JPH08198970A - 絹フィブロイン微粉末の製造方法 - Google Patents
絹フィブロイン微粉末の製造方法Info
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- JPH08198970A JPH08198970A JP7031417A JP3141795A JPH08198970A JP H08198970 A JPH08198970 A JP H08198970A JP 7031417 A JP7031417 A JP 7031417A JP 3141795 A JP3141795 A JP 3141795A JP H08198970 A JPH08198970 A JP H08198970A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J3/00—Processes of treating or compounding macromolecular substances
- C08J3/12—Powdering or granulating
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08H—DERIVATIVES OF NATURAL MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08H1/00—Macromolecular products derived from proteins
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- C08J2389/00—Characterised by the use of proteins; Derivatives thereof
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 絹物質から結晶性絹フィブロイン微粉末を工
業的に有利に製造する方法を提供する。 【構成】 絹物質をアルカリ性水溶液と95℃以上の温
度で接触させて強度劣化させた後、得られた絹物質の脱
アルカリと乾燥を行い、次いで得られた乾燥絹物質を微
粉砕化することを特徴とする絹フィブロイン微粉末の製
造方法。
業的に有利に製造する方法を提供する。 【構成】 絹物質をアルカリ性水溶液と95℃以上の温
度で接触させて強度劣化させた後、得られた絹物質の脱
アルカリと乾燥を行い、次いで得られた乾燥絹物質を微
粉砕化することを特徴とする絹フィブロイン微粉末の製
造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は絹物質から絹フィブロイ
ン微粉末を製造する方法に関するものである。
ン微粉末を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】絹フィブロイン微粉末は、飲食物や化粧
品に対する添加剤としての用途を有する。従来、このよ
うな絹フィブロイン微粉末を製造する方法としては、絹
物質を中性塩を含む水溶液に溶解させた後、その中性塩
を除去してフィブロイン水溶液を作り、この水溶液に沈
殿剤を添加して絹フィブロインの沈殿を形成した後、こ
の沈殿を分離し、乾燥するか、あるいは前記水溶液を凍
結乾燥する方法が知られている。しかしながら、このよ
うな方法は、絹物質をいったん水溶液とすることが必要
であるため、工業的には未だ満足すべきものではない。
一方、絹物質を直接微粉砕化しようとしても、この場合
には、絹物質の一部は分子構造が変化し、非結晶化する
が、大部分は強度が大であるため変形はするものの微粉
末を得ることができない。
品に対する添加剤としての用途を有する。従来、このよ
うな絹フィブロイン微粉末を製造する方法としては、絹
物質を中性塩を含む水溶液に溶解させた後、その中性塩
を除去してフィブロイン水溶液を作り、この水溶液に沈
殿剤を添加して絹フィブロインの沈殿を形成した後、こ
の沈殿を分離し、乾燥するか、あるいは前記水溶液を凍
結乾燥する方法が知られている。しかしながら、このよ
うな方法は、絹物質をいったん水溶液とすることが必要
であるため、工業的には未だ満足すべきものではない。
一方、絹物質を直接微粉砕化しようとしても、この場合
には、絹物質の一部は分子構造が変化し、非結晶化する
が、大部分は強度が大であるため変形はするものの微粉
末を得ることができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、絹物質から
結晶性絹フィブロイン微粉末を工業的に有利に製造する
方法を提供することをその課題とする。
結晶性絹フィブロイン微粉末を工業的に有利に製造する
方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明によれば、絹物質をアルカリ性水
溶液と95℃以上の温度で接触させて強度劣化させた
後、得られた絹物質の脱アルカリと乾燥を行い、次いで
得られた乾燥絹物質を微粉砕化することを特徴とする絹
フィブロイン微粉末の製造方法が提供される。
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明によれば、絹物質をアルカリ性水
溶液と95℃以上の温度で接触させて強度劣化させた
後、得られた絹物質の脱アルカリと乾燥を行い、次いで
得られた乾燥絹物質を微粉砕化することを特徴とする絹
フィブロイン微粉末の製造方法が提供される。
【0005】本発明で用いる絹物質には、まゆ層、まゆ
糸、生糸、絹織物及びそれらの屑物等が包含される。本
発明の方法を好ましく実施するには、先ず、絹物質をア
ルカリ性水溶液と95℃以上の温度、好ましくは約10
0℃のアルカリ性水溶液と接触させて処理する。アルカ
リ性水溶液におけるアルカリ性物質としては、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等を用いることができる。水溶液のアルカリ性の程
度はpH11.5以上、好ましくはpH12以上であ
る。アルカリ性水溶液による絹物質の処理は、アルカリ
性水溶液中に絹物質を浸漬することによって実施され
る。絹物質をアルカリ性水溶液と接触させる時間(処理
時間)は、家蚕糸、野蚕糸を問わず絹物質の強度が微粉
末化に適した程度までに劣化するに充分な時間である。
例えば、絹糸の場合、その引張強度が約0.05g/d
以下になるまでアルカリ性水溶液と接触させればよい。
一般的には、その処理時間は、1〜4時間であり、生糸
繊度が太い場合やセリシン固着が見られる場合、及び野
蚕糸のように劣化しにくい場合には2〜3時間又はそれ
以上の時間がさらに必要である。アルカリ性水溶液と接
触させるのに必要な具体的時間は、アルカリ処理後の強
度劣化した絹物質の微粉砕化の容易さと接触時間との関
係を簡単な予備実験で調べることにより、容易に定める
ことができる。
糸、生糸、絹織物及びそれらの屑物等が包含される。本
発明の方法を好ましく実施するには、先ず、絹物質をア
ルカリ性水溶液と95℃以上の温度、好ましくは約10
0℃のアルカリ性水溶液と接触させて処理する。アルカ
リ性水溶液におけるアルカリ性物質としては、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等を用いることができる。水溶液のアルカリ性の程
度はpH11.5以上、好ましくはpH12以上であ
る。アルカリ性水溶液による絹物質の処理は、アルカリ
性水溶液中に絹物質を浸漬することによって実施され
る。絹物質をアルカリ性水溶液と接触させる時間(処理
時間)は、家蚕糸、野蚕糸を問わず絹物質の強度が微粉
末化に適した程度までに劣化するに充分な時間である。
例えば、絹糸の場合、その引張強度が約0.05g/d
以下になるまでアルカリ性水溶液と接触させればよい。
一般的には、その処理時間は、1〜4時間であり、生糸
繊度が太い場合やセリシン固着が見られる場合、及び野
蚕糸のように劣化しにくい場合には2〜3時間又はそれ
以上の時間がさらに必要である。アルカリ性水溶液と接
触させるのに必要な具体的時間は、アルカリ処理後の強
度劣化した絹物質の微粉砕化の容易さと接触時間との関
係を簡単な予備実験で調べることにより、容易に定める
ことができる。
【0006】アルカリ性水溶液で処理した後の絹物質
は、これをアルカリ性水溶液から分離した後、それに付
着するアルカリ性物質を水洗により除去して脱アルカリ
し、次いで乾燥する。次に、このようにして得られる絹
物質は、これを微粉砕化する。この絹物質の微粉砕化
は、一般の粉砕化方法により行うこともできるが、あら
かじめ粗粉化した後微粉砕化する2段の粉砕化工程によ
り行うのが好ましい。粗粉砕は、15〜30μm程度の
平均寸法の粉砕化物が得られるように行い、微粉砕は、
3〜6μmの平均寸法の粉砕化物が得られるように行う
のが好ましい。
は、これをアルカリ性水溶液から分離した後、それに付
着するアルカリ性物質を水洗により除去して脱アルカリ
し、次いで乾燥する。次に、このようにして得られる絹
物質は、これを微粉砕化する。この絹物質の微粉砕化
は、一般の粉砕化方法により行うこともできるが、あら
かじめ粗粉化した後微粉砕化する2段の粉砕化工程によ
り行うのが好ましい。粗粉砕は、15〜30μm程度の
平均寸法の粉砕化物が得られるように行い、微粉砕は、
3〜6μmの平均寸法の粉砕化物が得られるように行う
のが好ましい。
【0007】本発明により絹物質をアルカリ性水溶液で
処理する場合、絹物質は、これをあらかじめ微細な網目
状空隙を有する布状物で形成した袋体に入れ、この袋体
をアルカリ性水溶液中に浸漬して処理するのが好まし
い。このような処理においては、その処理に際して絹物
質からアルカリ性水溶液中に溶解した成分と、非常に小
さい絹粒子は、袋体を形成する布状物のその微細空隙を
通過させて袋体の外部へ容易に除去することができる。
即ち、アルカリ性水溶液処理後において、その絹物質の
入った袋体をアルカリ性水溶液中で複数回上下又は左右
に振り動かしたり、その袋体をアルカリ性水溶液に浸漬
したり引上げたりすること等によって、絹物質の可溶化
成分と微細な絹物質を袋体を形成する布状物の微細空隙
を通して袋体の外部へ除去することができる。
処理する場合、絹物質は、これをあらかじめ微細な網目
状空隙を有する布状物で形成した袋体に入れ、この袋体
をアルカリ性水溶液中に浸漬して処理するのが好まし
い。このような処理においては、その処理に際して絹物
質からアルカリ性水溶液中に溶解した成分と、非常に小
さい絹粒子は、袋体を形成する布状物のその微細空隙を
通過させて袋体の外部へ容易に除去することができる。
即ち、アルカリ性水溶液処理後において、その絹物質の
入った袋体をアルカリ性水溶液中で複数回上下又は左右
に振り動かしたり、その袋体をアルカリ性水溶液に浸漬
したり引上げたりすること等によって、絹物質の可溶化
成分と微細な絹物質を袋体を形成する布状物の微細空隙
を通して袋体の外部へ除去することができる。
【0008】袋体を構成する布状物としては、耐アルカ
リ性繊維で形成された織布や不織布等を用いることがで
きる。耐アルカリ性繊維としては、綿繊維や、合成樹脂
繊維等を挙げることができる。微細空隙の寸法は、除去
すべき絹物質の寸法に応じて、適宜選定されるが、一般
的にはアルカリ性水溶液中で1μm以下の寸法の微細絹
物質のみが選択的に通過し得るような寸法である。
リ性繊維で形成された織布や不織布等を用いることがで
きる。耐アルカリ性繊維としては、綿繊維や、合成樹脂
繊維等を挙げることができる。微細空隙の寸法は、除去
すべき絹物質の寸法に応じて、適宜選定されるが、一般
的にはアルカリ性水溶液中で1μm以下の寸法の微細絹
物質のみが選択的に通過し得るような寸法である。
【0009】前記のようにして絹物質を袋体内に入れて
処理するときには、その処理後の水洗に際し、絹物質を
その袋体内に入れたまま行うことができる利点がある。
そして、アルカリ性水溶液による処理及びその処理後の
脱アルカリ処理を袋体を用いて行うことにより、処理さ
れた絹物質を高効率で回収することができる。
処理するときには、その処理後の水洗に際し、絹物質を
その袋体内に入れたまま行うことができる利点がある。
そして、アルカリ性水溶液による処理及びその処理後の
脱アルカリ処理を袋体を用いて行うことにより、処理さ
れた絹物質を高効率で回収することができる。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、絹物質から絹フィブロ
ン微粉末を収率よく製造することができる。本発明によ
り得られる絹フィブロイン微粉末は結晶性のもので、絹
糸と同等の特性を有し、吸湿性、放湿性、透湿性におい
てすぐれたものである。本発明の方法は、絹物質をいっ
たん完全溶解する工程を用いないことから、その処理操
作は簡単であり、しかも、アルカリ性水溶液処理に際し
ては、絹物質の非晶質部分が除去されるために、得られ
る絹フィブロイン微粉末は結晶性のすぐれたもので、絹
糸と同様に性能的にもすぐれている。従って、本発明の
方法は、結晶性の絹フィブロイン微粉末の工業的製法と
してすぐれたものである。
ン微粉末を収率よく製造することができる。本発明によ
り得られる絹フィブロイン微粉末は結晶性のもので、絹
糸と同等の特性を有し、吸湿性、放湿性、透湿性におい
てすぐれたものである。本発明の方法は、絹物質をいっ
たん完全溶解する工程を用いないことから、その処理操
作は簡単であり、しかも、アルカリ性水溶液処理に際し
ては、絹物質の非晶質部分が除去されるために、得られ
る絹フィブロイン微粉末は結晶性のすぐれたもので、絹
糸と同様に性能的にもすぐれている。従って、本発明の
方法は、結晶性の絹フィブロイン微粉末の工業的製法と
してすぐれたものである。
【0011】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
する。
【0012】実施例1 試料として約30d(デニール)の生糸を用い、この生
糸1重量部を、炭酸ナトリウム1重量部と水30重量部
からなるアルカリ性水溶液中に浸漬して煮沸した。この
処理においては、処理時間の経過とともに、試料生糸は
重量減少を生じ、40分の処理では約10%の重量減少
を生じ、1時間の処理では約16%の重量減少を生じ
た。また、前記の処理においては、生糸の引張強度も処
理時間の経過とともに劣化し、1時間の処理により、そ
の引張強度は約0.04g/dまで劣化した。なお、こ
の場合の引張強度は、装置として、テンシロン、UTM
−II型を用いて測定した。次に、前記のようにして処理
された生糸を、水洗した後脱水する工程を4回繰返して
脱アルカリした後、室温で乾燥した。次に、この乾燥生
糸を平均粒径約20μmに粗粉砕した後、微粉砕した。
この場合、粗粉砕には普通の粉砕機(サンプルミル、不
二電気工業社製)を用い、微粉砕には微粉砕機(カレン
トジェット、日清エンジニアリング社製)を用いた。こ
のようにして得た生糸の微粉砕化物(絹フィブロイン微
粉末)の粒径は、1〜20μmの範囲に分布し、その平
均粒径は約5μmであった。
糸1重量部を、炭酸ナトリウム1重量部と水30重量部
からなるアルカリ性水溶液中に浸漬して煮沸した。この
処理においては、処理時間の経過とともに、試料生糸は
重量減少を生じ、40分の処理では約10%の重量減少
を生じ、1時間の処理では約16%の重量減少を生じ
た。また、前記の処理においては、生糸の引張強度も処
理時間の経過とともに劣化し、1時間の処理により、そ
の引張強度は約0.04g/dまで劣化した。なお、こ
の場合の引張強度は、装置として、テンシロン、UTM
−II型を用いて測定した。次に、前記のようにして処理
された生糸を、水洗した後脱水する工程を4回繰返して
脱アルカリした後、室温で乾燥した。次に、この乾燥生
糸を平均粒径約20μmに粗粉砕した後、微粉砕した。
この場合、粗粉砕には普通の粉砕機(サンプルミル、不
二電気工業社製)を用い、微粉砕には微粉砕機(カレン
トジェット、日清エンジニアリング社製)を用いた。こ
のようにして得た生糸の微粉砕化物(絹フィブロイン微
粉末)の粒径は、1〜20μmの範囲に分布し、その平
均粒径は約5μmであった。
【0013】次に、前記微粉末を偏光顕微鏡で調べたと
ころ、4.0×10-3〜5.0×10-3の複屈折率を示
し、一般に知られている絹糸フィブロインの複屈折率の
値5.2×10-3と同程度の値であった。従って、前記
のようにして微粉末のフィブロイン分子の配向は、絹糸
フィブロインと同じであると考えられる。また、前記微
粉末のX線回折写真もこれを裏付け、絹糸と同じβ型を
示した。さらに、前記微粉末のDSC装置による熱測定
の結果から、この微粉末のDSC曲線には結晶化による
発熱ピークは見られず、絹糸フィブロインと同程度の結
晶性を有することが確認された。さらにまた、前記微粉
末についての吸湿・放湿曲線から、このものは絹糸より
約1%程度低い含水率を示しただけで、絹糸と同程度の
吸・放湿性能を有することが確認された。以上のことか
ら、本発明により得られる絹フィブロイン微粉末は、絹
糸と同じ構造と機能を有することが確認された。前記の
ようにして、生糸に対し、約1時間のアルカリ処理で、
約70%の収率で絹フィブロイン微粉末を得ることがで
きた。
ころ、4.0×10-3〜5.0×10-3の複屈折率を示
し、一般に知られている絹糸フィブロインの複屈折率の
値5.2×10-3と同程度の値であった。従って、前記
のようにして微粉末のフィブロイン分子の配向は、絹糸
フィブロインと同じであると考えられる。また、前記微
粉末のX線回折写真もこれを裏付け、絹糸と同じβ型を
示した。さらに、前記微粉末のDSC装置による熱測定
の結果から、この微粉末のDSC曲線には結晶化による
発熱ピークは見られず、絹糸フィブロインと同程度の結
晶性を有することが確認された。さらにまた、前記微粉
末についての吸湿・放湿曲線から、このものは絹糸より
約1%程度低い含水率を示しただけで、絹糸と同程度の
吸・放湿性能を有することが確認された。以上のことか
ら、本発明により得られる絹フィブロイン微粉末は、絹
糸と同じ構造と機能を有することが確認された。前記の
ようにして、生糸に対し、約1時間のアルカリ処理で、
約70%の収率で絹フィブロイン微粉末を得ることがで
きた。
【0014】実施例2 生糸を袋体に入れてアルカリ処理及び水洗処理した以外
は実施例1と同様にして実験を行った。この場合、袋体
としては、縦横糸:50番手、縦糸密度:25本/c
m、横糸密度:20本/cm、厚さ:0.25mm、重
さ:120g/m2の綿布を袋体に形成したものを用い
た。この袋体を用いることにより、アルカリ処理中の溶
解物や直径約1μm以下の超微粉末をその綿布を通して
袋体へ除去することができた。この実施例においては、
原料として用いた生糸に対し、約2〜3時間のアルカリ
処理で、70〜60%の高収率で絹フィブロイン微粉末
を得ることができた。
は実施例1と同様にして実験を行った。この場合、袋体
としては、縦横糸:50番手、縦糸密度:25本/c
m、横糸密度:20本/cm、厚さ:0.25mm、重
さ:120g/m2の綿布を袋体に形成したものを用い
た。この袋体を用いることにより、アルカリ処理中の溶
解物や直径約1μm以下の超微粉末をその綿布を通して
袋体へ除去することができた。この実施例においては、
原料として用いた生糸に対し、約2〜3時間のアルカリ
処理で、70〜60%の高収率で絹フィブロイン微粉末
を得ることができた。
【0015】実施例3 実施例1において、生糸の代りに絹織物を用いた以外は
同様にして実験を行った。この場合にも、アルカり処理
時間:1時間で、絹フィブロイン微粉末を収率75%で
得ることができた。
同様にして実験を行った。この場合にも、アルカり処理
時間:1時間で、絹フィブロイン微粉末を収率75%で
得ることができた。
Claims (1)
- 【請求項1】 絹物質をアルカリ性水溶液と95℃以上
の温度で接触させて強度劣化させた後、得られた絹物質
の脱アルカリと乾燥を行い、次いで得られた乾燥絹物質
を微粉砕化することを特徴とする絹フィブロイン微粉末
の製造方法。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7031417A JP2615440B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | 絹フィブロイン微粉末の製造方法 |
US08/702,451 US5853764A (en) | 1995-01-27 | 1996-01-26 | Process for preparing fine powder of silk fibroin |
DE69615762T DE69615762T2 (de) | 1995-01-27 | 1996-01-26 | Verfahren zur herstellung von seidenfibroinpulver |
PCT/JP1996/000154 WO1996023020A1 (fr) | 1995-01-27 | 1996-01-26 | Procede de production de poudre fine de fibroine |
CN96190245A CN1078895C (zh) | 1995-01-27 | 1996-01-26 | 结晶性蚕丝丝心蛋白微细粉末的制备方法 |
EP96901128A EP0753533B1 (en) | 1995-01-27 | 1996-01-26 | Process for producing fine silk fibroin powder |
KR1019960705382A KR100217169B1 (ko) | 1995-01-27 | 1996-09-25 | 견피브로인미 분말의 제조방법 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7031417A JP2615440B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | 絹フィブロイン微粉末の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08198970A true JPH08198970A (ja) | 1996-08-06 |
JP2615440B2 JP2615440B2 (ja) | 1997-05-28 |
Family
ID=12330692
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7031417A Expired - Lifetime JP2615440B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | 絹フィブロイン微粉末の製造方法 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5853764A (ja) |
EP (1) | EP0753533B1 (ja) |
JP (1) | JP2615440B2 (ja) |
KR (1) | KR100217169B1 (ja) |
CN (1) | CN1078895C (ja) |
DE (1) | DE69615762T2 (ja) |
WO (1) | WO1996023020A1 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100330550B1 (ko) * | 1999-12-27 | 2002-03-28 | 임건빈 | 실크 피브로인 분말의 제조방법 |
KR100393832B1 (ko) * | 1999-06-03 | 2003-08-06 | 독립행정법인농업생물자원연구소 | 결정성 견 초미세분말의 제조방법 |
KR100420824B1 (ko) * | 2001-06-21 | 2004-03-02 | 배도규 | 실크를 이용하여 제조한 실크 펩타이드와 피브로인 분말물질 및 그 제조방법 |
KR100431669B1 (ko) * | 2000-12-29 | 2004-05-17 | 김진국 | 누에고치로부터 제조된 분말, 그 제조방법 및 용도 |
JP2005171218A (ja) * | 2003-12-11 | 2005-06-30 | Found For Promotion Of Supplementary Occupations & Related Techniques Of Her Majesty Queen Sirikit | シルク固形石鹸およびその製造方法 |
KR100625039B1 (ko) * | 1999-07-12 | 2006-09-20 | 독립행정법인농업생물자원연구소 | 결정성 견의 초미분말을 함유하는 화장 재료 |
WO2010113798A1 (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-07 | 学校法人福岡大学 | コーティング絹微粒子およびその製造方法 |
JP2015529634A (ja) * | 2012-06-26 | 2015-10-08 | アル・プレ・テック エッセ・エルレ・エルレ アラジー・プリヴェンション・テクノロジー・イタリアAl.Pre.Tec. Srl Allergy Prevention Technology Italia | シルク製品又はシルクフィラメントからフィブロインパウダーを製造する方法 |
Families Citing this family (22)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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