JP2005189632A - 広視野角偏光フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 可視光の広い範囲で良好な視野角特性を有する広視野角偏光フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】 面内に屈折率の最大方位が存在する光学的異方性フィルム(A)と、膜厚方向に屈折率の最大方位が存在する光学的異方性フィルム(B)とが両方とも偏光フィルムの片側に積層されてなる広視野角偏光フィルムであって、該フィルム(A)または(B)の少なくともいずれか一方は、位相差の波長分散が制御された高分子配向フィルムを用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は従来の偏光フィルムに比べて視野角特性に優れる広視野角偏光フィルムおよびそれを用いた液晶表示装置に関する。
液晶表示装置において広く偏光フィルムは使用されている。昨今、視野角を拡大する課題に対して、液晶セルの液晶の配向方法等を工夫するなどした結果、以前に比べて液晶表示装置の視野角特性は改良されるようになった。一方、偏光フィルム自身にも視野角の問題があり、これが液晶表示装置の視野角劣化の一因であることが知られている。偏光フィルムの視野角の悪さは、偏光軸のみかけの角度が斜め入射時と正面入射時で異なることに主として起因する。この斜め入射時の軸のずれを位相差フィルムにより光学的に補償する方法が知られている。そのうちの1つの方法として、光学的に一軸性であり面内に屈折率最大方位を有する屈折率異方性が正の光学的異方性フィルムと、一軸性であり膜厚方向に屈折率最大方位を有する屈折率異方性が負の光学的異方性フィルムとを積層させることにより、偏光フィルムの視野角を拡大させる方法が下記の非特許文献1に開示されている。
Society for Information Display International Symposium Digest of Technical Papers, 1998 p. 315
本発明は、可視光の広い範囲で良好な視野角特性を有する広視野角偏光フィルムを実現することを目的とする。
前記非特許文献1においては、各光学的異方性フィルムの位相差波長分散に関する検討した結果は報告されていない。我々がこの位相差波長分散に注目し鋭意検討したところ、位相差の波長分散制御をしない場合には、可視光の広い波長範囲で偏光フィルムの前記した軸補償を行なうことが困難であり、その結果、良好な視野角特性を有する広視野角偏光フィルムを実現することが困難であることが分かった。つまり、光学的異方性フィルムの位相差の波長分散特性を制御することが重要であることを見出し本発明に到達したものである。
すなわち、面内に屈折率の最大方位が存在する(すなわち屈折率異方性が正の)光学的異方性フィルム(A)と、膜厚方向に屈折率の最大方位が存在する(すなわち屈折率異方性が負の)光学的異方性フィルム(B)のいずれもが偏光フィルムの少なくとも片側に積層されてなる偏光フィルムにおいて、その構成体の各光学的異方性フィルムの位相差波長分散特性により、例えば、550nmで最適な広視野角の設計を行っても、可視光の他の波長においては、一般に最適な構成とはならないということである。この原因は2点考えられる。まず第1点は各光学的異方性フィルムが位相差に波長分散性を有するためである。第2点はこの前記した光学的異方性フィルムが積層された偏光フィルムにおいては、2枚の光学的異方性フィルムが互いの位相差波長分散を理想的な状態へ、すなわち可視光の広い範囲で広視野角となるために必要な状態へと波長分散が変換されることが無いためである。従って、可視光の広い範囲で広視野角化を実現するためには、各光学的異方性フィルムの位相差の波長分散を最適化する必要がある。
そのような現状の問題点を解決するために、本発明の広視野角偏光フィルムは、面内に屈折率の最大方位が存在する光学的異方性フィルム(A)と、膜厚方向に屈折率の最大方位が存在する光学的異方性フィルム(B)とが両方とも偏光フィルムの片側に積層されてなる広視野角偏光フィルムであって、該フィルム(A)または(B)の少なくともいずれか一方が下記式(1)および/または(2)を満足し、かつ、該フィルム(A)の面内の屈折率の最大方位が偏光フィルムの吸収軸と平行または直交の関係になる関係を満たすことにより、目的を達成することが出来る。
0.5≦R(450)/R(550)<1 (1)
0.5≦K(450)/K(550)<1 (2)
(ここで、R(450)およびR(550)はそれぞれ波長450nmおよび550nmにおけるこの光学的異方性フィルム面内位相差であり、K(450)およびK(550)はそれぞれ波長450nmおよび550nmにおける下記式(3)
K= {(n+n)/2−n}×d (3)
(ここで、n、nおよびnは、それぞれフィルムのx軸、y軸およびz軸方向の屈折率でありそしてdはフィルムの厚み(nm)である)で定義される値(nm)である)
面内に屈折率の最大方位が存在する光学的異方性フィルム(A)と、膜厚方向に屈折率の最大方位が存在する光学的異方性フィルム(B)とが両方とも偏光フィルムの片側に積層されてなる広視野角偏光フィルムであって、該フィルム(A)または(B)の少なくともいずれか一方は、位相差の波長分散が制御された高分子配向フィルムを用いる。
位相差の波長分散が制御された特定の光学特性および構成を有する光学的異方性フィルムと偏光フィルムを組み合わせることにより、可視光の広い範囲で視野角特性の良好な広視野角偏光フィルムを得ることが可能となる。例えば、この広視野角偏光フィルムを液晶表示装置に適用することにより、偏光フィルムの視野角の問題が解決され、視野角特性の優れた液晶表示装置を提供することができる。
本発明の広視野角偏光フィルムは、偏光フィルムと光学的異方性フィルムとの積層構造を有し、かつ光学的異方性フィルムの位相差波長分散特性を制御したものである。すなわち、(a)面内に屈折率の最大方位が存在する屈折率異方性が正の光学的異方性フィルム(A)と、膜厚方向に屈折率の最大方位が存在する屈折率異方性が負の光学的異方性フィルム(B)のいずれもが偏光フィルムの少なくとも片側に積層されてなる広視野角偏光フィルムであって、(b)当該光学的異方性フィルム(A)または(B)または両方が下記式(1)または(2)または式(1)と(2)の両方を満足し、かつ(c)光学的異方性フィルム(A)の面内の屈折率最大方位が偏光フィルムの吸収軸と平行または直交であることを特徴としている。
0.5≦R(450)/R(550)<1 (1)
0.5≦K(450)/K(550)<1 (2)
ここで、R(450)およびR(550)はそれぞれ波長450nmおよび550nmにおける光学的異方性フィルム(A),(B)の面内位相差である。K(450)およびK(550)はそれぞれ波長450nmおよび550nmにおける下記式(3)
K= {(n+n)/2−n}×d (3)
で定義される値(nm)である。
ここで、n、nおよびnは、それぞれフィルムのx軸、y軸およびz軸方向の屈折率でありそしてdはフィルムの厚み(nm)である。
本発明で用いられる光学的異方性フィルムの特性として、R、K値の絶対値が0に近い場合には、測定誤差が大きくなる場合があり、その場合には上記式で定義される値の信頼性に問題が生じることが懸念される。『光学的異方性フィルム(A)または(B)のフィルムの少なくともいずれか一方が上記式(1)および/または(2)を満足する』とした説明における『および/または』とした理由は、このようなR、K値の絶対値が0に近い場合における問題において、本発明において用いられる光学的異方性フィルムのR,Kの絶対値がいずれも0に近いということはまず無いので、式(1)または(2)のいずれかで評価すればよいからである。
一般に光学的異方性フィルムの三次元屈折率とは、n,n,nで表されるが、本発明においては、
:光学的異方性フィルム面内における屈折率最大方位の屈折率
:光学的異方性フィルム面内におけるnx方位に直交する方位の屈折率
:光学的異方性フィルム表面に対し法線方向の屈折率
と定義する。従って、面内に屈折率の最大方位が存在する屈折率異方性が正の光学的異方性フィルム(A)とは、この三次元屈折率を用いると下記式(9)により表される。
>n (9)
同様にして、膜厚方向に屈折率の最大方位が存在する屈折率異方性が負の光学的異方性フィルム(B)は下記式(10)により表現される。
<n (10)
この三次元屈折率は、光学的異方性フィルムに偏光を入射して得られる出射光の偏光状態を解析する手法である偏光解析法により測定されるが、本発明では光学的異方性フィルムの光学異方性を屈折率楕円体と見なして公知の屈折率楕円体の式により求める方法によりこの三次元屈折率を求めている。この三次元屈折率は使用する光源の波長依存性があるので、使用する光源波長で定義することが好ましく、本発明では550nmとしている。また、前記n方位をフィルム面内の遅相軸と定義する。
好ましくは光学的異方性フィルム(A)は下記式(21)
>n≧n (21)
を満足し、光学的異方性フィルム(B)は下記式(22)
≦n<n (22)
を満足することである。
光学的異方性フィルム(A)、(B)の位相差波長分散特性がいずれも上記式(1)、(2)を満足しない場合には、例えば、550nmで設計を行なえば、その波長だけでは広視野角化が達成できるものの、それ以外の波長では広視野角が達成できない。すなわち、本発明の目的である可視光の広い範囲で広視野角となる広視野角偏光フィルムを得ることが出来ない。
また、本発明の広視野角偏光フィルムでは、偏光フィルムの吸収軸と光学的異方性フィルム(A)の遅相軸は平行または直交であることが必要である。偏光フィルムの吸収軸と光学的異方性フィルム(A)の遅相軸が直交、平行でない場合には、広視野角化が困難となるばかりか、光学的異方性フィルム(A)が面内に持つ位相差により、液晶表示装置のコントラストを著しく劣化させる場合がある。
光学的異方性フィルム(A),(B)の位相差波長分散としてより好ましくは、光学的異方性フィルム(A)が上記式(1)及び(2)を満足し、光学的異方性フィルム(B)が上記式(2)を満足することである。また、光学的異方性フィルム(B)のR(550)は10nm以下であることが好ましく、より好ましくは7nm以下、さらに好ましくは5nm以下、最も好ましくは3nm以下である。R(550)が十分小さければ、フィルム面内の異方性は無視できるため、光学的異方性フィルム(B)の遅相軸と他のフィルムの光学軸との貼合角度は任意とすることが出来る。
また、本発明の広視野角偏光フィルムにおける各光学フィルムの積層順序については、偏光フィルム、光学的異方性フィルム(B)、光学的異方性フィルム(A)がこの順番に積層されているか、あるいは、偏光フィルム、光学的異方性フィルム(A)、光学的異方性フィルム(B)の順番に積層されているか、いずれでもよく、目的に応じて選択される。これらの各フィルムは粘着剤や接着剤により貼合されることが好ましい。各光学フィルムの積層順序および貼合角度としてより好ましくは、偏光フィルム、光学的異方性フィルム(B)、光学的異方性フィルム(A)がこの順番に積層されてなり、かつ偏光フィルムの吸収軸と光学的異方性フィルム(A)の遅相軸が平行であるか、または、偏光フィルム、光学的異方性フィルム(A)、光学的異方性フィルム(B)がこの順番に積層されてなり、かつ偏光フィルムの吸収軸と光学的異方性フィルム(A)の遅相軸が直交することが好ましい。
また、光学的異方性フィルム(A)および光学的異方性フィルム(B)は、いずれも一軸性であることがより好ましい。ここで、光学的異方性フィルム(A)および光学的異方性フィルム(B)が一軸性であるとは、先述の三次元屈折率を用いると、光学的異方性フィルム(A)、(B)はそれぞれ下記式(11)、(12)により表される。
>n=n (11)
=n<n (12)
本発明においては上記式(21)、(22)の好ましい形が上記式(11)、(12)である。上記式(11)においてnとnが等しいという意味は、少なくとも小数点第3位、好ましくは小数点第4位まで両者が一致することを指す。一般に光学的異方性フィルムには高分子材料が使用されているが、一般に高分子材料は二軸性のものよりも、一軸性のものの方が量産性に優れており、その観点から、本発明における光学的異方性フィルムは一軸性のものを使用することが好ましい。
光学的異方性フィルム(A)、(B)の位相差波長分散としてより好ましくは、いずれか一方が下記式(4)および/または(5)を満足することである。
0.7≦R(450)/R(550)≦0.9 (4)
0.7≦K(450)/K(550)≦0.9 (5)
これらの条件を満足することにより、より可視光の広い範囲で広視野角を得ることが可能となる。光学的異方性フィルム(A),(B)の位相差波長分散としてより好ましくは、光学的異方性フィルム(A)が上記式(4)、(5)を満足し、光学的異方性フィルム(B)が上記式(5)を満足することである。
光学的異方性フィルムの異方性の大きさは、光学的異方性フィルム(A)が下記式(6)を、(B)が下記式(7)をそれぞれ満足することが好ましい。
50nm<R(550)<300nm (6)
−200nm<K(550)<−30nm (7)
より好ましくは、光学的異方性フィルム(A)が下記式(13)を、さらに好ましくは下記式(14)を満足することである。
60nm<R(550)<250nm (13)
70nm<R(550)<210nm (14)
また、光学的異方性フィルム(B)として、より好ましくは下記式(15)を、さらに好ましくは下記式(16)を満足することである。
−180nm<K(550)<−40nm (15)
−170nm<K(550)<−50nm (16)
光学的異方性フィルムの異方性の大きさは、偏光フィルムの保護フィルムの光学異方性、あるいは液晶表示装置の構成等を勘案して決定されるべきであるが、いずれにしても上記R(550),K(550)の範囲内で選択されることが好ましく、また、光学的異方性フィルム(A),(B)の少なくともいずれか一方が前記式(1)及びまたは(2)を満足することが必要である。
光学的異方性フィルムの材料は高分子材料であることが好ましく、光学的異方性フィルム(A)、(B)の少なくともいずれか一方が延伸によって製造された高分子配向フィルムからなることがより好ましい。特に、上記式(1)及び/または(2)を満足する光学的異方性フィルムは延伸によって製造された高分子配向フィルムからなることが好ましい。延伸された高分子配向フィルムは自己保持性があり、例えば、偏光フィルムの保護フィルムを兼ねることも可能である。
上記式(1)及び/または(2)を満足する光学的異方性フィルムとしては、熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネート、ポリアリレート、アモルファスポリオレフィン、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースブチレート等の有機酸セルロース等が挙げられる。
ここで、上記熱可塑性樹脂としては、正の屈折率異方性を有する高分子を形成するモノマー単位(以下、第1のモノマー単位という。)と負の屈折率異方性を有する高分子を形成するモノマー単位(以下、第2のモノマー単位という。)とを含む高分子から構成されるフィルムであって、
(P)該第1のモノマー単位に基づく高分子のR(450)/R(550)は、該第2のモノマー単位に基づく高分子のR(450)/R(550)よりも小さく、かつ
(Q)縦幅自由一軸延伸において正の屈折率異方性を示す、
高分子配向フィルムからなるか、または、
(R)該第1のモノマー単位に基づく高分子のR(450)/R(550)は、該第2のモノマー単位に基づく高分子のR(450)/R(550)よりも大きく、かつ
(S)縦幅自由一軸延伸において負の屈折率異方性を示す、
ような高分子配向フィルムからなることが好ましい。
上記条件(P)および(Q)を満足するものは、一軸または二軸延伸により上記式(1)及び/または(2)を満足する光学的異方性フィルム(A)を容易に得ることができる。一方、膜厚方向にも高分子主鎖を配向させることにより上記式(1)及び/または(2)を満足する光学的異方性フィルム(B)も得ることが出来る。また、上記条件(R)および(S)を満足するものは、一軸または二軸延伸により上記式(1)及び/または(2)を満足する光学的異方性フィルム(B)を容易に得ることができる。一方、膜厚方向にも高分子主鎖を配向させることにより上記式(1)及び/または(2)を満足する光学的異方性フィルム(A)も得ることが出来る。
なお、高分子主鎖を膜厚方向にも配向させるような延伸は、通常の一軸、二軸延伸よりも困難であるので、光学的異方性フィルム(A)としては、上記条件(P),(Q)を満足するものが好ましく、光学的異方性フィルム(B)としては上記条件(R),(S)を満足するものが好ましい。
上記条件を満足する一例としてポリカーボネートについて説明する。ポリカーボネートとしては、例えばフルオレン骨格を有するポリカーボネートからなるものが挙げられる。具体例としては、下記式(I)
Figure 2005189632
で示される繰り返し単位を30〜90モル%と、下記式(III)
Figure 2005189632
で示される繰り返し単位が全体の70〜10モル%を占めるポリマー及びポリマー混合物からなることが好ましい。もちろん、共重合体も含まれる。
上記式(I)において、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及びメチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基などの炭素数1〜6の炭化水素基である。Xは下記式(II)
Figure 2005189632
で表されるフルオレン環である。R30およびR31は、互いに独立に、ハロゲン原子またはメチル基等の炭素数1〜3のアルキル基であり、そしてnおよびmは互いに独立に、0〜4の整数である。
上記式(III)において、R〜R16はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれ、Yは下記式群
Figure 2005189632
からなる群から選ばれる少なくとも一種の基である。
ここで、R17〜R19、R21,R22はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基などの炭素数1〜22の炭化水素基であり、R20及びR23はそれぞれ独立に、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基などの炭素数1〜20の炭化水素基である。Ar〜Arはそれぞれ独立に、フェニル基等の炭素数6〜10のアリール基である。
ここで、上記式(I)で表される繰り返し単位は負の屈折率異方性を示す第2のモノマー単位に相当し、上記式(III)で表される繰り返し単位は正の屈折率異方性を示す第1のモノマー単位に相当する。そして、ポリマーの製造条件、高分子配向フィルムの製造条件等によるが、例えば、上記式(I)で表される繰り返し単位の割合が繰り返し単位全体のおよそ40〜80モル%であり、上記式(III)で表される繰り返し単位の割合が繰り返し単位全体のおよそ20〜60モル%である上記ポリカーボネートは、一軸延伸または二軸延伸等の延伸条件によって、上記条件(P)及び(Q)を満足するかまたは上記条件(R)及び(S)を満足する高分子配向フィルムからなる、所望の特性を有する光学的異方性フィルム(A)または(B)を提供することができる。なお、延伸倍率や延伸温度はポリマーの構造、Tg、機械的特性などに応じて適宜設定される。より具体的な条件は後述の実施例によって十分明確に記載されている。
特に、上記式(I)で表される繰り返し単位は、下記式(I)−1
Figure 2005189632
で表される繰り返し単位であり、上記式(III)で表される繰り返し単位は、下記式(III)−1
Figure 2005189632
で表される繰り返し単位であることが好ましい。
上記式(I)−1において、R24およびR25はそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基である。好ましくは、R24とR25の両方がメチル基である。
上記式(III)−1において、R26とR27はそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基である。好ましくは水素原子である。
上記式(I)−1で表される繰り返し単位の割合が、おおよそ50〜75モル%であり、上記式(III)−1表される繰り返し単位の割合が、おおよそ50〜25モル%であることが、本発明における光学的異方性フィルム(A)および(B)、特に(A)を得るという点において好ましい。
また、前記式(1)及び/または(2)を満足する光学的異方性フィルムを構成する上記ポリカーボネート以外のポリカーボネートとしては、下記式(IV)
Figure 2005189632
で表わされる繰返し単位と上記式(III)で表される繰り返し単位からなる高分子配向フィルムであって、該ポリカーボネートを構成する全繰り返し単位を100モル%としたとき、上記式(IV)で表される繰り返し単位の割合は50〜90モル%であり、上記式(III)で表される繰り返し単位の割合は10〜50モル%である高分子配向フィルムが例示できる。好ましくは、上記式(IV)で表される繰り返し単位の割合が60〜90モル%であり、上記式(III)で表される繰り返し単位の割合が10〜40モル%である。
ここで、上記式(IV)中、R40及びR41はそれぞれ独立に、メチル基等の炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表し、そしてlおよびkは互いに独立に、0〜3の整数である。(IV)を含んだポリカーボネートは、光学異方性が負で上記式(1)及び/または(2)を満足することが可能であり、光学的異方性フィルム(B)として好ましく用いられる。
さらには、上記式(IV)、(III)及び(I)で表される繰り返し単位からなるポリカーボネートであって、それらの割合が、上記式(IV)は60〜70モル%、上記式(III)は20〜30モル%、上記式(I)は5〜15モル%であって、かつ上記式(IV)、(III)及び(I)で表される繰り返し単位の割合の合計は100モル%であることも好ましい。 本発明における光学的異方性フィルム(A),(B)は、その少なくとも一方が前記式(1)または(2)を満足するものである。光学的異方性フィルム(A),(B)が前記式(1)または(2)のどちらも満足しない場合の光学的異方性フィルムを構成するポリマーとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも用いることができる。例えば、アモルファスポリオレフィン、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリアミド、ポリマレイン酸等を用いることが出来るが、これに限定されない。特に、ポリスチレンはシンジオタクチック、アタクチック、アイソタクチックのいずれも、負の光学的異方性フィルム(B)を製造しやすく好ましい。また、同様に、ポリスチレンとポリフェニレンオキサイドのブレンドも負の光学的異方性フィルム(B)を作成しやすく好ましく用いられる。
光学的異方性フィルム(A)及び(B)の好ましい組み合わせ例としては、光学的異方性フィルム(A)としては、フルオレン骨格を有するポリカーボネートであって前記式(1)を満足するものであることが好ましく、また、光学的異方性フィルム(B)としては、負の光学的異方性を有するポリカーボネート、ポリスチレン、ポリスチレンとポリフェニレンオキサイドとのブレンド、高分子液晶を膜厚方向にホメオトロピック配向させたもの等が好ましい。ホメオトロピック配向の高分子液晶としては、高分子を溶媒に溶かして基板上に塗布し配向処理したものや、あるいは重合性液晶をあらかじめホメオトロピック配向させた後、紫外線硬化させるもの等が好適に用いられる。
光学的異方性フィルムを与える高分子材料の吸水率は1重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.8重量%以下、さらに好ましくは、0.5重量%以下である。吸水率が高い高分子を用いた場合には、湿熱試験において額縁現象が顕著に見られる場合がある。
光学的異方性フィルム(A)が延伸された高分子配向フィルムからなる場合には、生産性の観点から、フィルム幅方向に対して平行方向または垂直方向にフィルム面内の遅相軸が存在しているロール状の形態にできるフィルムであることが好ましい。広く一般に使用されているヨウ素を用いた偏光フィルムは、連続縦一軸延伸プロセスによって作られるため、一般にロールの流れ方向と垂直方向に透過軸がある。従って、前記した偏光フィルムの吸収軸と光学的異方性フィルムの遅相軸を平行または直交にして使用する場合、偏光フィルムと光学的異方性フィルムをロールツウロール方式で粘着層あるいは接着層を介して貼合して、本発明の広視野角偏光フィルムを製造できれば、非常に生産性がよくなる。これを実現するためには、ロール状の光学的異方性フィルムの遅相軸が、フィルムの幅方向またはそれに直交する方向にあることが必要である。なお、ここでいう遅相軸は、面内の屈折率の最大方向の方位の方向をいう。
本発明において用いられる光学的異方性フィルムは透明であることが好ましく、ヘーズ値は3%以下、好ましくは1%以下、全光線透過率は85%以上、好ましくは90%以上であることが好ましい。
かかる光学的異方性フィルム中には、さらに、フェニルサリチル酸、2−ヒドロキシベンゾフェノン、トリフェニルフォスフェート等の紫外線吸収剤や、色味を変えるためのブルーイング剤、酸化防止剤等を含有してもよい。また位相差の波長分散性を制御するような化合物(例えば液晶など)を含有してもよい。
本発明に用いられる光学的異方性フィルムの膜厚は、1μmから2000μmであることが好ましい。なお、本発明における光学的異方性フィルムは「シート」、「板」といわれるいずれのものも含む意味で用いられている。ただし、フィルムのハンドリングを含めて考えると、膜厚は10〜300μmが好ましく、より好ましくは20〜200μm、さらに好ましくは25〜150μmである。
偏光フィルムとしては、光学的に一軸性のものが好適に用いられる。その具体的な材料としては延伸高分子中に二色性色素が配向、分散されているものが好ましく、延伸高分子として、好ましくはポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレン等であり、二色性色素としてはヨウ素、合成色素等が用いられる。この延伸高分子の厚みは0.1〜200μm、好ましくは1〜100μmであり、延伸高分子を保護するために、少なくともこの延伸高分子の片側に保護フィルムを設けても良い。この保護フィルムはセルロース有機酸エステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン等が好適に用いられる。また、この保護フィルムは本発明の光学的異方性フィルムが兼ねても良い。
本発明の広視野角偏光フィルムの製造方法としては、面内に屈折率の最大方位が存在する光学的異方性フィルム(A)と、膜厚方向に屈折率の最大方位が存在する光学的異方性フィルム(B)と、偏光フィルムとを、例えば、接着剤や粘着剤を用いた接着層を介して積層することにより製造することができる。この場合、該フィルム(A)の面内の屈折率の最大方位が偏光フィルムの吸収軸と平行または直交の関係にあるように積層させる。
光学的異方性フィルム(A)と(B)との間には光学的異方性媒質は存在しないことが好ましい。
また、本発明の広視野角偏光フィルムは、透過型、反射型、半透過反射型液晶表示装置、ベンド配向セル、垂直配向セル、インプレインスイッチングモードセル、強誘電液晶モードセル、反強誘電液晶モードセル等あらゆる液晶セルに対して、効果を発揮することが可能である。さらに、液晶プロジェクター等の中で用いられる光学フィルムとして用いることも出来る。
次に、添付図面を参照しつつ、本発明の広視野角偏光フィルムをインプレインスイッチングモードの液晶表示装置に適用した例を図1に記す。図1中、1は本発明の広視野角偏光フィルム、2は偏光フィルム、3は光学的異方性フィルム(A),4は光学的異方性フィルム(B)、5は平行配向液晶セル、6は偏光フィルムそして7はバックライトである。また、二枚の偏光板の透過軸は直交するように配置し、光学的異方性フィルム(A)の遅相軸と偏光フィルム2の吸収軸は平行としている。
本発明の広視野角偏光フィルムは、液晶表示装置中においてさらに他の位相差フィルム、例えば、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリスルホン、セルロースアセテートからなる位相差フィルムや、高分子液晶を光学的異方性フィルム、偏光フィルムの保護フィルム、または、偏光フィルム上等形成したもの、ネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、ディスコチック液晶、ライオトロピック液晶を配向硬化させたもの等と組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の広視野角偏光フィルムは、液晶表示装置だけでなく、有機エレクトロルミネッセンス素子、プラズマディスプレイ、電界発光素子、CRT等の発光素子や電気泳動素子、プロジェクターの光学エンジン、光ピックアップ、撮像素子、光演算素子、光記録再生装置、光記録再生媒体等に用いられる広視野角偏光フィルムとして好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(評価法)
本明細書中に記載の材料特性値等は以下の評価法によって得られたものである。
(1)位相差値(R=Δn・d(nm))、K値の測定
複屈折Δnと膜厚dの積である位相差R値およびNzは、分光エリプソメータである日本分光(株)製の商品名『M150』により測定した。R値は入射光線とフィルム表面が直交する状態で測定した。また、K値(nm)は入射光線とフィルム表面の角度を変えることにより、各角度での位相差値を測定し、公知の屈折率楕円体の式でカーブフィッチングすることにより三次元屈折率であるn,n,nを求め、下記式(4)に代入することにより求めた。
K=((n+n)/2−n)*d (3)
(n、n、nおよびdの定義は前記と同じである)
(2)高分子共重合比の測定
日本電子社製の『JNM−alpha600』のプロトンNMRにより測定した。特にビスフェノールAとビスクレゾールフルオレンの共重合体の場合には、溶媒として重ベンゼンを用い、それぞれのメチル基のプロトン強度比から算出した。
(3)偏光フィルム評価
偏光フィルムをクロスニコル間に、光学的異方性フィルム(A)と(B)を挟み、クロス二コル偏光フィルムの視野角特性を大塚電子(株)製LCD5100にて測定を実施した。クロス二コル偏光フィルムの斜め入射における光漏れは、偏光軸に対し、面内方位角45°方位が最大となるめ、この方位でかつ入射角を60°とした際の透過スペクトルを測定し、視野角改善程度を判断することにした。なお、図2は偏光フィルムの評価における光学系を記す。なお、図2中、11,12は偏光フィルム、13は光学的異方性フィルム(A)、14は光学的異方性フィルム(B)、15は光学的異方性フィルム(A)の面内の屈折率最大方位、16は光学的異方性フィルム(B)の膜厚方向の屈折率方位を、17は入射光をそれぞれ示す。また、内側の偏光フィルムの保護フィルムは用いていない。
(4)高分子の重合
また、以下の実施例、比較例で用いたポリカーボネートのモノマー構造を以下に記す。
Figure 2005189632
[合成例1]
ポリカーボネートの重合は公知のホスゲンを用いた界面重縮合法によって行われた。攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた反応槽に水酸化ナトリウム水溶液およびイオン交換水を仕込み、これに上記構造を有するモノマー[A]と[B]を表1のモル比で溶解させ、少量のハイドロサルファイトを加えた。次にこれに塩化メチレンを加え、20℃でホスゲンを約60分かけて吹き込んだ。さらに、p−tert−ブチルフェノールを加えて乳化させた後、トリエチルアミンを加えて30℃で約3時間攪拌して反応を終了させた。反応終了後有機相分取し、塩化メチレンを蒸発させてポリカーボネートX,Y,Zを得た。得られた共重合体、重合体の組成比は表1のモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。
Figure 2005189632
[実施例1]
光学的異方性フィルム(A)としては高分子Xを、光学的異方性フィルム(B)としてはアタクチックポリスチレンを用いた。この高分子Xをメチレンクロライドに溶解させ、固形分濃度18重量%のドープ溶液を作製した。このドープ溶液からキャストフィルムを作製し未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムの残留溶媒量は0.9重量%であった。さらにこのフィルムを温度230℃で縦一軸延伸機にて1.9倍に延伸し、光学的異方性フィルム(A)を得た。また、光学的異方性フィルム(B)においても同様にして、まずメチレンクロライドに溶解させ固形分濃度26重量%のドープ溶液を作製した。このドープ溶液からキャストフィルムを作製し未延伸フィルムを得た。さらにこのフィルムを温度120℃で1.2倍の同時二軸延伸を行うことにより、光学的異方性フィルム(B)を得た。得られたフィルムの光学特性は表2に記す。
さらに、光学的異方性フィルム(A)と(B)を図2の構成のごとく、透明なアクリル系粘着剤を用いて貼合し、視野角特性の評価を実施した。結果を図3に記す。斜め入射においても、可視光の広い範囲で透過率が小さいことが判った。
[実施例2]
光学的異方性フィルム(A)としては実施例1記載の光学的異方性フィルム(A)と同じものを用いた。また、光学的異方性フィルム(B)としては実施例1と同様に高分子Xをメチレンクロライドに溶解させ、固形分濃度18重量%のドープ溶液を作製した後、このドープ溶液からキャストフィルムを作製し未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムの残留溶媒量は0.9重量%であった。さらにこのフィルムを温度233℃で1.6倍の同時二軸延伸により光学的異方性フィルム(B)を得た。実施例2で用いたフィルムの光学特性は表2に記す。
さらに、光学的異方性フィルム(A)と(B)を図2の構成のごとく、透明なアクリル系粘着剤を用いて貼合し、視野角特性の評価を実施した。結果を図3に記す。斜め入射においても、可視光の広い範囲で透過率が小さいことが判った。
[参考例1]
図2の構成で偏光フィルムの間の光学的異方性フィルムを除いた構成、すなわち、偏光フィルムのクロス二コル時における斜め入射時の透過スペクトルを図3に記す。
[比較例1]
光学的異方性フィルム(A)としては表1の高分子Yを用いた。この高分子Yをメチレンクロライドに溶解させ、固形分濃度18重量%のドープ溶液を作製した。このドープ溶液からキャストフィルムを作製し未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムの残留溶媒量は0.7重量%であった。さらにこのフィルムを温度162℃で縦一軸延伸機にて1.1倍に延伸し、光学的異方性フィルム(A)を得た。光学的異方性フィルム(B)としては実施例1記載のアタクチックポリスチレンと同じフィルムを用いた。用いたフィルムの光学特性は表2に記す。
さらに、光学的異方性フィルム(A)と(B)を図2の構成のごとく、透明なアクリル系粘着剤を用いて貼合し、視野角特性の評価を実施した。結果を図4に記す。斜め入射において特に短波長側で透過率が高く、透過光の着色が強く、本発明の広視野角偏光フィルムが得られないことが判った。
[比較例2]
光学的異方性フィルム(A)としては比較例1と同じものを用いた。光学的異方性フィルム(B)としては、表1の高分子Zを用いた。この高分子Zをメチレンクロライドに溶解させ、固形分濃度18重量%のドープ溶液を作製した。このドープ溶液からキャストフィルムを作製し未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムの残留溶媒量は0.7重量%であった。さらにこのフィルムを温度235℃で1.5倍の同時二軸延伸により光学的異方性フィルム(B)を得た。用いたフィルムの光学特性は表2に記す。
さらに、光学的異方性フィルム(A)と(B)を図2の構成のごとく、透明なアクリル系粘着剤を用いて貼合し、視野角特性の評価を実施した。結果を図4に記す。斜め入射において特に短波長側で透過率が高く、透過光の着色が強く、本発明の広視野角偏光フィルムが得られないことが判った。
[比較例3]
光学的異方性フィルム(B)としては比較例1と同じものを用いた。光学的異方性フィルム(A)としては、表1の高分子Zを用いた。この高分子Zをメチレンクロライドに溶解させ、固形分濃度18重量%のドープ溶液を作製した。このドープ溶液からキャストフィルムを作製し未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムの残留溶媒量は0.7重量%であった。さらにこのフィルムを温度233℃で2.3倍の縦一軸延伸により光学的異方性フィルム(A)を得た。用いたフィルムの光学特性は表2に記す。
さらに、光学的異方性フィルム(A)と(B)を図2の構成のごとく、透明なアクリル系粘着剤を用いて貼合し、視野角特性の評価を実施した。結果を図4に記す。斜め入射において特に短波長側で透過率が高く、透過光の着色が強く、本発明の広視野角偏光フィルムが得られないことが判った。
Figure 2005189632
本発明によれば、面内に屈折率の最大方位が存在する光学的異方性フィルム(A)と、膜厚方向に屈折率の最大方位が存在する光学的異方性フィルム(B)とが両方とも偏光フィルムの片側に積層されてなり、該フィルム(A)または(B)の少なくともいずれか一方は、位相差の波長分散が制御された光学的異方性フィルムを用いることにより、可視光の広い範囲で視野角特性の良好な広視野角偏光フィルムを得ることが可能となる。例えば、この広視野角偏光フィルムを液晶表示装置に適用することにより、偏光フィルムの視野角の問題が解決され、視野角特性の優れた液晶表示装置を提供することができる。本発明の広視野角偏光フィルムは、液晶表示装置だけでなく、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子、プラズマディスプレイ等の発光素子や電気泳動素子、プロジェクターの光学エンジン、光ピックアップ等に有用である。
本発明の広視野角偏光フィルムをインプレインスイッチングモードの液晶表示装置に適用した一例の断面概略図である。 本発明の広視野角偏光フィルムの評価における光学系の概念図である。 本発明の実施例1,2及び参考例1における広視野角偏光フィルムの波長に対する透過率を表すグラフである。 比較例1,2及び3における広視野角偏光フィルムの波長に対する透過率を表すグラフである。
符号の説明
1:広視野角偏光フィルム
2:偏光フィルム
3:光学的異方性フィルム(A)
4:光学的異方性フィルム(B)
5:平行配向液晶セル
6:偏光フィルム
7:バックライト
11:偏光フィルム
12:偏光フィルム
13:光学的異方性フィルム(A)
14:光学的異方性フィルム(B)
15:光学的異方性フィルム(A)の面内の屈折率最大方位
16:光学的異方性フィルム(B)の膜厚方向の屈折率方位
17:入射光

Claims (11)

  1. 面内に屈折率の最大方位が存在する光学的異方性フィルム(A)と、膜厚方向に屈折率の最大方位が存在する光学的異方性フィルム(B)とが両方とも偏光フィルムの片側に積層されてなる広視野角偏光フィルムであって、該フィルム(A)または(B)の少なくともいずれか一方が下記式(1)および/または(2)を満足し、かつ、該フィルム(A)の面内の屈折率の最大方位が偏光フィルムの吸収軸と平行または直交の関係にあることを特徴とする広視野角偏光フィルム。
    0.5≦R(450)/R(550)<1 (1)
    0.5≦K(450)/K(550)<1 (2)
    (ここで、R(450)およびR(550)はそれぞれ波長450nmおよび550nmにおけるこの光学的異方性フィルム面内位相差であり、K(450)およびK(550)はそれぞれ波長450nmおよび550nmにおける下記式(3)
    K= {(n+n)/2−n}×d (3)
    (ここで、n、nおよびnは、それぞれフィルムのx軸、y軸およびz軸方向の屈折率でありそしてdはフィルムの厚み(nm)である)で定義される値(nm)である)
  2. 偏光フィルム、光学的異方性フィルム(B)、光学的異方性フィルム(A)の順番に積層されてなることを特徴とする請求項1記載の広視野角偏光フィルム。
  3. 偏光フィルム、光学的異方性フィルム(A)、光学的異方性フィルム(B)の順番に積層されてなることを特徴とする請求項1記載の広視野角偏光フィルム。
  4. 光学的異方性フィルム(A)および光学的異方性フィルム(B)がいずれも一軸性であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の広視野角偏光フィルム。
  5. 光学的異方性フィルム(A)または(B)の少なくともいずれか一方が下記式(4)および/または(5)を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の広視野角偏光フィルム。
    0.7≦R(450)/R(550)≦0.9 (4)
    0.7≦K(450)/K(550)≦0.9 (5)
  6. 光学的異方性フィルム(A)が下記式(6)を、(B)が下記式(7)をそれぞれ満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の広視野角偏光フィルム。
    50nm<R(550)<300nm (6)
    −200nm<K(550)<−30nm (7)
  7. 光学的異方性フィルム(A)が下記式(1)を満たし、かつ光学的異方性フィルム(B)が下記式(2)を満足することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の広視野角偏光フィルム。
    0.5≦R(450)/R(550)<1 (1)
    0.5≦K(450)/K(550)<1 (2)
  8. 光学的異方性フィルム(A)、(B)の少なくともいずれか一方が延伸によって製造された高分子配向フィルムからなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の広視野角偏光フィルム。
  9. 高分子配向フィルムがフルオレン環を含むポリカーボネートからなる請求項8記載の広視野角偏光フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の広視野角偏光フィルムを備えた液晶表示装置。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の広視野角偏光フィルムとして用いられる光学的異方性フィルム。
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