JPH07122099B2 - 密着性、耐泡・黒点欠陥性に優れたほうろう用鋼板の製造方法 - Google Patents

密着性、耐泡・黒点欠陥性に優れたほうろう用鋼板の製造方法

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JPH07122099B2
JPH07122099B2 JP3044533A JP4453391A JPH07122099B2 JP H07122099 B2 JPH07122099 B2 JP H07122099B2 JP 3044533 A JP3044533 A JP 3044533A JP 4453391 A JP4453391 A JP 4453391A JP H07122099 B2 JPH07122099 B2 JP H07122099B2
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佐藤  進
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、特にほうろう密着
性、耐泡・黒点欠陥性に優れ、かつ耐つまとび性などに
も優れるほうろう用鋼板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ほうろう用鋼板は流し台、浴槽などの成
形に代表されるように、かなり厳しいプレス加工が施さ
れるため、かなりの深絞り性が要求される。またほうろ
う密着性(特に直接一回掛けほうろう時の密着性)、耐
泡・黒点欠陥性、耐つまとび性などのほうろう特性を満
足しなければならないことは言うまでもない。
【0003】従来からプレス加工性の良好なほうろう用
鋼板として、脱炭キャップド鋼が主に用いられたが、現
在においては連続鋳造製のTi添加鋼が主流となってい
る。Ti添加鋼に関し、C含有量を 0.005wt%(以下単に
%で示す)以下にした場合に優れたプレス加工性が得ら
れることは、特公昭42-12348号公報、特公昭44-18066号
公報などに開示され、また、このようなTi添加鋼は、優
れた耐つまとび性を兼ね備えており、特公昭45-40655号
公報、特開昭53- 131919号公報や特開昭56-9357 号公報
などに開示されている。
【0004】Ti添加鋼は、Tiが炭化物、窒化物、硫化物
を形成する元素であることを利用して、これらの析出物
がつまとびの原因となる鋼中の水素をトラップし、耐つ
まとび性の向上に役立てようとするものである。
【0005】ところが、Ti添加鋼では、溶接性不良が原
因となる欠陥を生じること等が特開昭61-276958 号公報
に開示されている。また、特開昭60-110845 号公報で
は、更にほうろう密着性、耐泡・黒点欠陥性の点で従来
から用いられている脱炭キャップド鋼に比較して劣って
いることなどが指摘されている。
【0006】溶接性不良については、上掲特開昭61-276
958 号公報にSe,Teを微量添加することにより溶接部の
ブローホール欠陥、ひけを抑制することで溶接性の不具
合によって発生する泡欠陥及び筋状の欠陥の改善を図る
ことが開示されている。しかしながら、Ti添加鋼は溶接
部以外での泡・黒点欠陥については依然として解決され
るに至っていなかった。
【0007】Ti添加鋼の他に、ほうろう用鋼板として広
く知られているものにB添加鋼があり、特公昭54-3446
号公報、特公昭54-39808号公報に開示されている。上掲
の各公報に開示された鋼板は、Bを添加することによっ
て形成されるBN等の析出物を利用して耐つまとび性を
改善しようとするものであり、また溶接性についてはと
くに問題はなかった。しかしこれらは何れもTi添加鋼と
同様に泡・黒点欠陥については脱炭キャップド鋼に比べ
て劣っていた。さらに焼鈍方法として箱焼鈍法が用いら
れ、得られる鋼板は機械的性質、特にr値は著しく悪い
ため、厳しいプレス成形が要求されるような用途には不
向きであった。
【0008】なおB添加鋼のr値を改善する製造方法を
開示するものとして、特公昭63−54049 号公報がある。
これは焼鈍の際、加熱温度を 150℃/hr.以下の特定範囲
に規制するものである。このような加熱速度は明らかに
箱焼鈍を意味している。この工程はあまりにも製造日数
がかかる上、製造コストがかさみ、またコイル内長手方
向・幅方向に温度むらを生じやすい。特に焼鈍中の温度
むらは、つまとび欠陥防止に効果のある析出物の析出形
態、またほうろう密着性を左右する表面偏析に大きく影
響する他、コイル内の材質並びにほうろう特性に悪影響
を与え、ほうろうメーカーで密着性不良、つまとび欠陥
が発生しやすくなるなどの欠点を伴う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、特に耐泡
・黒点欠陥性に優れる他、耐つまとび性、ほうろう密着
性などのほうろう特性も良好で、さらにプレス成形性に
優れるほうろう用鋼板を有利に製造する方法を提案する
ことを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】さて発明者らは、鋭意研
究を重ねた結果、脱炭キャップド鋼と比較して泡・黒点
欠陥が発生し易かった連続鋳造鋼を用いても、プレス成
形性を損なうことなく密着性ならびに耐泡・黒点欠陥性
の優れたほうろう用鋼板を製造し得る方法を見い出し
た。
【0011】すなわちこの発明は、C:0.005 %以下、
Mn:1.0 %以下、Cu:0.01〜0.07%及びP:0.020 %以
下を含み、かつ下記(a) 〜(f) から選ばれる一の成分群
を含有し、残部はFe及び不可避的不純物よりなるほうろ
う用鋼連続鋳造スラブの表層を1〜5mm研削した後、熱
間圧延を施して500 ℃以上の温度で巻取り、酸洗後、冷
間圧延を施し、次いで再結晶温度以上、Ac3 変態点以下
の温度域で連続焼鈍法による再結晶焼鈍を行うことを特
徴とする、密着性、耐泡・黒点欠陥性に優れたほうろう
用鋼板の製造方法である。またこの発明は、C:0.005
%以下、Mn:1.0 %以下、Cu:0.01〜0.07%及びP:0.
020 %以下を含み、更にSe、Sbの1種又は2種を合計で
0.0005〜0.1000%を含有し、かつ下記(a) 〜(f) から選
ばれる一の成分群を含有し、残部はFe及び不可避的不純
物よりなるほうろう用鋼連続鋳造スラブの表層を1〜5
mm研削した後、熱間圧延を施して500℃以上の温度で巻
取り、酸洗後、冷間圧延を施し、次いで再結晶温度以
上、Ac3 変態点以下の温度域で連続焼鈍法による再結晶
焼鈍を行うことを特徴とする、密着性、耐泡・黒点欠陥
性に優れたほうろう用鋼板の製造方法である。 記 (a) B:0.007 〜0.0200%、Al:0.010 %以下、N:0.
005 〜0.010 %、O:0.0050〜0.0300% (b) B:0.007 〜0.0200%、Al:0.010 %以下、N:0.
005 〜0.010 %、O:0.0050〜0.0300%及びTi、Nbの1
種又は2種を合計で0.001 〜0.050 % (c) Ti:α〜0.20%(α= 4.0〔C〕+ 1.5〔S〕+
3.4〔N〕( %) )、Al:0.10%以下、N:0.005 〜0.0
10 %、S:0.050 %以下、 (d) Ti:α〜0.20%(α= 4.0〔C〕+ 1.5〔S〕+
3.4〔N〕( %) )、Al:0.10%以下、N:0.002 〜0.0
10 %、S:0.050 %以下、REM (REM はRare Earth Me
tels でLa及びランタノイド系元素、以下単にREM で示
す) :0.01〜0.10% (e) Ti:α〜0.20%(α= 4.0〔C〕+ 1.5〔S〕+
3.4〔N〕( %) )、B:0.0001〜0.0030%、Al:0.10
%以下、N:0.005 〜0.010 %、S:0.050 %以下 (f) Ti:α〜0.20%(α= 4.0〔C〕+ 1.5〔S〕+
3.4〔N〕( %) )、B:0.0001〜0.0030%、Al:0.10
%以下、N:0.002 〜0.010 %、S:0.050 %以下、RE
M :0.01〜0.10%
【0012】
【作用】この発明では、鋼組成をある特定範囲内に限定
した上で、連続鋳造スラブの表層を研削することにより
優れた耐泡・黒点欠陥性を密着性とともにそなえる深絞
りほうろう用鋼板を製造することができるのである。ま
ずこの発明で鋼成分組成範囲を限定した理由について述
べる。
【0013】C:Cは、ほうろう焼成時にCO2 ガスを発
生して泡・黒点欠陥といったほうろう外観欠陥の原因に
なるため、C量を低減することが必要であり、また耐時
効性及びプレス成形性を確保するために0.005 %以下に
限定した。
【0014】Mn:Mnは、熱間圧延時の割れの原因になる
SをMnSとして固定するとともに、ほうろう前処理工程
の酸洗時にほうろう密着性を良好ならしめる鋼板表面の
凹凸を形成させるのに有効な成分である。そのためには
0.05%程度以上の含有が望ましい。しかし、1.0 %を超
えるMnの含有は材質を硬化させ延性、プレス成形性を劣
化させることからこの発明でのMn含有量の上限は1.0 %
とした。
【0015】Cu:Cuは、ほうろう前処理(酸洗)時の酸
洗速度を制御するのに有効な成分であり、特にこの発明
のような連続鋳造鋼は従来の脱炭キャップド鋼に比較し
て酸洗速度が2〜3倍程度速いことからCuの含有は重要
である。その効果を引き出すには少なくとも0.01%以上
の含有が必要である。しかしこの発明の成分系において
0.07%を超えるCuの含有は、酸洗速度が遅くなり過ぎて
短時間酸洗側でのほうろう密着性を低下させてしまうこ
とからこの発明のCu含有量の上限を0.07%とした。
【0016】P:0.020 %を超えるPの含有は、材質を
硬化させプレス成形性を劣化させるばかりでなく、ほう
ろう前処理時の酸洗速度を高め泡・黒点欠陥の原因とな
るスマットを増加させてしまうことからこの発明ではP
含有量の上限を0.020 %とした。
【0017】この発明では、上記成分の他、前述した成
分群(a) 〜(f) の一を含有させる。かかる成分群は、耐
つまとび性、密着性及びプレス成形性を確保するために
必要な成分である。これら成分群における各成分組成範
囲の限定理由は次のとおりである。
【0018】B:(a) 、(b) 群の場合、つまとび欠陥を
防止するためBN、B2O3を利用していることから、つまと
び欠陥を十分に防止するためにはBは少なくとも0.007
%が必要である。しかし0.020 %を超える含有は連続鋳
造で鋳込んだ後の溶断時に割れ易くなることから、上限
を0.020 %とした。(e)、(f)群の場合、ほうろう前処理
時の硫酸酸洗で優先的な結晶粒界の腐食を防止すること
を目的として含有させるものであり、その効果を引き出
すには、少なくとも0.0001%の含有量が必要である。し
かし0.0030%を超える含有はプレス成形性を劣化させる
ことから上限を0.0030%とした。
【0019】Al:(a) 、(b) 群の場合、つまとび欠陥防
止対策としてB2O3などの酸素系介在物をも用いているた
め、酸素含有量を高めとする必要がある。そのためには
優先的に酸素と結合するAlの含有量を低めにして、鋼中
の酸素含有量を制御する必要性があるため、Al量を0.01
0 %以下とした。(c)、(d) 、(e) 及び(f) 群の場合、T
i系析出物でつまとび欠陥防止対策を行っているため、T
iの歩留まりを良くする必要がある。そのためにはAlを
添加して脱酸を行わなければならない。しかしAlは高価
な成分であるため、0.10%を超える添加は好ましくない
ので上限を0.10%とした。
【0020】N:(a) 、(b) 、(c) 及び(e)群の場合、
つまとび欠陥防止対策としてBN、B2O3あるいはTiN を利
用していることから、つまとび欠陥を十分に防止するに
はNは、少なくとも0.005 %が必要である。しかし0.01
0 %を超える含有は製鋼上困難であることから上限を0.
010 %とした。(d) 及び(f) 群の場合、つまとび欠陥防
止対策としてTiN の他にREM 硫化物を利用していて、十
分につまとび欠陥を十分に防止するためにはNは必ずし
も0.005 %を必要としない。しかし0.002 %に満たない
とつまとび欠陥を防止できないことから最低限0.002 %
は必要である。また0.010 %を超える含有は製鋼上困難
であることから上限を0.010 %とした。
【0021】O:(a) 、(b) 群の場合、Bは酸素と結合
してB2O3を形成して耐つまとび性を確保するために含有
させる。その効果を出すためには少なくとも0.0050%の
含有が必要である。しかし 0.030%を超える含有は連続
鋳造時にブローホールを作りやすくなるため上限を0.03
0 %とした。
【0022】Ti及びNb:(b) 群の場合Ti、Nbの1種又は
2種を合計で0.001 〜0.050 %を含有させる。これは耐
時効性、プレス成形性を確保する目的からであり、その
ためには少なくとも0.001 %の含有が必要である。しか
し0.050 %を超える含有は焼鈍時の再結晶温度を著しく
上昇させてしまうことから上限を0.050 %とした。
(c)、(d) 、(e) 及び(f) 群の場合、TiN でつまとび欠
陥を防止する目的でTiを含有させる。Tiの含有量がαす
なわち4.0 〔C〕+ 1.5〔S〕+3.4〔N〕( %) )に
満たないと固溶Cが存在してしまい耐時効性ならびにプ
レス形成性が劣化してしまう。また0.20%を超えるTiの
含有は、ほうろう前処理時の硫酸酸洗にて鋼板表面にス
マットが多量に付着し、泡・黒点欠陥の原因になりかね
ないため、上限を0.20%とした。
【0023】S: (c)、(d) 、(e) 及び(f) 群の場合、
Sは、TiS 、MnS あるいはREM 硫化物を形成し、ほうろ
う前処理の硫酸酸洗時に鋼板表面に緻密な凹凸を形成し
てほうろう密着性を向上させる効果をもつ。その効果を
引出すためには、少なくとも0.005 %以上含有している
のが好ましい。しかし、0.050 %超の含有は、酸洗速度
を速くし、泡・黒点欠陥の原因になるスマット量を増加
し、ほうろう外観欠陥が発生しやすくなるため上限を0.
050 %に限定した。
【0024】REM :(d) 及び(f) 群の場合にREMを0.01
〜0.10%含有する。REM は硫化物を形成し、つまとび欠
陥の原因になる水素のトラップサイトをTiN 同様に形成
することから有効な成分であり、またTi−Mn−S−REM
系の析出物を形成して硫酸酸洗時に鋼板表面に緻密な凹
凸を形成させ、ほうろう密着性を向上させることができ
るからである。その効果を引き出すためには少なくとも
0.01%の含有が必要である。しかし0.10%を超える含有
は酸洗速度を高め、泡・黒点欠陥が発生し易くなること
から上限を0.10%とした。
【0025】この発明では、Se、Sbの1種又は2種を含
有させてもよい。Se、Sbはいずれも溶接性向上及びほう
ろう外観 (泡・黒点欠陥) の向上に有効な成分であり、
とくに溶鋼の粘性を小さくして溶接部のひけ等を改善
し、ほうろう前処理の硫酸酸洗時に鋼板表面に付着する
スマットの発生を抑制する効果がある。この効果を発揮
させるためには少なくともSe、Sbの1種又は2種を合計
で0.0005%含有させる必要がある。しかしSe、Sbの1種
又は2種を合計で0.1000%を超える含有は、ほうろう密
着性を劣化させることから上限を 0.100%とした。その
他、不可避的不純物は材質及びほうろう性において悪影
響があることから極力低めに抑制することが好ましく、
例えばSiは0.03%以下とするのが望ましい。
【0026】次に製造条件を限定した理由について説明
する。この発明では、連続鋳造法によって製造した鋼ス
ラブの表層を研削することが肝要である。熱間圧延前に
表層を研削することにより、連続鋳造で鋳込んだ際に表
面で付着するSi等を除去することができ、ほうろう特
性、特に耐泡・黒点欠陥性を著しく改善することが可能
であるからである。ここに研削量が1mmに満たないとブ
ローホールの痕跡が残り、スリーバー欠陥の原因になる
ことから、一方5mmを超えると歩留りの低下、コスト上
昇の不都合があるのでこの発明では1〜5mmに限定し
た。なお具体的な研削手段については、スラブスカーフ
ィング、機械的な研削等を用いればよい。
【0027】この発明において、スラブ加熱温度はとく
に規制するものではなく、必要に応じて通常の1200℃か
ら1100℃程度まで低下させてもかまわない。
【0028】熱間圧延条件:この発明において熱間圧延
条件は特に規制するものではないが、通常、深絞り性を
重要視する場合にはAr3 変態点以上の温度域で仕上圧延
を終了することが好ましい。
【0029】巻取り温度:巻取り温度については、深絞
り性をより向上させるために 500℃以上に限定する。
【0030】冷間圧延条件:冷間圧延条件について特に
規制するものではないが、通常、より高いr値を得よう
とする場合には冷間圧延の圧下率を70%以上にすること
が好ましい。
【0031】連続焼鈍条件:この発明では、再結晶焼鈍
に連続焼鈍法を適用する。その理由は、短時間で焼鈍工
程を完了することができるうえ、ほうろう特性に悪影響
を及ぼす鋼中成分の表面濃化、粒界偏析を抑制すること
ができコイル内の均質化を図ることができるからであ
る。また焼鈍温度を再結晶温度以上、Ac3 変態点以下と
した理由は、焼鈍温度が再結晶温度に満たないと圧延組
織のままとなってプレス加工を施しても直ちに割れが生
じてしまうからであり、またAc3 変態点を超える温度で
は再結晶集合組織がランダム化して深絞り特性が劣化す
るからである。
【0032】以上、説明したような化学組成、ならびに
製造条件で製造された鋼板は、連続鋳造製であっても従
来の脱炭キャップド鋼を超えるプレス成形性であり、ま
た直接一回掛けのほうろう掛けでも泡・黒点欠陥が発生
しにいほうろう用鋼板を製造することが可能となった。
また、直接一回掛けほうろう以外のほうろうの用途で
も、その特性に何ら変わることはない。
【0033】
【実施例】表1
【表1】 に示す種々の化学組成になる連続鋳造スラブを用意し
た。
【0034】これらの連続鋳造スラブについて、表裏面
を各1〜5mmずつ研削したもの、研削しないものをそれ
ぞれ1250℃の範囲に保持した加熱炉内に4時間挿入して
再加熱し、3パスの熱間粗圧延を行った後6スタンドの
熱間仕上圧延機で圧延を施して板厚3.5 mmの熱延板と
し、620℃で巻き取った。酸洗後、4スタンドの冷間圧
延機で冷間圧延を施し板厚0.8 mmの冷延板とした。その
後、温度:860 ℃、均熱時間:5秒の連続焼鈍で再結晶
焼鈍を行った。次いで圧下率:0.5 %の調質圧延を施し
たのち、JIS 5 号引張試験片に加工し、機械的特性を調
査した。また表2に示したほうろう加工工程で直接1回
掛けのほうろう処理を行い、泡・黒点欠陥の発生する酸
洗時間を調査し、結果を表3に示した。また、酸洗時
間:3分、Niフラッシュ時間:20分時の密着性も、表3
に示した。
【0035】表 2
【0036】表3 (その1)
【0037】表3 (その2)
【0038】表3 (その3)
【0039】なお、鋼1〜16の機械的特性を表4
【表4】 に示す。
【0040】表3から、この発明に従って製造された鋼
板は、従来鋼及び脱炭キャップド鋼に比較して、はるか
に耐泡・黒点欠陥性が良好であり、表4に示したように
機械的特性もまた脱炭キャップド鋼と同等またはそれ以
上の特性であった。
【0041】
【発明の効果】この発明に従うほうろう用鋼板の製造方
法によれば、従来プレス成形性の良好な脱炭キャップド
鋼それ以上の深絞り性を有しながら、ほうろう用鋼板と
して必用な耐つまとび性、ほうろう密着性、すべて満足
するほうろう用鋼板を得ることができる。特にTi添加鋼
で問題であった泡・黒点欠陥を克服し、連続鋳造法によ
って製造されても脱炭キャップド鋼以上の表面性状性を
確保できる。また脱炭キャップド鋼のように従来造塊法
で製造されていた高級ほうろう用鋼板が、連続鋳造法に
よって製造し得ることになり、コスト及び省エネルギー
の点からも大きなメリットがもたらされる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.005 wt%以下、 Mn:1.0 wt%以下、 Cu:0.01〜0.07wt%及び P:0.020 wt%以下 を含み、かつ下記(a) 〜(f) から選ばれる一の成分群を
    含有し、残部はFe及び不可避的不純物よりなるほうろう
    用鋼連続鋳造スラブの表層を1〜5mm研削した後、熱間
    圧延を施して500 ℃以上の温度で巻取り、酸洗後、冷間
    圧延を施し、次いで再結晶温度以上、Ac3 変態点以下の
    温度域で連続焼鈍法による再結晶焼鈍を行うことを特徴
    とする、密着性、耐泡・黒点欠陥性に優れたほうろう用
    鋼板の製造方法。 記 (a) B:0.007 〜0.0200wt%、Al:0.010 wt%以下、
    N:0.005 〜0.010 wt%、O:0.0050〜0.0300wt% (b) B:0.007 〜0.0200wt%、Al:0.010 wt%以下、
    N:0.005 〜0.010wt %、O:0.0050〜0.0300wt%及び
    Ti、Nbの1種又は2種を合計で0.001 〜0.050 wt% (c) Ti:α〜0.20wt%(α= 4.0〔C〕+ 1.5〔S〕+
    3.4〔N〕(wt%) )、Al:0.10wt%以下、N:0.005
    〜0.010 wt%、S:0.050 wt%以下 (d) Ti:α〜0.20wt%(α= 4.0〔C〕+ 1.5〔S〕+
    3.4〔N〕(wt %) )、Al:0.10wt%以下、N:0.002
    〜0.010 wt%、S:0.050 wt%以下、REM (REMはLa及
    びランタナイド系元素):0.01〜0.10wt% (e) Ti:α〜0.20wt%(α= 4.0〔C〕+ 1.5〔S〕+
    3.4〔N〕( wt%) )、B:0.0001〜0.0030wt%、Al:
    0.10wt%以下、N:0.005 〜0.010 wt%、S:0.050wt
    %以下 (f) Ti:α〜0.20wt%(α= 4.0〔C〕+ 1.5〔S〕+
    3.4〔N〕(wt %) )、B:0.0001〜0.0030wt%、Al:
    0.10wt%以下、N:0.002 〜0.010wt %、S:0.050 wt
    %以下、REM (REM はLa及びランタノイド系元素) :0.
    01〜0.10wt%
  2. 【請求項2】 C:0.005 wt%以下、 Mn:1.0 wt%以下、 Cu:0.01〜0.07wt%及び P:0.020 wt%以下 を含み、更にSe、Sbの1種又は2種を合計で0.0005〜0.
    1000wt% を含有し、かつ下記(a) 〜(f) から選ばれる一の成分群
    を含有し、残部はFe及び不可避的不純物よりなるほうろ
    う用鋼連続鋳造スラブの表層を1〜5mm研削した後、熱
    間圧延を施して500 ℃以上の温度で巻取り、酸洗後、冷
    間圧延を施し、次いで再結晶温度以上、Ac3 変態点以下
    の温度域で連続焼鈍法による再結晶焼鈍を行うことを特
    徴とする、密着性、耐泡・黒点欠陥性に優れたほうろう
    用鋼板の製造方法。 記 (a) B:0.007 〜0.0200wt%、Al:0.010 wt%以下、
    N:0.005 〜0.010 wt%、O:0.0050〜0.0300wt% (b) B:0.007 〜0.0200wt%、Al:0.010 wt%以下、
    N:0.005 〜0.010 wt%、O:0.0050〜0.0300wt%及び
    Ti、Nbの1種又は2種を合計で0.001 〜0.050 wt% (c) Ti:α〜0.20wt%(α= 4.0〔C〕+ 1.5〔S〕+
    3.4〔N〕(wt %) )、Al:0.10wt%以下、N:0.005
    〜0.010 wt%、S:0.050 wt%以下 (d) Ti:α〜0.20wt%(α= 4.0〔C〕+ 1.5〔S〕+
    3.4〔N〕( wt%) )、Al:0.10wt%以下、N:0.002
    〜0.010 wt%、S:0.050wt %以下、REM (REMはLa及び
    ランタノイド系元素) :0.01〜0.10wt% (e) Ti:α〜0.20wt%(α= 4.0〔C〕+ 1.5〔S〕+
    3.4〔N〕( wt%) )、B:0.0001〜0.0030wt%、Al:
    0.10wt%以下、N:0.005 〜0.010 wt%、S:0.050 wt
    %以下 (f) Ti:α〜0.20wt%(α= 4.0〔C〕+ 1.5〔S〕+
    3.4〔N〕(wt %) )、B:0.0001〜0.0030wt%、Al:
    0.10wt%以下、N:0.002 〜0.010 wt%、S:0.050 wt
    %以下、REM (REM はLa及びランタノイド系元素) :0.
    01〜0.10wt%
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