JPH0821611A - 乾留焼却装置 - Google Patents

乾留焼却装置

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JPH0821611A
JPH0821611A JP15461394A JP15461394A JPH0821611A JP H0821611 A JPH0821611 A JP H0821611A JP 15461394 A JP15461394 A JP 15461394A JP 15461394 A JP15461394 A JP 15461394A JP H0821611 A JPH0821611 A JP H0821611A
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八洲彦 斉藤
Kinsaku Harada
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗料滓が固着している鉄製ハンガーを乾留
し、発生ガスを燃焼室で燃焼させることにより塗料滓を
除去する。 【構成】 炉本体1bには加熱バーナ6を備えた乾留室
2と、着火バーナ9を備えた燃焼室3とを設ける。乾留
室2と燃焼室3とを連通するT字管7の分岐脚にベンチ
ュリ7bを設けてその下端部を燃焼室3内に突出させ
る。外部ブロアに接続された給気管8の一端をベンチュ
リ7bに挿し込んだ状態に配置する。そして、燃焼用空
気を給気管8にて噴射するときに、T字管7を介して乾
留室2内の発生ガスを燃焼室3内に引き込むようにし、
燃焼室3内に流入したガスには着火バーナ9で着火して
燃焼させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乾留焼却装置に関し、
詳しくは処理対象物を乾留して樹脂等の有機物から発生
した可燃性ガスを焼却する乾留焼却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車工場の塗装ラインにおいて
は、鉄製ハンガー又はこれに類する吊治具等に吊るした
自動車部品に合成樹脂塗料を塗装しているが、乾燥工程
を経ると塗料はハンガーにも密着して固化してしまう。
このため、ハンガーを繰り返し使用するために被着して
いる塗料滓をハンマーでたたき割ったり溶解液で溶かし
たりして適宜に取り除いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の塗料滓の除去作
業には手間と工数が掛かる点で問題がある。また、ハン
ガーを使い捨てにするのは、コストアップになるばかり
でなく資源の無駄遣いになるから好ましくない。なお、
ハンガーを焼却炉に入れて塗料滓を焼却することも考え
られるが、塗料滓が燃えるとハンガーが鉄の変態点以上
に加熱されて変形したり、焼却ガス中で高温酸化して痩
せるため再使用できなくなる。
【0004】そこで本発明は、不燃性基材に被着してい
る樹脂等の有機物を乾留し、発生したガスを燃焼させる
ことにより、基材に損傷を与えることなく処理対象物か
ら有機物を除去することを解決すべき技術的課題とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、次のような乾留焼却装置を創作した。すなわち、本
発明は、不燃性基材に樹脂等の有機物が被着している処
理対象物を収容可能に形成され前記有機物を乾留する加
熱手段を有する乾留室と、有機物が乾留されたときに発
生する可燃性ガスに対し着火可能な着火バーナと排気口
とが設けられかつ前記乾留室に連通路にて連通する燃焼
室と、前記連通路に設けた噴射ノズルから前記燃焼室内
に燃焼用空気を供給可能に形成され燃焼用空気を噴射す
るときには前記連通路を介して前記乾留室に発生した可
燃性ガスを吸引して前記燃焼室内に送り込む空気噴射装
置とを備えたことを特徴としている。
【0006】
【作用】乾留室に収容した処理対象物を加熱手段にて加
熱して乾留すると、有機物が熱分解して可燃性ガスが発
生するから、噴射ノズルにて燃焼用空気を燃焼室内へ噴
射するとともにその噴射により可燃性ガスを連通路を介
して燃焼室へ引き込む。そして、燃焼室内に流入した可
燃性ガスに対し着火バーナで着火して燃焼させる。
【0007】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は第1実施例に係る乾留焼却装置1の断面
正面図、図2は図1のA−A断面図(断面平面図)、図
3は図1のB−B断面図である。また、図4は同乾留焼
却装置の扉を外した状態での右側面図である。図1〜図
4に示すように、ベース1a上には耐火煉瓦を主体にし
て略直方体に形成された炉本体1bが設けられ、炉本体
1bの内部には略直方体の乾留室2と四角形筒状の燃焼
室3とが設けられている。前記乾留室2の右側面はほぼ
全面が開口し、この開口部には外気を遮断できる耐熱扉
5が図示省略の支持機構にて開閉操作可能に取付けられ
ている。乾留室2では床面となるベース1a上にレール
2aが敷設されており、このレール2aに案内されて台
車4が乾留室2内に乗り入れたときには、台車4の荷台
4aの周縁部が炉壁の凹部2bに嵌まり込み、車輪4b
側へ熱風(後述する)が伝わり難い構成となっている。
図4中、4c,4dは荷台4aの上下に取付けられた遮
蔽板、2cは床面に突設された遮蔽板であり、4eは製
品となる被塗装部品が外された状態の鉄製ハンガー又は
これに類する吊治具等(以下、ハンガー類という)であ
る。なお、このハンガー類4eが本発明でいう不燃性基
材であり、鉄以外の金属やセラミック等を用いても良
い。
【0008】炉本体1bの背面(図2において上側)に
は、本発明でいう加熱手段としての加熱バーナ6が取付
けられ、加熱バーナ6の熱風が炉壁内の送風路1cを通
って下通風口2dから乾留室2内に吹き込むようになっ
ている。炉本体1bには乾留室2と燃焼室3とを連通す
る連通路1dが設けられており、連通路1dの一端は上
通風口2eになり、他端は炉本体1bに埋設されたT字
管(連通路ともいう)7に連通している。なお、炉本体
1bから突出しているT字管7の突出端は、点検時に外
すことのできる盲蓋7aにて遮蔽されている。また、T
字管7の分岐脚には図示形状のベンチュリ7bが設けら
れ、分岐脚の下端部が燃焼室3内に突出している。さら
に、炉本体1bの上部から給気管8が挿通され、その給
気管8の下端部はT字管7のベンチュリ7bにまで達し
て噴射ノズルとなっている。なお、給気管8上端のフラ
ンジ8aにはブロア(図示省略)が接続され、燃焼用空
気を燃焼室3内に噴射できるようになっている。すなわ
ち、上記ブロアと給気管8とが本発明でいう空気噴射装
置を構成しており、空気噴射装置はバルブ等の適宜な噴
射量調整手段を備えている。
【0009】また、上記の炉本体1bの背面には着火バ
ーナ9が取付けられていて、バーナの火炎が貫通孔1e
を通ってベンチュリ7bの直下位置に達するようになっ
ている。炉本体1bには燃焼室3の下部と連通する円筒
状煙道10が形成され、炉本体1bの上面には煙道10
に接続する排気筒10aが取付けられている。すなわ
ち、煙道10と排気筒10aが燃焼室3の排気口となっ
ているのである。
【0010】次に、上記のように構成された乾留焼却装
置1の作用について説明する。例えば、自動車工場の塗
装ラインにおいては、自動車部品をハンガー類4eに吊
るした状態で塗装しており、乾燥工程を経るとハンガー
類4eに被着した塗料(通常は合成樹脂塗料)の滓が固
化する。この塗料滓を除去するために、塗装済の自動車
部品(製品)を外したハンガー類4eを台車4ごと乾留
焼却装置1へ導く。
【0011】台車4を乾留室2内に入れたら耐熱扉5を
閉め、加熱バーナ6を作動させて乾留室2内に熱風を送
り、ハンガー類4eを所定温度(例えば230〜450
℃)に加熱する。すると、ハンガー類4eに被着してい
る塗料滓は熱分解を起こして可燃性ガスが発生し、この
ガスは上通風口2e、連通路1dを経由してT字管7へ
と流れ込む。なお、加熱バーナ6の熱風がハンガー類4
eを直接加熱しているから、熱効率が良い。
【0012】これと同時に、空気噴射装置のブロアを作
動させて給気管8に燃焼用空気を送ると、ベンチュリ7
bにおいて燃焼室3に向けて噴射される燃焼用空気は上
記のガスを燃焼室3内に引き込む。燃焼室3内に流入し
たガスには着火バーナ9にて着火して燃焼させる。この
とき、空気噴射装置の空気噴射量を増減して最適な空燃
比とし、塗料滓(有機物)を完全燃焼させることができ
る。そして、排ガスは煙道10と排気筒10aを通して
排出される。所定時間乾留及び焼却を続けて塗料滓(有
機物)を焼却した後、台車4を外に出し、無機質の滓が
ハンガー類4eに付着して残っている場合には、必要に
応じてこれをかき落とす。
【0013】以上説明したように、本実施例の乾留焼却
装置1においては、所定温度で処理対象物(塗料滓が被
着したハンガー類)を乾留し、有機物(合成樹脂塗料)
から発生するガスを燃焼室内で燃焼用空気を十分に与え
て完全燃焼させることができる。したがって、有機物を
無公害焼却する際、不燃性基材(ハンガー類)を母材
(例えば鉄)が熱影響を受けない温度に保ち得、焼却ガ
ス中での高温酸化、変形等を防ぐことができるため、ハ
ンガー類の繰り返し使用が可能になる。
【0014】次に、本発明の第2実施例を図面に基づい
て説明する。図5は第2実施例に係る乾留焼却装置11
の断面正面図、図6は平面図、図7は左側面図、図8は
右側面図である。図5〜図8に示すように、ベース11
a上には耐火煉瓦を主体にして略直方体に形成された炉
本体11bが設けられ、炉本体11bの内部には略円筒
状の乾留容器(乾留室ともいう)15がはめ込まれた略
直方体の加熱室12と、上下方向に延びる円筒状の燃焼
室13とが設けられている。炉本体11bの前面(図6
において下側)には本発明でいう加熱手段としての加熱
バーナ16が取付けられ、上面には第1排気筒20aが
取付けられている。加熱バーナ16の熱風は炉壁内の送
風路11cを通って加熱室12内に吹き込まれ、乾留容
器15の外表面をなめるようにしてこれを加熱した後、
第1排気筒20aから排気される。すなわち、この加熱
バーナ16は、乾留容器15に収容した処理対象物(第
1実施例で述べた塗料滓が被着した鉄製ハンガー類等)
を間接的に加熱するのである。
【0015】上記乾留容器15には断熱材が被着された
蓋15aと、燃焼室13に連通するT字管17の一端が
取付けられている。T字管17の他端は盲蓋17aにて
遮蔽され、T字管17の分岐脚には図示形状のベンチュ
リ17bが設けられ、その分岐脚の下端部が燃焼室13
内に突出している。さらに、T字管17には給気管18
が挿通され、給気管18の下端部はT字管17のベンチ
ュリ17bにまで達して噴射ノズルとなっている。な
お、給気管18上端のフランジ18aにはブロア(図示
省略)が接続され、燃焼用空気を燃焼室13内に噴射で
きるようになっている。すなわち、上記ブロアと給気管
18とが本発明でいう空気噴射装置を構成しており、空
気噴射装置はバルブ等の適宜な噴射量調整手段を備えて
いる。
【0016】また、上記の炉本体11bの背面には着火
バーナ19が取付けられていて、バーナの火炎が貫通孔
11eを通ってベンチュリ17bの直下位置に達するよ
うになっている。炉本体11bには燃焼室13の下部に
連通する煙道20が形成され、炉本体11bの上部には
煙道20に接続する第2排気筒20bが取付けられてい
る。すなわち、煙道20と第2排気筒20bが燃焼室1
3の排気口となっているのである。
【0017】上記のように構成された乾留焼却装置11
は、第1実施例の乾留焼却装置1の場合とほぼ同様に使
用でき、所定温度で処理対象物(例えば塗料滓が被着し
た鉄製ハンガー類)を乾留し、有機物(例えば合成樹脂
塗料の滓)のみを効果的に焼却除去することができる。
したがって、不燃性基材(例えばハンガー類)の繰り返
し使用が可能になる。ところで、第1実施例では処理対
象物をバーナで直接加熱する方式であるのに対して、第
2実施例では、前述したようにバーナは乾留室(乾留容
器15)を外部から加熱する間接加熱方式をとってい
る。したがって、第2実施例においてはバーナの火炎や
熱風が処理対象物に直接当たって悪影響を及ぼすような
ことがなく、有機物から発生したガスのみを燃焼室に引
き込むことができ、これを完全燃焼させることが容易に
できる。
【0018】以上説明した用途の他、この乾留焼却装置
を、例えば金属等の不燃性基材と合成樹脂体とからなる
自動車部品等のリサイクルを目的とした処理に使用する
ことができる。この場合、自動車部品等は、不燃性基材
に被着する合成樹脂体にさらにメッキ(蒸着等を含む)
が施されたものであっても良く、容易に合成樹脂体とメ
ッキ層とを除去することが可能である。また、ごみの無
公害焼却に利用することもできる。なお、有機物を焼却
する際の熱エネルギーは熱交換器等を介して回収して有
効利用することが望ましい。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の乾留焼却
装置は、不燃性基材に樹脂等の有機物が被着した処理対
象物を所定温度で乾留し、発生したガスを燃焼室で完全
燃焼させるようにしたものであり、基材が燃焼ガス中に
おかれて高温酸化したり変形したりすることがない。し
たがって、例えば塗料滓が被着し固化したハンガーから
基材に損傷を与えること無く塗料滓だけを簡単に除去す
ることができ、ハンガーの繰り返し使用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る乾留焼却装置の断面正面図で
ある。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】第1実施例に係る乾留焼却装置の扉を外した状
態での右側面図である。
【図5】第2実施例に係る乾留焼却装置の断面正面図で
ある。
【図6】第2実施例に係る乾留焼却装置の平面図であ
る。
【図7】第2実施例に係る乾留焼却装置の左側面図であ
る。
【図8】第2実施例に係る乾留焼却装置の右側面図であ
る。
【符号の説明】
1 乾留焼却装置 2 乾留室 3 燃焼室 4e ハンガー類 6 加熱バーナ 7 T字管 8 給気管 9 着火バーナ 10 煙道

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不燃性基材に樹脂等の有機物が被着して
    いる処理対象物を収容可能に形成され前記有機物を乾留
    する加熱手段を有する乾留室と、 有機物が乾留されたときに発生する可燃性ガスに対し着
    火可能な着火バーナと排気口とが設けられかつ前記乾留
    室に連通路にて連通する燃焼室と、 前記連通路に設けた噴射ノズルから前記燃焼室内に燃焼
    用空気を供給可能に形成され燃焼用空気を噴射するとき
    には前記連通路を介して前記乾留室に発生した可燃性ガ
    スを吸引して前記燃焼室内に送り込む空気噴射装置とを
    備えて成る乾留焼却装置。
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JP2002097447A (ja) * 2000-09-26 2002-04-02 Honda Motor Co Ltd 制振材およびその製造方法
KR100653444B1 (ko) * 2005-09-28 2007-01-03 김기소 폐목을 이용한 목탄 제조장치
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