JP3734044B2 - 重合性液晶組成物及び光学異方体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学、表示、記録材料、また液晶ディスプレイの光学補償板や偏光プリズム材料として利用される新規な重合性液晶組成物、これを重合してなる光学異方体及びこの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶ディスプレイ素子の表示品位の向上と軽量化の両立に対する要求から、補償板として内部の分子の配向構造が制御された高分子フィルムが求められている。これに応える技術として、液晶性高分子を用いる方法(特開平3−28822号公報、特開平4−3022号公報、特開平4−55813号公報、特開平5−27235号公報、特開平5−61039号公報)や2官能液晶性アクリレート化合物又は組成物を用いる方法(特開平3−14029号公報)が知られているが、これらの技術はフィルム内部の分子の配向構造の均一性や、フィルムの耐熱性に問題があった。
【0003】
この問題を解決するために本発明者等は、室温において液晶性を有する重合性液晶組成物、及びその組成物を光重合して得られる内部の配向構造が制御された高分子フィルム(光学異方体)を先に提案した。しかしながら、該発明の実施例の光学異方体は、内部の分子の配向構造の均一性や耐熱性には問題ないものの、重合性液晶組成物をネマチック液晶状態で光重合させて得られたものであるため、視角特性が良好な光学異方体を得るために必要な光学的な2軸性、あるいは内部に液晶分子骨格の層状構造を有するものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、重合性液晶組成物の重合によって光学異方体を製造する際に、光学的な2軸性や、内部に液晶分子骨格の層状構造の導入が可能な重合性液晶組成物を提供することにある。
【0005】
また、これを光重合することにより得られる光学異方体の製造方法、及び内部の分子の配向構造の均一性及び耐熱性に優れた光学異方体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決するために、重合性液晶組成物に着目して鋭意研究を重ねた結果、本発明を提供するに至った。
【0007】
即ち、本発明は少なくとも2つの6員環を有する液晶性骨格を部分構造として有する環状アルコール、フェノール又は芳香族ヒドロキシ化合物のアクリル酸又はメタクリル酸エステルである単官能アクリレート化合物又は単官能メタクリレート化合物を含有し、スメクチック液晶相を示すことを特徴とする重合性液晶組成物を提供する。
【0008】
また、本発明のスメクチック液晶相を示す重合性液晶組成物を光重合させることを特徴とする光学異方体の製造方法、及びこの製造方法により得られる光学異方体をも提供する。
【0009】
以下、本発明の重合性液晶組成物について更に詳細に説明する。
本発明の重合性液晶組成物に含有される前記アクリレート又はメタクリレート(以下、本発明に係わる重合性化合物とする。)は、詳しくは一般式(I)
【0010】
【化11】
【0011】
(式中、Xは水素原子又はメチル基を表わし、6員環A、B及びCはそれぞれ独立的に、
【0012】
【化12】
【0013】
を表わし、nは0又は1の整数を表わし、mは1から4の整数を表わし、Y1及びY2はそれぞれ独立的に、単結合、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH2)4−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、−CH2=CHCH2CH2−又は−CH2CH2CH=CH−を表わし、Y3は単結合、−COO−、−OCO−を表わし、Rは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基又はアルケニルオキシ基を表わす。)で表わされる。
【0014】
上記一般式(I)において、6員環A、B及びCはそれぞれ独立的に、
【0015】
【化13】
【0016】
を表わし、mは1又は2の整数を表わし、Y1及びY2はそれぞれ独立的に単結合又は−C≡C−を表わし、Rはハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、アルコキシル基又はアルケニル基を表わすことが好ましい。
【0017】
本発明の重合性液晶組成物は、スメクチック液晶相を示すことが必須条件である。スメクチック液晶相には、スメクチックA相やスメクチックC相等のように分類された種々のスメクチック相が知られているが、重合性液晶組成物を光重合して得られる光学異方体の用途に応じてスメクチック相の種類を選択するのが好ましい。例えば、光学的な2軸性が必要な時は、スメクチックC相のように、液晶分子が層状構造に対してある角度をもって傾いた配列した液晶配向構造を持ったスメクチック液晶相を選択するのが好ましい。また均一な1軸配向を容易に得るためには、スメクチックA液晶相を選択するのが好ましい。
【0018】
本発明の重合性液晶組成物がスメクチック液晶相を発現する温度範囲は、意図しない熱重合の誘起をさけるために80度以下で発現するのが好ましく、更には室温付近が好ましい。
【0019】
また、本発明の重合性液晶組成物はスメクチック液晶相を示すことを特徴としている。そのため、その相系列にはスメクチック液晶相を有していなければならないが、スメクチック液晶相を示す上限温度よりも高い温度でネマチック液晶相を示すものは、ネマチック液晶相を示す重合性液晶組成物を配向させた後に、温度を下げることによって良好なスメクチック液晶相の配向を得るという方法を適用することができるため、このような相系列を有する重合性液晶組成物を用いることは好ましい。特にスメクチック液晶相がスメクチックA液晶相であり、且つスメクチックA液晶相よりも高い温度でネマチック液晶相を示す重合性液晶組成物を用いると均一な1軸配向を得るのが容易であり、有用性が高いが、このような組成物を調製するためには、上記一般式(I)の6員環A、B及びCのうち、少なくとも一つの環は、
【0020】
【化14】
【0021】
を表わし、mは1又は2の整数を表わし、Y1、Y2及びY3は単結合を表わし、Rは炭素原子数1〜20のアルキル基を表わす単官能(メタ)アクリレートを含有させることが好ましい。
【0022】
本発明に係わる重合性化合物の代表的なものの例と、その相転移温度を示すが、本発明で使用することができる重合性化合物は、これらの化合物に限定されるものではない。
【0023】
【化15】
【0024】
【化16】
【0025】
【化17】
【0026】
(上記中、シクロヘキサン環はトランスシクロヘキサン環を表わし、また相転移温度スキームのCは結晶相、Nはネマチック相、Sはスメクチック相、Iは等方性液体相を表わし、数字は相転移温度を表わす。)
本発明に係わる重合性化合物は、単独で用いても、2種以上の化合物を混合して用いてもよい。単独で用いる場合は、それ自体がスメクチック液晶相を示す必要があるのは勿論、2種以上の化合物を混合して用いる場合も、それ自体がスメクチック液晶相を示す化合物を用いるのが好ましい。
【0027】
また、本発明の重合性液晶組成物には、重合性官能基を有していない液晶化合物を、重合性液晶組成物中の総量が10重量%を超えない範囲で添加してもよい。重合性官能基を有していない液晶化合物としてはネマチック液晶化合物、スメクチック液晶化合物、コレステリック液晶化合物等の通常、この技術分野で液晶と認識されるものであれば特に制限なく用いることができるが、スメクチック液晶化合物が特に好ましい。また、その添加量が増えるに従い、得られる光学異方体の機械的強度が低下する傾向にあるので、添加量を適宜調整する必要がある。
【0028】
また、液晶性を示さない重合性の化合物も添加することができる。このような化合物としては、通常この技術分野で高分子形成性モノマーあるいは高分子形成性オリゴマーとして認識されるものであればよいが、アクリレート化合物が特に好ましい。
【0029】
これらの液晶化合物又は重合性化合物は適宜選択して組み合わせて添加してもよいが、少なくとも得られる重合性液晶組成物のスメクチック液晶性が失われないように、各成分の添加量を調整することが必要である。
【0030】
また、本発明の重合性液晶組成物には、その重合反応性を向上させることを目的として、光重合開始剤や増感剤を添加してもよい。ここで、使用することができる光重合開始剤としては、例えば、公知のベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類等を挙げることができる。その添加量は、重合性液晶組成物中の総量が10重量%以下が好ましく、5重量%以下が特に好ましい。
【0031】
また、本発明の重合性液晶組成物には、その保存安定性を向上させるために、安定剤を添加してもよい。ここで使用することができる安定剤としては公知のヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール等を挙げることができる。その安定剤の添加量は、重合性液晶組成物中の総量が0.05重量%以下であることが好ましい。
【0032】
また、本発明の重合性液晶組成物には、光学異方体に2色性を付与するために、2色性色素を添加してもよい。使用することができる二色性色素は、アゾ系、アゾキシ系、アントラキノン系、ペリレン系等があり、これらの色素を単独又は混合して用いることができる。このような二色性色素としては、例えば、「LSY−116」、「LSR−401」、「LSR−406」、「LSR−426」、「LSB−278」、「LSB−350」(以上、三菱化学社製)、「SI−209」、「M−710」、「M−361」、「M−86」、「M−618」、「SI−252」、「M−777」、「M−370」、「M−137」、「M−141」、「M−438」、「M−412」、「M−34」、「M−430」、「M−406」、「S−301」、「S−304」、「M−676」(以上、三井東圧社製)等を挙げることができる。これらの2色性色素の添加する場合の添加量は、製造する光学異方体の用途によるが、重合性液晶組成物中の総量が0.1〜10重量%の範囲になるように調整するのが好ましく、0.2〜2重量%の範囲が特に好ましい。
【0033】
更に、本発明の重合性液晶組成物には、重合性液晶組成物を光重合させて製造される光学異方体中にカイラルスメクチック構造を導入する目的で、カイラル化合物を添加してもよい。ここで使用することができるカイラル化合物は、それ自体が液晶性を示す必要はなく、また重合性官能基を有していても、有していなくてもよい。またそのねじれの向きは使用する目的によって適宜選択することができる。そのようなカイラル化合物としては、例えば、光学活性基としてコレステリル基を有するペラルゴン酸コレステロール、ステアリン酸コレステロール、光学活性基として2−メチルブチル基を有する「CB−15」、「C−15」(以上BDH社製)、「S1082」(メルク社製)、「CM−19」、「CM−20」、「CM」(以上チッソ社製)、光学活性基として1−メチルヘプチル基を有する「S−811」(メルク社製)、「CM−21」、「CM−22」(以上チッソ社製)を挙げることができる。このカイラル化合物の添加量は、製造される光学異方体の用途により適宜調整するのが好ましい。
【0034】
以下、本発明の製造方法について更に詳細に説明する。本発明の製造方法は、本発明のスメクチック液晶相を示す重合性液晶組成物を、基板上又は基板間で一定方向に配向させた後、電子線又は紫外線のようなエネルギー線の照射によって光重合を行い、高分子化することで配向を固定化し、光学的2軸性や内部に層状構造を持った光学異方体を製造するものである。
【0035】
重合性液晶組成物を一定方向に配向させる手段としては、例えば、基板表面を布等でラビング処理した基板あるいはSiO2を斜方蒸着した配向膜を有する基板上又は基板間に担持させる方法を挙げることができる。
【0036】
また、配向処理を施した基板によらない方法としては、例えば、重合性液晶組成物の流動配向、あるいは電場又は磁場を利用する方法を挙げることができる。これらの配向手段は単独で用いても、また組み合わせて用いてもよい。その中でも、基板表面を布等でラビング処理した基板を用いる方法は、その簡便性から特に好ましい。
【0037】
このとき使用することができる基板は、有機材料、無機材料を問わずに用いることができる。具体的な例を挙げると有機材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリアリレート、ポリスルホン、セルロース、ポリエーテルエーテルケトン、また無機材料としては例えば、シリコン、ガラス等を挙げることができる。
【0038】
これらの基板を布等でラビングすることによって適当な配向性を得られないときは、公知の方法に従ってポリイミド薄膜又はポリビニルアルコール薄膜等の有機薄膜を基板表面に形成し、これを布等でラビングしてもよい。また通常のTN又はSTNセルで使用されているようなプレチルト角を与えるポリイミド薄膜を積極的に用いることは、光学異方体の内部構造を更に精密に制御できることから特に好ましい。また、電場によって配向状態を制御する場合には、電極層を有する基板を使用することができ、この場合は電極上に前述のポリイミド薄膜等の有機薄膜を形成することが好ましい。
【0039】
重合の方法としては、迅速な重合の進行が望ましいので、紫外線又は電子線等のエネルギー線を前述の基板に照射することによって、光重合させる方法が好ましい。また、重合性液晶組成物を2枚の基板間に挟持させた状態で光重合を行う場合は、少なくとも照射面側の基板は適当な透明性が与えられていなければならない。この時の温度は、本発明における重合性液晶組成物のスメクチック液晶状態が保持される温度でなければならないが、熱重合を避ける意味からもできるだけ室温に近い温度で重合させることが好ましい。
【0040】
また、このような本発明の方法によって作製される光学異方体は、基板から剥離して用いても、また剥離せずに基板に担持させたまま用いてもよい。
【0041】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0042】
(実施例1)
式(e)
【0043】
【化18】
【0044】
の化合物50重量部及び式(f)
【0045】
【化19】
【0046】
の化合物50重量部からなる重合性液晶組成物(A)を調整した。この重合性液晶組成物は51℃で結晶相からスメクチック相へ相転移し、82℃でスメクチック相から等方性液体相へ相転移した。この重合性液晶組成物(A)100重量部に対し、光重合開始剤「IRG−651」(チバガイギー社製)1重量部からなる重合性液晶組成物(B)を調整した。次にポリイミド配向膜を形成し、ラビング処理した2枚のガラス基板を、ポリイミド配向膜の面が内側になるように30ミクロンの間隔をもって対向させて、この基板間に重合性液晶組成物(B)を挟持させた。この挟持された重合性液晶組成物(B)を90℃に加熱して、等方性液体にした後、60℃まで冷却した。この時、重合性液晶組成物(B)はスメクチック液晶状態であり、均一に配向していた。
【0047】
次に、この重合性液晶組成物(B)にUVランプ(UVP社製、UVGL−25)を用いて、500mJ/cm2の光量の紫外線を照射して、重合性液晶組成物を光重合し硬化させた。このようにして得られた2枚のガラス基板に挟持された光重合した重合性液晶組成物を室温まで冷却した後、2枚のガラス基板を剥離して、自立した光学異方体を得た。この光学異方体をX線解析したところ、スメクチック液晶相に特徴的な、液晶分子骨格の層状構造に由来する鋭い回折ピークが観察された。この結果、光学異方体中にスメクチック液晶相の配向構造が固定化され、内部に液晶分子骨格の層状構造を持った光学異方体が確認された。また、得られた光学異方体は、耐熱性にも優れていた。
(実施例2)
ポリイミド配向膜を形成し、ラビング処理した2枚のガラス基板を、ポリイミド配向膜の面が内側になるように50ミクロンの間隔をもって対向させて、この基板間に実施例1で得た重合性液晶組成物(B)を挟持させた。この挟持された重合性液晶組成物(B)を90℃に加熱して、等方性液体にした後、25℃まで冷却した。この時、重合性液晶組成物(B)は過冷却のスメクチック液晶状態であり、均一に配向していた。
【0048】
次に、この重合性液晶組成物(B)にUVランプ(UVP社製、UVGL−25)を用いて、500mJ/cm2の光量の紫外線を照射して重合性液晶組成物を光重合し硬化させた。このようにして得られた2枚のガラス基板に挟持された光重合した重合性液晶組成物を室温まで冷却した後、2枚のガラス基板を剥離して、自立した光学異方体を得た。この光学異方体をX線解析したところ、スメクチック液晶相に特徴的な、液晶分子骨格の層状構造に由来する鋭い回折ピークが観察された。この結果、光学異方体中にスメクチック液晶相の配向構造が固定化され、内部に液晶分子骨格の層状構造を持った光学異方体が確認された。また、得られた光学異方体は、耐熱性にも優れていた。
【0049】
(実施例3)
式(c)
【0050】
【化20】
【0051】
の化合物67重量部、式(r)
【0052】
【化21】
【0053】
の化合物67重量部及び式(s)
【0054】
【化22】
【0055】
67重量部からなる重合性液晶組成物(C)を調整した。この重合性液晶組成物(C)を等方性液体相まで加熱した後に、冷却すると97℃で等方性液体相からネマチック相に相変化し、45℃でネマチック相からスメクチックA相に相変化した。このことから、この重合性液晶組成物は、スメクチックA相より高い温度でネマチック相を示すのは明かである。この重合性液晶組成物(C)200重量部に対し、光重合開始剤「IRG−651」(チバガイギー社製)1重量部からなる重合性液晶組成物(D)を調整した。次にポリイミド配向膜を形成し、ラビング処理した2枚のガラス基板を、ポリイミド配向膜の面が内側になるように50ミクロンの間隔をもって対向させてアンチパラレルセルを作製し、このアンチパラレルセルに重合性液晶組成物(D)を挟持させた。この挟持された重合性液晶組成物(D)を100℃に加熱して、等方性液体にした後、60℃まで冷却した。この時、アンチパラレルセルを偏光顕微鏡で観察すると重合性液晶組成物(D)はネマチック液晶状態であり、均一に1軸配向していた。次に40℃まで冷却してからアンチパラレルセルを偏光顕微鏡で観察すると重合性液晶組成物はスメクチックA液晶状態であり、均一な1軸配向は保たれていた。さらに室温まで冷却してから、アンチパラレルセルを偏光顕微鏡で観察すると重合性液晶組成物はスメクチックA液晶状態であり、均一な1軸配向は室温においても保たれていることが確認できた。この状態において、アンチパラレルセルにUVランプ(UVP社製、UVGL−25)を用いて、500mJ/cm2の光量の紫外線を照射して、重合性液晶組成物を光重合し硬化させた。このようにして得られた2枚のガラス基板に挟持された重合性液晶組成物の光重合物を100℃で5分間保った後、水の中に浸漬させて急冷することによって光重合物から2枚のガラス基板を剥離した。ガラス基板から剥離した重合性液晶組成物の光重合物を、偏光顕微鏡で観察したところ、スメクチックA液晶相の均一な1軸配向状態が光重合物中に固定化されており、光学異方体が製造できたことが確認できた。また得られた光学異方体は、耐熱性にも優れていた。
【0056】
(実施例4)
45度のプレチルト角を与えるようにSiO2を斜方蒸着した2枚のガラス基板を、蒸着面を内側になるように100ミクロンの間隔をもって対向させてアンチパラレルセルを作製し、このアンチパラレルセルに実施例3で得た重合性液晶組成物(D)を挟持させた。この挟持された重合性液晶組成物(D)を100℃に加熱して、等方性液体にした後、60℃まで冷却した。この時、アンチパラレルセルを偏光顕微鏡で観察すると重合性液晶組成物(D)はネマチック液晶状態であり、均一に1軸配向していた。次に40℃まで冷却してからアンチパラレルセルを偏光顕微鏡で観察すると重合性液晶組成物はスメクチックA液晶状態であり、均一な1軸配向は保たれていた。さらに室温まで冷却してから、アンチパラレルセルを偏光顕微鏡で観察すると重合性液晶組成物はスメクチックA液晶状態であり、均一な1軸配向は室温においても保たれていることが確認できた。この状態において、アンチパラレルセルにUVランプ(UVP社製、UVGL−25)を用いて、500mJ/cm2の光量の紫外線を照射して、重合性液晶組成物を光重合し硬化させた。このようにして得られた2枚のガラス基板に挟持された重合性液晶組成物の光重合物を100℃で5分間保った。室温まで冷却した後、重合性液晶組成物の光重合物を偏光顕微鏡で観察したところ、スメクチックA液晶相の均一な1軸配向状態が光重合物中に固定化されており、光学異方体が製造できたことが確認できた。また得られた光学異方体は、耐熱性にも優れていた。この光学異方体は、偏光分離素子として機能した。つまり、光学異方体平面に対して垂直に光を入射させた時、光学異方体から出射される光は、互いに直交する2つの偏光に分離され、一方の偏光は、もう一方の偏光から約5ミクロンずれた位置から出射するのが顕微鏡観察により確認できた。
【0057】
(実施例5)
ポリイミド配向膜を形成し、ラビング処理はしていない2枚のガラス基板を、ポリイミド配向膜の面が内側になるように50ミクロンの間隔をもって対向させてセルを作製し、このセルに実施例3で得た重合性液晶組成物(D)を挟持させた。この挟持された重合性液晶組成物(D)を100℃に加熱して、等方性液体にした後、このセルを10kGの磁場中に静置した。このとき、ガラス基板平面と磁場のなす角度は45度になるようにした。磁場中に静置したセルを室温まで冷却した後、セルにUVランプ(UVP社製、UVGL−25)を用いて、500mJ/cm2の光量の紫外線を照射して、重合性液晶組成物を光重合し硬化させた。このようにして得られた2枚のガラス基板に挟持された重合性液晶組成物の光重合物を100℃で5分間保った後、水の中に浸漬させて急冷することによって光重合物から2枚のガラス基板を剥離した。ガラス基板から剥離した重合性液晶組成物の光重合物を、偏光顕微鏡で観察したところ、スメクチックA液晶相の均一な1軸配向状態が光重合物中に固定化されており、光学異方体が製造できたことが確認できた。また得られた光学異方体は、耐熱性にも優れていた。この光学異方体は、偏光分離素子として機能した。つまり、光学異方体平面に対して垂直に光を入射させた時、光学異方体から出射される光は、互いに直交する2つの偏光に分離され、一方の偏光は、もう一方の偏光から約2ミクロンずれた位置から出射するのが顕微鏡観察により確認できた。
【0058】
【発明の効果】
本発明の重合性液晶組成物は、これを用いて光学異方体を製造する際に、光学的な2軸性や、内部に液晶分子骨格の層状構造の導入が容易である。また、得られた光学異方体は、内部の分子の配向構造の均一性及び耐熱性に優れている。
【0059】
従って、本発明の重合性液晶組成物は、液晶表示素子の光学補償板や、偏光プリズム、また新規な光学素子の材料として非常に有用である。
Claims (15)
- 少なくとも2つの6員環を有する液晶性骨格を部分構造として有する環状アルコール、フェノール又は芳香族ヒドロキシ化合物の(メタ)アクリル酸エステルである単官能(メタ)アクリレート化合物を含有する重合性液晶組成物を、スメクチック液晶相で配向した状態で紫外線又は電子線を該重合性液晶組成物に照射し、光重合させることにより製造されたことを特徴とする光学異方体。
- スメクチック液晶相がスメクチックA液晶相であることを特徴とする請求項1記載の光学異方体。
- 重合性液晶組成物が低温側から高温側の順にスメクチックA相−ネマチック相−等方性液体相の相系列を示すことを特徴とする請求項2記載の光学異方体。
- 重合性液晶組成物が低温側から高温側の順にスメクチックA相−ネマチック相−等方性液体相の相系列を示す単官能(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする請求項3記載の光学異方体。
- 重合性液晶組成物が室温においてスメクチックA液晶相を示すことを特徴とする請求項3又は4記載の光学異方体。
- 単官能(メタ)アクリレート化合物が、一般式(I)
- 重合性液晶組成物が低温側から高温側の順にスメクチックA相−ネマチック相−等方性液体相の相系列を示すことを特徴とする請求項8記載の重合性液晶組成物。
- カイラル化合物を含有することを特徴とする請求項8、9、10、11又は12記載の重合性液晶組成物。
- 少なくとも2つの6員環を有する液晶性骨格を部分構造として有する環状アルコール、フェノール又は芳香族ヒドロキシ化合物の(メタ)アクリル酸エステルである単官能(メタ)アクリレート化合物を含有する重合性液晶組成物がスメクチック液晶相で配向した状態において、紫外線又は電子線を該重合性液晶組成物に照射し、光重合させることを特徴とする光学異方体の製造方法。
- 重合性液晶組成物がスメクチックA液晶相で配向した状態において、紫外線又は電子線を該重合性液晶組成物に照射し、光重合させることを特徴とする請求項14記載の光学異方体の製造方法。
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