JPH08211633A - 電子写真感光体バインダー用ポリエステル樹脂 - Google Patents

電子写真感光体バインダー用ポリエステル樹脂

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JPH08211633A
JPH08211633A JP7145413A JP14541395A JPH08211633A JP H08211633 A JPH08211633 A JP H08211633A JP 7145413 A JP7145413 A JP 7145413A JP 14541395 A JP14541395 A JP 14541395A JP H08211633 A JPH08211633 A JP H08211633A
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polyester
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和朗 櫻井
Mina Kubo
三奈 久保
Kenji Yao
健二 八百
Mitsuhisa Igarashi
光永 五十嵐
Michiaki Fuji
通昭 藤
Yukio Horikawa
幸雄 堀川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】金属製ドラムや導電層を表面に形成したポリエ
チレンテレフタレートフィルム等の支持体上に電荷発生
層と電荷輸送層とを有する電子写真感光体に使用される
バインダー樹脂に関するものである。 【構成】ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体
とジオールから重合されるポリエステル樹脂であって、
ジオールが、全ジオール量を100として10mol%
以上の一般式(1) 【化1】 (R1 は炭素数2から4のアルキレン基、R2 、R3
4 及びR5 は水素または炭素数1から4のアルキル
基、アリール基、アラルキル基であり同じであっても異
なっていても良く、R6 及びR7 は炭素数1から10の
アルキル基である。)で表されるジヒドロキシ化合物を
含有することを特徴とする電子写真感光体バインダー用
ポリエステル樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属製ドラムや導電層
を表面に形成したポリエチレンテレフタレートフィルム
等の支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを有する電子
写真感光体に使用されるバインダー樹脂に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】複写機やプリンター用感光体として用い
られている有機感光体(OPC)は、操作性、安定性お
よび経済性に優れていることから、現在の情報化社会を
支える重要な画像再生印刷技術として、驚異的な進歩を
遂げてきた。現在実用化されているOPC感光体は、初
期のタイプを除いて電荷発生部分と電荷輸送部分を分離
した機能分離型である。この機能分離型の感光体は電荷
発生材料の状態により大きく2つに分類される。1つは
電荷発生材料と電荷輸送材料が単一感光体層中に溶解又
は分散されている単層型感光体であり、他の1つは電荷
発生層と電荷輸送層とが別々の層に分離され、積層され
ている積層型感光体である。
【0003】これらの感光体はその使用に際して、露
光、トナー付着、転写、残留トナーの除去のプロセスを
繰り返す。このプロセスの中で感光体表面には摩擦によ
り傷や磨耗が生じ、この結果、感度の低下や転写ムラ等
の問題が生ずる。そのため、耐磨耗性の改良がOPCに
おいては重要な課題となっている。この問題を解決する
手段として、例えば出光技報(Vol.36,224
項、1993年)や特公平2−52257号等に述べら
れている様に、バインダー樹脂を改良することが提案さ
れている。しかしながら、実用上十分な耐磨耗性が確保
されるには至っていない。
【0004】OPC用バインダーに要求される特性は、
上述の耐磨耗性と共に、(1)色素の分散性が高く、
(2)有機溶媒への溶解性に優れ、溶液の粘度が低いこ
と、(3)ひび割れ等の劣化が生じないこと、および
(4)電気的感度が良く、電荷移動材/バインダー比が
小さくできること等である。一般に、樹脂の分子量を上
げると耐磨耗性が改良されることが知られているが、高
分子量になると上述の(2)の性能が劣り、生産に困難
が生ずる等、これらすべての特性を満足する樹脂はな
く、目的に応じて使い分けざるを得ないのが現状であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはかかる従
来技術の諸欠点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、本発明を
完成したものである。その目的とするところは、(1)
耐磨耗性が高く、(2)色素の分散性が高く、(3)有
機溶媒への溶解性に優れ、溶液の粘度が低く、(4)ひ
び割れ等の劣化が生じず、(5)電気的感度が良く、電
荷移動材/バインダー比が小さくできる、OPC用バイ
ンダーに適したポリエステル樹脂を提供することにあ
る。さらに他の目的は、工業的に容易に且つ安価に製造
できるOPC用バインダーに適したポリエステル樹脂を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述した本発明の目的
は、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とジ
オールから重合されるポリエステル樹脂であって、ジオ
ールが、全ジオール量を100として10mol%以上
の一般式(1)
【化2】 (R1 は炭素数2から4のアルキレン基、R2 、R3
4 及びR5 は水素または炭素数1から4のアルキル
基、アリール基、アラルキル基であり同じであっても異
なっていても良く、R6 及びR7 は炭素数1から10の
アルキル基である。)で表されるジヒドロキシ化合物を
含有することを特徴とする電子写真感光体バインダー用
ポリエステル樹脂により達成される。
【0007】以下、本発明を詳しく説明する。前記ポリ
エステルの一般式(1)
【化3】 で表されるジヒドロキシ化合物を共重合成分として使用
することが本発明の鍵となる部分である。これを用いる
ことでポリエチレンテレフタレート樹脂の成形性を損な
わずに、汎用の有機溶剤へ容易に溶解するようになる。
さらに理由は定かでないが、当該ジヒドロキシ化合物を
共重合することにより、OPCドラムとしての耐磨耗
性、OPC色素の分散性が向上する。
【0008】本発明において一般式(1)で表されるジ
ヒドロキシ化合物は、アルカノンから合成されるもので
あればいずれでも良く、例えば一般式Cm 2mO(mは
整数を表わす。)で表される枝別れを含む直鎖状アルカ
ノンから誘導される、ジヒドロキシ化合物等が挙げら
る。このようなジヒドロキシ化合物としては、以下のよ
うなものが挙げらる。
【0009】4−メチル−2−ペンタノンから誘導され
るジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−4−メ
チルペンタン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)−3−メチルフェニル]−4−メチルペンタ
ン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
3,5−ジメチルフェニル]−4−メチルペンタン、
2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−
エチルフェニル]−4−メチルペンタン、2,2−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジエチル
フェニル]−4−メチルペンタン、2,2−ビス[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)−3−プロピルフェニル]
−4−メチルペンタン、2,2−ビス[4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)−3,5−ジプロピルフェニル]−4
−メチルペンタン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)−3−イソプロピルフェニル]−4−メチ
ルペンタン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエト
キシ)−3,5−ジイソプロピルフェニル]−4−メチ
ルペンタン等が挙げられる。
【0010】3−メチル−2−ブタノンから誘導される
ジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−3−メ
チルブタン,2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエト
キシ)−3−メチルフェニル]−3−メチルブタン、
2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,
5−ジメチルフェニル]−3−メチルブタン、2,2−
ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−エチルフ
ェニル]−3−メチルブタン、2,2−ビス[4−(2
−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジエチルフェニル]
−3−メチルブタン等が挙げられる。
【0011】3−ペンタノンから誘導されるジヒドロキ
シ化合物としては、例えば、3,3−ビス[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)フェニル]ペンタン、3,3−ビ
ス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェ
ニル]ペンタン、3,3−ビス[4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]ペンタン、
3,3−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−
エチルフェニル]ペンタン、3,3−ビス[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジエチルフェニル]ペ
ンタン等が挙げられる。
【0012】2,4−ジメチル−3−ペンタノンから誘
導されるジヒドロキシ化合物としては、例えば、3,3
−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−
2,4−ジメチルペンタン、3,3−ビス[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]−2,4
−ジメチルペンタン、3,3−ビス[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]−2,4
−ジメチルペンタン、3,3−ビス[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)−3−エチルフェニル]−2,4−ジメ
チルペンタン、3,3−ビス[4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)−3,5−ジエチルフェニル]−2,4−ジメ
チルペンタン等が挙げられる。
【0013】2,4−ジメチル−3−ヘキサノンから誘
導されるジヒドロキシ化合物としては、例えば、3,3
−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−
2,4−ジメチルヘキサン、3,3−ビス[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]−2,4
−ジメチルヘキサン、3,3−ビス[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]−2,4
−ジメチルヘキサン、3,3−ビス[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)−3−エチルフェニル]−2,4−ジメ
チルヘキサン、3,3−ビス[4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)−3,5−ジエチルフェニル]−2,4−ジメ
チルヘキサン等が挙げられる。
【0014】2,4−ジメチル−3−ヘキサノンから誘
導されるジヒドロキシ化合物としては、例えば、3,3
−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−
2,5−ジメチルヘキサン、3,3−ビス[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]−2,5
−ジメチルヘキサン、3,3−ビス[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]−2,5
−ジメチルヘキサン、3,3−ビス[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)−3−エチルフェニル]−2,5−ジメ
チルヘキサン、3,3−ビス[4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)−3,5−ジエチルフェニル]−2,5−ジメ
チルヘキサン等が挙げられる。
【0015】無論これらの化合物に限定されることはな
く、またこれらは単独または2種類以上を併用しても良
い。
【0016】2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエト
キシ)フェニル]−4−メチルペンタンは例えば、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)4−メチルペンタ
ンにエチレンオキサイド(以下、EO)を付加して得ら
れる。この際、フェノールの両水酸基にエチレンオキサ
イドが1分子づつ付加した2EO付加体の他に、さらに
数分子過剰に付加した、3EO付加体、4EO付加体等
の不純物が含まれる事がある。3EO、4EO等の不純
物が多くなると、ポリエステル重合体の耐熱性を低下さ
せる事になる。このときの2EO付加体の純度は85%
以上有れば良いが、好ましくは95%以上である。
【0017】全ジオール成分の合計に対する一般式
(1)で表されるジヒドロキシ化合物の割合は、10m
ol%以上であることが必要であり、好ましくは30m
ol%以上、さらに好ましくは50mol%以上であ
る。10mol%より少ないと、成形体が熱により変形
しやすくなり、OPC色素の分散性や有機溶剤への溶解
性も低下する傾向にある。
【0018】また、エステル交換法を用いた場合の溶融
重合反応が進み易く、重合時間が短くなる点で、95m
ol%以下であることが好ましい。しかし、95mol
%より多い場合であっても、溶液重合法又は界面重合法
で容易に製造することができる。
【0019】本発明において用いられる、一般式(1)
で表されるジヒドロキシ化合物以外のジオールとして
は、バインダー用ポリエステル樹脂に汎用されているも
のを用いることができるが、例えば、脂肪族グリコール
類、フルオレン系芳香族ジオール化合物、主鎖及び側鎖
に芳香環を有するジヒドロキシ化合物、主鎖に芳香環と
硫黄を有する化合物、シクロアルカノンから誘導された
芳香族ジオール化合物、メチロール類等が挙げられる。
【0020】脂肪族グリコール類としては、例えば、エ
チレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2
−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,3
−ペンタンジオール等が挙げられる。
【0021】フルオレン系芳香族ジオール化合物として
は、例えば一般式(2)で表されるフルオレン系ジヒド
ロキシ化合物等が挙げられ、具体的には、9,9−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレ
ン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニ
ル]フルオレン等が挙げられ、これらは単独または2種
類以上を組み合わせて使用しても良い。これらの中でも
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル]フルオレンが入手が容易という点で好ましい。
【0022】
【化4】
【0023】(R8 は炭素数2から4のアルキレン基、
9 、R10、R11及びR12は水素または炭素数1から4
のアルキル基、アリール基、アラルキル基であり同じで
あっても異なっていても良い。)
【0024】主鎖及び側鎖に芳香環を有するジヒドロキ
シ化合物としては、例えば一般式(3)で表されるジヒ
ドロキシ化合物等が挙げられ、具体的には、1,1−ビ
ス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−1−
フェニルエタン等が挙げられる。
【0025】
【化5】
【0026】(R13は炭素数2から4のアルキレン基、
14、R15、R16及びR17は水素または炭素数1から4
のアルキル基、アリール基、アラルキル基であり同じで
あっても異なっていても良く、R18は、炭素数2から6
のアルキル基である。)
【0027】主鎖に芳香環と硫黄を有するジヒドロキシ
化合物としては、例えば一般式(4)で表される化合物
等があり、具体的には、ビス−[4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)フェニル]−スルフォン、ビス−[4−(2
−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]−スル
フォン等が挙げられる。
【0028】
【化6】
【0029】(R19は炭素数2から4のアルキレン基、
20、R21、R22及びR23は水素または炭素数1から4
のアルキル基、アリール基、アラルキル基であり同じで
あっても異なっていても良い。)
【0030】シクロアルカノンから誘導された芳香族ジ
オール化合物としては、例えば、一般式(5)で表わさ
れる化合物が挙げられ、具体的には1,1−ビス[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロペンタン
等のシクロペンタノンから誘導されたジヒドロキシ化合
物、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フ
ェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]シクロヘキ
サン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)
−3,5−ジメチルフェニル]シクロヘキサン等のシク
ロヘキサノンから誘導されたジヒドロキシ化合物、1,
1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]
シクロヘプタン等のシクロヘプタノンから誘導されたジ
ヒドロキシ化合物が挙げられ、さらに、1,1−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロオ
クタン等のシクロオクタノンから誘導されたジヒドロキ
シ化合物等が挙げられる。
【0031】
【化7】
【0032】(R24は炭素数2から4のアルキレン基、
25、R26、R27及びR28は水素または炭素数1から4
のアルキル基、アリール基、アラルキル基であり同じで
あっても異なっていても良く、R’は炭素数1から4の
アルキル基である。nは2以上の整数、mは0以上2
(n+2)以下の整数である。)
【0033】メチロール類としては、トリシクロデカン
ジメチロール、トリシクロデカンジエチロール、トリシ
クロデカンジプロピロール、トリシクロデカンジブチロ
ール等が挙げられる。
【0034】上記一般式(1)のジヒドロキシ化合物以
外のジオールのうち、エチレングリコール等の脂肪族ジ
オールの、全ジオールの合計に対する割合は、好ましく
は5mol%以上であり、さらに好ましくは10mol
%以上である。エチレングリコール等の低沸点ジオール
が5mol%以上であると、溶融重合が進み易く、重合
時間が短くなるからである。
【0035】本発明のポリエステル樹脂に用いられるジ
カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレン
ジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,
2−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカ
ルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−
ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフ
タレンジカルボン酸、2,2’−ビフェニルジカルボン
酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビ
フェニルジカルボン酸、9,9−ビス(4−カルボキシ
フェニレン)フルオレン等の芳香族ジカルボン酸、また
はマレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカメチレン
ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
【0036】上記ジカルボン酸のエステル形成性誘導体
としては、アルキルエステル等が挙げられる。
【0037】これらは、それぞれ単独で用いても良い
し、必要に応じて2種以上用いても良い。
【0038】本発明のポリエステル樹脂は、例えば、エ
ステル交換法、直接重合法等の溶融重合法、溶液重合
法、界面重合法等の公知の方法から適宜の方法を選択し
て製造できる。またその際の重合触媒等の反応条件につ
いても従来公知の方法を用いる事ができる。中でも溶融
重合法が好ましく用いられる。
【0039】また、本発明のポリエスエル樹脂はクロロ
フォルム中、20℃で測定した極限粘度が好ましくは
0.3以上であり、さらに好ましくは0.4以上であ
り、最も好ましくは、0.5以上であり、用途によって
は0.6以上必要な場合もある。極限粘度が0.3以上
であれば感光体としての十分な機械的特性、特に耐磨耗
性を有する成形品が得られる。極限粘度が大きくなるほ
ど、溶媒へ溶解するのに時間が掛かるようになり、溶液
の粘度も上昇し、OPC支持体上への塗布が難しくなる
ので、実用的には極限粘度が2.0以下が好ましい。
【0040】かかる目的とする極限粘度を有するポリエ
ステル樹脂は、分子量調節剤、重合時間、重合温度等の
溶融重合条件と、必要ならば、後工程の鎖伸長反応の条
件を調節する事により容易に得られる。
【0041】ポリエステル樹脂は、ポリスチレン換算の
重量平均分子量で10万が(クロロフォルム中の極限粘
度で0.6dl/g)従来公知の重合法で容易に得られ
る限界である。この限界以上の極限粘度を有する本発明
のポリエステルが必要な場合は、以下に述べる方法を用
いる事が可能である。
【0042】0.6以上の極限粘度を持つ高分子量ポリ
エステル樹脂を得るためには、上述した方法によって重
合した後に、ジイソシアナートと反応させる方法が好ま
しい。この後処理により、ポリエステルの分子鎖が伸長
でき、クロロフォルム中での極限粘度が0.6以上が容
易に達成され、磨耗性等の機械特性を向上させることが
できる。
【0043】本発明で用いるジイソシアナートには、2
つのイソシアナート基が同一の分子に存在する化合物す
べてが含まれる。より具体的には、例えば、ヘキサメチ
レンジイソシアナート、2,4−トリレンジイソシアナ
ート、2,6−トリレンジイソシアナート、メチレン−
4,4’−ビスフェニルジイソシアナート、キシリレン
ジイソシアナート、3−イソシアナートメチル−3,
5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアナート等が
挙げられ、これらは単独または2種類以上を組み合わせ
て使用しても良い。これらの中でも、メチレン−4,
4’−ビスフェニルジイソシアナートが好ましい。
【0044】ポリエステル樹脂と反応させるジイソシア
ナートの量は、数平均分子量を基にして計算したポリエ
ステルのモル数に対して通常は0.5〜1.3倍の範
囲、好ましくは0.8〜1.1の範囲が好適である。ポ
リエステル分子の末端がアルコール性のOHであるた
め、ジイソシアナートがアルコールと反応してウレタン
結合を形成することにより、ポリエステルの鎖伸長が達
成される。この後工程によりポリエステル中にウレタン
結合が導入されるが、ウレタン結合の量はモル分率は通
常1%以下になるため、樹脂全体としての屈折率、複屈
折、ガラス転移点、透明性等の物理的特性は処理前のポ
リエステル樹脂と変わらない。
【0045】上述した鎖伸長反応において、必要ならば
適当な触媒を用いても良い。触媒としては、オクチル酸
スズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、ナフテン酸鉛等の金
属触媒、ジアゾビスシクロ〔2.2.2〕オクタン、ト
リN−ブチルアミン等が好ましい。触媒の添加量は鎖伸
長反応温度にもよるが、通常1molのジイソシアナー
トに対して0.01mol以下、好ましくは0.001
mol以下添加される。
【0046】反応は溶融状態の上述したポリエステルに
触媒とジイソシアナートを適量加え、乾燥した窒素を流
しながら攪拌する事によって進行する。また、必要なら
ばポリエステルとジイソシアナートの良溶媒である、適
当な有機溶媒中で反応を行っても良い。この時、ポリエ
ステルの濃度は分子間反応に必要な濃度を保っていなけ
ればならない。この濃度は、ポリエステルの分子量によ
って異なるが、通常20重量%以上、好ましくは40重
量%以上である。この適正な濃度より低いと、分子内反
応が優先的に起こり、所謂環状高分子ができる場合があ
る。使用する有機溶媒はできるかぎり沸点が高く安定な
化合物が望ましく、通常トリクロロベンゼン、ジメチル
スルフォキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、キシ
レン等が用いられる。
【0047】鎖伸長反応の反応温度は条件によって異な
るが、有機溶剤中で行う場合は溶剤の沸点以下の温度
で、有機溶剤を使用しない場合はポリエステルのガラス
転移点以上の温度に設定することが望ましい。反応温度
によって到達できる分子量や副反応による着色の度合い
が決まるため、目的とする分子量と反応前のポリエステ
ルの分子量等から勘案して、適当な反応系と、それにあ
った適当な反応温度を選択することができる。例えば、
有機溶剤としてトリクロロベンゼンを用いた場合、13
0℃から150℃の範囲での反応が可能となり、副反応
による着色は殆ど無い。
【0048】上述したポリエステルの鎖伸長反応により
分子量は大幅に増大し、極限粘度の増加が達成される。
反応前の分子量によって最終の到達し得る分子量は異な
るが、通常は反応温度と反応時間さらにジイソシアナー
トの量を変えることにより、鎖伸長ポリエステルの分子
量を目的とする値にすることができる。場合により異な
るので一慨には規定できないが、一般に温度が高いほ
ど、また反応時間が長いほど分子量は上がる。また、ジ
イソシアナートの量は数平均分子量より求めたポリエス
テルのモル数と等量または1.1等量あたりが最も鎖伸
長の効果が高い。
【0049】通常、本発明の非晶質ポリエステルの分子
量は5万程度(極限粘度で0.4dl/g)で、最大で
も10万程度(極限粘度で0.6dl/g)である。例
えば、最も容易に製造できる5万程度の当該ポリエステ
ルを原料として鎖伸長反応をすると、極限粘度が0.7
〜1.5の高分子量ポリエステルが得られる。
【0050】鎖伸長したポリエステルはその一般的に分
子量分布が広くなる。溶融重合で製造した、上述の特殊
ジヒドロキシ化合物を共重合した非晶質ポリエステルの
分子量分布は、反応諸条件によって異なるが、重量平均
分子量と数平均分子量の比で、通常2程度である。鎖伸
長反応後は通常4程度かそれ以上になることがある。分
子量分布があると好ましくない用途には、必要に応じて
通常知られている分子量分別法を用いて分子量分布を制
御することができる。
【0051】分子量分別法には貧溶媒による再沈法、ゲ
ルを充填したカラム中を通過させて分子の大きさでふる
い分けをする方法等が知られている。例えば、本発明の
ポリエステル樹脂のクロロフォルム又はDMSO等の極
性有機溶媒の溶液に、貧溶媒であるアルコール、アセト
ンを滴下する事により分子量分別できる。この場合、分
子量の高い高分子が先に沈殿する。又、本発明の高分子
溶液に貧溶媒を滴下し、白濁沈殿した後に容器の温度を
上げて沈殿を再溶解し、再び冷却することにより白濁沈
殿を得る方法で、分子量分別の精度を上げることもでき
る。分子量分別の方法はこれに限定されるものではな
く、例えばAnalysis of polymer
s, T. R. Crompton, Pergam
on Pressに記述されている方法を用いることも
できる。
【0052】上述の方法で製造された本発明のポリエス
テル樹脂は、実質的に線状の重合体である。
【0053】上述した、本発明のポリエステル樹脂は、
単層型感光体のバインダー及び、積層型感光体の電荷輸
送層、或いは電荷輸送層及び電荷発生層の両層のバイン
ダーとして使用できる。
【0054】本発明のポリエステル樹脂は、機能分離型
構造の感光体、例えば、図1〜図3に示される様に、導
電性支持体(1)上に感光体層(2)が形成された構造
を有する感光体に使用される。すなわち、感光体層
(2)が、図1(A)に示されるように本発明のバイン
ダー樹脂、電荷発生材料及び電荷輸送材料とを含有する
単一感光体層(2a)から構成される単層型感光体、図
2(A)に示されるように、少なくとも電荷発生材料を
含有する電荷発生層(2b)と、電荷輸送材を含有する
電荷輸送層(2c)とが順次積層されたり、図2(B)
に示されるように、上記図2(A)とは逆に電荷輸送層
(2c)と電荷発生層(2b)とが順次積層された積層
型感光体、図1(B)及び図2(C)に示されるよう
に、上記単層型感光体又は積層型感光体の表面に表面保
護膜(2d)が形成された感光体、さらには、図3に示
されるように、電荷輸送層(2c)と前記単一感光体層
(2a)とが順次積層された感光体等に適用する事がで
きる。尚、前記電荷発生層(2b)には本発明のバイン
ダー樹脂を用いる必要は必ずしもなく、例えば、電荷発
生材料等を蒸着、スパッタリング等する事により形成し
ても良い。また、上記導電性支持体(1)と感光体層
(2)の間に中間層が形成されても良い。
【0055】本発明のバインダー用ポリエステル樹脂を
上述した感光体に適用する場合、少なくとも感光体
(2)に含まれていれば良く、他のバインダー材と併用
しても良い。この場合、他のバインダー材は前記感光体
の磨耗性、色素との溶解性等の必要な条件を損なわない
範囲で適時使用でき、通常は50重量%以下使用され
る。
【0056】上記の他のバインダー材としては、公知の
高分子化合物、例えば、スチレン系共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共
重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル系重
合体、スチレン−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、本発明以外の公知のポリエステル、
アルキド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹
脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホ
ン、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ケトン
樹脂、ポリビニルブチラート樹脂、ポリエーテル樹脂等
の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、エポキシアクリレ
ート、ウレタンアクリレート樹脂等の熱硬化、光硬化性
樹脂等、が例示される。無論上記例示に限ることなく、
一般にバインダー材として用いられているすべての樹脂
が使用できる。尚、電荷輸送材としても使用できるポリ
−N−ビニルカルバゾール等の光導電性ポリマーも上記
の他のバインダー材として使用できる。
【0057】上記電荷発生材料としては、セレン、セレ
ン−テルル、アモルファスシリコン、ビリリウム塩、ア
ゾ系化合物、ビスアゾ系化合物、トリスアゾ系化合物、
ジベンズピレンキノン系化合物、フタロシアニン系化合
物、インジゴイド系化合物、トリフェニルメタン系化合
物、スレン系化合物、トルイジン系化合物、ピラゾロン
系化合物、ペリレン系化合物、ペリノン系化合物、キナ
クリドン系化合物、多環キノリン系化合物、ピリリウム
系化合物等が挙げられる。無論これらの化合物に限定さ
れることはなく、公知の電荷発生材料として使用可能な
すべての化合物が用いられる。これらは必要に応じて、
2種以上混合して使用しても良い。
【0058】上述の電荷輸送材としては、例えば、クロ
ラニル、テトラシアノエチレン、2,4,7−トリニト
ロ−9−フルオレノン等のフルオレノン系化合物、2,
4,8,−トリニトロチキサントンやジニトロアントラ
セン等のニトロ化合物、4−メトキシ−トリフェニルア
ミン等のアミン系化合物、N,N−ジエチルアミノベン
ズアルデヒド、N,N−ジフェニルヒドラゾンやN−メ
チル−3−カルバゾリルアルデヒド、N,N−ジフェニ
ルヒドラゾン等のヒドラゾン系化合物、9−(4−ジエ
チルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合
物、1−(1−フェニル−4−カルバゾリル)メチリデ
ンアミノ−1,2,3,4,−テトラヒドロキノリンや
N−メチルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、1
−フェニル−3−(4−ジメチルアミノフェニル)ピラ
ゾリン、1−フェニル−3−(4−ジメチルアミノスチ
リル)−5−(4−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリ
ンや1−フェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリ
ル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン
等のピラゾリン系化合物、2−(4−ジエチルアミノフ
ェニル)−4−(4−ジメチルアミノフェニル)−5−
(2−クロロフェニル)オキサゾール等のオキサゾール
系化合物、2,5−ジ(4−N,N−ジメチルアミノフ
ェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ジ
(4−N,N−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4
−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、イ
ソオキサゾール系化合物、2−(4−ジエチルアミノス
チリル)−6−ジエチルアミノベンゾチアゾール等のチ
アゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾ
ール系化合物、ピラゾール系化合物、インドール系化合
物、トリアゾール系化合物、スチルベン系化合物、トリ
フェニルメタン系化合物等の含窒素環式化合物や縮合多
環族化合物、さらには、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、エチ
ルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられ
る。無論、上記例に限ることなくOPCの電荷輸送材に
使用可能な化合物であればすべて本発明に適用できる。
また、これらの電荷輸送材は2種類以上混合して使用す
ることも可能である。
【0059】図1(1)の導電性支持体の材質として
は、例えばアルミニュウム、ニッケル、銅、亜鉛、パラ
ジュウム、銀、インジュウム、ステンレス等の金属シー
トを用いることができるが、これに限定されるものでは
なく、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の絶縁性
の基体上に導電性層を設けて支持体を構成することもで
きる。
【0060】上記、単層型の感光体層(2)を有する感
光体における、本発明のポリエステルバインダー、電荷
発生材と電荷輸送材の使用割合は、目的とする感光体に
応じて適宜選択することができるが、感光体の感度を充
分に保ち、表面電位の低下を防止し、感光体の耐磨耗性
を良好に保つためにも、通常はバインダー100重量部
に対して、電荷発生材2〜25重量部、電荷輸送材25
〜150重量部の範囲が好ましい。また、単層型の感光
体層(2)の厚さは目的に応じて適宜決められるが、通
常は3〜50μmの範囲である事が好ましい。
【0061】上記、積層型の感光体層(2)における電
荷発生層(2b)を形成する方法としては、電荷発生材
を真空蒸着せしめる方法、電荷発生材を適当な結着性樹
脂を用いてバインダー成形する方法等がある。電荷発生
層(2b)を本発明のポリエステル樹脂を含む結着性樹
脂等を用いて形成する場合、前記電荷発生材100重量
部に対して結着性樹脂が0〜300重量部であることが
好ましい。結着性樹脂等の重量が多いほど、導電性基板
の支持体への密着性が増加する。上述の電荷発生層は目
的に応じて適宜の厚さにすることができるが、通常0.
1〜5μmの範囲にある事が好ましい。
【0062】さらに、上記積層型の感光体層(2)にお
ける電荷輸送層(2c)を本発明のポリエステル樹脂を
含む結着性樹脂等を用いて形成する場合、前記電荷輸送
材100重量部に対して結着性樹脂が25〜500重量
部であることが好ましい。結着性樹脂等の重量が25重
量部以上であると、電荷輸送層の強度が向上するため好
ましく、500重量部以下であると電荷輸送能に優れる
ため好ましい。上述の電荷発生層は目的に応じて適宜の
厚さにすることができるが、通常2〜100μmの範囲
にある事が好ましい。
【0063】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。
【0064】1.極限粘度 クロロフォルム中に共重合体0.15〜0.5gを溶解
後、ウベロード粘度計を用いて通常の方法で、20℃で
極限粘度を決定した。
【0065】2.分子量 東洋ソーダ製のカラムG3000H、7.5×60cm
を用い、クロロフォルムを溶媒として用い、35℃で試
料の溶離容積を測定した。標準ポリスチレンを用いて作
成した検量線から、数平均分子量と重量平均分子量を求
めた。
【0066】3.電子写真特性 川口電気製作所製の「エレクトロメーター」を用いて測
定した。即ち、感光体表面を帯電電位−6KVで5秒間
帯電させたときの受容電位Va(V)と、5秒間暗減衰
させた後の電位Vi(V)を半分にするために必要な露
光量E(lux.秒)を調べた。
【0067】4.耐磨耗製 アルミニュウムのドラム上に形成した感光体に1cm2
当たり10gの加重を掛けて、PPC用紙の上を10c
m/秒の速さで1時間滑走させて磨耗量を測定した。
【0068】実施例1〜2 テレフタル酸ジメチルエステル 55mol、10.6
8kg、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル]−4−メチルペンタン 38.5mo
l、13.60kg、エチレングリコール 116mo
l、7.2kgを原料とし、触媒として、酢酸カルシル
ム 0.091mol、15.99gを用い、これらを
反応槽に投入し、攪拌しながら常法に従って190℃か
ら230℃に徐々に加熱してエステル交換反応を行っ
た。所定量のメタノールを系外へ抜き出した後、重合触
媒である酸化ゲルマニウム 0.066mol、6.9
gと、着色を防止するため、リン酸トリメチルエステル
0.1mol、14gとを投入して、昇温と減圧を徐
々に行い、発生するエチレングリコールを抜きながら、
加熱槽温度を290℃、真空度を1Torr以下に到達
させる。この条件を維持し、粘度の上昇を待ち、所定の
撹拌トルクに到達後(約3時間後)反応を終了し、反応
物を水中に押し出してペレットを得た。このポリエステ
ルを「ポリエステルバインダー1」とする(実施例
1)。
【0069】このポリエステルバインダー1の極限粘度
の値は0.52であった。GPCより求めた重量平均分
子量は75,000であり、数平均分子量は33,00
0であった。またガラス転移温度は115℃であった。
【0070】上述のポリエステル樹脂30gをトリクロ
ロベンゼンに溶解させ40重量%の溶液を調製した。数
平均分子量より計算したポリエステ共重合体のモル数の
1.1倍のメチレンビス(4−フェニルイソシアネー
ト)0.337gと0.175mgのジアゾビスシクロ
〔2.2.2〕オクタンを上述の溶液に加え、150℃
で10時間、窒素気流下で加熱攪拌した。得られた反応
物をメタノール中に再沈し、大量のメタノールと蒸留水
で洗浄して本発明の鎖伸長ポリエステル樹脂「ポリエス
テルバインダー2」を得た(実施例2)。
【0071】上述のポリエステルバインダー2の極限粘
度の値は0.78dl/gで、GPCより求めた重量平
均分子量は120,000であり、数平均分子量は3
8,000であった。またガラス転移温度は105℃で
あった。
【0072】次に、構造式(6)で示されるビスアゾ化
合物20gをジクロロメタン1リットルと共にボールミ
ルで粉砕混合し、得られた分散液中にアルミニュウムド
ラムを浸せきすることによりドラム表面に溶液をコーテ
ィングした。次にこのドラムを十分乾燥して溶剤を蒸発
させ、厚さ0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0073】
【化8】
【0074】次に、100gの構造式(7)で示される
スチリル化合物と200gのポリエステルバインダー1
をジクロロメタン1リットルに溶解させ、これに先の電
荷発生層を形成したドラムを浸せきし、電荷発生層上に
新たに溶液をコーティングした。これを80℃で約1時
間乾燥して、厚さ20μmの電荷輸送層を形成した。こ
の感光体ドラムを試料OPC1とする。
【0075】ポリエステルバインダー1の代わりにポリ
エステルバインダー2を使用する以外は試料OPC1と
全く同様にして、試料OPC2を作成した。
【0076】
【化9】
【0077】比較例1 実施例1の「ポリエステルバインダー1」の代わりにビ
スフェノールA型のポリカーボネイトを使用する以外
は、実施例1と同様にして感光体ドラムを作成し、これ
を試料OPC3とする。
【0078】上述した試料OPC1から試料OPC3に
ついて、電子写真特性と磨耗量を測定した。結果を表1
に示す。
【0079】
【表1】
【0080】実施例3〜10、比較例2 実施例1とほぼ同様の方法に従って、表2に示した組成
で試料樹脂を作成した後に感光体ドラムを作成した。こ
れら、実施例3〜10、比較例2について磨耗量を測定
した結果を表2に示す。表中、鎖伸長反応を用いた実施
例については○印で示した。
【0081】
【表2】
【0082】以上の結果より本発明の、2,2−ビス
〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−4−メ
チルペンタンを代表例とする特殊ジヒドロキシ化合物を
共重合したポリエステルは、OPC用バインダーとして
好適であることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】単層型感光体の構造を示す図である。
【図2】電荷発生層(2b)と電荷輸送層(2c)が積
層された積層型感光体の構造を示す図である。
【図3】単一感光体層(2a)と、電荷輸送層(2c)
が積層された積層型感光体の構造を示す図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 感光体層 2a 単一感光体層 2b 電荷発生層 2c 電荷輸送層 2d 表面保護膜
フロントページの続き (72)発明者 藤 通昭 大阪府豊中市東豊中町5丁目2番地103− 105号 (72)発明者 堀川 幸雄 大阪府松原市柴垣1丁目27番12号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボン酸またはそのエステル形成性
    誘導体とジオールから重合されるポリエステル樹脂であ
    って、ジオールが、全ジオール量を100として10m
    ol%以上の一般式(1) 【化1】 (R1 は炭素数2から4のアルキレン基、R2 、R3
    4 及びR5 は水素または炭素数1から4のアルキル
    基、アリール基、アラルキル基であり同じであっても異
    なっていても良く、R6 及びR7 は炭素数1から10の
    アルキル基である。)で表されるジヒドロキシ化合物を
    含有することを特徴とする電子写真感光体バインダー用
    ポリエステル樹脂。
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