JPH0446508Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、横軸芯周りに回転駆動される植付ケ
ースの両端に一対の植付爪を枢支して、前記植付
ケースの回動に伴い各植付爪が苗のせ台の苗取出
し口より順次、苗を取り出して植付けて行くよう
に構成された田植機の苗植付装置に関する。

〔従来の技術〕 田植作業において作業能率の向上が望まれてい
るが、この要望を具体化した構造の一例が特開昭
60−244216号公報に開示されている。この構造は
通常機種のように１つの植付爪で１条の植付けを
行うのではなく、複数の植付爪で１条の植付けを
行い植付作業の高速化を図つた型式である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前述の開示されている構造では植付爪が取付け
られている植付ケースへの動力伝達入切構造が示
されている。これは、植付ケースり回転停止操作
を行うと、両植付爪が泥面より持ち上がつた状態
で植付ケースが停止固定される構造となつている
ので、植付爪が泥面に突入したままで植付ケース
が停止し、そのままで走行して泥面を荒らすこと
がない等の利点があるが、その反面、植付ケース
の回転軸芯より上方に位置する苗のせ台の苗取出
し口に、植付爪先端を位置させて行う、植付爪に
よる苗取り量の調節が行い難い構造となつてい
る。

ここで本考案は前述の点に着目して、従来構造
の利点を残しながら植付爪の苗取り量の調節が行
い易くなるような構造を得ることを目的としてい
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の特徴は以上のような田植機の苗植付装
置において、次のように構成することにある。つ
まり、 両植付爪が共に泥面より持ち上がつた状態で植
付ケースを停止させる第１クラツチを機体側に設
け、植付ケースを回転駆動する動力の伝達入切を
司る第２クラツチを、第１クラツチの伝動下手側
で、且つ、植付ケースの機体との枢支部に設けて
ある。

〔作用〕

前述の構成において、第１クラツチを切り操作
すると、両植付爪が泥面より持ち上がつた状態、
つまり植付ケースが泥面に対して略平行な位置で
停止するので植付ケースが回転停止後に走行して
も、植付爪によつて泥面が荒らされることはな
い。

一方、第２クラツチは植付ケースの機体との枢
支軸に設けているので、第２クラツチを切り操作
すれば上手側の伝動系からの抵抗を受けることな
く植付ケースを自由に回転させることができ、こ
れにより１つの植付爪の爪先を苗取出し口に容易
に持つて行くことができるのである。

〔考案の効果〕

以上のように、２本植付爪型式において両植付
爪を泥面より持ち上げた状態で植付ケースを停止
できると共に、植付爪の苗取り量の調節も容易に
行えるようになつて、機能性及び操作性を共に向
上させることができた。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例について図面に基づいて
説明する。

第２図は苗植付装置Ａ及び農用粉粒体操出し装
置Ｂとしての施肥装置の全体側面であるが、図に
示すように植付ミツシヨン１後端の横軸芯P₁周
りに植付ケース２が回転駆動自在に支持されると
共に、前記植付ケース２両端に２組の植付爪３
Ａ，３Ｂが備えられており、植付ケース２の回転
に伴い２組の植付爪３Ａ，３Ｂが苗のせ台４の苗
取出し口４ａより交互に苗を切取り圃場に植付け
ていくように構成されている。前記植付ミツシヨ
ン１下部には整地兼姿勢維持用のフロート５が設
けられ、これら苗植付装置Ａがリンク機構６を介
して装輪式の走行機体（図外）に昇降自在に連結
されているのである。

これに対し施肥装置Ｂは図に示すように、肥料
又は種籾貯類用のタンク７及びタンク７内の粉粒
体を間欠的に繰出す繰出しロール（図示せず）を
内装した繰出し部８とから構成され、前記植付ミ
ツシヨン１上に設置されている。前記繰出し部８
には繰出しロール駆動用のモータ２９が取付けら
れていると共に、植付ミツシヨン１上に接触式で
前記モータ２９用の起動スイツチ３０が設置して
あり、植付ケース２が回転して前記起動スイツチ
３０に接触する毎に前記モータ２９が設定角度回
動して粉粒体を間欠的に繰出して行くのである。

このようにして繰出された粉粒体はホース９か
ら作溝器１０により圃場に作られた溝内に送り込
まれるのであり、前記ホース９は第４図に示すよ
うに、線材を成形した部材３１によつて、前記植
付ケース２及び植付爪３Ａ，３Ｂに接触しないよ
うに支持されているのである。

次に前記植付ケース２の構造について詳述する
と、第１図及び第２図に示すように、植付ミッシ
ヨン１から左右に駆動軸１１が突出して植付ケー
ス２がこの駆動軸１１に固定されると共に、前記
駆動軸１１には植付ミツシヨン１に固定された円
筒状の固定軸１３が外嵌され、前記植付ケース２
内に突入しており、植付ケース２内で前記固定軸
１３に第１ギヤ１４が固定されている。

一方、植付ケース２両端には植付爪３Ａ，３Ｂ
が揺動自在に軸支されており、その揺動軸１５の
ギヤ部１５ａとが第２ギヤ１６を介して前記第１
ギヤ１４と咬合しており、揺動軸１１によつて植
付ケース２は回動駆動されるが、両植付爪３Ａ，
３Ｂは前述のギヤ咬合作用によつて第２図に示す
ような姿勢で苗取出し口４ａを通過し苗を取出し
圃場に植付けて行くのである。

次に、植付ミツシヨン１の構造について詳述す
ると第１図に示すように、エンジン（図外）から
の動力は植付ミツシヨン１の入力軸１２に伝達さ
れる。この入力軸には側面に咬合部を有するシフ
ト部材１７がスプライン嵌合されると共に、側面
に同様の咬合部を有する伝動スプロケツト１８が
遊転自在に外嵌されており、前記シフト部材１７
はバネ１９により伝動スプロケツト１８側に付勢
され、前記伝動スプロケツト１８に咬合すること
により動力は伝動スプロケツト１８からチエーン
２０によつて下手側に伝達されて行く。

前記シフト部材１７を揺動式のシフター２１に
よつて伝動スプロケツト１８より離間させ動力伝
達の切り操作が行えるのであるが、伝動スプロケ
ツト１８には第１図及び第３図に示すように、切
欠き部を有する円盤状の牽制板２２が取付けられ
ており、前記シフター２１に固定された牽制アー
ム２１ａが牽制板２２の切欠き部に位置した場合
にのみシフター２１を操作できるように構成して
いる。図はこの場合の状態を示しており、シフタ
ー２１によりシフト部材１７が離間操作されると
共に、牽制アーム２１ａが牽制板２２の切欠き部
に係入して伝動スプロケツト１８をこの位置で係
止固定しているのである。

そして、前記係止固定位置において植付ケース
２が泥面と略平行、つまり両植付爪３Ａ，３Ｂが
泥面より持ち上がつた状態で停止するように設定
しており、以上のようにして第１クラツチ２３を
構成している。

つぎに第２クラツチ２４について詳述すると、
第１図に示すように植付ケース２を回転駆動する
前記駆動軸１１が互いに相対回転自在に左右に突
出すると共に、左右の駆動軸１１中央に受動スプ
ロケツト２５が遊転外嵌され、この受動スプロケ
ツト２５に前記チエーン２０が巻回されている。
これに対し両駆動軸１１には側面に一対の凸部を
有するシフト部材２６がスプライン嵌合されると
共に、バネ２７によつてシフト部材２６が前記受
動スプロケツト２５側に付勢されている。

受動スプロケツト２５には180方向に一対の係
止穴が開孔されており、この係止穴にシフト部材
２６の突部を係入することによつて、動力は受動
スプロケツト２５、シフト部材２６を介して駆動
軸１１に伝達されるのである。そして、シフト部
材２６は位置保持機構を有するクラツチレバー２
８によつて受動スプロケツト２５から離間操作で
き、植付ケース２を人為的に軽く回転させること
ができて、これにより一方の植付爪３Ａを苗のせ
台４の苗取出し口４ａに容易に持つて行き苗取り
量の調節を行うことができるのであり、以上のよ
うにして第２クラツチ２４が構成されている。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る田植機の苗植付装置の実施
例を示し、第１図は植付ケース及び植付ミツシヨ
ンの断面図、第２図は苗植付装置及び施肥装置の
全体側面図、第３図は牽制板の側面図、第４図は
ホースを支持する部材の全体斜視図である。 ２……植付ケース、３Ａ，３Ｂ……植付爪、４
……苗のせ台、４ａ……苗取出し口、２３……第
１クラツチ、２４……第２クラツチ、P₁……横
軸芯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横軸芯P₁周りに回転駆動される植付ケース２
   の両端に一対の植付爪３Ａ，３Ｂを枢支して、前
   記植付ケース２の回動に伴い各植付爪３Ａ，３Ｂ
   が苗のせ台４の苗取出し口４ａより順次、苗を取
   り出して植付けて行くように構成された田植機の
   苗植付装置であつて、前記両植付爪３Ａ，３Ｂが
   共に泥面より持ち上がつた状態で前記植付ケース
   ２を停止させる第１クラツチ２３を機体側に設
   け、植付ケース２を回転駆動する動力の伝達入切
   を司る第２クラツチ２４を、前記第１クラツチ２
   ３の伝動下手側で、且つ、植付ケース２の機体と
   の枢支部に設けてある田植機の苗植付装置。