JP4622083B2 - 脂肪族ポリエステル系繊維の捺染方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリ乳酸系繊維の捺染方法に関する。更に詳しくは、発色性および鮮明性が優れ、かつ染色堅牢度が良好な繊維構造物の捺染方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル系繊維あるいはポリアミド系繊維に代表される熱可塑性合成繊維は機械的強度、耐薬品性、耐熱性および強伸度特性などに優れるため、衣料用途や産業用途あるいは資材用途などを主体に広く使用されている。
【0003】
中でもポリエチレンテレフタレート系繊維(PET)はW&W(ウオッシュアンドウエア性)、寸法安定性および染色堅牢度に優れ、またアルカリ処理での減量加工により、種々の風合いが得られるため、衣料用として特に優れた特性を有している。
【0004】
反面、ポリエステル系繊維、特にポリエチレンテレフタレート繊維(PET)の場合は結晶化度が高く、難染性であるため高温、高圧下での染色(125℃〜135℃)が必要になること。また繊維の屈折率が他の繊維に比較して高く、表面反射が増大し、天然繊維あるいは他の合成繊維などに比較しても、染色物の発色性や鮮明性が低いため、商品展開に制限があった。
【0005】
一方、地球環境に優しい生分解繊維として注目を集めている脂肪族のポリエステル系繊維の特徴としては、芳香族ポリエステルに比較し、繊維の屈折率が低く天然繊維に近似しているため、発色性や鮮明性が顕著に向上する。また、従来の合成繊維では得られなかったソフト感など天然繊維に類似の独自の風合いを有する。他方、欠点としては高温下あるいはアルカリ条件下での湿熱処理において、特に加水分解が生じ易く、繊維強度が大きく低下する傾向を示す。
【0006】
従って、天然繊維のような深色性や発色性に優れ、ソフト感を有し、しかも環境問題に対応できる生分解性繊維からなる染色布帛は得られるものの、強度面および、染色堅牢度が十分でないのが実状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、深色性、発色性あるいはソフト性に優れ、更に生分解性を有するポリ乳酸系繊維からなる繊維構造物において、強度面の低下が少なく、かつ高い染色堅牢性を有する布帛を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、ポリ乳酸系繊維構造物の捺染において、染料を印捺後120〜150℃の温度範囲の過熱水蒸気または100〜120℃ の温度範囲の飽和蒸気中で発色処理することを特徴とする脂肪族ポリエステル系繊維の捺染方法を採用することにより、染料固着性が十分であり、繊維物性の低下がなく、かつ高染色堅牢度を有する捺染方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記課題について、鋭意検討した結果、ポリ乳酸系繊維の捺染において、該繊維を過熱水蒸気下での発色工程において、過熱水蒸気下では120℃〜150℃または飽和蒸気下では100℃〜120で発色処理することにより、ポリ乳酸系繊維本来の特性である、優れた色彩特性(発色性、深色性、鮮明性)および、繊維物性を損なうことなく、高染色堅牢性を可能にし、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0010】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明のポリ乳酸系繊維はマルチフィラメント糸、あるいはステープルなどの短繊維であり、ポリ乳酸を主体とするポリエステル系繊維より形成されていることが必要である。ポリ乳酸を主体としたポリエステルで布帛を形成することによって、本発明の目的であるソフト感、深色性と生分解性を発現させることができるのである。
【0012】
本発明のポリ乳酸を主体とするポリエステル系繊維(以下“ポリエステル系繊維”もしくは“脂肪族ポリエステル系繊維”と称する場合もある)の融点は130℃以上であることが好ましい。融点が130℃未満であると、延伸時の熱セット工程や染色加工工程において繊維が融着一体化してしまうため、各種工程通過性が低下し、製品の品位も著しく悪化する。好ましくはポリ乳酸の融点は150℃以上であり、さらに好ましくは融点が160℃以上である。ここで融点とはDSC測定によって得られた溶融ピークのピーク温度を意味する。
【0013】
脂肪族ポリエステルとは屈折率が1.30〜1.50で、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ−3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−3−ヒドロキシブチレート/バリレートなどのポリオキシ酸類、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートなどの脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールの重縮合物類、ポリピバロラクトンなどの脂肪族環状エステルを開環重合して得られるポリエステル類、およびこれらのブレンド物、変性物等を例示することができるが、本発明においてはポリ乳酸を用いる。
【0014】
すなわち、本発明では高融点、高耐熱性の観点から望ましいポリマーとして、L−乳酸及び/又はD−乳酸を主たる繰り返し単位とするポリエステルであるポリ乳酸を用いる。ポリ乳酸の製造方法には、L−乳酸及び/又はD−乳酸を原料として一旦環状二量体であるラクチドを生成せしめ、その後開環重合を行う二段階のラクチド法と、L−乳酸及び/又はD−乳酸を原料として溶媒中で直接脱水縮合を行う一段階の直接重合法が知られている。
【0015】
本発明で用いるポリ乳酸はいずれの製法によって得られたものであってもよい。
【0016】
ポリ乳酸の重量平均分子量は、通常少なくとも5万、好ましくは少なくとも10万、より好ましくは10〜30万である。重量平均分子量が5万よりも低い場合には繊維の強度物性が低下するため好ましくない。30万を越える場合には溶融粘度が高くなりすぎ、溶融紡糸が困難になる場合がある。
【0017】
また、本発明におけるポリ乳酸は、L−乳酸、D−乳酸の他にエステル形成能を有するその他の成分を共重合した共重合ポリ乳酸であってもよい。なかでも、高融点、高耐熱性の観点からポリ乳酸が望ましい。共重合可能な成分としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸類の他、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の分子内に複数の水酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸等の分子内に複数のカルボン酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体が挙げられる。ただし、繊維強度を損なわないために、繊維の70モル%以上が乳酸単位であることが望ましい。
【0018】
また、溶融粘度を低減させるため、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートのような脂肪族ポリエステルポリマーや、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレン−プロピレン)グリコール共重合ポリマーなどの脂肪族ポリエーテルポリマーを内部可塑剤として、あるいは外部可塑剤として用いることができる。さらには、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、糸摩擦低減剤、抗酸化剤、着色顔料等として無機微粒子や有機化合物を必要に応じて添加することができる。
【0019】
なお、繊維としては単糸繊度が0.1デニール〜30デニール、マルチデニールの場合は5〜500デニールである。また断面形状については丸断面の他、中空、三角、5葉、あるいは8葉等の異形断面のいずれでも良く、また普通糸でも極細糸でもさしつかえない。
【0020】
本発明の布帛は脂肪族ポリエステル系繊維を含有していることが必要であり、他素材としては、化学繊維(合成繊維、再生繊維)例えば芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリルあるいはレーヨンなどが挙げられ、天然繊維としては例えば木綿、絹、羊毛などが挙げられ、いずれの繊維であっても良い。またその形態はフィラメント(混繊、加工糸)、ステープルなどのいずれの形態であってもよい。この場合、本発明の脂肪族ポリエステル系繊維を30%以上含有することにより、染色性、発色性などの色彩特性およびソフト感を有することができるため、好ましい。
【0021】
また脂肪族ポリエステルもポリエステル系繊維であり、分散染料可染型であるため、ポリエステルやアセテートあるいはポリアミド系繊維であれば一度に両繊維が染色できるため、より効果的である。脂肪族ポリエステル系繊維の染色温度は100℃〜120℃が通常用いられるが、ポリマー種や染料濃度で若干異なる。
【0022】
本発明の捺染方法としては、オーバープリント(直接捺染)あるいは抜染(防抜も含む)であり、捺染機としてはハンドプリント、スクリーンプリント、ロータリープリントあるいはインクジェットプリントなど、現在使用されているものが全て利用できる。
【0023】
オーバープリント法は色と色の間に色の重なりを有するが、抜染法は地色を還元剤で脱色するため、色と色の間の重なりがなく、柄が鮮明であり高級感を付与できる。
【0024】
抜染方法としては抜染と防抜に大別される。抜染は地染め染料をほぼ完全に染料吸尽せしめた後、還元剤を含む糊で印捺される。次いで、スチーム処理を行い、地染め部分を色抜きし、次いで脱糊処理、ソーピング処理される。
【0025】
他の抜染方法としては防抜と呼ばれ、上記の方法と異なる点は地染め染料をパッド・乾燥で繊維構造物に染料を付着させる。すなわち、基本的に染料を繊維内部に拡散させない状態を保持せしめ、その状態で還元剤を含む糊で印捺される。次いで、スチーム処理を行い、地染め部分を色抜きし、脱糊処理、ソーピング処理される。この方法は染料が繊維内部に拡散されていないため、還元剤の効率が高く、脱色後の白部が特に鮮明である。このように、白部が鮮明であるため、挿色した場合も同様に鮮明になる。
【0026】
また抜染法は白抜および着抜に分けられ、白抜は還元剤と糊剤が主体であり、着抜は還元剤と糊剤および還元に耐える染料が主たる成分であるが、白抜と着抜では使用還元剤が異なり、白抜はデクロリン・ソルブルコンク、着抜は還元力がやや弱い、塩化第1錫が一般的に使用される。
【0027】
色糊が印捺された後は、発色工程(固着工程)として湿熱処理が必須になる。
【0028】
本発明でいう湿熱処理は過熱水蒸気または飽和蒸気であり、過熱水蒸気とは水蒸気を加熱して得られるもので、一般にHTスチームとも呼ばれている。
【0029】
過熱水蒸気での発色処理温度は120℃〜150℃の範囲であり、好ましくは130℃〜140℃であり、処理時間は温度により若干異なるが、約5分〜15分間処理で、十分な発色性が得られる。
【0030】
また飽和蒸気での発色温度は100℃〜120℃の範囲であり、処理時間は約5分〜45分、好ましくは15分〜30分である。脂肪族ポリエステル系繊維の発色性および物性保持の面から飽和蒸気の方がやや優れている。
【0031】
過熱水蒸気と飽和蒸気の使用目的は同じであるが、布帛の種類、色、柄あるいは風合いや物性保持などの点で使い分けられている。一般に飽和蒸気はバッチ式が主体であり、比較的処理時間が自由に変更できる。また飽和蒸気は水分を多く含有しているため、糊剤の制限や染料種の影響が少なく、しかも糊層が厚くても十分な発色性が付与できる。従って飽和蒸気が好ましく用いられる用途としては、極濃色が多い分野、無緊張処理が必要な分野あるいは重布関係である。たとえば和装分野は比較的極濃色が多く、また繊細な図柄を必要とするため、比較的固形分が多い糊剤が古くから使用されている。水着分野は弾性繊維との組み合わせが一般的であるため、できるだけ無緊張下での発色処理が必要であり、特性維持のためバッチ式の飽和蒸気が好ましく用いられる。また飽和蒸気は染料種に影響を受けないため、酸性染料やカチオン染料にも発色可能であり、脂肪族ポリエステル系繊維と他の繊維との混紡、交織などに有利である。
【0032】
一方、過熱水蒸気での発色処理は連続処理であり、特徴としては高温・短時間処理のため、低コストが可能であり、上述に示した以外の分野に使用され、現在は主流の発色方法である。
【0033】
またポリエチレンテレフタレート系繊維(PET)の発色温度より、約20℃〜30℃低めであり、染料の昇華による機械汚れが殆どなく、使用染料が拡大できるため、非常に有利である。
【0034】
特に脂肪族ポリエステル系繊維においては湿熱下で加水分解を受けやすいため、
発色処理条件の温度低下は特性保持の面において非常に有効である。
【0035】
印捺後は発色処理、脱糊処理および還元剤を除去するため、あるいは染色堅牢度を向上させる目的で、ソーピングや還元洗浄などの洗浄工程を組み入れること、さらにナイロン混においては染色堅牢度向上を目的にフィックス処理など工程を、必要に応じ、組み入れてもさしつかえない。この場合の使用薬品はポリエチレンテレフタレート繊維などに通常用いられるものであり、処理条件としたは温度をやや低温サイドが好ましい。
【0036】
また最終製品としてはたとえば制電剤、撥水剤、機能薬剤などの仕上げ剤などを付与してもさしつかえない。
【0037】
脂肪族ポリエステル系繊維の繊維構造物の形態としては、糸、組み紐、コード、織物、編物、不織布、パイル織物あるいは人工皮革など目的に応じて適宜選択できる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例により本願発明を詳細に説明する。
【0039】
実施例1〜7および比較例1〜5
融点172℃、250℃、1000sec-1における溶融粘度が1550poiseであるポリ乳酸−Lからなるチップ(重量平均分子量 18万)を、60℃に設定した真空乾燥器で48hr乾燥した。乾燥したチップを用いて通常の紡糸機にて紡糸温度250℃で紡糸口金、吐出量を変更し、1350m/分の速度で未延伸糸を巻き取った。続いて、該未延伸糸を通常のホットロール−ホットロール系延伸機を用いて延伸温度80℃、熱セット温度120℃で延伸糸の伸度が35%となるように延伸倍率を設定して延伸を行い、延伸糸を得た。
【0040】
得られた延伸糸は167dtex−75f(単糸繊度2.2dtex)であり、この延伸糸を用い、経糸、緯糸ともポリ乳酸(PLA)である、サテン織物を製織した。
【0041】
比較として、ポリエチレンテレフタレート(PET)も同様な織物を製織した。
【0042】
その生機を精練・中間セット(150℃)を行い、捺染する前の試料を準備した。
【0043】
捺染工程は下記に示した(1)〜(4)の順に処理し、オーバープリント法で発色性および引裂強力を求め、結果を表1に示した。
【0044】
(1) 色糊調整
染料:Dianix Blue BBLS 3%(owp)
糊剤:アルギンテックスM(10%) 40%
(君津化学(株)社製:捺染糊剤)
水 57%
(2) 印捺・スチーム処理・還元洗浄
(1)の色糊を用い、100メッシュのスクリーンを用い、ハンドプリント法で図柄を付与、次いで下記の条件の温度で所定時間、発色処理を行った。
【0045】
過熱水蒸気(HT):120、130、140、150、160℃
飽和蒸気(HP) :100、110、120℃、130℃
過熱水蒸気(HT)は市金株(社)、飽和蒸気は芦田株(社)製
(3)水洗・還元洗浄・水洗・乾燥
十分水洗後、下記条件で還元洗浄を行ない、水洗・乾燥した。
【0046】
水酸化ナトリウム 0.5g/l
ハイドロサルファイト 2g/l
非イオン系界面活性剤 2g/l
70℃で20分処理
(4) 測定
A.分光測色計(ミノルタ)を用い、発色性としてL*値を求めた。
【0047】
L*は数字が小さいほど、濃色性を示す。
【0048】
B.引裂強力
JIS L−1096(ペンジュラム法)に準ずる。
【0049】
C.染色堅牢度
洗濯堅牢度JIS L−0844、摩擦堅牢度 JIS L−0849、耐光堅牢度JIS L−0842に準ずる。
【0050】
実施例1〜7は発色性と引裂強力のバランスがとれており、発色性が向上ししているにもかかわらず、引裂強力の低下も極めて少ない。一方、比較例1、比較例2は発色性は良好であるが、温度が高いため、強力低下が大きく実用性が乏しい。また発色性に関しては通常のPETの発色条件における発色性とほぼ同等、あるいはそれ以上である(比較例5)。
【0051】
また染色堅牢度を測定し、結果を表2に示したように実施例1〜7、比較例1〜5の捺染布帛を用い、染色堅牢度を測定したが、いずれも大差なく、問題ないレベルにある。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
実施例8〜13および比較例6〜9
実施例1と同様な織物を用い、下記示した捺染工程(1)〜(5)の順に処理し、抜染法での白抜性を求め、結果を表3に示した。処理条件は次のとおりである。
【0054】
(1) 地染め染料および濃度
Miketon Poly.Discharge Blue R 150g/l
(三井化学(株)社製:分散染料)
スノーアルギンM 2g/l
(富士化学(株)社製:アルギン酸ナトリウム)
上記の染液を用い、地染め染料をパッド(絞り率:100%)・乾燥した。
【0055】
(2) 抜染糊
還元剤:デクロリン・ソルブルコンク 10%
糊剤 :メイプロガムNP(15%) 40%
(メーハル(株)社製:抜染用糊剤)
水 50%
(3) 印捺・スチーム処理・還元洗浄
100メッシュのスクリーンを用い、ハンドプリント法で図柄を付与、次いで下記の条件でスチーム処理を行った。
【0056】
120、130℃、140℃、150℃、160℃、180℃の過熱水蒸気(HT)
100,110,120、130℃の飽和蒸気(HP)でそれぞれ処理をした。
【0057】
(4) 水洗・還元洗浄・水洗・乾燥
十分水洗後、下記条件で還元洗浄を行ない、水洗・乾燥した。
【0058】
水酸化ナトリウム 0.5g/l
ハイドロサルファイト 2g/l
非イオン系界面活性剤 2g/l
70℃で20分処理
表3に示したように、実施例8〜13の本発明法は低温下の発色処理であるが、白抜性も、PETと同等以上を有し、強力低下も抑制されている。
一方、比較例7〜8は発色温度が高いため、極めて強力低下が大きい。
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】
脂肪族ポリエステル系繊維の捺染において、本発明の発色処理を用いることにより、高染色堅牢度性を有し、該繊維固有の優れた発色性、鮮明性および深色性また風合い的にも従来にないソフト感を有しており、同時に生分解性を有する織編物を得ることができる。
Claims (2)
- ポリ乳酸系繊維構造物の捺染において、染料を印捺後120〜150℃の温度範囲の過熱水蒸気または100〜120℃の温度範囲の飽和水蒸気で発色処理することを特徴とするポリ乳酸系繊維の捺染方法。
- 捺染方法がオーバープリントまたは抜染であることを特徴とする請求項1項記載の捺染方法。
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