JPH085035A - 焼却装置及びその関連技術 - Google Patents

焼却装置及びその関連技術

Info

Publication number
JPH085035A
JPH085035A JP6159256A JP15925694A JPH085035A JP H085035 A JPH085035 A JP H085035A JP 6159256 A JP6159256 A JP 6159256A JP 15925694 A JP15925694 A JP 15925694A JP H085035 A JPH085035 A JP H085035A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
furnace
porous member
incinerator
semi
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6159256A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Yoshinaka
悟 吉中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GEN GIKEN KK
GENERAL GIKEN KK
Original Assignee
GEN GIKEN KK
GENERAL GIKEN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GEN GIKEN KK, GENERAL GIKEN KK filed Critical GEN GIKEN KK
Priority to JP6159256A priority Critical patent/JPH085035A/ja
Publication of JPH085035A publication Critical patent/JPH085035A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • Y02E20/344

Landscapes

  • Air Supply (AREA)
  • Incineration Of Waste (AREA)
  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 炉内における被焼却物を収容する部分の内側
面や内底面に設けられた酸素含有ガス導入部を通じて炉
内へ所要量の酸素含有ガスを導入することが、被焼却物
が随伴する液体や被焼却物の溶融物によって妨げられな
い。 【構成】 分解燃焼型焼却装置の半乾留炉10の下部に
おける左右両側を、内側面が底床面に向かって互いに内
向きに下降傾斜する傾斜側壁12により構成する。底床
部22及び傾斜側壁12に、半乾留炉10の内部と外部
を連通するようにガス化供空用多孔部材24・26を設
ける。傾斜側壁12の上方における垂直側壁18に、お
き火燃焼供空用多孔部材28を設ける。ガス化供空用多
孔部材24・26及びおき火燃焼供空用多孔部材28
は、それぞれ半乾留炉10の内部と外部を連通する多数
の気孔を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に、液体を多量に随
伴する廃棄物(塗料滓や医療廃棄物等)、被熱により溶
融する廃棄物(廃プラスチックや固化した油脂類等)な
どを含む各種産業廃棄物等の被焼却物を、半乾留により
分解ガス化しつつ、或は直接燃焼により焼却する焼却装
置及びその関連技術に関する。
【0002】
【従来の技術及び解決しょうとする課題】特開平1−2
63409に示される雑芥のガス化燃焼装置は、ガス化
室において雑芥を部分的に無炎燃焼させて熱分解により
ガス化し(半乾留による分解ガス化)、生成したガス
を、燃焼室において完全燃焼させるものである。この燃
焼装置におけるガス化室では、底床面に、収容された雑
芥の下方から上向きに空気を供給するための、例えば8
0mm2 程度の円形の供空孔を満遍なく設け、この供空
孔から空気を上向きに供給することにより、収容された
雑芥の下層から順に、不完全燃焼層、熱分解層、予熱・
乾燥層を形成維持しつつ雑芥がガス化されるものであ
る。また、ガス化室の側壁部には、ガス化後の残渣を燃
焼させるための空気供給孔が設けられている。
【0003】図3には、分解燃焼型焼却装置における半
乾留室aの要部縦断概要図が示されている。この半乾留
室aの下部は、底床面に向かって互いに内向きに下降傾
斜している。底床部bには、ガス化用の空気を上向きに
導入するために、例えば円形又は方形で断面積が20mm
2 乃至0.0314mm2 程度の供空孔c1を有する垂直ガス
化供空ヘッダcが設けられ、傾斜側壁fには、斜め下向
きに導入するための供空孔dを有する同様の傾斜ガス化
供空ヘッダdが設けられている。この半乾留室aにおい
ても、ブロワeからの空気を、収容された被焼却物に対
し下側から供給し、被焼却物の下層から順に、不完全燃
焼層、熱分解層、予熱・乾燥層を形成維持しつつ被焼却
物をガス化される。また傾斜側壁fよりも上方には、被
焼却物をガス化した後のおき火を燃焼させるための供空
孔g1を有するおき火燃焼用供空ヘッダgが設けられて
いる。
【0004】特開平1−263409に示される従来の
雑芥のガス化燃焼装置におけるガス化室及び図3に示さ
れる分解燃焼型焼却装置における半乾留室に、液体を多
量に随伴する廃棄物(塗料滓や医療廃棄物等)、被熱に
より液状化する廃棄物(廃プラスチックや固化した油脂
類等)などを含む被焼却物を収容させ、半乾留処理を行
おうとすると、廃棄物が随伴する液体や、ガス化のため
の部分的燃焼による温度上昇による溶融物等が、底床面
に開口する供空孔にしばしば流入してそれらを部分的に
或は完全に閉塞することが生ずる。このように供空孔が
閉塞すると、所定量の空気の供給が阻まれて乾留が不均
一化し、焼却能力を低下させることとなる。そのため、
このような閉塞物を除去して所期の焼却能力を維持する
ための作業を必要とする。
【0005】図3に示される半乾留室において、ガス化
用の空気を導入するための供空孔として、底床面に開口
する供空孔を設けず、傾斜部の供空孔のみを設けた場
合、供空孔の閉塞を少なくともある程度防ぐことができ
る。しかしながら、傾斜部が底床面に向かって互いに内
向きに下降傾斜するものであるから、被焼却物の容量が
減少することとなる。また、効率的に焼却を行うための
供空孔の角度設定に困難性を伴うことがある。更に、被
焼却物を収容した半乾留室内において前記のような液体
や溶融物が傾斜部の供空孔の位置まで溜った場合は、閉
塞を免れ得ない。
【0006】本発明は、従来技術等に存する上記のよう
な問題点に鑑み行われたものであって、その目的とする
ところは、炉内における被焼却物を収容する部分の内側
面や内底面に設けられた酸素含有ガス導入部を通じて炉
内へ所要量の酸素含有ガスを導入することが、被焼却物
が随伴する液体や被焼却物の溶融物によって妨げられな
い焼却装置、焼却装置用処理炉及び焼却装置の使用方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の焼却装置は、被焼却物を熱分解および/ま
たは燃焼により処理するための処理炉を備えた焼却装置
であって、処理炉のうち被焼却物を収容する部分の内側
面および/または処理炉の内底面に、供空用多孔部材の
端部が臨んでおり、この供空用多孔部材が、その少なく
とも端部に、処理炉外部から供給される酸素含有ガスを
処理炉内に導入するための多数の小断面積通路を有する
ものとする。
【0008】また本発明の焼却装置用処理炉は、被焼却
物を熱分解および/または燃焼により処理するための処
理炉であって、被焼却物を収容する部分の内側面および
/または処理炉の内底面に、供空用多孔部材の端部が臨
んでおり、この供空用多孔部材が、その少なくとも端部
に、外部から供給される酸素含有ガスを炉内に導入する
ための多数の小断面積通路を有するものとする。
【0009】更に、本発明の焼却装置の使用方法は、処
理炉内に被焼却物を収容し、処理炉内に供空用多孔部材
の小断面積通路を通じて被焼却物の半乾留に要する酸素
含有ガスを導入しつつその被焼却物を半乾留するものと
する。
【0010】
【作用】処理炉のうち被焼却物を収容する部分の内側面
および/または処理炉の内底面に、供空用多孔部材の端
部が臨んでいるので、処理炉外部から供給される酸素含
有ガスは、その供空用多孔部材の少なくとも端部に有す
る多数の小断面積通路を通じて、処理炉内に収容される
被焼却物の下方および/または側方から処理炉内へ導入
される。
【0011】処理炉内に収容された被焼却物が液体を有
している場合や、被焼却物が被熱により溶融した場合
は、その液体や溶融物が、被焼却物中を流下し、或は処
理炉のうち被焼却物を収容する部分の内側面を流下する
ことにより、処理炉の内底面上にそれらの液体や溶融物
が溜まることがある。
【0012】酸素含有ガスは、処理炉のうち被焼却物を
収容する部分の内側面および/または処理炉の内底面に
臨む供空用多孔部材の端部に有する多数の小断面積通路
を通じて処理炉内に導入される。小断面積通路を通ずる
ので、比較的に高い圧力下で酸素含有ガスの導入流量を
適宜に制御することができる。そのため、それらの小断
面積通路を通じて処理炉内へ所要の圧力及び流量におい
て酸素含有ガスを導入しておくことにより、被焼却物が
有する液体や被焼却物の被熱による溶融物が小断面積通
路に流入したり浸潤したりすることを有効に防止するこ
とができる。
【0013】また、供空用多孔部材の端部における小断
面積通路の断面積、断面形状及び表面性状等と、被焼却
物が有する液体や被焼却物の被熱による溶融物の性状
(表面張力、粘性、供空用多孔部材の端部における小断
面積通路の表面に対する接触角等)との組合せによって
は、酸素含有ガス導入の有無に拘らず、被焼却物が有す
る液体や被焼却物の被熱による溶融物の小断面積通路へ
の流入及び浸潤が防止される。例えば、供空用多孔部材
の端部における小断面積通路の表面に対し、被焼却物が
有する液体や被焼却物の被熱による溶融物の接触角が鈍
角である場合は、その液体や溶融物の小断面積通路への
流入及び浸潤が酸素含有ガス導入の有無に拘らず有効に
防止される。
【0014】このようにして供空用多孔部材の小断面積
通路への液体や溶融物の流入及び浸潤が防止されるの
で、被焼却物が液体を有していたり被焼却物が被熱によ
り液状化しても、その小断面積通路を通じ、処理炉内に
収容される被焼却物の下方および/または側方から処理
炉内へ所要流量の酸素含有ガスを導入することができ
る。それゆえ、処理炉における熱分解および/または燃
焼による被焼却物の処理を、計画に従って行うことが可
能となる。
【0015】
【実施例】図1は、本発明の1実施例としての分解燃焼
型焼却装置についての要部縦断概要図である。
【0016】この分解燃焼型焼却装置は、半乾留炉10
(処理炉)に被焼却物を収容し、被焼却物を部分的に無
炎燃焼させて熱分解によりガス化し(半乾留による分解
ガス化)、生成した可燃性ガスを、別の燃焼室(図示を
略す。)に送給してその燃焼室において完全燃焼させる
ものである。なお、以下の記述は、本発明を半乾留によ
る焼却に適用した場合を中心としているが、適切である
限り、直接燃焼により焼却する焼却装置等に本発明を適
用した場合についてもそのまま当てはまる。
【0017】半乾留炉10は、鋼板により形成された外
殻の内側が耐火物でライニングされてなるものであり、
内部が箱形状をなす。勿論、半乾留炉は特にこのように
限定されるものではなく、例えば外殻及び内殻を鋼板で
形成し、両者の間隙に冷却水を循環させたものであって
もよい。
【0018】この実施例における半乾留炉10の内部
は、下部を除き、水平断面が正方形状をなす。半乾留炉
10の下部の図1における左右両側は、内側面が底床面
(内底面)に向かって互いに内向きに下降傾斜する傾斜
側壁12により構成されている。なお、傾斜側壁12の
内側面の傾斜は複数段階に変化していてもよく、内側面
の一部または全部が曲面であってもよい。また、半乾留
炉10の内部の水平断面形状は、正方形状に限らず、例
えば円形状であってもよい。なお、この半乾留炉10の
垂直側壁14の下端部には、残渣排出用の開閉扉(図示
を略す。)を有する。半乾留炉10の上端部は天板16
により閉塞されている。天板16には、被焼却物挿入
口、それを開閉する挿入口蓋及び内部の過大な圧力を逃
がすためのリリーフ弁等(何れも図示を略す。)を適宜
に設けることができる。また、垂直側壁18の上部(被
焼却物を収容する部分よりも上方)には、半乾留により
生成する可燃性ガス等を燃焼室に導くための生成ガス送
給ダクト20の基端部が開口している。
【0019】半乾留炉10の底床部22及び半乾留炉1
0の下部に位置する傾斜側壁12には、耐火性、耐水性
及び耐摩耗性等を有する多孔質セラミクス製のガス化供
空用多孔部材24・26が、半乾留炉10の内部と外部
を連通するように設けられている。また傾斜側壁12の
上方における垂直側壁18には、同じ多孔質セラミクス
製のおき火燃焼供空用多孔部材28が、半乾留炉10の
内部と外部を連通するように設けられている。これらの
ガス化供空用多孔部材24・26及びおき火燃焼供空用
多孔部材28は、それぞれ半乾留炉10の内部と外部を
連通する多数の気孔(小断面積通路)を有する。なお、
この実施例では、多孔質セラミクスとして、化学組成:
SiO2 2.7%, Al2O3 96.9%, Fe2O3 0.4% 、見掛比重:3.
77、嵩比重:2.79、圧縮強度:900Kg/cm2 、気孔率:1.
2%、通気量(で空気を供給した場合):60リットル/cm2
・200mmt・min 、気孔径:0.3 mmφ(平均)のものを用い
た。半乾留炉10の内部と外部を連通する気孔の長さは
100mm以上である。
【0020】ブロワ30から手動流量制御弁32を経た
空気(酸素含有ガスの一例)は、一方は第1の電動流量
制御弁34を経てマニホールド36に送給され、そのマ
ニホールド36から、底床部22の外部に配装されたヘ
ッダ38を介して底床部22のガス化供空用多孔部材2
4の基部(底床部22の下側)に供給されると共に、第
2の電動流量制御弁40を経て、傾斜側壁12の外部に
配装されたヘッダ42を介して傾斜側壁12のガス化供
空用多孔部材26の基部(傾斜側壁12の外側)に供給
される。また、手動流量制御弁32を経た空気は、他方
において、第3の電動流量制御弁44を経て、垂直側壁
18の外部に配装されたヘッダ46を介しておき火燃焼
供空用多孔部材28の基部(垂直側壁の外側)に供給さ
れる。ガス化供空用多孔部材24・26の基部及びおき
火燃焼供空用多孔部材28の基部に供給された空気は、
それぞれの多数の気孔を通って半乾留炉10内に導入さ
れる。ガス化供空用多孔部材24・26及びおき火燃焼
供空用多孔部材28の各側周部と、底床部22、傾斜側
壁12及び垂直側壁18との間から、各ヘッダを介して
供給される空気が漏洩することを十分に防止し得るよ
う、必要な処置が施されることを要する。
【0021】底床部22のガス化供空用多孔部材24
は、底床部22からほぼ上向きに満遍なく空気が吹き出
すように設けられている。傾斜側壁12のガス化供空用
多孔部材26は、傾斜側壁12からほぼ水平状に、図1
における奥行方向に満遍なく空気が吹き出すように設け
られている。またおき火燃焼供空用多孔部材28は、垂
直側壁18からやや下向きに空気が吹き出すように設け
られている。この実施例における各ガス化供空用多孔部
材24・26及びおき火燃焼供空用多孔部材28の半乾
留炉10内の端面は、何れも底床部22の上面、傾斜側
壁12の内面及び垂直側壁18の内面と実質上同一面を
構成しているが、多少の凹凸は差し支えない。
【0022】この半乾留炉10(処理炉)は、従来の開
口型の供空孔の開口部に、あたかもガス化供空用多孔部
材24・26及びおき火燃焼供空用多孔部材28により
栓を施したような形態をなす。これらのガス化供空用多
孔部材24・26及びおき火燃焼供空用多孔部材28に
おける気孔(小断面積通路)を通じて半乾留炉10内に
空気(酸素含有ガス)を導入し得ると共に、被焼却物が
有する液体或は被焼却物の被熱による溶融物の気孔(小
断面積通路)内への流入及び浸潤が防止され得る。半乾
留の場合、被焼却物の処理中に処理炉の内側面を流下し
たり処理炉の内底面上に溜ったりする溶融物の量が、一
般に直接燃焼による場合に比し極めて多量であるため、
溶融物の小断面積通路内への流入及び浸潤が防止される
ことは非常に有用である。なお、このような供空用多孔
部材の気孔(小断面積通路)を通じて空気(酸素含有ガ
ス)を半乾留炉10(処理炉)内に導入する場合の通気
抵抗は、従来の開口型の供空孔を通じて空気を導入する
場合に比し大きいので、供空用多孔部材の単位断面積当
たりの通気量と必要供空量との関係を十分に勘案して供
空用多孔部材の半乾留炉10(処理炉)内端面の面積を
決定する必要がある。
【0023】供空用多孔部材の端部における小断面積通
路の断面積は、供空用多孔部材のうち少なくとも処理炉
に臨む端部における小断面積通路の内面に対する、被焼
却物が有する液体や被焼却物の被熱による溶融物の接触
角や、それらの液体及び溶融物の表面張力、粘性、量
(処理炉内に溜った場合のヘッドプレッシャー)等を勘
案して定められるが、炉内への必要供空量を確保し得る
限り断面積を小さくすることが望ましい。具体的には、
供空用多孔部材の端部における小断面積通路の相当直径
は0.1乃至5mmとすることができる。0.1mm未
満の場合、通気抵抗が大きくなりすぎ、5mmを越える
場合、小断面積通路内への液体や被焼却物の被熱による
溶融物の流入や浸潤が十分に防止し得ないこととなりが
ちだからである。より好ましい範囲は、0.5乃至1.
5mmである。
【0024】供空用多孔部材の端部における小断面積通
路の気孔率は、1乃至50%であることが好ましい。ま
た、供空用多孔部材における小断面積通路の長さとして
は、少なくとも処理炉内に臨む端部から50乃至200
mm程度であることが好ましい。これを下回ると、小断
面積通路内への液体や被焼却物の被熱による溶融物の流
入や浸潤が十分に防止し得ないこととなりがちだからで
ある。更に、供空用多孔部材の端部から処理炉内への酸
素含有ガスの導入線と、供空用多孔部材の端部が臨む処
理炉の内面の法線とのなす角度は、処理炉内において被
焼却物を満遍なく焼却する上で、60度以内であること
が好ましい。酸素含有ガスの導入線が処理炉の内面に対
しなす角度が浅いと、処理炉内に収容された被焼却物と
処理炉の内面との間に形成され得る間隙に沿って酸素含
有ガスが流れるという傾向が強くなるため、被焼却物が
処理炉の内面に沿って燃焼するという局所燃焼が起こり
易くなるからである。なお、小断面積通路は、樹枝状に
分岐し又は合流するものであってもよい。
【0025】上記のように、供空用多孔部材の通気抵抗
が従来に比し大きいので、必要供空量が比較的に小さい
半乾留用の酸素含有ガスの供給に適する。また、酸素含
有ガスが小断面積通路を通じて処理炉内に導入されるた
め、被焼却物が有する液体や被焼却物の被熱による溶融
物が小断面積通路に流入したり浸潤したりすることを有
効に防止し得る比較的に高い圧力下で、酸素含有ガスの
導入流量を適宜に制御することができる。そのため、酸
素含有ガスの供給量を、比較的に小さい範囲内で半乾留
のために適切な流量に制御する必要のある半乾留用の酸
素含有ガスの供給に最適である。なお、供空量を確保す
る上で必要であれば、処理炉のうち被焼却物を収容する
部分の内側面および処理炉の内底面にほぼ満遍なく供空
用多孔部材の端部が臨むように構成することもできる。
【0026】供空用多孔部材の例としては、上述の多孔
質セラミクスのほかに、ポーラスブリック(多孔煉
瓦)、鋳鉄ブロックや特殊鋼ブロック等の塊状物に多数
の細孔(小断面積通路)を穿孔したもの、多数の細鋼管
を結合剤等により結束して各細鋼管内の細孔を(小断面
積通路)として利用するものなどを挙げることができ
る。
【0027】供空用多孔部材の材料としては、耐火性、
耐水性及び耐摩耗性等の、通常の炉材として要求される
各種耐性を有することが要求される。好適な材料の例と
しては、アルミナ質のセラミクス、アルミナ+シリカ質
のセラミクス、炭化珪素質のセラミクス、黒鉛質のセラ
ミクス、窒化珪素質のセラミクス、耐熱鋼、耐熱鋳鉄、
特殊細鋼管等を挙げることができる。
【0028】被焼却物が有する液体及び被焼却物の被熱
による溶融物に特に限定はないが、液体の例としては、
通常、汚水、尿、血液等の水性液体を挙げることがで
き、溶融物の例としては、通常、高分子系石油化学製品
(プラスチック、合成繊維等)や脂肪の溶融物等を挙げ
ることができる。また、アルミニウムや銅などの非鉄金
属の溶融物、医療用シリンジや薬瓶などのガラスの溶融
物等も例として挙げることができる。供空用多孔部材の
うち少なくとも処理炉に臨む端部における小断面積通路
の内面は、被焼却物が有する液体や被焼却物の被熱によ
る溶融物の接触角がなるべく大きくなるように(すなわ
ち、濡れ性がなるべく低くなるように)選択することが
望ましい。被焼却物が有する液体や被焼却物の被熱によ
る溶融物の小断面積通路への流入及び浸潤を防止する効
果がより高まるからである。例えば、廃プラスチックの
溶融物に対しては、アルミナ質のセラミクス、アルミナ
+シリカ質のセラミクス、炭化珪素質のセラミクス、黒
鉛質のセラミクス等による多孔質セラミクスが好適であ
る。これらの材料を用いた供空用多孔部材であれば、被
熱による溶融物が小断面積通路へ短時間(例えば、被焼
却物に点火した後、供空用多孔部材を通じて酸素含有ガ
スを処理炉内に導入し始めるまでに若干の時間をおく場
合における約30分間)で流入し、或は浸潤することを
効果的に防止することができる。
【0029】半乾留炉10に収容した被焼却物の予備乾
燥等のためにマイクロ波を用いる場合の供空用多孔部材
の材料としては、炭化珪素質のセラミクスや黒鉛質のセ
ラミクス等のように、マイクロ波によりそれ自体が発熱
し、予備乾燥等により効果を発揮するものが好ましい。
【0030】図1の分解燃焼型焼却装置における5m3
容量の半乾留炉10内に被焼却物としてポリプロピレン
系のプラスチックフィルム屑(融点:約170℃)35
0kgを収容し、被焼却物の下端部に点火すると共に、
底床部22及び傾斜側壁12のガス化供空用多孔部材2
4・26を通じ、被焼却物を部分的に無炎燃焼させて熱
分解によりガス化(半乾留による分解ガス化)するため
に必要な空気を、収容された被焼却物の下方から導入
し、半乾留を行った。この場合の半乾留は次のように行
われる。
【0031】すなわち、底床部22及び傾斜側壁12の
ガス化供空用多孔部材24・26から空気が供給される
被焼却物の下部に、被焼却物と供給される空気との間で
燃焼反応が生じて被焼却物が酸化する燃焼層が形成され
る。
【0032】この燃焼層を経た空気及び燃焼層における
生成ガスは、高温となって被焼却物中を上昇する。燃焼
層の上側の領域(還元層)においては、被焼却物がこの
熱ガスに被覆される状態となって、被焼却物に熱分解が
生ずる。この熱ガスは酸素プアーな状態であるから、被
焼却物の燃焼が起こったとしても極めてわずかである。
一方、被焼却物の熱分解によって生ずる高温の活性状態
の炭素は、燃焼層における生成ガス中のH2 OやCO2
と反応性良く反応し、一酸化炭素や水素などの可燃性ガ
スとなる。
【0033】還元層の上側の領域(予熱・乾燥層)にお
いては、燃焼層の熱により被焼却物が予熱或は乾燥され
る。他方、燃焼層及び還元層において生成した一酸化炭
素や水素等の可燃性ガスは、被焼却物の上方へ分離した
後、生成ガス送給ダクト20を通じて燃焼室に導かれて
完全燃焼される。
【0034】このようにして、下方から順に燃焼層、還
元層及び予熱・乾燥層が形成され、半乾留による分解燃
焼の進行により、被焼却物における下部が順次灰化し、
次第に全体の嵩が減少して上面が低下する。
【0035】半乾留の過程において被焼却物であるポリ
プロピレン系プラスチックフィルム屑の少なくとも一部
が被熱により溶融したが、溶融による液状ポリプロピレ
ンがガス化供空用多孔部材24・26の気孔に浸潤・流
入することは皆無であった。そのため、底床部22及び
傾斜側壁12のガス化供空用多孔部材24・26を通じ
所要流量の空気を常に半乾留炉10内に導入して被焼却
物の下部に満遍なく供給することができ、良好な均一性
のもとで分解燃焼(ガス化燃焼)焼却が達成された。
【0036】また、溶融による液状ポリプロピレンがお
き火燃焼供空用多孔部材28の気孔に浸潤・流入するこ
ともなかったので、被焼却物のガス化が終了した後、お
き火燃焼供空用多孔部材28を通じて処理炉内におき火
を燃焼させるための空気を所要流量で供給しておき火を
短時間で消化することができた。
【0037】図2は、別の実施例としての分解燃焼型焼
却装置における半乾留炉50の縦断概要図である。
【0038】この半乾留炉50は、傾斜側壁を有してお
らず、ガス化供空用多孔部材52は、底床部54からほ
ぼ上向きに満遍なく空気が吹き出すように、底床部54
にのみ設けられている。それ以外の、垂直側壁56・5
8、天板60、生成ガス送給ダクト62、おき火燃焼供
空用多孔部材64、ヘッダ66・68などは、前記実施
例とほぼ同様である。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、処理炉のうち被焼却物
を収容する部分の内側面および/または処理炉の内底面
に臨む供空用多孔部材における小断面積通路への液体或
は溶融物の流入及び浸潤が防止されるので、被焼却物が
液体を有していたり被焼却物が被熱により溶融しても、
その小断面積通路を通じ、処理炉内に収容される被焼却
物の下方および/または側方から処理炉内へ所要流量の
酸素含有ガスを導入することができる。それゆえ、処理
炉における熱分解および/または燃焼による被焼却物の
処理を、処理の不均一性や処理速度の低下等を回避しつ
つ計画に従って行うことが可能となる。また、供空用多
孔部材における小断面積通路の閉塞がほとんど生じない
ので、閉塞物除去作業もほとんど不要である。
【0040】更に、供空用多孔部材を設けるべき処理炉
内面の角度や処理炉内への酸素含有ガスの導入角度等の
制約が特にないので、容量減少や角度設定の困難性等を
回避しつつ、処理炉内の任意位置に必要規模の供空用多
孔部材を設けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】分解燃焼型焼却装置についての要部縦断概要図
である。
【図2】分解燃焼型焼却装置における半乾留炉の縦断概
要図である。
【図3】従来の分解燃焼型焼却装置における半乾留室の
要部縦断概要図である。
【符合の説明】
10 半乾留炉 12 傾斜側壁 18 垂直側壁 22 底床部 24 ガス化供空用多孔部材 26 ガス化供空用多孔部材 28 おき火燃焼供空用多孔部材
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F23M 5/02 ZAB

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被焼却物を熱分解および/または燃焼によ
    り処理するための処理炉を備えた焼却装置であって、処
    理炉のうち被焼却物を収容する部分の内側面および/ま
    たは処理炉の内底面に、供空用多孔部材の端部が臨んで
    おり、この供空用多孔部材が、その少なくとも端部に、
    処理炉外部から供給される酸素含有ガスを処理炉内に導
    入するための多数の小断面積通路を有することを特徴と
    する焼却装置。
  2. 【請求項2】上記処理炉が、半乾留により被焼却物を処
    理するためのものである請求項1記載の焼却装置。
  3. 【請求項3】処理炉のうち被焼却物を収容する部分の内
    側面および処理炉の内底面に、ほぼ満遍なく供空用多孔
    部材の端部が臨む請求項1又は請求項2記載の焼却装
    置。
  4. 【請求項4】供空用多孔部材の端部における小断面積通
    路の相当直径が0.1乃至5mmである請求項1、請求
    項2又は請求項3記載の焼却装置。
  5. 【請求項5】供空用多孔部材の端部における小断面積通
    路の気孔率が1乃至50%である請求項1、請求項2、
    請求項3又は請求項4記載の焼却装置。
  6. 【請求項6】供空用多孔部材の端部から処理炉内への酸
    素含有ガスの導入線と、供空用多孔部材の端部が臨む処
    理炉の内面の法線とのなす角度が、60度以内である請
    求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5記
    載の焼却装置。
  7. 【請求項7】被焼却物を熱分解および/または燃焼によ
    り処理するための処理炉であって、被焼却物を収容する
    部分の内側面および/または処理炉の内底面に、供空用
    多孔部材の端部が臨んでおり、この供空用多孔部材が、
    その少なくとも端部に、外部から供給される酸素含有ガ
    スを炉内に導入するための多数の小断面積通路を有する
    ことを特徴とする焼却装置用処理炉。
  8. 【請求項8】処理炉内に被焼却物を収容し、処理炉内に
    供空用多孔部材の小断面積通路を通じて被焼却物の半乾
    留に要する酸素含有ガスを導入しつつその被焼却物を半
    乾留することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項
    3、請求項4、請求項5又は請求項6記載の焼却装置の
    使用方法。
JP6159256A 1994-06-16 1994-06-16 焼却装置及びその関連技術 Pending JPH085035A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6159256A JPH085035A (ja) 1994-06-16 1994-06-16 焼却装置及びその関連技術

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6159256A JPH085035A (ja) 1994-06-16 1994-06-16 焼却装置及びその関連技術

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH085035A true JPH085035A (ja) 1996-01-12

Family

ID=15689788

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6159256A Pending JPH085035A (ja) 1994-06-16 1994-06-16 焼却装置及びその関連技術

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH085035A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002089814A (ja) * 2000-07-11 2002-03-27 Hidehito Aoki 焼却炉
KR101218361B1 (ko) * 2010-03-05 2013-01-03 더블유비엠과학기술 주식회사 가연성 폐기물을 사용하는 열분해 가스 발생 시스템
KR101230574B1 (ko) * 2010-04-02 2013-02-06 더블유비엠과학기술 주식회사 경사면에 배치되는 노즐장치를 갖는 열분해 가스 발생 시스템
CN111396887B (zh) * 2020-03-11 2021-04-02 武汉理工大学 一种多孔燃烧回热循环式生物质热解反应系统及方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002089814A (ja) * 2000-07-11 2002-03-27 Hidehito Aoki 焼却炉
KR101218361B1 (ko) * 2010-03-05 2013-01-03 더블유비엠과학기술 주식회사 가연성 폐기물을 사용하는 열분해 가스 발생 시스템
KR101230574B1 (ko) * 2010-04-02 2013-02-06 더블유비엠과학기술 주식회사 경사면에 배치되는 노즐장치를 갖는 열분해 가스 발생 시스템
CN111396887B (zh) * 2020-03-11 2021-04-02 武汉理工大学 一种多孔燃烧回热循环式生物质热解反应系统及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3929064B1 (ja) 産業廃棄物溶融固化装置
JP4593688B1 (ja) 竪型ごみ焼却炉における燃焼用空気の供給方法及び竪型ごみ焼却炉
KR100763531B1 (ko) 폐기물의 소각처리방법
KR890004291B1 (ko) 고철 금속으로 부터 금속을 재생시키는 방법 및 장치
JP3034467B2 (ja) 直結型焼却灰溶融処理設備及びその処理方法
JP3051135B2 (ja) 物質の溶融方法及びその実施装置
JPH085035A (ja) 焼却装置及びその関連技術
JP2001227714A (ja) 廃棄物の焼却処理方法
JP2945311B2 (ja) 廃棄物焼却方法
JPH11325428A (ja) 焼却炉及びその使用方法
JPH08178239A (ja) 溶融炉
JP6949650B2 (ja) 焼却灰の溶融処理装置
JPS6240607B2 (ja)
CN212537850U (zh) 等离子体气化熔融炉
JP3115486B2 (ja) 廃棄物処理炉
JP3962178B2 (ja) 有害物の処理方法およびその装置
JP2000018537A (ja) 竪型溶融炉
JP2004169999A (ja) 焼却・溶融炉
JP3339420B2 (ja) 廃棄物のガス化溶融炉およびガス化溶融方法
JP3096623B2 (ja) 溶融炉
JP2000283448A (ja) 出滓口および出滓口の交換方法
JP2002039516A (ja) 廃棄物処理残渣の溶融方法および溶融装置
JP2001234175A (ja) 縦型自燃式炭化炉の操業方法
JPS6143070Y2 (ja)
JPH11230520A (ja) 直接溶融炉