JPH08231776A - 熱分解性の促進されたポリオレフィン組成物の製造方法 - Google Patents

熱分解性の促進されたポリオレフィン組成物の製造方法

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JPH08231776A
JPH08231776A JP5980095A JP5980095A JPH08231776A JP H08231776 A JPH08231776 A JP H08231776A JP 5980095 A JP5980095 A JP 5980095A JP 5980095 A JP5980095 A JP 5980095A JP H08231776 A JPH08231776 A JP H08231776A
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hydroxy
benzotriazole
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JP5980095A
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Yoichi Nakajima
洋一 中島
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Chisso Corp
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  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形品としたときの該成形品の熱酸化劣化が
促進されたポリオレフィンの熱分解促進方法を提供す
る。 【構成】 ポリオレフィン100重量部に対して、酸化
鉄顔料を0.1〜5重量部及びヒドロキシフェニルベン
ゾトリアゾール系化合物を0.05〜1重量部配合する
熱分解性の促進されたポリオレフィン組成物の熱分解促
進方法。 【効果】 本発明に係る化合物A及びBを添加しない比
較例品により、促進劣化によるオーブンライフが1/5
〜1/10に短縮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィンの熱分
解促進方法に関する。さらに詳しくは、自然環境下にお
けるポリオレフィンの熱酸化劣化が促進されたポリオレ
フィンの熱分解促進方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にポリオレフィンは比較的安価でか
つ優れた機械的性質、熱的性質及び化学的性質を有する
ので、プラスチック工業の主要原料として各種の用途、
たとえば容器、雑貨などの射出成形品や中空成形品、包
装用のフィルム、シート、ロープ、紐、繊維など各種の
成形品の製造に大量に用いられている。しかしながら、
使用済み品の廃棄処理についてはこれらの性質が逆に作
用し、容易に破壊されずまた自然環境下に放置しても容
易に崩壊しにくいという欠点となって現れる。プラスチ
ックの大量消費に伴いこれら廃棄物の処理は大きな社会
問題となりつつある。そこで近年、分解しにくいプラス
チックを光分解、酸化分解又は土壌中の微生物により分
解すなわち生分解させる方法が検討されるようになり、
既に光分解性プラスチックや生分解性プラスチックが実
用に供されている。
【0003】しかしながら、光分解による方法のみでは
自然環境下において光に暴露されない部分すなわち日陰
の部分、下積みされた部分、地中に埋もれた部分などは
分解されないで残る。たとえば、これらの光分解性プラ
スチックを用いて農業用の結束紐を製造し、果樹の枝固
定紐や稲刈り機用結束紐として用いた場合、太陽光線が
照射された部分は著しく分解が促進されるが、木陰の部
分や土などにより覆われた部分は分解が遅く所期の目的
を達成することができない。また、生分解による方法の
みでは自然環境下において地中に埋もれない部分は分解
されないで残る。たとえば、これらの生分解性プラスチ
ックを用いて農業用マルチフィルムを製造し農耕地の保
温及び除草に用いた場合、地中に埋もれた部分は著しく
分解が促進されるが、地中に埋もれない部分は分解が遅
く所期の目的を達成することができない。このため、地
中に埋もれない部分の分解を促進させるために生分解性
と光分解性を併せ持った農業用マルチフィルムが考えら
れるがコストアップを招くという問題がある。
【0004】このため、本出願人は自然環境下において
光分解又は生分解のみに依らずポリオレフィンの分解劣
化を促進することを目的として、ポリオレフィン樹脂に
(1)安息香酸類の金属塩、(2)安息香酸類と高級脂
肪酸金属塩との組合せのうちの少なくとも一種を添加す
ることを特徴とするポリオレフィンの分解促進方法を特
開昭48−75645号公報として先に提案した。一
方、特開昭50−123748号公報には顔料を含んだ
高分子材料の変退色防止処方をした組成物、すなわち光
安定剤としてI.紫外線吸収剤である(A)ベンゾフェ
ノン誘導体、(B)ベンゾトリアゾール誘導体、(C)
ヒドロキシベンゾエート誘導体、(D)サリチル酸誘導
体の中から選ばれた1種又は2種以上と、II.有機金属
錯塩の中から選ばれた1種又は2種以上又はIII .ピペ
リジン誘導体の中から選ばれた1種又は2種以上とを含
有してなることを特徴とする顔料を配合した高分子材料
組成物が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭48−75645号公報に提案したポリオレフィン
の分解促進方法は、分解劣化は促進されるもののいまだ
充分満足できるものではない。また、前記特開昭50−
123748号公報に提案された高分子材料組成物にお
いて高分子材料としてポリオレフィンを、顔料として酸
化鉄顔料及び光安定剤として紫外線吸収剤であるベンゾ
トリアゾール誘導体をそれぞれ用いた高分子材料組成物
の熱酸化劣化が促進されることはなんら記載も示唆もな
い。
【0006】本発明者は、ポリオレフィンの分解促進方
法に関する上述の問題点を解決した分解促進方法すなわ
ち熱酸化劣化が促進されたポリオレフィンの熱分解促進
方法を得るべく鋭意研究した。その結果、本発明者はポ
リオレフィンに鉄酸化物及びヒドロキシフェニルベンゾ
トリアゾール系化合物をそれぞれ特定量配合することに
より上述のポリオレフィンの分解促進方法の欠点を解決
することができることを見い出し、この知見に基づき本
発明を完成した。以上の記述から明らかなように、本発
明の目的は成形品としたときの該成形品の熱酸化劣化が
促進されたポリオレフィン組成物の製造方法ならびに該
組成物を成形してなる成形品および該組成物の熱分解促
進方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の構成を
有する。 (1)ポリオレフィン100重量部に対して、鉄酸化物
(以下、化合物Aという。)を0.1〜5重量部及びヒ
ドロキシフェニルベンゾトリアゾール系化合物(以下、
化合物Bという。)を0.05〜1重量部配合すること
を特徴とする熱分解性の促進されたポリオレフィン組成
物の製造方法。 (2)ポリオレフィン100重量部に対して、化合物A
を0.1〜5重量部及び化合物Bを0.05〜1重量部
配合してなる組成物を成形してなるポリオレフィン成形
品。 (3)ポリオレフィン100重量部に対して、化合物A
を0.1〜5重量部及び化合物Bを0.05〜1重量部
配合してなる組成物を紫外線の非存在下で熱分解を行う
ことを特徴とするポリオレフィン組成物の熱分解促進方
法。
【0008】本発明で用いるポリオレフィンは、エチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチ
ル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などの
α−オレフィンの結晶性単独重合体、これらの中2種以
上のα−オレフィンの結晶性、低結晶性若しくは非晶性
ランダム共重合体又は結晶性ブロック共重合体、非晶性
エチレン−プロピレン−非共役ジエン 3元共重合体、
非晶性エチレン−環状アルケン共重合体(たとえば、非
晶性エチレン−テトラシクロドデセン共重合体)などの
ポリオレフィン、上述のα−オレフィンと酢酸ビニル若
しくはアクリル酸エステルとの共重合体、該共重合体の
ケン化物、これらα−オレフィンと不飽和シラン化合物
との共重合体、これらα−オレフィンと不飽和カルボン
酸若しくはその無水物との共重合体、該共重合体と金属
イオン化合物との反応生成物、上述のポリオレフィンを
不飽和カルボン酸若しくはその誘導体で変性した変性ポ
リオレフィン、上述のポリオレフィンを不飽和シラン化
合物で変性したシラン変性ポリオレフィンなどを例示す
ることができ、これらポリオレフィンの単独使用はもち
ろんのこと、2種以上のポリオレフィンを混合して用い
ることもできる。
【0009】また、上述のポリオレフィンに各種合成ゴ
ム(たとえばポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリク
ロロプレン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ
ン、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム、アクリ
ロニトリル−ブタジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン
−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−
スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチ
レン−スチレンブロック共重合体、スチレン−プロピレ
ン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、エチレン−
エチレン−ブチレン−エチレンブロック共重合体、エチ
レン−プロピレン−ブチレン−エチレンブロック共重合
体など)又は熱可塑性合成樹脂たとえばポリスチレン、
スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレ
ート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデ
ン、フッ素樹脂、石油樹脂(たとえばC5 系石油樹脂、
水添C5 系石油樹脂、C9 系石油樹脂、水添C9 系石油
樹脂、C5 −C9 共重合石油樹脂、水添C5 −C9 共重
合石油樹脂、酸変性C9 系石油樹脂などの軟化点80〜
200℃の石油樹脂)、DCPD樹脂(たとえばシクロ
ペンタジエン系石油樹脂、水添シクロペンタジエン系石
油樹脂、シクロペンタジエン−C5 共重合石油樹脂、水
添シクロペンタジエン−C5 共重合石油樹脂、シクロペ
ンタジエン−C9 共重合石油樹脂、水添シクロペンタジ
エン−C9 共重合石油樹脂、シクロペンタジエン−C5
−C9 共重合石油樹脂、水添シクロペンタジエン−C5
−C9 共重合石油樹脂などの軟化点80〜200℃のD
CPD樹脂)などを混合して用いることもできる。結晶
性プロピレン単独重合体、プロピレン成分を70重量%
以上含有する結晶性プロピレン共重合体であって、結晶
性エチレン−プロピレンランダム共重合体、結晶性エチ
レン−プロピレンブロック共重合体、結晶性プロピレン
−ブテン−1ランダム共重合体、結晶性エチレン−プロ
ピレン−ブテン−1 3元共重合体、結晶性プロピレン
−ヘキセン−ブテン−1 3元共重合体及びこれらの2
種以上の混合物が特に好ましく用いられる。
【0010】本発明で用いられる化合物Aとしては弁
柄、鉄黒、黄色酸化鉄などを例示でき、特に弁柄が好ま
しい。これら化合物Aの単独使用はもちろんのこと、2
種以上の化合物Aを併用することもできる。該化合物A
の配合割合は、ポリオレフィン100重量部に対して
0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜1重量部であ
る。0.1重量部未満の配合ではポリオレフィンの熱酸
化劣化の促進効果が充分に発揮されず、また5重量部を
超えても構わないが、それ以上の熱酸化劣化の促進効果
が期待できず実際的でないばかりでなくまた不経済であ
る。
【0011】本発明で用いられる化合物Bとしては2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−s−
ブチル−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−
アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,
5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベ
ンゾトリアゾール、、2−(2’−ヒドロキシ−4’−
オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’
−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テト
ラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニ
ル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベ
ンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−
(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N
−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、メチ
ル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリア
ゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピ
オネート−ポリエチレングリコールとの縮合物及び2−
(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール・コポ
リマーなどを例示できる。特に2−(2’−ヒドロキシ
−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2−
(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールが好まし
い。これら化合物Bの単独使用はもちろんのこと、2種
以上の化合物Bを併用することもできる。該化合物Bの
配合割合は、ポリオレフィン100重量部に対して0.
05〜1重量部、好ましくは0.1〜0.5重量部であ
る。0.05重量部未満の配合ではポリオレフィンの熱
酸化劣化の促進効果が充分に発揮されず、また1重量部
を超えても構わないが、それ以上の熱酸化劣化の促進効
果が期待できず実際的でないばかりでなくまた不経済て
ある。
【0012】本発明の熱分解促進方法にあっては、通常
ポリオレフィンに添加される各種の添加剤たとえばフェ
ノール系、チオエーテル系、リン系などの酸化防止剤、
光安定剤(ただし、化合物Bを除く。)、重金属不活性
化剤(銅害防止剤)、透明化剤、造核剤、滑剤、帯電防
止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、無滴剤、過酸化
物の如きラジカル発生剤、難燃剤、難燃助剤、顔料(た
だし、化合物Aを除く。)、ハロゲン捕捉剤、金属石ケ
ン類などの分散剤若しくは中和剤、有機系や無機系の抗
菌剤、無機充填剤(たとえばタルク、マイカ、クレー、
ウォラストナイト、ゼオライト、カオリン、ベントナイ
ト、パーライト、ケイソウ土、アスベスト、炭酸カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイ
ドロタルサイト、塩基性アルミニウム・リチウム・ヒド
ロキシ・カーボネート・ハイドレート、二酸化ケイ素、
二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネ
シウム、硫化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、
ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ガラス繊維、
チタン酸カリウム、炭素繊維、カーボンブラック、グラ
ファイト及び金属繊維など)、カップリング剤(たとえ
ばシラン系、チタネート系、ボロン系、アルミネート
系、ジルコアルミネート系など)の如き表面処理剤で表
面処理された前記無機充填剤、又は有機充填剤(たとえ
ば木粉、パルプ、故紙、合成繊維、天然繊維など)を本
発明の目的を損なわない範囲で化合物A及び化合物Bに
併用することができる。また、酸化防止剤を配合しない
ポリオレフィン組成物も自然環境下で速やかに分解する
が、そのような組成物は一般に加工時及び保存時の安定
性に欠けるため、酸化防止剤の配合が必須とされ、その
配合割合はポリオレフィン100重量部に対して0.0
1〜1重量部である。本発明の熱分解促進方法にあって
は、これらの酸化防止剤と化合物A及び化合物Bの配合
量並びに配合比を変えることによって熱酸化劣化の時期
及び度合いを適宜調節することができる。
【0013】本発明の熱分解促進方法は、ポリオレフィ
ンに前記の化合物A及び化合物B並びに通常ポリオレフ
ィンに添加される前述の各種添加物のそれぞれ所定量を
通常の混合装置たとえばヘンシェルミキサー(商品
名)、スーパーミキサー、リボンブレンダー、バンバリ
ミキサーなどを用いて混合し、通常の単軸押出機、2軸
押出機、ブラベンダー又はロールなどで、溶融混練温度
150℃〜320℃、好ましくは180℃〜290℃で
溶融混練ペレタイズすることにより組成物とし、該組成
物を射出成形法、押出成形法、ブロー成形法などの各種
成形法により目的とする成形品に製造し、各種用途に使
用されたのち自然環境下とりわけ紫外線の非存在下で速
やかに熱酸化分解が行われることによってなされる。
【0014】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるも
のではない。なお、実施例及び比較例で用いた評価方法
は次の方法によった。熱酸化劣化性:熱酸化劣化性はオ
ーブンライフ試験により評価した。すなわち、得られた
ペレットを用いて長さ50mm、巾25mm、厚み1m
mの試験片を射出成形法により作成し、該試験片を用い
て温度150℃に調節した循環熱風オーブン(試験槽内
暗黒)に入れ、試験片が完全劣化すなわち引張強度が0
になるまでの時間を測定(JIS K 7212に準
拠)することにより熱酸化劣化性を評価した。熱酸化劣
化の促進性が優れる材料とは、オーブンライフ値が小さ
いものをいう。
【0015】実施例1〜10、比較例1〜4 ポリオレフィンとしてメルトフローレート(230℃に
おける荷量21.18Nを加えた場合の10分間の溶融
樹脂の吐出量;以下MFRと略記する。)6.0g/1
0分の安定化されていない粉末状結晶性プロピレン単独
重合体100重量部に、化合物Aとして弁柄、鉄黒又は
黄色酸化鉄、化合物Bとして2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール又は2−(2’−ヒドロキシ−3’−
ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
及び他の添加剤のそれぞれ所定量を後述の表1に記載し
た配合割合でヘンシェルミキサー(商品名)に入れ、3
分間撹拌混合したのち、口径40mmの単軸押出機で2
00℃にて溶融混練処理してペレット化した。また、比
較例1〜4としてMFRが6.0g/10分の安定化さ
れていない粉末状結晶プロピレン単独重合体100重量
部に後述の表1に記載の添加剤のそれぞれ所定量を配合
し、実施例1〜10に準拠して溶融混練処理してペレッ
トを得た。得られたペレットを用いて前記の試験方法に
より熱酸化劣化性の評価を行った。これらの結果を表1
に示した。
【0016】実施例11〜20、比較例5〜8 ポリオレフィンとしてMFR4.0g/10分の安定化
されていない粉末状結晶性プロピレン単独重合体70重
量%、MFR7.0g/10分の安定化されていない粉
末状結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体(エ
チレン含有量2.5重量%)20重量%及びメルトイン
デックス(190℃における荷重21.18Nを加えた
場合の10分間の溶融樹脂の吐出量;以下MIと略記す
る。)5.0g/10分の安定化されていない粉末状チ
ーグラー・ナッタ系高密度エチレン単独重合体10重量
%とからなる合計100重量部に、化合物Aとして弁
柄、鉄黒又は黄色酸化鉄、化合物Bとして2−[2’−
ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベン
ジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベン
ゾトリアゾール又は2−(2’−ヒドロキシ−4’−オ
クトキシフェニル)ベンゾトリアゾール及び他の添加剤
のそれぞれ所定量を後述の表2に記載した配合割合でヘ
ンシェルミキサー(商品名)に入れ、3分間撹拌混合し
たのち、口径40mmの単軸押出機で200℃にて溶融
混練処理してペレット化した。また、比較例5〜8とし
てMFRが4.0g/10分の安定化されていない粉末
状結晶性プロピレン単独重合体70重量%、MFRが
7.0g/10分の安定化されていない粉末状結晶性エ
チレン−プロピレンランダム共重合体(エチレン含有量
2.5重量%)20重量%及びMIが5.0g/10分
の安定化されていない粉末状チーグラー・ナッタ系高密
度エチレン単独重合体10重量%とからなる合計100
重量部に後述の表2に記載の添加剤をそれぞれ所定量を
配合し、実施例11〜20に準拠して溶融混練処理して
ペレットを得た。得られたペレットを用いて前記の試験
方法により熱酸化劣化性の評価を行った。これらの結果
を表2に示した。
【0017】実施例21〜30、比較例9〜12 ポリオレフィンとしてMFR4.0g/10分の安定化
されていない粉末状結晶性エチレン−プロピレンブロッ
ク共重合体(エチレン含有量8.5重量%)100重量
部に、化合物Aとして弁柄、鉄黒又は黄色酸化鉄、化合
物Bとして2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,
4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)
−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール又は2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール及び他の添加剤
のそれぞれ所定量を後述の表3に記載した配合割合でヘ
ンシェルミキサー(商品名)に入れ、3分間撹拌混合し
たのち、口径40mmの単軸押出機で200℃にて溶融
混練処理してペレット化した。また、比較例9〜12と
してMFRが4.0g/10分の安定化されていない粉
末状結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合体(エ
チレン含有量8.5重量%)100重量部に後述の表3
に記載の添加剤のそれぞれ所定量を配合し、実施例21
〜30に準拠して溶融混練処理してペレットを得た。得
られたペレットを用いて前記の試験方法により熱酸化劣
化性の評価を行った。これらの結果を表3に示した。
【0018】実施例31〜40、比較例13〜16 ポリオレフィンとしてMFR8.0g/10分の安定化
されていない粉末状結晶性プロピレン単独重合体70重
量%、MFR7.0g/10分の安定化されていない粉
末状結晶性エチレン−プロピレン−ブテン−1 3元共
重合体(エチレン含有量2.5重量%、ブテン−1含有
量4.5重量%)5重量%、MI5.0g/10分の安
定化されていない粉末状低密度エチレン単独重合体10
重量%及びムーニー粘度ML1+4(100℃)25の
安定化されていない粉末状非晶性エチレン−プロピレン
ランダム共重合体(プロピレン含有量25重量%)15
重量%とからなる合計100重量部に、化合物Aとして
弁柄、鉄黒又は黄色酸化鉄、化合物Bとして2,2’−
メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチル
ブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)フェノール]、メチル−3−[3−t−ブチル−5
−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒド
ロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコ
ールとの縮合物又は2−(2’−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール・コポリマー及び他の添加剤のそれ
ぞれ所定量を後述の表4に記載した配合割合でヘンシェ
ルミキサー(商品名)に入れ、3分間撹拌混合したの
ち、口径40mmの単軸押出機で200℃にて溶融混練
処理してペレット化した。また、比較例13〜16とし
てMFRが8.0g/10分の安定化されていない粉末
状結晶性プロピレン単独重合体70重量%、MFRが
7.0g/10分の安定化されていない粉末状結晶性エ
チレン−プロピレン−ブテン−1 3元共重合体(エチ
レン含有量2.5重量%、ブテン−1含有量4.5重量
%)5重量%、MIが5.0g/10分の安定化されて
いない粉末状低密度エチレン単独重合体10重量%及び
ムーニー粘度ML1+4(100℃)が25の安定化さ
れていない粉末状非晶性エチレン−プロピレンランダム
共重合体(プロピレン含有量25重量%)15重量%と
からなる合計100重量部に後述の表4に記載の添加剤
のそれぞれ所定量を配合し、実施例31〜40に準拠し
て溶融混練処理してペレットを得た。得られたペレット
を用いて前記の試験方法により熱酸化劣化性の評価を行
った。これらの結果を表4に示した。
【0019】表1〜表4に示される各種添加剤は下記の
通りである。 化合物A[1]:弁柄 化合物A[2]:鉄黒 化合物A[3]:黄色酸化鉄 化合物B[1]:2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール 化合物B[2]:2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−
オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール 化合物B[3]:2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデ
シル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール 化合物B[4]:2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’
−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾ
トリアゾール 化合物B[5]:2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’
−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール 化合物B[6]:2−(2’−ヒドロキシ−4’−オク
トキシフェニル)ベンゾトリアゾール 化合物B[7]:2−[2’−ヒドロキシ−3’−
(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミド
メチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール 化合物B[8]:2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−
ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール 化合物B[9]:2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’
−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール 化合物B[10]:2,2’−メチレン−ビス[4−
(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)−6−(2
N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール] 化合物B[11]:メチル−3−[3−t−ブチル−5
−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒド
ロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコ
ールとの縮合物 化合物B[12]:2−(2−ヒドロキシフェニル)ベ
ンゾトリアゾール・コポリマー
【0020】フェノール系酸化防止剤1:2,6−ジ−
t−ブチル−p−クレゾール フェノール系酸化防止剤2:テトラキス[メチレン−3
−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]メタン フェノール系酸化防止剤3:1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン フェノール系酸化防止剤4:トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート リン系酸化防止剤1:ビス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)−ペンタエリスリトール−ジフォスファイト リン系酸化防止剤2:ビス(2,6−ジ−t−ブチル−
4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジフォス
ファイト チオエーテル系酸化防止剤:ジミリスチルチオジプロピ
オネート Fe−Bz:安息香酸鉄 Ca−St:ステアリン酸カルシウム
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】表1に記載の実施例及び比較例は、ポリオ
レフィンとして結晶性プロピレン単独重合体を用いた場
合である。表1からわかるように、実施例1〜10は本
発明にかかわる化合物A及び化合物Bを配合したもので
あり、実施例1〜10と比較例1(化合物A及び化合物
Bを配合しないもの)とをくらべてみると、実施例1〜
10は熱酸化劣化性が著しく促進されていることがわか
る。化合物Aを単独に配合した比較例2と実施例1〜1
0をくらべてみると、比較例2の熱酸化劣化性は比較例
1よりも促進されるもののいまだ充分ではない。また、
化合物Bを単独に配合した比較例3と実施例1〜10を
くらべてみると、比較例3の熱酸化劣化性は比較例1よ
りもわずかに促進されるもののいまだ充分ではない。さ
らに、化合物Aの替わりに安息香酸鉄及び高級脂肪酸金
属塩としてステアリン酸カルシウムを配合した比較例4
(本出願人が特開昭48−75645号公報として先に
提案したもの)と実施例1〜10をくらべてみると、比
較例4の熱酸化劣化性は比較例1よりも促進されるもの
のいまだ充分ではない。従って、本発明にかかわる化合
物A及び化合物Bの2成分の配合を同時に満たさない比
較各例は、本発明と同等の効果を奏さないことが明らか
である。すなわち、本発明で得られる熱酸化劣化性は、
本発明において化合物A及び化合物Bを併用したときに
はじめてみられる特有の効果であるといえる。
【0026】表2〜表4は、ポリオレフィンとしてそれ
ぞれ結晶性プロピレン単独重合体、結晶性エチレン−プ
ロピレンランダム共重合体及びチーグラー・ナッタ系高
密度エチレン単独重合体の混合物、結晶性エチレン−プ
ロピレンブロック共重合体又は結晶性プロピレン単独重
合体、結晶性エチレン−プロピレン−ブテン−1 3元
共重合体、低密度エチレン単独重合体及び非晶性エチレ
ン−プロピレンランダム共重合体の混合物を用いたもの
であり、これらについても上述と同様の効果が確認され
た。
【0027】
【発明の効果】本発明の熱分解促進方法は、従来公知の
熱酸化劣化を促進したポリオレフィンの熱分解促進方法
に比較して、(1)成形品としたときの該成形品の熱酸
化劣化が著しく促進されている。(2)熱酸化劣化が著
しく促進されていることから、各種成形分野の崩壊性を
要求される用途(たとえば農業用紐や農業用マルチフィ
ルムなど)に好適に使用することができる。(3)使用
済み品の廃棄処理が容易になり、公害防止に寄与するこ
と大である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン100重量部に対して、
    鉄酸化物を0.1〜5重量部及びヒドロキシフェニルベ
    ンゾトリアゾール系化合物を0.05〜1重量部配合す
    ることを特徴とする熱分解性の促進されたポリオレフィ
    ン組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン100重量部に対して、
    鉄酸化物を0.1〜5重量部及びヒドロキシフェニルベ
    ンゾトリアゾール系化合物を0.05〜1重量部配合し
    てなる組成物を成形してなるポリオレフィン成形品。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン100重量部に対して、
    鉄酸化物を0.1〜5重量部及びヒドロキシフェニルベ
    ンゾトリアゾール系化合物を0.05〜1重量部配合し
    てなる組成物を紫外線の非存在下で熱分解を行うことを
    特徴とするポリオレフィン組成物の熱分解促進方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09241461A (ja) * 1996-03-05 1997-09-16 Cci Corp 塩化ビニル系制振樹脂組成物
JP2000160040A (ja) * 1998-11-27 2000-06-13 Kamaya Kagaku Kogyo Co Ltd 生分解性樹脂製成形物

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JP2000160040A (ja) * 1998-11-27 2000-06-13 Kamaya Kagaku Kogyo Co Ltd 生分解性樹脂製成形物

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