JPH08199299A - 耐爪とび性、耐黒点性および耐時効性に優れたほうろう 用鋼 - Google Patents
耐爪とび性、耐黒点性および耐時効性に優れたほうろう 用鋼Info
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- JPH08199299A JPH08199299A JP1018995A JP1018995A JPH08199299A JP H08199299 A JPH08199299 A JP H08199299A JP 1018995 A JP1018995 A JP 1018995A JP 1018995 A JP1018995 A JP 1018995A JP H08199299 A JPH08199299 A JP H08199299A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐爪とび性、耐黒点性および耐時効性に優れ
たほうろう用鋼の提供。 【構成】 重量 %で、Ｃ≦0.004%、Ｍｎ≦0.2%、Ｐ:0.0
03〜0.025%、Ｓ≦0.02%、Ｃｕ:0.005〜0.05% 、Ｎ≦0.0
04%、Ｏ:0.035% 以上、Ｂ:0.02%超で、残部Ｆｅおよび
不可避不純物を含有することを特徴とする耐爪とび性、
耐黒点性および耐時効性に優れたほうろう用鋼。 【効果】 耐爪とび性、耐黒点性および耐時効性に優れ
たほうろう用鋼がえられた。
たほうろう用鋼の提供。 【構成】 重量 %で、Ｃ≦0.004%、Ｍｎ≦0.2%、Ｐ:0.0
03〜0.025%、Ｓ≦0.02%、Ｃｕ:0.005〜0.05% 、Ｎ≦0.0
04%、Ｏ:0.035% 以上、Ｂ:0.02%超で、残部Ｆｅおよび
不可避不純物を含有することを特徴とする耐爪とび性、
耐黒点性および耐時効性に優れたほうろう用鋼。 【効果】 耐爪とび性、耐黒点性および耐時効性に優れ
たほうろう用鋼がえられた。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、耐爪とび性、耐黒点性
および耐時効性に優れたほうろう用鋼を提供しようとす
るものである。 このようなほうろう用鋼からなる製品と
しては、例えば鋼板、鋼管、形鋼、棒鋼、および鋼板か
ら成形した鋼管、形鋼などがある。
および耐時効性に優れたほうろう用鋼を提供しようとす
るものである。 このようなほうろう用鋼からなる製品と
しては、例えば鋼板、鋼管、形鋼、棒鋼、および鋼板か
ら成形した鋼管、形鋼などがある。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
ほうろう用鋼板も連続鋳造法で製造されるようになって
きた。 連続鋳造法によって製造されるほうろう用鋼板と
しては、Ｔｉ添加鋼、Ｂ添加アルミキルド鋼などがあ
る。 しかし、これらの鋼は、泡、黒点欠陥等が発生しや
すく、直接1 回掛け用鋼板に適用するには、製造条件の
厳しい管理が必要となる。
ほうろう用鋼板も連続鋳造法で製造されるようになって
きた。 連続鋳造法によって製造されるほうろう用鋼板と
しては、Ｔｉ添加鋼、Ｂ添加アルミキルド鋼などがあ
る。 しかし、これらの鋼は、泡、黒点欠陥等が発生しや
すく、直接1 回掛け用鋼板に適用するには、製造条件の
厳しい管理が必要となる。
【０００３】一方、鋼中の酸素濃度を高くし、ＭｎＯ、
ＦｅＯなどの介在物を形成し、水素トラップサイトとす
る鋼がある。しかし、当該鋼は鋼中に固溶炭素、固溶窒
素が存在するため、連続焼鈍した場合、耐時効性に劣る
という欠点がある。 そのため、特開平1-275736のよう
に、鋼中にＶ、Ｎｂなどの元素を添加し、固溶炭素、固
溶窒素を固定し、耐時効性を改善しようとしたものがあ
る。 しかし、Ｖ、Ｎｂを添加すると耐黒点性が劣化する
という欠点がある。 さらに、特開平3-10048 のように鋼
中にＢを添加し、同時にＮ量を増やし、耐時効性および
耐黒点性を改善しようとしたものもあるが、ＮをＢで固
定しても、ほうろう焼成中にＢＮがほうろうおよび雰囲
気と反応してガス化するため、Ｎの量が多い場合は、耐
黒点性はあまり改善されない。
ＦｅＯなどの介在物を形成し、水素トラップサイトとす
る鋼がある。しかし、当該鋼は鋼中に固溶炭素、固溶窒
素が存在するため、連続焼鈍した場合、耐時効性に劣る
という欠点がある。 そのため、特開平1-275736のよう
に、鋼中にＶ、Ｎｂなどの元素を添加し、固溶炭素、固
溶窒素を固定し、耐時効性を改善しようとしたものがあ
る。 しかし、Ｖ、Ｎｂを添加すると耐黒点性が劣化する
という欠点がある。 さらに、特開平3-10048 のように鋼
中にＢを添加し、同時にＮ量を増やし、耐時効性および
耐黒点性を改善しようとしたものもあるが、ＮをＢで固
定しても、ほうろう焼成中にＢＮがほうろうおよび雰囲
気と反応してガス化するため、Ｎの量が多い場合は、耐
黒点性はあまり改善されない。
【０００４】本発明は上記したような従来技術によるも
のの技術的課題を解決することについて検討を重ね、ほ
うろう用鋼、特に直接1 回掛けに適したほうろう用鋼に
ついて研究した結果、耐爪とび性、耐黒点性、耐時効性
に優れたほうろう用鋼を発明したものであって、以下の
如くである。
のの技術的課題を解決することについて検討を重ね、ほ
うろう用鋼、特に直接1 回掛けに適したほうろう用鋼に
ついて研究した結果、耐爪とび性、耐黒点性、耐時効性
に優れたほうろう用鋼を発明したものであって、以下の
如くである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】第１の発明は、重量 %
で、Ｃ≦0.004%、Ｍｎ≦0.2%、Ｐ:0.003〜0.025%、Ｓ≦
0.02% 、Ｃｕ:0.005〜0.05% 、Ｎ≦0.004%、Ｏ:0.035%
以上、Ｂ:0.02%超で、残部Ｆｅおよび不可避不純物を含
有することを特徴とする耐爪とび性、耐黒点性および耐
時効性に優れたほうろう用鋼である。
で、Ｃ≦0.004%、Ｍｎ≦0.2%、Ｐ:0.003〜0.025%、Ｓ≦
0.02% 、Ｃｕ:0.005〜0.05% 、Ｎ≦0.004%、Ｏ:0.035%
以上、Ｂ:0.02%超で、残部Ｆｅおよび不可避不純物を含
有することを特徴とする耐爪とび性、耐黒点性および耐
時効性に優れたほうろう用鋼である。
【０００６】第２の発明は、重量% で、Ｃ≦0.002%、Ｍ
ｎ≦0.2%、Ｐ:0.003〜0.025%、Ｓ≦0.02% 、Ｃｕ:0.005
〜0.05% 、Ｎ≦0.002%、Ｏ:0.035〜0.1%、Ｂ:0.02 超〜
0.05% で、残部Ｆｅおよび不可避不純物を含有すること
を特徴とする耐爪とび性、耐黒点性および耐時効性に優
れたほうろう用鋼である。
ｎ≦0.2%、Ｐ:0.003〜0.025%、Ｓ≦0.02% 、Ｃｕ:0.005
〜0.05% 、Ｎ≦0.002%、Ｏ:0.035〜0.1%、Ｂ:0.02 超〜
0.05% で、残部Ｆｅおよび不可避不純物を含有すること
を特徴とする耐爪とび性、耐黒点性および耐時効性に優
れたほうろう用鋼である。
【０００７】
【作用】ほうろう用鋼には、耐爪とび性の観点から、鋼
中に水素吸蔵サイトが必要である。 水素吸蔵サイトとし
ては、炭化物、窒化物、硫化物、酸化物などが考えられ
る。 しかし、鋼中の炭化物、窒化物および硫化物は、ほ
うろう焼成中にほうろう層および雰囲気と反応、もしく
は分解してガス化し、耐黒点性が劣化するため、直接１
回掛け用の鋼の水素吸蔵サイトとしては好ましくない。
中に水素吸蔵サイトが必要である。 水素吸蔵サイトとし
ては、炭化物、窒化物、硫化物、酸化物などが考えられ
る。 しかし、鋼中の炭化物、窒化物および硫化物は、ほ
うろう焼成中にほうろう層および雰囲気と反応、もしく
は分解してガス化し、耐黒点性が劣化するため、直接１
回掛け用の鋼の水素吸蔵サイトとしては好ましくない。
【０００８】特に炭化物、窒化物、硫化物は、ほうろう
前処理での酸洗過程でほうろう表層に濃化するため、酸
洗減量値が大きい場合には黒点欠陥を発生しやすい。そ
こで、酸洗減量値が大きくなっても黒点を発生しなくす
るためには、鋼中のＣ、Ｎ、Ｓを低減して耐黒点性を向
上させ、酸化物を水素吸蔵サイトとするのが良い。
前処理での酸洗過程でほうろう表層に濃化するため、酸
洗減量値が大きい場合には黒点欠陥を発生しやすい。そ
こで、酸洗減量値が大きくなっても黒点を発生しなくす
るためには、鋼中のＣ、Ｎ、Ｓを低減して耐黒点性を向
上させ、酸化物を水素吸蔵サイトとするのが良い。
【０００９】しかしながら、単に鋼中の酸素量を高めた
だけでは、固溶炭素、窒素が存在し、耐時効性は劣る。
そこで、Ｂを添加し、Ｂの酸化物を形成させるとともに
微量のＮをＢで固定し、耐時効性を改善した。
だけでは、固溶炭素、窒素が存在し、耐時効性は劣る。
そこで、Ｂを添加し、Ｂの酸化物を形成させるとともに
微量のＮをＢで固定し、耐時効性を改善した。
【００１０】このようにして、耐爪とび性、耐黒点性お
よび耐時効性に優れた鋼を発明するに至ったのである。
なお、本発明によるときは、鋼中にカーバイド、窒化物
がほとんど存在せず、主にＢ2 Ｏ3 で耐爪とび性を改善
しようとするため、Ｂ、Ｏの量は極めて重要である。
よび耐時効性に優れた鋼を発明するに至ったのである。
なお、本発明によるときは、鋼中にカーバイド、窒化物
がほとんど存在せず、主にＢ2 Ｏ3 で耐爪とび性を改善
しようとするため、Ｂ、Ｏの量は極めて重要である。
【００１１】このような本発明による鋼の限定理由を重
量％（Wt %）で以下に示す。 Ｃ≦0.004% Ｎ≦0.004% Ｓ≦0.02% 鋼中および硫酸酸洗後、鋼板表面に濃化した炭化物、窒
化物、硫化物は、ほうろう焼成中にほうろう釉薬、雰囲
気と反応し、ガス化する。 これは、黒点欠陥の原因とな
るため、鋼中のＣ、Ｎ、Ｓは少ない方が良い。Ｓはほと
んどＭｎに固定されているため、ガス化する量は比較的
少ないが、特にＣ、Ｎは、結合力が小さいため反応しや
すく、両元素とも0.004%以下が良く、できれば0.002%以
下であることが望ましい。Ｓは、0.02% 以下、好ましく
は0.01% 以下が良い。
量％（Wt %）で以下に示す。 Ｃ≦0.004% Ｎ≦0.004% Ｓ≦0.02% 鋼中および硫酸酸洗後、鋼板表面に濃化した炭化物、窒
化物、硫化物は、ほうろう焼成中にほうろう釉薬、雰囲
気と反応し、ガス化する。 これは、黒点欠陥の原因とな
るため、鋼中のＣ、Ｎ、Ｓは少ない方が良い。Ｓはほと
んどＭｎに固定されているため、ガス化する量は比較的
少ないが、特にＣ、Ｎは、結合力が小さいため反応しや
すく、両元素とも0.004%以下が良く、できれば0.002%以
下であることが望ましい。Ｓは、0.02% 以下、好ましく
は0.01% 以下が良い。
【００１２】Ｍｎ≦0.2% Ｍｎは鋼中に含まれるＳをＭｎＳとして固定するために
添加する。しかし、鋼中のＭｎが多くなりすぎると、鋼
中の酸化物はＢ2 Ｏ3 ではなく、ＭｎＯが主体となる。
ＭｎＯのような介在物が鋼中に存在すると、加工性が劣
化するので、Ｍｎの上限を0.2%とする。 好ましくは、0.
1%以下である。
添加する。しかし、鋼中のＭｎが多くなりすぎると、鋼
中の酸化物はＢ2 Ｏ3 ではなく、ＭｎＯが主体となる。
ＭｎＯのような介在物が鋼中に存在すると、加工性が劣
化するので、Ｍｎの上限を0.2%とする。 好ましくは、0.
1%以下である。
【００１３】Ｐ:0.003〜0.025% Ｃｕ:0.005〜0.05% Ｐは、硫酸酸洗時の酸洗速度を上げ、密着性を向上させ
るために必要である。また、Ｃｕは，ほうろう焼成中に
ほうろうと鋼の界面をあらくし、密着性を向上させるの
に必要である。Ｃｕは、酸洗速度を抑える効果を持つた
め、適度な酸洗速度を得るためには、Ｐは0.003%以上0.
025%以下が良く、Ｃｕは0.005%以上0.05% 以下が良い。
なお、前述したように酸洗減量値は耐黒点性に関連し、
またほうろう密着性が高いほど爪とび欠陥は発生しにく
い。 本発明鋼によるときは、耐黒点性、耐爪とび性は充
分であるが、適度の酸洗減量値およびほうろう密着性の
向上により耐爪とび性を向上させるためには、望ましい
範囲としてはＣｕ/ Ｐを３〜５とすることが好ましい。
るために必要である。また、Ｃｕは，ほうろう焼成中に
ほうろうと鋼の界面をあらくし、密着性を向上させるの
に必要である。Ｃｕは、酸洗速度を抑える効果を持つた
め、適度な酸洗速度を得るためには、Ｐは0.003%以上0.
025%以下が良く、Ｃｕは0.005%以上0.05% 以下が良い。
なお、前述したように酸洗減量値は耐黒点性に関連し、
またほうろう密着性が高いほど爪とび欠陥は発生しにく
い。 本発明鋼によるときは、耐黒点性、耐爪とび性は充
分であるが、適度の酸洗減量値およびほうろう密着性の
向上により耐爪とび性を向上させるためには、望ましい
範囲としてはＣｕ/ Ｐを３〜５とすることが好ましい。
【００１４】Ｏ:0.035% 以上 Ｏは、Ｂと結合し、Ｂ2 Ｏ3 となり、耐爪とび性に効果
がある。 よって、Ｏは,0.035% 以上必要である。 しか
し、多量に添加してもその効果は飽和し、加工性を劣化
させるだけなので、望ましくは0.1%以下とする。
がある。 よって、Ｏは,0.035% 以上必要である。 しか
し、多量に添加してもその効果は飽和し、加工性を劣化
させるだけなので、望ましくは0.1%以下とする。
【００１５】Ｂ:0.02%超 Ｂは、Ｏと結合し、Ｂ2 Ｏ3 となり、耐爪とび性に効果
がある。 Ｂ量が少ないと鉄の酸化物が鋼中に多くなる
が、これは耐爪とび性にはあまり効果がない。 よって、
Ｂは0.02% を超えて添加する必要がある。 しかしなが
ら、多すぎるＢの添加は効果が飽和し、加工性を劣化さ
せるだけなので、望ましくは0.05% 以下とする。
がある。 Ｂ量が少ないと鉄の酸化物が鋼中に多くなる
が、これは耐爪とび性にはあまり効果がない。 よって、
Ｂは0.02% を超えて添加する必要がある。 しかしなが
ら、多すぎるＢの添加は効果が飽和し、加工性を劣化さ
せるだけなので、望ましくは0.05% 以下とする。
【００１６】なお、本鋼においては、溶鋼中の酸素が高
すぎた場合、Ｓｉ、Ａｌなどを添加して鋼中酸素を調整
することもあるが、これらの元素は不可避的に添加され
るものであり、表面性状に優れた鋼を得るためには少な
い方が好ましい。
すぎた場合、Ｓｉ、Ａｌなどを添加して鋼中酸素を調整
することもあるが、これらの元素は不可避的に添加され
るものであり、表面性状に優れた鋼を得るためには少な
い方が好ましい。
【００１７】以上のような成分組成の鋼として、鋼板を
製造する場合の製造条件は以下の様である。
製造する場合の製造条件は以下の様である。
【００１８】前記の成分範囲に調整した鋼のスラブを連
続鋳造、もしくは造塊法により製造する。ただし、脱炭
焼鈍、もしくは脱炭脱窒焼鈍を施して前記の成分とする
鋼板では、素材としての鋼のＣ、Ｎ量は前記の成分範囲
を超えても問題ない。 熱間圧延は、加工性を確保するた
め、仕上げ温度はＡr 3 変態点以上にすることが好ま
く、このため、スラブ加熱温度は1100℃以上にすること
が好ましい。 巻取温度は機械的性質を考慮して、500 ℃
〜750 ℃が好ましい。
続鋳造、もしくは造塊法により製造する。ただし、脱炭
焼鈍、もしくは脱炭脱窒焼鈍を施して前記の成分とする
鋼板では、素材としての鋼のＣ、Ｎ量は前記の成分範囲
を超えても問題ない。 熱間圧延は、加工性を確保するた
め、仕上げ温度はＡr 3 変態点以上にすることが好ま
く、このため、スラブ加熱温度は1100℃以上にすること
が好ましい。 巻取温度は機械的性質を考慮して、500 ℃
〜750 ℃が好ましい。
【００１９】熱間圧延後、熱延鋼板としてほうろう用に
供せられるか、冷延鋼板としてほうろう用に供せられ
る。
供せられるか、冷延鋼板としてほうろう用に供せられ
る。
【００２０】冷延鋼板では、冷間圧延は、機械的性質、
耐爪とび性の観点から、冷圧率は65% 以上が好ましい。
焼鈍は焼鈍前の鋼板中の窒素がＢにより固定されている
ため、連続焼鈍でも問題なく、箱焼鈍でも良い。また、
耐黒点性、加工性の観点から、脱炭焼鈍もしくは脱炭脱
窒焼鈍を施しても良い。調圧は、耐時効性、およびマイ
クロボイド形成による耐爪とび性の向上の観点から、調
圧率は0.8%以上が好ましい。
耐爪とび性の観点から、冷圧率は65% 以上が好ましい。
焼鈍は焼鈍前の鋼板中の窒素がＢにより固定されている
ため、連続焼鈍でも問題なく、箱焼鈍でも良い。また、
耐黒点性、加工性の観点から、脱炭焼鈍もしくは脱炭脱
窒焼鈍を施しても良い。調圧は、耐時効性、およびマイ
クロボイド形成による耐爪とび性の向上の観点から、調
圧率は0.8%以上が好ましい。
【００２１】なお、本発明によるときは、鋼の精錬方法
は電気炉で行っても良く、また、炉外精練も必要により
適用できる。さらに、熱間圧延において、粗圧延を省略
して仕上げ圧延を行っても何ら問題は無い。 熱間圧延は
冷鋳片を再加熱後、または鋳造後の熱片を軽い再加熱
（保熱、保定を含む）後、あるいは熱片を加熱炉に装入
せずに直接圧延を行ってもかまわない。
は電気炉で行っても良く、また、炉外精練も必要により
適用できる。さらに、熱間圧延において、粗圧延を省略
して仕上げ圧延を行っても何ら問題は無い。 熱間圧延は
冷鋳片を再加熱後、または鋳造後の熱片を軽い再加熱
（保熱、保定を含む）後、あるいは熱片を加熱炉に装入
せずに直接圧延を行ってもかまわない。
【００２２】本発明によるものの、ほうろう用冷延鋼板
の場合の具体的な実施例について説明すると以下のごと
くである。
の場合の具体的な実施例について説明すると以下のごと
くである。
【００２３】
実施例１
【００２４】
【表１】
【００２５】表1 に示すような成分組成を有する本発明
鋼および比較鋼のスラブを890 ℃で板厚2.8 ｍｍに熱間
圧延してから620 ℃で巻き取り、酸洗後、板厚0.8 ｍｍ
に冷間圧延した。その後、820 ℃で90秒間連続焼鈍、も
しくは箱焼鈍を行い、次いで調圧率1.0%で調圧を行い、
試験材とした。 試験材の機械的性質を測定し、さらに幅
長さを100 ×100 ｍｍのサンプルとし、以下の条件でほ
うろう掛けを行い、ほうろう特性を調査した。 表1 に標
記しない成分は残部Ｆｅおよび不可避不純物である。
鋼および比較鋼のスラブを890 ℃で板厚2.8 ｍｍに熱間
圧延してから620 ℃で巻き取り、酸洗後、板厚0.8 ｍｍ
に冷間圧延した。その後、820 ℃で90秒間連続焼鈍、も
しくは箱焼鈍を行い、次いで調圧率1.0%で調圧を行い、
試験材とした。 試験材の機械的性質を測定し、さらに幅
長さを100 ×100 ｍｍのサンプルとし、以下の条件でほ
うろう掛けを行い、ほうろう特性を調査した。 表1 に標
記しない成分は残部Ｆｅおよび不可避不純物である。
【００２６】なお、黒点試験においては、黒点が発生し
やすい釉薬を用い、酸洗時間を長くし、焼成時の雰囲気
の露点を高くして黒点が発生しやすいようにした。 ま
た、爪とび試験では、酸洗時間、Ｎｉめっき時間を短く
し、焼成時の露点を高くすることにより、爪とびが発生
しやすいようにした。
やすい釉薬を用い、酸洗時間を長くし、焼成時の雰囲気
の露点を高くして黒点が発生しやすいようにした。 ま
た、爪とび試験では、酸洗時間、Ｎｉめっき時間を短く
し、焼成時の露点を高くすることにより、爪とびが発生
しやすいようにした。
【００２７】密着性 サンプル：３枚 前処理: 脱脂→硫酸酸洗(15% H2SO4 、 70 ℃×10min)
→Ｎｉめっき(NiSO4 ・ 7H2O 13g/L 、pH 2.6、 70 ℃
×5min) →中和 施釉: 日本フエロー 1553C 釉薬 目標: 両面に100 μm づつ 焼成:830℃×3min
→Ｎｉめっき(NiSO4 ・ 7H2O 13g/L 、pH 2.6、 70 ℃
×5min) →中和 施釉: 日本フエロー 1553C 釉薬 目標: 両面に100 μm づつ 焼成:830℃×3min
【００２８】黒点試験 サンプル：１０枚 前処理: 脱脂→硫酸酸洗(15% H2SO4 、 70 ℃×20min)
→Ｎｉめっき(NiSO4 ・ 7H2O 13g/L 、 pH2.6、7 0 ℃
×5min) →中和 施釉: 日本フエロー Ｔ３７２４釉薬。 目標: 両面に100 μm づつ 焼成:840℃×3min、加湿雰囲気( 露点：30℃) ほうろう焼成後、黒点の有無、ピンホールの程度を目視
評価した。
→Ｎｉめっき(NiSO4 ・ 7H2O 13g/L 、 pH2.6、7 0 ℃
×5min) →中和 施釉: 日本フエロー Ｔ３７２４釉薬。 目標: 両面に100 μm づつ 焼成:840℃×3min、加湿雰囲気( 露点：30℃) ほうろう焼成後、黒点の有無、ピンホールの程度を目視
評価した。
【００２９】爪とび試験 サンプル：１０枚 前処理: 脱脂→硫酸酸洗(15% H2SO4 、 70 ℃×3min)
→Ｎｉめっき(NiSO4 ・ 7H2O 13g/L 、 pH2.6、7 0 ℃
×3min) →中和 施釉: 日本フエロー 1553C 釉薬 目標: 両面に100 μm づつ 焼成:830℃×2min、加湿雰囲気( 露点：30℃)
→Ｎｉめっき(NiSO4 ・ 7H2O 13g/L 、 pH2.6、7 0 ℃
×3min) →中和 施釉: 日本フエロー 1553C 釉薬 目標: 両面に100 μm づつ 焼成:830℃×2min、加湿雰囲気( 露点：30℃)
【００３０】
【表２】
【００３１】表2 に機械的性質、ほうろう特性を調査を
示す。なお、時効指数(ＡＩ) は、8% 予引張後、100
℃で1 時間の時効処理を行い、再度引張試験時の降伏荷
重と予引張時の荷重の差を予引張後の断面積で割った値
を示す。 m r は平均r 値を示す。
示す。なお、時効指数(ＡＩ) は、8% 予引張後、100
℃で1 時間の時効処理を行い、再度引張試験時の降伏荷
重と予引張時の荷重の差を予引張後の断面積で割った値
を示す。 m r は平均r 値を示す。
【００３２】表1 、2 からMn量が多すぎる鋼板16は、加
工性に劣る。 また、Ｂを添加してない、もしくはＢが0.
02% 以下の鋼板17、18は耐爪とび性、耐時効性に劣る。
さらに、Ｃ量が多すぎる鋼板19、20およびＮ量が多すぎ
る鋼板21、22、Ｓ量が多すぎる鋼板23は耐黒点性に劣
る。
工性に劣る。 また、Ｂを添加してない、もしくはＢが0.
02% 以下の鋼板17、18は耐爪とび性、耐時効性に劣る。
さらに、Ｃ量が多すぎる鋼板19、20およびＮ量が多すぎ
る鋼板21、22、Ｓ量が多すぎる鋼板23は耐黒点性に劣
る。
【００３３】実施例2 図1 にC=0.0005〜0.0019% 、Mn=0.06 〜0.09% 、P=0.00
5 〜0.01% 、S=0.006〜0.01% 、Cu=0.026〜0.038%、N=
0.0007〜0.0019% でＢ、Ｏ量を変化させた鋼板の耐爪と
び性を示す。図1 からＢが0.02% 超で、しかもＯが0.03
5%以上であると、爪とびは発生しないことがわかる。
5 〜0.01% 、S=0.006〜0.01% 、Cu=0.026〜0.038%、N=
0.0007〜0.0019% でＢ、Ｏ量を変化させた鋼板の耐爪と
び性を示す。図1 からＢが0.02% 超で、しかもＯが0.03
5%以上であると、爪とびは発生しないことがわかる。
【００３４】実施例3 図2 にMn=0.06 〜0.09% 、P=0.005 〜0.01% 、S=0.008
〜0.01% 、Cu=0.026〜0.038%、B=0.022 〜0.028%、O=0.
045 〜0.061%でＣ、Ｎ量を変化させた鋼板の耐黒点性を
示す。 図2 からＣ、Ｎが0.004%以下であると黒点は発生
しない。 特に両元素が0.002%以下では、目立ったピンホ
ールが発生せず、外観は極めて良好である。
〜0.01% 、Cu=0.026〜0.038%、B=0.022 〜0.028%、O=0.
045 〜0.061%でＣ、Ｎ量を変化させた鋼板の耐黒点性を
示す。 図2 からＣ、Ｎが0.004%以下であると黒点は発生
しない。 特に両元素が0.002%以下では、目立ったピンホ
ールが発生せず、外観は極めて良好である。
【００３５】実施例4
【００３６】
【表３】
【００３７】表3 の焼鈍前の欄に示すような成分組成を
有するスラブを890 ℃で板厚2.8 ｍｍに熱間圧延してか
ら620 ℃で巻き取り、酸洗後、板厚0.8 ｍｍに冷間圧延
した。 その後、脱炭焼鈍、もしくは脱炭脱窒焼鈍を行
い、次いで調圧率1.0%で調圧を行い、試験材とした。 試
験材の機械的性質を測定し、さらに幅長さ100 ×100 ｍ
ｍのサンプルを実施例1 と同様の条件でほうろう掛けを
行い、ほうろう特性を調査した。 表3 に標記しない成分
は残部Ｆｅおよび不可避不純物である。
有するスラブを890 ℃で板厚2.8 ｍｍに熱間圧延してか
ら620 ℃で巻き取り、酸洗後、板厚0.8 ｍｍに冷間圧延
した。 その後、脱炭焼鈍、もしくは脱炭脱窒焼鈍を行
い、次いで調圧率1.0%で調圧を行い、試験材とした。 試
験材の機械的性質を測定し、さらに幅長さ100 ×100 ｍ
ｍのサンプルを実施例1 と同様の条件でほうろう掛けを
行い、ほうろう特性を調査した。 表3 に標記しない成分
は残部Ｆｅおよび不可避不純物である。
【００３８】
【表４】
【００３９】表4 に機械的性質、ほうろう特性を調査を
示す。表4 から、脱炭焼鈍、もしくは脱炭脱窒焼鈍して
もＣ量が多い鋼板Ｈ、Ｎ量が多い鋼板Ｉは、耐黒点性に
劣る。
示す。表4 から、脱炭焼鈍、もしくは脱炭脱窒焼鈍して
もＣ量が多い鋼板Ｈ、Ｎ量が多い鋼板Ｉは、耐黒点性に
劣る。
【００４０】また、本発明方法によって作られた鋼は鋼
板の長手方向による性能のばらつきは極めて小さく、均
一なものが得られた。
板の長手方向による性能のばらつきは極めて小さく、均
一なものが得られた。
【００４１】なお、鋼板から成形した鋼管、形鋼などに
も、直接に鋼管、形鋼、棒鋼などを製造する場合にも適
用出来るものである。
も、直接に鋼管、形鋼、棒鋼などを製造する場合にも適
用出来るものである。
【００４２】
【発明の効果】本発明によるときは、耐爪とび性、耐黒
点性および耐時効性に優れたほうろう用鋼が得られた。
その上、製造条件に対しての制約も少ないので、耐黒点
性、耐時効性に優れた鋼を工業的に有利に製造し得るこ
ととなり、コスト的および省エネルギ上頗る大きなメリ
ットをもたらすなどの効果も合わせ持つものである。
点性および耐時効性に優れたほうろう用鋼が得られた。
その上、製造条件に対しての制約も少ないので、耐黒点
性、耐時効性に優れた鋼を工業的に有利に製造し得るこ
ととなり、コスト的および省エネルギ上頗る大きなメリ
ットをもたらすなどの効果も合わせ持つものである。
【図１】 Ｂ、Ｏ量と耐爪とび性の関係を示す図であ
る。
る。
【図２】 Ｃ、Ｎ量と耐黒点性の関係を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項１】重量 %で、Ｃ≦0.004%、Ｍｎ≦0.2%、Ｐ:
0.003〜0.025%、Ｓ≦0.02% 、Ｃｕ:0.005〜0.05% 、Ｎ
≦0.004%、Ｏ:0.035% 以上、Ｂ:0.02%超で、残部Ｆｅお
よび不可避不純物を含有することを特徴とする耐爪とび
性、耐黒点性および耐時効性に優れたほうろう用鋼。 - 【請求項２】重量% で、Ｃ≦0.002%、Ｍｎ≦0.2%、Ｐ:
0.003〜0.025%、Ｓ≦0.02% 、Ｃｕ:0.005〜0.05% 、Ｎ
≦0.002%、Ｏ:0.035〜0.1%、Ｂ:0.02 超〜0.05% で、残
部Ｆｅおよび不可避不純物を含有することを特徴とする
耐爪とび性、耐黒点性および耐時効性に優れたほうろう
用鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7010189A JP3067569B2 (ja) | 1995-01-25 | 1995-01-25 | 耐爪とび性、耐黒点性および耐時効性に優れたほうろう用鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7010189A JP3067569B2 (ja) | 1995-01-25 | 1995-01-25 | 耐爪とび性、耐黒点性および耐時効性に優れたほうろう用鋼 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08199299A true JPH08199299A (ja) | 1996-08-06 |
| JP3067569B2 JP3067569B2 (ja) | 2000-07-17 |
Family
ID=11743347
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7010189A Expired - Fee Related JP3067569B2 (ja) | 1995-01-25 | 1995-01-25 | 耐爪とび性、耐黒点性および耐時効性に優れたほうろう用鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3067569B2 (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1225241A1 (en) * | 2000-06-23 | 2002-07-24 | Nippon Steel Corporation | Steel sheet for porcelain enamel excellent in forming property, aging property and enameling characteristics and method for producing the same |
| EP1233079A1 (en) * | 2001-02-16 | 2002-08-21 | Corus Staal BV | Cold reduced enamelling steel sheet and an enamelled structure comprising a component of such a steel sheet |
| EP1336665A1 (en) * | 2002-02-18 | 2003-08-20 | Corus Staal BV | Cold reduced enamelling steel sheet and an enamelled structure comprising a component of such a steel sheet |
| EP1950317A1 (en) * | 2005-11-09 | 2008-07-30 | Nippon Steel Corporation | Steel sheet for continuous cast enameling with highly excellent unsusceptibility to fishscaling and process for producing the same |
| WO2012136270A1 (en) * | 2011-04-08 | 2012-10-11 | Arcelormittal Investigación Y Desarrollo Sl | A steel sheet suitable for enamelling and method for producing such a sheet |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102557446A (zh) * | 2011-11-08 | 2012-07-11 | 武汉中冶斯瑞普科技有限公司 | 一种搪瓷卷板用搪瓷釉料及其制备方法及采用该釉料制备搪瓷卷板的方法 |
-
1995
- 1995-01-25 JP JP7010189A patent/JP3067569B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| EP1225241A1 (en) * | 2000-06-23 | 2002-07-24 | Nippon Steel Corporation | Steel sheet for porcelain enamel excellent in forming property, aging property and enameling characteristics and method for producing the same |
| EP1225241A4 (en) * | 2000-06-23 | 2003-08-27 | Nippon Steel Corp | PORCELAIN METAL STEEL PLATE WITH EXCELLENT FORMABILITY, AGING RESISTANCE AND ENAMELING PROPERTIES AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR |
| EP1233079A1 (en) * | 2001-02-16 | 2002-08-21 | Corus Staal BV | Cold reduced enamelling steel sheet and an enamelled structure comprising a component of such a steel sheet |
| EP1336665A1 (en) * | 2002-02-18 | 2003-08-20 | Corus Staal BV | Cold reduced enamelling steel sheet and an enamelled structure comprising a component of such a steel sheet |
| EP1950317A1 (en) * | 2005-11-09 | 2008-07-30 | Nippon Steel Corporation | Steel sheet for continuous cast enameling with highly excellent unsusceptibility to fishscaling and process for producing the same |
| EP1950317A4 (en) * | 2005-11-09 | 2010-03-24 | Nippon Steel Corp | STAHLBLECH STRUCTURAL MOLDING WITH HIGHLY EXCELLENT SENSITIVITY TO FISH VENEERING AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR |
| WO2012136270A1 (en) * | 2011-04-08 | 2012-10-11 | Arcelormittal Investigación Y Desarrollo Sl | A steel sheet suitable for enamelling and method for producing such a sheet |
| EA024029B1 (ru) * | 2011-04-08 | 2016-08-31 | Арселормитталь Инвестигасион И Десаррольо Сл | Стальной лист, пригодный для эмалирования и способ получения такого листа |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3067569B2 (ja) | 2000-07-17 |
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