JP2001011749A - 形態安定性繊維構造物 - Google Patents

形態安定性繊維構造物

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JP2001011749A
JP2001011749A JP11138344A JP13834499A JP2001011749A JP 2001011749 A JP2001011749 A JP 2001011749A JP 11138344 A JP11138344 A JP 11138344A JP 13834499 A JP13834499 A JP 13834499A JP 2001011749 A JP2001011749 A JP 2001011749A
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fibers
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忠篤 野津
Toyoichi Nonaka
豊一 野中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】風合いのソフト感やプリーツ等の形態を保持
し、抗ピリング性に優れ、さらに生分解性能を有する繊
維構造物の提供。 【解決手段】単繊維強度が3.0〜10.0g/dであ
る20重量%以上の生分解性合成繊維と80重量%以下
の天然繊維とを混用してなる繊維構造物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣料用,寝装用,
内装用等の用途に使用する、形態安定性を備えた繊維構
造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、衣料品,内装品,寝装品等の
繊維製品には、その素材として綿,麻,ウール,絹等の
天然繊維や、ポリエステル,ポリアミド等の合成繊維が
用いられているが、ワイシャツやスラックス,スカート
等の様な衣料品の一部や、カーテンの様な内装品におい
ては、プリーツ加工や意図的な皺付け加工が施され、ま
たその形態の耐久性が必要とされていたため、ホルムア
ルデヒドやエポキシ化合物等によって後処理加工を施し
ていた。
【0003】しかしながら、従来の繊維素材、例えば綿
の場合は、アイロンなどによりプリーツを施しても、一
度でも洗濯すると消滅してしまったり、また洗濯を繰り
返すことによって綿繊維中に含有される綿ロウが洗い落
とされて、柔らかさを失い、ゴワゴワとした風合いの原
因となる等の問題がある。
【0004】また、ポリエステル等の、熱セット性を有
する石油を原料とする合成繊維は、分解することなく半
永久的にその形のまま残存し、焼却する際には、膨大な
燃焼熱を必要とするため、焼却炉を傷めたり、また排煙
中のNOX、SOXの量を増大させる等という問題があ
り、環境保全上の問題を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
に鑑みなされたものであって、風合いのソフト感やプリ
ーツなどの形態安定性を有し、かつ生分解性能を有する
繊維構造物の提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本願発明は以下の構成を要旨とする。まず第一番
目の発明は、20重量%以上の生分解性合成繊維と80
重量%以下の天然繊維または再生繊維からなる形態安定
性繊維構造物である。そして、第二番目の発明は、上記
生分解性合成繊維の単繊維強度が3.0〜10.0g/
dであることを特徴とするものである。さらに、第三番
目の発明は、上記の第一番目及び第二番目の発明におい
て、生分解性合成繊維がポリ乳酸を主成分とするもので
あり、かつ上記ポリ乳酸の光学純度が90%以上である
ことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】続いて、本発明を詳細に説明す
る。まず、本発明の繊維構造物としては、ウェブ,糸,
織編物,縫製品などの形態が挙げられるが、特にこれら
に限定されるものではない。
【0008】また、天然繊維としては、綿,麻,イ草等
の植物繊維、及び羊毛,モヘア,カシミア,ラクダ,ア
ルパカ,アンゴラ,ウサギ,絹等の蛋白質を主成分とす
る動物繊維が使用可能であり、再生繊維としては、レー
ヨン,キュプラ,溶剤紡糸セルロース繊維等の再生セル
ロース繊維や、カゼイン,バイカラ等の再生蛋白質繊維
が例示される。
【0009】そして、本発明の繊維構造物においては、
生分解性合成繊維の含有率が少ない場合、風合いのソフ
ト感や形態安定性が失われるようになるため、20重量
%以上の生分解性合成繊維を含有せしめることが肝要で
ある。また、本発明の繊維構造物は、生分解性合成繊維
100重量%からなるものであっても構わないが、実用
性等を考慮した場合、上記生分解性合成繊維の含有率は
20〜80重量%が最適である。
【0010】ここで、上記の生分解性合成繊維として
は、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリエチレンサク
シネート、ポリエチレンブチレート、バクテリアまたは
化学的な方法により生産されるポリ(ヒドロキシブチレ
ート)、ポリ(ヒドロキシブチレート・バレート)等を
主成分とするものが例示される。
【0011】そして、上記生分解性合成繊維の単繊維強
度は、3.0g/d未満であると、衣料用に用いる糸と
しては弱すぎるため、可紡性などの面において不適切で
あり、また10.0g/dを越えると、その強さのため
にピリングが発生した際に該ピリングの脱落・除去が困
難となり、抗ピリング性の低下の原因となるだけでな
く、高強度のものは結晶度が高すぎるため染色性に問題
が発生するので、第二番目の発明に記載の如く、生分解
性合成繊維の単繊維強度は3.0〜10.0g/dとす
る。
【0012】単繊維強度に関し、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)からなるポリエステル繊維は生分解性
合成繊維に比べて強いため上述のピリングの問題を有し
ており、その解決策として苛性ソーダ等のアルカリによ
り減量が必要であったが、生分解性合成繊維の場合はピ
リングが発生しにくいので必ずしも減量加工を必要とす
るものではない。ただし、生分解性合成繊維について
も、用途や求められる抗ピリング性能に応じて減量し単
繊維強度を低下せしめてもよい。
【0013】そして、上記に例示される生分解性合成繊
維は、第三の発明に示されるように、ポリ乳酸を主成分
とし、光学純度が90%以上であるものが好ましい。
【0014】衣料用等に用いられる繊維素材の場合、加
工工程中での熱処理や縫製後のアイロンによる処理な
ど、様々な状況で高温下に置かれることがあるが、ポリ
乳酸繊維の場合、上記の他の生分解性合成繊維に比べ
て、融点が170℃と比較的高温であり、さらに他の素
材に比べ、染色性に優れている点で最適である。
【0015】また、上記ポリ乳酸繊維において、乳酸の
光学異性体はL−体、D−体があり、光学純度はそれら
の含有率より決定されるものであるが、自然界の生物に
含まれる乳酸は殆どL−体から構成されているため、L
−体よりなるポリマーや加工物を分解する酵素は豊富に
存在している。しかし、D−体は自然界には殆ど存在し
ないため、D−体を多く含むポリマーや化合物は自然界
で分解されにくいのである。従って、本願発明のポリ乳
酸繊維においても、L−乳酸の含有率が高いポリL−乳
酸の方が好ましく、具体的には、上記の光学純度が90
%以上のものが生分解性の点で最適である。
【0016】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明の実施形態の
一つを詳細に説明する。
【0017】(実施例1)光学純度90%,融点170
℃のポリ乳酸を主成分とする樹脂を用い、平均繊維長3
8mm、平均繊度1.3dのステープルを製造してポリ
乳酸短繊維とし、該ポリ乳酸短繊維50重量%と綿50
重量%とを混綿し、通常の紡績工程に供給して40番手
単糸を紡出した。なお、このとき上記ポリ乳酸短繊維の
単繊維強度は5.0g/dであった。
【0018】(比較例1)平均繊維長38mmの綿繊維
を100重量%用い、通常の紡績工程にて40番手単糸
を紡出せしめた。
【0019】(比較例2)ポリエチレンテレフタレート
を主成分とするポリエステルフィラメントを、平均繊維
長38mmとなるよう切断して、ポリエステル短繊維に
形成せしめた後、該ポリエステルステープル100重量
%を用い、通常のポリエステルスパン製造工程にて40
番手単糸を紡出した。
【0020】(比較例3)ポリエチレンテレフタレート
を主成分とするポリエステルフィラメントを、平均繊維
長38mmとなるよう切断して、ポリエステル短繊維に
形成せしめた後、該ポリエステルステープル80重量%
と綿20重量%とを混綿糸、紡績工程にて40番手単糸
を紡出した。
【0021】以上の様にして得た実施例1,比較例1〜
3の紡績糸を用いて40番手双糸とし、該双糸より編機
で220g/m2のニット地を編成した後、該ニット地
の抗ピリング性能をJIS−L−1076−A法(IC
I形法)で測定した。
【0022】また、上記の実施例1、比較例1〜3の紡
績糸(40番手単糸)を用い、それぞれの糸100%か
らなる経100本/インチ,緯93本/インチの平織物
を4種類形成せしめた後、該織物を二つ折りにして、
0.4kg/cm2×130℃×30秒間のアイロン掛
けを行い、プリーツを付与せしめた。そして、それぞれ
の織物を家庭用洗濯機にて5分間撹拌・洗浄し、洗濯後
のプリーツの残存状況を確認した。さらに、同様の洗濯
を9回繰り返し、10回洗濯後のプリーツ残存状況及び
風合いについても確認した。以下にその結果を示す。
【0023】
【表1】
【0024】上記の結果、ポリエステルステープルを含
有する比較例2,3の布帛は、抗ピリング性1−2級
と、実施例1の製品に比べて劣っており、着用を続ける
に連れ、ピリングによって外観が劣るようになることが
分かった。
【0025】また、綿100重量%からなる比較例1の
布帛は、1度洗濯を行うとプリーツが完全に消滅し、洗
濯前の形態をとどめていなかったが、その他の布帛はプ
リーツを保持した状態であった。特に、生分解性合成繊
維を用いた実施例1の布帛は、洗濯10回後においても
プリーツが残存していた。
【0026】さらに、綿100重量%からなる比較例1
の布帛は、洗濯を10回繰り返した後には、ソフト感が
失われてゴワゴワとした手触りとなり、著しく風合いが
劣化することが分かった。
【0027】また、実施例1及び比較例1の布帛は、コ
ンポスト中にて3ヶ月でほぼ分解されたが、ポリエチレ
ンテレフタレートを原料とするポリエステル繊維を含有
する比較例2,3の布帛は、全く分解されていない状態
であった。
【0028】
【発明の効果】以上の様に、本発明によれば、抗ピリン
グ性、洗濯後の風合い、プリーツ加工や皺付け加工され
た形態の保持などの点において優れた特徴を有してお
り、着用感及び外観に優れるという効果を奏するととも
に、廃棄時には土中またはコンポスト中等に埋めると分
解し、環境を汚染しないばかりでなく、焼却廃棄の場合
においても、ポリエステル等の石油系合成繊維を含有す
る製品に比べ燃焼熱が低いため、有毒ガスの発生を抑え
ることが可能になると言う効果をも奏する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 20重量%以上の生分解性合成繊維と、
    80重量%以下の天然繊維または再生繊維からなること
    を特徴とする形態安定性繊維構造物。
  2. 【請求項2】 上記生分解性合成繊維の単繊維強度が
    3.0〜10.0g/dであることを特徴とする請求項
    1に記載の形態安定性繊維構造物。
  3. 【請求項3】 上記生分解性合成繊維がポリ乳酸を主成
    分とするものであり、かつ光学純度が90%以上である
    ことを特徴とする請求項1,2に記載の形態安定性繊維
    構造物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5450068B2 (ja) * 2007-09-04 2014-03-26 正子 岡 凹凸固定布の製造方法、およびそれを用いた製品の製造方法
JP2020510762A (ja) * 2017-02-27 2020-04-09 テイジン・アラミド・ゲーエムベーハー 布地および該布地から製造された作業着
JP2022061349A (ja) * 2020-10-06 2022-04-18 ユニテックパロマ株式会社 カーテン及びウェーブ補助材
US11584833B2 (en) 2018-06-26 2023-02-21 Intrinsic Advanced Materials, LLC Biodegradable textiles, masterbatches, and method of making biodegradable fibers

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