JPH082208B2 - 田植機及びその植付爪駆動機構 - Google Patents

田植機及びその植付爪駆動機構

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JPH082208B2
JPH082208B2 JP63094288A JP9428888A JPH082208B2 JP H082208 B2 JPH082208 B2 JP H082208B2 JP 63094288 A JP63094288 A JP 63094288A JP 9428888 A JP9428888 A JP 9428888A JP H082208 B2 JPH082208 B2 JP H082208B2
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定次 土井
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、回転駆動される一つの植付ケースの両端に
植付爪を取付けて、植付ケース1回転によって2回の植
付けを行えるよう構成した田植機の植付爪駆動機構に関
する。
〔従来の技術〕
上記植付爪駆動機構としては、例えば特開昭60-221
009号公報や特開昭63-74413号公報で示されるものが
知られている。
前者(特開昭60-221009号)は、植付ミッションケ
ースから横側方に突出し回転駆動される駆動軸に植付ケ
ースを連結固定し、前記植付ケース内の回転中心部位に
太陽歯車を前記植付ミッションケースに対して固定状態
で配置すると共に、前記植付ケースの両端に一対の植付
爪を備え、この植付爪を支持する支持軸に最終歯車を固
定し、さらに前記太陽歯車と一方の最終歯車との間に一
体回転する一対の中間歯車を配置し、太陽歯車と一方の
中間歯車をそれぞれ真円歯車にして咬合させるととも
に、他方の中間歯車と最終歯車とをそれぞれ偏芯歯車
(あるいは楕円歯車)にして咬合させることで、前記植
付ケースの等速1回転に伴って植付爪を支持する支持軸
を不等速で逆方向に1回転させる歯車列を構成し、もっ
て、植付ケース回転中の各回転位相における両植付爪の
姿勢を決定して、各植付爪が苗のせ台より交互に苗を切
り出し圃場に植付けてゆくように構成されている。
また、後者(特開昭63-74413号公報)は、植付ミッ
ションケースから横側方に突出し回転駆動される駆動軸
に植付ケースを連結固定し、前記植付ケース内の回転中
心部位に非円形の太陽歯車を前記植付ミッションケース
に対して固定状態で配置すると共に、前記植付ケースの
両端に一対の植付爪を備え、この植付爪を支持する支持
軸に非円形の最終歯車を固定し、さらに前記太陽歯車と
一方の最終歯車との間にこれらに咬合する非円形の中間
歯車を配置し、前記植付ケースの等速1回転に伴って植
付爪を支持する支持軸を不等速で逆方向に1回転させる
歯車列を構成し、もって、植付ケース回転中の各回転位
相における両植付爪の姿勢を決定して、各植付爪が苗の
せ台より交互に苗を切り出し圃場に植付けてゆくように
構成されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
前者は、太陽歯車、一対の中間歯車、及び、最終歯
車による歯車列を、一組の偏芯歯車(あるいは楕円歯
車)の咬合を含んだ歯車列にすることで、植付爪移動行
程中の爪姿勢を漸次修正して、植付爪先端軌跡を苗のせ
台の下端から圃場面を亘る縦長のループ状に設定してい
るのであるが、この爪先端軌跡のループは、旧来の揺動
式の植付駆動機構での爪先端軌跡のループに比較して相
当前後幅の広いものであり、このように前後幅の大きい
爪先端軌跡ループで植付けを行うと、圃場面の植付部位
に大きい爪跡が残り、植付苗の倒れや浮上がりが発生し
やすいものとなっていた。
上記従来手段の不具合を考察すると、植付爪に不等速
回転を行わせるための歯車列に含める異径歯車として円
形の偏芯歯車や楕円歯車を用いているために、不等速特
性の変更要素は、偏芯歯車にあっては偏芯量、楕円歯車
にあっては長径と短径との比のみであり、植付ケースの
回転に対する植付爪の不等速回転の特性設定に対する自
由度が少なく、これが前後幅の大きい爪先端軌跡ループ
が現出する要因となっている。
これに対して後者は、太陽歯車、最終歯車、および
両歯車に咬合する中間歯車による歯車列を非円形歯車列
にすることで、植付爪移動行程中の爪姿勢を漸次修正し
て、植付爪先端軌跡を苗のせ台の下端から圃場面を亘る
縦長のループ状に設定しているものであり、前者の手
段よりも植付爪の不等速回転の特性設定に対する自由度
が高く、前後幅のより小さい爪先端軌跡ループを現出す
ることが可能となっている。
しかし、この後者では、太陽歯車、最終歯車、およ
び、中間歯車を一連に咬合させて、植付ケースの1回転
に対して植付爪の逆向き不等速1回転を実現しているた
めに、全ての歯車が同一歯数で同一のピッチ曲線を有す
る歯車になり、一組の歯車噛合の特性が決まると他の歯
車咬合箇所での特性が自ずと決まることになり、植付爪
の不等速回転の特性設定に対する自由度は必ずしも充分
とは言えないものであった。
本発明は、かかる実情に着目してなされたものであっ
て、植付ケースの回転に対して所望の特性で不等速回転
させて前後幅の小さい爪先端軌跡ループを得ることがで
きるとともに、各歯車を無理なく円滑に咬合作動させる
ことができる植付爪駆動機構及びこれを用いて良好な植
付けを行うことのできる田植機を提供することを目的と
するものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するための本発明特徴構成は、 植付ミッションケースから横側方に突出し回転駆動
される駆動軸に植付ケース)を連結固定し、前記植付ケ
ース内の回転中心部位に太陽歯車を前記植付ミッション
ケースに対して固定状態で配置すると共に、前記植付ケ
ースの両端に一対の植付爪を備え、この植付爪を支持す
る支持軸に最終歯車を固定し、さらに前記太陽歯車と最
終歯車との間に一体回転する一対の中間歯車を配置し、
且つ、前記太陽歯車、一対の中間歯車及び最終歯車によ
って異径の歯車を含む2段の歯車列に構成して、等速回
転する植付ケースの一回転に対して植付爪を不等速で逆
方向に一回転自転させ、植付ケース回転中の各回転位相
における両植付爪の姿勢を決定して、各植付爪が苗のせ
台より交互に苗を切り出し圃場に植付けてゆくように構
成した田植機の植付爪駆動機構であって、 太陽歯車、一対の中間歯車及び最終歯車を夫々非円
形歯車に構成するとともに、植付ケースの回転角と植付
爪の自転角との必要偏差の略1/2ずつを太陽歯車と一方
の中間歯車との咬合と、他方の中間歯車との最終歯車と
の咬合いによって夫々分担するように構成してある点に
あり、 また、好ましくは上記構成及びに加えて、植付
爪が田面に突入する時点に相当する時点から、この植付
爪が田面から脱出する時点に相当するまでの間、植付ケ
ースの回動角速度と植付爪の自転角速度の絶対値を同一
もしくはほぼ同一にならしめ、かつ、前記両時点間にお
ける植付爪部分の機体に対する機体進行方向後方への移
動速度と機体前進速度の絶対値とを等しく設定する。
〔作用〕
上記構成によると、爪先端軌跡ループを所望の縦長形
成にするのに必要な変速特性(植付アーム回転角−植付
爪自転角)を、例えば、第3図中のAのように設定する
に、この変速特性Aと基準の等速特性Cとの差の略1/2
に相当する変速特性Bを太陽歯車と一方の中間歯車との
咬合いによって相当し、残りを他方の中間歯車と最終歯
車との咬合いによって担当させることによって、太陽歯
車と一方の中間歯車とによる変速特性と、他方の中間歯
車と最終歯車とによる変速特性が略均等することにな
り、各歯車対の角速比曲線は夫々急変部の少ない滑らか
なものとなる。
又、第3図中に示す変速特性Aは、植付爪が田面に突
入して田面から脱出するまでに相当する間(植付ケース
回動角にして150°〜200°)において、基準の等速度特
性Cとほぼ平行であり、植付爪は植付ケースの回動に対
してほぼ同じ角速度で公転方向と逆方向に自転される。
換言すると、植付爪はほぼ一定の起立姿勢で田面に突入
して脱出する。またこの間、植付爪の機体に対する機体
進行方向後方へ向かう移動速度の絶対値を機体前進速度
の絶対値とほぼ等しくしておくことで、田面に形成する
爪跡が最小限となる。
〔発明の効果〕
その結果、偏芯歯車や楕円歯車を導入した歯車列で植
付爪を不等速自転させていた従来手段に比較して植付爪
先端軌跡を一層縦長のループに設定して、爪跡の小さい
植付けを行うことができるようになった。
そして、特に、所望の爪先端軌跡ループを得るために
必要な植付爪の変速特性を、非円形歯車に構成した2段
の歯車列の各段に略均等に割り当てて得るようにしたも
ので、各変速段での角速比曲線が急変の少ない滑らかな
ものとなって、換言すれば各歯車を曲線半径の急変を迎
えたピッチ曲線の歯車とすることができ、各段で無理の
ない滑らかな咬合い変速を行わせることができるように
なった。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を乗用型田植機の苗植付装置に
ついて図面に基づいて説明する。
第6図に示すように植付ミッションケース(1)後端
の横軸芯(P)周りに植付ケース(2)が回転駆動自在
に支持されると共に、前記植付ケース(2)の両端に2
組の植付爪(3)が備えられており、植付ケース(2)
の回転に伴い2組の植付爪(3)が苗のせ台(4)下端
の苗取出し口(4a)より交互に苗を切り取り圃場に植付
けていくように構成されている。前記植付ミッションケ
ース(1)下部には整地兼姿勢維持用のフロート(5)
が設けられ、これら苗植付装置が平行四輪リンク(6)
を介して乗用走行機体(図外)の後部に昇降自在に連結
されているのである。
次に、植付ケース(2)内の構造について詳述すると
第1図に示すように、植付ミッションケース(1)から
左右に駆動軸(7)が前記横軸芯(P)に沿って突出さ
れ、この駆動軸(7)の両端に前記植付ケース(2)が
固定されると共に、駆動軸(7)の中央部に設けられた
受動スプロケット(8)にチェーン(9)を介して動力
が伝達されているのである。そして、前記駆動軸(7)
には植付ミッションケース(1)に固定された円筒軸
(10)が外嵌され植付ケース(2)内に突入しており、
植付ケース(2)内の円筒軸(10)部位に太陽歯車(1
1)が固定されている。
次に、植付爪(3)及びその取付け構造について述べ
ると第1図及び第6図に示すように、植付ケース(2)
両端から側方に固定軸(12)が突設されると共に、この
固定軸(12)に円筒状の支持軸(13)が遊転外嵌され、
この支持軸(13)に植付爪支持ケース(14)が固定され
ている。この植付爪支持ケース(14)の先端には前記植
付爪(3)がボルト締め固定されるとともに、この植付
爪(3)に沿って出退自在な苗押出し具(15)が備えら
れ、かつ、苗押出し具(15)は、その支持ロッド(15
a)の後端に作用するバネ(16)によって突出方向に付
勢されている。又、苗押出し具支持ロッド(15a)の後
端には支点軸(17)に枢支された揺動アーム(18)が係
合されていて、この揺動アーム(18)から連設したカム
フォロア部(18a)が、前記固定軸(12)に一体形成し
たカム(19)の外周に接当作用している。そして、植付
爪(3)が苗取出し口(4a)から苗を切出して圃場面に
持ち込む間は図示のように、揺動アーム(18)のカムフ
ォロア部(18a)がカム(18)の大径部に作用して、苗
押出し具(15)はバネ(16)に抗して後退されており、
植付爪(3)が圃場内に突入した時点で揺動アーム(1
8)のカムフォロア部(18a)がカム(19)の大径部から
外れることによって苗押出し具(15)がバネ(16)によ
って急速に突出されて、植付爪(3)先端と苗押出し具
(15)とによって保持されている苗が圃場内に押出し分
離されて植付けられてゆくようになっている。
次に、植付爪(3)の姿勢を決定する構造について詳
述すると、植付爪支持ケース(14)の支持軸(12)に最
終歯車(20)が固定されると共に、最終歯車(20)と前
記太陽歯車(11)との間に中間軸(21)が配置支持され
ている。そして、前記太陽歯車(11)と咬合う第1中間
歯車(22)と、前記最終歯車(20)と咬合う第2中間歯
車(23)とが一体的に前記中間軸(2)に固定されてい
る。そして、この前記太陽歯車(11)、中間歯車(2
2),(23)、及び最終歯車(20)は、夫々同一歯数、
同一モジュールの非円形歯車に構成されていて、焼結成
型によって製作されている。
前記歯車群による歯車列は、植付ケース(2)の1回
転(公転)に対して植付爪支持ケース(14)を不等速で
逆方向に1回転自転させることによって、植付爪(3)
の先端軌跡(S)を上下に縦長のループ状に設定するも
のであり、図示の植付爪先端軌跡(5)を得るためには
植付爪支持ケース(14)の支持軸(13)を第4図に示す
ような特性で不等速自転させる必要があり、このため、
前記歯車群が非円形歯車に構成されているのである。
この場合、第3図中の変速特性Aと基準の等速特性C
との差の略1/2をたどる変速特性Bをが、太陽歯車(1
1)と第1中間歯車(22)との咬合いによって担当さ
れ、残りが第2中間歯車(23)と最終歯車(20)との咬
合いによって担当されている。つまり、2段の変速によ
って最終的に所望の変速特性Aが現出されるように、各
変速段に要求される角速比曲線に応じて各歯車(11),
(22),(23),(20)のピッチ曲線が設定されている
のである。
尚、前記変速特性Aは、植付爪(3)が田面に突入し
て田面から脱出するまでに相当する間(植付ケース回動
角にして150°〜200°)において、基準の等速特性Cと
ほぼ平行であり、植付爪(3)は植付ケース(2)の回
動角速度とほぼ同じ角速度で逆方向に自転する。従っ
て、この間、植付爪(3)はほぼ一定姿勢で田面に突入
して脱出する。またこの間、植付爪(3)の機体に対す
る機体進行方向後方へ向かう移動速度の絶対値と機体前
進速度の絶対値がほぼ等しく設定しておくことで、田面
に形成する爪跡が最小限となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る植付爪駆動機構の横断平面図、第
2図は歯車列の全体及び一部を示す側面図、第3図は植
付ケース回動角と植付爪(支持ケース)自転角との関係
を示す特性線図、第4図は植付機構の側面図、第5図は
植付爪支持ケース部位の縦断側面図、第6図は田植機の
苗植付装置部を示す側面図である。 (1)……植付ミッションケース、(2)……植付ケー
ス、(3)……植付爪、(4)……苗のせ台、(7)…
…駆動軸、(11)……太陽歯車、(13)……支持軸、
(20)……最終歯車、(22),(23)……中間歯車。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】植付ミッションケース(1)から横側方に
    突出し回転駆動される駆動軸(7)に植付ケース(2)
    を連結固定し、前記植付ケース(2)内の回転中心部位
    に太陽歯車(11)を前記植付ミッションケース(1)に
    対して固定状態で配置すると共に、前記植付ケース
    (2)の両端に一対の植付爪(3)を備え、この植付爪
    (3)を支持する支持軸(13)に最終歯車(20)を固定
    し、さらに前記太陽歯車(11)と最終歯車(20)との間
    に一体回転する一対の中間歯車(22),(23)を配置
    し、且つ、前記太陽歯車(11)、一対の中間歯車(2
    2),(23)及び最終歯車(20)によって異径の歯車を
    含む2段の歯車列に構成して、等速回転する植付ケース
    (2)の一回転に対して植付爪(3)を不等速で逆方向
    に一回転自転させ、植付ケース(2)回転中の各回転位
    相における両植付爪(3)の姿勢を決定して、各植付爪
    (3)が苗のせ台(4)より交互に苗を切り出し圃場に
    植付けてゆくように構成した田植機の植付爪駆動機構で
    あって、前記太陽歯車(11)、一対の中間歯車(22),
    (23)及び最終歯車(20)を夫々非円形歯車に構成する
    とともに、植付ケース(2)の回転角と植付爪(3)の
    自転角との必要偏差の略1/2ずつを太陽歯車(11)と一
    方の中間歯車(22)との咬合と、他方の中間歯車(23)
    との最終歯車(20)との咬合いによって夫々分担するよ
    うに構成してあることを特徴とする田植機の植付爪駆動
    機構。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の植付爪駆動機構におい
    て、植付爪(3)が田面に突入する時点に相当する時点
    から、この植付爪(3)が田面から脱出する時点に相当
    するまでの間、植付ケース(2)の回動角速度と植付爪
    (3)の自転角速度の絶対値を同一もしくはほぼ同一に
    ならしめ、かつ、前記両時点間における植付爪部分の機
    体に対する機体進行方向後方への移動速度と機体前進速
    度の絶対値とを等しく設定してあることを特徴とする田
    植機の植付爪駆動機構。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の植付爪駆動機構を有し、
    かつ、請求項2に記載の構成を備えてある田植機。
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