JP2002156528A - 熱可塑性高分子フィルム - Google Patents

熱可塑性高分子フィルム

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JP2002156528A
JP2002156528A JP2001254121A JP2001254121A JP2002156528A JP 2002156528 A JP2002156528 A JP 2002156528A JP 2001254121 A JP2001254121 A JP 2001254121A JP 2001254121 A JP2001254121 A JP 2001254121A JP 2002156528 A JP2002156528 A JP 2002156528A
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Akihiko Uchiyama
昭彦 内山
Takashi Kushida
尚 串田
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、フィルム一枚で測定波長が
短いほど位相差が小さくなる位相差フィルム用に特に好
適なフィルムをを提供することにある。 【解決手段】 熱可塑性高分子からなる単層配向フィル
ムであって、吸水率が1重量%以下であってかつ該配向
フィルム自体で波長450nm及び550nmにおける
位相差が下記式(1)及び/又は(2)を満たすことを
特徴とする熱可塑性高分子フィルム。 R(450)/R(550)<1 (1) K(450)/K(550)<1 (2) (式中、R(450)及びR(550)はそれぞれ波長
450nm及び550nmにおける配向フィルムの面内
位相差であり、K(450)及びK(550)はそれぞ
れ波長450nm及び550nmにおける配向フィルム
のK=[nz−(nx+ny)/2]×d(式中、n
x、ny、nzは配向フィルムの三次元屈折率であり、
dはフィルムの厚さである。)で計算される値であ
る。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置、防眩
フィルム、光記録装置等の光学素子において用いられ
る、位相差値が測定波長400〜700nmにおいて、
位相差が短波長ほど小さい位相差フィルム用に適したフ
ィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】位相差フィルムは液晶表示装置のSTN(ス
ーパーツイステッドネマチック)方式等に用いられ、色
補償、視野角拡大等の問題を解決するために用いられて
いる。一般に、色補償用の位相差フィルムの材料として
はポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスル
ホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフ
ィン等が用いられ、視野角拡大用の位相差フィルム材料
としては前記した材料に加えて高分子液晶、デイスコチ
ック液晶等が用いられている。
【0003】位相差フィルムの一種である四分の一波長
板は、円偏光を直線偏光に、直線偏光を円偏光に変換す
ることが出来る。これは、液晶表示装置特に観測者側か
ら見て裏面側の電極を反射電極とした偏光板一枚板の反
射型液晶表示装置や、偏光板と四分の一波長板とを組み
合わせたことからなる反射防止フィルム、また、コレス
テリック液晶等からなる右または左回りのどちらか一方
の円偏光のみを反射する反射型偏光板等と組み合わされ
て用いられるようになっている。
【0004】上記した偏光板一枚型の反射型液晶表示装
置や反射型偏光板において用いられる位相差フィルム
は、可視光領域である測定波長 400〜700 nm好ましくは
400〜780 nmにおいて直線偏光を円偏光に、円偏光を直
線偏光に変換する作用を有する必要がある。これを位相
差フィルム一枚で実現しようとすると、測定波長λ= 4
00〜700 nm好ましくは 400〜780 nmにおいて位相差がλ
/4(nm)となることがその位相差フィルムの理想であ
る。
【0005】一般に四分の一波長板としては、上記した
色補償用の位相差フィルム材料等が用いられるが、これ
らの材料は複屈折に波長分散を持っている。一般に高分
子フィルムの複屈折は測定波長が短波長ほど大きく、長
波長ほど小さくなる。それゆえ、高分子フィルム1枚だ
けで測定波長λ= 400〜700 nmにおいて、前記した理想
的な四分の一波長板のように測定波長が短いほど複屈折
が小さくなるものを得ることは困難であった。
【0006】理想的な四分の一波長板のように測定波長
が短いほど複屈折が小さくなるフィルムを得るために、
特開平10−68816 号公報には四分の一波長板と二分の一
波長板を適当な角度で貼り合わせて用いるといった技
術、また、特開平2−285304号公報にはアッベ数の異な
る二枚の位相差フィルムを積層するといった技術等が開
示されている。
【0007】前記した理想的な四分の一波長板のように
測定波長が短いほど位相差が小さくなるフィルムを得る
ためには、現状技術ではフィルムを二枚使わなくてはな
らず、フィルム貼り合わせ工程の増加やコスト増、光学
設計上の負荷増大等の問題がある。また、特開平3−29
921 号公報には、少なくとも二種類の有機高分子の混合
体あるいは共重合体フィルムを一軸延伸してなる位相差
フィルムであって、前記二種類の有機高分子のうち第一
の有機高分子は正の光弾性係数を有し、第二の有機高分
子は負の光弾性係数を有することにより、測定波長が短
いほど複屈折が大きくなる位相差フィルムが開示されて
いるが、測定波長が短いほど複屈折を小さくする方法に
ついては何ら言及していない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような課
題を解決し、フィルム一枚で測定波長が短いほど位相差
が小さくなる位相差フィルム用に特に好適なフィルムを
実現出来るようにするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために特に位相差フィルム用の高分子材料を鋭
意検討し、熱可塑性高分子フィルム1枚で波長450nm及
び550nmにおける位相差が下記式(1)及び/又は
(2) R(450)/R(550)<1 (1) K(450)/K(550)<1 (2) 〔式中、R(450)及びR(550)はそれぞれ波長450nm及び5
50nmにおける配向フィルムの面内位相差であり、K(45
0)及びK(550)はそれぞれ波長450nm及び550nmにおける
配向フィルムのK=〔nz −(nx +ny )/2〕×d
(式中、nx ,ny,nz は配向フィルムの三次元屈折
率でそれぞれx軸、y軸、z軸方向の屈折率であり、d
はフィルムの厚さである。)で計算される値である。〕
を満たすフィルムを提供することに成功したものであ
る。
【0010】すなわち本発明は以下のとおりのものであ
る。 [1] 熱可塑性高分子からなる単層(1枚の)配向フ
ィルムであって、吸水率が1重量%以下であってかつ該
配向フィルム自体で波長450nm及び550nmにお
ける位相差が下記式(1)及び/又は(2)を満たすこ
とを特徴とする熱可塑性高分子フィルム。
【0011】 R(450)/R(550)<1 (1) K(450)/K(550)<1 (2) (式中、R(450)及びR(550)はそれぞれ波長
450nm及び550nmにおける配向フィルムの面内
位相差であり、K(450)及びK(550)はそれぞ
れ波長450nm及び550nmにおける配向フィルム
のK=[nz−(nx+ny)/2]×d(式中、n
x、ny、nzは配向フィルムの三次元屈折率であり、
dはフィルムの厚さである。)で計算される値であ
る。) [2] 熱可塑性高分子は、正の屈折率異方性を有する
高分子のモノマー単位(以下、第1のモノマー単位とい
う)と負の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位
(以下、第2のモノマー単位という)とを含む共重合体
及び/又はフ゛レント゛高分子である、上記1の熱可塑性高分
子フィルム。 [3] 熱可塑性高分子はフルオレン骨格を含むもので
ある、上記1または2の熱可塑性高分子フィルム。 [4] 熱可塑性高分子が重縮合により得られたもので
ある、上記1〜3の熱可塑性高分子フィルム。 [5] 熱可塑性高分子がポリカーボネートである、上
記1〜4の熱可塑性高分子フィルム。 [6] R(550)及び/又はK(550)が20n
m以上である、上記1〜5の熱可塑性高分子フィルム。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、1枚の熱可塑性高分子
からなる配向フィルムにおいて可視光波長域において波
長に依存しない理想的なλ/4板およびλ/2板を得る
ことを探求する過程で、位相差が短波長ほど小さい1枚
の(高分子)配向フィルムを提供することに成功し、上
記目的を達成するとともに、従来にない特性を持つ位相
差フィルム用として好適な熱可塑性高分子フィルムを提
供するに至ったものである。
【0013】位相差が短波長ほど小さいことは、実用的
な観点から、R(450) /R(550) <1またはK(450) /
K(550) <1で表わすことができる。波長域を広げるな
らば、さらにR(650) /R(550) >1またはK(650) /
K(550) >1であることが望ましい。これらの位相差分
散またはK値分散のより好ましい範囲については後記す
る。
【0014】ここで、本発明においては、波長 450, 55
0, 650nmにおける配向フィルムの位相差およびK値をそ
れぞれR(450) ,R(550) ,R(650) 、及びK(450) ,
K(550) ,K(650) と表記する。
【0015】配向フィルムの位相差(レターデーショ
ン)は、光が厚さdのフィルムを透過したときにフィル
ムの配向方向とそれに垂直な方向の光の進行速度(屈折
率)の差にもとづく位相の差をいい、配向方向とそれに
垂直な方向の屈折率の差Δnとフィルムの厚さdとの積
Δn・dで表わされることは知られている。
【0016】本発明における配向フィルムの配向とは、
高分子分子鎖が主として特定の方向に並んだ状態を指し
ており、この状態はフィルムの位相差(Δn・d)測定
により測定し得るが、ここでいう配向とは測定波長 550
nmで位相差R(550) が20nm以上及び/又はK(550) が20
nm以上を指す。配向は、通常はフィルムの延伸によって
生ずるが延伸前のフィルムでも生ずることがある。
【0017】位相差Δn・dは配向フィルムが同一であ
れば複屈折Δnに比例するので、位相差の波長分散(波
長依存性)は複屈折Δnの波長分散(波長依存性)で表
わすことができる。
【0018】配向フィルムの面内における配向方向の屈
折率がそれと垂直な方向の屈折率より大きい場合を、光
学的異方性が正といい、逆の場合を光学的異方性が負と
いう。ここで配向フィルムの配向方向は、例えば、フィ
ルムを公知の延伸フィルムの製造条件であるガラス転移
点温度Tg近傍(Tg±20℃)の条件で一軸延伸した場合に
は、その延伸方向になる。二軸延伸の場合には配向が高
くなるように延伸した方向をいう。
【0019】なお、本発明において、位相差というとき
は位相差の絶対値をいう。光学異方性が負の場合には位
相差は負であるが、本発明では特にことわらない限り正
負の符号は無視する。
【0020】また、光学異方性の正負を判断するのに用
いる測定光学波長は 550nmとする。本発明によれば、位
相差が短波長ほど小さい1枚の配向フィルムからなる熱
可塑性高分子フィルムは、下記(A)または(B)の条
件を満たす高分子配向フィルムによって得ることができ
ることが見い出された。
【0021】(A)(1)正の屈折率異方性を有する高
分子のモノマー単位(以下、第1のモノマー単位とい
う。)と負の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単
位(以下、第2のモノマー単位という。)とを含む高分
子から構成されるフィルムであって、(2)該第1のモ
ノマー単位に基づく高分子のR(450) /R(550) は、該
第2のモノマー単位に基づく高分子のR(450) /R(55
0) よりも小さく、かつ(3)正の屈折率異方性を有す
る、配向フィルム。
【0022】(B)(1)正の屈折率異方性を有する高
分子を形成するモノマー単位(以下、第1のモノマー単
位という。)と負の屈折率異方性を有する高分子を形成
するモノマー単位(以下、第2のモノマー単位とい
う。)とを含む高分子から構成されるフィルムであっ
て、(2)該第1のモノマー単位に基づく高分子のR(4
50) /R(550) は、該第2のモノマー単位に基づく高分
子のR(450) /R(550) よりも大きく、かつ(3)負の
屈折率異方性を有する、配向フィルム。
【0023】上記(A)(B)の条件を満たす態様の例
として、下記条件(C)(D)を満たすものがある。
【0024】(C)(1)正の屈折率異方性を有する高
分子と負の屈折率異方性を有する高分子とからなるブレ
ンド高分子及び/又は正の屈折率異方性を有する高分子
のモノマー単位と負の屈折率異方性を有する高分子のモ
ノマー単位とからなる共重合体から構成されるフィルム
であって、(2)該正の屈折率異方性を有する高分子の
R(450) /R(550) は該負の屈折率異方性を有する高分
子のR(450) /R(550) よりも小さく、かつ(3)正の
屈折率異方性を有する、配向フィルム。
【0025】(D)(1)正の屈折率異方性を有する高
分子と負の屈折率異方性を有する高分子とからなるブレ
ンド高分子及び/又は正の屈折率異方性を有する高分子
のモノマー単位と負の屈折率異方性を有する高分子のモ
ノマー単位とからなる共重合体から構成されるフィルム
であって、(2)該正の屈折率異方性を有する高分子の
R(450) /R(550) は該負の屈折率異方性を有する高分
子のR(450) /R(550) よりも大きく、かつ(3)負の
屈折率異方性を有する、配向フィルム。
【0026】ここで、正又は負の屈折率異方性を有する
高分子とは、正又は負の屈折率異方性を有する配向フィ
ルムを与える高分子をいう。
【0027】この配向フィルムが、測定波長が短いほど
位相差が小さくなる必要条件である理由を以下に記す。
【0028】一般に、高分子Aと高分子Bの二成分から
なる高分子ブレンドの複屈折Δnは、以下のように表さ
れることが知られている。(H. Saito and T. Inoue,
J. Pol. Sci. Part B, 25, 1629 (1987)) Δn=Δn0 AA φA +Δn0 BB φB +ΔnF (a) ここで、Δn0 A :高分子Aの固有複屈折、Δn0 B
高分子Bの固有複屈折、fA :高分子Aの配向関数、f
B :高分子Bの配向関数、φA :高分子Aの体積分率、
φB :高分子Bの体積分率(=1−φA )、ΔnF :構
造性複屈折である。一般に複屈折ΔnはΔn=fΔn0
で表される。また、Δn0 は二色性赤外分光法と位相差
測定等を組み合わせて求めることが出来る。
【0029】(a)式はポリマーA,B間の電子的な相
互作用による分極率の変化は完全に無視しているが、以
下でもこの仮定を採用する。また、本発明のような位相
差フィルム用途では、光学的に透明であることが要求さ
れることから、ブレンドは相溶ブレンドであることが好
ましく、この場合には、ΔnF は非常に小さく無視する
ことが出来る。
【0030】次に測定波長が短いほど複屈折が小さくな
る配向フィルムについてであるが、この測定波長とし
て、ここでは450, 550nmのみ考えることとする。この配
向フィルムのこれらの波長における複屈折をそれぞれ、
Δn(450) 、Δn(550) とすると、Δn(450) /Δn(5
50) <1と表せる。通常の高分子フィルムからなる配向
フィルムはΔn(450) /Δn(550) >1であることは言
うまでもなく、例えばビスフェノールAとホスゲンの重
合から得られるポリカーボネートのΔn(450) /Δn(5
50) は1.08程度であり、複屈折の波長分散が小さいとい
われるポリビニールアルコールでも1.01程度である。
【0031】このΔn(450) /Δn(550) を複屈折波長
分散係数とすると、(a)式を用いて次の様に表され
る。 Δn(450) /Δn(550) =(Δn0 A (450) fA φA +Δn0 B (450) fB φB )/ (Δn0 A (550) fA φA +Δn0 B (550) fB φB )(b)
【0032】ここで、相溶ブレンドであるのでfA =f
B と仮定すると、(b)式は以下のように書き表せる。 Δn(450) /Δn(550) =(Δn0 A (450) φA +Δn0 B (450) φB )/ (Δn0 A (550) φA +Δn0 B (550) φB ) (c)
【0033】次に表1に記すような仮想的な値を(c)
式に用いて、複屈折波長分散値について検討した。な
お、表1ではΔn0 A (450) 、Δn0 B (450) の代わり
に、高分子A,B単独の複屈折分散値を記した。
【0034】
【表1】
【0035】式(c)は表1の値が与えられるとφAの
関数としてそれぞれ図1〜4のように表される。表1で
は正の屈折率異方性を有する高分子を高分子A、負のそ
れを高分子Bとしているので、図1〜4に記した漸近線
よりもφAの少ない領域では、ブレンド高分子の光学異
方性は負であり、一方、漸近線よりもφBの多い領域は
異方性は正である。
【0036】図1〜4より明らかなように、Δn(450)
/Δn(550) <1となるためには、表1のケース1,3
のように、正の高分子の複屈折波長分散係数が負のそれ
よりも小さくかつ該配向フィルムの光学異方性が正であ
るか、または、ケース2,4のように高分子単独の複屈
折波長分散係数が負のそれよりも大きくかつ該配向フィ
ルムの光学異方性が負である必要がある。ここでは、代
表的な波長として450,550nmを用いたが、他の波長を用
いても同様に成立する。
【0037】なお、(c)式より考察すると、正と負の
高分子の複屈折波長分散係数が完全に等しい場合には、
本発明の位相差フィルムは得られない。
【0038】上記考察は、上記式(a)を基にした考察
であるが、後述する実施例のように実際の系でもこの考
え方は非常によく成り立つので、この考え方が正しいこ
とは実施例でも証明される。
【0039】上記の考察は2成分について述べたが、3
成分以上でも上記の考え方は成立する。例えば、正の光
学異方性を有する成分が2成分と負の異方性を有する成
分が1成分である系では、正の光学異方性を有する成分
の複屈折率値及び複屈折分散値等を正の異方性の2成分
間の体積分率等で補正し、この2成分を1成分と見なし
て上記式(a)以下の考察の考え方を適用することが可
能である。
【0040】また、上記式(a)に基づく説明は高分子
A,Bのブレンドとして説明したが、高分子が異なるモ
ノマー単位を含む共重合体の場合にも上述した考察の考
え方は同様に成立し、第1のモノマー単位に基づく単独
重合体(高分子A)と第1のモノマー単位と異なる第2
のモノマー単位に基づく単独重合体(高分子B)とから
成ると見なして上記の考え方を適用すればよい。
【0041】さらに、単独重合体と共重合体との高分子
ブレンドあるいは共重合体どうしの高分子ブレンドで
も、上述した考察の考え方を同様に適用することができ
る。即ち、この場合には、高分子ブレンドの成分高分子
を構成するモノマー単位に分けて、その高分子ブレンド
をそれぞれのモノマー単位からなる単独重合体の集合体
と見なし、この集合体を正の光学異方性を有する単独重
合体の群からなる成分Aと負の異方性を有する単独重合
体の群からなる成分Bとの組合せと見なして、上記の考
察を適用すればよい。
【0042】例えば、正の光学異方性を有する高分子
X,Yと、負の光学異方性を有するモノマー単位x,z
の共重合体において、xが正の光学異方性を有し、zが
負の光学異方性を有する場合には、正の光学異方性を有
する成分は、X,Y及びxからなると考えて、これらの
複屈折率値及び複屈折分散値等を正の異方性の3成分間
の体積分率等で補正して、これらの3成分を1成分Aと
みなし、負の異方性を有する成分はモノマー単位zから
なる重合体Bと見なして、成分A及び成分Bについて、
上記(a)以下の考察の考え方を適用すればよい。
【0043】なお、第1又は第2のモノマー単位に基づ
く単独高分子において、単独高分子がポリカーボネート
の場合、ポリカーボネートは一般にジヒドロキシ化合物
とホスゲンとの重縮合により得られるので、重合の観点
からは、ビスフェノールからなるジヒドロキシ化合物と
ホスゲンがモノマーになる。このようにポリカーボネー
トの場合は、モノマー単位はビスフェノールに由来する
部分をいい、ホスゲンに由来する部分は含まない。
【0044】複屈折Δnは測定波長領域において長波長
ほど大きいことが好ましいが、より具体的には下記式
(d),(e) 0.60<R(450) /R(550) <0.97 (d) かつ 1.01<R(650) /R(550) <1.35 (e) を満足することが好ましい。これらの値から外れた場合
は、例えば、λ/4板として使用する場合において、 4
00〜700 nmの直線偏光をこのフィルムに入射した際、得
られる偏光状態はある特定の波長では完全な円偏光が得
られるものの、それ以外の波長では大きく円偏光からず
れてしまうといった問題が生じる。より好ましくは 0.60<R(450) /R(550) <0.95 (d′) かつ 1.05<R(650) /R(550) <1.35 (e′) である。
【0045】以上は位相差Δndあるいは複屈折Δnに
もとづいて理論を展開したが、三次元屈折率のK値(K
=〔nz −(nx +ny )/2〕×d)にもとづいても
同様の理論展開がされる。このK値がK(450) /K(55
0) <1の場合、配向フィルムのフィルム面に垂直でな
い傾斜方向からの光に関して位相差(複屈折)と同様に
波長分散が短波長ほど小さくなる。
【0046】K値の好ましい範囲としては、前記式
(d),(e)のRをKに読みかえるものとする。
【0047】本発明の熱可塑性高分子フィルムは、前述
したようにブレンド高分子からなるものでも共重合体か
らなるものでもよい。
【0048】本発明のフィルムを構成する高分子材料
は、上記の条件を満たすブレンド又は共重合体であれば
よく、耐熱性に優れ、光学性能が良好で、溶液製膜がで
きる熱可塑性ポリマーである。例えばポリアリレート
系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリオレフ
ィン系、ポリエーテル系、ポリスルフィン系、ポリスル
ホン系、ポリエーテルスルホン系などの重合体から1種
類又は2種類以上を適宜選択することができる。ただ
し、配向フィルムの吸水率が1重量%以下でないと位相
差フィルムとして実用する上で問題があるので、フィル
ム材料はフィルムの吸水率が1重量%以下、好ましくは
0.5重量%以下の条件を満たすように選択することが重
要である。
【0049】ブレンド高分子であれば、光学的に透明で
ある必要があることから相溶ブレンドまたは、各々の高
分子の屈折率が略等しいことが好ましい。ブレンド高分
子の具体的な組み合わせとしては、例えば負の光学異方
性を有する高分子としてポリ(メチルメタクリレート)
と、正の光学異方性を有する高分子としてポリ(ビニリ
デンフロライド)、ポリ(エチレンオキサイド)、ポリ
(ビニリデンフロライド−コ−トリフルオロエチレン)
の組み合わせ、正の光学異方性を有する高分子としてポ
リ(フェニレンオキサイド)と、負の光学異方性を有す
る高分子としてポリスチレン、ポリ(スチレン−コ−ラ
ウロイルマレイミド)、ポリ(スチレン−コ−シクロヘ
キシルマレイミド)、ポリ(スチレン−コ−フェニルマ
レイミド)の組み合わせ、負の光学異方性を有するポリ
(スチレン−コ−マレイン酸無水物)と正の光学異方性
を有するポリカーボネート、また、正の光学異方性を有
するポリ(アクリロニトリル−コ−ブタジエン)と負の
光学異方性を有するポリ(アクリロニトリル−コ−スチ
レン)等を好適に挙げることができるが、これらに限定
されるものではない。特に透明性の観点から、ポリスチ
レンと、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン
オキサイド)等のポリ(フェニレンオキサイド)との組
み合わせが好ましい。かかる組み合わせの場合、該ポリ
スチレンの比率が全体の67重量%以上75重量%以下を占
めることが好ましい。
【0050】また、共重合体としては例えばポリ(ブタ
ジエン−コ−ポリスチレン)、ポリ(エチレン−コ−ポ
リスチレン)、ポリ(アクリロニトリル−コ−ブタジエ
ン)、ポリ(アクリロニトリル−コ−ブタジエン−コ−
スチレン)、ポリカーボネート共重合体、ポリエステル
共重合体、ポリエステルカーボネート共重合体、ポリア
リレート共重合体等を用いることが出来る。特に、フル
オレン骨格を有するセグメントは負の光学異方性となり
得るため、フルオレン骨格を有するポリカーボネート共
重合体、ポリエステル共重合体、ポリエステルカーボネ
ート共重合体、ポリアリレート共重合体等はより好まし
く用いられる。
【0051】ビスフェノール類とホスゲンあるいは炭酸
ジフェニルなどの炭酸エステル形成性化合物と反応させ
て製造されるポリカーボネート共重合体は透明性、耐熱
性、生産性に優れており特に好ましく用いることが出来
る。ポリカーボネート共重合体としては、フルオレン骨
格を有する構造を含む共重合体であることが好ましい。
フルオレン骨格を有する成分は1〜99モル%含まれてい
ることが好ましい。
【0052】本発明の配向フィルムの材料として好適な
ものは、下記式(I)
【0053】
【化1】
【0054】(上記式(I)において、R1 〜R8 はそ
れぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜6
の炭化水素基から選ばれ、Xは
【0055】
【化2】
【0056】である。)で示される繰り返し単位と、下
記式(II)
【0057】
【化3】
【0058】(上記式(II)において、R9 〜R16はそ
れぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22
の炭化水素基から選ばれ、Yは
【0059】
【化4】
【0060】から選ばれる。Y中のR17〜R19、R21
びR22はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭
素数1〜22の炭化水素基から選ばれ、R20及びR23はそ
れぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれ、Ar
は炭素数6〜10のアリール基である。)で示される繰り
返し単位とから構成されるポリカーボネートの配向フィ
ルムからなり、上記式(I)で表わされる繰り返し単位
は該ポリカーボネート全体の30〜90モル%を占め、上記
式(II)で表わされる繰り返し単位は全体の70〜10モル
%を占める材料である。
【0061】この材料は、上記式(I)で表わされるフ
ルオレン骨格を有する繰り返し単位と上記式(II)で表
わされる繰り返し単位とからなるポリカーボネート共重
合体、および上記式(I)で表わされるフルオレン骨格
を有する繰り返し単位からなるポリカーボネートと上記
式(II)で表わされる繰り返し単位からなるポリカーボ
ネートとの組成物(以下ブレンドポリマーと呼ぶことが
ある)である。共重合体の場合、上記式(I)および
(II)で表わされる繰り返し単位はそれぞれ2種類以上
組み合わせてもよく、組成物の場合も、上記繰り返し単
位はそれぞれ2種類以上組み合わせてもよい。
【0062】上記式(I)において、R1 〜R8 はそれ
ぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜6の
炭化水素基から選ばれる。かかる炭素数1〜6の炭化水
素基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、
シクロヘキシル基等のアルキル基、フェニル基等のアリ
ール基が挙げられる。この中で、水素原子、メチル基が
好ましい。
【0063】上記式(II)において、R9 〜R16はそれ
ぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の
炭化水素基から選ばれる。かかる炭素数1〜22の炭化水
素基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、
シクロヘキシル基等の炭素数1〜9のアルキル基、フェ
ニル基、ビフェニル基、ターフェニル基等のアリール基
が挙げられる。この中で、水素原子、メチル基が好まし
い。
【0064】上記式(II)のYにおいて、R17〜R19
21及びR22はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子
及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる、かかる炭
化水素基については、上記したものと同じものを挙げる
ことができる。R20及びR23はそれぞれ独立に炭素数1
〜20の炭化水素基から選ばれ、かかる炭化水素基につい
ては、上記したものと同じものを挙げることができる。
Arはフェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリー
ル基である。
【0065】上記式(I)の含有率、すなわち共重合体
の場合共重合組成、組成物の場合ブレンド組成比は、ポ
リカーボネート全体の30〜90モル%である。かかる範囲
を外れた場合には、測定波長 400〜700 nmにおいて位相
差絶対値が短波長ほど小さくなるということがない。上
記式(I)の含有率は、ポリカーボネート全体の35〜85
モル%が好ましく、40〜80モル%がより好ましい。
【0066】ここで上記モル比は共重合体、ブレンドポ
リマーに関わらず、配向フィルムを構成するポリカーボ
ネートのバルク全体で、例えば核磁気共鳴(NMR)装置に
より求めることができる。
【0067】この材料におけるポリカーボネートとして
は、下記式(III)
【0068】
【化5】
【0069】(上記式(III)において、R24及びR25
はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基から選ばれ
る。)で示される繰り返し単位と、下記式(IV)
【0070】
【化6】
【0071】(上記式(IV)においてR26及びR27はそ
れぞれ独立に水素原子及びメチル基から選ばれ、Zは
【0072】
【化7】
【0073】から選ばれる。)で示される繰り返し単位
とから構成されるポリカーボネート共重合体及び/また
はポリカーボネート組成物(ブレンドポリマー)が好ま
しい。
【0074】さらに、下記式(V)〜(IX)で示される
繰り返し単位からなる共重合体において、繰り返し単位
(IX)の割合が40〜75モル%であるもの、下記式(VI)
及び(IX)で示される繰り返し単位からなる共重合体に
おいて(IX)の割合が30〜70モル%であるもの、下記式
(VII)及び(IX)で示される繰り返し単位からなる共
重合体において、(IX)の割合が30〜70モル%であるも
の、下記式(V)及び(VIII)で示される繰り返し単位
からなる共重合体において、(VIII)の割合が40〜75モ
ル%であることがそれぞれより好ましい。
【0075】
【化8】
【0076】最も好ましい材料はビスフェノールA(BP
A、上記式(V)に対応) とビスクレゾールフルオレン
(BCF、上記式(IX)に対応) を含む共重合体又は高分子
ブレンドあるいはこれらの混合物であり、これらの成分
の配合比は BCFの含有率が55〜75モル%、より好ましく
は55〜70モル%である。これらの材料においてより理想
に近いλ/4板やλ/2板を得ることができる。
【0077】上記した共重合体及び/またはブレンドポ
リマーは公知の方法によって製造し得る。ポリカーボネ
ートはジヒドロキシ化合物とホスゲンとの重縮合による
方法、溶融重縮合法等が好適に用いられる。ブレンドの
場合は、相溶性ブレンドが好ましいが、完全に相溶しな
くても成分間の屈折率を合わせれば成分間の光散乱を抑
え、透明性を向上させることが可能である。
【0078】本発明の熱可塑性高分子フィルムの材料高
分子の極限粘度は 0.3〜2.0 dl/gであることが好まし
い。これ以下では脆くなり機械的強度が保てないといっ
た問題があり、これ以上では溶液粘度が上がりすぎるた
め溶液製膜においてダイラインの発生等の問題や、重合
終了時の精製が困難になるといった問題がある。
【0079】本発明の熱可塑性高分子フィルムは透明で
あることが好ましく、ヘーズ値は3%以下、全光線透過
率は85%以上であることが好ましい。また、前記高分子
フィルム材料のガラス転移点温度は 100℃以上、より好
ましくは 120℃以上であることが好ましい。
【0080】さらに、フェニルサリチル酸、2−ヒドロ
キシベンゾフェノン、トリフェニルフォスフェート等の
紫外線吸収剤や、色味を変えるためのブルーイング剤、
酸化防止剤等を添加してもよい。
【0081】本発明の熱可塑性高分子フィルムは上記ポ
リカーボネートなどのフィルムを延伸等により配向させ
たフィルムを用いるものである。かかるフィルムの製造
方法としては、公知の溶融押し出し法、溶液キャスト法
等が用いられるが、膜厚むら、外観等の観点から溶液キ
ャスト法がより好ましく用いられる。溶液キャスト法に
おける溶剤としては、メチレンクロライド、ジオキソラ
ン等が好適が用いられる。
【0082】また、延伸方法も公知の延伸方法を使用し
得るが、好ましくは縦一軸延伸である。フィルム中には
延伸性を向上させる目的で、公知の可塑剤であるジメチ
ルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレー
ト等のフタル酸エステル、トリブチルフォスフェート等
のりん酸エステル、脂肪族二塩基エステル、グリセリン
誘導体、グリコール誘導体等が含有してもよい。延伸時
には、先述のフィルム製膜時に用いた有機溶剤をフィル
ム中に残留させ延伸しても良い。この有機溶剤の量とし
てはポリマー固形分対比1〜20wt%であることが好まし
い。
【0083】また、上記可塑剤や液晶等の添加剤は、本
発明の熱可塑性高分子フィルムの位相差波長分散を変化
させ得るが、添加量は、ポリマー固形分対比10wt%以下
が好ましく、3wt%以下がより好ましい。
【0084】熱可塑性高分子フィルムの膜厚としては限
定するわけではないが、1μmから400μmであること
が好ましい。なお、本発明では熱可塑性高分子フィルム
あるいは配向フィルムと表現しているが、共通して「フ
ィルム」といい、あるいは「シート」といわれるいずれ
のものも含む意味である。
【0085】本発明の熱可塑性高分子フィルムの位相差
を短波長ほど小さくするためには、特定の化学構造を有
することが必須条件であり、位相差波長分散はかなりの
部分がその化学構造で決まるが、延伸条件、ブレンド状
態等によっても変動することに留意されるべきである。
【0086】本発明の熱可塑性高分子フィルムは特に1
枚の配向フィルムをもって波長依存性が少ない良好な四
分の一波長板(λ/4板)あるいは二分の一波長板(λ
/2板)を構成することができるものであるが、この用
途のためにはR(550) ≧50nmが望ましく、より望ましく
はR(550) ≧90nmであり、特にλ/4板として用いるた
めには 100nm≦R(550) ≦ 180nmであること、λ/2板
として用いるためには220≦R(550) ≦ 330nmであるこ
とが望ましい。
【0087】こうして、本発明は好適な位相差フィルム
のための熱可塑性高分子配向フィルム1つとして、1枚
のポリカーボネート配向フィルムであって、波長450nm
及び550nmにおける位相差が、下記式(1) R(450)/R(550)<1 (1) 〔式中、R(450)及びR(550)はそれぞれ波長450nm及
び550nmにおける配向フィルムの面内位相差である。)を
満たし、かつR(550)が50nm以上である熱可塑性高分子
フィルムを提供する。
【0088】本発明の熱可塑性高分子フィルムは四分の
一波長板として用いることが出来る。この場合は、R=
Δn・dが可視光において最も視感度の高い波長 550nm
の四分の一波長のものを用いることが好ましい。
【0089】より一般的に述べると、本発明の熱可塑性
高分子フィルムは、1枚で広帯域λ/4板として用いる
ことができるためには、位相差波長分散が 0.60<R(450) /R(550) <0.97かつ 1.01<R(650) /R(550) <1.40 より好ましくは 0.65<R(450) /R(550) <0.92かつ 1.03<R(650) /R(550) <1.30 さらに好ましくは 0.70<R(450) /R(550) <0.87かつ 1.04<R(650) /R(550) <1.25 の範囲内であることが好ましい。
【0090】このような四分の一波長板は、例えば、偏
光板一枚だけを使用し裏面電極を反射電極と兼ねた構成
である反射型液晶表示装置に用いることにより、画質に
優れた反射型表示装置を得ることが可能である。また、
ゲストホスト型の液晶層の観測者に対して裏面側にこの
位相差フィルムを用いることも可能である。これらの場
合の位相差フィルムの役割は、直線偏光を円偏光に、円
偏光を直線偏光に可視光領域において変換することであ
るが、本発明の熱可塑性高分子フィルムは位相差フィル
ム用としてこのような目的を満足させることが可能であ
る。
【0091】こうして、本発明の好適な態様の1つとし
て、偏光板、λ/4板、及び透明電極を有する2枚の基
板間に液晶層を含む液晶セルをこの順で具備する反射型
液晶表示装置であって、かかるλ/4板として、ポリカ
ーボネート等の熱可塑性高分子を用いた1枚の配向フィ
ルムであって、波長 450nm及び 550nmにおける位相差が
下記式(1) R(450) /R(550) <1 (1) 〔式中、R(450) 及びR(550) はそれぞれ波長 450nm及
び 550nmにおける配向フィルムの面内位相差である。〕
を満たし、かつR(550) が 100〜180 nmである熱可塑性
高分子フィルムを位相差フィルムとして用いた反射型液
晶表示装置を提供する。
【0092】また、これらのフィルムを上記液晶表示装
置の液晶層を挟持するガラス又は高分子フィルムからな
る基板の代わりに用いて、基板兼位相差フィルムの役割
を持たせても良い。
【0093】また、左右どちらか一方の円偏光のみを反
射するコレステリック液晶等から構成される反射型偏光
板の円偏光を直線偏光に変換する素子としても、同様に
使用することが出来る。
【0094】また、本発明の熱可塑性高分子フィルム
は、粘着層、接着層を介して偏光板と貼り合わせて円偏
光板または楕円偏光板としたり、また、熱可塑性高分子
フィルム上に何らかの材料をコーティングして湿熱耐久
性を向上させたり、耐溶剤性を改良したりしても良い。
【0095】本発明の熱可塑性高分子フィルムは、波長
が短かいほど複屈折が小さい理想的なλ/4板やλ/2
板を1枚の配向フィルムで得るために特に開発されたも
のであるが、波長が短かいほど複屈折が小さくかつ吸水
率が1wt%以下の配向フィルム一般が新規に提供される
ので、本発明の熱可塑性高分子フィルムはどうしを積層
して、あるいは本発明の熱可塑性高分子フィルムはと他
の光学フィルム(位相差フィルム、偏光板、光学補償板
等)とを積層することにより、例えばより広範囲の波長
域で理想的なλ/4板やλ/2板を製作するなど、より
幅広く各種の用途に適合した位相差フィルムあるいは光
学フィルムを得ることができるものである。
【0096】本発明の1つの側面として、R(450) /R
(550) <1を満たす熱可塑性高分子フィルムはを2以上
積層した位相差フィルムを製作することができる。
【0097】本発明によれば、さらにもう一つの側面に
おいて、λ/4板とλ/2板を積層して成り、両方の熱
可塑性高分子フィルムが式(5)(6) 0.6<R(450) /R(550) <1 (5) 1<R(650) /R(550) <1.4 (6) を満たす積層フィルムが提供される。
【0098】この積層フィルムによれば、直線偏光を積
層フィルムに入射した際に測定波長の 400〜700 nm、好
ましくは 400〜780 nmにおいていずれの波長でもほぼ完
全な円偏光とすること、逆に完全な円偏光を積層フィル
ムに入射した際に測定波長の400〜700 nmにおいていず
れの波長でもほぼ完全な直線偏光を得ることができる。
【0099】これを評価するための手段として、偏光
板、積層フィルム、反射板の順で積層した、すなわち偏
光板/積層フィルム/反射板の構成において、偏光板か
ら自然偏光の可視光線を入射した際に、着色の無い黒が
得られるかどうかで判断した。この構成においては、光
は偏光状態を、自然偏光→(偏光板)→直線偏光1→
(積層フィルム)→円偏光→(反射板)→円偏光→(積
層フィルム)→直線偏光2→(偏光板)と変えるが、直
線偏光2は直線偏光1と90度偏光軸がずれているので、
偏光板を通過することが出来ず黒色となる。この黒色の
着色の程度を観察すれば、積層フィルムの特性を評価す
ることが出来る。
【0100】この評価の結果、上記式(5)(6)を満た
すフィルムを積層した積層フィルムでは着色のない黒が
得られた。上記式(5)(6)を満たさないものでは、積
層フィルムは着色のある黒となる。
【0101】積層される両方の熱可塑性高分子フィルム
が、より好ましくは 0.70<R(450) /R(550) <0.99かつ 1.01<R(650) /R(550) <1.30 さらに好ましくは 0.75<R(450) /R(550) <0.96かつ 1.02<R(650) /R(550) <1.20 を満たすべきである。
【0102】上記積層フィルムは、位相差波長分散値が
前述した上記式(5)及び(6)を満足するような2つ
の位相差フィルム、すなわち1/2波長板及び1/4波
長板を積層させること、好ましくはそれらの光軸のなす
角が50度から70度であることにより達成される。貼り合
わせ角度がこの範囲を外れた場合には良好な特性が得ら
れない。
【0103】この積層フィルムは、 400〜700 nmの測定
波長において、R=λ/4(nm)をほぼ達成可能ではあ
る。しかしながら、この特性が例えば一枚偏光板方式の
反射型液晶表示装置にとって常に最適であるとは限ら
ず、液晶表示装置に組み込む場合には、液晶層や他の光
学部材とのマッチングが重要である。
【0104】位相差フィルムとして用いる高分子材料と
しては、上記式(5), (6)を満足すれば特に限定はな
く、その例は先に説明したが、前記フルオレン骨格を有
するポリカーボネートを用いることがより好ましい。ま
た、この積層フィルムを構成する1/2波長板及び1/
4波長板は同じ高分子材料を用いた方が生産性の点で好
ましい。
【0105】後述する実施例にても詳細に説明するが、
ここで、R(450) /R(550) =0.5、R(650) /R(550)
=1.5 のように積層フィルムの位相差波長分散値が、
上記式(5), (6)を満足しない場合にどのような結果
となるか、2×2光学行列を用いてシミュレーションを
実施した結果を図5に示す。この計算では、偏光板/積
層フィルム/反射板の構成に対し、偏光板から光を偏光
板法線方向から入射し、法線方向に出射する光を計算し
ている。偏光板は、偏光度 100%、反射板は理想的な鏡
面反射板とした。また、この構成における光学部材の光
学軸の角度をそれぞれ表2に示す。図5から判るように
特に短波長側と、長波長側で反射率が大きくなってお
り、理想的な黒が得られないことが判る。
【0106】
【表2】
【0107】本発明に用いる2つの熱可塑性高分子フィ
ルムは透明であることが好ましく、ヘーズ値は3%以
下、全光線透過率は85%以上であることが好ましい。か
かる2つの上記熱可塑性高分子フィルムを積層すること
により、ヘーズ値は3%以下、全光線透過率は85%以上
である積層フィルムとすることが好ましい。
【0108】各フィルムの膜厚は1〜400 μmが好まし
い。
【0109】K値はフィルムの三次元的な屈折率異方性
の指標であるが、R値、膜厚によっても変化し、さらに
用途によっても最適な値は異なる。ここでは、K値の代
わりに別の三次元屈折率異方性の指標であるNz =(n
x −nz )/(nx −ny )で好ましい範囲を記述する
と、λ/4板やλ/2板のような一軸延伸品であれば、
0.3〜1.5 の間であることが好ましい。特にNz =0.5
のとき、フィルムに入射する角度が正面入射から変化し
てもほとんど位相差が変化しない。二軸延伸品であれ
ば、− 100〜100 であることが好ましい。このNz の三
次元屈折率nx ,ny ,nz は前記K値の計算で使用し
たものを使うものとする。
【0110】また、上記積層フィルムは、粘着層、接着
層を介して偏光板と貼り合わせて円偏光板としたり、ま
た、フィルム上に何らかの材料をコーティングして湿熱
耐久性を向上させたり、耐溶剤性を改良することができ
る。円偏光板とする場合には、この積層フィルムにおけ
る1枚の位相差フィルムとして用いる熱可塑性高分子フ
ィルムの順番が重要であり、偏光板//1/2波長板/
/1/4波長板といった構成であることが必要である。
この円偏光板は、偏光板側から光を入射させた場合に、
広い波長領域で入射光を円偏光化させることが出来る。
【0111】1/2波長板//1/4波長板構成である
本発明の積層フィルムは、1/2波長板側から直線偏光
を入射させた場合には、出射させる光は広い波長領域で
円偏光であり、1/4波長板側から円偏光を入射させた
場合には出射される光は広い波長領域で直線偏光とな
る。
【0112】また、このような熱可塑性高分子フィルム
を位相差フィルムとして液晶表示装置特に偏光板一枚型
反射型液晶表示装置に用いることにより、画質に優れた
表示装置を得ることが出来る。この反射型液晶表示装置
とは、偏光板、位相差フィルム、透明電極付き基板、液
晶層、散乱反射電極付き基板の順に構成されているも
の、偏光板、散乱板、位相差フィルム、透明電極付き基
板、液晶層、鏡面反射電極付き基板の順に構成されてい
るもの、偏光板、位相差フィルム、透明電極付き基板、
液晶層、透明電極付き基板、反射層の順に構成されてい
るもの等である。さらに、該四分の一波長板は透過型と
反射型の両方を兼ね備えた液晶表示装置においても使用
し得る。該液晶表示装置の構成としては例えば、偏光
板、位相差フィルム、透明電極付き基板、液晶層、反射
透過兼用電極付き基板、位相差フィルム、偏光板、バッ
クライトシステム等である。さらに、例えばコレステリ
ック液晶よりなる左右どちらかの円偏光のみ反射する反
射型偏光板において、円偏光を直線偏光に変換する素子
として使用すれば、広帯域で良好な直線偏光が得られ
る。
【0113】さらにまた、本発明の熱可塑性高分子フィ
ルムは、光記録装置の光ヘッドにおいて用いられる1/
4波長板としても用いることができる。特に、かかるフ
ィルムは、多波長に対して1/4波長の位相差を与える
ことができるので、複数のレーザー光源を使う光ヘッド
において、位相差の数を減らすことに寄与することがで
きる。
【0114】本発明の熱可塑性高分子フィルムを用いた
積層フィルム、液晶表示装置などの構成例を図7〜13に
示す。
【0115】なお、本発明の実施の態様を例示すると以
下のとおりである。 1. 1枚の高分子配向フィルムからなる熱可塑性高分
子フィルムであって、波長450nm及び550nmにおける位相
差が下記式(1)及び/又は(2)を満たし、かつ吸水
率が1重量%以下である熱可塑性高分子フィルム。 R(450)/R(550)<1 (1) K(450)/K(550)<1 (2) 〔式中、R(450)及びR(550)はそれぞれ波長450nm及び5
50nmにおける高分子配向フィルムの面内位相差であり、
K(450) 及びK(550) はそれぞれ波長 450nm及び550nm
における高分子配向フィルムのK=〔nz−(nx
y)/2〕×d(式中、nx,ny,nzは高分子配向フ
ィルムの三次元屈折率でそれぞれx軸、y軸、z軸方向
の屈折率であり、dはフィルムの厚さである。)で計算
される値である。〕
【0116】2. 波長450nm、550nm及び650nmにおけ
る位相差が下記式(3)及び(4): 0.6<R(450)/R(550)<0.97 (3) 1.01<R(650)/R(550)<1.4 (4) 〔式中、R(650)は波長650nmにおける高分子配向フィル
ムの面内位相差である。〕を満たす上記1の熱可塑性高
分子フィルム。
【0117】3. 波長400〜700nmにおいて位相差が短
波長ほど小さい上記1又は2の熱可塑性高分子フィル
ム。
【0118】4. (1)正の屈折率異方性を有する高
分子のモノマー単位(以下、第1のモノマー単位とい
う。)と負の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単
位(以下、第2のモノマー単位という。)とを含む高分
子から構成されるフィルムであって、(2)該第1のモ
ノマー単位に基づく高分子のR(450)/R(550)は、該第
2のモノマー単位に基づく高分子のR(450)/R(550)よ
りも小さく、かつ(3)正の屈折率異方性を有する、高
分子配向フィルムからなる上記1〜3の熱可塑性高分子
フィルム。
【0119】5. (1)正の屈折率異方性を有する高
分子を形成するモノマー単位(以下、第1のモノマー単
位という。)と負の屈折率異方性を有する高分子を形成
するモノマー単位(以下、第2のモノマー単位とい
う。)とを含む高分子から構成されるフィルムであっ
て、(2)該第1のモノマー単位に基づく高分子のR(4
50)/R(550)は、該第2のモノマー単位に基づく高分子
のR(450)/R(550)よりも大きく、かつ(3)負の屈折
率異方性を有する、高分子配向フィルムからなる上記1
〜3の熱可塑性高分子フィルム。
【0120】6. 前記高分子配向フィルムがガラス転
移点温度が120℃以上である高分子材料からなる上記1
〜5の熱可塑性高分子フィルム。
【0121】7. 前記高分子配向フィルムがフルオレ
ン骨格を有するポリカーボネートを含む上記1〜6の熱
可塑性高分子フィルム。
【0122】8. 下記一般式(I)
【0123】
【化9】
【0124】(上記式(I)において、R1〜R8はそれ
ぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜6の
炭化水素基から選ばれ、Xは
【0125】
【化10】
【0126】である。)で示される繰り返し単位が全体
の30〜90モル%、下記式(II)
【0127】
【化11】
【0128】(上記式(II)において、R9〜R16はそ
れぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22
の炭化水素基から選ばれ、Yは
【0129】
【化12】
【0130】Y中のR17〜R19,R21,R22はそれぞれ
独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化
水素基から、R20,R23は炭素数1〜20の炭化水素基か
ら、また、Arは炭素数6〜10のアリール基から選ばれ
る。)で示される繰り返し単位が全体の70〜10モル%を
占めるポリカーボネート共重合体及び/またはブレンド
からなる高分子配向フィルムである上記1〜7の熱可塑
性高分子フィルム。 9. 下記一般式(III)
【0131】
【化13】
【0132】(上記式(III)において、R24,R25
それぞれ独立に水素原子またはメチル基から選ばれ
る。)で示される繰り返し単位が全体の35〜85モル%、
下記式(IV)で示される繰り返し単位
【0133】
【化14】
【0134】(上記式(IV)においてR26,R27はそれ
ぞれ独立に水素原子、メチル基から選ばれ、Zは
【0135】
【化15】
【0136】から選ばれる。)が全体の65〜15モル%を
占めるポリカーボネート共重合体及び/またはブレンド
からなる高分子配向フィルムである上記8の熱可塑性高
分子フィルム。
【0137】10. 前記正の屈折率異方性を有する高
分子がポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオ
キサイド)であり、前記負の屈折率異方性を有する高分
子がポリスチレンであるブレンド高分子配向フィルムで
あって、ポリスチレン含有割合が67重量%〜75重量%で
ある上記5の熱可塑性高分子フィルム。
【0138】11. 物体色を表すb* 値が 1.3以下で
ある上記1〜10の熱可塑性高分子フィルム。 12. λ/4板である上記1〜11の熱可塑性高分子
フィルム。 13. λ/2板である上記1〜11の熱可塑性高分子
フィルム。 14. R(550)≧90nmである上記12又は13の熱可塑性
高分子フィルム。 15. 上記1〜14の熱可塑性高分子フィルムからな
る位相差フィルム。 16. λ/4板とλ/2板を積層して成り、λ/4板
とλ/2板の両方が上記1の熱可塑性高分子フィルムか
らなる積層フィルム。 17. λ/4板とλ/2板との光軸のなす角度が50度
〜70度の範囲内である上記15〜16の積層フィルム。 18. 上記1〜14の熱可塑性高分子フィルムと偏光
板を積層して成る円偏光板又は楕円偏光板。 19. 上記1〜14の熱可塑性高分子フィルムと反射
型偏光板を積層して成る円偏光板又は楕円偏光板。 20. 上記1〜14の熱可塑性高分子フィルムと反射
型偏光板と偏光板を積層して成る円偏光板又は楕円偏光
板。 21. 前記反射型偏光板がどちらか一方に回転してい
る円偏光のみを反射する機能を有する上記18又は19の円
偏光板又は楕円偏光板。 22. 前記反射型偏光板がコレステリック液晶高分子
からなる上記20の円偏光板又は楕円偏光板。 23. 上記1〜14の熱可塑性高分子フィルムを設置
した液晶表示装置。 24. 反射型液晶表示装置である上記23の液晶表示装
置。 25. 前記熱可塑性高分子フィルムが視野角補償板で
ある上記23の液晶表示装置。 26. 1枚のポリカーボネート配向フィルムからなる
熱可塑性高分子フィルムであって、波長450nm及び550nm
における位相差が、下記式(1) R(450)/R(550)<1 (1) 〔式中、R(450)及びR(550)はそれぞれ波長450nm及
び550nmにおける配向フィルムの面内位相差である。〕
を満たし、かつR(550)が50nm以上である熱可塑性高分
子フィルム。 27. 偏光板、λ/4板、及び透明電極を有する2枚
の基板間に液晶層を含む液晶セルをこの順で具備する反
射型液晶表示装置であって、かかるλ/4板として、1
枚のポリカーボネート配向フィルムからなる熱可塑性高
分子フィルムであって、波長450nm及び550nmにおける位
相差が下記式(1) R(450)/R(550)<1 (1) 〔式中、R(450)及びR(550)はそれぞれ波長450nm及
び550nmにおける配向フィルムの面内位相差である。〕
を満たし、かつR(550)が100〜180nmである熱可塑性高
分子フィルムを用いた反射型液晶表示装置。
【0139】
【実施例】(評価法)本明細書中に記載の材料特性値等
は以下の評価法によって得られたものである。 (1)R,K値の測定 複屈折Δnと膜厚dの積である位相差R値及び三次元屈
折率より求められるK値は、分光エリプソメータである
日本分光(株)製の商品名『M150』により測定されたも
のである。R値は入射光線とフィルム表面が直交する状
態で測定しており、R=Δn・d=(nx −ny )・d
である。また、K値は入射光線とフィルム表面の角度を
変えることにより、各角度での位相差値を測定し、公知
の屈折率楕円体の式でカーブフィッティングすることに
より三次元屈折率であるnx ,n y ,nz を求め、K=
(nz −(nx +ny )/2)*dに代入することによ
り求めている。なお、その際、別のパラメータとして平
均屈折率n=(nx +ny+nz )/3が必要になる
が、これについては分光光源がついたアッベ屈折率計で
ある(株)アタゴ社製の商品名『アッベ屈折計2−T』
を用いて、測定波長λ500, 550, 590, 640nmの屈折率n
を測定し、この4点からコーシーの式(n=a+b/λ
2 +c/λ4 ;a,b,cはフィッティングパラメー
タ)を用いて他の波長での屈折率を求めた。K,R値と
も単位はnmである。また、nx ,ny ,n z はここでは
以下のように定義される。 nx :フィルム面内における主延伸方向の屈折率 ny :フィルム面内における主延伸方向に直交する方位
の屈折率 nz :フィルム表面の法線方向の屈折率 (主延伸方向とは一軸延伸の場合には延伸方向、二軸延
伸の場合にはより配向度が上がるように延伸した方向を
意味しており、化学構造的には高分子主鎖の配向方向を
指す。) なお、後掲の表において各波長におけるRは実測値で示
す。また、R(550)>0のとき屈折率異方性は正とし、
R(550)<0のとき負とする。
【0140】(2)全光線透過率及びヘーズの測定 日本工業規格JIS K 7105『プラスチックの光学的特性試
験方法』に準じ積分球式光線透過率測定装置により測定
した。評価装置としては、日本電色工業(株)製の色差
・濁度測定器(商品名『 COH−300A』)を用いた。
【0141】(3)吸水率の測定 乾燥させたフィルムの状態で膜厚を 130±50μmとした
以外は、JIS K 7209記載の『プラスチックの吸水率及び
沸騰吸水率試験方法』に準拠して測定した。試験片の大
きさは50mm正方形で、水温25℃、24時間サンプルを浸水
させた後、重量変化を測定した。単位は%である。
【0142】(4)高分子共重合比の測定 日本電子社製の商品名『 JNM−alpha600』のプロトン N
MRにより測定した。特にビスフェノールAとビスクレゾ
ールフルオレンの共重合体の場合には、溶媒として重ベ
ンゼンを用い、それぞれのメチル基のプロトン強度比か
ら算出した。
【0143】(5)高分子のガラス転移点温度(Tg)の
測定 TA Instruments社製の商品名『DSC2920 Modulated DSC
』により測定した。フィルム成形後ではなく、樹脂重
合後、フレークスまたはチップの状態で測定した。
【0144】(6)高分子の極限粘度測定 ウベローデ粘度管を用い、メチレンクロライド中20℃で
極限粘度を求めた。
【0145】(7)フィルム色調の測定 日立製作所製の分光光度計である商品名『U−3500』を
用い、 JIS Z−8729に記載のL*** 表色系のう
ち、2度視野、c光源でb* 値を求めた。
【0146】(8)フィルム膜厚測定 アンリツ社製の電子マイクロで測定した。
【0147】(9)光弾性係数の測定 測定波長を590nmとし、分光エリプソメータである日本
分光(株)製の商品名『M150』により測定されたもので
ある。
【0148】(10)熱的耐久試験 フィルムを2つの恒温槽に入れ、1,2の条件で(1
80℃,dry, 1000時間、2 60℃,60% RH, 1000時
間)放置後フィルムを取り出し再び上記(1)(2)
(7)を行った。
【0149】また、以下の実施例、比較例で用いたポリ
カーボネートのモノマー構造を以下に示す。
【0150】
【化16】
【0151】
【化17】
【0152】なお、上記〔A〕〜〔G〕のモノマーとホ
スゲンとの単独重合体及びポリスチレン〔PS〕、ポリフ
ェニレンオキサイド〔PPO 〕をフィルム化し延伸したも
ののR(450) /R(550) とTg付近で一軸延伸した際の屈
折率異方性を表3に記す。なお、〔F〕,〔G〕,〔PP
O 〕については単独ではフィルム化が難しいので、
〔F〕,〔G〕については〔A〕を少量、量を変化させ
て共重合させたものから外挿して求めた。また、〔PPO
〕についても〔PS〕を少量、量を変化させて共重合さ
せたものから外挿して求めた。
【0153】
【表3】
【0154】[実施例1]攪拌機、温度計及び還流冷却
器を備えた反応槽に水酸化ナトリウム水溶液及びイオン
交換水を仕込み、これに上記構造を有するモノマー
〔A〕と〔G〕を表1のモル比で溶解させ、少量のハイ
ドロサルファイトを加えた。次にこれに塩化メチレンを
加え、20℃でホスゲンを約60分かけて吹き込んだ。さら
に、p−tert−ブチルフェノールを加えて乳化させた
後、トリエチルアミンを加えて30℃で約3時間攪拌して
反応を終了させた。反応終了後有機相分取し、塩化メチ
レンを蒸発させてポリカーボネート共重合体を得た。得
られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同
様であった。
【0155】この共重合体をメチレンクロライドに溶解
させ、固形分濃度15重量%のドープ溶液を作製した。こ
のドープ溶液からキャストフィルムを作製し、温度 218
℃で1.9倍で幅自由一軸延伸して配向フィルムを得た。
延伸前のキャストフィルムの溶媒含有量は2%であり、
延伸ゾーンにおけるフィルムの幅と延伸方向の長さの比
は1:1.2 とした。
【0156】表4に測定結果をまとめる。また、位相差
と波長分散の関係を図14に記す。このフィルムは、測定
波長が短波長ほど位相差が小さくなりかつ、延伸方向が
面内の屈折率が最も大きくなり、屈折率異方性は正であ
ることを確認した。また、未延伸キャストフィルムの光
弾性係数は35×10-13cm2/dyneであった。さらに熱的耐
久試験を実施したがほとんど変化が無かった。
【0157】[実施例2]実施例1で作製した延伸前の
未延伸キャストフィルムを、温度 220℃で縦横それぞれ
1.1倍ずつ逐次二軸延伸を実施した。表4に測定結果を
まとめる。熱的耐久試験を実施したがほとんど変化が無
かった。
【0158】[実施例3]実施例1と表1記載のモノマ
ーを使った以外は同様の方法にてポリカーボネート共重
合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込
み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温
度 218℃, 1.7倍で幅自由一軸延伸し配向フィルムを得
た。延伸前のキャストフィルムの溶媒含有量は 0.5%で
あった。表4に測定結果をまとめる。このフィルムは、
測定波長が短波長ほど位相差が小さくなりかつ、屈折率
異方性は正であることを確認した。熱的耐久試験を実施
したがほとんど変化が無かった。
【0159】[実施例4]実施例2で作製した延伸前の
未延伸フィルムを、温度 220℃で縦横それぞれ 1.1倍ず
つ逐次二軸延伸を実施した。表4に測定結果をまとめ
る。熱的耐久試験を実施したがほとんど変化が無かっ
た。
【0160】[実施例5]実施例1と表4記載のモノマ
ーを使った以外は同様の方法にてポリカーボネート共重
合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込
み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温
度 218℃, 1.7倍で幅自由一軸延伸して配向フィルムを
得た。延伸前のキャストフィルムの溶媒含有量は 0.2%
であった。表4に測定結果をまとめる。このフィルムの
屈折率異方性は正であることを確認した。熱的耐久試験
を実施したがほとんど変化が無かった。
【0161】[実施例6]実施例3で作製した共重合体
をメチレンクロライドに、〔A〕,〔G〕の含有比率が
実施例1と同様になるように溶解させた。この溶液の濃
度は固形分で15重量%としたが、濁りなく透明であり、
またその溶液から作製したフィルムもヘーズが 0.5%と
2つの共重合体は相溶系であることが分かった。さら
に、そのキャストフィルムを実施例1と同じ条件で延伸
したところ、K,R値の波長分散関係はほぼ実施例1と
等しくなることが分かった。熱的耐久試験を実施したが
ほとんど変化が無かった。
【0162】[実施例7]表4記載のモノマーを使った
以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重
合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込
み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温
度 240℃,2倍で一軸延伸して配向フィルムを得た。表
4に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が
短波長ほど位相差が小さくなりかつ、屈折率異方性は正
であることを確認した。
【0163】
【表4】
【0164】[実施例8]表5記載のモノマーを使った
以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重
合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込
み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温
度 210℃, 1.6倍で一軸延伸して配向フィルムを得た。
表5に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長
が短波長ほど位相差が小さくなりかつ、屈折率異方性は
正であることを確認した。
【0165】[実施例9]表5記載のモノマーを使った
以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重
合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込
み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温
度 230℃, 1.6倍で一軸延伸して配向フィルムを得た。
表5に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長
が短波長ほど位相差が小さくなりかつ、屈折率異方性は
正であることを確認した。
【0166】[実施例10]表5記載のモノマーを使っ
た以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共
重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕
込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、
温度 230℃, 1.7倍で延伸して配向フィルムを得た。表
5に光学特性測定結果をまとめる。このフィルムは、測
定波長が短波長ほど位相差が小さくなりかつ、屈折率異
方性は正であることを確認した。
【0167】[実施例11]表5記載のモノマーを使っ
た以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共
重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕
込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、
温度 240℃, 1.6倍で延伸して配向フィルムを得た。表
5に測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が
短波長ほど位相差が小さくなりかつ、屈折率異方性は正
であることを確認した。
【0168】
【表5】
【0169】[実施例12]負の屈折率異方性を有する
高分子としてポリスチレン(和光純薬工業(株)より入
手)、正の屈折率異方性を有する高分子としてポリフェ
ニレンオキサイド(ポリ(2,6−ジメチル 1,4−
フェニレンオキサイド)和光純薬工業(株)より入手)
を、それぞれ70, 30重量%の比率でクロロホルムに溶解
させ、固形分濃度18重量%のドープ溶液を作製した。こ
のドープ溶液からキャストフィルムを作製し、温度 130
℃、3倍に一軸延伸した。本フィルムのガラス転移点温
度は 125℃であった。
【0170】表6に光学特性測定結果をまとめる。この
フィルムは、測定波長が短波長ほど位相差が小さくなり
かつ、屈折率異方性は負であることを確認した。
【0171】参考として、ポリスチレン、ポリフェニレ
ンオキサイドのブレンド比率を変えた際の複屈折波長分
散係数とポリフェニレンオキサイドの体積分率との関係
を図15に記す。ポリフェニレンオキサイドの少ない領域
では、光学異方性は負であり、複屈折波長分散係数が1
より小さくなる領域が存在することが分かる。一方、ポ
リフェニレンオキサイドの多い屈折率異方性が正の領域
ではその値は1より大きい。
【0172】次に、前述の式(c)を用いて計算した図
15のような体積分率と複屈折波長分散係数との関係を図
16に記す。図16はポリスチレン、ポリフェニレンオキサ
イドの波長 550nmにおける固有複屈折をそれぞれ、−0.
10, 0.21 (D. Lefebvre, B.Jasse and L. Monnerie, Po
lymer 23 706-709 (1982)を参考)として計算した。図1
5と図16の一致は良いといえる。ポリスチレン、ポリフ
ェニレンオキサイドの密度はそれぞれ、1.047, 1.060g
/cm3 とした。
【0173】
【表6】
【0174】[実施例13]実施例1で作製したフィル
ムを任天堂(株)社製の携帯型ゲーム機である『ゲーム
ボーイカラー』に搭載されている一枚偏光板反射型液晶
表示装置に組み込み評価した。その構成は観測者側か
ら、偏光板/実施例1で作製した配向フィルム/ガラス
基板/ ITO透明電極/配向膜/ツイストネマチック液晶
/配向膜/金属電極兼反射膜/ガラス基板である。各層
間の粘着層は省略してある。電圧オフ時に白表示となる
ような角度で貼り合わせて、目視にて色味の評価を実施
した。この位相差フィルムはλ/4板として機能してい
る。この市販品はビスフェノールAのホモ重合体からな
るポリカーボネートフィルムで位相差の異なるものを2
枚使用しているが、実施例1のフィルムを1枚だけ使用
した場合は、特に黒表示時における着色が少なく、それ
によりコントラストが高く視認性に優れることが確認で
きた。
【0175】[実施例14]実施例1で作製したフィル
ムをコレステリック液晶からなる反射型偏光板上に設置
して、市販のバックライト/コレステリック液晶層/実
施例1のフィルム/偏光板の構成にて色味を評価した。
実施例1のフィルムはλ/4板として機能している。そ
のフィルムの遅相軸と偏光板の偏光軸のなす角を45°と
した。偏光板から出射された光は着色の少ない白状態で
あった。
【0176】[実施例15]市販の液晶モニター付きビ
デオカメラの液晶表示装置に使用されているUV硬化型の
デイスコチック液晶層を用いた光学補償フィルムの支持
基板から、デイスコチック液晶層剥し実施例2で作製し
た配向フィルムと粘着層を介して貼り合わせた。これを
再びこの液晶表示装置に貼り合せ、すなわち、支持基板
のみ実施例2のものに取り替え、液晶モニターとして使
用したところ、市販品の状態ではモニター水平方向から
斜めに見ると白表示部分が茶色に着色して見えていた
が、本構成では着色の程度は非常に少なく視認性に優れ
ていた。また、特に正面のコントラストも落とすことが
無かった。
【0177】[比較例1]表7記載のモノマーを使った
以外は同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得
た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比と
ほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度 240℃
1.5倍で延伸しフィルムを得た。表7に測定結果をまと
める。このフィルムは、測定波長が短波長ほど絶対値で
位相差が大きくなることを確認した。
【0178】[比較例2]表7記載のモノマーを使った
以外は同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得
た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比と
ほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度 170
℃,1.2 倍で延伸しフィルムを得た。表7に測定結果を
まとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど絶対
値で位相差が大きくなることを確認した。
【0179】[比較例3]表7記載のモノマーを使った
以外は同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得
た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比と
ほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度 240
℃,1.5 倍で延伸しフィルムを得た。表7に測定結果を
まとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど絶対
値で位相差が大きくなることを確認した。
【0180】[比較例4]表7記載のモノマーを使った
以外は同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得
た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比と
ほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度 165
℃,1.2 倍で延伸しフィルムを得た。表7に測定結果を
まとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど絶対
値で位相差が大きくなることを確認した。
【0181】[比較例5]表7記載のモノマーを使った
以外は同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得
た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比と
ほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度 230
℃,1.5 倍で延伸しフィルムを得た。表7に光学特性測
定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長
ほど絶対値で位相差が大きくなることを確認した。
【0182】[比較例6]表7記載のモノマーを使った
以外は同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得
た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比と
ほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度 160
℃、倍率 1.1倍で延伸しフィルムを得た。表7に測定結
果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど
絶対値で位相差が大きくなることを確認した。
【0183】[比較例7]表7記載のモノマーを使った
以外は同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得
た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比と
ほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度 240
℃、倍率 1.3倍で延伸しフィルムを得た。表7に測定結
果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど
絶対値で位相差が大きくなることを確認した。
【0184】[比較例8]表7記載のモノマーを使った
以外は同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得
た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比と
ほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度 175
℃、倍率 1.2倍で延伸しフィルムを得た。表7に測定結
果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど
絶対値で位相差が大きくなることを確認した。
【0185】[比較例9]表7記載のモノマーを使った
以外は同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得
た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比と
ほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度 260
℃,1.2 倍で延伸しフィルムを得た。表7に測定結果を
まとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど絶対
値で位相差が大きくなることを確認した。
【0186】[比較例10]表7記載のモノマーを使っ
た以外は同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得
た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比と
ほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度 170
℃,1.1 倍で延伸しフィルムを得た。表7に光学特性測
定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長
ほど絶対値で位相差が大きくなることを確認した。
【0187】[比較例11]表7記載のモノマーを使っ
た以外は同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得
た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比と
ほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度 260
℃、倍率 1.5倍で延伸しフィルムを得た。表7に測定結
果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど
絶対値で位相差が大きくなることを確認した。
【0188】[比較例12]表7記載のモノマーを使っ
た以外は同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得
た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比と
ほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度 180
℃、倍率 1.2倍で延伸しフィルムを得た。表7に測定結
果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど
絶対値で位相差が大きくなることを確認した。
【0189】[比較例13]表7記載のモノマーを使っ
た以外は同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得
た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比と
ほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度 160
℃,1.1 倍に一軸延伸しフィルムを得た。表7に測定結
果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど
絶対値で位相差が大きくなることを確認した。
【0190】[比較例14]表7記載のモノマーを使っ
た以外は同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得
た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比と
ほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度 175
℃,1.1 倍に一軸延伸しフィルムを得た。表7に測定結
果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長ほど
絶対値で位相差が大きくなることを確認した。
【0191】[比較例15]表7記載のモノマーを使っ
た以外は同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得
た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比と
ほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜、温度 170
℃、倍率 1.1倍に一軸延伸しフィルムを得た。表7に測
定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長が短波長
ほど絶対値で位相差が大きくなることを確認した。
【0192】
【表7】
【0193】[実施例16]攪拌機、温度計及び還流冷
却器を備えた反応槽に水酸化ナトリウム水溶液及びイオ
ン交換水を仕込み、これに上記構造を有するモノマーA
とGを表8のモル比で溶解させ、少量のハイドロサルフ
ァイトを加えた。次にこれに塩化メチレンを加え、20℃
でホスゲンを約60分かけて吹き込んだ。さらに、p−te
rt−ブチルフェノールを加えて乳化させた後、トリエチ
ルアミンを加えて30℃で約3時間攪拌して反応を終了さ
せた。反応終了後有機相分取し、塩化メチレンを蒸発さ
せてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合
体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。
【0194】この共重合体をメチレンクロライドに溶解
させ、固形分濃度20重量%のドープ溶液を作製した。こ
のドープ溶液からキャストフィルムを作製し、一軸延伸
することにより測定波長λ= 550nmでそれぞれλ/4、
λ/2(nm)となる位相差フィルムを作製した。
【0195】さらにこのフィルムを表8に記載の角度で
貼り合わせて、偏光板//1/2波長板//1/4波長
板//反射板からなる光学多層フィルムを作製した。各
光学フィルム間は粘着剤を用いた。
【0196】図6に本光学多層フィルムの反射スペクト
ルの概要を示す。完全に着色が無く、また反射率の低い
黒が実現されたものとは、図6において全波長領域にお
いて反射率が0となる場合であるが、本発明の積層位相
差フィルムを用いた場合、図6から分かるように後述す
る比較例と比較して反射率が小さくなっておりかなり優
れた黒状態のものが得られた。また、本光学多層フィル
ムを目視にて確認したが、着色の無い黒が得られる。
【0197】[実施例17]実施例16と表7記載のモノ
マーを使った以外は同様の方法にてポリカーボネート共
重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕
込み量比とほぼ同様であった。実施例16と同様に1/2
波長板、1/4波長板を作製し、表1に記載の角度で貼
り合わせて、偏光板//1/2波長板//1/4波長板
//反射板からなる光学多層フィルムを作製した。
【0198】図6に本光学多層フィルムの反射スペクト
ルの概要を記す。図6から分かるように比較例と比較し
てかなり優れた黒状態を得られることが分かった。ま
た、本光学多層フィルムを目視にて確認したが、着色の
無い黒が得られた。
【0199】
【表8】
【0200】[比較例16]実施例16と表8記載のモノ
マーを使った以外は同様の方法にてポリカーボネート単
独重合体を得た。実施例16と同様に1/2波長板、1/
4波長板を作製し、表8に記載の角度で貼り合わせて、
偏光板//1/2波長板//1/4波長板//反射板か
らなる光学多層フィルムを作製した。
【0201】図6に本光学多層フィルムの反射スペクト
ルの概要を記す。また、本光学多層フィルムを目視にて
確認したが、黒に着色のあった。
【0202】[比較例17]ノルボルネン樹脂である J
SR株式会社製の商品名『ARTON G』を用いて実施例16と
同様に1/2,1/4波長板を作製し、表8に記載の貼
り合わせ角度にて、偏光板//1/2波長板//1/4
波長板//反射板からなる光学多層フィルムを作製し
た。
【0203】図6に本光学多層フィルムの反射スペクト
ルの概要を記す。また、本光学多層フィルムを目視にて
確認したが、実施例16,17に比べて黒に着色のあること
が判った。
【0204】
【発明の効果】本発明により、フィルム1枚だけでも、
測定波長が短波長ほど複屈折が小さい配向フィルムを得
ることが可能となった。そのような複屈折波長分散性を
有し、かつ、測定波長 550nmにおける位相差を四分の一
波長にした配向フィルムは、広い波長領域において円偏
光を直線偏光に、直線偏光を円偏光に変換する位相差フ
ィルムとして機能するので、偏光板一枚型やゲストホス
ト型の反射型液晶表示装置、そして片方の円偏光だけ反
射するような反射型偏光素子に応用することにより、画
質に優れる液晶表示装置や高性能の反射型偏光素子を生
産性良く提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】二成分ブレンド高分子の複屈折の波長分散と高
分子の種類及びブレンド比との関係を示すグラフであ
る。
【図2】二成分ブレンド高分子の複屈折の波長分散と高
分子の種類及びブレンド比との関係を示すグラフであ
る。
【図3】二成分ブレンド高分子の複屈折の波長分散と高
分子の種類及びブレンド比との関係を示すグラフであ
る。
【図4】二成分ブレンド高分子の複屈折の波長分散と高
分子の種類及びブレンド比との関係を示すグラフであ
る。
【図5】本発明の条件を満たさない積層フィルムの着色
具合を示すシミュレーション結果を示すグラフである。
【図6】実施例16,17および比較例16,17の積層フィル
ムの着色の具合を示すグラフである。
【図7】λ/4板3とλ/2板1の貼り合せ積層フィル
ムの例を示す。
【図8】λ/4板とλ/2板と偏光板4の貼り合せ積層
フィルムの例を示す。
【図9】λ/4板と偏光板の貼り合せ積層フィルムの例
を示す。
【図10】偏光板4とλ/4板3とコレステリック液晶
層5の貼り合せ積層フィルムの例を示す。実施例17であ
る。
【図11】偏光板4//λ/4板3//ガラス基板6/
/液晶層8//ガラス基板6//λ/4板3//偏光板
4//バックライトシステム10の構成の液晶表示装置の
例を示す。
【図12】偏光板4//λ/4板3//ガラス基板6/
/透明電極7//液晶層8//凹凸反射電極9//ガラ
ス基板6の構成の液晶表示装置の例を示す。実施例13で
ある。
【図13】偏光板4//λ/4板3//光拡散板11//
ガラス基板6//透明電極7//液晶層8//鏡面反射
電極12//ガラス電極6の構成の液晶表示装置の例を示
す。
【図14】実施例1の熱可塑性高分子フィルムの位相差
と波長との関係を示すグラフである。
【図15】実施例12の熱可塑性高分子フィルムの複屈折
波長分散係数のポリマーの成分の体積分率との関係を示
すグラフである。
【図16】実施例12の熱可塑性高分子フィルムの複屈折
波長分散係数のポリマーの成分の体積分率との関係を示
すグラフである。
【符号の説明】
1.λ/2板 2.粘着層 3.λ/4板 4.偏光板 5.コレステリック液晶層 6.ガラス基板 7.透明電極 8.液晶層 9.凹凸反射電極 10.バックライトシステム 11.光拡散板 12.鏡面反射電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA03 BA06 BA07 BA42 BB03 BB42 BB50 BC03 BC09 4F071 AA50 AF10Y AF30Y AF31Y AF35Y AH12 BB02 BB07 BC01 4F210 AA28E AE10 AG01 AH73 QC01 QC05 QG01 QG18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性高分子からなる単層配向フィル
    ムであって、吸水率が1重量%以下であってかつ該配向
    フィルム自体で波長450nm及び550nmにおける
    位相差が下記式(1)及び/又は(2)を満たすことを
    特徴とする熱可塑性高分子フィルム。 R(450)/R(550)<1 (1) K(450)/K(550)<1 (2) (式中、R(450)及びR(550)はそれぞれ波長
    450nm及び550nmにおける配向フィルムの面内
    位相差であり、K(450)及びK(550)はそれぞ
    れ波長450nm及び550nmにおける配向フィルム
    のK=[nz−(nx+ny)/2]×d(式中、n
    x、ny、nzは配向フィルムの三次元屈折率であり、
    dはフィルムの厚さである。)で計算される値であ
    る。)
  2. 【請求項2】 熱可塑性高分子は、正の屈折率異方性を
    有する高分子のモノマー単位(以下、第1のモノマー単
    位という)と負の屈折率異方性を有する高分子のモノマ
    ー単位(以下、第2のモノマー単位という)とを含む共
    重合体及び/又はブレンド高分子である、請求項1記載
    の熱可塑性高分子フィルム。
  3. 【請求項3】 熱可塑性高分子はフルオレン骨格を含む
    ものである、請求項1または2記載の熱可塑性高分子フ
    ィルム。
  4. 【請求項4】 熱可塑性高分子が重縮合により得られた
    ものである、請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性
    高分子フィルム。
  5. 【請求項5】 熱可塑性高分子がポリカーボネートであ
    る、請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性高分子フ
    ィルム。
  6. 【請求項6】 R(550)及び/又はK(550)が
    20nm以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の
    熱可塑性高分子フィルム。
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