JPH01180916A - 密着性および耐泡性の優れたほうろう用鋼板の製造方法 - Google Patents

密着性および耐泡性の優れたほうろう用鋼板の製造方法

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JPH01180916A
JPH01180916A JP380888A JP380888A JPH01180916A JP H01180916 A JPH01180916 A JP H01180916A JP 380888 A JP380888 A JP 380888A JP 380888 A JP380888 A JP 380888A JP H01180916 A JPH01180916 A JP H01180916A
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一典 大澤
Kenji Ito
健治 伊藤
Kozo Sumiyama
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、はうろう用鋼板の製造方法に関し、特にプレ
ス成形性およびほうろう焼成後のほうろうの密着性が極
めて優れ、かつほうろう泡欠陥の発生のないほうろう用
冷延鋼板の製造方法に関するものである。
〈従来の技術〉 はうろうは美麗な表面と優れた耐蝕性を有するため厨房
器具、衛生器具、パネル、化学容器などの広い範囲に用
いられている。
中でも厨房器具や浴槽などに使用される鋼板は優れた深
絞り性が要求される。深絞り性向上のためには、鋼板の
機微的特性として高い延性(Ej2)と高いランクフォ
ード値(r値)が必要である。
また、はうろう用鋼板は、泡欠陥や焼成歪の発生を抑制
するために極低炭素鋼であると同時に表面が清浄である
ことが必要である。
さらに、はうろうかけ鋼板は、鋼板に釉薬を塗布焼成し
て製造するカベ焼成温度800〜850°Cで鋼板に侵
入した水素が冷却中に鋼板と釉薬との境界に凝集し、そ
の圧力で釉薬をはしき飛ばす所謂つまとびが発生する。
一般に、このつまとびを防止する方法としては、酸素含
有量を高くして鋼中に介在物を多くしたり、Ti、B、
Nb、■等の炭化物、窒化物、硫化物等の第2相を多く
析出させる方法が用いられていた。
しかし、鋼中の介在物や析出物を多くすると濶絞り性が
劣化する。したがって、深絞り性が要求される用途での
ほうろう用@板の製造には限界があった。
脱炭脱窒焼鈍したキャンブト鋼板は、これらの要求を満
たすとともにプレス加工性も優れており、これまで広(
はうろう用鋼板として使用されてきた。しかし、この手
の鋼板は造塊、分塊圧延の他説炭脱窒焼鈍が必要なため
高コストになることが避けられなかった。
かかる問題を解決するために、特公昭42−12348
号の発明であるプレス成形性に優れたT1添加極低炭素
鋼を用い、脱炭脱窒焼鈍のかわりに、連続焼鈍法や箱焼
鈍法によりほうろう用鋼板を製造する試みが多くなされ
た。例えば、特開昭51−98619号、特開昭54−
125117号などに開示されているように、プレス成
形性および耐つまとび性の優れたほうろう用鋼板の製造
方法が種々提案されている。
Ti添加鋼の場合、TiがTiC、、TiNあるいはT
i硫化物やT1リン化物を鋼中で形成し、耐つまとび性
を向上せしめると同時に、C,N、Sが固溶状態でなく
なるため、プレス成形性も良好となる。
従って、つまとびを抑制するためには、十分なTiとと
もにC,N、S、Pなどの元素が鋼中に含有されている
ことが必要であるとされてきた。しかし、従来の方法で
製造されるほうろう用鋼板は、はうろう密着性が脱炭脱
窒キャンブト鋼板と比べて劣り、また特に−回がけのほ
うろう被覆の場合はうろう泡欠陥が発生し易いなどの欠
点を有しており、問題となっていた。
これらの欠点のため、T1添加極低炭素鋼は、プレス成
形性と耐つまとび性に優れていながらこれまで、はうろ
う二回かけ以上の極一部の用途にしかほうろう用鋼板と
して用いられていなかった。
特に鋼板とほうろう釉薬の界面反応を促進するN1やC
oの含まれていない密着力の弱い上掛は用はうろう用釉
薬を直接鋼板に施釉、焼成する直接−回掛はうろうには
用いることはできなかった。
また一方このような直接1回折けほうろうに用いられる
鋼板自体のほうろう密着性を良好ならしめる方法として
は、例えば特開昭51−27812号や同57−636
61号各公報などに開示の方法が知られている。
特開昭51−27812号公報は、鋼中にCo、 As
、 Niなどを添加して密着性の改善を図ったものであ
るが、良好な密着性を得るためには600■/ d m
 2以上の酸洗減量が必要とされるとしている。しかし
ながら、このような多くの酸洗減量を得るためには、反
応させる酸の消費量が多いだけでなく、酸洗液の劣化も
早(、作業管理も難しい等の問題があった。
また、特開昭57−63661号公報では、上記のよう
な問題を解決するために、Cu : 0.02〜0.0
6重量%(以下単に%で示す)としくP+S)/Cuを
2.0以下とすることによって少ない酸洗減量値(20
0■/dm”)以上で良好な密着性を得る方法が開示さ
れているが、この方法は、はうろう密着性は良好ではあ
るものの、はうろうの泡欠陥や黒点欠陥が発生するとい
う問題があった。上記のような欠陥が発生した場合には
、手直しによる再焼成が必要とされ、手直しによるコス
トアップと、再焼成による密着力低下が問題となってい
た。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明はTi添加鋼のプレス成形性と耐つまとび性を損
なうことなく、はうろう1回掛においてもほうろう密着
性および耐泡性の優れたほうろう用鋼板の製造方法を提
供するものである。
く課題を解決するための手段〉 本発明は、 (1)  重量%にしてC: 0.001〜0.005
%、Mn:0.05〜0.5%、P : 0.003〜
0.020%、S二0.005〜0.04%、 So 
l 、 AJ! : 0.003〜0.100%。
N : 0.003〜0.010%、 Se : 0.
002〜0.020%。
含み、その他残部がFeおよび不可避的不純物とからな
る連続鋳造スラブを熱間粗圧延処理し、次いで曲率半径
が0.3〜1.5mの範囲になるように曲げ加工し、そ
のまま10秒〜30分間保持し、引き続き常法の熱間仕
上圧延、冷間圧延、再結晶焼鈍および調質圧延を施こす
ことを特徴とする密着性および耐泡性の優れたほうろう
用鋼板の製造方法、ならびに (2)  重量%にしてC: 0.001〜0.005
%、Mn:0.05〜0.5%+’ P : 0.00
3〜0.020%、S二0.005〜0.04%、 S
o I2.A1 : 0.003〜0.100%。
N : 0.003−0.010%、 Se : 0.
002〜0.020%。
REM  : 〈0.10%。
含み、その他残部がFeおよび不可避的不純物とからな
る連続鋳造スラブを熱間粗圧延処理し、次いで曲率半径
が0.2〜2.0mの範囲になるように曲げ加工し、そ
のまま10秒〜30分間保持し、引き続き常法の熱間仕
上圧延、冷間圧延、再結晶焼鈍および調質圧延を施こす
ことを特徴とする密着性および耐泡性の優れたほうろう
用鋼板の製造方法である。
〈作   用〉 まず、本発明の基となった実験について説明する。
第1表に示す組成のA、B、Cの100 nun厚の連
続鋳造スラブを1250°Cに3時間加熱した後、11
00°Cで3バスの粗圧延を施して厚さ30mmのジー
トノ\−とじた。引続き、1000°Cで曲率半径0.
25〜1.8m範囲での曲げ加工を施し、即ち上記範囲
の曲率半径で巻き取り約5分間保持した後、3パスで仕
上温度860°C1板厚3.2mmになるように仕上熱
延を施し、次いで室温まで空冷で冷却した。引き続き酸
洗後、板厚0,8肛に冷間圧延し、N2 : 93%、
 I2:3%の雰囲気中で加熱速度:10’C/秒、均
熱温度・時間:830°C×60秒、冷却速度:10°
C/秒で再結晶焼鈍し、次いで#50ダルの圧延ロール
で圧下率0.5%の調質圧延を施した。なお第1表の鋼
板りは従来の工程を通り、最終焼鈍で脱炭、脱窒された
キャンブト鋼板である。
次に鋼板A、B、C,Dに第4図に示す前処理後、直接
1回のほうろう掛けを行ない、大気中で820°C×6
0秒のほうろう焼成を行なった。その時のほうろう表面
の泡発生状況、はうろう密着性CP、E、I  (米国
はうろう協会)が推奨する密着試験方法: ASTMC
313−593を鋼板の絞り性(F値)と共に第1図に
示す。
ところで鋼板の絞り性F値は次のように定義される。
rO・+2r45・+ rm F値−□ 但し r O−:圧延方向のランクフォード値、r45.  
・圧延方向に対して45°方向のランクフォートイ直、 rc :圧延方向に対して90°方向のランクフォード
値 その結果、曲率半径0.3〜1.5mの曲げ加工を施し
た鋼板AおよびCは深絞り性が向上し、比較鋼Bあるい
は従来のキャップドmDよりも優れていた。また、この
曲率半径の範囲内では鋼板AおよびCに泡の発生は認め
られなかった。しかもほうろう密着性は、従来の脱炭脱
窒キャンブト鋼と同等の結果が得られた。
また第2表に示す組成の100mm厚のシートバーを1
300°Cに1時間加熱した後、1200°C±50°
Cで曲率半径0.8m (鋼1)、1.0m (鋼3)
の曲げ加工を施した鋼と曲げ加工を施さない鋼(鋼2)
を3バスで仕上温度870°C1板厚3.5mmになる
ように仕上熱延を施し、室温まで空冷で冷却した。次い
で酸洗後、板厚1 、0 mmになるように冷間圧延を
施し、脱脂後、水素二ア%、窒素93%の雰囲気中で8
30°C×40秒の再結晶焼鈍を行ない、圧下率0.8
%の調質圧延を施した。
脱脂後、酸洗時間を1〜40分の範囲で変化させて行な
い次いで10分間のN1浸漬を行ない直接1回の施釉、
焼成を施こし、はうろう密着性、泡発生状況を調べた。
その結果を第2図に示す。
鋼1においては、5分以上の酸洗でほうろう密着性が良
好でかつ泡の発生もおこらなかった。しかし、熱延中で
曲げ加工を施さなかった鋼2は密着が良好となる酸洗時
間領域が狭く泡欠陥が著しく発生した。
この実験で熱延中、曲げ加工を施した鋼板の密着性が向
上し、泡の発生が改善された理由はおそらく高温におけ
る曲げ歪により、析出物が析出しやすくなり、と(に表
層部に微細に、かつ多量に析出し、酸洗速度が早まり、
酸洗後の鋼板表面に緻密な凹凸が形成され、それに付随
してN1浸漬後のNi析出量が増大したことによって密
着性が良好となったものと考えられる。
一方、Sの低い成分系の鋼板で、熱延中に曲げ加工を施
していない鋼板の密着性が悪いのは、SのほとんどはT
iSになり、密着性を良好ならしめる酸洗速度が得られ
なくなったためと考えられる。
すなわち通常のTi添加極低C鋼は結晶粒界が優先的に
酸洗されるので、密着性に有利な緻密な凹凸を有する表
面性状が得られないためと考えられる。
また、泡の発生機構そのものに今だ定説はないが、前処
理後の鋼板表面の凹凸が粗い場合に発生しやすいことが
経験的に知られている。本実験で泡の発生を抑制できた
ことは酸洗後の鋼板表面が緻密に腐食されたためと考え
られる。
次に本発明で鋼組成および製造条件を限定した理由につ
いて以下に述べる。
C: 0.001〜0.005% C含有量が少なくなる程、プレス成形性は向上するが、
0.001%未満ではTiCが析出しにくく、はうろう
焼成後、つまとび欠陥が発生するので下限は0.001
%に限定される。また、o、oos%超では材質劣化が
著しくなるので、上限は0.005%に限定される。
Mn : 0.05〜0.5% hは赤熱脆性の原因となるSを固定するのに有効な元素
であり、少なくとも0.05%の含有が必要である。し
かし、0.5%超の含有は材質を硬化し、加工性を低下
させることから、本発明でのMn含有量の範囲は0.0
5〜0.5%に限定される。
P : 0.003〜0020% P含有量が0.020%超になるとほうろう前処理時の
酸洗速度が速くなりほうろう密着性に有害なスマットが
鋼板表面に体積するので0020%以下に限定される。
また0、003%未満では酸洗速度が遅く、密着性に有
利な鋼板表面の凹凸が得られないので、0.003%以
上の含有が必要である。
S:0.005〜0.04% SはCと同様、含有量が少なくなる程、プレス成形性が
向上する。しかし、0005%未満ではPと同様に酸洗
速度が遅くなり、はうろう密着性が低下する。また0、
04%超では泡欠陥が発注しやすくなるので本発明での
S含有量はo、oos〜0.04%に限定される。
So l 、 AR: 0.003〜0.100%Mは
、製鋼段階で、脱酸剤として添加するが、脱酸を完全に
するためには鋼中に少なくとも、0.003%含有する
ようにしなければならない。しかし、0.100%超の
含有は、溶鋼コストを上昇させてしまうので、N含有量
を0.003〜0.100%の範囲とした。
N : 0.0.03〜0.010% Mはほうろうのつまとび欠陥を防止するのに有効なTi
Nを形成するのに有効であるが、0.005%未満の含
有量では、TiN の析出量が少なく、つまとび欠陥を
防止するのが困難である。また0、010%超の含有は
Tiの添加量を増大せざるをえなくなるので、コスト的
に不利となることから、N含有量は0.005〜0.0
10%に限定される。
Se : 0.002〜0.020% Seを添加する理由は、溶接時の溶鋼の粘性を低くし、
溶接後のビード形状を改善することを目的としている。
0.002%未満の含有量ではその効果がなく、また0
、020%超では酸洗速度が低下し、密着性を劣化させ
るので、Seの含有量は0.002〜0.020%に限
定される。
〜0.2% Tiはつまとび欠陥を防止するTiC,TiNを形成す
るのに有効な元素であり、かつ材質を劣化させるC、S
、Nを固定するに必要な量、すなわち以上を含有する必
要がある。しかし0.2%超の含有は溶鋼コストが増大
するばかりでなく、酸洗速度が大きくなり、はうろう前
処理条件が狭(なってしまうことから、本発明では、T
i含有量はCuは、酸洗速度の大きいT1添加鋼の酸洗
速度を抑制するのに有効な元素であるが、Pとの比(P
/Cu)が、0.8超ではCuの効果がな(、酸洗速度
を抑えることは不可能である。
また、Pとの比(P/Cu)が0.2未満では微細な凹
凸を得るに必要な酸洗減量、ならびにNi付着量が不足
し密着性が低下することがら本発明でのCuの範囲をP
との比で0.2〜0.8とし、なおかつ0.01%未満
ではCuを添加する効果がなく 、O,OS%超ではコ
ストが高くなることから含有量としては0.01〜0.
05%の含有量とした。
なお、はうろう密着性(P、E、I)におよぼすP量と
Cu量の影響について以下に説明する。
重量比にしてC:  0.002%、 Si : 0.
01%、Mn:0.2%、P:0.01%、S:0.0
2%、Ai!:0.04%。
N : 0.007%、 Ti : 0.09%、 S
e : 0.01%を含有させCu量をその比(P/C
u)にして0.15〜1.35に調整した鋼を1200
’Cに2時間加熱後、1100°Cで曲率半径0.7m
の曲げ加工を5分間付加し、ついで仕上温度870°C
,板厚3 、5 mmになるように仕上圧延を施した。
酸洗後、板厚0 、8 mmの冷延板とし830”CX
90秒の焼鈍を施した後、1.0%の調質圧延を施した
その後、第4図に示した条件で、はうろう前処理、直接
1回掛のほうろう施釉、焼成を行ない、はうろう密着性
(P、E、I)を8周べ、その結果を第3図に示した。
PとCuO比(P/Cu)にして0.2〜0.8の範囲
内でほうろう密着性(P、E、I)は90%以上を有し
、良好であった。P/Cu<0.2ではPEIは急速に
低下し、またP E I >0.8では徐々にPEIは
低下し、さらに泡・黒点欠陥が発生する傾向にあった。
P/Cu<0.2の成分範囲ではCuが多すぎ、酸洗減
量が遅(、密着に有利となる鋼板表面の凹凸が得られず
またN1の析出が得られないという相乗効果により、密
着性(P、E、I)は著しく低下したものと推定される
さらに、P/Cu>0.8の範囲では、酸洗減量とくに
結晶粒界の腐食が進みそれにつれNiの析出も増加し、
泡欠陥が発生したものと考えられる。
REM <0.10% REMは硫化物を形成しつまとび欠陥の原因となるH2
をトラップするのに有効な元素であり、また本発明のよ
うに熱延中の曲げ歪の付加時に析出物の析出を促進させ
、材質およびほうろう密着性の向上に効果があるが、0
.1%超の含有では曲げ加工による析出物(Ti −M
n −REM(S)等)の形態を制御することが困難と
なり、安定した材質、ならびに密着性が得られなくなる
ことがらREM含有量の上限は0.1%に限定される。
次に熱間仕上圧延工程前に曲率半径0.3〜1.5mの
曲げ加工を施す理由は、S含有量の少ない極低C鋼のよ
うに析出物が析出しにくい鋼において密着性を良好なら
しめるためには、熱間圧延工程で粗圧延後とくに仕上圧
延前で曲率半径1.5m以下の曲げ加工を施すのが有効
である。しかし曲率半径が1.5mを越えると密着性に
有効な析出物が得られなく、また曲率半径0.3m未満
の曲げ加工は析出物が鋼板板厚方向に均一に、かつ微細
に析出してしまい伸び、絞り性等の機械的特性を劣化さ
せてしまうことから本発明では曲率半径の範囲を0.3
〜1.5に限定される。
一方、REMを添加した場合には、はうろう前処理時の
酸洗速度を上げるTi−Mn−3のかわりにREM硫化
物が形成され、強い曲げ加工をかけてもさほど酸洗速度
は上がらないことから曲率半径の下限を0.2mまで下
げることが可能となる。また、REM添加材はご(少量
の曲げ加工を付加することにより前処理時にほうろう密
着性に良好な鋼板表面の緻密な凹凸を得ることが可能と
なり、REM無添加材に比べ最適曲率半径の範囲が広が
る。この理由について、Ti −Mn −REM (S
)は比較的球状の析出物となりやすく、加工歪を加えた
際、鋼板表面に無数に球形の析出物が形成されたためと
推定される。2.0m超の曲率半径を得るには、設備が
大規模になる他材質特性、はうろう特性にあまり効果が
ないことがらREMを添加した場合には、曲げ加工の曲
率半径の範囲を0.2〜2.0mに限定される。
曲げ加工は、スラブ加熱後、粗圧延と仕上圧延の間で行
なうのが適切である。すなわち粗圧延前では曲げ加工を
付加するにはあまりにも板厚が厚すぎるためであり、仕
上圧延後では、通常の熱延巻取と何ら変わりな(、また
500〜700°Cの低温で板厚も薄いことから、曲げ
歪が少なく、はうろう前処理性に有利なTi−Mn  
Sの析出が起こらないことからである。よって曲げ加工
時の板厚および温度は粗圧延後仕上圧延前の条件で、板
厚20〜50mm、温度900〜1200′Cの範囲が
好ましい。板厚20mm未満では鋼板表面から内部にか
けての歪分布にあまり差がなく、板厚方向に均一に析出
物が析出し、本発明のように鋼板表面層に微細な析出物
を分散させ、はうろう前処理の酸洗で、緻密な凹凸を形
成させることが難しくなる。
曲げ加工の付加時間を10秒〜30分間とした理由は1
0秒未満では析出物が析出しに<<、材質ならびにほう
ろう特性の改善が得られないからである。
また、30分超の保持を行なうと、析出物が多量に、あ
るいは粗大な析出物が析出し、はうろう前処理時の酸洗
速度が増大してしまうことから本発明での曲げ加工保持
時間を10秒〜30分間とした。
〈実施例〉 第3表に示す鋼組成からなる厚さ300mmの連続鋳造
スラブを加熱炉で1200〜1300°Cの温度で1〜
3時間加熱した後、3パスの粗圧延を施こし、板厚30
mmのシートバーとした。引き続き鋼1,2゜3.4,
7.8.9および仕上圧延前の1000〜1100°C
の温度域でコイルボンクスにより曲げ加工を施こした。
また鋼5. 6.10.12.13については、通常の
熱延工程(コイルポンクス通板なし)で圧延作業を終了
した。
夫々仕上温度を860〜880°CのAr、変態点以上
とし、板厚を3.5胴の熱延板とした後、550〜62
0°Cで巻き取った。酸洗後、冷間圧延により板厚0.
8mmとした後、第4表に示したように、鋼1〜12は
、連続焼鈍により、また鋼13のキャンブト低炭素鋼は
箱焼鈍(オーブンコイル焼鈍)を適用し、脱炭・脱窒の
ほうろう用鋼板とした。次いで、圧下率0.5〜0.8
%の調質圧延を施した後、第3表に示す曲率半径部から
試料を採取し、第4図に示すほうろう前処理、直接1回
折の施釉、焼成を行ない、はうろう密着性(P、E、I
)、泡発生、つまとび欠陥発生状況および溶接性を調べ
た。
また、第4表には焼鈍、調質圧延後の鋼板の機械的特性
(YS、TS、 Ee、F値)を併せて示した。
なお、溶接性は 溶接部が平滑でブローホール欠陥もなし:O印溶接部に
少々凹があり、ブローホール欠陥なし:△印 溶接部にかなり凹があり、ブローホール欠陥発生   
                         
 : ×印で評価した。
この結果、本発明の成分系、製造条件で製造された@N
α1.2.3.7.8.9はいずれも機械゛的特性とく
にf値が良好であり、またほうろう密着性、表面性状、
耐つまとび性も良好であった。
鋼No、 13は比較例として示したものであるが、機
械的特性については本発明鋼板の方がはるかに良好であ
ることが明らかである。一方鋼No、 4は曲率半径が
0.2 mと小さいため磯波的特性並びに密着性(PE
I)、泡欠陥の発生がみとめられた。鋼N。
5.6は通常の熱延工程を経た鋼板であり、はうろう密
着性は本発明鋼に比し劣る。また泡欠陥が発生しやすい
傾向にあった。鋼Nα10は通常の熱延工程でかつ、N
含有量が低目であることがらつまとび欠陥が発生した。
さらにSeが添加されていないことから、溶接性(溶接
後の凹凸)が悪かった。
鋼No、 11はN含有量が、0−.003%以下であ
ったため爪飛び欠陥が確認された。鋼No、 12は、
通常熱延工程で、かつS含有量が多く、泡欠陥が発生し
、材質も劣化している。
〈発明の効果〉 上述のように、本発明によりほうろう用鋼板として必要
なプレス成形性、耐つまとび性を満足し、はうろう密着
性および耐泡性に優れたほうろう用鋼板を製造すること
ができた。
本発明により、従来造塊法で製造されていた高級はうろ
う用鋼板が連鋳法により製造し得ることになり、コスト
および省エネルギーの点からも非常に大きなメリットが
もたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図はF値、PEI値および泡発生状況におよぼす熱
延中の曲げ加工の曲率半径の影響を示すグラフ、第2図
はPEIおよび泡発生状況におよぼす酸洗時間の影響を
示す図、第3図はPEIとP/Cuの関係を示す図、第
4図はほうろう前処理条件を示す図である。 特許出願人    川崎製鉄株式会社 第1図 曲率半径(m) 第2図 酸洗時間(分) 第3図 [ P/Cu             ’[ 第4図 水 乾

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%にしてC:0.001〜0.005%、M
    n:0.05〜0.5%、P:0.003〜0.020
    %、S:0.005〜0.04%、sol.Al:0.
    003〜0.100%、N:0.003〜0.010%
    、Se:0.002〜0.020%、Ti:〔48/1
    2C(%)+48/32S(%)+48/14N(%)
    〕〜0.2%およびCu:0.01〜0.05%でかつ
    0.2≦P(%)/Cu(%)≦0.8を含み、その他
    残部がFeおよび不可避的不純物とからなる連続鋳造ス
    ラブを熱間粗圧延処理し、次いで曲率半径が0.3〜1
    .5mの範囲になるように曲げ加工し、そのまま10秒
    〜30分間保持し、引き続き常法の熱間仕上圧延、冷間
    圧延、再結晶焼鈍および調質圧延を施こすことを特徴と
    する密着性および耐泡性の優れたほうろう用鋼板の製造
    方法。
  2. (2)重量%にしてC:0.001〜0.005%、M
    n:0.05〜0.5%、P:0.003〜0.020
    %、S:0.005〜0.04%、Sol.Al:0.
    003〜0.100%、N:0.003〜0.010%
    、Se:0.002〜0.020%、REM:≦0.1
    0%、 Ti:〔48/12C(%)+48/32S(%)+4
    8/14N(%)〕〜0.2%およびCu:0.01〜
    0.05%でかつ0.2≦P(%)/Cu(%)≦0.
    8を含み、その他残部がFeおよび不可避的不純物とか
    らなる連続鋳造スラブを熱間粗圧延処理し、次いで曲率
    半径が0.2〜2.0mの範囲になるように曲げ加工し
    、そのまま10秒〜30分間保持し、引き続き常法の熱
    間仕上圧延、冷間圧延、再結晶焼鈍および調質圧延を施
    こすことを特徴とする密着性および耐泡性の優れたほう
    ろう用鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114054711A (zh) * 2021-11-23 2022-02-18 马鞍山钢铁股份有限公司 一种低碳搪瓷钢铸坯表层夹杂物的控制方法

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CN114054711A (zh) * 2021-11-23 2022-02-18 马鞍山钢铁股份有限公司 一种低碳搪瓷钢铸坯表层夹杂物的控制方法

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