JPH08222764A - 発光ダイオード - Google Patents
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Abstract
II−V族化合物半導体からなるLEDを提供する。 【構成】 NとN以外の元素周期律第V族元素を2以上
含んでなる III−V族化合物層を発光層として備える積
層構造よりLEDを構成する。特に、Nに加え第V族元
素としてPとAsをと含む III−V族窒化物半導体層を
発光層として備えた積層構造よりLEDを構成する。 【効果】 発光強度の増大とLED動上の信頼性をもた
らされる。
Description
を含む III−V族窒化物半導体層を備えてなる化合物半
導体発光ダイオード(LED)に関し、特に高輝度化で
且つ高信頼性のLEDに係わる。
II−V族化合物半導体は電界効果型トランジスタ(M.
Asif Khan他、Appl.Phys.Let
t.、63(9)(1993)、1214.)やLED
等の化合物半導体装置に用いられている。例えば短波長
の青色LED用としてGaN、AlGaNやGaInN
等のNを含む III−V族混晶半導体から構成されている
LEDが知られている(例えば、中村 修二、「電子情
報通信学会誌」、第76巻第9号(1993)、913
頁や真部 勝英、「豊田合成技報」、第35巻第4号
(1993)、68頁参照)。
される従来の青色LEDの構造模式図を図1に示す(N
IKKEI MATERIALS & TECHNOL
OGY94.4(No.140)、48頁及びNIKK
EI ELECTRONICS1994.1.3(N
o.598)、59頁)。基板(101)としては透明
なサファイア単結晶が使われている。基板直上には緩衝
層(102)としてGaNが設けられている。緩衝層は
AlNから構成される例もある(Yasuo KOID
E他、Jpn.J.Appl.Phys.,27(7)
(1988)、p.p.1156−1161やH.Am
ano他、Thin Solid Films、163
(1988)、415及び小出 康夫他、「日本結晶成
長学会誌」、第13巻第4号(1986)、8頁)。G
aN緩衝層(102)の上にはAlGaNからなる下部
クラッド層(103)が設けられる。下部クラッド層
(103)の上にはGaInNからなる発光層(10
4)が設けられている。発光層材料としてはこの他に、
Alu Inv Gaw N(u+v+w=1、u>0)も知
られている(特公平6−14564参照)。これらはい
ずれも第V族元素としてNのみを使用して構成されてい
る。
混晶比(x)は、従来では実用上は最小でも0.80程
度であった。即ち、Inの構成比を0.20以上とする
のは、GaX In1-X N混晶層の結晶性の悪化を招くた
め困難であった(NIKKEIMATERIALS &
TECHNOLOGY 94.4(No.140)、
48)。
In0.20N混晶の室温での禁止帯幅は約3eVである。
従って、発光波長は約410nm前後となり、青色の可
視光の発光を得ることはできない。例えば、480nm
近傍の青色発光を得るには、禁止帯を更に0.4eV程
度縮小し、2.6eV近傍とする必要がある。Inの構
成比率を増加させれば理論的には禁止帯幅は縮小する。
しかし、GaX In1- X N混晶の結晶性が悪化するた
め、Inの構成比の増加による禁止帯幅の縮小は、困難
であった。
n)やカドミウム(元素記号:Cd)をGaInN混晶
層に故意に添加し、禁止帯幅を縮小させていた(中村
修二、『InGaN高輝度青色発光ダイオード』日本学
術振興会光電相互変換第125委員会第148回研究会
(平成6年5月27日)資料参照)。例えば、Cdの添
加により禁止帯幅を見掛け上、約0.5eV縮小できる
とされる(中村 修二、電子情報通信学会誌第76巻第
9号(1993年9月)、913頁)。従って、従来で
はInの構成比率を主に結晶性の悪化を避けるために
0.20程度に止め、上記の様な不純物を添加して発光
波長を長波長化させていた。
て形成される準位は一般に唯一ではない。種々の不純物
の準位に対応した波長の発光が混在する。波長の異なる
発光が混在すると、発光スペクトルは結果として幅広く
なる。Znを添加したGaInNには、実際に主発光に
隣接した副次的な発光が観測されている(中村 修二、
『InGaN高輝度青色発光ダイオード』(日本学術振
興会光電相互変換第125委員会第148回研究会(平
成6年5月27日)資料参照)。GaNにZnを添加し
た場合にも、Znの添加量の増大に伴いLEDの発光ス
ペクトルが拡大されることが報告されている(T.Ka
wabata他、J.Appl.Phys.,56
(8)(1984)、2367.)。従って、不純物準
位を利用して発光波長を長波長化させる従来の方法は、
発光スペクトルの半値幅が狭く単色化された発光が得ら
れない欠点があった。
N混晶にあっては、結晶層の成長上、Inの組成比を短
波長の可視発光を与える程に高く出来ない欠点があっ
た。また、Inの組成比を高く出来ない、即ち禁止帯幅
を小さく出来なかった故に見掛け上、多量の不純物を添
加しなければならず、発光スペクトルの単色化を妨げる
問題点があった。
た発光を得るには、伝導帯と価電子帯間の純粋な遷移を
利用すれば良い。第V族元素としてN以外の第V族元素
であるAsを含むGaNy As1-y 混晶(M.Kond
ow他、13th Sympo.on AlloySe
mocon.Phys.& Electron.:AS
PEcs−13(Jul.20−24(1994)、S
YPOSIUM RECORD、D−9)では、Asの
含有量を適宣調節することにより、禁止帯幅をGaN
(禁止帯幅=3.40eV)とGaAs(禁止帯幅=
1.42eV)間で変化させられる(S.SAKAI
他、Jpn.J.Appl.Phys.,32(199
3)、4413.)。これを利用すれば、伝導帯と価電
子帯間の遷移に基づいた狭帯化された発光スペクトルが
得られる可能性がある。
II−V族化合物半導体には、GaNPが知られている
(尾鍋 研太郎、「応用物理」第63巻第2号(199
4)、156頁)。GaNZ P1-Z もzを変化させるこ
とにより、禁止帯幅を調節できる(S.SAKAI他、
Jpn.J.Appl.Phys.,32(199
3)、4413.)。また、同類の化合物材料にはIn
NAsがある(36th Electronic Ma
terials Conference(Jun.22
−24、1994)、ADVANCE PROGRA
M、Q3:”The Growth and Prop
erties of Mixed GruopV Ni
trides”.)。2種類の第 III族元素とN及びN
以外の第V族元素を一つ含む III−V族化合物半導体の
一例には、AlGaNAsがある(前出の36th E
lectronic Materials Confe
rence(Jun.22−24、1994)、ADV
ANCE PROGRAM、Q3)。
んでなる III−V族化合物半導体では、NとN以外の第
V族元素の構成比の如何に依って、禁止帯幅を調節する
ことが可能である。これにより、調節された禁止帯幅に
対応する純粋なバンド間の遷移を利用できる。従って、
これを発光層とすれば、禁止帯幅の大小に応じて得られ
る発光波長に於いて、従来に比較すればより単色化され
た発光スペクトルが得られると期待される。しかし、含
窒素 III−V族化合物層を構成する第 族元素の種類の
数に拘らず、NとN以外の複数個の第V族元素を含む I
II−V族化合物層を発光層として備えた積層構造によっ
て、LEDが構成された例は知られていない。
に、第V族元素としてNのみを含む含窒素 III−V族化
合物材料の一例であるGaNやN以外に一種類の第V族
元素を含む材料としての一例であるGaNAsの成長は
方法には、MOCVD(MOVPE)成長法やVPE成
長法或いはMBE成長法等の気相成長方法が挙げられ
る。これらの気相成長方法によりNを含む III−V族化
合物層を得るに際しては、もっぱらアンモニア(NH
3 )がN源として利用されている。NH3 は比較的分解
し難いために含窒素 III−V族化合物層の成長は、NH
3 の分解を促進してNを成長環境に充分に供給すること
を意図して、1000℃を越える高温で実施されるのが
一般となっている(例えば、H.M.Manasevi
t他、J.Electrochem.Soc.、118
(11)(1971)、1864.)。
緩衝層として利用されているGaNは800℃以上の高
温で昇華する(日本産業技術振興協会新材料技術委員会
編「化合物半導体デバイス」1973年9月15日発
行、316頁)。この昇華に起因してGaN結晶の化学
量論的な組成が崩れ、Nの空孔(vacancy)が発
生する。Nの空孔はn形のキャリアの増加を招く(H.
P.Maruska他、Appl.Phys.Let
t.、15(10)(1969)、327.)。n形キ
ャリアが多量に存在すると、これらを補償してp形の伝
導層を得るには、n形キャリアの量を上回る多量のp形
不純物を添加する必要が生ずる。多量の不純物の添加を
結晶性の悪化を招く要因となり、発光強度の増大やLE
D動作の信頼性の向上を阻害する。半導体ヘテロ接合に
よるpn接合を利用して高輝度化を果たすLEDにあっ
ては、多量のn形伝導キャリアの発生に起因するp形層
の形成の困難さは高輝度LEDを得るに大きな問題とな
っている。
含窒素 III−V族化合物層の例であるGaNAsやAl
GaNAsを気相成長法を利用して得る際には、As源
としてアルシン(AsH3 )が一般的に使用される
(M.Kondow他、13thSymposium
on Alloy Semiconductor Ph
ysics and Electronics(Jul
y 20−22、1994)、SYMPOSIUM R
ECORD、D−9.)。
原子(H)に分解するに必要な解離エネルギー(記号D
で表す。)は385.9kJ/molである(日本化学
会編「改訂4版化学便覧−基礎編」丸善(株)、平成5
年9月30日発行、II−301頁)。AsH3 がそれを
構成する原子に分解する際に必要とされるDは292k
J/molである(同上「改訂4版化学便覧−基礎編I
I」、II−301頁)。従って、成膜環境下に於けるN
H3 の難分解性に基づくNの不足に起因して発生するN
の空孔が、より易分解性のAsH3 の分解により放出さ
れるAsで埋められ、第V族元素の空孔の全体量を減少
させられる。
るN以外の第V族元素の数を更に増加させれば、Nの空
孔をN以外の第V族元素により埋めることができる。即
ち、従来の如くN以外の第V族元素の種類数を1とする
のではなく2以上とした場合に、N空孔が他の第V族元
素により占有されることにより減少し、第V族元素の空
孔の全体量の更なる減少をもたらすことが期待される。
しかしながら、現在迄にN以外の複数の第V族元素を含
む含窒素 III−V族窒化物半導体層を発光層として備え
たLED用途の積層構造をもって実際にLEDが構成さ
れた例はない。
り、低温で易分解性の原料を使用することが可能とな
り、ストイキオメトリックな結晶を得ることが容易にな
る。しかも、純粋にバンド間の遷移による発光が得ら
れ、且つ第V族元素の空孔の全体量が少なく発光層とし
て適する新たな III−V族窒化物半導体材料を提供する
ことが可能となる。
とも1種類の第 III族元素とNとN以外の複数の第V族
元素からなる III−V族化合物半導体層を発光層として
備えた積層構造からなる発光ダイオードを提供する。特
に、N以外の複数の第V族元素としてPとAsを含む含
窒素 III−V族化合物層を発光層として備えた積層構造
からなる発光ダイオードを提供する。NとN以外の第V
族元素の割合は特に制限はないが、主たる第V族元素の
原子濃度に対し、他の第V族元素の合計は約0.5atm.
%から約1atm.%以上としないと混晶とした効果は生じ
ない。即ち、混晶化によってもたらされる物性の変化、
例えば、禁止帯幅の変化が顕著に顕現しない。含窒素 I
II−V族化合物半導体を構成する主たる第V族元素以外
の第V族元素を必要以上の割合で含有させると、バンド
のボウイング(bowing)により極端な禁止帯幅の
縮小を来たすことが予想される。主たる第V族元素の構
成割合は概ね、90atm.%以上とするのが妥当である。
例えば、GaNにAsとPとを含有させ、Nを主たる第
V族元素とするGaNPAs混晶を得る場合に、Nの原
子濃度を約90atm.%以上とする範囲で、PとAsとの
合計の原子濃度は概ね、10atm.%程度を最大とするの
が好ましく、望ましくは約4〜15atm.%程度の範囲と
する。
は、B、Al、Ga、InやTlがある。一方、第V族
元素にはN、P、As、SbやBiがある。基本的には
これらの III族元素とNとN以外の複数の第V族元素と
の組み合わせにより、本発明に係わる含窒素 III−V族
化合物層を得ることができる。少なくとも一種類の第 I
II族元素とNとN以外の複数の第V族元素との組み合わ
せからなる含窒素 III−V族化合物の一例を次項に示
す。
aNAsSbなど。
以外の複数の第V族元素からなる含窒素 III−V族化合
物層は気相成長技術を利用して得ることができる。ハロ
ゲン或いはハイドライドVPE法、常圧若しくは減圧M
OCVD法や(MO)MBE法等が代表的な気相成長方
法の例である。基板とする材料には特に制限はなく、従
来からの絶縁性のサファイア(アルミナ単結晶)やセラ
ミック材料などがある。半絶縁性或いは導電性のヒ化ガ
リウム(GaAs)やリン化ガリウム(GaP)等の I
II−V族化合物半導体単結晶等も利用できる。また、高
抵抗若しくは低抵抗のシリコン(Si)等の元素(単
体)半導体結晶も基板材料として利用できる。特に、N
以外の第V族元素としてPとAsを含む含窒素 III−V
族化合物材料は、BiやSbを含む材料に比較し、気相
成長法による結晶成長が容易である利点がある。しか
も、AlNPAs等の含窒素化合物材料にあっては、L
EDを製造するための単結晶基板材料として、既に工業
的に大量生産が施されているGaP結晶との格子不整合
度が少ない。このため、基板上に堆積される成長層への
基板材料との著しい格子の不整合性に基づく転位等の結
晶欠陥の伝搬や導入を抑制できる。これにより、例え
ば、転位密度が低減された結晶欠陥の少ない良質の成長
層を得ることが可能となる。高品位の膜質が要求される
発光層の材料としては尚更、都合の良い結果がもたらさ
れる。
素とNとN以外の複数の第V族元素を含む含窒素 III−
V族化合物材料の中で特に、N以外の第V族元素として
PとAsとを含む材料を発光層として利用する。
含む含 III−V族化合物材料の一例を次項に記す。
s、AlGaNPAs、GaInNPAs、AlInN
PAs、AlGaInNAsP、BNPAs、AlGa
BNAsP、InAlBNPAsなど。
II−V族化合物層を得るには、層を構成する第V族元素
に対応した供給原料物質を成長を実施する成膜環境下に
導入すれば得られる。NとPとAsを含む含窒素 III−
V族化合物層を得るにあっては、3種類の第V族元素に
対応した原料を成膜環境に供給する必要がある。即ち、
層を構成する第V族元素の種類が増加するに伴い、成膜
環境下に於いて、第V族元素が第 III族元素の量に対し
て占める割合が増加する。第 III族元素対する第V族元
素の量的な比率、気相成長法では一般にV/III 比と称
される比率が増大すれば、第 III族元素に対する第V族
元素の量的な不足から発生する第V族の空孔を全体量を
減少させることが可能となる。
空孔等のの第V族の空孔密度の減少は電気特性上はn形
のキャリア濃度の減少をもたらす。n形の伝導性を呈す
るキャリアの濃度が減少すれば電子線照射法(H.Am
ano他、Jpn.J.Appl.Phys.,28
(1989)、L2112)や熱処理法(S.Naka
mura他、Appl.Phys.Lett.、64
(13)(1994)、1687)等の含窒素 III−V
族化合物層をp形化するための特殊な従来技術を必要と
せず、簡便にp形伝導層が得られる利点がある。第V族
元素の空孔の密度が減少されp形層の形成が容易となれ
ば、LEDの発光強度を増大させるために構造上、必須
とされるp−n接合を含むダブルヘテロ接合構造の作製
が容易となり、LEDの高輝度化が簡便に達成される。
III−V族化合物層の構成要素として含有させることに
より、第V族元素の空孔の密度を減少させることができ
る。特に、N以外の第V族元素としてAsとPとを含有
させれば、発光ダイオードにあって代表的な基板材料で
あるGaPについて、大きな格子不整合を来さず、格子
不整合に起因する結晶欠陥の密度が少ない発光層として
好適な材料がもたらされる。
実施例では、GaNPAsを発光層として備えたLED
について記す。図2は本発明に係わるLEDの平面模式
図である。図3は図2に示すLEDの垂直方向の断面模
式図である。基板(101)にはn形で低抵抗の硫黄
(S)ドープGaP単結晶を用いた。基板結晶(10
1)の表面上には、緩衝層(102)、下部クラッド層
(103)、発光層(104)及び上部クラッド層(1
05)を順次、堆積した。
長させた。基板(101)は抵抗加熱方式により成長時
に750℃に保持した。各層の成長温度はこの温度に統
一した。Pの供給源としてはPH3 の体積濃度を約10
%としたPH3 と高純度水素(H2 )の混合ガスを使用
した。Asの供給源としてはAsH3 の体積濃度を約1
0%としたAsH3 とH2 の混合ガスを使用した。N源
としてはNH3 ガスを使用した。所望の流量に調節され
たこれらの原料ガスは、MOCVD反応容器内に載置さ
れたGaP単結晶基板(101)の上方にH2 キャリア
ガスと共に導入した。H2 キャリアガスの流量は毎分8
リットルとした。第V族元素の構成比を異にする結晶層
を得るに当たっては、N、P及びAs供給源とした各原
料ガスのH2 キャリアガスへの混合比を適宣変化させ
た。
のGaN0.10As0.90層とした。緩衝層(102)の膜
厚は約0.5μmで、キャリア濃度は約1×1018cm
-3であった。
(103)とするSiをドープしたn形のGaN層を堆
積した。下部クラッド層(103)の膜厚は約0.2μ
mで、キャリア濃度は7×1017cm-3とした。
は、亜鉛(元素記号:Zn)をドーピングしたp形のG
aN0.90P0.01As0.09を発光層(104)として堆積
した。Znのドーピングはジメチルジンク(化学式:
(CH3 )2 Zn)を原料として実施した。膜厚は0.
2μmとした。キャリア濃度は2×1017cm-3とし
た。
クラッド層(105)を設けた。上部クラッド層(10
5)はp形のGaN層で構成した。膜厚は約0.1μm
で、キャリア濃度は4×1017cm-3とした。以上の層
構成により、第 III族元素としてGaを、第V族元素と
してNとPとAsとを含むGaNPAs層を発光層とし
て備えたLED用途の積層構造を形成した。
層(105)上には、公知のフォトリソグラフィー技術
を利用したパターニングにより電極(107)を形成し
LEDとした。
mとするLEDを得た。発光スペクトルの半値幅は、2
0mAの順方向のLED駆動用電流に於いて約75オン
グストロームとなった。順方向のしきい値電圧は順方向
の電流値を20mAとした場合に約1.8Vとなった。
従来の第V族元素としてNのみを含むGaInN混晶を
発光層とする短波長LEDを一例として比較すれば、発
光スペクトルの半値幅では、発光の中心波長を異にはす
るものの、約1/9程度に顕著に狭帯化されるのが認め
られた。
板(101)上に、MOCVD法により常圧下に於い
て、膜厚を約2μmとするn形のGaN0.09As0.91を
緩衝層(102)として設けた。緩衝層(102)のキ
ャリア濃度は約1.5×1018cm-3とした。緩衝層
(102)上には、下部クラッド層(103)として膜
厚を約1μmとするn形のGaN0.08P0.92層を堆積し
た。キャリア濃度はSiのドーピング量を調節すること
により約1×1018cm-3とした。
ーピングを施したp形のGaN0.08P0.91As0.01から
なる発光層(104)を堆積した。発光層(104)の
膜厚は約0.15μmとし。キャリア濃度は約2×10
17cm-3とした。
(104)上には、p形のAlAs0. 91N0.09を上部ク
ラッド層(105)として堆積し、発光層(104)と
ヘテロ接合を形成した。上部クラッド層(105)上に
は、同層(105)と第V族の構成比を異にしたp形の
AlAs0.80N0.20を電流拡散層(106)として堆積
した。上部クラッド層(105)及び電流拡散層(10
6)の膜厚はいずれも0.2μmとし、キャリア濃度は
ほぼ8×1018cm-3に統一した。
7)を設けた。また、基板(101)の裏面にも電極
(108)を形成した。本実施例に係わる積層構造の断
面模式図を図4に示す。
mとするLEDを得た。発光スペクトルの半値幅は、2
0mAの順方向のLED駆動用電流に於いて約80オン
グストロームとなった。順方向のしきい値電圧は順方向
の電流値を20mAとした場合に約1.6Vとなった。
従来の第V族元素としてNのみを含むGaInN混晶を
発光層とする短波長LEDを一例として比較すれば、発
光スペクトルの半値幅では、発光の中心波長を異にはす
るものの、約1/8程度に顕著に狭帯化されるのが認め
られた。
結晶基板上にn形のAlP層を緩衝層(102)として
堆積した。膜厚は約0.1μmとした。キャリア濃度は
約1×1018cm-3であった。緩衝層(102)上に
は、AlNZ P1-Z (zは窒素の混晶比を表し、0<z
<1である。)を下部クラッド層(103)として堆積
した。膜厚は0.2μmとした。zは緩衝層(102)
とのヘテロ接合界面(109)より発光層(104)と
のヘテロ接合界面(109)に向けて、0.06から
0.03へ減じた。
ア濃度を約1.5×1016cm-3とするp形のAlN
0.03P0.96As0.01からなる発光層(104)をヘテロ
接合させた。発光層(104)の膜厚は約0.1μmと
した。
としたn形のAlN0.03P0.97からなる上部クラッド層
(105)を堆積した。電極((107)及び(10
8))の構成は実施例1と同じくし、LED用途の積層
構造を構成した。図5に本実施例に係わる積層構造から
なるLEDの断面模式図を示す。
nmとする緑色の発光を呈した。発光の半値幅は約8n
mであった。一方、Nのみを第V族元素として含む含窒
素 III−V族化合物からなる発光層を備えた図1に示す
様な例えば、中心の発光波長を約450nmとする従来
の青色LEDにあっては、本実施例の場合と発光中心波
長を異にするものの、発光スペクトルの半値幅は概ね、
70nm程度である。従って、本発明によれば、Nのみ
を含む従来の含窒素 III−V族化合物半導体層発光層を
備えたLEDに比較し、発光スペクトルの半値幅を減ず
るに顕著な効果があることが認められた。得られたLE
Dにあっては、順方向のしきい値電圧が約2V(順方向
電流=20mA)となり、上記した従来のLEDの約
3.5Vに対し大幅に低下し、本発明によれば、電気的
な特性についても改善がもたらされている。
止用樹脂でモールドした後、耐環境試験時に、高温放置
試験を実施した。上記した従来のLEDにあっては、放
置温度を80℃とした際には、被試験体の約15%に相
当する数量のLEDに輝度上の劣化が生じた。反面、本
発明のLEDでは、輝度を含めて特性の劣化は殆ど認め
られず、本発明の素子動作の信頼性上にもたらす優位性
が示された。以上により、本発明によれば、従来例に対
し光学的特性と電気的特性及び素子動作の信頼性に優れ
る発光素子をもたらされる効果があることが明確となっ
た。
たらす。本発明に係わるLEDでは、半値幅の狭い発光
スペクトルを有し、従来のLEDに比較すればより単色
化された発光を呈するLEDが得られた。従来例とは、
Zn等の発光の再結合中心となる不純物を含有した少な
くとも一つの第 III族元素と第V族元素としてNのみを
含む含窒素 III−V族化合物からなる発光層を備えた図
1に示した様な積層構造系から構成されたLEDを指
す。耐環境試験、特に、高温放置試験に於いても、本発
明に係わるLEDの特性劣化は殆ど認められなかった。
従来のLEDにあっては、80℃に於いて試験体の約1
5%の数量のLEDに輝度劣化が生じた。これにより、
本発明により構成された少なくとも一種類の第 III族元
素とNとN以外の複数の第V族元素、特にPとAsとを
含む含窒素 III−V族化合物層を発光層とするLED
は、従来に比較し特に発光強度の増大と信頼性の向上を
もたらす点で優位であることが明瞭となった。
の断面模式図である。
る。
ある。
る。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 基板上に設けられた少なくとも1種の元
素周期律表の第 III族元素と窒素(元素記号:N)とN
以外の複数の第V族元素からなる III−V族化合物半導
体層を発光層として備えた積層構造からなる発光ダイオ
ード。 - 【請求項2】 N以外の元素周期律表の第V族元素がリ
ン(元素記号:P)及びヒ素(元素記号:As)である
ことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
Priority Applications (1)
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