JP2005213661A - 無撚糸及びそれからなる布帛 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、布帛の製造過程において、水系の工程を採用することができ、且つアルカリ処理後の廃液処理も問題のない無撚糸および、その無撚糸を使用した布帛を提供する事にある。
【解決手段】可溶性原料としてポリ乳酸系繊維を使用した無撚糸。そして、その無撚糸からなる各種布帛。とくに、無撚糸の原料として用いられるポリ乳酸系繊維の融点が150℃以上である事、相対粘度(ηrel)が2.0以上である事が好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】可溶性原料としてポリ乳酸系繊維を使用した無撚糸。そして、その無撚糸からなる各種布帛。とくに、無撚糸の原料として用いられるポリ乳酸系繊維の融点が150℃以上である事、相対粘度(ηrel)が2.0以上である事が好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、可溶性原料としてポリ乳酸系繊維を使用した無撚糸に関する。さらに、ポリ乳酸系繊維を使用した無撚糸を使用した布帛に関するものである。
無撚糸を製造する方法として、紡績糸と水溶性フィラメントを合撚機にて、紡績糸の撚り方向と逆の方向に撚りを入れて合撚糸を製造し、この合撚糸を用いて製織・製編し、そののち熱水処理によって水溶性フィラメントを溶解除去することにより撚りの解除されたソフトな無撚糸調の製品を得る技術が知られている。
又、水溶性フィラメントのかわりに、アルカリ易溶性のポリエステルを使用したフィラメントを使用して、アルカリ溶液中で溶解除去する技術もある。
しかしながら、水溶性ポリマーとして使用される水溶性ビニロンフィラメントは価格が高く、又水溶性であるために糸の保管・取り扱いが困難であったり、織りあがるまで水系の工程で使用できない問題がある。
又、アルカリ易溶性のポリエステルを使用した場合にはアルカリ溶液中にポリエステルで使用したアンチモン系触媒が残存したりして、アルカリ廃液を処理するのに問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、水系の工程を採用することができ、且つアルカリ処理後の廃液処理も問題のない無撚糸および、無撚糸を使用した布帛を提供する事にある。
本発明は、可溶性原料としてポリ乳酸系繊維を使用する事によって達成する。
本発明により加工性に優れ、廃液処理も問題のない無撚糸及び無撚糸を使用した布帛を得る事ができる。
以下本発明について詳細に説明する。本発明は、可溶性原料としてポリ乳酸系繊維を使用した無撚糸を得る事が必要である。
ポリ乳酸系繊維は原料が乳酸からなる生分解性繊維である事は知られている。ポリエステルと比べるとアルカリ溶液中での溶解速度が速く、無撚糸のアルカリ可溶成分に好適であることが分かった。
本発明で使用する、ポリ乳酸系繊維の繊維形態としてはマルチフィラメントまたは紡績糸からなる事が好ましい。マルチフィラメントで使用する場合は繊度20〜167dte
xで、且つ単糸繊度は0.5〜10dtexの範囲で使用する事が好ましい。
xで、且つ単糸繊度は0.5〜10dtexの範囲で使用する事が好ましい。
ポリ乳酸系繊維からなる紡績糸を使用する場合は、10〜60番手の紡績糸を使用する事が好ましい。
又、原料の一方である撚りの入った紡績糸を構成する繊維としてはポリエステル系繊維、綿、羊毛、絹、麻等の合成繊維ないし天然繊維を選択する事ができる。
ポリ乳酸は光学異性体によって融点が変化することが知られているが、使用するポリ乳酸系繊維の融点はできるだけ高い方が好ましく、150℃以上であれば、サイジング工程などで乾熱処理した場合でもポリ乳酸系繊維が溶解又は収縮しない。さらに好ましくは160℃以上である。
ポリ乳酸系繊維の溶液粘度は2.0以上である事が好ましい。2.0以上であれば通常の無撚糸製造工程にて充分な強力を持った繊維を得られる事ができる。さらに好ましくは2.5以上である。
ポリ乳酸系繊維はポリ乳酸比率が好ましくは、80%以上である。ブレンド及び/又は共重合成分として、分子量300以上のポリエチレングリコール、脂肪族多価アルコール、脂環族多価アルコール、脂肪族多価カルボン酸、脂肪族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸等の多官能基を有する化合物、あるいはラクトン、環状エーテル類等の環状化合物、ガラス転移温度が0℃以下の脂肪族−芳香族共重合ポリエステル等を1種類以上含んでいてもよい。
本発明の無撚糸はアルカリ水溶液で処理することにより、簡単に補強糸として使用するポリ乳酸系繊維を溶解除去し、実質的に撚りのない繊維束のみにすることができる。
アルカリ処理に用いるアルカリ水溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリが好ましく、1〜30重量%のアルカリ濃度が好ましい。
アルカリ処理温度は、20〜100℃が好ましく、特に60〜100℃が好ましい。又、処理時間は1時間未満とする事が好ましい。
例えば繊維束に木綿繊維を、補助糸に上記ポリ乳酸系繊維を用いて製造した無撚糸をパイル布のパイル経糸に用いてタオル生地を製造する場合、この無撚糸は非水溶性であるのでサイジング工程を問題なく通過し、毛羽や糸切れを生じることなく織加工することができる。
織加工により得られるパイル生地は、その後アルカリ処理する事により、確実に補強糸を溶解除去でき、これにより簡単に嵩高性に富んだパイルループが柔軟な、高級タオル生地を製造できる。
以下、本発明の無撚糸について実施例を説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
(溶液粘度ηrel)
フェノール/テトラクロロエタン=60/40(質量比)の混合溶媒に試料を1g/dLの濃度になるよう溶解し、20℃でウベローデ粘度管を用いて相対粘度を測定してこれを溶液粘度とした。
フェノール/テトラクロロエタン=60/40(質量比)の混合溶媒に試料を1g/dLの濃度になるよう溶解し、20℃でウベローデ粘度管を用いて相対粘度を測定してこれを溶液粘度とした。
(融点)
リガク製Thermoplus DSC8230を使用して、昇温速度10℃/minにて30℃〜200℃の温度範囲にて測定した。
リガク製Thermoplus DSC8230を使用して、昇温速度10℃/minにて30℃〜200℃の温度範囲にて測定した。
(実施例1)
綿繊維100%の紡績糸(20番手)と融点168℃、溶液粘度2.8のポリ乳酸マルチフィラメント(84dtex/24f)とを、合撚機にかけて、綿紡績糸の撚り方向と逆の方向に14回/2.54cm(1inch)の撚りを入れて無撚糸を製造した。
綿繊維100%の紡績糸(20番手)と融点168℃、溶液粘度2.8のポリ乳酸マルチフィラメント(84dtex/24f)とを、合撚機にかけて、綿紡績糸の撚り方向と逆の方向に14回/2.54cm(1inch)の撚りを入れて無撚糸を製造した。
上記無撚糸を経糸ビームに成形し、無撚糸がパイル糸に、綿糸が経地糸になるようにタオル生地を製造した。なお、経地糸は通常の20番手綿糸を用いた。織機にかける前にサイジング液に浸漬し、120℃で乾燥する工程を施した。
得られたタオル生地を2重量%の水酸化ナトリウム水溶液にて、100℃で60分処理する事によりポリ乳酸系繊維を溶解・除去した。その後、タオル生地加工の定法に基づいて加工し、タオルを得た。
得られたタオルは風合いの柔らかい良好なタオルを得られた。
(実施例2)
綿繊維100%の紡績糸(20番手)と融点172℃、溶液粘度3.0のポリ乳酸紡績糸(20番手)とを、合撚機にかけて、綿紡績糸の撚り方向と逆の方向に14回/2.54cm(1inch)の撚りを入れて無撚糸を製造した。
綿繊維100%の紡績糸(20番手)と融点172℃、溶液粘度3.0のポリ乳酸紡績糸(20番手)とを、合撚機にかけて、綿紡績糸の撚り方向と逆の方向に14回/2.54cm(1inch)の撚りを入れて無撚糸を製造した。
実施例1と同じ工程にてタオルを得たが、タオルの風合いは柔らかく良好であった。
(比較例1)
ポリ乳酸系繊維のかわりに、ポリエステルマルチフィラメント(84dtex/24f)を用いて製造した無撚糸を用いた以外は実施例1と同様に操作してタオルを製造した。得られたタオルのパイルのループにはポリエステルが残存しており、硬い風合いのタオルであった。
ポリ乳酸系繊維のかわりに、ポリエステルマルチフィラメント(84dtex/24f)を用いて製造した無撚糸を用いた以外は実施例1と同様に操作してタオルを製造した。得られたタオルのパイルのループにはポリエステルが残存しており、硬い風合いのタオルであった。
本発明の無撚糸は、補強糸としてポリ乳酸系繊維を用いるので水に溶解される事がない。又、ポリ乳酸系繊維は生分解性繊維であるので、溶解後の廃液処理も問題ない。
ソフトで嵩高性に富んだ布帛が製造できるので、肌に触れる用途に相応しい。例えば、肌着等インナー、ソックス、靴下、帽子、サポーター、スパッツ、パジャマ、布団側地、枕カバー、毛布、ブランケット類等の寝装品、ぬいぐるみ、人形及びそれらの衣料等、タオル類、カバン・袋物等が考えられる。
ソフトで嵩高性に富んだ布帛が製造できるので、肌に触れる用途に相応しい。例えば、肌着等インナー、ソックス、靴下、帽子、サポーター、スパッツ、パジャマ、布団側地、枕カバー、毛布、ブランケット類等の寝装品、ぬいぐるみ、人形及びそれらの衣料等、タオル類、カバン・袋物等が考えられる。
Claims (5)
- 可溶性原料としてポリ乳酸系繊維を使用した無撚糸。
- ポリ乳酸系繊維の形態が、マルチフィラメントまたは紡績糸からなる事を特徴とする請求項1記載の無撚糸。
- ポリ乳酸系繊維の融点が150℃以上である事を特徴とする請求項1〜2いずれかに記載の無撚糸。
- ポリ乳酸系繊維の相対粘度(ηrel)が2.0以上である事を特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の無撚糸。
- 請求項1〜4いずれかの無撚糸を使用した布帛。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004019354A JP2005213661A (ja) | 2004-01-28 | 2004-01-28 | 無撚糸及びそれからなる布帛 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004019354A JP2005213661A (ja) | 2004-01-28 | 2004-01-28 | 無撚糸及びそれからなる布帛 |
Publications (1)
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JP2005213661A true JP2005213661A (ja) | 2005-08-11 |
Family
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005213661A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015122025A1 (ja) * | 2014-02-14 | 2015-08-20 | 内野株式会社 | パイル織物および製造方法 |
JP2020041258A (ja) * | 2016-03-01 | 2020-03-19 | おぼろタオル株式会社 | 繊維製品の製造方法 |
-
2004
- 2004-01-28 JP JP2004019354A patent/JP2005213661A/ja active Pending
Cited By (3)
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