JPH08231915A - 筆記具用油性顔料インキ組成物 - Google Patents

筆記具用油性顔料インキ組成物

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JPH08231915A JP4004195A JP4004195A JPH08231915A JP H08231915 A JPH08231915 A JP H08231915A JP 4004195 A JP4004195 A JP 4004195A JP 4004195 A JP4004195 A JP 4004195A JP H08231915 A JPH08231915 A JP H08231915A
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昌尚 矢野
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武 宿岩
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 酸化チタン、樹脂および有機溶剤からなるイ
ンキ組成物において、分子中にアミド基(‐CONH
‐)またはアミノ基(‐N<)を少なくとも1つ以上含
む化合物(A)と、リン酸またはリン酸化合物(B)と
を含有することを特徴とする筆記具用油性顔料インキ組
成物。 【効果】 本発明の油性顔料インキはアミド基またはア
ミノ基を含む化合物とリン酸またはリン酸化合物との効
果により、ボールかくはんが容易になり、再分散性に優
れ、長時間保存後も沈降物が生じにくいインキが得ら
れ、これを用いて安定した描線を得る筆記具を作製する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は筆記具用油性顔料インキ
組成物に関するもので、分散性に優れ、長期間保存後も
硬い沈降物を生じにくいインキ組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、酸化チタンなどを有機溶剤に分散
させた油性顔料インキは、耐水性、固着性、乾燥性、ま
た、多種の被筆記体を選ばずに筆記できるなどの利点よ
り、多種用途に使用されている。この種の油性顔料イン
キは、インキ収納室となる本体とペン先とを備えた筆記
具に充填して用いる。しかし、前記油性顔料インキは、
顔料の沈降が著しく、その結果インキ収納室内に顔料の
沈降層を生じてしまう。そこで、前筆記具では、インキ
を均一に混合させるため、インキ収納室内にかくはんボ
ールを内蔵している。しかし、このかくはんボールは静
置しておくと、経時的に顔料の沈降により生じた沈降層
内にパッキングされるためにかくはん能力が低下し、更
に硬い沈降層が形成されると、全くボールによるかくは
んは、不可能になってしまう。その結果、インキを均一
にすることができず、筆記具としての本来の能力も失っ
てしまうという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述する従
来の筆記具用油性顔料インキ組成物に関する問題を解決
するためのものであり、分散性に優れ、長期間保存後も
硬い沈降物を生じにくいインキ組成物を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため様々な研究を重ねた結果、特定成分を組み
合わせて添加することにより、上記目的を達成すること
のできるインキ組成物を得ることを見出し、本発明のイ
ンキ組成物を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明の油性顔料インキ組成物
は、酸化チタン、樹脂、および有機溶剤からなるインキ
組成中に、分子中にアミド基またはアミノ基を少なくと
も1つ以上含む化合物(A)と、リン酸またはリン酸化
合物(B)とを含有することを特徴とするものである。
【0006】本発明に使用できる分子中にアミド基また
はアミノ基を少なくとも1つ以上含む化合物(A)は、
分子中にアミド基またはアミノ基を少なくとも1つ以上
含んでいる化合物であればいかなるものでもよく、具体
的には、ステアリン酸アミド、ステアリルアミン、ジラ
ウリルアミン、ステアリルジメチルアミン、ジエチルア
ミノエチルオレイルアミド、ジメチルアミノステアリル
アミド、ジエチルアミノプロピルオレイルアミド、ラウ
リルポリエチレンポリアミド、ステアリルポリエチレン
ポリアミドなどが挙げられ、これらを単独あるいは2種
以上組み合わせて使用する。含有量としては、インキ組
成物全量に対して0.05〜15重量%好ましくは0.
1〜10重量%の範囲で選ばれる。0.05重量%以下
では効果は得られず、15重量%以上では粘度が高くな
り、筆記描線にかすれが生じてしまう。
【0007】また、本発明に使用できるリン酸またはリ
ン酸化合物(B)は、リン酸またはリン酸化合物であれ
ばいかなるものでも良く、具体的にはリン酸、ピロリン
酸、メタリン酸、ポリリン酸、ラウリルリン酸、ポリオ
キシプロピレンオレイルエーテルリン酸、ジポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテルリン酸など、あるいは
その塩が挙げられ、これらを単独あるいは2種以上組み
合わせて使用する。含有量としては、インキ組成物全量
に対して0.05〜15重量%、好ましくは0.1〜1
0重量%の範囲で選ばれる。0.05重量%以下では効
果が得られず、15重量%以上では粘度が高くなり、筆
記描線にかすれが生じてしまう。
【0008】本発明のインキ組成物に用いられる酸化チ
タンは、いかなるものでもよく、含有量について限定は
ないが、一般にはインキ組成物全量に対して1〜60重
量%の範囲で選ばれる。
【0009】本発明で使用できる有機溶剤は、例えば、
アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤、グリコールエーテ
ル系溶剤、芳香族系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶
剤などがあり、これらを単独あるいは2種以上混合して
使用でき、その使用量はインキ全重量に対し5〜90重
量%が好ましい。具体的な溶剤として、イソブチルアル
コール、エタノール、イソプロピルアルコール、メチル
シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ジプロピレング
リコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、ポリプロピレングリコール、アセトン、メチルイソ
ブチルケトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸
プロピルなどがあげられる。
【0010】本発明インキ組成物で用いられる樹脂は、
溶剤に可溶であればいかなるものでも良く、例えば、ガ
ムロジン、マレイン酸樹脂、アルキッド樹脂、フェノー
ル樹脂、ケトン樹脂、テルペン樹脂、アクリル樹脂、芳
香族炭化水素系樹脂などがあり、これは単独あるいは複
数混合で使用可能であり、その使用量はインキ全重量に
対して1〜50重量%で選ばれる。具体的な樹脂とし
て、テスキッドMRG(旭電化工業(株))、ヒタノール
240(旭電化工業(株))、アクリディックA−450
(大日本インキ(株))、ソリッドベッコゾールNo.1
8、マルキードNo.6、(荒川化学工業(株))、エステ
ルガムAAG(荒川化学工業(株))、YSポリスターS
145(安原樹脂工業(株))などがあげられる。
【0011】その他、本発明インキ組成物は、必要に応
じて無機顔料、有機顔料、金属粉顔料などの顔料、アゾ
系、アントラキノン系、フタロシアニン系、ニトロ系、
カルボニウム系、ペリノン系、メチン系などの染料や、
アニオン系、ノニオン系、カチオン系などの界面活性
剤、シリカ系、酸化ポリエチレン系、重合植物油などの
粘度調整剤、などの各種添加剤を配合しても構わない。
【0012】
【実施例及び比較例】本発明のインキ組成物は各配合成
分を、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ロールミ
ル、ホモミキサー、ディゾルバー、超音波などの顔料分
散機の中から最適な手段を選択して、分散することによ
り製造できる。この時、上述する化合物(A)及び化合
物(B)は、それぞれ別々に添加しても、あらかじめ化
合物(A)と化合物(B)を混合した後添加しても良
い。また、化合物(A)及び化合物(B)は分散前から
配合しても、分散後に配合しても構わない。以下、実施
例に基づき説明するが、本発明はこの実施例によって限
定されるものではない。
【0013】(実施例1) 酸化チタン"JR−701"[テイカ(株)製] 30.0重量% ポリリン酸(化合物A) 2.0重量% ジエチルアミノエチルオレイルアミド(化合物B) 1.0重量% アルキド樹脂"ベッコゾール P-470-70"[大日本インキ(株)製] 9.0重量% テルペンフェノール樹脂"YS ポリスター"T−115[安原樹脂工業(株)製] 10.0重量% キシレン 48.0重量% 上記成分中、酸化チタンJR−701、ベッコゾールP
−470−70、キシレン、残りの成分を順次加え、か
くはん機で2時間のプレミキシングを行い、サンドミル
にて分散処理を行い、白色インキ組成物を得た。
【0014】(比較例1)実施例1において、ポリリン
酸とジエチルアミノエチルオレイルアミドを配合せず、
キシレンを51重量%にした以外は、同様にしてインキ
を製造した。
【0015】(実施例2) 酸化チタン"R−931"[デュポン・ジャパン(株)製] 30.0重量% ステアリルアミン(化合物A) 2.0重量% ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルリン酸(化合物B) 2.0重量% イソプロパノール 2.0重量% アルキド樹脂"ベッコゾール ODE-230-70"[大日本インキ(株)製] 8.0重量% ロジン変性マレイン酸樹脂"マルキード 33号"[荒川樹脂工業(株)製] 18.0重量% キシレン 37.0重量% 顔料"オイルイエローTOP"[ミハラ化学工業(株)製] 1.0重量% 上記成分中、酸化チタンR−931、ベッコゾールOD
E−230−70、キシレン、マルキード33号を順次
加え、かくはん機で2時間のプレミキシングを行った
後、ビーズミルにて分散処理を行った。また、あらかじ
めステアリルアミンとポリオキシエチレン(4)ラウリ
ルエーテルリン酸、イソプロパノールを配合し、かくは
ん機で混合したものを添加し、白色インキを作製した。
その後、オイルイエローTOPを加え、かくはん機を用
いて黄色インキ組成物を得た。
【0016】(比較例2)実施例2において、ステアリ
ルアミンとポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル
リン酸を配合せずにキシレンを41.0重量%とした以
外は、同様に製造した。
【0017】実施例1及び2で得られたインキ組成物
と、比較例1及び2で得られたインキを市販のペン体に
充填し、1ケ月間室温で静置した後、手による振とうを
行い、かくはんボールが動き出すまでの回数で評価を行
った。結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明の油性顔料インキはアミド基また
はアミノ基を含む化合物とリン酸またはリン酸化合物と
の効果により、ボールかくはんが容易になり、再分散性
に優れ、長時間保存後も沈降物が生じにくいインキが得
られ、これを用いて安定した描線を得る筆記具を作製す
ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化チタン、樹脂および有機溶剤からな
    るインキ組成物において、分子中にアミド基(‐CON
    H‐)またはアミノ基(‐N<)を少なくとも1つ以上
    含む化合物(A)と、リン酸またはリン酸化合物(B)
    とを含有することを特徴とする筆記具用油性顔料インキ
    組成物。
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