JPH08210792A

JPH08210792A - 熱交換器

Info

Publication number: JPH08210792A
Application number: JP7019027A
Authority: JP
Inventors: Tamayoshi Oikawa; 玲伊及川; Yukihiro Fukada; 幸宏深田
Original assignee: Sanden Corp
Current assignee: Sanden Corp
Priority date: 1995-02-07
Filing date: 1995-02-07
Publication date: 1996-08-20
Anticipated expiration: 2014-08-16
Also published as: DE69603383D1; EP0726442A3; JP2934392B2; EP0726442A2; DE69603383T2; EP0726442B1; US5718285A; US5930894A

Abstract

(57)【要約】【目的】熱媒体流路にフラックスの残滓を作ることな
く簡単に製造でき、しかも、熱効率の良い熱交換器を提
供できる。【構成】自動車の空調システムのための積層型蒸発装
置はプレート３ａを重ね合わせた複数のチューブユニッ
ト３０３ａを含んでいる。プレート３ａはそこに設けら
れた浅い窪み３２１ａと周辺に伸びているフランジ３１
１ａとその中心部に配されてプレート３ａの左右両側を
隔てている狭い仕切壁３５１ａとを有する。プレート３
ａは浅い窪み３２１ａに形成された複数の突起３３１ａ
を備え、該突起３３１ａの接続面３３３ａの中心部分に
はフラックスを染み込ませるための小孔３３４ａが設け
られている。更に、狭い仕切壁３５１ａの接続面３５２
ａには、中心の位置に狭い仕切壁３５１ａの長手方向の
ほぼ全長に亘って、切れ目３５４ａを設けている。これ
ら、接合面に形成された小孔３３４ａや切れ目３５４ａ
からフラックスが染み込み、接合面の酸化皮膜を十分に
除去してから、鑞付が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

【０００２】本発明は、自動車の空気調和装置に用いら
れる熱交換器に関するものである。

【従来の技術】様々なタイプの熱交換器が従来技術にお
いて知られている。例えば、米国特許５，２１１，１１
１号明細書は、図１〜図３に示されているように、自動
車の空調冷凍回路の蒸発器に使用されている積層型熱交
換器を開示している。図１〜図３を参照して、積層型蒸
発器１は、熱媒体案内要素として機能し波形フィン４と
ともに積層型蒸発器１の熱交換エリア３０１を形成する
アルミニウム合金でできた複数のチューブユニット３０
３を含んでいる。チューブユニット３０３の各々は芯材
に鑞付用金属シートを施したクラッド構造を持つ一組の
トレイ型プレート３を有している。

【０００３】図２、図３に示されているように、トレイ
型プレート３の各々は、そこに規定された浅い窪み３２
１と、その周辺に形成されたフランジ３１１と、その中
心部分に作られている狭い仕切壁３５１とを含んでい
る。狭い仕切壁３５１はプレート３の上端部から下向き
に伸び、プレート３の下端からおよそ１／７の長さの位
置で終端している。その狭い仕切壁３５１は平らな接続
面３５２を含んでいる。複数の対角線方向に右上から左
下にのびた半円筒状突起３３１が浅い窪み３２１の内底
面から突き出している。半円筒状突起３３１は複数の、
例えば、４つの列の各々に一直線状に互いに並べられて
いる。狭い仕切壁３５１の右側の浅い窪み３２１に半円
筒状突起３３１が２列配置されていて、その左側の浅い
窪み３２１にも半円筒状突起３３１が２列配置されてい
る。半円筒状突起３３１は隆起部（稜線部）３３２を含
み、プレート３の機械的強度を補強するために利用され
ている。

【０００４】トレイ型プレート３の各々は上端部から上
方に突き出している一対のテーパー状の結合用舌状部３
４１を含んでいる。それらの舌状部３４１の一方は狭い
仕切壁３５１の右側にあり、他方の舌状部３４１はその
左側にある。窪み３４２は舌状部３４１の中央部に作ら
れ、その上端から下端部まで縦方向に伸びており、プレ
ート３の浅い窪み３２１に結合している。窪み３４２の
底面は浅い窪み３２１の内底面と平らに形成されてい
る。窪み３４２の底面には対角線方向に伸びた一対の半
円筒状突起３４３が形成されている。半円筒状突起３４
３はまた隆起部（稜線部）３４４を含み、舌状部３４１
の機械的強度を補強するために利用されている。半円筒
状突起３４３は縦方向に一直線状に互いに並んでいて、
浅い窪み３２１の内底面に形成されている半円筒状突起
３３１の２つの列からずれている。

【０００５】狭い仕切壁３５１の平らな接続面３５２の
端と、舌状部３４１の各々の平らな上端面と、半円筒状
突起３３１の隆起部３３２と、半円筒状突起３４３の隆
起部３４４は、フランジ３１１と同一平面にある。従っ
て、一対のプレート３がそれの間にＵ字形通路３２２を
形成するためにフランジ３１１によって共に接合される
時、一対のプレート３の一対の舌状部３４１は、一対の
テーパー状の中空の接続部分３４０同士と、各プレート
３の狭い仕切壁３５１は平らな接続面３５２同士で互い
に接触しており、半円筒状突起３３１は隆起部３３２同
士で傾斜方向が逆に変わる方向で互いに接触しており舌
状部３４１の半円筒状突起３４３は隆起部３４４同士で
傾斜方向が逆に変わる方向で接触している。プレート３
のフランジ３１１、舌状部３４１の各々の平らな上端
面、プレート３の狭い仕切り壁３５１の平らな上面３５
２、プレート３の半円筒状突起３３１、及び舌状部３４
１の半円筒状突起３４３は、鑞付等によって互いにしっ
かりと接着されている。

【０００６】積層型蒸発器１はさらに積層型チューブユ
ニット３０３の上面の上方に位置している一対の平行で
端部閉塞の円筒状パイプ２と２’を含んでいる。

【０００７】図２に示されているように、円筒状パイプ
２は円筒状パイプ２’の前方に位置している。複数の一
般的な長円形のスロット２６が等間隔に円筒状パイプ２
の下方の曲面に沿って形成される。複数の一般的な長円
形のスロット２６’がまた等間隔に円筒状のパイプ２’
の下方の曲面に沿って形成される。普通、パイプ２の長
円形のスロット２６とパイプ２’の長円形のスロット２
６’とは、チューブユニット３０３の中の一対のテーパ
ー状で中が空洞の結合部分３４０の下端部がスロット２
６と２６’の内側の周辺面にそれぞれ接触するまで挿入
される。一対のテーパー状で中空の結合部分３４０はス
ロット２６と２６’にそれぞれ、例えば鑞付でしっかり
と結合されている。

【０００８】一対の円形の開口部２４と２５（図１）が
円筒状パイプ２の前方円筒曲面部の左右端部にそれぞれ
形成されている。入口管９の一方の端部は円筒状パイプ
２の開口部２４にしっかりと結合しており、出口管１０
の一方の端部は円筒状パイプ２の開口部２５にしっかり
と結合している。入口管９は他方の端部に管継手９１を
備え、出口管１０は同様に他端に管継手１０１を備えて
いる。

【０００９】図１に示されているように、円筒状パイプ
２を左側部分２１と右側部分２２に分けるために、円形
プレート仕切板２３が円筒状パイプ２の内部の中間部に
しっかり固定されている。

【００１０】長方形のフランジ３１２はプレート３の下
端部から突き出しており、それの末端部でクランク状を
成すように下方向に向けて折り曲げられている。隣接す
るフランジ３１２の下方向に曲げられた部分は、隣接す
るチューブユニット３０３の間に空間３０２を介在形成
するように、互いに接触している。

【００１１】蒸発器１の熱交換エリア３０１は、複数の
チューブユニット３０３を互いに積層することと、隣接
するチューブユニット３０３間の空間３０２に波形フィ
ン４を挿入することによって形成される。一対のサイド
プレート５は蒸発器３の最も左側に位置しているプレー
ト３Ｌの左側と蒸発器１の最も右側に位置しているプレ
ート３Ｒの右側とにそれぞれ取付けられている。そして
波形フィン４はサイドプレート５とプレート３Ｌとの間
と、サイドプレート５とプレート３Ｒとの間とにそれぞ
れ置かれている。サイドプレート５の下端部は、内側に
突き出しかつその端部をクランク状を成すように下向き
に折り曲げられている長方形のフランジ５１を含んでい
る。個々のチューブユニット３０３、波形フィン４、及
びサイドプレート５は、例えば鑞付のような従来様式に
よって互いにしっかり取付けられている。波形フィン４
は図１の空間３０２の上下端部にのみ示されているが、
空間３０２の全長に沿って連続的に伸びている。

【００１２】上記に説明されている蒸発器１において、
自動車の空調冷凍回路が作動している時、冷媒は冷凍回
路のコンデンサー（図示せず）から膨張弁のような減圧
装置を経て入口管９を通って円筒状パイプ２の内部の左
側部分２１へ流れる。パイプ２の内部の左側部分２１を
通って流れる冷媒は同時にテーパー状で中空の結合部分
３４０の内部（流体連通開口又は冷媒入出口）を通り、
各チューブユニット３０３のＵ字形通路３２２の右側上
部に流れ込む。Ｕ字形通路３２２の右上部にある冷媒
は、図３に実線矢印で示すように対角線状の流路と真っ
すぐな流路とを含んでいる複雑な流路を取りながらＵ字
形通路３２２の右側下部に向かって流れていき、そして
その間に波形フィン４に沿って通っている空気と熱交換
される。Ｕ字形通路３２２の右側下部にある冷媒は狭い
仕切り壁３５１の末端部で方向を変え、図３に実線矢印
で示されるようにＵ字形通路３２２の右側から左側へ方
向付けられる。すなわち、図１では冷媒はＵ字形通路３
２２の前方から後方へ流れ、それから波形フィン４に沿
って通っている空気と熱交換を行いながら、複雑な流路
を取りながら、Ｕ字形通路３２２の左側上部に向かって
上向きに流れ、そして、最後にテーパー状で中空の結合
部分３４０を通って各チューブユニット３０３のＵ字形
通路３２２の外に流れ出る。実際には、チューブユニッ
ト３０３は一対のプレート３が合わさっているので、片
方のプレート３に沿って冷媒は上記の如く流れるが、他
の片方の対面するプレート３の半円筒状突起３３１、３
４３は反対方向の傾斜なので、こちらのプレート３に沿
う冷媒の流れは、上記と交差するように流れるので、チ
ューブユニット３０３内の流れは冷媒が入り混じって効
率よく熱交換されることになる。各チューブユニット３
０３からＵ字形通路３２２の外に流れ出る冷媒は円筒状
のパイプ２’の内部で一緒になり、そこを通って左側か
ら右側へ向けて流れる。

【００１３】円筒状のパイプ２’の右側の内部を通って
流れる冷媒は同時にテーパー状で中空の結合部分３４０
を通って各チューブユニット３０３のＵ字形通路３２２
の左上部に流れ込み、複雑な流路でＵ字形通路３２２の
左下部に向かって下向きに流れ、波形フィン４に沿って
通っている空気と熱交換している（図３の流れと逆に流
れる）。Ｕ字形通路３２２の左下部にある冷媒は狭い仕
切壁３５１の末端部で方向を変えてＵ字形通路３２２の
左側から右側へ方向付けられる。すなわち、図１では冷
媒はＵ字形通路３２２の後方から前方へ流れ、波形フィ
ン４に沿って通っている空気と熱交換しながら複雑な流
路を取ってＵ字形通路３２２の右側上部へ上向きに流れ
て、そして最後にテーパー状で中空の結合部分３４０を
通って各チューブユニット３０３からＵ字形通路３２２
の外に流れ出していく。各チューブユニット３０３のＵ
字形通路３２２から流れ出た冷媒は円筒状のパイプ２の
内部の右側部分２２で一緒になり、そこを通って左側か
ら右側の方向に流れる。膨張弁のような減圧装置を経て
蒸発器１を通過する課程で気体と液体の混合相からガス
相に成った冷媒は、円筒状パイプ２の内部の右側部分２
２の更に右の方向にある出口管１０を通って冷凍回路の
コンプレッサー（図示せず）の吸入室へ流れる。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】蒸発器１の製造課程に
おいて、一対のプレート３は対向面、例えば、フランジ
３１１のプレート、舌状部３４１の平らな上端面、狭い
仕切壁３５１の平らな接続面３５２、半円筒状の突起３
３１の隆起部３３２の交差部分や半円筒状の突起３４３
の隆起部３４４の交差部分といった接合面を、一般的に
は窒素ガスのような不活性ガス雰囲気中で鑞付にて互い
に接続している。普通、一対のプレート３を鑞付するた
めには、プレート３を互いに鑞付によってしっかり結合
する前に、接合される面にできるアルミニウム酸化物を
十分にそして効果的に取り除かなければならない。例え
ば、接合する面はそこに形成されるアルミニウム酸化物
を取り除くためにフラックスで処理される。

【００１５】フラックスによってプレート３を処理する
という方法によると、フラックスは水に溶かされてプレ
ート３の接合面に吹きかけられる。しかし、この処理方
法によると、フラックス溶液を接合面のみを選んで吹き
かけるということができない。さらに、フラックス溶液
は一対のプレート３の他の、浅い窪み３２１の内側底面
や窪み３４２の底面といった非接合面にまで、吹きかか
ってしまう。従って、一対のプレート３を互いに鑞付し
た後、フラックスの残滓が浅い窪み３２１の内側底面や
窪み３４２の底面に残ってしまう。

【００１６】フラックスの残滓は、空調システムの寿命
を短くすることが観察された。フラックスの残滓の破片
は自動車の空調システムの作動の間に冷凍回路を通って
循環する。そして、冷凍回路を通って循環しているフラ
ックスの残滓の破片は冷凍回路の冷媒流路に詰まった
り、コンプレッサにおいては、冷媒と接触するコンプレ
ッサの各摺動面に摩耗や変形等を生じさせたりする。従
って、自動車の空調システムが深刻なダメージを受けた
り、熱交換効果が弱められてしまう。

【００１７】そのため、他の方法として、蒸発器の各要
素を真空中で鑞付する、「真空鑞付方法」があるが、こ
の方法は、真空ポンプのために比較的大きな空間を必要
とし、鑞付炉に適量の真空を保証するため、複雑で頻繁
なメンテナンスが必要とされる。

【００１８】そこで、本発明の目的は、熱交換器の熱媒
体流路にフラックスの残滓を作ることなく簡単に製造さ
れる熱交換器を提供する。

【００１９】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明に係る熱
交換器は、複数の積層型チューブユニットであり、前記
チューブユニットの各々は互いに結合されたプレートを
有し前記プレート間に流体通路が用意されるとともに前
記プレートから延びかつ前記流体通路に連通する少なく
とも一つの流体連通開口とが用意されており、前記プレ
ートの各々は、浅い窪みと、前記浅い窪みの周辺に沿っ
てのびたフランジと、前記浅い窪みに設けられた複数の
突起と、前記浅い窪みの中間部分に配され前記プレート
の各々の範囲でのびて前記プレートの左側と右側とを隔
てる壁部とを有し、前記複数の積層型チューブユニット
の上面に配された少なくとも一つの導管であり、前記少
なくとも一つの導管は前記複数の積層型チューブユニッ
トにおける前記少なくとも一つの流体連通開口を受ける
ための複数のスロットを有しており、前記プレートの各
々には前記プレートの左側と右側とを隔てる壁部の平ら
な接続面に切れ目が設けてあることを特徴とする。

【００２０】請求項２の発明に係る熱交換器は、前記複
数の突起の接続面が平らに形成されていることを特徴と
する。

【００２１】請求項３の発明に係る熱交換器は、前記複
数の突起の接続面中心部に小孔が設けられていることを
特徴とする。

【００２２】請求項４の発明に係る熱交換器は、前記切
れ目が壁部接続面中心線からややずれて設けられている
ことを特徴とする。

【００２３】請求項５の発明に係る熱交換器は、どちら
か一方の突片のみが切り起こされて形成されている前記
切れ目を設けていることを特徴とする。

【００２４】

【作用】本発明によると、熱交換エリア及びフィンとを
交互に積層配置して仮組し、その後熱交換エリア及びフ
ィンの外側からフラックスを塗布しても、鑞付部分に何
らかの開口を設けてあるので、接合面のみにフラックス
を塗布することができる。

【００２５】

【実施例】以下、本発明の実施例について図４〜図７を
参照して説明する。なお、本実施例及び後述するその他
の実施例を示す図において、符号は図１〜図３の符号に
対応した要素を示すために使われており、それ故にその
詳細な説明は省略している。複数の略ドーム状突起３
３１ａが窪み３４２ａの底面と浅い窪み３２１ａの内底
面から突き出している。略ドーム状突起３３１ａは窪み
３４２ａとＵ字通路３２２ａにあり、複数の行をなして
一定の間隔で互いに横に並べられている。前記略ドーム
状突起３３１ａの行は一定の間隔で配置されているが、
略ドーム状突起３３１ａの隣接行は略ドーム状突起３３
１ａの間隔寸法の１／２ほど相対的にずれて配されてい
る。別の観点によると、略ドーム状突起３３１ａは複数
の列をなして一定の間隔で対角線上に配されている。

【００２６】略ドーム状突起３３１ａは図５、図６の浅
い窪み３２１ａの中央部分には記載されていないが、略
ドーム状突起３３１ａは浅い窪み３２１ａの全長に亘っ
て設けられている。

【００２７】略ドーム状突起３３１ａの接続面３３３ａ
はプレート３ａ同士を組み付け易いように平らに押し潰
されているようになり、更に、接続面３３３ａの中心部
にはフラックスを接続面３３３ａに染み込ませるように
小孔３３４ａが穿設されている。

【００２８】狭い仕切壁３５１ａの接続面３５２ａは平
らに形成され、その中心の位置に、上記狭い仕切壁３５
１ａの長手方向のほぼ全長に亘って、切れ目３５４ａが
形成されている。図７は、図６におけるＡ−Ａ’線断面
図である。

【００２９】上記、小孔３３４ａ、切れ目３５４ａは、
例えば、プレス加工によって形成されている。

【００３０】狭い仕切壁３５１ａの接続面３５２ａの端
と、略ドーム状突起３３１ａの接続面３３３ａ及び舌状
部３４１ａの上端面は、フランジ３１１ａと同一平面に
ある。

【００３１】蒸発器１ａが仮組みされた後、蒸発器１ａ
を構成している各要素は一般的には窒素ガスのような不
活性ガスのなかで鑞付によって互いにしっかりと結合さ
れる。この過程において、一対のプレート３ａの接合面
は対のプレート３ａを互いに結合させるように互いに鑞
付される。その一対のプレート３ａの接合面が互いに鑞
付される前に、接合されるべき面はその上に形成される
アルミニウム酸化物を取り除くためにフラックスで処理
される。

【００３２】本実施例によると、フラックスは水に溶か
され、仮組み立てされた一対のプレート３ａの外表面全
体に吹き付けられる。仮組み立てされた一対のプレート
３ａの外表面のフラックス溶液のいくらかは、フランジ
３１１ａの接合面と舌状部３４１ａの上端面の間の小さ
な隙間に染み込む。そして、仮組み立てされたプレート
３ａ外表面のフラックス溶液のいくらかは略ドーム状突
起３３１ａの接続面３３３ａに設けられた小孔３３４ａ
から、接続面３３３ａの間の小さな隙間に染み込む。さ
らに、仮組み立てされたプレート３ａ外表面のフラック
ス溶液のいくらかは狭い仕切壁３５１ａに設けられた切
れ目３５４ａから接続面３５２ａの間にできる小さな隙
間に染み込む。

【００３３】こうして、仮組み立てされた対のプレート
３ａの接合面全体にフラックス溶液が実質的に染み込
む。それ故、鑞付される予定の仮組み立てされたプレー
ト３ａの接合面全体が、プレート３ａの接合面を互いに
鑞付する時にその上にできるアルミニウム酸化物を十分
除去されるように、フラックスによって十分かつ効果的
に処理される。

【００３４】更に、フラックス溶液を吹き付けるかわり
に仮組み立てされたプレート３ａの外表面全体にフラッ
クス粉末を静電気吸着によって吸着させてもよい。仮接
合されたプレート３ａの外表面にこの処理方法によって
吸着されたフラックス粉末は鑞付金属シートが溶ける前
に溶け、溶けたフラックスが仮組み立てされたプレート
３ａの接合面全体に十分染み込むことになる。それ故、
鑞付される予定の仮接合されたプレート３ａの接合面全
体が、プレート３ａの接合面を互いに鑞付する時、その
上にできるアルミニウム酸化物を十分取り除けるように
フラックスによって十分かつ効果的に処理される。

【００３５】また、図８〜図１３は、本発明の他の実施
例で、図８は、切れ目３５４ｂが狭い仕切壁３５１ｂの
平らな接続面３５２ｂの中心からややずれた位置に、上
記狭い仕切壁３５１ｂの長手方向のほぼ全長に亘って形
成されている。図９は、図８におけるＢ−Ｂ’線断面図
である。

【００３６】更に、図１０、図１２は、一方の突片３５
３ｃ及び３５３ｄのみがプレート３ｃ及び３ｄの外側
（図示裏側）に向かって切り起こされており、図１０
は、切れ目３５４ｃが狭い仕切壁３５１ｃの平らな接続
面３５２ｃの中心の位置に、上記狭い仕切壁３５１ｃの
長手方向のほぼ全長に亘って形成され、図１２は、上記
中心からややずれた位置に、上記狭い仕切壁３５１ｄの
長手方向のほぼ全長に亘って切れ目３５４ｄが形成され
ている。図１１、図１３は、図１０、図１２におけるＣ
−Ｃ’線、Ｄ−Ｄ’線断面図である。

【００３７】なお、図８、図１０、図１２において、略
ドーム状突起３３１ｂ、３３１ｃ、３３１ｄは、本発明
の第１実施例と同様に、浅い窪み３２１ｂ、３２１ｃ、
３２１ｄの全長に亘って設けられている。

【００３８】これらの実施例によると、仮接合されたプ
レート３ａ、３ｂ、３ｃ及び３ｄの外表面だけがフラッ
クスによって覆われているので、窪み３４２ａ、３４２
ｂ、３４２ｃ及び３４２ｄの底面と浅い窪み３２１ａ、
３２１ｂ、３２１ｃ及び３２１ｄの内底面の上にはフラ
ックスの残滓は形成されない。従って、自動車の空調シ
ステムの冷媒の流路には残ったフラックスの残滓が詰ま
ることがない。さらに、前述の複雑なかつ高価な「真空
鑞付方法」を使用せずにフラックスの残滓の除去がなさ
れる。

【００３９】更に、略ドーム状突起３３１ａ、３３１
ｂ、３３１ｃ及び３３１ｄの接続面３３３ａ、３３３
ｂ、３３３ｃ及び３３３ｄ同士が互いに鑞付されるの
で、チューブユニット３０３ａ、３０３ｂ、３０３ｃ及
び３０３ｄの機械的強度が補強される。そして、略ドー
ム状突起３３１ａ、３３１ｂ、３３１ｃ及び３３１ｄは
複数の列をなして互いに対角線状に並んでいるので、チ
ューブユニット３０３ａ、３０３ｂ、３０３ｃ及び３０
３ｄで規定されているＵ字形通路３２２ａ、３２２ｂ、
３２２ｃ及び３２２ｄを通して複雑な流路、すなわち対
角的流路と直線的流路とを通って冷媒が流れることにな
る。したがって、蒸発器１ａ、１ｂ、１ｃ及び１ｄの熱
交換の効果が高められる。

【００４０】しかも、切れ目３５４ａ、３５４ｂ、３５
４ｃ及び３５４ｄの幅が非常に狭いため、仕切り壁３５
１ａ、３５１ｂ、３５１ｃ及び３５１ｄの幅が狭くて済
み、さらに、プレス加工のため、切りカスが発生しない
ので、再利用やスクラップ等の処理に多大なコストや作
業工程を費やす必要がない。

【００４１】また、切れ目３５４ｃ及び３５４ｄは、一
方の突片３５３ｃ、３５３ｄのみが切り起こされて形成
されているため、フラックスが接合面のみに効率よく塗
布されるので、アルミニウム酸化物を十分にそして効果
的に取り除くことができる。

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複雑かつ高価な「真空鑞付方法」を使用せずに冷媒流路
にフラックスの残滓を作ることなく簡単に製造でき、し
かも、熱効率の良い熱交換器を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の発明における積層型蒸発器の正面図であ
る。

【図２】図１に示した積層型蒸発器の一部破断斜視図で
ある。

【図３】図２に示した積層型蒸発器の分解組立図であ
る。

【図４】本発明における積層型蒸発器の正面図である。

【図５】図４に示した積層型蒸発器の分解組立図であ
る。

【図６】図５のプレートを互いに仮接合した状態で見た
斜視図である。

【図７】図６におけるＡ−Ａ’線断面図である。

【図８】本発明の第２の実施例のプレートを互いに仮接
合した状態で見た斜視図である。

【図９】図８におけるＢ−Ｂ’線断面図である。

【図１０】本発明の第３の実施例のプレートを互いに仮
接合した状態で見た斜視図である。

【図１１】図１０におけるＣ−Ｃ’線断面図である。

【図１２】本発明の第４の実施例のプレートを互いに仮
接合した状態で見た斜視図である。

【図１３】図１２におけるＤ−Ｄ’線断面図である。

【符号の説明】

１，１ａ…積層型蒸発器、３，３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ
…プレート、３１１，３１１ａ，３１１ｂ，３１１ｃ，
３１１ｄ…フランジ、３３１，３３１ａ，３３１ｂ，３
３１ｃ，３３１ｄ…略ドーム状突起、３３３ａ，３３３
ｂ，３３３ｃ，３３３ｄ…接続面、３３４ａ，３３４
ｂ，３３４ｃ，３３４ｄ…小孔、３５１，３５１ａ，３
５１ｂ，３５１ｃ，３５１ｄ…狭い仕切壁、３５２，３
５２ａ，３５２ｂ，３５２ｃ，３５２ｄ…接続面、３５
３ｃ，３５３ｄ…突片、３５４ａ，３５４ｂ，３５４
ｃ，３５４ｄ…切れ目。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数の積層型チューブユニットであり、
前記チューブユニットの各々は互いに結合されたプレー
トを有し前記プレート間に流体通路が用意されるととも
に前記プレートから延びかつ前記流体通路に連通する少
なくとも一つの流体連通開口とが用意されており、前記
プレートの各々は、浅い窪みと、前記浅い窪みの周辺に
沿ってのびたフランジと、前記浅い窪みに設けられた複
数の突起と、前記浅い窪みの中間部分に配され前記プレ
ートの各々の範囲でのびて前記プレートの左側と右側と
を隔てる壁部とを有し、前記複数の積層型チューブユニットの上面に配された少
なくとも一つの導管であり、前記少なくとも一つの導管
は前記複数の積層型チューブユニットにおける前記少な
くとも一つの流体連通開口を受けるための複数のスロッ
トを有する熱交換器において、前記プレートの各々には前記プレートの左側と右側とを
隔てる壁部の平らな接続面に切れ目が設けてあることを
特徴とする熱交換器。
【請求項２】前記複数の突起は接続面が平らに形成さ
れていることを特徴とする請求項１記載の熱交換器。
【請求項３】前記複数の突起は接続面中心部に小孔を
設けたことを特徴とする請求項２記載の熱交換器。
【請求項４】前記切れ目は壁部接続面中心線からやや
ずれて設けられていることを特徴とする請求項１記載の
熱交換器。
【請求項５】前記切れ目は、どちらか一方の突片のみ
が切り起こされて形成されていることを特徴とする請求
項１記載の熱交換器。