JPH0822234B2 - L−バリンの製造法 - Google Patents

L−バリンの製造法

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JPH0822234B2
JPH0822234B2 JP10167787A JP10167787A JPH0822234B2 JP H0822234 B2 JPH0822234 B2 JP H0822234B2 JP 10167787 A JP10167787 A JP 10167787A JP 10167787 A JP10167787 A JP 10167787A JP H0822234 B2 JPH0822234 B2 JP H0822234B2
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真人 寺沢
昭一 奈良
恵子 小浜
真樹子 福島
英明 湯川
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、酵素反応による新規なL−バリンの製造法
に関するものである。
本発明によれば、高収量で能率よくL−バリンを製造
することができる。
L−バリンは、必須アミノ酸の一つとして人間及び動
物の栄養上重要な役割をするもので、医薬、食品、飼料
添加剤等の需要が近年急激に増加している。
先行技術 L−バリンの工業的製法としては、他のアミノ酸の場
合と同様に立体異性体が存在するので、化学合成法では
L−体のみの製造は困難となり、主として発酵法によつ
ている。
しかしながら、公知の発酵法によるL−バリンの製造
では、L−バリンの蓄積に限界があり、新たな観点でL
−バリンを著量生成させる方法の提供が求められてい
る。
発明の要旨 本発明は、ビオチン要求性のブレビバクテリウム(Br
evibacterium)属に属する微生物菌体を、グルコースを
含有する水溶液にて酵素反応させて該溶液中にL−バリ
ンを生成せしめ、これからL−バリンを採取することを
特徴とするL−バリンの製造法を提供するものである。
発明の効果 本発明によれば、グルコースを含有する水溶液中で、
ビオチン要求性のブレビバクテリウム属に属する微生物
菌体を酵素源として用いて酵素反応させると、該水溶液
中にL−バリンが生成し、高収量で得られる。
本発明の方法は酵素法であり、従来の発酵法に比較
し、グルコースを含有する水溶液としてグルコースを含
有する完全合成培地を使用した場合でも、発酵法で必要
とされる培地の滅菌等の煩雑な操作が必要でないので生
産管理が大巾に容易になるなど、工業的に効率よくL−
バリンが製造できる。
発明の具体的説明 本発明の方法は、微生物菌体の増殖を全く伴わない条
件下にL−バリンを製造する、酵素反応のみによるL−
バリンの製造法を提供するものであり、この様な方法は
従来全く知られていない新規な方法である。
本発明に使用される微生物は、ビオチン要求性のブレ
ビバクテリウム(Brevibacterium)属に属するものであ
り、好ましくはエタノール資化性のものである。このな
かにはL−イソロイシン生産菌が含まれる。本発明に使
用される微生物菌体としては例えば、ブレビバクテリウ
ム・フラバム(Brevibacterium flavum)MJ−233(FERM
BP−1497)、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibac
terium flavum)MJ−233−AB−41(FERMBP−1498)、ブ
レビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavu
m)MJ−233−ABT−11(FERMBP−1500)及びブレビバク
テリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)MJ−233
−ABD−21(FERMBP−1499)等であり、これらの菌が本
発明に好適に用いられる。
なお、上記の(FERMBP−1498)は、(FERMBP−1497)
を親株としてDL−α−アミノ酪酸耐性を積極的に付与さ
れたエタノール資化性微生物である(特公昭59−28398
号公報3〜4欄参照)。(FERMBP−1500)は、(FERM B
P−1497)を親株としたL−α−アミノ酪酸トランスア
ミナーゼ高活性変異株である(特願昭60−190609号明細
書3〜5頁参照)。また、(FERM BP−1499)は(FERM
BP−1497)を親株としたD−α−アミノ酪酸デアミナー
ゼ高活性変異株である(特開昭61−177993号公報参
照)。
これらの微生物菌体の他にブレビバクテリウム・アン
モニアゲネス(Brevibacterium ammoniagenes)ATCC 6
871、同ATCC 13745、同ATCC 13746、ブレビバクテリ
ウム・デバリカタム(Brevibacterium divaricatum)AT
CC 14020等を用いることもできる。
本発明に用いられるビオチン要求性のブレビバクテリ
ウム属に属する微生物菌体は、微生物菌体そのままで用
いることもできるし、又これらを公知の手法で固定化し
た固定化物を使用することもできる。この固定化手法と
しては、菌体をアクリルアミド等の重合性モノマーを用
いたり、アルギン酸塩あるいはカラギーナン等の適当な
担体に不溶化させる等がある。
本発明の方法に使用される上記のビオチン要求性のブ
レビバクテリウム属に属する微生物菌体の調製に使用す
る培地は、特に限定されるものではなく一般の微生物に
使用されるものでよい。中でも好ましいものは、エタノ
ールを主炭素源とする培地である。
本発明に使用する微生物菌体の調製に使用する培地の
窒素源としてはアンモニア、硫酸アンモニウム、塩化ア
ンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素等を単独若しくは
混合して用いることが出来る。
無機塩としては、リン酸一水素カリウム、リン酸二水
素カリウム、硫酸マグネシウム等が用いられる。この他
に菌の生育及びL−イソロイシン生成に必要であれば、
ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンステイープリ
カー、カザミノ酸、各種ビタミン等の栄養素を培地に添
加し用いる。
培養は通気撹拌、振盪等の好気的条件下で行い、培養
温度は20〜40℃、好ましくは25〜35℃で行う。培養途中
のpHは5〜10、好ましくは7〜8付近にて行い、培養中
のpHの調整には酸、アルカリを添加して行う。
培養開始時のグルコース濃度は好ましくは1〜5重量
%、更に好ましくは2〜3重量%が適する。培養期間は
0.5〜3日間、最適期間は1〜2日間である。
このようにして得られた培養物から菌体を集めて、水
又は適当な緩衝液で洗浄し、本発明の方法の酵素反応に
使用する。
本発明の方法においては、上記で調製された微生物菌
体(ここには、その固定化物も含まれる)の存在下、少
なくともグルコースを含有する水溶液にて酵素反応させ
る。ここで該水溶液に添加されるグルコースの濃度は0.
5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。
該水溶液は、上記の様にグルコースを含有する水ある
いはリン酸又はトリス塩酸等の緩衝液を用いることもで
きるが、好ましくはグルコースを含有する完全合成培地
が用いられる。ここで完全合成培地とは、化学構造が公
知の無機窒素源及び/又は無機塩を含有する水溶液であ
る。本発明に用いられる完全合成培地の無機窒素源とし
ては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等が例示で
き、また無機塩としては、リン酸一水素カリウム、リン
酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、
硫酸鉄等が例示される。これらの無機窒素源、無機塩
は、単独でも2種以上混合して用いることもできる。
これら無機窒素源及び/又は無機塩の水溶液としての
濃度は、通常の微生物菌体の培養に使用される培地と同
程度の範囲でよく、特に限定されない。
完全合成培地の一例を示すと、(NH42SO4 2g/;K
H2PO4 0.5g/;K2HPO4 0.5g/;MgSO4・7H2O 0.5g/
;FeSO4・7H2O 20ppm;MnSO4・4〜6H2O 20ppm含有す
るpH7.6の水溶液がある。
上述の様に、本発明に使用される完全合成培地には、
ビオチン又はビオチンを含む天然物は含有されない。ビ
オチンの含有されないことの明らかな化学構造公知のア
ミノ酸、ビタミン、糖類等は添加することはできる。
本発明の方法において使用される、上記の様に調製さ
れた微生物菌体の使用量は、特に制限されるものではな
いが、一般に1〜50%(wt/vol)の濃度で使用すること
ができる。
本発明において、酵素反応は、約20〜約50℃、好まし
くは約30〜約40℃の温度で、通常約10〜約72時間行われ
る。
上記酵素反応は、反応に用いられるグルコースを含有
する水溶液、好ましくは上述のグルコースを含有する完
全合成培地、中の溶存酸素濃度が0.05ppm以上、8ppm以
下となる様に、反応系中に空気もしくは酸素を、連続又
は間歇的に供給して行うのが好ましい。
上記のような反応方法によつて得られる反応液中に生
成したL−バリンの分離・精製は、発酵法によるアミノ
酸の分離・精製と同様に行え、例えば公知のイオン交換
樹脂処理法あるいは、沈殿法等により行うことができ
る。
実験例 以下の実験例において、L−バリンの定性は、ペーパ
ークロマトグラフのRf値、電気泳動法の移動度、微生物
定量法による生物活性値により確認した。定量はロイコ
ノストツク・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenter
oides)ATCC 8042を用いるマイクロバイオアツセイ法
と高速液体クロマトグラフイー(島津LC−5A)とを併用
して行つた。また、下記の実験例において%と表したの
は重量%を意味する。
実施例−1 培地(尿素0.4%、硫酸アンモニウム1.4%、KH2PO4
0.05%、K2HPO4 0.05%、MgSO4・7H2O 0.05%、CaCl2
2H2O 2ppm、FeSO4・7H2O 2ppm、MnSO4・4〜6H2O 2pp
m、ZnSO4・7H2O 2ppm、NaCl 2ppm、ビオチン200μg/
、チアミン・HCl 100μg/、カザミノ酸0.1%、酵
母エキス0.1%)100mlを500ml容三角フラスコに分注、
滅菌(滅菌後pH7.0)した後ブレビバクテリウム・フラ
バム(Brevibacterium flavum)MJ−233(FERM BP−149
7)を植菌し、無菌的にグルコースを5g/の濃度になる
ように加え、30℃にて2日間振盪培養を行つた。
次に、本培養培地(グルコース5%、硫酸アンモニウ
ム2.3%、KH2PO40.05%、K2HPO40.05%、MgSO4・7H2O
0.05%、FeSO4・7H2O 20ppm、MnSO4・nH2O 20ppm、ビ
オチン200μg/、チアミン・HCl 100μg/、カザミノ
酸0.3%、酵母エキス0.3%)の1000mlを2容通気撹拌
槽に仕込み、滅菌(120℃、20分間)後、前記前培養物
の20mlを添加して、回転数1000rpm、通気量1vvm、温度3
3℃、pH7.6にて24時間培養を行つた。
培養終了後、培養物500mlから遠心分離にて集菌後、
脱塩蒸留水にて2度洗浄した菌体を反応液〔(NH42SO
4 2g/;KH2PO4 0.5g/;KH2PO4 0.5g/;MgSO4・7H
2O 0.5g/;FeSO4・7H2O 20ppm;MnSO4・4〜6H2O 20
ppm;チアミン−塩酸 100μg/;(pH7.6)〕の1000ml
に懸濁後、該懸濁液を2容通気撹拌槽に仕込み、グル
コース20gを添加して、回転数300rpm、通気量0.1vvm、
温度33℃、pH7.6にて24時間反応を行つた。
反応終了後、遠心分離(4000rpm、15分間、4℃)に
て除菌した上清液中のL−バリンを定量した。
この反応終了後の培養液500mlを、強酸性陽イオン交
換樹脂(H+型)のカラムに通してL−バリンを吸着さ
せ、水洗後、0.5Nアンモニア水で溶出させたのち、L−
バリン画分を濃縮し、冷エタノールでL−バリンの結晶
を析出させた。結果を後に掲げる第1表に示した。
実施例−2 実施例−1と同様の条件にてブレビバクテリウム・フ
ラバム(Brevibacterium flavum)MJ−233−AB−41(FE
RM BP−1498)を培養し、また実施例−1と同様の条件
にて反応させた後上清液中のL−バリンを定量した。ま
た、実施例−1と同様にしてL−バリンの結晶を析出さ
せた。結果は第2表に示した。
実施例−3 実施例−1と同様の条件にてブレビバクテリウム・フ
ラバム(Brevibacterium flavum)MJ−233−ABT−11(F
ERM BP−1500)を培養し、また実施例−1と同様の条件
にて反応させた後上清液中のL−バリンを定量した。ま
た、実施例−1と同様にしてL−バリンの結晶を析出さ
せた。
結果は第3表に示した。
実施例−4 実施例−1と同様の条件にてブレビバクテリウム・フ
ラバム(Brevibacterium flavum)MJ−233−ABD−21(F
ERM BP−1499)を培養し、また実施例−1と同様の条件
にて反応させた後上清液中のL−バリンを定量した。ま
た、実施例−1と同様にしてL−バリンの結晶を析出さ
せた。
結果を第4表に示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 真樹子 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社中央研究所内 (72)発明者 湯川 英明 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビオチン要求性のブレビバクテリウム(Br
    evibacterium)属に属する微生物菌体を、グルコースを
    含有する水溶液にて酵素反応させて該溶液中にL−バリ
    ンを生成せしめ、これからL−バリンを採取することを
    特徴とするL−バリンの製造法。
  2. 【請求項2】水溶液が完全合成培地である特許請求の範
    囲第1項記載の方法。
JP10167787A 1987-04-24 1987-04-24 L−バリンの製造法 Expired - Lifetime JPH0822234B2 (ja)

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CN102432479A (zh) * 2011-12-30 2012-05-02 梅花生物科技集团股份有限公司 一种从l-缬氨酸发酵液中提取l-缬氨酸的方法

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