素基か
ら選ばれる少なくとも1種の基である。)で示されるフ
ルオレン環基を有する合成高分子の配向フィルムからな
る位相差フィルムであり、該ラクトン系化合物は、該合
成高分子の配向フィルムの重量を基準として0.001
重量%以上3.0重量%未満で含有する、熱安定性に優
れた位相差フィルム。 〔2〕 単層で波長λにおける位相差が下記式(1)を
満たし、且つヘイズが3%以下である上記の位相差フィ
ルム。
【0013】 R(λ1)/R(λ2)< 1 (1) 〔式中、R(λ1)、R(λ2)は、ぞれぞれの波長λ
1nm、λ2nm(400<λ1<λ2<700)にお
ける合成高分子の配向フィルムの面内位相差である。〕 〔3〕 合成高分子がポリカーボネートである上記の位
相差フィルム。 〔4〕 ポリカーボネートが下記式(III)
【0014】
【化9】
【0015】(上記式(III)において、R5〜R12
はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1
〜6の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であ
り、Xは下記式
【0016】
【化10】
【0017】であり、R13およびR14はそれぞれ独立に
水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜3の炭化水素基
から選ばれる少なくとも1種の基である)で示される繰
り返し単位aを30〜50mol%と、下記式(IV)
【0018】
【化11】
【0019】(上記式(IV)において、R15〜R22
それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜
22の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であ
り、Yは下記式群である。)
【0020】
【化12】
【0021】(ここでR23〜R25、R27及びR28はそれ
ぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22
の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種であり、R26
及びR 29は炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれる少
なくとも1種であり、また、Ar2〜Ar4はそれぞれ独
立に炭素数6〜10のアリール基から選ばれる少なくと
も1種の基である。)で示される繰り返し単位bが全体
の70〜50mol%を占めるポリカーボネート共重合
体及び/またはブレンド体である上記の位相差フィル
ム。 〔5〕 波長450nm、550nm、650nmで測
定した位相差値/波長の値が、いずれも0.4〜0.6
の範囲内であることを特徴とする上記の位相差フィル
ム。 〔6〕 上記の位相差フィルムを用いたことを特徴とす
る液晶表示素子。 〔7〕 上記の位相差フィルムを用いたことを特徴とす
る偏光変換素子。 〔8〕 上記の偏光変換素子において、上記5の位相差
フィルムを用いたことを特徴とするPS変換素子。
〔9〕 上記の偏光変換素子またはPS変換素子を用い
たことを特徴とする光学装置。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は、フルオレン環基を有す
る合成高分子からなる1枚の配向フィルムにおいて、可
視領域において波長に依存しない理想的なλ/4板およ
びλ/2板を得ることを探求する過程で、高温保持にお
いて位相差ずれが無いと共に色味変化が少なく、かつ位
相差が短波長ほど小さい1枚の高分子配向フィルムを提
供することに成功し、上記目的を達成するとともに、従
来に無い特性を持つ位相差フィルムを提供するに至った
ものである。
【0023】また、本発明者は1枚のフルオレン環基を
有する高分子配向フィルムで、上記式(1)を満足する
ことは可能であることを見出している(国際公開番号WO
00/26705号公報)が、本発明によれば、該高分子配向フ
ィルム中にラクトン系化合物である化合物(I)を含有
することにより、特に高温保持においてフィルム自体に
色味変化が少ない位相差フィルムを提供することに成功
したものである。
【0024】本願明細書における合成高分子の配向フィ
ルムの位相差(リタデーション)とは、位相差測定にお
ける位相差値のことを指し、光が厚さdのフィルムを透
過したときにフィルムの配向方向とそれに垂直な方向の
光の進行速度(屈折率)の差に基づく位相の差をいい、
配向方向とそれに垂直な方向の屈折率の差Δnとフィル
ムの厚さdとの積Δn・dで表されることは知られてい
る。また、位相差Δn・dは高分子配向フィルムが同一
であれば複屈折Δnに比例するので、位相差の波長分散
(波長依存性)は複屈折Δnの波長分散(波長依存性)
で表すことが出来る。
【0025】ここで、本発明における合成高分子の配向
フィルムの配向とは、高分子鎖が主として特定の方向に
並んだ状態を示す。高分子フィルムの配向は、通常フィ
ルムの延伸等によって生じる。 〔合成高分子に関して〕本発明における位相差フィルム
は、フルオレン環基を有する合成高分子のフィルムを延
伸等により配向した配向フィルムからなる。ところで、
本発明者らの検討では天然高分子であるTAC(トリア
セチルセルロース系高分子)は位相差フィルムとして有
用であると考えられるが、実用上の耐候性において難点
があり、この耐候性を保持したままで位相差が変化しな
いことが困難である。かかる合成高分子は、例えば2種
類以上の高分子の混合物(ブレンド)でも1種類以上の
共重合体でも、それらの混合物でもよい。高分子ブレン
ドであれば、光学的に透明である必要があることから2
種類以上のポリマーの混合物(相溶ブレンド系)また
は、用いる各々のポリマーの屈折率が略等しいことが好
ましい。ここで、フルオレン環基をポリマー骨格として
有するセグメントは負の光学異方性を示すポリマーとな
り得るため、2種類以上の高分子の混合物(ブレンド)
でも1種類以上の共重合体にて、上記式(1)を満たす
ためには、正の光学異方性を有する高分子との組み合わ
せが必要となる。このとき、その正の光学異方性を有す
る高分子としては、ポリ(ビニリデンフロライド)、ポ
リ(エチレンオキサイド)、ポリ(ビニリデンフロライ
ド―コ―トリフルオロエチレン)ポリ(フェニレンオキ
サイド)、正の光学異方性を有するポリカーボネート、
また、正の光学異方性を有するポリ(アクリロニトリル
―コ―ブタジエン)等が好適に用いられるが、これらに
限定されるものではない。
【0026】ここで、特にビスフェノール類とホスゲン
あるいは炭酸ジフェニルなどの炭酸エステル形成性化合
物と反応させて製造されるポリカーボネート共重合体
は、透明性、耐熱性、生産性に優れており極めて好まし
く用いることが出来る。具体的には、ポリカーボネート
共重合体としては、下記式(III)で表される繰り返
し単位をもつフルオレン環基(フルオレン骨格)を有す
る構造(III)と下記式(IV)で表される繰り返し
単位を含む共重合体であることが好ましい。また、(I
II)の成分は1〜99mol%含まれていることが好
ましい。
【0027】
【化13】
【0028】上記式(III)において、R5〜R12
それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜
6の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であ
る。ここで炭素数1〜6の炭化水素基としては、例え
ば、メチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、フェニル
基が挙げられる。Xは下記式
【0029】
【化14】
【0030】である。また、R13およびR14はそれぞれ
独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜3の炭化
水素基から選ばれる少なくとも1種の基である。ここで
炭素数1〜3の炭化水素基としては、例えば、メチル基
等の炭素数1〜3のアルキル基が挙げられる。
【0031】
【化15】
【0032】上記式(IV)において、R15〜R22はそ
れぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜2
2の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であ
る。ここで炭素数1〜6の炭化水素基としては、例え
ば、メチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、フェニル
基が挙げられる。Yは下記式群から選ばれる。
【0033】
【化16】
【0034】ここで、Y中のR23〜R25、R26,R29
それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、メチル基等の
炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基等の炭素数1〜
22の炭化水素基か選ばれ、R27及びR28はそれぞれ独
立にメチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、フェニル
基等の炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれる。Ar
2〜Ar4はそれぞれ独立にフェニル基等の炭素数6〜1
0のアリール基からそれぞれ選ばれる少なくとも一種の
基である。
【0035】上記合成高分子は公知の方法によって製造
し得る。ポリカーボネート共重合体はジヒドロキシ化合
物とホスゲンとの重縮合による方法、溶融重縮合法等が
好適に用いられる。
【0036】上記合成高分子の具体例としては、例え
ば、フルオレン環基をポリマー骨格として有するビスフ
ェノールをモノマー成分として含むポリカーボネートが
好ましく挙げられる。また該ポリカーボネートとして、
スチレンあるいはスチレン誘導体をモノマー成分として
用いブロック成分として含むようなポリカーボネートが
例示できる。
【0037】上記ポリカーボネートの中で好ましいフル
オレン環基をポリマー骨格として有するものとして、上
記式(III)で表される繰り返し単位aを30〜50
mol%及び上記式(IV)で表される繰り返し単位b
を70〜50mol%の割合で占めるポリカーボネート
共重合体が、透明性、生産性、耐熱性、取り扱い性等の
面で有利である。該繰り返し単位の割合は特に好ましく
は上記式(III)で表される繰り返し単位aを30〜
40mol%及び上記式(IV)で表される繰り返し単
位bを70〜60mol%の割合である。 〔フルオレン環基を有する合成高分子に関して〕本発明
では、フルオレン環基を有する合成高分子を位相差フィ
ルムとして好適に用いるが、そのフィルムの特性として
は、高分子の主鎖に嵩高いフルオレン骨格を有すること
になるので、フルオレン骨格を有さない高分子に対し
て、非常に高いガラス転移温度や剛直性を有することが
できる。これにより、耐熱試験、耐久試験において極め
て優れた寸法安定性、位相差安定性を有することが可能
となる。しかしながら、フルオレン環基が芳香族環を隣
接して有しているため、エネルギー準位の幅が狭く、光
や熱より生じる励起反応、つまりはフォトクロミズムや
サーモクロミズムを生じやすい状態にある。このため、
寸法安定性や位相差安定性などの特性に関しては、高温
保持による特性劣化は生じにくいが、高温保持や光照射
により高分子フィルムの色味変化が生じてしまう。これ
は、画像表示装置において、このフルオレン環基を有す
る高分子配向フィルムを用いることは、経時変化による
色再現性に重大問題を生じることとなる。
【0038】一般に、光励起反応は、UV領域の光によ
って引き起こされるが、液晶プロジェクタ等の液晶表示
素子においては、光源から照射されるUV領域の光はU
Vカットフィルタにより、99%以上のカットがなされ
るため、高分子配向フィルムの色味変化を引き起こす要
因にならない。しかし、高分子配向フィルムが偏光変換
素子として用いられた場合では、そのフィルム面内に集
光された光が連続長時間に渡り照射されるために、偏光
変換素子自体の温度は高温に保たれる。このため、偏光
変換素子等の用途で高分子配向フィルムが用いられる場
合では、熱励起によるフィルムの色味変化が非常に重要
な問題となる。
【0039】ここで、ポリマー樹脂に関しては、熱によ
るポリマーの分解や副生物の生成を抑えうるために、耐
熱安定剤等に代表される各種添加剤が用いられてきた。
しかし、これらはポリマー自身の分解反応、劣化反応を
抑制するのに好適に用いられるものであり、選択的な分
子骨格に対して作用する剤ではない。
【0040】本発明では、フルオレン環基を有する合成
高分子の高温保持における色味安定性を発現させるため
に、さまざまな化合物の添加をおこなったところ、フル
オレン環基を有する合成高分子配向フィルムの耐熱色味
安定性を発現させるために、特定のラクトン系化合物が
他の特性を損なわず、極めて特異的な特性改善効果を示
すことを見出したものである。 〔ラクトン系化合物に関して〕本発明において使用され
るラクトン系化合物は下記式(I)で表される。
【0041】
【化17】
【0042】ここでR1、R2は、水素原子及、炭素数1
〜10のアルキル基を表す。かかるアルキル基として
は、メチル基、エチル基等炭素数1〜5のアルキル基が
好ましい。Ar1は置換基を有してもよい炭素数6〜2
0の芳香族基を表す。例えば、フェニル基、ナフチル基
などの炭素数6〜14の芳香族基が好適である。また、
芳香族基が有する置換基としては、例えば炭素数1〜1
0のメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、i−ブチル基、t−ブチル基、t−ブチル基、t
−ペンチル基等のアルキル基、アリールアルキル基等が
挙げられる。これらの置換基は2つ以上あっても良い。
【0043】このラクトン系化合物として使用したベン
ゾフラノ−2−オン型化合物は、文献において知られて
おり、またその製造は、米国特許4325863号、4
388244号、5175312号、5252643
号、5216052号、5369159号、54881
17号、5356966号、5367008号、542
8162号、5428177号、5516920号公報
において記載されている。
【0044】これらラクトン系化合物の配合量は0.0
01重量%以上3重量%未満の範囲である。0.001
重量%未満ではこのラクトン系安定剤の効果がみられ
ず、3重量%以上では過剰添加によりフィルムの耐熱色
味安定性が著しく損なわれる。配合量は、好ましくは
0.01〜2重量%の範囲、特に好ましくは0.1〜1
重量%の範囲である。
【0045】また、用いるラクトン系化合物は、後述の
溶液キャスト法において、通常、溶剤に溶解して添加す
るが、その際、ヘイズを実質上生じないものが好まし
い。ラクトン系化合物の融点としては、50℃から40
0℃の範囲にあるものが好ましく、70℃から300℃
の範囲にあるものがより好ましい。さらに、ラクトン系
化合物の分子量としては、200から800の範囲にあ
るものが好ましく、300から600の範囲にあるもの
がより好ましい。
【0046】上記式(I)で表されるラクトン系化合物
としては具体的には以下の化合物が例示される。
【0047】
【化18】
【0048】
【化19】
【0049】
【化20】
【0050】
【化21】
【0051】
【化22】
【0052】
【化23】
【0053】
【化24】
【0054】
【化25】
【0055】
【化26】
【0056】
【化27】
【0057】これらの化合物は単独で添加しても、数種
類混合して添加しても構わない。 〔ポリマーフィルムの製造法〕本発明の位相差フィルム
の製造方法について説明する。位相差フィルムの製造
は、高分子フィルムの作成工程と、面方向に配向させる
延伸工程により高分子配向フィルムを得る工程よりな
る。高分子フィルムの作成方法には、既存のいずれの作
成方法を用いてもよい。例えば、溶剤に溶かしキャスト
する溶剤キャスト法、固体状態で混練してダイなどから
押し出しフィルムにする押し出し成型法、固体状態で混
練した後カレンダーロールでフィルムにするカレンダー
法、プレスなどでフィルムにするプレス成型法などが挙
げられる。これらの中でも、特に高分子配向フィルム中
に該化合物を均一に分散させるべく高分子と該化合物と
の均一混合が必須となるために、ポリマーと該化合物を
溶剤または溶融状態で混合する溶剤キャスト法または押
出成型法が好ましい。この中でも、膜厚精度に優れてい
る溶剤キャスト法がさらに好ましい。
【0058】溶剤キャスト法における溶剤としては、高
分子と該化合物とを十分溶解させ、フィルム化できるも
のであれば制限なく用いることができるが、例えば高分
子としてポリカーボネートを用いる場合には、溶媒とし
てはメチレンクロライド、ジオキソラン等が好適に用い
られる。成膜後のフィルムの厚みに制限は無いが、フィ
ルムのハンドリング面、コスト面から20〜300μm
が好ましく、さらに好ましくは30〜200μmであ
る。溶液キャストにおける特定の化合物の添加は、均一
混合の観点から、製膜溶液の作成時に行うことが好まし
い。
【0059】かかる延伸方法は、公知のいずれの方法を
用いてもよい。例えば、テンター延伸法、ロール間圧縮
延伸法などの方法が例示される。厚み方向の屈折率の制
御性及びフィルム面内レターデーションの均一性等の点
で、ロール間延伸法または、テンター延伸法により1軸
延伸する方法がのぞましい。
【0060】かかるフィルムの中には、延伸性を向上さ
せる目的で、公知の可塑剤であるジメチルフタレート、
ジブチルフタレート等のフタル酸エステル、トリブチル
フォスフェート等のリン酸エステル、脂肪族2塩基エス
テル、グリセリン誘導体、グリコール誘導体等を含有し
ても良く、またこれらに限定するものではない。先述の
フィルム製膜時に用いた有機溶剤をフィルム中に残留さ
せ、延伸しても良い。この有機溶剤としては、ポリマー
固形分対比1〜25重量%であることが好ましい。
【0061】また、本発明の位相差フィルムにおいて
は、耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、透明核剤、永久帯電防止剤、蛍光増白剤等のポリマ
ー改質剤が同時にフィルム中に存在しても良い。
【0062】本発明の位相差フィルムは透明であること
が好ましく、へーズ値は5%以下、全光線透過率は85
%以上であることが好ましい。また、ガラス転移点温度
は90℃以上であることが好ましい。
【0063】本発明の位相差フィルムの厚さとしては、
40〜150μmである。 〔位相差フィルム、円偏光フィルム、楕円偏光フィル
ム、及びそれらを用いた液晶表示素子、または光学装
置〕本発明の位相差フィルムは、特に1枚の高分子配向
フィルムをもって波長依存性が少ない良好な2分の1波
長板(λ/2板)を構成することができるものである
が、λ/2板として用いるためには 220nm ≦R
(550) ≦ 330nmであることが好ましい。また、
同時に、この位相差フィルムは、1枚の高分子配向フィ
ルムをもって波長依存性が少ない良好な4分の1波長板
(λ/4板)も構成することができるものであるが、λ
/4板として用いるためには、 100nm ≦R(55
0) ≦ 180nmであることが好ましい。さらに、本
発明の位相差フィルムはλ/2板、λ/4板に限らず、
λ/n(n>0)となる位相差フィルムとして用いても
構わない。
【0064】本発明の位相差フィルムは、1枚で広帯域
λ/2板として用いることができるためには、波長45
0nm、550nm、及び650nmで測定した位相差
値/波長の値が、いずれも0.40〜0.60の範囲内
であることが好ましい。さらには、波長450nm、5
50nm、及び650nmで測定した位相差値/波長の
値が0.41〜0.59の範囲内であることが好まし
く、0.42〜0.58の範囲内であることがより好ま
しく、0.43〜0.57の範囲内であることがさらに
好ましい。これは、λ/2板に限らず、λ/n(n>
0)となる位相差フィルムすべてにおいて適用される。
【0065】このようなλ/2板は、例えば、偏光ビー
ムスプリッタと組み合わせて用いることで、耐熱性に優
れたPS変換素子を得ることができる。また、このPS
変換素子を用いた液晶プロジェクタ等の液晶表示素子に
おいて、使用耐久性に優れ、また画質良い画像表示装置
を提供することが可能である。
【0066】こうして、本発明の好適な態様の1つとし
て、偏光ビームスプリッタ、λ/2板により構成された
PS変換素子を用いた液晶プロジェクタに代表される液
晶表示装置であって、かかるλ/2板として、波長45
0nm、550nm、及び650nmにおける位相差が
下記式(1’)、(2’) R(450) /R(550) <1 (1’) R(450) /R(650) <1 (2’) 〔式中、R(450)、R(550) 及びR(650) はそ
れぞれ波長450nm、550nm、及び650nmに
おける高分子配向フィルムの面内位相差である。〕を満
たし、かつR(550) が 220〜330nmである本
発明の位相差フィルムを用いた液晶表示装置を提供す
る。
【0067】本発明は、λ/4板として使用することも
十分可能である。λ/4板としての利用では、例えば、
偏光フィルム1枚だけを使用し裏面電極を反射電極と兼
ねた構成である反射型液晶表示装置に用いることによ
り、画質に優れた反射型表示装置を得ることが可能であ
る。また、ゲストホスト型の液晶層の観測者に対して裏
面側にこの位相差フィルムを用いることも可能である。
これらの場合、位相差フィルムの役割は、直線偏光を円
偏光に、円偏光を直線偏光に可視光領域において変換す
ることであるが、本発明の位相差フィルムはこのような
目的を満足させることが可能である。
【0068】また、左右どちらか一方の円偏光のみを反
射するコレステリック液晶等から構成される反射型偏光
フィルムの円偏光を直線偏光に変換する素子としても、
同様に使用することが出来る。
【0069】本発明の位相差フィルムは、耐熱性が優れ
た、波長が短いほど複屈折が小さい理想的なλ/4板や
λ/2板を1枚の高分子配向フィルムで得るために特に
開発されたものであるが、波長が短いほど複屈折が小さ
い高分子配向フィルムが新規に提供されるので、本発明
の位相差フィルムどうしを2枚以上積層して、あるいは
本発明の位相差フィルムと他の光学フィルム(透明フィ
ルム、透明導電性フィルム、位相差フィルム、偏光フィ
ルム、光学補償板等)とを積層することにより、例えば
より広範囲の波長域で理想的なλ/4板やλ/2板を製
作するなどより幅広く各種の用途に適合した位相差フィ
ルムあるいは光学フィルムを得ることができるものであ
る。
【0070】K値は位相差フィルムの3次元的な屈折率
異方性の指標であるが、R値、膜厚によっても変化し、
さらに用途によっても最適な値は異なる。ここでは、K
値の代わりに別の3次元屈折率異方性の指標であるNz
=(nx −nz )/(nx −ny )で好ましい範囲を記
述すると、λ/4板やλ/2板のような位相差フィルム
であれば、 0.3〜1.5 の間であることが好ましい。特に
z =0.5 のとき、位相差フィルムに入射する角度
が正面入射から変化してもほとんど位相差が変化しな
い。このとき、K値としては、−100〜100 であ
ることが好ましい。このNz の3次元屈折率nx ,n
y ,nzは前記K値の計算で使用したものを使うものと
する。
【0071】また、このような位相差フィルムを液晶表
示装置特に偏光フィルム1枚型反射型液晶表示装置に用
いることにより、画質に優れた表示装置を得ることが出
来る。この反射型液晶表示装置とは、偏光フィルム、位
相差フィルム、透明電極付基板、液晶層、散乱反射電極
付基板の順に構成されているもの、偏光フィルム、散乱
板、位相差フィルム、透明電極付基板、液晶層、鏡面反
射電極付基板の順に構成されているもの、偏光フィル
ム、位相差フィルム、透明電極付基板、液晶層、透明電
極付基板、反射層の順に構成されているもの等である。
さらに、λ/4板は透過型と反射型の両方を兼ね備えた
液晶表示装置においても使用することができる。該液晶
表示装置の構成としては例えば、偏光フィルム、位相差
フィルム、透明電極付基板、液晶層、反射透過兼用電極
付基板、位相差フィルム、偏光フィルム、バックライト
システム等である。さらに、例えばコレステリック液晶
よりなる左右どちらかの円偏光のみ反射する反射型偏光
フィルムにおいて、円偏光を直線偏光に変換する素子と
して使用すれば、広帯域で良好な直線偏光が得られる。
【0072】さらにまた、本発明の位相差フィルムは、
光記録装置の光ヘッドにおいて用いられるλ/4板とし
ても用いることができる。特に、かかる位相差フィルム
は、多波長に対して4分の1波長との位相差を与えるこ
とができるので、複数のレーザー光源を使う光ヘッドに
おいて、位相差フィルムの数を減らすことに寄与するこ
とができる。
【0073】あるいは、発光素子である有機または無機
エレクトロルミネッセンス素子は、発光層の裏側に金属
電極を用いているが、この金属電極は光を反射するの
で、外光存在下ではコントラストが低下する等、著しく
視認性が低下する。これを防ぐために、本発明の位相差
フィルムと偏光フィルムを組み合わせて円偏光フィルム
とし、これを反射防止フィルムとして用いてもよい。こ
の円偏光フィルムは、可視光の広い波長範囲で位相差を
4分の1波長とすることが可能な本発明の位相差フィル
ムを用いているので、広帯域の波長において反射を防止
できるため、反射光に着色が少なく視認性に優れた素子
を提供することが出来る。また、タッチパネルとして用
いても良く、CRT、PDPに用いても良い。
【0074】本発明の位相差フィルムは、粘着層あるい
は接着層を介して偏光フィルムと貼り合わせて円偏光フ
ィルムまたは楕円偏光フィルムとしたり、また、位相差
フィルム上に何らかの材料をコーティングして湿熱耐久
性を向上させたり、耐溶剤性を改良したりしても良い。
【0075】さらに、本発明の位相差フィルムを、透過
型液晶表示装置の色調改善や視野角拡大等の画質向上フ
ィルムとして用いることが出来る。液晶表示装置として
は例えば、ツイストネマチックモード、垂直配向モー
ド、OCB(Optically compensated bend)配向モー
ド、インプレインスイッチングモード等を挙げることが
出来る。
【0076】本発明の位相差フィルムを他の位相差フィ
ルムや視野角拡大フィルムのような光学補償フィルムと
同時に使用しても良い(例えば、ディスコティック液晶
や高分子液晶層をフィルムの膜厚方向に配向させた視野
角拡大フィルムなど、)。さらに、液晶表示装置とし
て、強誘電性液晶、反強誘電性液晶を用いたものに、本
発明の位相差フィルムを使用しても良い。
【0077】
【実施例】本明細書中に記載の材料特性値等は以下の評
価法によって得られたものである。 (1)R値の測定 複屈折Δnと膜厚dの積である位相差R値は、分光エリ
プソメータである日本分光(株)製の商品名『JASCO M-
150 Polarization Modulated Spectroscopic Ellipsome
ter』により測定されたものである。R値は入射光線と
フィルムの表面が垂直する状態で測定しており、R=Δ
n・d=(nx−ny)・dである。R値の単位は、nm
である。nx、ny、nzは、ここでは以下のように定義
される。 nx:フィルム面内における主延伸方向の屈折率 ny:フィルム面内における主延伸方向に直交する方位
の屈折率 nz:フィルム表面の法線方向の屈折率 (主延伸方向とは1軸延伸の場合には延伸方向、2軸延
伸の場合には配向度が上がるように延伸した方向を意味
しており、化学構造的には高分子主鎖の配向方向を指
す。)
【0078】(2)全光線透過率及ヘイズの測定 日本工業規格JIS K 7105『プラスチックに光学
的特性試験方法』に準じて、積分球式光線透過率測定装
置により測定した。評価装置としては、日本電色工業
(株)製の色差・濁度測定器:商品名『COH-300A』を用
いた。
【0079】(3)高分子共重合比の測定 日本電子社製の商品名『JNM-alpha600』のプロトンNMR
により測定した。特にビスフェノールAとビスクレゾー
ルフルオレンの共重合体の場合には、溶媒として重ベン
ゼンを用い、それぞれのメチル基のプロトン強度比から
算出した。
【0080】(4)フィルム膜厚測定 アンリツ社製の電子マイクロで測定した。
【0081】(5)耐熱性試験の評価方法 フィルムに130℃、常圧、大気下の雰囲気で100時
間、200時間、300時間連続して保持したときの寸
法変化、位相差値変化、b*値の絶対値の変化を測定し
た。寸法変化に関しては、評価装置として、レーザーテ
ック(株)製のリアルタイム走査型レーザー顕微鏡:商
品名『1LM21D』を用いて、初期と耐熱性試験後の
寸法を測定した。位相差値に関しては、上記(1)記載
の評価装置により測定を行った。色差表示b*値に関し
ては、日本工業規格JIS Z 8722『物体色の測定
方法』に準じて、分光測光器により測定した。評価装置
としては、日立(株)製の自記分光光度計:商品名『U
−4000形Spectrophotometer』を用いた。b*の表示
に関しては、日本工業規格JIS Z 8729『色差表
示方法』に準じて、国際照明委員会の推奨するCIEL
AB(La**)色空間で示されるb*で表示した。
【0082】(6)ポリマー、及び共重合体ポリマーの
重合方法 以下に実施例、比較例で用いたポリカーボネートのモノ
マー構造を示す。
【0083】
【化28】
【0084】
【化29】
【0085】攪拌機、温度計及び還流冷却機を備えた反
応装置に水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を仕
込み、これに上記構造を有するモノマー[A]と[B]
をX:Y(mol%、X+Y=100)の比率で溶解さ
せ、少量のハイドロサルファイドを加えた。次に、これ
に塩化メチレンを加え、20℃でホスゲンを約60分か
けて吹き込んだ。さらに、p-tert-ブチルフェノールを
加えて乳化させ、トリエチルアミンを加えて30℃で約
3時間攪拌して反応を終了させた。反応終了後有機相分
取して、塩化メチレンを蒸発させポリカーボネート共重
合体を得る。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込
み量とほぼ同等であった。
【0086】また、以下に実験例、比較例で使用した化
合物の化学構造を示す。 ラクトン系化合物:(a)−36
【0087】
【化30】
【0088】
【化31】
【0089】[実施例1]モノマー[A]と[B]を3
5:65(mol%)の比率で共重合させたポリカーボ
ネート共重合体を用いた。この共重合体とラクトン系安
定剤[C]を、それぞれ99.9:0.1(重量%)の比
率で塩化メチレンに溶解させて18wt%のドープを作
成した。このドープ溶液からキャストフィルムを作製
し、温度235度で、2.3倍で幅自由1軸延伸し、位
相差フィルムを得た。
【0090】この位相差フィルムの膜厚は96.2μm
であり、ヘイズ0.3%、全光線透過率90%であっ
た。
【0091】この位相差フィルムは、測定波長において
短波長ほど位相差が小さくなり、且つ延伸方向が面内の
屈折率がもっとも大きくなり、屈折率異方性は正である
ことを確認した。尚、R(450)=247.8nm、
R(550)=275.3nm、R(650)=28
3.6nm、及び、R(450)/450=0.55、
R(550)/550=0.50、R(650)/65
0=0.44であった。
【0092】このフィルムの耐熱性試験を行ったとこ
ろ、寸法変化、位相差値の変化はなく、高分子配向フィ
ルムの色差b*の絶対値は1.0以下であり、色差b*
初期値からの変化率は1.2倍以下であった。
【0093】この高分子配向フィルム1枚を用いて、P
S変換素子を作成したが、良好な偏光変換特性を示し
た。さらに、作成したPS変換素子をプロジェクタに実
装して、1000時間の連続点灯試験を行ったが、高分
子配向フィルムの色味変化による色ずれは見られなかっ
た。
【0094】[実施例2]モノマー[A]と[B]を3
5:65(mol%)の比率で共重合させたポリカーボ
ネート共重合体を用いた。この共重合体とラクトン系安
定剤[C]を、それぞれ99.5:0.5(重量%)の比
率で塩化メチレンに溶解させて18wt%のドープを作
成した。このドープ溶液からキャストフィルムを作製
し、温度235度で、2.3倍で幅自由1軸延伸し、位
相差フィルムを得た。
【0095】この位相差フィルムの膜厚は98.3μm
であり、ヘイズ0.3%、全光線透過率90%であっ
た。
【0096】この位相差フィルムは、測定波長において
短波長ほど位相差が小さくなり、且つ延伸方向が面内の
屈折率がもっとも大きくなり、屈折率異方性は正である
ことを確認した。尚、R(450)=247.8nm、
R(550)=275.3nm、R(650)=28
2.5nm、及び、R(450)/450=0.55、
R(550)/550=0.50、R(650)/65
0=0.44であった。
【0097】このフィルムの耐熱性試験を行ったとこ
ろ、寸法変化、位相差値の変化はなく、高分子配向フィ
ルムの色差b*の絶対値は1.0以下であり、色差b*
初期値からの変化率は1.4倍であった。
【0098】この高分子配向フィルム1枚を用いて、P
S変換素子を作成したが、良好な偏光変換特性を示し
た。さらに、作成したPS変換素子をプロジェクタに実
装して、1000時間の連続点灯試験を行ったが、高分
子配向フィルムの色味変化による色ずれは見られなかっ
た。
【0099】[実施例3]モノマー[A]と[B]を3
5:65(mol%)の比率で共重合させたポリカーボ
ネート共重合体を用いた。この共重合体とラクトン系安
定剤[C]を、それぞれ99.0:1.0(重量%)の比
率で塩化メチレンに溶解させて18wt%のドープを作
成した。このドープ溶液からキャストフィルムを作製
し、温度235度で、2.3倍で幅自由1軸延伸し、位
相差フィルムを得た。
【0100】この位相差フィルムの膜厚は101.1μ
mであり、ヘイズ0.3%、全光線透過率90%であっ
た。
【0101】この位相差フィルムは、測定波長において
短波長ほど位相差が小さくなり、且つ延伸方向が面内の
屈折率がもっとも大きくなり、屈折率異方性は正である
ことを確認した。尚、R(450)=246.7nm、
R(550)=274.1nmnm、R(650)=2
81.2nm、及び、R(450)/450=0.5
5、R(550)/550=0.50、R(650)/
650=0.44であった。
【0102】このフィルムの耐熱性試験を行ったとこ
ろ、寸法変化、位相差値の変化はなく、高分子配向フィ
ルムの色差b*の絶対値は1.0以下であり、色差b*
初期値からの変化率は1.4倍であった。
【0103】この高分子配向フィルム1枚を用いて、P
S変換素子を作成したが、良好な偏光変換特性を示し
た。さらに、作成したPS変換素子をプロジェクタに実
装して、1000時間の連続点灯試験を行ったが、高分
子配向フィルムの色味変化による色ずれは見られなかっ
た。
【0104】[実施例4]モノマー[A]と[B]を3
5:65(mol%)の比率で共重合させたポリカーボ
ネート共重合体を用いた。この共重合体とラクトン系安
定剤[C]を、それぞれ98.0:2.0(重量%)の比
率で塩化メチレンに溶解させて18wt%のドープを作
成した。このドープ溶液からキャストフィルムを作製
し、温度235度で、2.3倍で幅自由1軸延伸し、位
相差フィルムを得た。
【0105】この位相差フィルムの膜厚は94.3μm
であり、ヘイズ0.3%、全光線透過率90%であっ
た。
【0106】この位相差フィルムは、測定波長において
短波長ほど位相差が小さくなり、且つ延伸方向が面内の
屈折率がもっとも大きくなり、屈折率異方性は正である
ことを確認した。尚、R(450)=248.5nm、
R(550)=276.1nm、R(650)=28
3.3nm、及び、R(450)/450=0.55、
R(550)/550=0.50、R(650)/65
0=0.44であった。
【0107】このフィルムの耐熱性試験を行ったとこ
ろ、寸法変化、位相差値の変化はなく、位相差フィルム
の色差b*の絶対値は1.0以下であり、色差b*の初期
値からの変化率は1.4倍であった。
【0108】この位相差フィルム1枚を用いて、PS変
換素子を作成したが、良好な偏光変換特性を示した。さ
らに、作成したPS変換素子をプロジェクタに実装し
て、1000時間の連続点灯試験を行ったが、位相差フ
ィルムの色味変化による色ずれは見られなかった。
【0109】[比較例1]モノマー[A]と[B]を3
5:65(mol%)の比率で共重合させたポリカーボ
ネート共重合体を用いた。この共重合体を塩化メチレン
に溶解させて18wt%のドープを作成した。このドー
プ溶液からキャストフィルムを作製し、温度235度
で、2.3倍で幅自由1軸延伸し、位相差フィルムを得
た。
【0110】この位相差フィルムの膜厚は99.1μm
であり、ヘイズ0.3%、全光線透過率90%であっ
た。
【0111】この位相差フィルムは、測定波長において
短波長ほど位相差が小さくなり、且つ延伸方向が面内の
屈折率がもっとも大きくなり、屈折率異方性は正である
ことを確認した。尚、R(450)=247.3nm、
R(550)=274.8nm、R(650)=28
3.0nm、及び、R(450)/450=0.55、
R(550)/550=0.50、R(650)/65
0=0.44であった。
【0112】このフィルムの耐熱性試験を行ったとこ
ろ、寸法変化、位相差値の変化はなかったが、位相差フ
ィルムの色差b*の絶対値は1.0以上であった。ま
た、色差b*の初期値からの変化率は2.0倍であっ
た。
【0113】この位相差フィルム1枚を用いて、PS変
換素子を作成したが、初期は良好な偏光変換特性を示し
た。しかし、作成したPS変換素子をプロジェクタに実
装して、1000時間の連続点灯試験を行ったところ、
位相差フィルムの色味変化が大きいために色ずれが生じ
た。
【0114】[比較例2]モノマー[A]と[B]を3
5:65(mol%)の比率で共重合させたポリカーボ
ネート共重合体を用いた。この共重合体とラクトン系安
定剤[C]を、それぞれ97.0:3.0(重量%)の比
率で塩化メチレンに溶解させて18wt%のドープを作
成した。このドープ溶液からキャストフィルムを作製
し、温度235度で、2.3倍で幅自由1軸延伸し、位
相差フィルムを得た。
【0115】この位相差フィルムの膜厚は96.5μm
であり、ヘイズ0.3%、全光線透過率90%であっ
た。
【0116】この位相差フィルムは、測定波長において
短波長ほど位相差が小さくなり、且つ延伸方向が面内の
屈折率がもっとも大きくなり、屈折率異方性は正である
ことを確認した。尚、R(450)=248.0nm、
R(550)=275.6nm、R(650)=28
3.9nm、及び、R(450)/450=0.55、
R(550)/550=0.50、R(650)/65
0=0.44であった。
【0117】この位相差フィルムの耐熱性試験を行った
ところ、寸法変化、位相差値の変化はなく、位相差フィ
ルムの色差b*の絶対値は1.0以下であり、色差b*
初期値からの変化率は1.4倍であった。
【0118】この位相差フィルム1枚を用いて、PS変
換素子を作成したが、初期は良好な偏光変換特性を示し
た。しかし、作成したPS変換素子をプロジェクタに実
装して、1000時間の連続点灯試験を行ったところ、
位相差フィルムの色味変化が大きいために色ずれが生じ
た。
【0119】[比較例3]モノマー[A]と[B]を3
5:65(mol%)の比率で共重合させたポリカーボ
ネート共重合体を用いた。この共重合体と[D]:チバ・
スペシャルティ・ケミカルズ社製2,4-ジ-tert-ブチル-6
-(5-クロロベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール(製
品名TINUVIN327)を、99.0:1.0(重
量%)の比率で塩化メチレンに溶解させて18wt%の
ドープを作成した。このドープ溶液からキャストフィル
ムを作製し、温度235度で、2.3倍で幅自由1軸延
伸し、位相差フィルムを得た。
【0120】この位相差フィルムの膜厚は105.1μ
mであり、ヘイズ0.3%、全光線透過率90%であっ
た。
【0121】この位相差フィルムは、測定波長において
短波長ほど位相差が小さくなり、且つ延伸方向が面内の
屈折率がもっとも大きくなり、屈折率異方性は正である
ことを確認した。尚、R(450)=249.4nm、
R(550)=277.1nm、R(650)=28
4.3nm、及び、R(450)/450=0.55、
R(550)/550=0.50、R(650)/65
0=0.44であった。
【0122】この位相差フィルムの耐熱性試験を行った
ところ、寸法変化、位相差値の変化はないが、位相差フ
ィルムの色差b*の絶対値は1.39であり、色差b*
初期値からの変化率は1.9倍となった。
【0123】この位相差フィルム1枚を用いて、PS変
換素子を作成したが、初期は良好な偏光変換特性を示し
た。しかし、作成したPS変換素子をプロジェクタに実
装して、1000時間の連続点灯試験を行ったところ、
位相差フィルムの色味変化が大きいために色ずれが生じ
た。
【0124】[比較例4]モノマー[A]と[B]を3
5:65(mol%)の比率で共重合させたポリカーボ
ネート共重合体を用いた。この共重合体と[E]:シプロ
化成社製2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)2H
-ベンゾトリアゾール(製品名SEESORB709)
を、99.0:1.0(重量%)の比率で塩化メチレン
に溶解させて18wt%のドープを作成した。このドー
プ溶液からキャストフィルムを作製し、温度235度
で、2.3倍で幅自由1軸延伸し、位相差フィルムを得
た。
【0125】この位相差フィルムの膜厚は92.1μm
であり、ヘイズ0.3%、全光線透過率90%であっ
た。
【0126】この位相差フィルムは、測定波長において
短波長ほど位相差が小さくなり、且つ延伸方向が面内の
屈折率がもっとも大きくなり、屈折率異方性は正である
ことを確認した。尚、R(450)=248.3nm、
R(550)=275.9nm、R(650)=28
3.1nm、及び、R(450)/450=0.55、
R(550)/550=0.50、R(650)/65
0=0.44であった。
【0127】この位相差フィルムの耐熱性試験を行った
ところ、寸法変化、位相差値の変化はないが、位相差フ
ィルムの色差b*の絶対値は1.09であり、色差b*
初期値からの変化率は1.21倍となった。
【0128】この位相差フィルム1枚を用いて、PS変
換素子を作成したが、初期は良好な偏光変換特性を示し
た。しかし、作成したPS変換素子をプロジェクタに実
装して、1000時間の連続点灯試験を行ったところ、
位相差フィルムの色味変化が大きいために色ずれが生じ
た。
【0129】[比較例5]モノマー[A]と[B]を3
5:65(mol%)の比率で共重合させたポリカーボ
ネート共重合体を用いた。この共重合体と[F]チバ・ス
ペシャルティ・ケミカルズ社製 ペンタエリスリトール
テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート](製品名IRGANOX101
0)を、99.0:1.0(重量%)の比率で塩化メチ
レンに溶解させて18wt%のドープを作成した。この
ドープ溶液からキャストフィルムを作製し、温度235
度で、2.3倍で幅自由1軸延伸し、位相差フィルムを
得た。
【0130】この位相差フィルムの膜厚は98.3μm
であり、ヘイズ0.3%、全光線透過率90%であっ
た。
【0131】この位相差フィルムは、測定波長において
短波長ほど位相差が小さくなり、且つ延伸方向が面内の
屈折率がもっとも大きくなり、屈折率異方性は正である
ことを確認した。尚、R(450)=247.0nm、
R(550)=274.4nm、R(650)=28
1.5nm、及び、R(450)/450=0.55、
R(550)/550=0.50、R(650)/65
0=0.44であった。
【0132】この位相差フィルムの耐熱性試験を行った
ところ、寸法変化、位相差値の変化はないが、位相差フ
ィルムの色差b*の絶対値は1.39であり、色差b*
初期値からの変化率は1.9倍となった。
【0133】この位相差フィルム1枚を用いて、PS変
換素子を作成したが、初期は良好な偏光変換特性を示し
た。しかし、作成したPS変換素子をプロジェクタに実
装して、1000時間の連続点灯試験を行ったところ、
位相差フィルムの色味変化が大きいために色ずれが生じ
た。
【0134】[比較例6]モノマー[A]と[B]を3
5:65(mol%)の比率で共重合させたポリカーボ
ネート共重合体を用いた。この共重合体と[G]:チバ・
スペシャルティ・ケミカルズ社製 2,5-チオフェンジイ
ル(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾキサゾール)(製品名UV
ITEX OB)を、99.0:1.0(重量%)の比
率で塩化メチレンに溶解させて18wt%のドープを作
成した。このドープ溶液からキャストフィルムを作製
し、温度235度で、2.3倍で幅自由1軸延伸し、位
相差フィルムを得た。
【0135】この位相差フィルムの膜厚は97.7μm
であり、ヘイズ0.3%、全光線透過率90%であっ
た。
【0136】この位相差フィルムは、測定波長において
短波長ほど位相差が小さくなり、且つ延伸方向が面内の
屈折率がもっとも大きくなり、屈折率異方性は正である
ことを確認した。尚、R(450)=248.8nm、
R(550)=276.4nm、R(650)=28
3.6nm、及び、R(450)/450=0.55、
R(550)/550=0.50、R(650)/65
0=0.44であった。
【0137】この位相差フィルムの耐熱性試験を行った
ところ、寸法変化、位相差値の変化はないが、位相差フ
ィルムの色差b*の絶対値は5.34であり、色差b*
初期値からの変化率は2.3倍となった。
【0138】この位相差フィルム1枚を用いて、PS変
換素子を作成したが、初期は良好な偏光変換特性を示し
た。しかし、作成したPS変換素子をプロジェクタに実
装して、1000時間の連続点灯試験を行ったところ、
位相差フィルムの色味変化が大きいために色ずれが生じ
た。
【0139】[参考例1]モノマー[A]を100(m
ol%)で重合させたポリカーボネートを用いた。この
ポリカーボネートを塩化メチレンに溶解させて18wt
%のドープを作成した。このドープ溶液からキャストフ
ィルムを作製し、温度度で、1.1倍で幅自由1軸延伸
し、位相差フィルムを得た。
【0140】この位相差フィルムの膜厚は92.1μm
であり、ヘイズ0.3%、全光線透過率90%であっ
た。
【0141】この位相差フィルムは、測定波長において
短波長ほど位相差が大きくなる。また、延伸方向が面内
の屈折率がもっとも大きくなり、屈折率異方性は正であ
ることを確認した。尚、R(450)=294.4n
m、R(550)=275.1nm、R(650)=2
64.1nm、及び、R(450)/450=0.6
5、R(550)/550=0.50、R(650)/
650=0.41であった。
【0142】この位相差フィルムの耐熱性試験を行った
ところ、寸法変化、位相差値の変化はなく、高分子配向
フィルムの色差b*の絶対値は0.42であり、色差b*
の初期値からの変化率は1.1倍となった。
【0143】この位相差フィルム1枚を用いて、PS変
換素子を作成したが、偏光変換特性は悪かった。
【0144】これにより、位相差フィルム1枚で、広帯
域性を有するλ/2の特性を得ようとした場合、測定波
長において短波長ほど位相差が小さくなくてはならな
い。
【0145】以下に上記実施例、及び比較例、参考例の
結果を表として示す。表1では、ラクトン系化合物[C]
の添加量(含有量)に対する熱安定性を比較したもので
ある。表2では、添加剤である化合物に対する熱安定性
を比較したものである。表3では、光学特性および、熱
安定性、またPS変換素子とした場合でのフィルムの特
性を比較したものである。
【0146】
【表1】
【0147】
【表2】
【0148】
【表3】
【0149】
【発明の効果】本発明により、耐熱性に優れ、かつ1枚
で短波長ほど位相差が小さい位相差フィルムを得ること
が可能となった。また、この位相差フィルムをλ/2板
として用いて、偏光変換素子と組み合わせて用いること
で優れた特性を有するPS変換素子を得ることが可能と
なった。さらに、本発明の位相差フィルムを用いた製造
工程では、これまで複数枚の位相差フィルムを貼り合わ
せるために必要であった粘着剤塗布工程、裁断工程、貼
り合わせ工程が不要となるので、性能のばらつきを抑え
るとともに、低コストで製造することができた。
【0150】本発明では、常温ではもちろんのこと、高
温下においても十分な特性を有する位相差フィルムとし
て、特にλ/2板として組み合わせて用いられる反射型
液晶表示装置、反透過反射型液晶表示装置、透過型液晶
表示装置、液晶プロジェクタ、液晶表示素子等の画質の
向上に寄与することが出来るという効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/02 C08L 101/02 5D119 G02F 1/1335 510 G02F 1/1335 510 1/13363 1/13363 G11B 7/135 G11B 7/135 A (72)発明者 河田 功 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内 Fターム(参考) 2H049 BA03 BA04 BA06 BA25 BB03 BB11 BB42 BB51 BB62 BC03 BC14 BC22 2H091 FA08 FA11 FB02 LA04 4F071 AA50 AC19 AF35Y AH16 BA01 BB02 BC01 4J002 CG011 CG021 CG031 EL076 FD066 GP00 4J029 AA10 AB01 AB07 AC03 AD09 AE03 BD09A BG17X BH02 BH04 BH07 DB07 DB12 JB183 5D119 AA38 JA31 JA32

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 (式中R1、R2は、水素原子及び/又は炭素数1〜10
    のアルキル基を表し、Ar1は置換基を有してもよい炭
    素数6〜20の芳香族基を表す。)で表されるラクトン
    系化合物及び下記式(II) 【化2】 (式中のR3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、ハロ
    ゲン原子及び炭素数1〜3の炭化水素基から選ばれる少
    なくとも1種の基である。)で示されるフルオレン環基
    を有する合成高分子の配向フィルムからなる位相差フィ
    ルムであり、該ラクトン系化合物は、該合成高分子の配
    向フィルムの重量を基準として0.001重量%以上
    3.0重量%未満で含有する、熱安定性に優れた位相差
    フィルム。
  2. 【請求項2】 単層で波長λにおける位相差が下記式
    (1)を満たし、且つヘイズが3%以下である請求項1
    記載の位相差フィルム。 R(λ1)/R(λ2)< 1 (1) 〔式中、R(λ1)、R(λ2)は、ぞれぞれの波長λ
    1nm、λ2nm(400<λ1<λ2<700)にお
    ける合成高分子の配向フィルムの面内位相差である。〕
  3. 【請求項3】 合成高分子がポリカーボネートである請
    求項1または2に記載の位相差フィルム。
  4. 【請求項4】 ポリカーボネートが下記式(III) 【化3】 (上記式(III)において、R5〜R12はそれぞれ独
    立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜6の炭化水
    素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、Xは下記
    式 【化4】 であり、R13およびR14はそれぞれ独立に水素原子、ハ
    ロゲン原子及び炭素数1〜3の炭化水素基から選ばれる
    少なくとも1種の基である)で示される繰り返し単位a
    を30〜50mol%と、下記式(IV) 【化5】 (上記式(IV)において、R15〜R22はそれぞれ独立
    に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水
    素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、Yは下記
    式群である。) 【化6】 (ここでR23〜R25、R27及びR28はそれぞれ独立に水
    素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基
    から選ばれる少なくとも1種であり、R26及びR 29は炭
    素数1〜20の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種
    であり、また、Ar2〜Ar4はそれぞれ独立に炭素数6
    〜10のアリール基から選ばれる少なくとも1種の基で
    ある。)で示される繰り返し単位bが全体の70〜50
    mol%を占めるポリカーボネート共重合体及び/また
    はブレンド体である請求項1〜3のいずれかに記載の位
    相差フィルム。
  5. 【請求項5】 波長450nm、550nm、650n
    mで測定した位相差値/波長の値が、いずれも0.4〜
    0.6の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の
    位相差フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4記載の位相差フィルムを用
    いたことを特徴とする液晶表示素子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載の位相差
    フィルムを用いたことを特徴とする偏光変換素子。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の偏光変換素子において、
    請求項5記載の位相差フィルムを用いたことを特徴とす
    るPS変換素子。
  9. 【請求項9】 請求項7または8記載の偏光変換素子ま
    たはPS変換素子を用いたことを特徴とする光学装置。
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