JP2821850B2 - ウィルソン病の検出試薬及び検出方法 - Google Patents

ウィルソン病の検出試薬及び検出方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウィルソン病を検出す
るための試薬及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ウィルソン病はセルロプラスミン活性が
低下することにより引き起こされる疾患であり、脳障
害、肝障害等の症状を呈する。以前はセルロプラスミン
自身の減少によるものと考えられていたが、最近の研究
により、不活性型セルロプラスミンに起因する(活性型
セルロプラスミンの著しい減少)ものとわかってきた
(第36回日本人類遺伝学会、山口、1991年10
月)。そこで、ウィルソン病検出のために、不活性型、
活性型セルロプラスミンを直接又は間接的に測定する方
法が望まれている。また、ウィルソン病は幼児期に発見
できればキレート剤により治療可能な数少ない疾患であ
り、幼児期に検出することが望まれる。しかし、乳幼児
期にはセルロプラスミン活性がもともと低く、疾患の判
別が困難である。
【0003】従来より、セルロプラスミンのペルオキシ
ダーゼ活性を測定することによりセルロプラスミンを測
定することが提案されている(Schosinsky
ら、Clin. chem. 201, 1974)。しかしながら、セルロプ
ラスミンにのみ特異的な基質がなく、従ってセルロプラ
スミンのみを定量することができない。また、この方法
は感度が低いため、乳幼児期では健常人とウィルソン病
患者との区別ができない。
【0004】ヒトセルロプラスミンに対するポリクロー
ナル抗体を用いてヒトセルロプラスミンを測定する方法
も提案されている(日本臨床47巻、1989年増刊号
p.758)。しかしながら、ポリクローナル抗体では
活性を失ったセルロプラスミン(ウィルソン病)も認識
するため、健常とウィルソン病の判別は困難である。ま
た、ヒトセルロプラスミンに対するモノクローナル抗体
も報告されている(Biokhimiya,vol.5
5,No.2,361−367(1990)が、このモ
ノクローナル抗体も活性型ヒトセルロプラスミンのみな
らず不活性型ヒトセルロプラスミンとも反応するので、
これをウィルソン病の検出に用いることはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ウィルソン病の検出を高感度かつ確実に行うことが
できる試薬及び方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、先にヒ
トセルロプラスミン活性を中和する能力を有する抗ヒト
セルロプラスミンモノクローナル抗体を作製することに
成功し、平成3年9月12日に特許出願した(特開平5
−268987号)。本願発明者らは、さらに研究を重
ね、該モノクローナル抗体が活性型ヒトセルロプラスミ
ンとのみ反応し、不活性型ヒトセルロプラスミンとは反
応しないことを見出し、かつ、該モノクローナル抗体を
用いてウィルソン病の検出を高感度かつ確実に行うこと
に成功し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、活性型ヒトセルロプ
ラスミンと特異的に反応するモノクローナル抗体から成
るウィルソン病の検出試薬を提供する。また、本発明
は、活性型ヒトセルロプラスミンと特異的に反応するモ
ノクローナル抗体と活性型ヒトセルロプラスミンとの特
異的反応を利用した免疫測定によりヒト体液中の活性型
セルロプラスミンを測定することから成るウィルソン病
の検出方法を提供する。
【0008】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0009】本発明の試薬として用いられる抗ヒトセル
ロプラスミンモノクローナル抗体は、活性型ヒトセルロ
プラスミンと特異的に反応する、すなわち、活性型ヒト
セルロプラスミンとは反応するが不活性型ヒトセルロプ
ラスミンとは反応しないものである。このようなモノク
ローナル抗体の例として、下記実施例で詳細に記載する
ように、CP4が得られており、これを産生するハイブ
リドーマは工業技術院生命工学工業技術研究所(旧名同
院微生物工業技術研究所)に寄託されており、その受託
番号はFERM BP−4145(微工研菌寄第124
21号より移管)である。
【0010】本発明の試薬として用いられる抗ヒトセル
ロプラスミンモノクローナル抗体は以下のようにして得
ることができる。
【0011】先ず、ヒトセルロプラスミンを哺乳動物に
免疫する。精製されたヒトセルロプラスミンは市販され
ており、このような市販品を免疫原として用いることが
できる。哺乳動物としては特に限定されず、霊長類、マ
ウス、ラット及びウサギ等のげっ歯類、ウシ、ヒツジ、
ヤギ及びイヌ等を用いることができる。免疫は、常法に
より行なうことができる。
【0012】次いで、免疫した動物から例えば脾細胞の
ような抗体産生細胞を取り出し、これをミエローマ細胞
と融合させる。ミエローマ細胞はこの分野で周知であ
り、例えばp3x63−Ag8−653、NS−0、N
S−1、P3U1等を用いることができる。また、細胞
融合操作は、常法により行なうことができる。
【0013】次いで、常法により、融合後の細胞をHA
T選択培地で培養し、ハイブリドーマを選択する。次い
で抗ヒトモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ
をスクリーニングする。スクリーニングは、ヒトセルロ
プラスミンを吸着させたウェルに抗体が結合するか否か
を常法であるサンドイッチエライザ等で調べることによ
り行なうことができる。この際、二次抗体としてはペル
オキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコースオ
キシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ等の酵素等で標
識した、免疫した動物の免疫グロブリンに対する抗体を
用いることができる。標識物の検出は、標識酵素と基質
とを反応させ、反応による発色の程度を測定すること等
により行なうことができる。ここで基質としては、3,
3−ジアミノベンチジン、2,2−ジアミノビス−o−
ジアニシジン、4−クロロナフトール、4−アミノアン
チピリン、o−フェニレンジアミンなどを用いることが
できる。
【0014】上記操作により、抗ヒトセルロプラスミン
抗体を産生するハイブリドーマを選択することができ
る。次いで、選択したハイブリドーマを常法である限界
希釈法や軟寒天法等によりクローニングする。所望なら
ば、クローニングしたハイブリドーマを血清培地若しく
は無血清培地を用いた大量培養法により、又はマウスの
腹腔にハイブリドーマを接種し、マウスの腹水から回収
することにより、ハイブリドーマを大量に得ることがで
きる。
【0015】次いで、選択された抗ヒトセルロプラスミ
ン抗体のうち、ヒトセルロプラスミンのペルオキシダー
ゼ活性中和能を有するものを選択する。これは、抗ヒト
セルロプラスミンモノクローナル抗体と精製ヒトセルロ
プラスミン(活性型ヒトセルロプラスミン)を反応させ
て抗原抗体複合物を形成させ、該抗原抗体複合物を例え
ば3,3−ジアミノベンジジンのような基質と反応させ
てそのペルオキシダーゼ活性を測定することにより行な
うことができる。抗原抗体複合物がペルオキシダーゼ活
性を喪失しておれば、その抗体はヒトセルロプラスミン
のペルオキシダーゼ活性中和能を有していることにな
る。すなわち、この抗体は活性型ヒトセルロプラスミン
のペルオキシダーゼ活性部位を特異的に認識しているこ
とになる。
【0016】上記モノクローナル抗体を用いて、ヒト体
液中の活性型セルロプラスミンを検出することにより、
ウィルソン病を検出することができる。検体中のヒトセ
ルロプラスミンの検出は、モノクローナル抗体と活性型
ヒトセルロプラスミンとの特異的反応を利用した免疫測
定により行うことができる。免疫測定の方法は周知であ
り、ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体のサンド
イッチ法、モノクローナル抗体とモノクローナル抗体の
サンドイッチ法、金コロイドによる染色法、凝集法、ラ
テックス法、化学発光法等、現在用いられている抗体に
よる検出法のいずれをも用いることができる。例えば、
検体中のヒトセルロプラスミンの検出は、常法であるサ
ンドイッチエライザに基づいて行うことができる。すな
わち、例えば、ウェルに一次抗体を固相化し、次いで、
検体と一次抗体を反応させ、洗浄後、二次抗体を反応さ
せ、洗浄後、該二次抗体を測定することにより行うこと
ができる。この際、一次抗体としては、活性型ヒトセル
ロプラスミン及び不活性型ヒトセルロプラスミンの両方
に反応する抗体、好ましくは下記実施例で作製されたC
P3を用いることができ、二次抗体としては上記した活
性型ヒトセルロプラスミン特異的モノクローナル抗体、
好ましくは下記実施例で作製されたCP4を用いること
ができる。なお、一次抗体と二次抗体とはこの逆であっ
てもよい。二次抗体の測定は、二次抗体の由来動物の免
疫グロブリンに対する標識抗体(例えば酵素標識抗体)
を反応させ、その標識物を測定することにより行うこと
ができる。あるいは、二次抗体として標識したものを用
い、この標識物を測定することによっても行うことがで
きる。
【0017】
【発明の効果】本発明により、ウィルソン病の検出が高
感度かつ確実に行うことができるようになった。特に、
乳幼児期の血清のように、セルロプラスミンが15mg
/dl以下しか含まれていないような検体中のヒトセル
ロプラスミンの測定に威力を発揮する。
【0018】以下、本発明を実施例に基づきより具体的
に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定され
るものではない。
【0019】製造例1 (1) マウスの免疫 ヒトセルロプラスミン(シグマ社製)をフロイントコン
プリートアジュバントと等量混合して乳化し、この乳化
物をマウス(BALB/c、メス、8週令)の腹腔内に
投与し、2週間後にヒトセルロプラスミンをフロイント
インコンプリートアジュバントと等量混合して乳化した
ものを追加免疫した。細胞融合に供する3〜4日前に、
マウスの眼底より抗原のみを投与した。
【0020】(2) 細胞融合 最終免疫より3〜4日後に、(1) の方法で免疫したマウ
スから脾臓を摘出した。メッシュにより脾臓を破砕し、
脾臓細胞をPBSに浮遊調製した。次いで、脾臓細胞と
ミエローマ細胞(p3x63−Ag8−653)を1
0:1の割合に調整し、50%ポリエチレングリコール
存在下で3分間放置した。1200rpm、8分間遠心
分離し、上清を除いた後、RPMI−1640培地25
mlを徐々に加え、さらに1200rpm、8分間遠心
分離した。最終的に、10%FCS含有HAT RPM
I−1640培地に、脾臓細胞が3.5x106 個/m
lになるように調整し、96ウェルマイクロプレートに
0.1ml/ウェルになるように分注した。この96ウ
ェルマイクロプレートを、5%CO2 雰囲気下、37℃
で培養した。培養開始から2〜3日後に、10%FCS
含有HAT RPMI−1640培地を0.1ml添加
し、さらに3〜4日おきに培地を半量交換した。培養開
始より7〜10日後にコロニー形成が見られ、少なくと
も1個のウェルに、免疫原に対する十分な抗体が産生さ
れた。この抗体産生ウェルの培養上清について、抗体の
スクリーニングを行なった。
【0021】(3) スクリーニング 抗体のスクリーニングは、エライザ法(酵素抗体法、I
mmunochemistry,8:871−874,
1971)により行なった。PBSで懸濁し調製した抗
原液50μlを予め吸着させておいた96ウェルマイク
ロプレートに培養上清を50μl入れ、30℃、2時間
反応後、さらにペルオキシダーゼ標識抗マウス免疫グロ
ブリン抗体と30℃、1時間反応させた。最後に、o−
フェニレンジアミンを基質とし、発色により判定した。
【0022】(4) クローニング スクリーニングの結果、陽性と判定したウェルから細胞
を取り出し、軟寒天法によりクローニングを行なった。
すなわち、ハイブリドーマ(10x106 個/ml)の
細胞浮遊10%FCS含有HT−RPMI 1640培
地を軟寒天と混ぜ、5mlずつシャーレに分注した。3
7℃で約7〜10日間培養後、コロニーを拾い、抗体陽
性を示すコロニーを、目的のモノクローナル抗体産生ハ
イブリドーマとした。同様の手順を2回繰り返し、目的
の抗体産生ハイブリドーマをヒトセルロプラスミンに対
して3株得た。
【0023】(5) モノクローナル抗体の生産 ハイブリドーマをプリスタン処理済balb/cマウス
の腹腔に移植し、2〜3週間後、腹水を回収した。
【0024】(6) 活性中和能 精製ヒトセルロプラスミンと、(5) で得られた抗体含有
腹水を混合し、インキュベートした後、8〜25%勾配
Native電気泳動にかけた後、ペルオキシダーゼ活性をジ
アミノベンジジンを用いて測定した。この操作はより詳
細には次のように行なった。すなわち、(5) で得られた
3種類の抗体含有腹水(CP3、CP4及びCP13)
のそれぞれ又はPBSと2mg/mlの精製ヒトプラス
ミンとをそれぞれ1:1で混合し、37℃で30分間イ
ンキュベートを行なった。次いで、これらのそれぞれに
ついて、8〜25%勾配SDS Native PAG
Eを行なった。結果を図1に示す。図1中、Aはコマシ
ーブルーで染色したものであり、Bはペルオキシダーゼ
活性に基づき染色を行なったものである。図中、AB−
CPは精製セルロプラスミンとモノクローナル抗体との
結合物を示し、CPは精製セルロプラスミンを示す。
A、Bにおいて、レーン1はCP3、レーン2はCP
4、レーン3はCP13、レーン4はPBSについての
結果を示す。Aではレーン1、2、3のいずれにもAB
−CPが認められるが、BではAB−CPのバンドがレ
ーン1と3にしか認められず、レーン2には認められな
い。このことから、レーン1及びレーン3は抗原抗体複
合物がセルロプラスミン活性を有するのに対し、レーン
2はセルロプラスミン活性を有していないことが示され
た。すなわち、CP4モノクローナル抗体に活性中和能
が認められた。CP4及びCP3を産生するハイブリド
ーマ株はそれぞれ生命工学工業技術研究所(旧名微生物
工業技術研究所)に寄託されており、その受託番号はF
ERM BP−4145及び微工研条寄第4133号
(FERM BP−4133)である。
【0025】(7) ウェスタンブロットによる抗原フラグ
メントの分子量の決定 精製ヒトセルロプラスミン(活性型ヒトセルロプラスミ
ン)を8%SDSゲルで電気泳動した後、常法に従いイ
ムノブロットを行ない、抗原フラグメントの分子量を決
定した。その結果、この抗体は、31kdの分子を認識
していた。
【0026】(8) 不活性型ヒトセルロプラスミンに対す
る反応性 活性型ヒトセルロプラスミンを100℃で3分間加熱処
理し、不活性型のセルロプラスミンに誘導した。この不
活性型ヒトセルロプラスミンとCP3、CP4との反応
性を調べた。その結果、CP3は反応し、CP4は反応
しなかった。
【0027】実施例1 ELISA法による活性セルロ
プラスミンの測定(ポリクローナル抗体−モノクローナ
ル抗体サンドイッチ法) 一次抗体としての抗ヒトセルロプラスミンポリクローナ
ル抗体(ケミコン社より市販)を96ウェルマイクロプ
レートに固定した。固定は、10μg/mlの抗体溶液
を各ウェルに100μlづつ入れ、30℃、2時間又は
4℃、一夜インキュベートすることにより行った。次い
で、ウェルを0.05%Tween20(商品名)含有
PBSで3回洗浄した。次いで、1〜3%のBSA溶液
を各ウェルに100μlづつ入れ、30℃、2時間又は
4℃、一夜インキュベートすることによりブロッキング
を行った。上記と同様に洗浄を行った後、検体(患者血
清及び正常血清の1000倍希釈及び10000倍希
釈)を100μlづつ各ウェルに入れ、30℃で1.5
時間インキュベートした。また、検量線を作成するため
に、標準ヒトセルロプラスミン溶液(0、10、20、
30、40、50ng/ml)を100μlづつ各ウェ
ルに入れ、同様にインキュベートした。上記と同様に洗
浄後、二次抗体として、10μg/ml濃度のペルオキ
シダーゼ標識CP3抗体溶液又はペルオキシダーゼ標識
CP4抗体溶液を100μlづつ各ウェルに加え、30
℃で1.5時間インキュベートした。上記と同様に洗浄
後、25mlのクエン酸リン酸緩衝液中に10mgのo
−フェニレンジアミンと5μlの過酸化水素とを含む反
応基質を100μlづつ各ウェルに加え、30℃で3分
間反応させた。反応停止液として2M硫酸を20μlづ
つ各ウェルに加え、波長492nmにおける吸光度を測
定した。
【0028】健常人についての結果を図2に、ウィルソ
ン病患者についての結果を図3に示す。図2からわかる
ように、健常人の場合は、CP3で測定してもCP4で
測定しても値が変わらないことから、不活性型セルロプ
ラスミンは存在しないことがわかる。一方、図3からわ
かるように、ウィルソン病の場合、CP3に反応する
が、CP4にはあまり反応しないことから、不活性型セ
ルロプラスミンが増えていることがわかる。このような
違いに基づき、本発明の方法によりウィルソン病の検出
を行うことができることがわかる。
【0029】実施例2 ELISA法による活性セルロ
プラスミンの測定(モノクローナル抗体−モノクローナ
ル抗体サンドイッチ法) 一次抗体としてCP3抗体を用い、二次抗体としてCP
4を用いて実施例1と全く同様に測定を行った。なお、
測定は2回行った。結果を図4に示す。
【0030】図3や後述の図6で示されるように、ウィ
ルソン病患者血中にも2〜12mg/dlのセルロプラ
スミンが含まれているが、図4に示されるように、活性
を持ったものは0〜2mg/dlしか含まれていないこ
とがわかる。
【0031】実施例3 実施例1と同様の方法で健常新生児、ウィルソン病小人
の検体の測定を行った。結果を図5に示す。
【0032】人間の生育に従って活性型セルロプラスミ
ンは減少しないことが知られており(O. EPSTEIN et a
l., THE LANCET, Feb. 7, '81, p303) 、従って、健常
新生児とウィルソン病患者とでは明確な相違があり、本
発明の方法は、ウィルソン病の確定診断に利用できるこ
とが明らかとなった。
【0033】実施例4 検体として血清に代えて全血を用いることを除き、実施
例3と同様に健常新生児、ウィルソン病小人の検体の測
定を行った。結果を図7に示す。
【0034】図7に示されるように、血清を用いた実施
例3と同様に、全血を用いても本発明の方法によりウィ
ルソン病を検出できることが明らかになった。
【0035】比較例1 従来からあるポリクローナル抗体を用い、TIA法によ
りセルロプラスミンを測定した。結果を図6に示す。
【0036】図6に示されるように、健常人とウィルソ
ン病患者とで明確な差が出ず、従来法では確定診断に不
適であることがわかる。これは従来法は活性型セルロプ
ラスミンを測定するのではなく、総セルロプラスミンを
測定することとなっているからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】モノクローナル抗体のペルオキシダーゼ活性中
和能を調べた結果を示す電気泳動図である。
【図2】サンドイッチELISA法により測定した、健
常人血清中のセルロプラスミンタンパク量と活性型セル
ロプラスミン量との比較を示す図である。
【図3】本発明の実施例であるサンドイッチELISA
法により測定した、ウィルソン病患者血清中のセルロプ
ラスミンタンパク量と活性型セルロプラスミン量との比
較を示す図である。
【図4】本発明の実施例であるサンドイッチELISA
法により測定した、健常人血清及びウィルソン病患者血
清中の活性型セルロプラスミン量を示す図である。
【図5】本発明の実施例であるサンドイッチELISA
法により測定した、健常新生児血清及びウィルソン病小
人の血清中の活性型セルロプラスミンの量を示す図であ
る。
【図6】従来のポリクローナル抗体を用いた従来法によ
り測定した、健常新生児血清及びウィルソン病小人の血
清中の活性型セルロプラスミンの量を示す図である。
【図7】本発明の実施例であるサンドイッチELISA
法により測定した、健常人全血及びウィルソン病患者全
血中の活性型セルロプラスミン量を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:91) (56)参考文献 Immunologia Polsk a,4[3](1979)p.221−223 Biokhimiya,55[2 ](1990)p.361−367 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 33/53 G01N 33/577

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性型ヒトセルロプラスミンと特異的に
    反応するモノクローナル抗体から成るウィルソン病の検
    出試薬。
  2. 【請求項2】 活性型ヒトセルロプラスミンと特異的に
    反応するモノクローナル抗体と活性型ヒトセルロプラス
    ミンとの特異的反応を利用した免疫測定によりヒト体液
    中の活性型セルロプラスミンを測定することから成るウ
    ィルソン病の検出方法。
  3. 【請求項3】 前記体液中の活性型ヒトセルロプラスミ
    ンの濃度が15mg/dl以下である請求項2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 活性型ヒトセルロプラスミン及び不活性
    型ヒトセルロプラスミンの両方に反応する抗体を一次抗
    体として用い、該一次抗体とヒト体液とを反応させた
    後、二次抗体として活性型ヒトセルロプラスミンと特異
    的に反応するモノクローナル抗体を反応させ、結合した
    二次抗体の量を測定することから成る請求項2又は3記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 前記一次抗体がCP3(FERM BP
    −4133)であり、前記二次抗体がCP4(FERM
    BP−4145)である請求項4記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Biokhimiya,55[2](1990)p.361−367
Immunologia Polska,4[3](1979)p.221−223

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