JPH08211054A - 抗体、抗体作製方法及び免疫学的測定方法 - Google Patents

抗体、抗体作製方法及び免疫学的測定方法

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JPH08211054A
JPH08211054A JP7015226A JP1522695A JPH08211054A JP H08211054 A JPH08211054 A JP H08211054A JP 7015226 A JP7015226 A JP 7015226A JP 1522695 A JP1522695 A JP 1522695A JP H08211054 A JPH08211054 A JP H08211054A
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JP
Japan
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antibody
hapten
reacts
pbs
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JP7015226A
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English (en)
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Noriyasu Kuzuhara
憲康 葛原
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度にハプテンの量を測定できる抗体の提
供と該抗体を用いた免疫学的測定方法の提供。 【構成】 ハプテンと該ハプテンに反応する抗体からな
る免疫複合体を用いて免疫することを特徴とする抗体作
製方法及び該抗体又は該抗体を用いる免疫学的測定方
法。ハプテン及びハプテンの修飾体に反応する第1の抗
体と該ハプテンとの免疫複合体には反応するが、第1の
抗体と該ハプテンの修飾体との免疫複合体には反応しな
いことを特徴とする抗体又は該抗体を用いる免疫学的測
定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、それ自身では免疫原性
がない低分子化合物(ハプテン)を担体(通常蛋白質の
ような高分子化合物)と結合させた形で動物に対して免
疫感作をおこなうことにより当該ハプテン部分に対する
抗体作製方法及び該抗体を用いた免疫学的測定方法に関
する。さらに詳しくは、2抗体を用いる、いわゆるサン
ドイッチアッセイ、又は凝集法による免疫学的測定方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】低分子化合物(ハプテン)はその分子量
の小ささから抗原決定基を通常1〜2ケしか持たない。
また、2つある場合も、それぞれの抗原決定基が隣接し
ているため、蛋白質等を測定する際に一般的に用いられ
ている2抗体法(いわゆるサンドイッチアッセイ)を行
うことが出来ない。そのためハプテンの場合には標識抗
原または固相化した抗原との競争反応によるいわゆる競
合法を採用している。
【0003】また、同様に、抗原物質が一価抗原である
低分子化合物(ハプテン)を測定する免疫凝集法はハプ
テンを蛋白質等に多数結合させたいわゆるポリハプテン
を用いた「凝集阻害法」と呼ばれる方法により行われて
いる。
【0004】ハプテンを測定することのできる競合法
は、サンドイッチ法と異なり抗原と反応する抗体を1種
類のみ用いることにより測定するため抗体の特異性が非
常に厳格に要求される。すなわち、サンドイッチ法では
2種類の抗体により抗原を“はさむ”ため双方の抗体の
共通反応物質のみが検出されるのに対し、競合法では1
種類の抗体が反応する物質は全て検出対象に含まれてし
まうからである。
【0005】ハプテンを測定する競合法は、被検液中の
ハプテンを測定するために競合対象とするハプテン、お
よび抗体の3者の濃度関係により測定感度が大きく影響
を受けていた。例えば固相化抗原と標識化抗体を用いる
「標識抗体法」の場合で説明すると、前述3者のうち被
検液中ハプテンを測定するために調整可能な固相化抗原
濃度、標識化抗体濃度はいずれも高すぎるほど測定対象
ハプテンの検出感度は低下する。特に固相化抗原の濃度
の影響は大きく、その他の測定条件にもよるが固相の抗
原濃度を10倍高めるとハプテンの検出感度は1/10程度に
なってしまう。従って、常に至適条件下で安定して測定
を行う上で問題があった。また、測定対象物(ハプテ
ン)の濃度に対してシグナルの直線性が得られ難く、濃
度域によるデータのばらつきが異なるという問題があっ
た。
【0006】また、検出感度の点においても競合法はサ
ンドイッチ法より数オーダー低いことが指摘(エンザイ
ム・イムノアッセイ:R.H.BURDON等編:東京化学同人,
10頁)されている。
【0007】凝集法においても、凝集素としてのポリハ
プテンを用いる必要があるがその分子中の結合ハプテン
量により凝集の挙動が異なるため安定した凝集性能を維
持するためには安定したハプテンの結合数を示すポリハ
プテンを調製することが重要であったが同時に困難もあ
った。また、そのポリハプテン量を増やしすぎると被検
液中のハプテンが存在しないにも関わらず見かけ上凝集
が抑制されたような挙動を示すことがあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ハプテンの場合にも2
抗体法と同様な方法により検出するか、‘競合的’にで
はなく‘付加的’に反応を行うことが出来れば濃度に対
する直線性をはじめ上記の問題はすべて解決することに
着目し、従来不可能とされたハプテンの2抗体測定法に
よる測定が本発明により可能になった。
【0009】従って、本発明の目的は、分子量の小さい
ハプテンを、低濃度で効率よく定量できる抗体の作製方
法を提供し、かつ該抗体を用いた免疫学的測定方法の提
供にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により解決される。
【0011】1) ハプテンと該ハプテンに反応する抗
体からなる免疫複合体を用いて免疫することを特徴とす
る抗体作製方法。
【0012】2) ハプテンと該ハプテンに反応する抗
体からなる免疫複合体に対して反応し、該ハプテンに反
応する抗体には反応しないことを特徴とする抗体。
【0013】3) 前記ハプテンに反応する抗体がモノ
クローナル抗体であることを特徴とする前記2記載の抗
体。
【0014】4) 前記免疫複合体に対して反応する抗
体がモノクローナル抗体であることを特徴とする前記2
記載の抗体。
【0015】5) 前記ハプテンに反応する抗体および
前記免疫複合体に対して反応する抗体がいずれもモノク
ローナル抗体であることを特徴とする前記2記載の抗
体。
【0016】6) 前記ハプテンに反応する第1の抗体
を固相に吸着し、次いで該ハプテンを含む被検液を接触
させて該ハプテンを結合させた後、前記2乃至5のいず
れか1項に記載の抗体を反応させ前記2、3、4又は5
記載の抗体を検出することを特徴とする免疫学的測定方
法。
【0017】7) ハプテンとハプテンに反応する第1
の抗体からなる免疫複合体の被検液を、前記2乃至5の
いずれか1項に記載された抗体を吸着した固相と接触、
反応させた後第1の抗体を検出することにより該ハプテ
ンを検出することを特徴とする免疫学的測定方法。
【0018】8) ハプテン及びハプテンの修飾体に反
応する第1の抗体と該ハプテンとの免疫複合体には反応
するが、第1の抗体と該ハプテンの修飾体との免疫複合
体には反応しないことを特徴とする抗体。
【0019】9) 前記8記載の第1の抗体がFc部分
を欠落した抗体であることを特徴とする前記8記載の抗
体。
【0020】10) 前記8又は9記載の第1の抗体がモ
ノクローナル抗体であることを特徴とする前記8又は9
記載の抗体。
【0021】11) ハプテン及びハプテンの修飾体に反
応する第1の抗体を固相化した後、被検液中の該ハプテ
ンとを反応させ、次いで、過剰量の前記ハプテン修飾体
および標識化された前記8、9又10記載の抗体を反応さ
せた後、固相化された前記8、9又10記載の抗体を検出
することにより該ハプテンを検出することを特徴とする
免疫学的測定方法。
【0022】12) 標識化されたハプテン及びハプテン
の修飾体に反応する第1の抗体と被検液中の該ハプテン
とを反応させた後、過剰量の該ハプテン修飾体および固
相化された前記8、9又10記載の抗体を反応させた後、
固相化された前記第1の抗体を検出することにより該ハ
プテンを検出することを特徴とする免疫学的測定方法。
【0023】13) 不溶性担体粒子に吸着もしくは結合
させたハプテン及びハプテン修飾体に反応する第1の抗
体と被検液中の該ハプテンと反応させた後、過剰量の該
ハプテン修飾体および前記8、9又10記載の抗体を反応
させた後、前記8、9又10記載の抗体に反応する抗体を
添加して不溶性担体粒子の凝集を起こし、その凝集度合
いを測定することにより該ハプテンを検出することを特
徴とする免疫学的測定方法。
【0024】14) ハプテン及びハプテン修飾体に反応
する第1の抗体と被検液中の該ハプテンを反応させた
後、過剰量の該ハプテン修飾体および不溶性担体粒子に
吸着もしくは結合させた前記8、9又10記載の抗体を反
応させ、次いで、該第1の抗体に反応する抗体を添加す
ることにより不溶性担体粒子の凝集を起こし、その凝集
度合いを測定することにより該ハプテンを検出すること
を特徴とする免疫学的測定方法。
【0025】本発明において、分子量の小ささからハプ
テンに対して抗体は1カ所しか反応する部位を持たない
場合であっても、ハプテンが抗体と結合した状態であれ
ばその結合しているハプテンに対して第2の抗体が反応
することが出来ることを見いだした。
【0026】ハプテンに対する抗体を例えば通常の方法
(ハプテンをキャリアー蛋白質に結合して免疫感作して
抗血清からポリクローナル抗体を分離するか、または脾
臓細胞を取り出して同種動物のミエローマ細胞と融合し
てモノクローナル抗体を分離する。)により作製し(以
下第1の抗体)、該第1の抗体と抗原との免疫複合体を
形成させた状態で新たに免疫感作を行い、該第1の抗体
と結合した抗原に対して反応し、当該第1の抗体自身に
は反応しない抗体(以下第2の抗体)を分離する。この
場合免疫複合体を免疫感作する場合には通常のアジュバ
ントを用いても良いが免疫複合体を解裂させない為に静
脈注射または、脾臓に直接注射する等の方法を採ること
が好ましい。また、第1の抗体、第2の抗体はモノクロ
ーナル抗体であっても、ポリクローナル抗体であっても
良いが、モノクローナル抗体が好ましく用いられる。
【0027】こうして得られた第1の抗体と第2の抗体
とを用いて以下のような測定系によりハプテン分子を定
量することが可能となった。すなわち、第1の抗体とハ
プテンを反応させた後該免疫複合体と第2の抗体とを反
応させ、{第1の抗体-ハプテン-第2の抗体}の複合体
を検出することによりハプテンを定量する。
【0028】詳細な態様を示すと、例えば、第1の方法
としては、第1の抗体を固相に固定化してハプテンを含
む被検液と接触させてハプテンを結合させた後第2の抗
体を反応させる。第2の抗体を直接または間接に標識化
しておくことにより当業者に知られた方法により固相に
結合したハプテンを定量することが出来る。標識をシグ
ナルに変換する方法は当業者に知られているところであ
る。標識は直接抗体に結合させる、または、ビオチン・
アビジン系を用いて結合させる、第2の抗体に反応する
抗体に結合させることにより間接的に標識物質を結合さ
せることもできる。標識化合物は当然にHRPなどの酵
素を用いても良いし、放射性元素を用いても良いし、ま
たその他当業者に知られる方法により行うことが出来
る。
【0029】第2の方法としては、第1の抗体をハプテ
ンを含む被検液中に加えて第1の抗体とハプテンの免疫
複合体を形成させ、次いで該複合体を含む被検液を固相
化した第2の抗体に接触させる。次いで、直接または間
接に標識化された第1の抗体を検出することによりハプ
テンの定量を行う。標識物質は前述と同様であり、標識
は、例えば予め標識しておいた(酵素あるいは放射性元
素)標識化抗体を用いることもできるし、ビオチン化標
識した第1抗体を用いることもできる。また、第1抗体
はハプテンと反応させる段階では標識されてないものを
用い、第2抗体-ハプテンを介して固相化された時点で
第1の抗体に反応する物質(例えば抗「第1抗体」抗
体)を標識化しておいたものを反応させて検出を行って
も良い。
【0030】このように、ハプテン測定においても、本
発明を用いることにより2抗体法が可能となり競合法よ
りも高感度に測定することが可能となった。また、第2
の方法によればハプテンに対して十分に特異的な抗体が
作製されない場合(交差反応性が確認される場合)にお
いても第2の抗体が、交差反応物質(例えばハプテン類
似物質)と第1の抗体との免疫複合体に対してハプテン
と第1の抗体との免疫複合体のより反応性が高いものを
用いることによって測定の特異性を向上させることが可
能である。
【0031】また、本発明の別の態様として、抗体が分
子量の小さいハプテンに反応した場合その抗体分子上の
抗原反応部位近傍はあまり立体障害を受けないので、ハ
プテン修飾体(例えばハプテンに蛋白質のような高分子
を結合させたもの)と抗体を反応させ、その抗体分子上
の抗原決定部位近傍は大きな立体障害を付与する。すな
わち、第1の抗体を測定対象のハプテンと反応させた
後、未反応抗体をハプテン修飾体でブロックして第2の
抗体を第1の抗体のハプテン結合部位近傍に反応させる
ことにより、サンドイッチ様の‘付加的’とすることが
出来る。
【0032】ハプテンに対する抗体を例えば通常の方法
(ハプテンをキャリアー蛋白質に結合して免疫感作して
抗血清からポリクローナル抗体を分離するか、または脾
臓細胞を取り出して同種動物のミエローマ細胞と融合し
てモノクローナル抗体を分離する。)により作製する
(以下第1の抗体)。第1の抗体は第2の抗体の免疫原
となることからモノクローナル抗体であることが好まし
い。第2の抗体は例えば以下のようにして得られる。上
述の操作により得た第1の抗体を精製して動物に免疫を
行う。この場合、第1の抗体はFab部分を含んでいれば
フラグメントであっても良い。第2の抗体がポリクロー
ナル抗体である場合は、免疫感作の結果得られた抗血清
を例えば当業者において知られる方法(陰イオン交換カ
ラム等)によりIgG画分のみを精製した後、ハプテンと
結合した第1の抗体を固定化したアフィニティ・カラム
に吸着した画分を、続いてハプテン修飾体と結合した第
1の抗体のアフィニティ・カラムに通過させて通過した
画分を「第2の抗体」として用いることが出来る。第2
の抗体についてもモノクローナル抗体が好ましく用いら
れる。第2の抗体がモノクローナル抗体である場合に
は、例えば通常の方法により細胞融合を行いハイブリド
ーマを樹立し、第1の抗体とハプテンとの結合体には反
応し第1の抗体とハプテン修飾体との結合体には反応し
ない抗体を産生するウェルからハイブリドーマのクロー
ンを分離して、当該ハイブリドーマをInvitro、また
は、In vivoで培養して常法により抗体を分離し、「第
2の抗体」とすることが出来る。
【0033】こうして得られた第1の抗体と第2の抗体
とを用いて以下のような測定系によりハプテン分子を定
量することが可能となった。すなわち、第1の抗体とハ
プテンを反応させた後、ハプテン修飾体を充分量反応さ
せた後、または同時に、第2の抗体とを反応させ、{第
1の抗体-第2の抗体}の複合体を検出することにより
ハプテンを定量する。
【0034】詳細な態様を示すと、例えば、第1の方法
としては、第1の抗体を固相に固定化してハプテンを含
む被検液と接触させてハプテンを結合させた後、過剰量
のハプテン修飾体と第2の抗体を反応させる。第2の抗
体を直接または間接に標識化しておくことにより当業者
に知られた方法により固相に結合したハプテンを定量す
ることが出来る。標識をシグナルに変換する方法は当業
者に知られているところである。標識は直接抗体に結合
させる、または、ビオチン・アビジン系を用いて結合さ
せる、第2の抗体に反応する抗体に結合させることによ
り間接的に標識物質を結合させることもできる。標識化
合物は当然にHRPなどの酵素を用いても良いし、放射
性元素を用いても良いし、またその他当業者に知られる
方法により行うことが出来る。
【0035】第2の方法としては、直接または間接に標
識化された第1の抗体をハプテンを含む被検液中に加え
て第1の抗体とハプテンの免疫複合体を形成させた後、
過剰量のハプテン修飾体と当該複合体を含む被検液を固
相化した第2の抗体に接触させる。次いで、直接または
間接に標識化された第1の抗体を検出することによりハ
プテンの定量を行う。標識物質は前述と同様であり、標
識は、例えば予め標識しておいた(酵素あるいは放射性
元素)標識化抗体を用いることもできるし、ビオチン化
した第1抗体を用いることもできる。ビオチン化した第
1抗体を用いた場合は標識化アビジン、または標識化ス
トレプトアビジンを用いればよい。また、第1抗体はハ
プテンと反応させる段階では標識されてないものを用
い、第2抗体-ハプテンを介して固相化された時点で第
1の抗体に反応する物質(例えば抗「第1抗体」抗体)
を標識化しておいたものを反応させて検出を行っても良
い。
【0036】この方法によりハプテンを測定することに
より競合法よりも高感度に、かつ安定に測定することが
可能となった。
【0037】また、凝集法については上述の標識化した
ものを検出する代わりに不溶性担体粒子の凝集度を検出
することにより目的を達せられる。凝集法においては、
第1の抗体がFc部分を欠落したものであることが好ま
しい。
【0038】本発明において、ハプテンとしてはどのよ
うなものでも可能であり、例えば生理機能を有すると考
えられているビオプテリンなどが挙げられる。本発明の
ハプテンは、必ずしも1つのエピトープのみを有するも
のに限定されない。複数のエピトープを有するものであ
っても適用できるが、エピトープが1つのみのハプテン
が好ましい。
【0039】
【実施例】以下に実施例を示し本発明の詳細な説明を行
うが、これにより限定されるものではない。
【0040】実施例1 第1の抗体の作製 BSA(シグマ社製)50mgを6.25mlのリン酸緩衝生理食塩
水(PBS)に溶解し、50%グルタルアルデヒド(G
A)溶液25μlを加えて4℃で4時間撹拌して反応させ
た。これをセファデックスG−25(ファルマシア社製)カ
ラム(10×100mm)にかけてグルタルアルデヒド結合B
SA10mgを得た。これをビオプテリン(BP)(アルド
リッチ社製)2.0mgと混合して4℃で一晩反応させた。反
応終了後、1Mグリシン,0.1Mトリスを含む水溶液を1
50μl添加して更に一晩放置後、PBSで十分に透析し
てBSA−GA−BPを得た。
【0041】これを200μg/mlのPBS溶液として完
全フロインドアジュバントと等量混合しエマルジョンに
してBALB/c系マウス(雌、8週令)に腹腔投与
し、再度3週間後に同一免疫原と不完全フロインドアジ
ュバントを用いて同様に腹腔投与により免疫感作を行っ
た。この投与の2週間後に採血して酵素免疫測定法(E
LISA)により抗体価を測定して陽性であることを確
認した後、PBSに溶解したBSA−GA−BP試料30
0μgを静脈注射した。3日後、該マウスより脾臓を無
菌的に摘出し、細胞融合を行った。
【0042】(ELISA法)BSAの代わりにKLH
(ピアス社製)を用いて同様にして調製したKLH−GA
−BPを96穴マイクロタイタープレートに5μg/mlの
濃度のPBS溶液として50μlづつ添加した。4℃で一
晩静置した。PBSで洗浄後、1%BSA・PBを150
μlづつ添加して37℃で1時間ブロッキングを行った。
その後当該液を除去して、採血したマウスの抗血清を1
%BSA・PBSにより1000倍から段階希釈して(細胞
融合の結果得られたハイブリドーマの培養上清の抗体価
を測定する場合は、培養上清を原液または適当倍率に希
釈して)50μlづつ添加して37℃で1時間反応させた。
この際、当該液中にBPを10μg/mlの濃度で加えたも
のも並行して行う。反応終了後PBSで洗浄し、HRP
標識化ウサギ抗マウスIg(カッペル社製)を1%BSA
・PBSにより希釈して添加し、室温で1時間反応させ
た。その後、溶液を除去し、PBSで充分に洗浄した
後、基質として濃度1.5mg/mlのo-フェニレンジアミン
を溶解したクエン酸・リン酸緩衝液(pH5.0)(0.02%H2O
2を含む)を各ウェルに100μlづつ添加し発色させた。9
N硫酸50μlを各ウェルに加えて発色反応を停止し、波
長492nmの吸光度をマイクロプレトリーダーMPRA4
(東ソー社製)を用いて測定した。
【0043】(細胞融合)免疫されたマウスから脾臓を
無菌的に摘出し、ステンレスメッシュにより単細胞にほ
ぐし、脾細胞の1/5量のマウスミエローマ細胞株P3×6
3−Ag8−653細胞とRPMI1640培地(日水製薬製)を混
合し遠心分離後、細胞のペレットに50%ポリエチレング
リコール1500(べーリンガー社製)を加え、融合操作を行
った。その後徐々にPRMI1640液で希釈し遠心分離に
より上清を除去した融合細胞を、20%牛胎児血清(FC
S)を加えたHAT培地(0.01mMヒポキサンチン、1.6
μMチミジン、0.04μMアミノプテリンを含むRPMI
1640培地)に懸濁し、96穴マイクロプレートに1ウェル
あたり1×105個の細胞をまき込み5%CO2下37℃で培養
した。
【0044】2週間後、コロニー生育ウェル培養上清を
用いてELISA法によりBPに反応するウェルをスクリ
ーニングした。スクリーニングした抗体産生コロニーの
うちの一つを限界希釈法によりクローニングを3回行い
安定した抗体産生クローンMB386を得た。
【0045】(モノクローナル抗体の精製)クローン化
したハイブリドーマMB386について10%FCSを加え
たRPMI1640培地で培養し、遠心分離(200g,5分
間)してRPMI1640培地で洗浄して再度遠心分離した
後RPMI1640で1×107個/mlの濃度に懸濁した。こ
れを7日前にあらかじめプリスタン(2,6,10,14-テトラ
メチルペンタデカン)を注射しておいたBALB/c系
マウスの腹腔に0.5mlづつ接種した。約2週間後、腹部
の膨張したマウスから腹水を採取し、遠心分離(200
g,5分間)により細胞を除去した後、これを硫酸アン
モニアムを加えて50%飽和溶液とし、沈澱を分離してP
BSに溶解した。
【0046】これを3M塩化カリウムを含む1.5Mグリ
シン緩衝液(pH8.0)で十分に透析し、プロテインAカラ
ム(20mm×5mm)(ファルマシア社製)にアプライして十
分に吸着させた後3Mチオシアン酸カリウムを含むグリ
シン緩衝液で溶出した。
【0047】(モノクローナル抗体の特徴づけ)モノク
ローナル抗体の抗体クラスとサブクラスは、マウスモノ
クローナル・サブ-アイソタイピングキット(AMERICAN Q
UALEX社製)を使用して決定した。その結果、得られたモ
ノクローナル抗体MB386はIgG1と決定された。
【0048】また、同様の方法によりBPに反応するモ
ノクローナル抗体MB703を得た。
【0049】第2の抗体の作製 BALB/c系マウス(雌、8週齢)をジエチルエーテ
ルを用いて麻酔をかけた後左上腹部を剃毛した後、表皮
を約15mm切開した。内皮を透して脾臓部分に前述の第1
のモノクローナル抗体MB386を2mgとBP1mgをPB
S1mlに溶解し、200μlを接種した後、縫合した。4〜
5日後、該マウスより脾臓を摘出し前述と同様に細胞融
合を行った。
【0050】2週間後、コロニー生育ウェル培養上清を
用いてELISA法によりBPに反応するウェルをスクリーニ
ングした。即ち、96穴マイクロタイタープレート(ヌン
ク社製)の各ウェルに、PBSに希釈した抗マウス・イ
ムノグロブリン(A+M+G)(ザイメット社製)を5μ
g/mlの濃度で50μlづつ分注し、4℃で一晩吸着し
た。該液を除去した後1%牛血清アルブミン(BSA)
を含むPBS(以下1%BSA・PBS)を100μlづつ
添加し37℃で1時間ブロッキングを行った。BSA溶液
を除去した後、抗体を含む液(即ち、培養上清)50μl
を加え、37℃で1時間インキュベートした。
【0051】別に、西洋わさびペルオキシダーゼ(以下
HRP)(ベーリンガー・マンハイム社製:グレード,
RZ=3.0、250IU/ml)5mgを蒸留水0.5mlに溶解し、メ
タ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4:和光純薬工業製)を蒸
留水0.5mlに溶解し、これらを混合して室温で反応させ
た。20分後、エチレングリコール(和光純薬工業製)を10
μl加えて反応を停止させた。あらかじめ2mMクエン酸
緩衝液(pH3.5)で平衡化しておいたSephadexG−25(フ
ァルマシア社製:φ1×5cm)に当該反応液を通して脱
塩し、濃度6.5mg/mlのHRP溶液0.5mlを得た。これを
前記モノクローナル抗体MB386(4mg/ml)のリン酸緩
衝生理食塩水(以下PBS)(pH7.4)の溶液1.0mlと透析
チューブ中にて混合し、100mM炭酸緩衝液(pH9.5)で透
析しながら室温で4.5時間反応した。反応終了後、反応
液に1Mグリシン溶液100μlを添加し、次いで1mgのシ
アノ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH3CN:シグマ社製)を
添加して、4℃で15時間反応し、PBSで透析してHR
P標識化したモノクローナル抗体MB386−HRPを得
た。
【0052】MB386−HRPと抗原(ハプテン)とし
てのBPの最終濃度がそれぞれ1μg/ml及び50μg/
mlとなるように添加して37℃で1時間反応させた溶液、
又はMB386−HRPを1%BSA・PBSで希釈して
1μlとした溶液を、それぞれ50μlづつ添加したものを
37℃で2時間反応した。反応終了後PBSで洗浄し、H
RP標識化ウサギ抗マウスIg(カッペル社製)を1%B
SA・PBSにより希釈して添加し、室温で1時間反応
させた。その後、溶液を除去し、PBSで充分に洗浄し
た後、基質として濃度1.5mg/mlのo-フェニレンジアミ
ンを溶解したクエン酸・リン酸緩衝液(pH5.0)(0.02%H
2O2を含む)を各ウェルに100μlづつ添加し発色させた。
9N硫酸50μlを各ウェルに加えて発色反応を停止し、
波長492nmの吸光度をマイクロプレトリーダーMPRA
4(東ソー社製)を用いて測定した。
【0053】この結果、ハプテンを含む溶液にて発色し
てハプテンを含まない溶液において発色しないウェルを
選択し、特に前者のシグナルが強く後者のシグナルが全
くないウェルを選択して3回クローニングを繰り返して
安定な抗体産生株ME216を得た。
【0054】(モノクローナル抗体の精製)クローンM
E216について10%FCSを加えたRPMI1640培地で
培養し、遠心分離(200g,5分間)してRPMI1640
培地で洗浄して再度遠心分離した後RPMI1640で1×
107個/mlの濃度に懸濁した。これを7日前にあらかじ
めプリスタン(2,6,10,14-テトラメチルペンタデカン)
を注射しておいたBALB/c系マウスの腹腔に0.5ml
づつ接種した。約2週間後、腹部の膨張したマウスから
腹水を採取し、遠心分離(200g,5分間)により細胞
を除去した後、これを硫酸アンモニアムを加えて50%飽
和溶液とし、沈澱を分離してPBSに溶解した。
【0055】これを3M塩化カリウムを含む1.5Mグリ
シン緩衝液(pH8.0)で十分に透析し、プロテインAカラ
ム(20mm×5mm)(ファルマシア社製)にアプライして十
分に吸着させた後3Mクエン酸緩衝液で溶出した。
【0056】(モノクローナル抗体の特徴づけ)モノク
ローナル抗体の抗体クラスとサブクラスは、マウスモノ
クローナル・サブ-アイソタイピングキット(AMERICAN Q
UALEX社製)を使用して決定した。その結果、得られたモ
ノクローナル抗体ME216はIgG1と決定された。
【0057】実施例2 モノクローナル抗体MB386を濃度5μg/mlにPBS
で希釈して、96穴マイクロタイタープレート(ヌンク社
製)に100μlづつ加えて4℃で一晩吸着させた。これを
PBSで洗浄した後、1%BSA・PBS溶液を200μl
づつ加えて37℃で1時間静置してブロッキングしてから
液を除去した。次に、1%BSA・PBSにBPを0,
0.1,0.3,0.9,2.7,8.1μg/ml添加したもの、健常
者尿をPBSで2倍に希釈したものをそれぞれ各ウェル
に加えて37℃で1時間反応した。反応終了後PBSで十
分に洗浄した後、ME216を実施例1と同様にしてペル
オキシダーゼ標識したME216−HRP(1%BSA・
PBSで2000倍希釈)を50μlづつ各ウェルに加え、室
温で1時間反応させた。次いで溶液を除去し、PBSで
充分に洗浄した後、基質として濃度1.5mg/mlのo-フェ
ニレンジアミンを溶解したクエン酸・リン酸緩衝液(pH
5.0)(0.02%H2O2を含む)を各ウェルに100μlづつ添加し
発色させた。9N硫酸50μlを各ウェルに加えて発色反
応を停止し、波長492nmの吸光度をマイクロプレトリー
ダーMPRA4(東ソー社製)を用いて測定した。その結
果を図1に示す。
【0058】実施例3 MB386を0.1MNaHCO3,pH8.3で透析し、1.0mg/mlの濃
度に調整した。次にビオチン-スクシンイミドエステル
(ベーリンガーマンハイム社製)をジメチルスルホキシド
に溶解し1.0mg/mlとして、すばやくビオチン/抗体比
=240μl/mlで混合して室温で4時間放置した。反応終
了後、当該反応液をPBSにて透析し、ビオチン化標識
MB386(MB386−BT)とした。
【0059】MB386−BT(20μg/ml)50μlを、1
%BSA・PBSにBPを0,0.1,0.3,0.9,2.7,8.
1μg/ml添加したもの及び健常者尿をPBSで2倍に
希釈したもの(それぞれ100μl)と混合し、37℃で1時
間反応した。一方、ME216を濃度5μg/mlにPBS
で希釈して、96穴マイクロタイタープレート(ヌンク社
製)に100μlづつ加えて4℃で一晩吸着させた。これを
PBSで洗浄した後、1%BSA・PBS溶液を200μl
づつ加えて37℃で1時間静置してブロッキングしてから
液を除去した。ここへ、前述のMB386−BTとBPを
含む液との反応物を50μlづつ添加して、37℃で1時間
反応させた。反応終了後反応液を除去して、HRP標識
化アビジン(EYラボラトリーズ社製)5mg/mlを1%B
SA・PBSで5000倍希釈したものを50μlづつ添加し
て室温で1時間反応した。溶液を除去し、PBSで充分
に洗浄した後、基質として濃度1.5mg/mlのo-フェニレ
ンジアミンを溶解したクエン酸・リン酸緩衝液(pH5.0)
(0.02%H2O2を含む)を各ウェルに100μlづつ添加し発色
させた。9N硫酸50μlを各ウェルに加えて発色反応を
停止し、波長492nmの吸光度をマイクロプレトリーダー
MPRA4(東ソー社製)を用いて測定した。その結果を
図2に示す。
【0060】比較例1 モノクローナル抗体MB386を濃度5μg/mlにPBS
で希釈して、96穴マイクロタイタープレート(ヌンク社
製)に100μlづつ加えて4℃で一晩吸着させた。これを
PBSで洗浄した後、1%BSA・PBS溶液を200μl
づつ加えて37℃で1時間静置してブロッキングしてから
液を除去した。次に、1%BSA・PBSにBPを0,
0.1,0.3,0.9,2.7,8.1μg/ml添加したもの、健常
者尿をPBSで2倍に希釈したものをそれぞれHRP標
識したBPと同時に各ウェルに加えて室温で1時間反応
した。溶液を除去し、PBSで充分に洗浄した後、基質
として濃度1.5mg/mlのo-フェニレンジアミンを溶解し
たクエン酸・リン酸緩衝液(pH5.0)(0.02%H2O2を含む)
を各ウェルに100μlづつ添加し発色させた。9N硫酸50
μlを各ウェルに加えて発色反応を停止し、波長492nmの
吸光度をマイクロプレトリーダーMPRA4(東ソー社
製)を用いて測定した。
【0061】実施例3の結果(BP濃度0.54μg/ml)
は実施例2により得られた結果(BP濃度0.53μg/m
l)と実質的に一致するが、比較例1では健常尿中のB
P値が異なり、BP濃度0.62μg/mlであった。これは
ME216がMB386と反応したBPに対して特異性を有す
る抗体であるのに対して、MB386抗体はネオプテリン
に対する交差反応性(約15%)があり、なお約15%の交
差反応性は消去されていないことを示す。しかし、本発
明の請求項7記載の方法を行うことにより、実施例3で
示すように、約15%の交差反応性は完全に消去される。
したがって、本発明の2抗体法を用いた実施例3に示す
測定方法を行うことにより、単一の抗体では特異性が充
分でない場合であっても、第2抗体との併用による改善
が出来るという効果もあることが示された。
【0062】実施例4 (ハプテン修飾体の作製)ハプテン修飾体は免疫原に用
いたBSA−GA−BP(実施例1)を利用した。
【0063】第2の抗体の作製 実施例1で得た第1のモノクローナル抗体MB386を2m
gとBP1mgをPBS1mlに溶解し、実施例1と同様に
脾臓免疫注射法により免疫感作を行い、次いで実施例1
と同様に細胞融合を行い以下に示す方法によりスクリー
ニングを行った。
【0064】96穴マイクロタイタープレート(ヌンク社
製)の各ウェルに、PBSに希釈した抗マウス・イムノ
グロブリン(A+M+G)(ザイメット社製)を5μg/
mlの濃度で50μlづつ分注し、4℃で一晩吸着した。該
液を除去した後1%牛血清アルブミン(BSA)を含む
PBS(以下1%BSA・PBS)を100μlづつ添加し
37℃で1時間ブロッキングを行った。BSA溶液を除去
した後、抗体を含む液(即ち、培養上清)50μlを加
え、37℃で1時間インキュベートした。実施例1と同様
にHRP標識化したモノクローナル抗体MB386(MB3
86−HRP)2μg/mlに抗原(ハプテン)としてのB
Pを最終濃度50μg/mlとなるように添加して37℃で1
時間反応させた溶液、MB386−HRP2μg/mlに、
ハプテン修飾体としてのBSA−GA−BPを最終濃度
100μg/mlとなるように添加して37℃で1時間反応さ
せた溶液をそれぞれ50μlづつ添加したものを37℃で2
時間反応した。その後、溶液を除去し、PBSで充分に
洗浄した後、基質として濃度1.5mg/mlのo-フェニレン
ジアミンを溶解したクエン酸・リン酸緩衝液(pH5.0)
(0.02%H2O2を含む)を各ウェルに100μlづつ添加し発色
させた。9N硫酸50μlを各ウェルに加えて発色反応を
停止し、波長492nmの吸光度をマイクロプレトリーダー
MPRA4(東ソー社製)を用いて測定した。
【0065】この結果、ハプテンを含む溶液にて発色し
てハプテン修飾体を含む液において発色しないウェルを
選択し、特に前者のシグナルが強く後者のシグナルが全
くないウェルを選択して3回クローニングを繰り返して
安定な抗体産生株MC951を得た。
【0066】クローン化したハイブリドーマMC951に
ついて10%FCSを加えたRPMI1640培地で培養し、
遠心分離(200g,5分間)してRPMI1640培地で洗
浄して再度遠心分離した後RPMI1640で1×107個/m
lの濃度に懸濁した。これを7日前にあらかじめプリス
タン(2,6,10,14-テトラメチルペンタデカン)を注射し
ておいたBALB/c系マウスの腹腔に0.5mlづつ接種
した。約2週間後、腹部の膨張したマウスから腹水を採
取し、遠心分離(200g,5分間)により細胞を除去し
た後、これを硫酸アンモニアムを加えて50%飽和溶液と
し、沈澱を分離してPBSに溶解した。
【0067】これを3M塩化カリウムを含む1.5Mグリ
シン緩衝液(pH8.0)で十分に透析し、プロテインAカラ
ム(20mm×5mm)(ファルマシア社製)にアプライして十
分に吸着させた後3Mチオシアン酸カリウムを含むグリ
シン緩衝液で溶出した。
【0068】(モノクローナル抗体の特徴づけ)モノク
ローナル抗体の抗体クラスとサブクラスは、マウスモノ
クローナル・サブ-アイソタイピングキット(AMERICAN Q
UALEX社製)を使用して決定した。その結果、得られたモ
ノクローナル抗体MC951はIgG1と決定された。
【0069】実施例5 モノクローナル抗体MB386を濃度5μg/mlにPBS
で希釈して、96穴マイクロタイタープレート(ヌンク社
製)に100μlづつ加えて4℃で一晩吸着させた。これを
PBSで洗浄した後、1%BSA・PBS溶液を200μl
づつ加えて37℃で1時間静置してブロッキングしてから
液を除去した。次に、1%BSA・PBSにBPを0,
0.1,0.3,0.9,2.7,8.1μg/ml添加したもの、健常
者尿をPBSで2倍に希釈したものをそれぞれ各ウェル
に加えて37℃で1時間反応した。反応終了後PBSで十
分に洗浄した後、BSA−GA−BP50μg/mlを含む
MC951を実施例1と同様にしてペルオキシダーゼ標識
したMC951−HRP(1%BSA・PBSで1500倍希
釈)を50μlづつ各ウェルに加え、室温で1時間反応さ
せた。溶液を除去し、PBSで充分に洗浄した後、基質
として濃度1.5mg/mlのo-フェニレンジアミンを溶解し
たクエン酸・リン酸緩衝液(pH5.0)(0.02%H2O2を含む)
を各ウェルに100μlづつ添加し発色させた。9N硫酸50
μlを各ウェルに加えて発色反応を停止し、波長492nmの
吸光度をマイクロプレトリーダーMPRA4(東ソー社
製)を用いて測定した。その結果を図3に示す。
【0070】実施例6 MB386を0.1MNaHCO3,pH8.3で透析し、1.0mg/mlの濃
度に調整した。次にビオチン-スクシンイミドエステル
(ベーリンガーマンハイム社製)をジメチルスルホキシド
に溶解し1.0mg/mlとして、すばやくビオチン/抗体比
=240μl/mlで混合して室温で4時間放置した。反応終
了後、当該反応液をPBSにて透析し、ビオチン化標識
MB386(MB386−BT)とした。
【0071】MB386−BT(20μg/ml)50μlを、1
%BSA・PBSにBPを0,0.1,0.3,0.9,2.7,8.
1μg/ml添加したもの及び健常者尿をPBSで2倍に
希釈したもの(それぞれ100μl)と混合し、37℃で1時
間反応した。一方、MC951を濃度5μg/mlにPBS
で希釈して、96穴マイクロタイタープレート(ヌンク社
製)に150μlづつ加えて4℃で一晩吸着させた。これを
PBSで洗浄した後、1%BSA・PBS溶液を200μl
づつ加えて37℃で1時間静置してブロッキングしてから
液を除去した。ここへ、200μg/mlのBSA−GA−
BPを50μlづつ加えて、更に、前述のMB386−BTと
BPを含む液との反応物を50μlづつ添加して、37℃で
1時間反応させた。反応終了後反応液を除去して、HR
P標識化アビジン(EYラボラトリーズ社製)5mg/mlを
1%BSA・PBSで5000倍希釈したものを50μlづつ
添加して室温で1時間反応した。反応終了後、溶液を除
去し、PBSで充分に洗浄した後、基質として濃度1.5m
g/mlのo-フェニレンジアミンを溶解したクエン酸・リ
ン酸緩衝液(pH5.0)(0.02%H2O2を含む)を各ウェルに10
0μlづつ添加し発色させた。9N硫酸50μlを各ウェル
に加えて発色反応を停止し、波長492nmの吸光度をマイ
クロプレトリーダーMPRA4(東ソー社製)を用いて測
定した。その結果を図4に示す。
【0072】実施例7 MB386を酵素免疫測定法第三版(石川栄治ら編:医学
書院)86頁の方法に従い調製したF(ab')2をPBSに溶
解(100μg/ml)して500μlとし、0.87μmラテックス
(積水化学工業社製、「試薬用ラテックス品番N−080」
をGBS(グリシン緩衝液:0.05Mグリシン、pH8.2/
0.15M NaCl0.01%NaN3)で希釈して0.1%濃度としたラ
テックス懸濁液を3mlと混合して30分間室温で放置して
抗体を吸着させた。更に、該懸濁液中に2%BSA・P
BS溶液3mlを添加して室温で30分間静置した後、該ラ
テックス粒子を3000rpmで遠心分離してPBSで洗浄し
て、0.2%のMB386固定化粒子懸濁液とした。該懸濁液
200μlと、BPを1%BSA・PBSで希釈してそれぞ
れ濃度0.1μg/mlとした溶液200μlを混合して37℃で1
0分間静置した。次にBSA−GA−BP20μg/mlの
濃度で含むMC951(20μg/ml)の1%BSA・PB
S溶液を100μl添加して37℃で20分間反応した。次いで
ウサギ抗マウスIg(Fc)抗体(ザイメット社製)を100
μg/ml添加して静置した。20分後凝集の度合いを目視
により観察したところ、BP濃度0μg/mlの溶液の方
は凝集が見られないのに対しBP濃度1μg/mlの方で
は凝集反応が確認された。
【0073】実施例8 MC951を酵素免疫測定法第三版(石川栄治ら編:医学
書院)p86の方法に従い調製したF(ab')2をPBSに溶
解(100μg/ml)して500μlとし、0.87μmラテックス
(積水化学工業社製、「試薬用ラテックス品番N−080」
をGBS(グリシン緩衝液)で希釈して0.1%濃度とし
たラテックス懸濁液を3mlと混合して30分間室温で放置
して抗体を吸着させた。更に、該懸濁液中に2%BSA
・PBS溶液3mlを添加して室温で30分間静置した後、
該ラテックス粒子を3000rpmで遠心分離してPBSで洗
浄して、0.2%のMB386固定化粒子懸濁液とした。BP
を1%BSA・PBSで希釈してそれぞれ濃度0.1μg
/mlとした溶液100μlとMB386(20μg/ml)の1%
BSA・PBS溶液を100μl添加して37℃で10分間反応
した。この反応混合液200μlとBSA−GA−BP20μ
g/mlの濃度で含む1%BSA・PBS溶液を100μlを
上述のラテックス懸濁液200μlに添加して37℃で20分間
反応した。次いでウサギ抗マウスIg(Fc)抗体(ザイ
メット社製)を100μg/ml添加して静置した。20分後凝
集の度合いを目視により観察したところ、BP濃度0μ
g/mlの溶液の方は凝集が見られないのに対しBP濃度
1μg/mlの方では凝集反応が確認された。
【0074】
【発明の効果】本発明により、低濃度のハプテンを効率
よく定量的に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項2〜5記載の抗体を用い、請求
項6記載の方法によりハプテン抗原を測定した場合の抗
原濃度と吸光度の関係を示す図である。
【図2】本発明の請求項2〜5記載の抗体を用い、請求
項7記載の方法によりハプテン抗原を測定した場合の抗
原濃度と吸光度の関係を示す図である。
【図3】本発明の請求項8〜10記載の抗体を用い、請求
項11記載の方法によりハプテン抗原を測定した場合の抗
原濃度と吸光度の関係を示す図である。
【図4】本発明の請求項8〜10記載の抗体を用い、請求
項12記載の方法によりハプテン抗原を測定した場合の抗
原濃度と吸光度の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/02 C12P 21/08 G01N 33/531 A 33/543 581 A 33/577 A //(C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハプテンと該ハプテンに反応する抗体か
    らなる免疫複合体を用いて免疫することを特徴とする抗
    体作製方法。
  2. 【請求項2】 ハプテンと該ハプテンに反応する抗体か
    らなる免疫複合体に対して反応し、該ハプテンに反応す
    る抗体には反応しないことを特徴とする抗体。
  3. 【請求項3】 前記ハプテンに反応する抗体がモノクロ
    ーナル抗体であることを特徴とする請求項2記載の抗
    体。
  4. 【請求項4】 前記免疫複合体に対して反応する抗体が
    モノクローナル抗体であることを特徴とする請求項2記
    載の抗体。
  5. 【請求項5】 前記ハプテンに反応する抗体および前記
    免疫複合体に対して反応する抗体がいずれもモノクロー
    ナル抗体であることを特徴とする請求項2記載の抗体。
  6. 【請求項6】 前記ハプテンに反応する第1の抗体を固
    相に吸着し、次いで該ハプテンを含む被検液を接触させ
    て該ハプテンを結合させた後、請求項2乃至5のいずれ
    か1項に記載の抗体を反応させ請求項2、3、4又は5
    記載の抗体を検出することを特徴とする免疫学的測定方
    法。
  7. 【請求項7】 ハプテンとハプテンに反応する第1の抗
    体からなる免疫複合体の被検液を、請求項2乃至5のい
    ずれか1項に記載された抗体を吸着した固相と接触、反
    応させた後第1の抗体を検出することにより該ハプテン
    を検出することを特徴とする免疫学的測定方法。
  8. 【請求項8】 ハプテン及びハプテンの修飾体に反応す
    る第1の抗体と該ハプテンとの免疫複合体には反応する
    が、第1の抗体と該ハプテンの修飾体との免疫複合体に
    は反応しないことを特徴とする抗体。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の第1の抗体がFc部分を
    欠落した抗体であることを特徴とする請求項8記載の抗
    体。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9記載の第1の抗体がモ
    ノクローナル抗体であることを特徴とする請求項8又は
    9記載の抗体。
  11. 【請求項11】 ハプテン及びハプテンの修飾体に反応
    する第1の抗体を固相化した後、被検液中の該ハプテン
    とを反応させ、次いで、過剰量の前記ハプテン修飾体お
    よび標識化された請求項8、9又10記載の抗体を反応さ
    せた後、固相化された請求項8、9又10記載の抗体を検
    出することにより該ハプテンを検出することを特徴とす
    る免疫学的測定方法。
  12. 【請求項12】 標識化されたハプテン及びハプテンの
    修飾体に反応する第1の抗体と被検液中の該ハプテンと
    を反応させた後、過剰量の該ハプテン修飾体および固相
    化された請求項8、9又10記載の抗体を反応させた後、
    固相化された前記第1の抗体を検出することにより該ハ
    プテンを検出することを特徴とする免疫学的測定方法。
  13. 【請求項13】 不溶性担体粒子に吸着もしくは結合さ
    せたハプテン及びハプテン修飾体に反応する第1の抗体
    と被検液中の該ハプテンと反応させた後、過剰量の該ハ
    プテン修飾体および請求項8、9又10記載の抗体を反応
    させた後、請求項8、9又10記載の抗体に反応する抗体
    を添加して不溶性担体粒子の凝集を起こし、その凝集度
    合いを測定することにより該ハプテンを検出することを
    特徴とする免疫学的測定方法。
  14. 【請求項14】 ハプテン及びハプテン修飾体に反応す
    る第1の抗体と被検液中の該ハプテンを反応させた後、
    過剰量の該ハプテン修飾体および不溶性担体粒子に吸着
    もしくは結合させた請求項8、9又10記載の抗体を反応
    させ、次いで、該第1の抗体に反応する抗体を添加する
    ことにより不溶性担体粒子の凝集を起こし、その凝集度
    合いを測定することにより該ハプテンを検出することを
    特徴とする免疫学的測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004279412A (ja) * 2003-02-24 2004-10-07 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd 低分子化合物の免疫学的測定・検出方法
US9127039B2 (en) 2010-05-18 2015-09-08 Ajinomoto Co., Inc. Sulfur-containing amino acid derivative
WO2021100459A1 (ja) * 2019-11-20 2021-05-27 東ソー株式会社 抗イムノコンプレックス抗体を用いた測定法
US11435367B2 (en) 2016-07-29 2022-09-06 Diazyme Laboratories, Inc. Methods and kits for assaying a vitamin D moiety

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