JP2002371463A - ポリ乳酸繊維及びポリ乳酸繊維からなる布帛 - Google Patents

ポリ乳酸繊維及びポリ乳酸繊維からなる布帛

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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた水との親和性を付与したポリ乳酸繊維及
びポリ乳酸繊維よりなる布帛を提供する。 【解決手段】 繊維表面を加水分解され、少なくとも単
繊維強度が1g/デシテックス以上であるポリ乳酸繊維
であり、さらに、本文記載の揚水ヘッド差が30mm以
上であるポリ乳酸繊維からなる布帛である。前記揚水ヘ
ッド差は、50mm以上であることが好ましく、さらに
好ましくは、前記揚水ヘッド差が100mm以上の布帛
である。本発明の水との親和性に優れた生分解性を有す
るポリ乳酸繊維及びその布帛は、水との親和性を生かし
た各種用途、即ち、生活資材、医療資材、農業土木建築
資材、食品用途、漁業用途等の製品への適用が可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた水との親和
性を有するポリ乳酸繊維及びポリ乳酸繊維からなる布帛
に関する。
【0002】
【従来の技術】環境保全の観点から、生分解ポリマーの
研究が行われ、植物資源を原料として酵素や微生物によ
り容易に分解してオリゴマー化すると植物の成長にも有
用な堆肥になり、最終的には水と炭酸ガスに分解され、
光合成を介して再度植物資源に再生できるポリ乳酸が注
目を集めている。ポリ乳酸は光合成以外にも加水分解さ
せ乳酸として又は環化反応でラクチドとして原料回収す
る方法により直接マテリアルリサイクルもできる。
【0003】現在では生体適合除放性ポリマーでもある
ポリ乳酸はフイルム、繊維、成形品として一般家庭用品
以外にも医療用途や農業用途にも使用されるようになっ
た。かくしてポリ乳酸は石化樹脂に代わる汎用樹脂とし
ての地位を得ようとしているが、石化樹脂用途のニーズ
として、疎水性素材繊維の親水性付与があり、多数の提
案がなされている。しかして、ポリ乳酸も疎水性素材で
あり、親水性機能を付与するため、天然繊維との交編織
物に油剤等の水と親和性の薬剤を塗布する方法が特開2
000−248442号公報に開示されている。しかし
て、油剤が洗濯等で脱落すると水との親和性は低下する
問題があると共に、ポリ乳酸繊維自体を水との親和性を
付与したものではなかった。即ち、ポリ乳酸繊維自体を
水との親和性を付与したものは未だ提案されてはいな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記問題点を解決し、
優れた水との親和性を付与したポリ乳酸繊維及びポリ乳
酸繊維よりなる布帛を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討を行った結果、ポリ乳酸繊維
の表面をアルカリ性薬剤で加水分解することで、驚くべ
きことに何らの親水剤を使用することなく優れた水との
親和性を付与できることを知見し本発明に到達した。
【0006】すなわち、第一の発明は、繊維表面を加水
分解され、少なくとも単繊維強度が1g/デシテックス
以上であるポリ乳酸繊維であり、第2の発明は、本文記
載の揚水ヘッド差が30mm以上であるポリ乳酸繊維か
らなる布帛であり、第3の発明は、前記揚水ヘッド差が
50mm以上であるポリ乳酸繊維からなる布帛であり、
第4の発明は、前記揚水ヘッド差が100mm以上であ
るポリ乳酸繊維からなる布帛である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳述する。本発明
で言う熱可塑性ポリ乳酸樹脂とは、乳酸又はラクチドを
主原料にして特公昭56−14688号公報等に開示さ
れたオクチル酸錫等の周期律表IA族、IVA族、IVB
族、VA族の中の一種の金属又は金属化合物を触媒とし
て重合した平均分子量50000から500000のポ
リヒドロキシカルボン酸を主成分としたポリ乳酸(以下
PLAと略す)を言う。
【0008】本発明の水との親和性に優れたポリ乳酸繊
維(以下PLA繊維と略す)は、平均分子量が5000
0以下では繊維の強度が弱くなりすぎて脆いPLA繊維
となるので好ましくない。又、後処理で加水分解処理を
行うので、加水分解による強度低下が著しくなるため好
ましくない。平均分子量が500000以上では溶融粘
度が高くなり過ぎてPLA繊維の形成が難しくなるので
好ましくない。本発明のPLA繊維を構成するPLAの
好ましい平均分子量は100000以上400000以
下である。なお、本発明で言う平均分子量は高温液クロ
マトグラフィーを用いて測定された質量平均分子量であ
る。
【0009】本発明のPLA繊維を構成するPLAの融
点(示差走査熱量計:DSCで測定した結晶融解に由来
する吸熱ピーク温度)は、耐熱性の観点から160℃以
上が好ましく、より好ましくは170℃以上である。融
点を示さない非晶性のPLAを本発明に適用する場合、
耐熱性の制限を受けるので用途を吟味して用いる必要が
ある。なお、本発明に適用するPLAは繊維形成するた
めに溶融押し出しを行うため、溶融時の熱分解を抑制す
るために触媒を失活又は酸末端封鎖させておくのが好ま
しい。
【0010】本発明におけるPLA繊維は、繊維表面を
アルカリ性薬剤により加水分解させた繊維である。アル
カリ性薬剤溶液で加水分解により、繊維表面をエッチン
グすると、未処理繊維では撥水性を示すものが、水との
親和性が著しく向上する。理由は、不明であるが、軽度
のエッチングでは、繊維表面に微細な凹凸等はほとんど
発生していないことから、PLA末端とアルカリイオン
が結合して、水との親和性が著しく向上するのではない
かと類推される。しかして、ポリエチレンテレフタレー
ト等の繊維では、表面に微細な凹凸が多数発生しても、
水との親和性が著しく向上するようなことは起こらな
い。
【0011】本発明の繊維表面を加水分解されたPLA
繊維を得るには、PLA繊維をカセ状、パーン状、又は
布帛としたものをアルカリ性薬剤等で処理することで、
繊維表面からの加水分解による減量の程度(以下減量率
という)を調整することで行うことができる。減量率が
1%以下では、水との親和性向上が少ないので好ましく
ない。50%を越える減量率では、繊維の強度保持性が
低下して布帛としたときの強度が実用性能を満たせなく
なるので好ましくない。水との親和性が良好となる本発
明繊維の減量率は、好ましくは3%以上50%未満であ
り、より好ましくは5%以上30%未満である。
【0012】本発明のポリ乳酸繊維の強度は、少なくと
も1g/デシテックス以上である。強度が1g/デシテ
ックス未満では、布帛、不織布にしたときの実用使用に
耐えないため好ましくない。好ましい強度は、2g/デ
シテックス以上、より好ましくは、2.5g/デシテッ
クス以上である。
【0013】本発明の水との親和性を向上させるため
の、アルカリ性薬剤としては、公知の減量加工薬剤が使
用できる。好ましくは苛性ソーダ、苛性カリ、アンモニ
ウム塩類、アミン類等の水溶液が例示できる。ポリ乳酸
は、著しく加水分解性され易いため、薬剤濃度は0.5
%から5%未満、処理温度は80℃以下で、必要に応じ
た減量率とするための処理時間を設定して加水分解処理
するのが好ましい。
【0014】本発明のPLA繊維は、特には限定されな
いが、用途に応じて必要な、繊度、強度、伸度、断面形
状、フィラメント数、撚り数、捲縮形態等を設定するの
が望ましい。
【0015】本発明の布帛は、下記の揚水ヘッド差が3
0mm以上であるポリ乳酸繊維からなる布帛である。本
発明でいう揚水ヘッド差とは、幅20mm、長さ100
0mmの布帛を、垂直に吊り下げ、下端5mmを水面に
接して10分間放置したときの、水面と布帛に沁み込ん
だ水の上端との距離(単位mm)を揚水ヘッド差とい
う。揚水ヘッド差が大きいほど、布帛面に滴下した水の
吸水、拡散が著しく良好となる。揚水ヘッド差が10m
m未満では、水との親和性が劣るため、布帛の水吸収拡
散性能が良好にならないので好ましくない。布帛の水吸
収拡散性能が良好となる揚水ヘッド差は30mm以上、
好ましくは50mm以上、最も好ましくは100mm以
上である。
【0016】本発明のポリ乳酸繊維からなる布帛は、組
織、構造、ポリ乳酸繊維等に関して特には限定されな
い。本発明の布帛は、衣料用途、医療用途、介護用途、
産業資材用途、工業材料用途、農業用途、土木資材用
途、衛生材料用途、水産用途、食品用途、雑品等で使用
できる編織物を全て包含するものである。
【0017】本発明の布帛は、表面を加水分解されて水
との親和性が向上したポリ乳酸繊維の含有量が多いほ
ど、布帛の揚水ヘッド差も大きくなり、したがって、布
帛の水吸収拡散性能が良好となる。本発明のポリ乳酸繊
維からなる布帛のポリ乳酸繊維含有量は、好ましくは9
0質量%、より好ましくは95質量%、最も好ましくは
100質量%である。なお、強度等の補強が不可欠な場
合で、疎水性を有する補強繊維を含有させる場合には、
水との親和性が影響を受け難い10%未満を限度とし
て、補強繊維を含有させるのが好ましい。親水性を有す
る繊維で補強する場合には、40%未満を限度として、
補強繊維を含有させるのが好ましい。
【0018】以下に本発明の水との親和性に優れた繊維
及び布帛の製造方法の一例を提示する。通常公知の溶融
紡糸装置にて、ポリ乳酸(PLA)を常法にて溶融紡糸
する。使用するポリ乳酸は、ポリエステルのためは開環
重合開始時に酸末端を封鎖して加水分解を抑制するのが
特に好ましい。PLAの製法は公知の方法、例えば、特
公昭56−14688号公報、特開平7−33861号
公報、特開平10−158370号公報等に開示された
方法にて乳酸から直接又はラクチドから所定の重合処方
により得られる。得られたポリ乳酸は水分を乾燥により
除去すると紡糸時に加水分解を抑制できるので好まし
い。
【0019】紡糸温度は、融点より10℃以上30℃未
満で行うのが熱劣化を抑制できるので好ましい。引取速
度は特には制限されないが、通常公知の引取速度である
1000m/分から5000m/分が選択できる。
【0020】本発明におけるポリ乳酸繊維は、紡糸によ
り繊維化し、次いで延伸して配向度を高めて通常使用に
耐えるPLA延伸繊維とする。又は、紡糸時、連続して
延伸して、PLA延伸繊維とすることもできる。延伸温
度はガラス転移点温度でネック延伸を行い、次いでやや
高い温度で熱延伸するのが好ましい。延伸速度が速い場
合は、脆い素材のため糸切れする場合があるので、適切
な速度設定が必要である。
【0021】紡糸、延伸は、延伸繊維の強度が3g/デ
シテックス以上、伸度は20%以上50%未満とするの
が、後工程の通過性が良好となるので好ましい。強度が
3g/デシテックス未満では、糸切れし易いので注意を
要する。伸度が15%未満では糸切れしやすい。又、5
0%以上では、加工時に引きつりを生じ易いので好まし
くない。
【0022】得られたPLA延伸繊維は、そのまま、捲
縮を付与して切断し、短繊維を得て、紡績糸とした後、
編織して布帛の生機を得ることができる。PLA短繊維
は捲縮が付与し難いので、加熱して座屈捲縮を付与し、
捲縮を固定するのが好ましい。フィラメントとして得た
PLA延伸繊維は、そのまま、編織に供して布帛の生機
化できる。が、布帛に嵩高性を必要とする場合は、仮撚
り加工後、編織して布帛生機とするのが好ましい。仮撚
りは、繊維が脆いので張力を高くすると糸切れし易いの
で、低張力での仮撚りが好ましい。
【0023】次いで得られた紡績糸、フィラメント延伸
糸、仮撚り糸は、常法により編織する。糊つけが必要な
織物の場合は、糊つけ温度をできるだけ低くして行うの
が好ましい。PLA延伸繊維は収縮率が高いため、糊つ
け時に収縮して引きつりを生じる場合があるので注意が
必要である。編物の場合は張力調整を充分に行い、引き
つりが起こらない条件を選択するのが望ましい。
【0024】かくして得られた生機は、精錬後にアルカ
リ性薬剤で減量加工するのが、処理効率から好ましい。
しかして、不織布として供する場合は、短繊維原綿をバ
ッチ釜でそのまま減量加工することもできる。又、特殊
な編織物とする場合は、カセどり繊維の状態、又は、パ
ーン巻した延伸繊維の状態でも減量加工することができ
る。
【0025】PLA繊維は減量加工速度が通常公知のポ
リエステル繊維に比較して10倍以上速いので、減量加
工度を制御し難い問題がある。このため、減量加工はア
ルカリ薬剤濃度を低く設定し、処理温度も低温とするこ
とで制御し易くするのが好ましい。例えば、苛性ソーダ
では0.5質量%から5質量%以下の濃度で、50℃以
下の処理温度で30分程度の処理を行う。減量率は0.
5質量%から30%未満にしないと布帛の強度が低くな
り過ぎて実用に供せなくなる場合がある。
【0026】次いで、減量加工した布帛は洗浄後、染色
仕上げ加工を行う。染色温度は前記した如く、高温では
収縮が顕著なため、出来るだけ低温で染色するのが好ま
しい。好ましい染色温度は使用する染料により最適温度
が存在する。分散染料では、100℃未満、好ましくは
80℃で行うのが好ましい。アセテート染料では、10
0℃未満、好ましくは70℃で行うのが好ましい。
【0027】次いで、テンター等で皺を取る。このとき
の処理温度は少なくとも120℃未満、好ましくは80
℃で行う。130℃以上の温度で処理すると、収縮して
布帛が硬くゴワゴワになる場合があり好ましくない。必
要に応じて、樹脂加工等をテンター処理前に行うことも
出来る。かくして、得られた水との親和性に優れたPL
A繊維からなる布帛は、各種用途に適した形態に縫製加
工される。
【0028】
【作用】本発明の実用強度を保持して、水との親和性に
優れた生分解性を有するPLA繊維は、例えば、不織布
として、水との親和性を生かした各種製品への適用が可
能となる。例えば、生活資材としては、化粧用パフ、衛
生材料のオムツや生理用品、ウエットティシュ、ドライ
ティシュ、使い捨てハンカチや下着、コーヒーやお茶類
のろ過用フィルター、流し等のキッチンフィルター、換
気扇等のフィルター等。医療資材としては、止血マッ
ト、ガーゼ等。農業土木資材としては、揚水マット、保
水マット、農地、植栽用の叙放性農薬や肥料のベース
等。食品用途では、トレー敷等。撚り糸にした魚網が例
示できる。これらの製品は使用後、土に埋めれば生分解
されて肥料となり土壌汚染を生じ難い。本発明の水との
親和性に優れた生分解性を有するPLA繊維からなる布
帛は、揚水ヘッド差が高いので、毛管現象以上に水を吸
い上げる機能が高いことを生かした各種分野での布帛製
品への適用が可能となる。例えば、衣料用途では、下
着、トレーニングウェア、靴下、シーツ、パジャマ、シ
ャツ等。生活資材では、タオル、ハンカチ、眼鏡ふき、
ふきん、テーブルクロス等。医療用途では、包帯、ガー
ゼ等。農業土木用途では、ハウストンネル用シート、植
生シート、法面透水コンクリート用途等々が例示でき
る。
【0029】
【実施例】以下に実施例で本発明を詳述する。 実施例1 常法により精製したL−ラクチド100部を窒素雰囲気
内で190℃にて溶融後、触媒を0.1部添加して開環重
合せしめた後、133Pa以下に減圧せしめて残留オリ
ゴマーを除去して溶融粘度を所定の粘度に到達せしめ、
次いでペレット化後、常法にて乾燥して得られたPLA
(実験No.A1)は分子量が320000、融点が18
0℃、オリゴマー含有量は0.005質量%であった。
ついで、常法により紡糸温度210℃、引取速度150
0m/分にて得た72フィラメントの未延伸糸を、2.
5倍に延伸して75デシテックス、強度5g/デシテッ
クス、伸度28%の延伸糸を得た。延伸糸をリング式仮
撚り機にて仮撚加工後、仮撚糸を常法にて目付け100
g/m2の平織物の生機を作成した。次いで苛性ソーダ
濃度5質量%の水溶液を用い、40℃にて減量加工を行
い、洗浄乾燥後の減量率が16%の布帛を得た。次い
で、80℃にて液流染色し、100℃にてテンターでセ
ットして仕上り布帛を得た。この布帛を常法にてハンカ
チに縫製して評価した結果を表1に示す。本発明の布帛
は、優れた水の吸取り性、汗の拭取り性、好ましい風合
いと手触りを有し、かつ実用上の強度を有するものであ
った。
【0030】実施例2 実施例1の生機を用いて、減量率を7%とした以外、実
施例1と同様にして得た布帛及びハンカチの評価結果を
表1に示す。本発明の布帛は、優れた水の吸取り性、汗
の拭取り性、好ましい風合いと手触りを有し、かつ実用
上の強度を有するものであった。
【0031】比較例1 実施例1の生機を用いて、減量加工しなかった以外は実
施例1と同様にして得た布帛とハンカチの評価結果を表
1に示す。減量加工しなかった場合は、実用強度は充分
であるが、揚水ヘッド差が少なくなるため、水の吸取り
性、汗の拭取り性、風合いと手触りが劣るものであっ
た。
【0032】実施例3 実施例1の生機を用い、減量率を28%とした以外は実
施例1と同様にして得た布帛とハンカチの評価結果を表
1に示す。本発明の布帛は、優れた水の吸取り性、汗の
拭取り性、好ましい風合いと手触りを有し、かつ実用上
の強度を有するものであった。
【0033】比較例2 実施例1の生機を用いて、減量率を45%とした以外
は、実施例1と同様にして得た布帛とハンカチの評価結
果を表1に示す。本発明の範囲を外れる布帛は、優れた
水の吸取り性、汗の拭取り性、好ましい風合いと手触り
を有するにもかかわらず、実用上の強度を有しないもの
であった。
【0034】比較例3 極限粘度0.62のポリエチレンテレフタレートからな
る75デシテックス、72フィラメントの繊維を用い、
常法により、仮撚加工して、100g/m2の平織物の
生機を得た。次いで、常法の減量加工により減量率26
%として、染色仕上加工した布帛及びハンカチに縫製し
たものの評価結果を表1に示す。本発明を外れる比較例
3は、風合い、実用強度は良好だが、揚水ヘッド差が少
ないために、水の吸取り性、汗の拭取り性が劣るもので
あった。
【0035】なお、表1に示した特性の評価方法は以下
のとおりである。 ・水の吸い取り性:テーブル上の広げた布帛に水10c
cを滴下して布帛に吸収される時間を測定し、以下の基
準で評価した。 10秒未満:◎、20秒未満:○、1分未満:△、1分
以上から吸収されない:×。
【0036】・汗のふき取り性:25℃、95RH%室
内で、パネラー10人に、10分間ランニングマシンで
ランニングさせた後、2分後にかいた汗をハンカチで拭
かせて、良好:5点、良:3点、やや不良:1点、不
良:0点の基準で官能評価させ、以下の基準で評価し
た。 平均値が4点以上:◎、3点以上:○、2点以上:△、
2点未満:×。
【0037】・ハンカチの手触り、風合い: 良好:5点、良:3点、やや不良:1点、不良:0点の
基準でパネラー10人に、官能評価させ、以下の基準で
評価した。 平均値が4点以上:◎、3点以上:○、2点以上:△、
2点未満:×。 ・実用強さ:パネラー10人に可能な限りの力でハンカ
チの両端を引っ張らせて、以下の基準で評価した。 全て破れない:○、1枚でも破れた:×。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明の実用強度を保持して、水との親
和性に優れた生分解性を有するPLA繊維は、不織布と
して、水との親和性を生かした各種用途、即ち、生活資
材、医療資材、農業土木建築資材、食品用途、漁業用途
等の製品への適用が可能となる。本発明の水との親和性
に優れた生分解性を有するPLA繊維からなる布帛は、
揚水ヘッド差が高いので、毛管現象以上に水を吸い上げ
る機能が高いことを生かした各種分野、即ち、衣料用途
以外にも、生活資材、医療資材、農業土木建築資材、食
品用途、漁業用途等の布帛製品への適用が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A41D 31/00 503 D03D 15/00 A D03D 15/00 D06M 5/02 ZBPK Fターム(参考) 3B029 HB03 4L031 AA19 AB32 BA11 CA01 DA08 DA21 4L048 AA20 AB07 AB21 AC15 CA07 DA02 DA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維表面を加水分解され、少なくとも単
    繊維強度が1g/デシテックス以上であるポリ乳酸繊
    維。。
  2. 【請求項2】 本文記載の揚水ヘッド差が30mm以上
    であるポリ乳酸繊維からなる布帛。
  3. 【請求項3】 前記揚水ヘッド差が50mm以上である
    請求項2記載の布帛。
  4. 【請求項4】 前記揚水ヘッド差が100mm以上であ
    る請求項2記載の布帛。
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