JP4125837B2 - 抗菌性不織布 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟性に富み、かつ抗菌性能を有する不織布およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
素材に抗菌性を付与する方法は従来より今日にいたり行われており、例えば、繊維素材あるいは繊維布帛やシート等を抗菌性物質によって表面処理を行う方法がある。しかし、この方法では抗菌性能を付与できるものの、抗菌性能の耐久性に劣るという問題がある。これを解決する方法として、ナイロンやポリエステルのような繊維素材の製造工程中に活性のある抗菌物質を混合練り込む方法がある。しかし、この方法では一定の抗菌性能を示すもののコスト高になる。また、一般に、抗菌剤自体が一定の毒性を有するものが多く、安全上問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明らは、上記問題点に鑑み、コストが高くなく、かつ安全性な抗菌剤について、検討した。従来より、乳酸が食品の日持ちを向上させる食品保存剤として用いられており、乳酸が静菌・防カビ作用を有することが知られている。しかし、乳酸の脱水縮合重合体であるポリ乳酸重合体からなる繊維やフィルムには、抗菌性が認められるという明確な報告はなく、ましてやポリ乳酸のポリマー組成物との関係について抗菌性を論じた報告はない。本発明者らは、繊維への成形加工工程で、乳酸が有する潜在的な静菌・防カビ作用を発現させるべく、ポリ乳酸重合体と抗菌性との関係について種々検討した結果、ポリ乳酸重合体の構成成分においてある特定の組成範囲のものに、顕著な抗菌活性が認められることを見出し、本発明に到達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリ乳酸系繊維と公定水分率が5%以上の繊維とからなる不織布であり、前記ポリ乳酸系繊維を構成するポリ乳酸系重合体中に、乳酸、ラクチドおよびオリゴ乳酸を0.01〜1.0重量%含有しており、不織布には親水性の界面活性剤が付与され、静菌活性値が2.2以上であることを特徴とする抗菌性不織布を要旨とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に用いるポリ乳酸系繊維を構成するポリ乳酸系重合体は、熱可塑性脂肪族ポリエステルであって、ポリ(α−ヒドロキシ酸)を主たる繰り返し単位とする重合体が挙げられる。具体的には、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、D−乳酸とL−乳酸との共重合体、D−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、L−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、DL−乳酸とヒドロキシカルボン酸等が挙げられ、これらの重合体のうち、融点が80℃以上である重合体が好ましい。ここで、乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体である場合におけるヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシカプリル酸などが挙げられる。
【0006】
このようなポリ乳酸系重合体は、数平均分子量が約20,000以上、好ましくは40,000以上のものが製糸性及び得られる糸条特性の点で好ましい。数平均分子量の上限については、溶融紡糸が行えるものであればよく、150,000程度であればよい。
【0007】
ポリ乳酸系重合体には、必要に応じて他の添加剤、例えば艶消し剤や顔料、結晶核剤等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加しても良い。
【0008】
ポリ乳酸系繊維の繊維横断面形状は、通常の丸断面の他、楕円形、菱形、三角形、四角形、多角形、T形、井形等の異形断面のもの等いずれのものを用いることができ、適宜選択すればよい。また、中空部を有する中空断面形状であってもよい。
【0009】
ポリ乳酸系繊維は、一種のポリ乳酸系重合体単独からなる単相形態のものであっても、2種以上のポリ乳酸系重合体からなる複合形態のものであってもよい。複合形態としては、並列型複合形態、多層型複合形態、芯鞘型複合形態、分割型複合形態、分割型多葉複合形態等が挙げられ、用途等に応じて適宜選択すればよい。
【0010】
本発明の不織布を構成するポリ乳酸系繊維において、繊維表面積が大きい方が細菌との接触面積が増えるため、より静菌作用を発揮でき、また、不織布を自然界において分解する生分解性能を要する用途に用いる場合にも繊維の表面積が大きいものが分解性に優れるので、中空断面、異形断面、分割型複合断面等の断面形状のものを用いることが好ましい。
【0011】
ポリ乳酸系繊維の結晶化度は、10〜40%の範囲にあることが好ましい。繊維の結晶化度を上記範囲とすることによって、繊維の熱収縮を低く抑え、実用的な機械的強度を有するものとなる。上記範囲の結晶化度は、熱処理を行うことや延伸を行うことにより、また、ポリ乳酸系重合体に対して、例えば、タルク、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタンなど結晶核剤を添加することにより達成される。結晶核剤を添加すると繊維の結晶化を促進させ、得られる不織布の機械的強度や耐熱性を向上させることができ、しかも製造時の溶融紡出・冷却工程での紡出糸条間の融着(ブロッキング)を防止しうる点で好ましい。このような結晶核剤の添加量は、0.1〜3.0重量%の範囲、より好ましくは0.2〜2.0重量%の範囲であることが望ましい。
【0012】
ポリ乳酸系繊維は、温度120℃×15分時の乾熱収縮率が20%以下であることが好ましい。乾熱収縮率が20%を超えると、得られた不織布は、熱的安定性に劣る傾向となる。
【0013】
ポリ乳酸系繊維の単糸繊度は、適宜選択すればよいが、0.5デニール以上であることが好ましい。単糸繊度が0.5デニール未満であると、生産量が低下する傾向にあり、また生産量を向上させるために紡糸口金の数を増加させた場合に、紡糸工程が不安定になる。単糸繊度の上限についても特に限定されないが、例えば、不織布化処理として高圧液体流処理を採用する場合、単糸繊度が15デニールを超えると、曲げ強度が高くなり、高圧液体流処理における交絡性に劣る傾向となるため、得られる不織布の機械的強力が劣る傾向となるため好ましくない。
【0014】
本発明の不織布は、前記ポリ乳酸系繊維と公定水分率5%以上の吸水性を有する繊維とからなるものである。公定水分率が5%以上の繊維としては、天然繊維である木綿、パルプ、麻、羊毛、シルクなどを用いることができる。また、再生繊維として、パルプより得られるビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、溶剤紡糸されたレーヨンであるリヨセルなどを用いることもできる。さらには、合成繊維であっても、ポリエーテルエステルアミドを含有したものや、ポリアルキレンオキシド変性物等を含有したものも用いることができる。また、公定水分率5%以上の繊維は、前述したものが2種類以上混綿されたものであってもよい。
【0015】
本発明の不織布に公定水分率が5%以上の繊維を混合させることによって、不織布に十分な吸水性、保水性を付与することができる。このような不織布は、たとえば、吸汗性に優れた衣類や、水分の拭き取り性に優れたワイパーなどの用途に好適に用いられる。また、公定水分率が5%以上の繊維は、吸水性に優れるため、後述するポリ乳酸系繊維の静菌・抗菌性能の発現に寄与する。
【0016】
公定水分率5%以上の繊維である天然繊維や再生繊維は、ポリ乳酸系繊維と同様に自然界で微生物により分解される性質を有するため、生分解性が要求される用途に好適に用いることができる。
【0017】
本発明で用いるポリ乳酸系繊維および公定水分率5%以上の繊維の形態は、短繊維であっても、長繊維であってもよい。また、不織布は、短繊維同士の混合形態、短繊維と長繊維との混合形態、長繊維同士の混合形態であってもよいが、両者(ポリ乳酸系繊維と公定水分率5%以上の繊維)が均一に混合されていることが好ましいため、両者共に短繊維の形態であり、短繊維同士が混綿されてなる不織布であることが好ましい。
【0018】
本発明の不織布は、親水性界面活性剤が付与されており、親水性界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性系界面活性剤等が挙げられ、これらを単独または混合して用いる。界面活性剤は、所定濃度(例えば、1〜1.5重量%程度)に調整した水溶液または水分散液の形態で、不織布に噴霧するとよい。また、構成繊維同士を混合する前(繊維製造工程等において)に、ポリ乳酸系繊維および/または公定水分率5%以上の繊維に噴霧してもよい。これらが短繊維である場合には、混綿工程で混綿ウエブに噴霧すると、界面活性剤が付与された短繊維は、カード機等の開繊装置で開繊する際に、絡みつきが減少され、あるいは不織ウエブをロール等で搬送する際、ロール等に巻きつきにくく、また、高圧液体流処理の際には繊維同士が交絡しやすくなるので好ましい。
【0019】
不織布に付与されてなる親水性界面活性剤は、100ppm以上であること好ましい。100ppm未満であると、不織布の抗菌効果が十分に発揮されにくい傾向となる。
【0020】
ポリ乳酸系重合体は疎水性であるため、ポリ乳酸系重合体からなる繊維もまた疎水性である。このような疎水性のポリ乳酸系繊維は、素材自身が抗菌性を持っていても、すなわち、後述するポリ乳酸系繊維を構成するポリ乳酸系重合体中に、乳酸、ラクチドおよびその他のオリゴ乳酸を含有していても、菌の繁殖を積極的に抑える抗菌効果は発揮されない。親水性界面活性剤が付与されてポリ乳酸系繊維表面が親水性となるので、菌との接触が可能となり、菌の繁殖を抑えることができると推定される。さらに、本発明の不織布は、公定水分率5%以上の繊維とポリ乳酸系繊維とが混合した状態であり、繊維同士が隣接しているため、ポリ乳酸系繊維は、公定水分率5%以上の繊維が含有する水分とも接触した状態であるので、菌とも接触しやすくなり、その繁殖を抑えることができると推定される。
【0021】
このような抗菌効果は、ポリ乳酸系繊維を構成しているポリ乳酸系重合体中に、乳酸、ラクチドおよびオリゴ乳酸を含有しているために発揮されると推察される。ポリ乳酸系繊維を構成するポリ乳酸系重合体中には、乳酸、ラクチドおよびオリゴ乳酸を0.01〜1.0重量%含有している。乳酸、ラクチドおよびオリゴ乳酸の含量が0.01重量%未満であると抗菌性能の効果が薄れ、一方、1.0重量%を超えると常温下でも空気中の湿気等の水分により加水分解が進行するため、長期保存安定性に欠ける傾向となる。
【0022】
本発明においては、ポリ乳酸系繊維を構成するポリ乳酸系重合体中に含有する乳酸、ラクチドおよびオリゴ乳酸の量を上記範囲とするためには、重合過程において反応条件を調節すること、あるいは、重合終了後、溶融状態で減圧することにより過剰のラクチド、オリゴ乳酸等を除くことにより達成される。
【0023】
本発明の不織布は、統一試験法(繊維製品衛生加工協議会認定の抗菌効果試験方法)による静菌活性値が2.2以上である。静菌活性値とは、一定の菌数の検定菌を標準試料および対象試料に植菌し、一定時間培養後の標準試料の生菌数をB(cells/ml)、一定時間培養後の対象試料の生菌数をC(cells/ml)とした場合のlogB−logCで表される。静菌活性値が2.2未満であると、菌の繁殖を抑えることができるとはいえない。
【0024】
本発明の不織布は、ポリ乳酸系繊維と公定水分率が5%以上の繊維とが混合された不織ウエブが、熱接着処理、機械的交絡処理等により構成繊維同士を結合して一体化したものである。
【0025】
熱接着処理としては、熱風処理を施して構成繊維同士の交点で溶融接着させる方法、エンボスロールとフラットロールあるいは一対のエンボスロールからなる熱エンボス装置に不織ウエブを通布し、エンボスロールの凸部に当接する部分の熱可塑性繊維を溶融させて接着させる方法が挙げられる。
【0026】
機械的交絡処理としては、ニードルパンチにより構成繊維を交絡させる方法、高圧液体流の作用により構成繊維を交絡させる方法(スパンレース法)が挙げられる。得られる不織布の柔軟性の点から、高圧液体流の作用により構成繊維同士が交絡したものが好ましい。
【0027】
また、機械的交絡処理と熱接着処理の両者を組み合わせて、すなわち、機械的交絡処理を施した構成繊維同士が三次元的に交絡してなる不織布に、熱接着処理を施して、構成繊維間の結合を強固なものとして、形態安定性に優れる不織布としてもよい。
【0028】
不織布のポリ乳酸系繊維と公定水分率5%以上の繊維との混合割合(重量%)は、70/30〜30/70であることが好ましい。ポリ乳酸系繊維の割合が30重量%未満であると、本発明が目的とする抗菌効果が得られない傾向となり、70重量%を超えると、不織布の吸水性が劣る傾向となる。
【0029】
不織布の目付は、用いる用途に応じて適宜選択すればよいが、30〜150g/m2の範囲であることが好ましい。目付が30g/m2未満であると、不織布の地合に劣るものとなり、また不織布の形態安定性、寸法安定性が乏しくなる傾向となる。一方、目付が150g/m2を超えると、構成繊維同士の交絡手段として高圧液体流処理を用いる場合には、加工エネルギーが多大となるため経済的に好ましくない。また、場合によっては不織布の内層において繊維相互に十分な交絡がなされず機械的強度の低い不織布となる傾向にある。
【0030】
本発明の不織布の圧縮剛軟度は、0.15〜0.80g/(g/m2)であることが好ましい。圧縮剛軟度が、0.15g/(g/m2)未満であると、あまりにも柔らかすぎるため機械的性能に劣るため、用途によっては、実用に耐えない場合がある。一方、圧縮剛軟度が0.8g/(g/m2)を超えると、不織布の風合いが硬くなる傾向となる。
【0031】
次に、本発明の好ましい製造方法について説明する。
まず、ポリ乳酸系繊維の製造方法について説明するが、公定水分率5%以上の繊維との混合状態を均一にすることが好ましいことから、ポリ乳酸系繊維として短繊維の製造方法について説明する。上述したポリ乳酸系重合体を加熱溶融して紡糸口金から吐出し、得られた紡出糸条を、横吹付や環状吹付などの公知の冷却装置を用いて冷却風により冷却させた後、引き取りローラーを介して、未延伸糸として巻取機に巻き取る。引き取りローラー速度は500〜2000m/分とする。そして、巻き取られた未延伸糸を複数本引き揃え、公知の延伸機にて周速の異なるローラー群の間で延伸する。次いで、その延伸トウに押し込み式の捲縮を付与し、仕上げ油剤を0.1〜0.5重量%程度付与し、所定の繊維長に裁断して短繊維を得る。仕上げ油剤中に親水性界面活性剤を含有させることが好ましい。なお、用途に応じて延伸トウに素材の融点以下の温度で熱セットを施してもよい。
【0032】
一方、公定水分率5%以上の短繊維を用意する。このとき、公定水分率5%以上の短繊維に親水性界面活性剤を付与してもよい。
【0033】
ポリ乳酸系短繊維と公定水分率5%以上の短繊維とを、好ましくは70/30〜30/70(重量比)の混綿率で混綿し、カード法やエアレイ法などにより、所定の目付や不織ウエブを作成する。このとき、カード法では、カード機によって構成繊維の配列度合を適宜選択することができる。不織ウエブの構成繊維の配列パターンとしては、構成繊維が一方向に配列されたパラレルウエブ、パラレルウエブがクロスレイドされたウエブ、構成繊維がランダムに配列されたランダムウエブ、あるいは両者の中程度に配列したセミランダムウエブなどが挙げられる。
【0034】
得られた不織ウエブに高圧液体流処理を施して、構成繊維同士を三次元的に交絡させる。ここでいう三次元的な交絡とは、不織ウエブを構成している繊維相互間が不織布の縦/横方向のみならず厚み方向にも交絡し、一体化した構成を有していることをいう。
【0035】
ここでいう高圧液体流処理とは、例えば孔径が0.05〜1.5mm、好ましくは0.1〜0.4mmの噴射孔を孔間隔0.05〜1.5mmで1列ないしは複数列に複数個配設された装置を用いる。噴射孔から高圧力で噴射させて得られる水流すなわち高圧液体流を噴射し、多孔性支持部材上に裁置した不織ウエブに衝突させて、高圧液体流による衝撃によって、構成繊維同士が三次元的に交絡一体化する。
【0036】
噴射孔の配列は、不織ウエブの進行方向と直行する方向に列状に配列する。高圧液体流としては、常温あるいは温水を用いることができる。噴射孔と不織ウエブとの間隔は、10〜150mmとするのが良い。この距離が10mm未満であると、この処理により得られる不織布の地合が乱れ、一方、この距離が150mmを超えると液体流が不織ウエブに衝突した時の衝撃力が低下して交絡一体化が充分に施されない傾向にある。
【0037】
この高圧液体流の処理圧力は、20〜200kg/cm2とする。なお、処理する不織ウエブの目付等にも左右されるが、前記処理圧力の範囲内において、処理圧力が低いと嵩高で柔軟性に優れた不織布を得ることができ、処理圧力が高いと構成繊維同士の交絡が緻密で機械的性能に優れた不織布を得ることができる。高圧液体流の圧力が20kg/cm2未満であると、交絡一体化が十分に施されず、機械的強力に劣る不織布となり、200kg/cm2を超えると水圧による打撃により、極端な場合には、構成繊維が切断されて、得られる不織布表面に毛羽が発生しやすくなる。
【0038】
高圧液体流を施すに際して用いる不織ウエブを担持する多孔性支持部材としては、例えば、20〜200メッシュの金網製あるいは合成樹脂製等のメッシュスクリーンや有孔板など、高圧液体流が不織ウエブと支持部材を貫通するものであれば特に限定されない。
【0039】
なお、不織ウエブの片面より高圧液体流を施した後、引き続き交絡の施された不織ウエブを反転して他面より高圧液体流処理を施すことにより、表裏共に緻密に交絡した不織布を得ることができるので、不織布の用途に応じて、また、不織ウエブの目付の大きいもの等に適用すればよい。
【0040】
高圧液体流処理を施した後、処理後の不織ウエブから過剰水分を除去する。この過剰水分の除去には、公知の方法を採用することができ、例えばマングルロール等の絞り装置を用いて過剰水分をある程度機械的に除去する。そして、引き続き、サクションバンド方式の熱風循環乾燥機等の乾燥装置を用いて残余の水分を除去する。
【0041】
水分を除去した後、必要に応じて、エンボス装置に通して、部分的に熱接着領域を形成し、形態安定性に優れた不織布としてもよい。また、水分を除去した後、熱風処理機に通して、ポリ乳酸系重合体を軟化または溶融させて、構成繊維の交点において繊維同士を接着させてもよい。
【0042】
なお、高圧液体流処理により、繊維に付与した親水性界面活性剤が多少落ちているので、さらに得られた不織布に親水性界面活性剤の水溶液を噴霧等してもよい。
【0043】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。実施例において、各物性値は次のようにして求めた。また、抗菌性の評価すなわち静菌活性値については前述の方法により求めた。
(1)融点(℃):パーキンエルマ社製の示差走査熱量計DSC−7型を使用し、昇温速度を20℃/分として測定して得た融解吸熱曲線の極値を与える温度を融点(℃)とした。
【0044】
(2)メルトフローレート(以下、MFRという。)(g/10分):ASTMD 1238に記載の方法に準じて210℃、荷重2160gにおける溶融吐出量を測定した。
【0045】
(3)ポリ乳酸の固有粘度:フェノールと四塩化エタンの等重量混合溶液を溶媒とし、試料濃度0.5g/dl、温度20℃で測定した。
【0046】
(4)目付(g/m2):標準状態の試料から縦10cm×横10cmの試料各10点を作製し、平衡水分に至らしめた後、各試料片の重量(g)を秤量し、得られた値の平均値を単位面積当たりに換算し、目付(g/m2)とした。
【0047】
(5)引張強力(kg/5cm幅):JIS L 1906に記載のストリップ法に準じて、試料長が20cm、試料幅が5cmの試料片各10点を作製し、定速伸長形引張試験機(東洋ボールドウィン社製テンシロンUTM−4−1−100)を用いて、各試料片毎につかみ間隔10cm、引張速度10cm/分で伸長し、最大引張強力(kg/5cm幅)を求め、得られた最大引張強力の平均値を引張強力(kg/5cm幅)とした。
【0048】
(6)圧縮剛軟度(g/(g/m2)):幅5cm、長さ10cmの試料片を5個用意し、各試料片ごとにその長手方向に曲げて円筒状物とし、各々その端部を接合したものを圧縮剛軟度の測定試料とした。次いで、各測定試料ごとに、定速伸長型引張試験機(東洋ボールドウイン社製テンシロンUTM−4−1−100)を用いて圧縮速度5cm/分で圧縮し、得られた最大荷重値(g)を目付(g/m2)で割った値の平均値を圧縮剛軟度(g/(g/m2))とした。
【0049】
(7)抗菌性能:抗菌性能は統一試験法(繊維製品衛生加工協議会認定の抗菌効果試験方法)により、静菌活性値を測定し、抗菌性能を評価した。前記評価にあたっては、使用菌株として、Staphylococcus aureus ATCC 6538P(黄色葡萄状球菌)を用いた。
すなわち、バイアル瓶に入れた滅菌済試料0.4gに生菌数を1±0.3×105に調整した菌液0.2mlを出来るだけ均一に接種し、37℃で18時間培養する。ツイン80 0.2%を添加した生理食塩水20mlを加え攪拌し菌を洗い出す。10倍希釈系列を作成しニュートリエント寒天培地と混釈し37℃で24時間以上培養しコロニー数を数え、生菌数を求めた。
【0050】
静菌活性値の計算としては、標準試料および試験試料について、上記試験をそれぞれ行い、下式から静菌活性値を求めた。なお、標準試料としては、ナイロン標準白布を用いた。
静菌活性値=logB−logC
B:標準試料の18時間培養後、回収した菌数
C:試験試料の18時間培養後、回収した菌数
【0051】
(8)吸水性(mm/10分):JIS L 1096に記載のバイレック法に準じて測定した。
【0052】
(9)生分解性能:不織布を土中に埋没し、6ヶ月後に取り出し、不織布がその形態あるいは強力の保持率によって以下の様に評価を行った。
○:形態を保持していない場合、あるいは、その形態を保持していても強力が埋没前の強力初期値に対して50%以下に低下している場合
×:強力が埋没前の強力初期値に対して50%を超える場合
【0053】
実施例1
ポリ乳酸系短繊維を作成するために、融点170℃、MFR25g/10分のポリ乳酸(D−乳酸とL−乳酸との共重合比(モル比比)が、D/L=1.7/98.3である。)をベースに、酸化チタン20重量%練り混み含有したマスターバッチを用いて、計量配合して溶融し、紡糸温度210℃、単孔吐出量0.52g/分の条件下で紡糸口金より溶融紡糸した。次に、引き取り速度800m/分の引き取りロールを介して、未延伸糸として捲き取った。次いで、得られた未延伸糸を複数引き揃えてトウとなし、周速の異なる公知の延伸機を用いて延伸倍率を2.6倍として延伸を行った後、押し込み式捲縮付与装置にて捲縮を付与し、分子量600のポリエチレングリコールモノオレート(親水性界面活性剤)を20重量%含有した仕上げ油剤を0.3重量%付与した。この後、このトウを乾燥し、51mmの繊維長に切断して、2.4デニールのポリ乳酸系短繊維を得た。得られたポリ乳酸系短繊維の単糸強度は3.0g/デニール、120℃×15分の雰囲気下における乾熱収縮率は3.3%であった。
【0054】
公定水分率5%以上の短繊維として、平均繊度1.5デニール、平均繊維長24mmの木綿の晒し綿を用意した。
【0055】
そして、上述のポリ乳酸系短繊維50重量%と吸水性を有する短繊維を50重量%とを混綿し、パラレルカード機にて目付50g/m2の不織ウエブを得た。
【0056】
移動する100メッシュの金属製メッシュスクリーン上に、不織ウエブを積載して、高圧液体流処理を施した。この高圧液体流処理は、孔径0.12mmの噴射孔が孔間隔0.62mmとしてとして3群配列で配置された高圧液体流処理装置を用いて、不織ウエブの上方50mmの位置から液体流圧力が70kg/cm2Gの条件で行った。
【0057】
交絡が施された不織布より余剰水分をマングルにより除去し、100℃の乾燥機により乾燥処理を行って本発明の不織布(親水性界面活性剤が200ppm付着)を得た。
【0058】
実施例2
ポリ乳酸系短繊維と公定水分率5%以上の短繊維との混綿比率を30/70とした以外は、実施例1と同様にして本発明の不織布(親水性界面活性剤が120ppm付着)を得た。
【0059】
実施例3
ポリ乳酸系短繊維と吸水性を有する短繊維との混綿比率を70/30とした以外は、実施例1と同様にして不織布(親水性界面活性剤が280ppm付着)を得た。
【0060】
実施例4
不織ウェブの目付を80g/m2とした以外は、実施例1と同様にして不織布(親水性界面活性剤が200ppm付着)を得た。
【0061】
実施例5
不織ウェブの目付を30g/m2とした以外は、実施例1と同様にして不織布(親水性界面活性剤が200ppm付着)を得た。
【0062】
実施例6
ポリ乳酸系短繊維として、芯鞘型複合短繊維を用いた以外は、実施例1と同様にして不織布(親水性界面活性剤が200ppm付着)を得た。芯鞘型複合短繊維は、次のようにして製造した。
【0063】
融点126℃、MFR12g/10分のポリ乳酸(D/L=12/88)と、実施例1で用いた融点171℃、MFR25g/10分のポリ乳酸(D/L=1.7/98.3)とを重量比で1:1となるように個別に計量した後、低融点を有するポリ乳酸(D/L=12/88)には、溶融重合体中に酸化チタンが0.5%重量%含有されるように酸化チタンを練り込んだ。
【0064】
次いで、個別のエクストルーダー型溶融押し出し機を用いて、芯鞘型の紡糸口金を用いて、低融点を有するポリ乳酸(D/L=12/88)が鞘部、高融点を有するポリ乳酸(D/L=1.7/98.3)が芯部となるように、紡糸温度210℃、単孔吐出量0.52g/分の条件下で紡糸口金より溶融紡糸した。紡出糸条は、冷却装置にて冷却した後に、引き取り速度が800m/分の引き取りロールを介して、未延伸糸として捲き取った。次いで、得られた未延伸糸を複数引き揃えてトウとなし、周速の異なる公知の延伸機を用いて延伸倍率を2.6倍として延伸を行った後、押し込み式捲縮付与装置にて捲縮を付与し、分子量600のポリエチレングリコールモノオレート(親水性界面活性剤)を20重量%含有した仕上げ油剤を0.3重量%付与した。51mmの繊維長に切断して、2.4デニールのポリ乳酸系短繊維を得た。得られたポリ乳酸系短繊維の単糸強度は3.2g/デニールであった。
【0065】
実施例1〜6の物性値を表1に示した。
【0066】
【表1】
Figure 0004125837
【0067】
表1から明らかなように、実施例1〜5は、ポリ乳酸系短繊維と吸水性を有する短繊維とを混綿し、液体流処理により、構成繊維同士を交絡させた不織布であり、引張強力、抗菌性、吸水性、柔軟性のいずれにも優れるものであった。
【0068】
実施例6は、D体とL体との共重合比率が異なるポリ乳酸系重合体からなる芯鞘複合短繊維と吸水性を有する短繊維を混綿し、液体流処理装置を用い、交絡処理を行った不織布であり、引張強力、静菌・抗菌性、吸水性、柔軟性のいずれにも優れるものであった。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリ乳酸系繊維と公定水分率が5%以上の繊維とからなる不織布に親水性油剤が付与されたものであって、油剤を付与したことによってポリ乳酸系繊維の表面が親水性となることで、菌と接触が可能となり、菌の繁殖を抑制するという静菌・抗菌効果を発揮することができたものと考えられる。また、本発明の不織布には、公定水分率が5%以上の繊維が含まれているので、空気中の水分を含有しやすく、ポリ乳酸系繊維と接触していることで、さらに菌との接触しやすくし、静菌・抗菌効果の発現に寄与し、また、不織布自体に良好な吸湿・吸水性を付与させるものである。
【0070】
また、本発明の抗菌性不織布は、ポリ乳酸系重合体が抗菌性を発揮するものであるため、安全性が極めて高く、食品等の各種包装材、壁紙、各種フィルター、流し等の水切り袋、テーブルクロス、足拭きマット、ふきん等の日用品・生活関連資材、農園芸資材、医療・衛生材、衣料品等の様々な分野において、静菌・抗菌性能を発揮することができるものである。

Claims (4)

  1. ポリ乳酸系繊維と公定水分率が5%以上の繊維とからなる不織布であり、前記ポリ乳酸系繊維を構成するポリ乳酸系重合体中に、乳酸、ラクチドおよびオリゴ乳酸を0.01〜1.0重量%含有しており、不織布には親水性の界面活性剤が付与され、静菌活性値が2.2以上であることを特徴とする抗菌性不織布。
  2. 不織布に親水性の界面活性剤が100ppm以上付与されていることを特徴とする請求項1記載の抗菌性不織布。
  3. ポリ乳酸系繊維が、ポリ(D-乳酸)、ポリ(L-乳酸)、D-乳酸とL-乳酸との共重合体、D-乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、L-乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、DL−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体から選ばれるいずれかの重合体、あるいはこれらのブレンド体であることを特徴とする請求項1または2に記載の抗菌性不織布。
  4. 公定水分率が5%以上の繊維を30〜70重量%含有していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の抗菌性不織布。
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