JP2992544B2 - 被着有機物除去装置 - Google Patents
被着有機物除去装置Info
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- JP2992544B2 JP2992544B2 JP6154613A JP15461394A JP2992544B2 JP 2992544 B2 JP2992544 B2 JP 2992544B2 JP 6154613 A JP6154613 A JP 6154613A JP 15461394 A JP15461394 A JP 15461394A JP 2992544 B2 JP2992544 B2 JP 2992544B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被着有機物除去装置に
関し、詳しくは、不燃性基材に被着した有機物を乾留す
ることで不燃性基材から被着有機物を除去するととも
に、乾留によって発生した可燃性ガスを完全燃焼させて
無害化する装置に関する。
関し、詳しくは、不燃性基材に被着した有機物を乾留す
ることで不燃性基材から被着有機物を除去するととも
に、乾留によって発生した可燃性ガスを完全燃焼させて
無害化する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車工場の塗装ラインにおいて
は、鉄製ハンガー又はこれに類する吊治具等に吊るした
自動車部品に合成樹脂塗料を塗装しているが、乾燥工程
を経ると塗料はハンガーにも密着して固化してしまう。
このため、ハンガーを繰り返し使用するために被着して
いる塗料滓をハンマーでたたき割ったり溶解液で溶かし
たりして適宜に取り除いている。
は、鉄製ハンガー又はこれに類する吊治具等に吊るした
自動車部品に合成樹脂塗料を塗装しているが、乾燥工程
を経ると塗料はハンガーにも密着して固化してしまう。
このため、ハンガーを繰り返し使用するために被着して
いる塗料滓をハンマーでたたき割ったり溶解液で溶かし
たりして適宜に取り除いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の塗料滓の除去作
業には手間と工数が掛かる点で問題がある。また、ハン
ガーを使い捨てにするのは、コストアップになるばかり
でなく資源の無駄遣いになるから好ましくない。なお、
ハンガーを焼却炉に入れて塗料滓を焼却することも考え
られるが、塗料滓が燃えるとハンガーが鉄の変態点以上
に加熱されて変形したり、焼却ガス中で高温酸化して痩
せるため再使用できなくなる。
業には手間と工数が掛かる点で問題がある。また、ハン
ガーを使い捨てにするのは、コストアップになるばかり
でなく資源の無駄遣いになるから好ましくない。なお、
ハンガーを焼却炉に入れて塗料滓を焼却することも考え
られるが、塗料滓が燃えるとハンガーが鉄の変態点以上
に加熱されて変形したり、焼却ガス中で高温酸化して痩
せるため再使用できなくなる。
【0004】そこで本発明は、不燃性基材に被着してい
る樹脂等の有機物を乾留することにより、その不燃性基
材を損傷しないようにした再生するとともに、その処理
によって発生する可燃性ガスを完全燃焼させることで無
害化を図ることを解決すべき技術的課題とするものであ
る。
る樹脂等の有機物を乾留することにより、その不燃性基
材を損傷しないようにした再生するとともに、その処理
によって発生する可燃性ガスを完全燃焼させることで無
害化を図ることを解決すべき技術的課題とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、次のような被着有機物除去装置を創作した。すなわ
ち、本発明は、不燃性基材に樹脂等の有機物が被着して
いる処理対象物から、その不燃性基材を損傷しない条件
下で被着有機物を除去してその不燃性基材を再生する被
着有機物除去装置において、その処理対象物を収容可能
に形成され、外気から遮断された乾留室と、前記処理対
象物を収容した状態で外気から遮断された前記乾留室内
に乾留室の外部から熱を加えて前記有機物を乾留する加
熱手段と、有機物が乾留されたときに発生する可燃性ガ
スに対し着火可能な着火バーナと排気口とが設けられか
つ前記乾留室に連通路にて連通する燃焼室と、前記連通
路に設けた噴射ノズルから前記燃焼室内に燃焼用空気を
供給可能に形成され燃焼用空気を噴射するときには前記
連通路を介して前記乾留室に発生した可燃性ガスを吸引
して前記燃焼室内に送り込む空気噴射装置とを備えたこ
とを特徴としている。
に、次のような被着有機物除去装置を創作した。すなわ
ち、本発明は、不燃性基材に樹脂等の有機物が被着して
いる処理対象物から、その不燃性基材を損傷しない条件
下で被着有機物を除去してその不燃性基材を再生する被
着有機物除去装置において、その処理対象物を収容可能
に形成され、外気から遮断された乾留室と、前記処理対
象物を収容した状態で外気から遮断された前記乾留室内
に乾留室の外部から熱を加えて前記有機物を乾留する加
熱手段と、有機物が乾留されたときに発生する可燃性ガ
スに対し着火可能な着火バーナと排気口とが設けられか
つ前記乾留室に連通路にて連通する燃焼室と、前記連通
路に設けた噴射ノズルから前記燃焼室内に燃焼用空気を
供給可能に形成され燃焼用空気を噴射するときには前記
連通路を介して前記乾留室に発生した可燃性ガスを吸引
して前記燃焼室内に送り込む空気噴射装置とを備えたこ
とを特徴としている。
【0006】
【作用】乾留室に収容した処理対象物を加熱手段にて加
熱して乾留すると、有機物が熱分解して可燃性ガスが発
生するから、噴射ノズルにて燃焼用空気を燃焼室内へ噴
射するとともにその噴射により可燃性ガスを連通路を介
して燃焼室へ引き込む。そして、燃焼室内に流入した可
燃性ガスに対し着火バーナで着火して燃焼させる。この
装置によると、不燃性基材に被着した有機物がそのまま
燃焼することがないために、不燃性基材が損傷しない条
件下で被着有機物を除去できる。この被着有機物は乾留
されて不燃性基材から除去され、この乾留によって発生
した可燃性ガスは燃焼室内へ導かれて完全燃焼すること
で無害化される。このとき、燃焼用空気の噴射量を適宜
に調整して最適空燃比に維持することができ、可燃性ガ
スが安定したペ−スで完全燃焼する。
熱して乾留すると、有機物が熱分解して可燃性ガスが発
生するから、噴射ノズルにて燃焼用空気を燃焼室内へ噴
射するとともにその噴射により可燃性ガスを連通路を介
して燃焼室へ引き込む。そして、燃焼室内に流入した可
燃性ガスに対し着火バーナで着火して燃焼させる。この
装置によると、不燃性基材に被着した有機物がそのまま
燃焼することがないために、不燃性基材が損傷しない条
件下で被着有機物を除去できる。この被着有機物は乾留
されて不燃性基材から除去され、この乾留によって発生
した可燃性ガスは燃焼室内へ導かれて完全燃焼すること
で無害化される。このとき、燃焼用空気の噴射量を適宜
に調整して最適空燃比に維持することができ、可燃性ガ
スが安定したペ−スで完全燃焼する。
【0007】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は第1実施例に係る被着有機物除去装置1
の断面正面図、図2は図1のA−A断面図(断面平面
図)、図3は図1のB−B断面図である。また、図4は
同被着有機物除去装置の扉を外した状態での右側面図で
ある。図1〜図4に示すように、ベース1a上には耐火
煉瓦を主体にして略直方体に形成された炉本体1bが設
けられ、炉本体1bの内部には略直方体の乾留室2と四
角形筒状の燃焼室3とが設けられている。前記乾留室2
の右側面はほぼ全面が開口し、この開口部には外気を遮
断できる耐熱扉5が図示省略の支持機構にて開閉操作可
能に取付けられている。乾留室2では床面となるベース
1a上にレール2aが敷設されており、このレール2a
に案内されて台車4が乾留室2内に乗り入れたときに
は、台車4の荷台4aの周縁部が炉壁の凹部2bに嵌ま
り込み、車輪4b側へ熱風(後述する)が伝わり難い構
成となっている。図4中、4c,4dは荷台4aの上下
に取付けられた遮蔽板、2cは床面に突設された遮蔽板
であり、4eは製品となる被塗装部品が外された状態の
鉄製ハンガー又はこれに類する吊治具等(以下、ハンガ
ー類という)である。なお、このハンガー類4eが本発
明でいう不燃性基材であり、鉄以外の金属やセラミック
等を用いても良い。
明する。図1は第1実施例に係る被着有機物除去装置1
の断面正面図、図2は図1のA−A断面図(断面平面
図)、図3は図1のB−B断面図である。また、図4は
同被着有機物除去装置の扉を外した状態での右側面図で
ある。図1〜図4に示すように、ベース1a上には耐火
煉瓦を主体にして略直方体に形成された炉本体1bが設
けられ、炉本体1bの内部には略直方体の乾留室2と四
角形筒状の燃焼室3とが設けられている。前記乾留室2
の右側面はほぼ全面が開口し、この開口部には外気を遮
断できる耐熱扉5が図示省略の支持機構にて開閉操作可
能に取付けられている。乾留室2では床面となるベース
1a上にレール2aが敷設されており、このレール2a
に案内されて台車4が乾留室2内に乗り入れたときに
は、台車4の荷台4aの周縁部が炉壁の凹部2bに嵌ま
り込み、車輪4b側へ熱風(後述する)が伝わり難い構
成となっている。図4中、4c,4dは荷台4aの上下
に取付けられた遮蔽板、2cは床面に突設された遮蔽板
であり、4eは製品となる被塗装部品が外された状態の
鉄製ハンガー又はこれに類する吊治具等(以下、ハンガ
ー類という)である。なお、このハンガー類4eが本発
明でいう不燃性基材であり、鉄以外の金属やセラミック
等を用いても良い。
【0008】炉本体1bの背面(図2において上側)に
は、本発明でいう加熱手段としての加熱バーナ6が取付
けられ、加熱バーナ6の熱風が炉壁内の送風路1cを通
って下通風口2dから乾留室2内に吹き込むようになっ
ている。炉本体1bには乾留室2と燃焼室3とを連通す
る連通路1dが設けられており、連通路1dの一端は上
通風口2eになり、他端は炉本体1bに埋設されたT字
管(連通路ともいう)7に連通している。なお、炉本体
1bから突出しているT字管7の突出端は、点検時に外
すことのできる盲蓋7aにて遮蔽されている。また、T
字管7の分岐脚には図示形状のベンチュリ7bが設けら
れ、分岐脚の下端部が燃焼室3内に突出している。さら
に、炉本体1bの上部から給気管8が挿通され、その給
気管8の下端部はT字管7のベンチュリ7bにまで達し
て噴射ノズルとなっている。なお、給気管8上端のフラ
ンジ8aにはブロア(図示省略)が接続され、燃焼用空
気を燃焼室3内に噴射できるようになっている。すなわ
ち、上記ブロアと給気管8とが本発明でいう空気噴射装
置を構成しており、空気噴射装置はバルブ等の適宜な噴
射量調整手段を備えている。
は、本発明でいう加熱手段としての加熱バーナ6が取付
けられ、加熱バーナ6の熱風が炉壁内の送風路1cを通
って下通風口2dから乾留室2内に吹き込むようになっ
ている。炉本体1bには乾留室2と燃焼室3とを連通す
る連通路1dが設けられており、連通路1dの一端は上
通風口2eになり、他端は炉本体1bに埋設されたT字
管(連通路ともいう)7に連通している。なお、炉本体
1bから突出しているT字管7の突出端は、点検時に外
すことのできる盲蓋7aにて遮蔽されている。また、T
字管7の分岐脚には図示形状のベンチュリ7bが設けら
れ、分岐脚の下端部が燃焼室3内に突出している。さら
に、炉本体1bの上部から給気管8が挿通され、その給
気管8の下端部はT字管7のベンチュリ7bにまで達し
て噴射ノズルとなっている。なお、給気管8上端のフラ
ンジ8aにはブロア(図示省略)が接続され、燃焼用空
気を燃焼室3内に噴射できるようになっている。すなわ
ち、上記ブロアと給気管8とが本発明でいう空気噴射装
置を構成しており、空気噴射装置はバルブ等の適宜な噴
射量調整手段を備えている。
【0009】また、上記の炉本体1bの背面には着火バ
ーナ9が取付けられていて、バーナの火炎が貫通孔1e
を通ってベンチュリ7bの直下位置に達するようになっ
ている。炉本体1bには燃焼室3の下部と連通する円筒
状煙道10が形成され、炉本体1bの上面には煙道10
に接続する排気筒10aが取付けられている。すなわ
ち、煙道10と排気筒10aが燃焼室3の排気口となっ
ているのである。
ーナ9が取付けられていて、バーナの火炎が貫通孔1e
を通ってベンチュリ7bの直下位置に達するようになっ
ている。炉本体1bには燃焼室3の下部と連通する円筒
状煙道10が形成され、炉本体1bの上面には煙道10
に接続する排気筒10aが取付けられている。すなわ
ち、煙道10と排気筒10aが燃焼室3の排気口となっ
ているのである。
【0010】次に、上記のように構成された被着有機物
除去装置1の作用について説明する。例えば、自動車工
場の塗装ラインにおいては、自動車部品をハンガー類4
eに吊るした状態で塗装しており、乾燥工程を経るとハ
ンガー類4eに被着した塗料(通常は合成樹脂塗料)の
滓が固化する。この塗料滓を除去するために、塗装済の
自動車部品(製品)を外したハンガー類4eを台車4ご
と被着有機物除去装置1へ導く。
除去装置1の作用について説明する。例えば、自動車工
場の塗装ラインにおいては、自動車部品をハンガー類4
eに吊るした状態で塗装しており、乾燥工程を経るとハ
ンガー類4eに被着した塗料(通常は合成樹脂塗料)の
滓が固化する。この塗料滓を除去するために、塗装済の
自動車部品(製品)を外したハンガー類4eを台車4ご
と被着有機物除去装置1へ導く。
【0011】台車4を乾留室2内に入れたら耐熱扉5を
閉め、加熱バーナ6を作動させて乾留室2内に熱風を送
り、ハンガー類4eを所定温度(例えば230〜450
℃)に加熱する。すると、ハンガー類4eに被着してい
る塗料滓は熱分解を起こして可燃性ガスが発生し、この
ガスは上通風口2e、連通路1dを経由してT字管7へ
と流れ込む。なお、加熱バーナ6の熱風がハンガー類4
eを直接加熱しているから、熱効率が良い。
閉め、加熱バーナ6を作動させて乾留室2内に熱風を送
り、ハンガー類4eを所定温度(例えば230〜450
℃)に加熱する。すると、ハンガー類4eに被着してい
る塗料滓は熱分解を起こして可燃性ガスが発生し、この
ガスは上通風口2e、連通路1dを経由してT字管7へ
と流れ込む。なお、加熱バーナ6の熱風がハンガー類4
eを直接加熱しているから、熱効率が良い。
【0012】これと同時に、空気噴射装置のブロアを作
動させて給気管8に燃焼用空気を送ると、ベンチュリ7
bにおいて燃焼室3に向けて噴射される燃焼用空気は上
記のガスを燃焼室3内に引き込む。燃焼室3内に流入し
たガスには着火バーナ9にて着火して燃焼させる。この
とき、空気噴射装置の空気噴射量を増減して最適な空燃
比とし、塗料滓(有機物)を完全燃焼させることができ
る。そして、排ガスは煙道10と排気筒10aを通して
排出される。所定時間乾留及び焼却を続けて塗料滓(有
機物)を焼却した後、台車4を外に出し、無機質の滓が
ハンガー類4eに付着して残っている場合には、必要に
応じてこれをかき落とす。
動させて給気管8に燃焼用空気を送ると、ベンチュリ7
bにおいて燃焼室3に向けて噴射される燃焼用空気は上
記のガスを燃焼室3内に引き込む。燃焼室3内に流入し
たガスには着火バーナ9にて着火して燃焼させる。この
とき、空気噴射装置の空気噴射量を増減して最適な空燃
比とし、塗料滓(有機物)を完全燃焼させることができ
る。そして、排ガスは煙道10と排気筒10aを通して
排出される。所定時間乾留及び焼却を続けて塗料滓(有
機物)を焼却した後、台車4を外に出し、無機質の滓が
ハンガー類4eに付着して残っている場合には、必要に
応じてこれをかき落とす。
【0013】以上説明したように、本実施例の被着有機
物除去装置1においては、所定温度で処理対象物(塗料
滓が被着したハンガー類)を乾留し、有機物(合成樹脂
塗料)から発生するガスを燃焼室内で燃焼用空気を十分
に与えて完全燃焼させることができる。したがって、有
機物を無公害焼却する際、不燃性基材(ハンガー類)を
母材(例えば鉄)が熱影響を受けない温度に保ち得、焼
却ガス中での高温酸化、変形等を防ぐことができるた
め、ハンガー類の繰り返し使用が可能になる。
物除去装置1においては、所定温度で処理対象物(塗料
滓が被着したハンガー類)を乾留し、有機物(合成樹脂
塗料)から発生するガスを燃焼室内で燃焼用空気を十分
に与えて完全燃焼させることができる。したがって、有
機物を無公害焼却する際、不燃性基材(ハンガー類)を
母材(例えば鉄)が熱影響を受けない温度に保ち得、焼
却ガス中での高温酸化、変形等を防ぐことができるた
め、ハンガー類の繰り返し使用が可能になる。
【0014】次に、本発明の第2実施例を図面に基づい
て説明する。図5は第2実施例に係る被着有機物除去装
置11の断面正面図、図6は平面図、図7は左側面図、
図8は右側面図である。図5〜図8に示すように、ベー
ス11a上には耐火煉瓦を主体にして略直方体に形成さ
れた炉本体11bが設けられ、炉本体11bの内部には
略円筒状の乾留容器(乾留室ともいう)15がはめ込ま
れた略直方体の加熱室12と、上下方向に延びる円筒状
の燃焼室13とが設けられている。炉本体11bの前面
(図6において下側)には本発明でいう加熱手段として
の加熱バーナ16が取付けられ、上面には第1排気筒2
0aが取付けられている。加熱バーナ16の熱風は炉壁
内の送風路11cを通って加熱室12内に吹き込まれ、
乾留容器15の外表面をなめるようにしてこれを加熱し
た後、第1排気筒20aから排気される。すなわち、こ
の加熱バーナ16は、乾留容器15に収容した処理対象
物(第1実施例で述べた塗料滓が被着した鉄製ハンガー
類等)を間接的に加熱するのである。
て説明する。図5は第2実施例に係る被着有機物除去装
置11の断面正面図、図6は平面図、図7は左側面図、
図8は右側面図である。図5〜図8に示すように、ベー
ス11a上には耐火煉瓦を主体にして略直方体に形成さ
れた炉本体11bが設けられ、炉本体11bの内部には
略円筒状の乾留容器(乾留室ともいう)15がはめ込ま
れた略直方体の加熱室12と、上下方向に延びる円筒状
の燃焼室13とが設けられている。炉本体11bの前面
(図6において下側)には本発明でいう加熱手段として
の加熱バーナ16が取付けられ、上面には第1排気筒2
0aが取付けられている。加熱バーナ16の熱風は炉壁
内の送風路11cを通って加熱室12内に吹き込まれ、
乾留容器15の外表面をなめるようにしてこれを加熱し
た後、第1排気筒20aから排気される。すなわち、こ
の加熱バーナ16は、乾留容器15に収容した処理対象
物(第1実施例で述べた塗料滓が被着した鉄製ハンガー
類等)を間接的に加熱するのである。
【0015】上記乾留容器15には断熱材が被着された
蓋15aと、燃焼室13に連通するT字管17の一端が
取付けられている。T字管17の他端は盲蓋17aにて
遮蔽され、T字管17の分岐脚には図示形状のベンチュ
リ17bが設けられ、その分岐脚の下端部が燃焼室13
内に突出している。さらに、T字管17には給気管18
が挿通され、給気管18の下端部はT字管17のベンチ
ュリ17bにまで達して噴射ノズルとなっている。な
お、給気管18上端のフランジ18aにはブロア(図示
省略)が接続され、燃焼用空気を燃焼室13内に噴射で
きるようになっている。すなわち、上記ブロアと給気管
18とが本発明でいう空気噴射装置を構成しており、空
気噴射装置はバルブ等の適宜な噴射量調整手段を備えて
いる。
蓋15aと、燃焼室13に連通するT字管17の一端が
取付けられている。T字管17の他端は盲蓋17aにて
遮蔽され、T字管17の分岐脚には図示形状のベンチュ
リ17bが設けられ、その分岐脚の下端部が燃焼室13
内に突出している。さらに、T字管17には給気管18
が挿通され、給気管18の下端部はT字管17のベンチ
ュリ17bにまで達して噴射ノズルとなっている。な
お、給気管18上端のフランジ18aにはブロア(図示
省略)が接続され、燃焼用空気を燃焼室13内に噴射で
きるようになっている。すなわち、上記ブロアと給気管
18とが本発明でいう空気噴射装置を構成しており、空
気噴射装置はバルブ等の適宜な噴射量調整手段を備えて
いる。
【0016】また、上記の炉本体11bの背面には着火
バーナ19が取付けられていて、バーナの火炎が貫通孔
11eを通ってベンチュリ17bの直下位置に達するよ
うになっている。炉本体11bには燃焼室13の下部に
連通する煙道20が形成され、炉本体11bの上部には
煙道20に接続する第2排気筒20bが取付けられてい
る。すなわち、煙道20と第2排気筒20bが燃焼室1
3の排気口となっているのである。
バーナ19が取付けられていて、バーナの火炎が貫通孔
11eを通ってベンチュリ17bの直下位置に達するよ
うになっている。炉本体11bには燃焼室13の下部に
連通する煙道20が形成され、炉本体11bの上部には
煙道20に接続する第2排気筒20bが取付けられてい
る。すなわち、煙道20と第2排気筒20bが燃焼室1
3の排気口となっているのである。
【0017】上記のように構成された被着有機物除去装
置11は、第1実施例の被着有機物除去装置1の場合と
ほぼ同様に使用でき、所定温度で処理対象物(例えば塗
料滓が被着した鉄製ハンガー類)を乾留し、有機物(例
えば合成樹脂塗料の滓)のみを効果的に焼却除去するこ
とができる。したがって、不燃性基材(例えばハンガー
類)の繰り返し使用が可能になる。ところで、第1実施
例では処理対象物をバーナで直接加熱する方式であるの
に対して、第2実施例では、前述したようにバーナは乾
留室(乾留容器15)を外部から加熱する間接加熱方式
をとっている。したがって、第2実施例においてはバー
ナの火炎や熱風が処理対象物に直接当たって悪影響を及
ぼすようなことがなく、有機物から発生したガスのみを
燃焼室に引き込むことができ、これを完全燃焼させるこ
とが容易にできる。
置11は、第1実施例の被着有機物除去装置1の場合と
ほぼ同様に使用でき、所定温度で処理対象物(例えば塗
料滓が被着した鉄製ハンガー類)を乾留し、有機物(例
えば合成樹脂塗料の滓)のみを効果的に焼却除去するこ
とができる。したがって、不燃性基材(例えばハンガー
類)の繰り返し使用が可能になる。ところで、第1実施
例では処理対象物をバーナで直接加熱する方式であるの
に対して、第2実施例では、前述したようにバーナは乾
留室(乾留容器15)を外部から加熱する間接加熱方式
をとっている。したがって、第2実施例においてはバー
ナの火炎や熱風が処理対象物に直接当たって悪影響を及
ぼすようなことがなく、有機物から発生したガスのみを
燃焼室に引き込むことができ、これを完全燃焼させるこ
とが容易にできる。
【0018】以上説明した用途の他、この被着有機物除
去装置を、例えば金属等の不燃性基材と合成樹脂体とか
らなる自動車部品等のリサイクルを目的とした処理に使
用することができる。この場合、自動車部品等は、不燃
性基材に被着する合成樹脂体にさらにメッキ(蒸着等を
含む)が施されたものであっても良く、容易に合成樹脂
体とメッキ層とを除去することが可能である。なお、有
機物を焼却する際の熱エネルギーは熱交換器等を介して
回収して有効利用することが望ましい。
去装置を、例えば金属等の不燃性基材と合成樹脂体とか
らなる自動車部品等のリサイクルを目的とした処理に使
用することができる。この場合、自動車部品等は、不燃
性基材に被着する合成樹脂体にさらにメッキ(蒸着等を
含む)が施されたものであっても良く、容易に合成樹脂
体とメッキ層とを除去することが可能である。なお、有
機物を焼却する際の熱エネルギーは熱交換器等を介して
回収して有効利用することが望ましい。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の被着有機
物除去装置は、不燃性基材に樹脂等の有機物が被着した
処理対象物を所定温度で乾留し、発生したガスを燃焼室
で完全燃焼させるようにしたものであり、基材が燃焼ガ
ス中におかれて高温酸化したり変形したりすることがな
い。したがって、例えば塗料滓が被着し固化したハンガ
ーから基材に損傷を与えること無く塗料滓だけを簡単に
除去することができ、ハンガーの繰り返し使用が可能に
なる。
物除去装置は、不燃性基材に樹脂等の有機物が被着した
処理対象物を所定温度で乾留し、発生したガスを燃焼室
で完全燃焼させるようにしたものであり、基材が燃焼ガ
ス中におかれて高温酸化したり変形したりすることがな
い。したがって、例えば塗料滓が被着し固化したハンガ
ーから基材に損傷を与えること無く塗料滓だけを簡単に
除去することができ、ハンガーの繰り返し使用が可能に
なる。
【図1】第1実施例に係る被着有機物除去装置の断面正
面図である。
面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】第1実施例に係る被着有機物除去装置の扉を外
した状態での右側面図である。
した状態での右側面図である。
【図5】第2実施例に係る被着有機物除去装置の断面正
面図である。
面図である。
【図6】第2実施例に係る被着有機物除去装置の平面図
である。
である。
【図7】第2実施例に係る被着有機物除去装置の左側面
図である。
図である。
【図8】第2実施例に係る被着有機物除去装置の右側面
図である。
図である。
1 被着有機物除去装置 2 乾留室 3 燃焼室 4e ハンガー類 6 加熱バーナ 7 T字管 8 給気管 9 着火バーナ 10 煙道
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−78815(JP,A) 特開 平6−82018(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F23G 7/00 F23G 5/027
Claims (1)
- 【請求項1】 不燃性基材に樹脂等の有機物が被着して
いる処理対象物から、その不燃性基材を損傷しない条件
下で被着有機物を除去してその不燃性基材を再生する被
着有機物除去装置において、 その処理対象物 を収容可能に形成され、外気から遮断さ
れた乾留室と、前記処理対象物を収容した状態で外気から遮断された前
記乾留室内に乾留室の外部から熱を加えて前記有機物を
乾留する加熱手段と、 有機物が乾留されたときに発生する可燃性ガスに対し着
火可能な着火バーナと排気口とが設けられかつ前記乾留
室に連通路にて連通する燃焼室と、 前記連通路に設けた噴射ノズルから前記燃焼室内に燃焼
用空気を供給可能に形成され燃焼用空気を噴射するとき
には前記連通路を介して前記乾留室に発生した可燃性ガ
スを吸引して前記燃焼室内に送り込む空気噴射装置とを
備えて成る被着有機物除去装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6154613A JP2992544B2 (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 被着有機物除去装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6154613A JP2992544B2 (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 被着有機物除去装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0821611A JPH0821611A (ja) | 1996-01-23 |
JP2992544B2 true JP2992544B2 (ja) | 1999-12-20 |
Family
ID=15588020
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6154613A Expired - Fee Related JP2992544B2 (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 被着有機物除去装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2992544B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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---|---|---|---|---|
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KR100653444B1 (ko) * | 2005-09-28 | 2007-01-03 | 김기소 | 폐목을 이용한 목탄 제조장치 |
JP5124299B2 (ja) * | 2008-02-04 | 2013-01-23 | 株式会社 青野商会 | 燃焼装置 |
JP2011255334A (ja) * | 2010-06-10 | 2011-12-22 | Shoji Misao Seisakusho:Kk | 塗装用ハンガーの再生用熱処理装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPH0682018A (ja) * | 1992-09-01 | 1994-03-22 | Kawaguchi Spring Seisakusho:Kk | 廃タイヤの焼却装置 |
-
1994
- 1994-07-06 JP JP6154613A patent/JP2992544B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0821611A (ja) | 1996-01-23 |
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