JP3677817B2 - 高分子レンズ及び高分子レンズの製造方法 - Google Patents

高分子レンズ及び高分子レンズの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体レーザー用の小型レンズやマイクロレンズアレイ等の光学レンズとして利用される高分子レンズ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶の複屈折性を利用して焦点距離の可変なレンズとする技術が、特開昭52−32348号公報、特公昭61−45812号公報等に開示されている。これらの技術を用いると、小型で消費電力の少ない焦点距離可変のレンズが得られるが、その動作温度は、使用する液晶が液晶相を示す温度範囲に限られ、また液晶の複屈折性は温度によって大きく変化することから、レンズとしての性能例えば焦点距離等が温度によっても変化してしまうという欠点があった。また液晶は流動性を有しているため、レンズとして使用する場合には、2枚のガラス基板等の間に液晶を担持させて使用しなければならず、レンズの軽量化には限界があった。一方、焦点距離を可変する必要はないものの、生産性及び軽量性にすぐれたレンズの必要性は、半導体レーザーや光ファイバー等のオプトデバイスの発展に伴い増してきており、早急な開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、液晶の複屈折性を利用したレンズにおいて、焦点距離等の特性が温度によって変化することがなく、生産性、コスト及び軽量性に優れた高分子製レンズを提供し、さらに該高分子レンズの製造方法をも提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決するため、レンズとして機能するために必須の屈折率の分布が液晶分子の配向分布に基づいていることに着目して鋭意検討し、かかる課題が重合性液晶組成物を用いて液晶分子の配向分布を保ったまま高分子化し、配向を固定化することによって解決できることを見いだし、本発明を提供するに到った。
【0005】
即ち、本発明は重合性液晶組成物の光重合物からなり、該光重合物中の屈折率が場所的に分布していることを特徴とする高分子レンズを提供する。
本発明は、液晶として重合性液晶組成物を用いて、レンズとして機能するための液晶分子の配向分布を、光重合によって形成した高分子中に固定化することにより、複屈折性の温度依存性を大幅に改良せしめたものであり、また液晶を担持するガラス基板等の基板をも不要にしたものである。
【0006】
以下、本発明を更に詳細に説明する。本発明の高分子レンズは、例えば、重合性液晶組成物を2枚のガラス基板等の基板の間に担持させた後、担持された重合性液晶組成物に場所的に不均一な電界や、磁界を印加することにより、重合性液晶組成物の液晶分子の配向が場所的に分布した状態にし、さらにこの状態で紫外線又は電子線を照射することにより、光重合によって形成した高分子中に液晶分子の配向状態を固定化することによって製造することができる。このようにして製造された高分子レンズは、重合性液晶組成物の液晶分子骨格の配向の場所的な分布に由来する屈折率の場所的な分布を有しており、これにより、レンズとして機能する。したがって、本発明の高分子レンズの形状は、厚みが一定のフィルム状、つまり平面状であってもよいが、レンズとしての特性を向上させるために、光束の入射面または出射面側のどちらか少なくとも一方が曲面状であっても良く、またさらに薄型軽量にするために光束の入射面または出射面側のどちらか少なくとも一方がフレネルレンズ面状であっても良く、またこれらの形状の組み合わせであっても良い。
【0007】
本発明で使用する重合性液晶組成物としては、液晶状態での光重合の際の意図しない熱重合の誘起を避け、均一な配向状態を固定するために、少なくとも2つの6員環を有する液晶性骨格を部分構造として有する環状アルコール又はフェノール又は芳香族ヒドロキシ化合物のアクリル酸又はメタクリル酸エステルである第1の単官能アクリレート又は第1の単官能メタクリレートを含有し、液晶相を示すことを特徴とする重合性液晶組成物を用いることが好ましい。このような単官能アクリレート又は単官能メタクリレートは液晶性骨格を部分構造として有する単官能アクリレート又は単官能メタクリレートとしては、例えば、一般式(I)
【0008】
【化4】
Figure 0003677817
【0009】
(式中、Xは水素原子又はメチル基を表わし、6員環A、B及びCはそれぞれ独立的に、
【0010】
【化5】
Figure 0003677817
【0011】
を表わし、nは0又は1の整数を表わし、mは1から4の整数を表わし、Y1及びY2はそれぞれ独立的に、単結合、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH24−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、−CH2=CHCH2CH2−又は−CH2CH2CH=CH−を表わし、Y3は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基又はアルケニルオキシ基を表わす。)で表わされる化合物を挙げることができる。その中でも特に、上記一般式(I)において、6員環A、B及びCはそれぞれ独立的に、
【0012】
【化6】
Figure 0003677817
【0013】
を表わし、mは1又は2の整数を表わし、Y1及びY2はそれぞれ独立的に、単結合又は−C≡C−を表わし、Y3はハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基又はアルコキシ基を表わす化合物が好ましい。
【0014】
このような化合物の代表的なものの例と、その相転移温度を示すが、本発明で使用することができる単官能アクリレート又は単官能メタクリレート化合物は、これらの化合物に限定されるものではない。
【0015】
【化7】
Figure 0003677817
【0016】
【化8】
Figure 0003677817
【0017】
【化9】
Figure 0003677817
【0018】
(上記中、シクロヘキサン環はトランスシクロヘキサン環を表し、また相転移温度スキームのCは結晶相、Nはネマチック相、Sはスメクチック相、Iは等方性液体相を表わし、数字は相転移温度を表わす。)
また、本発明で使用する重合性液晶組成物には、これまでに知られている液晶性骨格を部分構造として有する第2の単官能アクリレート又は、第2の単官能メタクリレート化合物を添加してもよい。このとき、得られる重合性液晶組成物は、室温においてエナンチオトロピックなネマチック液晶相を示すことが望ましい。ここで用いることができる単官能アクリレート又は単官能メタクリレートとしては、例えば一般式(II)
【0019】
【化10】
Figure 0003677817
【0020】
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表わし、pは2〜12の整数を表わし、Y4は単結合又は−COO−を表わし、Y5はシアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、アルコキシ基又はフェニル基を表わす。)で表わされる化合物を挙げることができ、具体的には以下の化合物を挙げることができる。
【0021】
【化11】
Figure 0003677817
【0022】
(式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立的に、水素原子又はメチル基を表わし、j、k及びlはそれぞれ独立的に、2〜12の整数を表わし、R4は炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表わす。)
このように、本発明で使用する重合性液晶組成物は、第1の単官能(メタ)アクリレートのみを含有しても良く、あるいは第2の単官能(メタ)アクリレートのみを含有しても良く、第1及び第2の単官能(メタ)アクリレートを併用しても良い。
【0023】
重合性組成物として第1及び第2の単官能(メタ)アクリレートを併用する場合は、第2の単官能(メタ)アクリレートの含有量は、第1の単官能(メタ)アクリレートに対して50重量%以下であることが好ましい。これは第2の単官能(メタ)アクリレートの含有量が増えるに従って、得られる高分子レンズの機械的強度及び耐熱性が劣る傾向があるからである。
【0024】
また、高分子レンズ製造の際に、電場によって重合性液晶組成物の配向状態を部分的に制御する場合は、重合性液晶組成物の誘電率異方性が正であることが好ましく、誘電率の異方性Δεが0.5以上であることが特に好ましい。このような重合性液晶組成物を得るためには、シアノ基を有する第1及び第2の単官能(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。
【0025】
また、本発明で用いる重合性液晶組成物には重合性官能基を有していない液晶化合物を、重合性液晶組成物中の総量が10重量%を超えない範囲で添加してもよい。重合性官能基を有していない液晶化合物としてはネマチック液晶化合物、スメクチック液晶化合物、コレステリック液晶化合物等の通常この技術分野で液晶と認識されるものであれば特に制限なく用いることができる。しかしながらその添加量が増えるに従い、得られる高分子レンズの機械的強度が低下する傾向にあるので、添加量を適宜調整する必要がある。
【0026】
また、重合性官能基を有しているが、液晶性を示さない化合物も添加することができる。このような化合物としては、通常この技術分野で高分子形成性モノマーあるいは高分子形成性オリゴマーとして認識されるものであればよいが、アクリレート化合物が特に好ましい。
【0027】
これらの液晶化合物又は重合性化合物は適宜選択して組み合わせて添加してもよいが、少なくとも得られる重合性液晶組成物の液晶性が失われないように、各成分の添加量を調整することが必要である。
【0028】
また、本発明で使用する重合性液晶組成物には、その重合反応性を向上させることを目的として、光重合開始剤や増感剤を添加してもよい。ここで、使用することができる光重合開始剤としては、例えば、公知のベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類等を挙げることができる。その添加量は、重合性液晶組成物に対して10重量%以下が好ましく、5重量%以下が特に好ましい。
【0029】
また、本発明で使用する重合性液晶組成物には、その保存安定性を向上させるために、安定剤を添加してもよい。ここで使用することができる安定剤としては公知のヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール等を挙げることができる。その安定剤の添加量は0.05重量%以下が好ましい
更に、本発明で用いる重合性液晶組成物には、ねじれネマチック配向、又はコレステリック配向等の螺旋構造を導入する目的で、光学活性化合物を添加してもよい。ここで使用することができる光学活性化合物は、それ自体が液晶性を示す必要はなく、また重合性官能基を有していても、有していなくてもよい。またそのねじれの向きは使用する目的によって適宜選択することができる。そのような光学活性化合物としては、例えば、光学活性基としてコレステリル基を有するペラルゴン酸コレステロール、ステアリン酸コレステロール、光学活性基として2−メチルブチル基を有する「CB−15」、「C−15」(以上BDH社製)、「S−1082」(メルク社製)、「CM−19」、「CM−20」、「CM」(以上チッソ社製)、光学活性基として1−メチルヘプチル基を有する「S−811」(メルク社製)、「CM−21」、「CM−22」(以上チッソ社製)を挙げることができる。
【0030】
次に本発明の製造方法について詳細に説明する。本発明の製造方法は(1)電極を有する2枚の基板間に誘電率の異方性が正の重合性液晶組成物を担持させる工程、(2)電極間に電圧を印加し、重合性液晶組成物の配向状態を制御することにより、屈折率を場所的に分布させる工程、及び(3)重合性液晶組成物に紫外線もしくは電子線を照射することにより光重合させ、高分子化する工程を有することを特徴とする。
【0031】
この時使用できる基板としては、電圧を印加するための電極を備えた基板、例えばITO(インジウムチンオキサイド)付きガラス基板や、アルミニウム付きガラス基板が好ましい。また基板には、ポリイミド配向膜の形成や、SiO2の斜方蒸着膜等の配向処理を行ってもよい。
【0032】
また平面状(フィルム状)の高分子レンズを製造する場合には、2枚の基板間の距離は、製造する高分子レンズの用途によって適宜調整されるが、10〜1000ミクロンの範囲が好ましく、特に50〜600ミクロンの範囲が好ましい。製造する高分子レンズが曲面状またはフレネルレンズ面状の場合には、最も距離が近い場所で0.1ミクロン以上で最も遠い場所で3000ミクロン以下が好ましい。
【0033】
電極間に電圧を印加し、重合性液晶組成物の配向状態を制御し、屈折率を場所的に分布させる方法としては、例えば複数の電極間にそれぞれ異なった電圧を印加する方法や、また電極部分に開口部つまり電導性を持たない部分を作る方法を挙げることができる。後者の方法は、ある電極部分に開口部を持たせることで、開口部の部分の液晶分子の配向を場所的に分布させるもので、例を第1図に示した。第1図の断面図に示すように、開口部分を上下の基板で一致させた状態で、ホモジニアス配向した誘電率の異方性が正の重合性液晶組成物に一定の電圧を印加した場合には、図中の液晶分子に模式的に示したような液晶分子の配向分布が形成し、この配向分布が反映された屈折率分布を得ることができる。この方法は、非常に簡単な電極構造で屈折率分布を得ることができ、開口部を複数用意すれば、同時に複数のレンズ部分を持ったレンズアレイを容易に作製することができるため、生産性に優れており好ましい。
【0034】
基板間に電圧を印加する手段としては、通常の液晶表示素子に使用される駆動手段が使用でき、好ましい印加電圧は重合性液晶組成物の誘電率異方性や基板間の距離によって適宜調整される。
【0035】
光重合は紫外線または電子線等のエネルギー線を、前述の2枚の基板間に担持された重合性液晶組成物に照射することによって行うのが好ましい。従って2枚の基板のうち少なくとも1枚の基板は適当な透明性が与えられていなければならない。重合の際の温度は、重合性液晶組成物の液晶状態が保持される温度でなければならないが、意図しない熱重合の誘起を避ける意味から、できるだけ室温に近い温度で重合させることが好ましい。
【0036】
光重合によって得られた高分子レンズは、光重合の際に用いた基板から剥離して用いても、また剥離せずに用いてもよいが、少なくとも1枚の基板からは剥離してもちいるのが、軽量性の観点から好ましい。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示し、本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0038】
(実施例1)
式(a)
【0039】
【化12】
Figure 0003677817
【0040】
の化合物47.5重量部及び式(d)
【0041】
【化13】
Figure 0003677817
【0042】
の化合物47.5重量部及び式(g)
【0043】
【化14】
Figure 0003677817
【0044】
の化合物5重量部からなる重合性液晶組成物(A)を調整した。得られた組成物は室温(25℃)でエナンチオトロピックなネマチック相をしめし、ネマチック相から等方性液体相への転移温度は52℃であった。また25℃におけるne(異常光屈折率)は1.67、no(常光屈折率)は1.51、誘電率の異方性は+0.7であった。重合性液晶組成物(A)99重量部に光重合開始剤「IRG−651」(チバガイギー社製)1重量部からなる重合性液晶組成物(B)を調製した。
【0045】
次に、第2図に示すように、直径Dが900ミクロンの円形の開口部を有するアルミニウム蒸着膜電極を形成した2枚のガラス基板を距離dが450ミクロンの間隔をもって平行に対向させ、この間に重合性液晶組成物(B)を担持させた。この時、2枚の基板には、ホモジニアス配向処理を施し、開口部は一致させるように配置した。この2枚の基板の電極間に8Vの電圧を印加した状態で、偏光顕微鏡で観察すると開口部において同心円状の干渉色が観察され、液晶の配向分布に基づく屈折率の場所的な分布が得られていることが確認できた。さらにこの状態において、1mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射し、重合性液晶組成物を重合させて高分子化した。さらに、150℃の温度で10分間保った。得られた高分子を偏光顕微鏡で観察すると同心円状の干渉色が観察され、光重合によって高分子化した後も、屈折率の場所的な分布が保たれており、高分子レンズが得られていることを確認できた。またこの高分子レンズを150℃の温度まで加熱しても、同心円状の干渉色は殆ど変化せず、複屈折性の温度依存性は殆どないことも確認できた。得られた高分子レンズの集光スポット径は室温で18ミクロンであり、100℃においても変化しなかっった。
(実施例2)
実施例1における直径Dを600ミクロン、距離dを180ミクロン、印加電圧を9.5Vとした以外は、実施例1と同様にして高分子レンズを作製した。偏光顕微鏡観察により、光重合によって高分子化した後も、屈折率の場所的な分布が保たれており、高分子レンズが得られていることを確認できた。またこの高分子レンズを150℃の温度まで加熱しても、同心円状の干渉色は殆ど変化せず、複屈折性の温度依存性は殆どないことも確認できた。得られた高分子レンズの集光スポット径は14ミクロンであり、100℃においても変化しなかった。
(実施例3)
実施例1における直径Dを300ミクロン、距離dを100ミクロン、印加電圧を5.1Vとした以外は、実施例1と同様にして高分子レンズを作製した。偏光顕微鏡観察により、光重合によって高分子化した後も、屈折率の場所的な分布が保たれており、高分子レンズが得られていることを確認できた。またこの高分子レンズを150℃の温度まで加熱しても、同心円状の干渉色は殆ど変化せず、複屈折性の温度依存性は殆どないことも確認できた。得られた高分子レンズの集光スポット径は10ミクロンであり、100℃においても変化しなかった。
【0046】
【本発明の効果】
本発明の高分子レンズは、生産性、軽量性にすぐれ、またレンズ特性が温度によって変化しない。したがって、半導体レーザー用の小型レンズやマイクロレンズアレイ等の光学レンズとして利用される高分子レンズとして非常に有用である。
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により得られた高分子レンズにおいて、液晶分子の配光状態を示す模式図である。
【図2】本発明の高分子レンズの概略側面図と概略平面図との相関関係を示す図面である。
【符号の説明】
1.電極
2.基板
3.液晶分子
4.高分子レンズ

Claims (8)

  1. 少なくとも2つの6員環を有する液晶性骨格を部分構造として有する環状アルコール又はフェノールのアクリル酸又はメタクリル酸エステルである単官能アクリレート又は単官能メタクリレート含有し、かつ室温においてエナンチオトロピックなネマチック液晶相を示す重合性液晶組成物の光重合物からなり、該光重合物中の屈折率が場所的に分布していることを特徴とする高分子レンズ。
  2. 光束の入射面または出射面側のどちらか少なくとも一方が、平面状であることを特徴とする請求項1記載の高分子レンズ。
  3. 光束の入射面または出射面側のどちらか少なくとも一方が曲面状であることを特徴とする請求項1記載の高分子レンズ。
  4. 光束の入射面または出射面側のどちらか少なくとも一方がフレネルレンズ面状であることを特徴とする請求項1記載の高分子レンズ。
  5. 単官能アクリレート又は単官能メタクリレート含有し、かつ室温においてエナンチオトロピックなネマチック液晶相を示す重合性液晶組成物の光重合物からなり、該光重合物中の屈折率が場所的に分布していることを特徴とする高分子レンズにおいて、単官能アクリレート又は単官能メタクリレートが、一般式(I)
    Figure 0003677817
    (式中、Xは水素原子又はメチル基を表わし、6員環A、B及びCはそれぞれ独立的に、
    Figure 0003677817
    を表わし、nは0又は1の整数を表わし、mは1から4の整数を表わし、Y1及びY2はそれぞれ独立的に、単結合、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH24−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、−CH2=CHCH2CH2−又は−CH2CH2CH=CH−を表わし、Y3は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基又はアルケニルオキシ基を表わす。)で表わされる化合物であることを特徴とする高分子レンズ。
  6. 一般式(I)において、6員環A、B及びCはそれぞれ独立的に、
    Figure 0003677817
    を表し、mは1又は2の整数を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立的に、単結合又は−C≡C−を表し、Y3はハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、アルコキシ基を表すことを特徴とする請求項5記載の高分子レンズ。
  7. (1)電極を有する2枚の基板間に誘電率の異方性が正の重合性液晶組成物を担持させる工程、(2)電極間に電圧を印加し、重合性液晶組成物の配向状態を制御することにより、屈折率を場所的に分布させる工程、及び(3)重合性液晶組成物に紫外線もしくは電子線を照射することにより光重合させ、高分子化する工程を有しすることを特徴とする請求項1から6に記載の高分子レンズの製造方法。
  8. 2枚の基板のうち少なくとも一方の基板が配向処理されていることを特徴とする請求項7記載の高分子レンズの製造方法。
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