JP2001011749A - 形態安定性繊維構造物 - Google Patents
形態安定性繊維構造物Info
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Abstract
し、抗ピリング性に優れ、さらに生分解性能を有する繊
維構造物の提供。 【解決手段】単繊維強度が3.0〜10.0g/dであ
る20重量%以上の生分解性合成繊維と80重量%以下
の天然繊維とを混用してなる繊維構造物。
Description
内装用等の用途に使用する、形態安定性を備えた繊維構
造物に関するものである。
繊維製品には、その素材として綿,麻,ウール,絹等の
天然繊維や、ポリエステル,ポリアミド等の合成繊維が
用いられているが、ワイシャツやスラックス,スカート
等の様な衣料品の一部や、カーテンの様な内装品におい
ては、プリーツ加工や意図的な皺付け加工が施され、ま
たその形態の耐久性が必要とされていたため、ホルムア
ルデヒドやエポキシ化合物等によって後処理加工を施し
ていた。
の場合は、アイロンなどによりプリーツを施しても、一
度でも洗濯すると消滅してしまったり、また洗濯を繰り
返すことによって綿繊維中に含有される綿ロウが洗い落
とされて、柔らかさを失い、ゴワゴワとした風合いの原
因となる等の問題がある。
する石油を原料とする合成繊維は、分解することなく半
永久的にその形のまま残存し、焼却する際には、膨大な
燃焼熱を必要とするため、焼却炉を傷めたり、また排煙
中のNOX、SOXの量を増大させる等という問題があ
り、環境保全上の問題を有していた。
に鑑みなされたものであって、風合いのソフト感やプリ
ーツなどの形態安定性を有し、かつ生分解性能を有する
繊維構造物の提供を目的とするものである。
めに、本願発明は以下の構成を要旨とする。まず第一番
目の発明は、20重量%以上の生分解性合成繊維と80
重量%以下の天然繊維または再生繊維からなる形態安定
性繊維構造物である。そして、第二番目の発明は、上記
生分解性合成繊維の単繊維強度が3.0〜10.0g/
dであることを特徴とするものである。さらに、第三番
目の発明は、上記の第一番目及び第二番目の発明におい
て、生分解性合成繊維がポリ乳酸を主成分とするもので
あり、かつ上記ポリ乳酸の光学純度が90%以上である
ことを特徴とするものである。
る。まず、本発明の繊維構造物としては、ウェブ,糸,
織編物,縫製品などの形態が挙げられるが、特にこれら
に限定されるものではない。
の植物繊維、及び羊毛,モヘア,カシミア,ラクダ,ア
ルパカ,アンゴラ,ウサギ,絹等の蛋白質を主成分とす
る動物繊維が使用可能であり、再生繊維としては、レー
ヨン,キュプラ,溶剤紡糸セルロース繊維等の再生セル
ロース繊維や、カゼイン,バイカラ等の再生蛋白質繊維
が例示される。
生分解性合成繊維の含有率が少ない場合、風合いのソフ
ト感や形態安定性が失われるようになるため、20重量
%以上の生分解性合成繊維を含有せしめることが肝要で
ある。また、本発明の繊維構造物は、生分解性合成繊維
100重量%からなるものであっても構わないが、実用
性等を考慮した場合、上記生分解性合成繊維の含有率は
20〜80重量%が最適である。
は、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリエチレンサク
シネート、ポリエチレンブチレート、バクテリアまたは
化学的な方法により生産されるポリ(ヒドロキシブチレ
ート)、ポリ(ヒドロキシブチレート・バレート)等を
主成分とするものが例示される。
度は、3.0g/d未満であると、衣料用に用いる糸と
しては弱すぎるため、可紡性などの面において不適切で
あり、また10.0g/dを越えると、その強さのため
にピリングが発生した際に該ピリングの脱落・除去が困
難となり、抗ピリング性の低下の原因となるだけでな
く、高強度のものは結晶度が高すぎるため染色性に問題
が発生するので、第二番目の発明に記載の如く、生分解
性合成繊維の単繊維強度は3.0〜10.0g/dとす
る。
レート(PET)からなるポリエステル繊維は生分解性
合成繊維に比べて強いため上述のピリングの問題を有し
ており、その解決策として苛性ソーダ等のアルカリによ
り減量が必要であったが、生分解性合成繊維の場合はピ
リングが発生しにくいので必ずしも減量加工を必要とす
るものではない。ただし、生分解性合成繊維について
も、用途や求められる抗ピリング性能に応じて減量し単
繊維強度を低下せしめてもよい。
維は、第三の発明に示されるように、ポリ乳酸を主成分
とし、光学純度が90%以上であるものが好ましい。
工工程中での熱処理や縫製後のアイロンによる処理な
ど、様々な状況で高温下に置かれることがあるが、ポリ
乳酸繊維の場合、上記の他の生分解性合成繊維に比べ
て、融点が170℃と比較的高温であり、さらに他の素
材に比べ、染色性に優れている点で最適である。
光学異性体はL−体、D−体があり、光学純度はそれら
の含有率より決定されるものであるが、自然界の生物に
含まれる乳酸は殆どL−体から構成されているため、L
−体よりなるポリマーや加工物を分解する酵素は豊富に
存在している。しかし、D−体は自然界には殆ど存在し
ないため、D−体を多く含むポリマーや化合物は自然界
で分解されにくいのである。従って、本願発明のポリ乳
酸繊維においても、L−乳酸の含有率が高いポリL−乳
酸の方が好ましく、具体的には、上記の光学純度が90
%以上のものが生分解性の点で最適である。
一つを詳細に説明する。
℃のポリ乳酸を主成分とする樹脂を用い、平均繊維長3
8mm、平均繊度1.3dのステープルを製造してポリ
乳酸短繊維とし、該ポリ乳酸短繊維50重量%と綿50
重量%とを混綿し、通常の紡績工程に供給して40番手
単糸を紡出した。なお、このとき上記ポリ乳酸短繊維の
単繊維強度は5.0g/dであった。
を100重量%用い、通常の紡績工程にて40番手単糸
を紡出せしめた。
を主成分とするポリエステルフィラメントを、平均繊維
長38mmとなるよう切断して、ポリエステル短繊維に
形成せしめた後、該ポリエステルステープル100重量
%を用い、通常のポリエステルスパン製造工程にて40
番手単糸を紡出した。
を主成分とするポリエステルフィラメントを、平均繊維
長38mmとなるよう切断して、ポリエステル短繊維に
形成せしめた後、該ポリエステルステープル80重量%
と綿20重量%とを混綿糸、紡績工程にて40番手単糸
を紡出した。
3の紡績糸を用いて40番手双糸とし、該双糸より編機
で220g/m2のニット地を編成した後、該ニット地
の抗ピリング性能をJIS−L−1076−A法(IC
I形法)で測定した。
績糸(40番手単糸)を用い、それぞれの糸100%か
らなる経100本/インチ,緯93本/インチの平織物
を4種類形成せしめた後、該織物を二つ折りにして、
0.4kg/cm2×130℃×30秒間のアイロン掛
けを行い、プリーツを付与せしめた。そして、それぞれ
の織物を家庭用洗濯機にて5分間撹拌・洗浄し、洗濯後
のプリーツの残存状況を確認した。さらに、同様の洗濯
を9回繰り返し、10回洗濯後のプリーツ残存状況及び
風合いについても確認した。以下にその結果を示す。
有する比較例2,3の布帛は、抗ピリング性1−2級
と、実施例1の製品に比べて劣っており、着用を続ける
に連れ、ピリングによって外観が劣るようになることが
分かった。
布帛は、1度洗濯を行うとプリーツが完全に消滅し、洗
濯前の形態をとどめていなかったが、その他の布帛はプ
リーツを保持した状態であった。特に、生分解性合成繊
維を用いた実施例1の布帛は、洗濯10回後においても
プリーツが残存していた。
の布帛は、洗濯を10回繰り返した後には、ソフト感が
失われてゴワゴワとした手触りとなり、著しく風合いが
劣化することが分かった。
ンポスト中にて3ヶ月でほぼ分解されたが、ポリエチレ
ンテレフタレートを原料とするポリエステル繊維を含有
する比較例2,3の布帛は、全く分解されていない状態
であった。
グ性、洗濯後の風合い、プリーツ加工や皺付け加工され
た形態の保持などの点において優れた特徴を有してお
り、着用感及び外観に優れるという効果を奏するととも
に、廃棄時には土中またはコンポスト中等に埋めると分
解し、環境を汚染しないばかりでなく、焼却廃棄の場合
においても、ポリエステル等の石油系合成繊維を含有す
る製品に比べ燃焼熱が低いため、有毒ガスの発生を抑え
ることが可能になると言う効果をも奏する。
Claims (3)
- 【請求項1】 20重量%以上の生分解性合成繊維と、
80重量%以下の天然繊維または再生繊維からなること
を特徴とする形態安定性繊維構造物。 - 【請求項2】 上記生分解性合成繊維の単繊維強度が
3.0〜10.0g/dであることを特徴とする請求項
1に記載の形態安定性繊維構造物。 - 【請求項3】 上記生分解性合成繊維がポリ乳酸を主成
分とするものであり、かつ光学純度が90%以上である
ことを特徴とする請求項1,2に記載の形態安定性繊維
構造物。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP11138344A JP2001011749A (ja) | 1999-04-27 | 1999-05-19 | 形態安定性繊維構造物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11934099 | 1999-04-27 | ||
JP11-119340 | 1999-04-27 | ||
JP11138344A JP2001011749A (ja) | 1999-04-27 | 1999-05-19 | 形態安定性繊維構造物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001011749A5 JP2001011749A5 (ja) | 2005-09-08 |
Family
ID=26457106
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11138344A Pending JP2001011749A (ja) | 1999-04-27 | 1999-05-19 | 形態安定性繊維構造物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001011749A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5450068B2 (ja) * | 2007-09-04 | 2014-03-26 | 正子 岡 | 凹凸固定布の製造方法、およびそれを用いた製品の製造方法 |
JP2020510762A (ja) * | 2017-02-27 | 2020-04-09 | テイジン・アラミド・ゲーエムベーハー | 布地および該布地から製造された作業着 |
US11584833B2 (en) | 2018-06-26 | 2023-02-21 | Intrinsic Advanced Materials, LLC | Biodegradable textiles, masterbatches, and method of making biodegradable fibers |
-
1999
- 1999-05-19 JP JP11138344A patent/JP2001011749A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5450068B2 (ja) * | 2007-09-04 | 2014-03-26 | 正子 岡 | 凹凸固定布の製造方法、およびそれを用いた製品の製造方法 |
JP2020510762A (ja) * | 2017-02-27 | 2020-04-09 | テイジン・アラミド・ゲーエムベーハー | 布地および該布地から製造された作業着 |
JP7044798B2 (ja) | 2017-02-27 | 2022-03-30 | テイジン・アラミド・ゲーエムベーハー | 布地および該布地から製造された作業着 |
US11584833B2 (en) | 2018-06-26 | 2023-02-21 | Intrinsic Advanced Materials, LLC | Biodegradable textiles, masterbatches, and method of making biodegradable fibers |
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