JP3470676B2 - 黒発色性に優れた脂肪族ポリエステル繊維構造物 - Google Patents
黒発色性に優れた脂肪族ポリエステル繊維構造物Info
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Description
から構成された黒色染料によって染色されてなる繊維構
造物に関する。さらに詳しくは、黒発色の深色性に優れ
るため、ブラックフォーマル、学衣、和服用途に特に好
適な脂肪族ポリエステル繊維構造物に関する。
る芳香族ポリエステル繊維は、強度、耐熱性、耐薬品
性、ウォッシュアンドウエア性など各種の特性に優れる
ため、衣料用繊維として広く用いられている。
芳香環を有するためにポリマーの屈折率が高く、発色性
の観点からは不十分な特性の繊維構造物しか得られなか
った。特に黒発色に関する深色性に劣っているため、ブ
ラックフォーマル、学衣、和服など黒発色の深色性が必
要とされる分野においては、発色性を向上させるべく種
々検討が行われている。
させる方法としては、微細シリカを含有させたポリマー
を繊維化した後、繊維のアルカリ処理を行うことによっ
て繊維表面を粗面化する方法や、糸加工によって単繊維
間に空隙を設け、光の散逸を防止する方法が知られてい
る。しかし、これらの方法によっても、ポリマー基質の
屈折率が高いことに変わりがないため、黒色の深色性を
得ることは困難であり、L*値が18以下、あるいは1
2以下、さらには8以下といった黒発色性を得るために
は、特殊な繊維あるいは糸使いを行う必要があって、汎
用性に欠ける問題があった。
シリコン系の樹脂加工を行うことによって黒色の深色性
を発現する方法も知られている。この方法によれば確か
にL*値が低下し、発色性は良好となるが、布帛表面に
存在する樹脂層に起因して、布帛が粗硬なものとなり、
また場合によってはぬめり感を生じることがあった。
エステルとは異なり、レーヨンやアセテートなど黒発色
性に優れた繊維は存在している。しかし、これらの繊維
は強度が弱いために布帛の強力が低いこと、洗濯後にし
わになりやすくウォッシュアンドウエア性がないこと、
また熱や水の作用によって収縮しやすく取り扱い性に劣
ることなどの欠点を有しており、衣料用繊維構造物とし
ては必ずしも望ましいものではなかった。脂肪族ポリエ
ステル繊維を染色する方法に関しては、特開平8−31
1781号公報に提案が見られる。
の問題点を克服し、黒発色性、布帛触感および引裂強力
に優れた繊維構造物を、汎用的に提供することにある。
1.30〜1.50、カルボキシル基末端濃度[COO
H]が0〜20eq/tであるポリマーからなり、分散
染料によって染色された脂肪族ポリエステル繊維を少な
くとも一部に用いた繊維構造物であって、明度L*値が
12以下、彩度C*値が10以下であることを特徴とす
る黒発色性に優れた脂肪族ポリエステル繊維構造物によ
って解決される。
力計を用いて測定される布帛の引裂強力が490cN以
上であることが、布帛の耐久性、取り扱い性の観点から
重要であり、脂肪族ポリエステル繊維の強度は3〜8c
N/dtex、沸騰水収縮率が0〜15%、カルボキシ
ル基末端濃度[COOH]が0〜10eq/tであるこ
とが望ましい。
び/又はD−乳酸を主たる繰り返し単位とするポリエス
テルを好適に用いることができる。
もよいが、繊維構造物が織物である場合にはカバーファ
クターF1 が300〜2000であることが、また、繊
維構造物が編物である場合は、編地カバーファクターF
2 が2〜60であることがよい。
は8以下であることが好ましい。このように低いL*値
とするためには、繊維中の染料の濃度が5〜20wt%
であることが好ましい。
Evaluation System)による曲げ剛性
測定値Bが0.01〜0.1(g・cm2/cm)であ
ることが、布帛触感の観点からは好ましく採用される。
脂肪族ポリエステル繊維を少なくとも一部に用いた繊維
構造物を、黒色染料濃度5〜30%owf、染色温度1
20〜130℃で染色することを特徴とするものであ
る。
リエステル繊維を主体に構成されており、その脂肪族ポ
リエステルは、屈折率が1.30〜1.50であるもの
である。屈折率が1.50よりも高いと繊維表面におけ
る反射光が多くなるため、黒発色性に劣るものしか得ら
れない。屈折率は好ましくは1.30〜1.45であ
る。
室内に設置され恒温水の循環等の手段により23℃に調
節された、プリズムを備えたアッベ屈折計により、JI
S−K7105記載の方法に準拠して測定される値を意
味している。
ポリエステルとしては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、
ポリ−3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ−3−ヒド
ロキシブチレート、ポリ−3−ヒドロキシブチレートバ
リレートなどのポリオキシ酸類、脂肪族ジカルボン酸と
脂肪族ジオールの重縮合物類、ポリピバロラクトンなど
の脂肪族環状エステルを開環重合して得られるポリエス
テル類、およびこれらのブレンド物、変性物等を例示す
ることができるが、これらに限定されるものではない。
ましいポリマーとしては、L−乳酸及び/又はD−乳酸
を主たる繰り返し単位とするポリエステルであるポリ乳
酸を挙げることができる。ポリ乳酸の製造方法には、L
−乳酸及び/又はD−乳酸を原料として一旦環状二量体
であるラクチドを生成せしめ、その後開環重合を行う二
段階のラクチド法と、L−乳酸及び/又はD−乳酸を原
料として溶媒中で直接脱水縮合を行う一段階の直接重合
法が知られている。本発明で用いるポリ乳酸はいずれの
製法によって得られたものであってもよい。
5万、好ましくは少なくとも10万、好ましくは10〜
30万である。平均分子量が5万よりも低い場合には繊
維の強度物性が低下するため好ましくない。30万を越
える場合には溶融粘度が高くなりすぎ、溶融紡糸が困難
になる場合がある。
酸、D−乳酸の他にエステル形成能を有するその他の成
分を共重合した共重合ポリ乳酸であってもよい。共重合
可能な成分としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪
酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−
ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸類の
他、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレング
リコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の分子
内に複数の水酸基を含有する化合物類またはそれらの誘
導体、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸等の分子内に
複数のカルボン酸基を含有する化合物類またはそれらの
誘導体が挙げられる。ただし、繊維強度を損なわないた
め、繊維の70モル%以上が乳酸単位からなることが望
ましい。
プロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレ
ンサクシネートのような脂肪族ポリエステルポリマー
や、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリ(エチレン−プロピレン)グリコール共重合体
などの脂肪族ポリエーテルポリマーを内部可塑剤とし
て、あるいは外部可塑剤として用いることができる。さ
らには、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、糸摩擦低減剤、抗
酸化剤、着色顔料等として無機微粒子や有機化合物を必
要に応じて添加することができる。
繊維は繊維の強度が3〜8cN/dtex以上であり、
沸騰水収縮率が0〜15%であることが好ましい。強度
が3cN/dtex未満の場合には製織時の糸切れ停台
の原因となったり、織物、編地の引裂強力および破裂強
力の低下による製品強度の低下を招くため好ましくな
い。繊維の強度は、より好ましくは4cN/dtex以
上であり、さらに好ましくは5cN/dtex以上であ
る。8cN/dtex以上の強度を有する繊維を得るた
めには、延伸倍率を高くとる必要があり、この場合繊維
の伸度が著しく低くなるため、製造が困難となることが
ある。
が望ましい。15%より大きいと、精練、染色など熱水
処理を行った場合の収縮が大きくなり、布帛の幅出しが
困難となり、風合いも硬化する傾向にあるため好ましく
ない。通常の布帛として用いる場合には、沸騰水収縮率
は2〜10%、さらに好ましくは3〜8%となっている
ことがよい。
のカルボキシル基末端濃度[COOH]は0〜20eq
/tである必要がある。カルボキシル基末端濃度[CO
OH]が20eq/tよりも多い場合には、染色加工時
に生じる加水分解の度合いが大きく、染色条件によって
は布帛の引裂強力の著しい低下を招くことがある。特
に、濃色に染色するため染色温度を高くした場合に加水
分解は顕著であるため、布帛の強力保持の観点からは、
脂肪族ポリエステルのカルボキシル基末端濃度[COO
H]は、好ましくは10eq/t以下、最も好ましくは
6eq/t以下である。カルボキシル基末端濃度[CO
OH]は少なければ少ないほど好ましい。ここでカルボ
キシル基末端濃度[COOH]とは実施例中に記載の方
法によって測定した値を指す。
脂肪族ポリエステルは、脂肪族ポリエステルの溶融状態
でカルボキシル基と反応性を有する化合物、例えばカル
ボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合
物、オキサジン化合物、アジリジン化合物、ジオール化
合物、長鎖アルコール化合物などの末端封鎖剤を適量反
応させることで得ることができるが、脂肪族ポリエステ
ルの高重合度化、残存低分子量物の抑制などの観点か
ら、ポリマーの重合反応終了後に末端封鎖剤を添加・反
応させることが好ましい。上記した末端封鎖剤と脂肪族
ポリエステルとの混合・反応としては、例えば、重縮合
反応終了直後の溶融状態の脂肪族ポリエステルに末端封
鎖剤を添加し攪拌・反応させる方法、脂肪族ポリエステ
ルのチップに末端封鎖剤を添加・混合した後に反応缶あ
るいはエクストルーダなどで混練・反応させる方法、エ
クストルーダで脂肪族ポリエステルに液状の末端封鎖剤
を連続的に添加し、混練・反応させる方法、末端封鎖剤
を高濃度含有させた脂肪族ポリエステルのマスターチッ
プと脂肪族ポリエステルのホモチップとを混合したブレ
ンドチップをエクストルーダなどで混練・反応させる方
法などにより行うことができる。また、末端封鎖剤を用
いず、ポリマーの重縮合反応を低温でおこなう等、ポリ
マーの重合時における熱分解を抑制する方法によっても
よい。
うちカルボジイミド化合物の例としては、例えば、N,
N´−ジ−o−トリイルカルボジイミド、N,N´−ジ
フェニルカルボジイミド、N,N´−ジオクチルデシル
カルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジメチルフェ
ニルカルボジイミド、N−トリイル−N´−シクロヘキ
シルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジイソプ
ロピルフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6
−ジ−tert.−ブチルフェニルカルボジイミド、N
−トリイル−N´−フェニルカルボジイミド、N,N´
−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N´−
ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ
−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N´−
ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N´−ジ−p
−トリイルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ
−o−トリイルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス
−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ヘキサメチレン−
ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、エチレン−ビ
ス−ジフェニルカルボジイミド,N,N′−ベンジルカ
ルボジイミド、N−オクタデシル−N′−フェニルカル
ボジイミド、N−ベンジル−N′−フェニルカルボジイ
ミド、N−オクタデシル−N′−トリルカルボジイミ
ド、N−シクロヘキシル−N′−トリルカルボジイミ
ド、N−フェニル−N′−トリルカルボジイミド、N−
ベンジル−N′−トリルカルボジイミド、N,N′−ジ
−o−エチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−
p−エチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o
−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ
−p−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′
−ジ−o−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,
N′−ジ−p−イソブチルフェニルカルボジイミド、
N,N′−ジ−2,6−ジエチルフェニルカルボジイミ
ド、N,N′−ジ−2−エチル−6−イソプロピルフェ
ニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2−イソブチル−
6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−
ジ−2,4,6−トリメチルフェニルカルボジイミド、
N,N′−ジ−2,4,6−トリイソプロピルフェニル
カルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリイソ
ブチルフェニルカルボジイミド、下記一般式(I)で示
される芳香族ポリカルボジイミドなどが挙げられる。
のアルキル基を表し、nは2〜20の整数を表す) さらには、これらのカルボジイミド化合物の中から1種
または2種以上の化合物を任意に選択して脂肪族ポリエ
ステルのカルボキシル末端を封鎖すればよいが、反応性
の点でN,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニル
カルボジイミドが好ましい。
うちエポキシ化合物の例としては、例えば、N−グリシ
ジルフタルイミド、N−グリシジル−4−メチルフタル
イミド、N−グリシジル−4,5−ジメチルフタルイミ
ド、N−グリシジル−3−メチルフタルイミド、N−グ
リシジル−3,6−ジメチルフタルイミド、N−グリシ
ジル−4−エトキシフタルイミド、N−グリシジル−4
−クロルフタルイミド、N−グリシジル−4,5−ジク
ロルフタルイミド、N−グリシジル−3,4,5,6−
テトラブロムフタルイミド、N−グリシジル−4−n−
ブチル−5−ブロムフタルイミド、N−グリシジルサク
シンイミド、N−グリシジルヘキサヒドロフタルイミ
ド、N−グリシジル−1,2,3,6−テトラヒドロフ
タルイミド、N−グリシジルマレインイミド、N−グリ
シジル−α,β−ジメチルサクシンイミド、N−グリシ
ジル−α−エチルサクシンイミド、N−グリシジル−α
−プロピルサクシンイミド、N−グリシジルベンズアミ
ド、N−グリシジル−p−メチルベンズアミド、N−グ
リシジルナフトアミド、N−グリシジルステラミド、N
−メチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−
ジカルボン酸イミド、N−エチル−4,5−エポキシシ
クロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−フェ
ニル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカ
ルボン酸イミド、N−ナフチル−4,5−エポキシシク
ロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−トリル
−3−メチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,
2−ジカルボン酸イミド、オルソフェニルフェニルグリ
シジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテ
ル、フェニルグリシジルエーテル、3−(2−キセニル
オキシ)−1,2−エポキシプロパン、アリルグリシジ
ルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ラウリルグリ
シジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、シクロ
ヘキシルグリシジルエーテル、α−クレシルグリシジル
エーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテ
ル、メタクリル酸グリシジルエーテル、エチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイド、オ
クチレンオキサイド、ヒドヘキサヒドロフタル酸ジグリ
シジルエステル、フタル酸ジメチルジグリシジルエステ
ル、フロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグ
リシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシ
ジルエーテル、水添ビスフェノールA−ジグリシジルエ
ーテルなどが挙げられ、さらには、テレフタル酸ジグリ
シジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエ
ステル、フェニレンジグリシジルエーテル、エチレンジ
グリシジルエーテル、トリメチレンジグリシジルエーテ
ル、テトラメチレンジグリシジルエーテル、ヘキサメチ
レンジグリシジルエーテル、エポキシ化大豆油などが挙
げられる。これらのエポキシ化合物の中から1種または
2種以上の化合物を任意に選択して脂肪族ポリエステル
のカルボキシル末端を封鎖すればよいが、反応性の点で
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、フェニル
グリシジルエーテル、オルソフェニルフェニルグリシジ
ルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテ
ル、N−グリシジルフタルイミド、ヒドロキノンジグリ
シジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、水添
ビスフェノールA−ジグリシジルエーテルなどが好まし
い。
うちオキサゾリン化合物の例としては、例えば、2−メ
トキシ−2−オキサゾリン、2−エトキシ−2−オキサ
ゾリン、2−プロポキシ−2−オキサゾリン、2−ブト
キシ−2−オキサゾリン、2−ペンチルオキシ−2−オ
キサゾリン、2−ヘキシルオキシ−2−オキサゾリン、
2−ヘプチルオキシ−2−オキサゾリン、2−オクチル
オキシ−2−オキサゾリン、2−ノニルオキシ−2−オ
キサゾリン、2−デシルオキシ−2−オキサゾリン、2
−シクロペンチルオキシ−2−オキサゾリン、2−シク
ロヘキシルオキシ−2−オキサゾリン、2−アリルオキ
シ−2−オキサゾリン、2−メタアリルオキシ−2−オ
キサゾリン、2−クロチルオキシ−2−オキサゾリン、
2−フェノキシ−2−オキサゾリン、2−クレジル−2
−オキサゾリン、2−o−エチルフェノキシ−2−オキ
サゾリン、2−o−プロピルフェノキシ−2−オキサゾ
リン、2−o−フェニルフェノキシ−2−オキサゾリ
ン、2−m−エチルフェノキシ−2−オキサゾリン、2
−m−プロピルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−p
−フェニルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−メチル
−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、
2−プロピル−2−オキサゾリン、2−ブチル−2−オ
キサゾリン、2−ペンチル−2−オキサゾリン、2−ヘ
キシル−2−オキサゾリン、2−ヘプチル−2−オキサ
ゾリン、2−オクチル−2−オキサゾリン、2−ノニル
−2−オキサゾリン、2−デシル−2−オキサゾリン、
2−シクロペンチル−2−オキサゾリン、2−シクロヘ
キシル−2−オキサゾリン、2−アリル−2−オキサゾ
リン、2−メタアリル−2−オキサゾリン、2−クロチ
ル−2−オキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリ
ン、2−o−エチルフェニル−2−オキサゾリン、2−
o−プロピルフェニル−2−オキサゾリン、2−o−フ
ェニルフェニル−2−オキサゾリン、2−m−エチルフ
ェニル−2−オキサゾリン、2−m−プロピルフェニル
−2−オキサゾリン、2−p−フェニルフェニル−2−
オキサゾリンなどが挙げられ、さらには、2,2′−ビ
ス(2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−メチル
−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4,4′−ジ
メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−エ
チル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4,4′
−ジエチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4
−プロピル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4
−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−
ヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−
フェニル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−
シクロヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス
(4−ベンジル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−
フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−m−
フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−o−
フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−p−
フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、
2,2′−p−フェニレンビス(4,4′−ジメチル−
2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス
(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フ
ェニレンビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリ
ン)、2,2′−エチレンビス(2−オキサゾリン)、
2,2′−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、
2,2′−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、
2,2′−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、
2,2′−デカメチレンビス(2−オキサゾリン)、
2,2′−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリ
ン)、2,2′−テトラメチレンビス(4,4−ジメチ
ル−2−オキサゾリン)、2,2′−9,9′−ジフェ
ノキシタンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−シク
ロヘキシレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ジ
フェニレンビス(2−オキサゾリン)などが挙げられ
る。これらのオキサゾリン化合物の中から1種または2
種以上の化合物を任意に選択して脂肪族ポリエステルの
カルボキシル末端を封鎖すればよい。
うちオキサジン化合物の例としては、例えば、2−メト
キシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、
2−エトキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキ
サジン、2−プロポキシ−5,6−ジヒドロ−4H−
1,3−オキサジン、2−ブトキシ−5,6−ジヒドロ
−4H−1,3−オキサジン、2−ペンチルオキシ−
5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ヘ
キシルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキ
サジン、2−ヘプチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H
−1,3−オキサジン、2−オクチルオキシ−5,6−
ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ノニルオキ
シ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2
−デシルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オ
キサジン、2−シクロペンチルオキシ−5,6−ジヒド
ロ−4H−1,3−オキサジン、2−シクロヘキシルオ
キシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、
2−アリルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−
オキサジン、2−メタアリルオキシ−5,6−ジヒドロ
−4H−1,3−オキサジン、2−クロチルオキシ−
5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジンなどが挙
げられ、さらには、2,2′−ビス(5,6−ジヒドロ
−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−メチレンビ
ス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、
2,2′−エチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−
1,3−オキサジン)、2,2′−プロピレンビス
(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、
2,2′−ブチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−
1,3−オキサジン)、2,2′−ヘキサメチレンビス
(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、
2,2′−p−フェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4
H−1,3−オキサジン)、2,2′−m−フェニレン
ビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジ
ン)、2,2′−ナフチレンビス(5,6−ジヒドロ−
4H−1,3−オキサジン)、2,2′−P,P′−ジ
フェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オ
キサジン)などが挙げられる。これらのオキサジン化合
物の中から1種または2種以上の化合物を任意に選択し
て脂肪族ポリエステルのカルボキシル末端を封鎖すれば
よい。
うちアジリジン化合物の例としては、例えば、モノ,ビ
スあるいはポリイソシアネート化合物とエチレンイミン
との付加反応物などが挙げられる。
うち、ジオール化合物の例としては、例えば、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
テトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリ(エチレン−プロピレン)グリコール、ポリ(エチ
レン−ブチレン)グリコール、ビスフェノールA、ビス
フェノールS、ジエチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが
挙げられる。
うち、長鎖アルコール化合物としては、プロパノール、
イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ノナノ
ール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルア
ルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、
乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどがあげられ
る。また、グリセロール、ソルビトール、キシルトー
ル、リビトール、エリスチトールなどの多価アルコール
を用いてもよい。
鎖剤として上述した化合物のうち、2種以上の化合物を
末端封鎖剤として併用することもできる。
は100〜300℃であることが望ましい。融点が10
0℃よりも低い場合には、単糸間の融着の発生による延
伸性不良や、染色加工時、熱セット時、摩擦加熱時に溶
融欠点が生じるなど、製品の品位が著しく低いものとな
るため、衣料用途に用いるには好ましくない。好ましく
は脂肪族ポリエステルの融点は150℃以上であり、さ
らに好ましくは融点が165℃以上である。融点が30
0℃より高いポリマーは溶融成形が困難であるため、望
ましくない。ここで融点とはDSC測定によって得られ
た溶融ピークのピーク温度を意味する。
面あるいは扁平、三〜八葉、C型、H型、中空などの異
形断面であってもよいし、少なくとも1成分、好ましく
は2成分以上が脂肪族ポリエステルからなる芯鞘型、偏
心芯鞘型、サイドバイサイド型、割繊維分割型など、あ
るいは海島型などの1成分を溶出するタイプの複合繊維
であってもよい。また、通常のフラットヤーン以外に、
仮撚加工糸、強撚糸、タスラン加工糸、太細糸、混繊糸
等のフィラメントヤーンであってもよく、ステープルフ
ァイバーやトウ、あるいは紡績糸などの各種形態の繊維
であってよい。
脂肪族ポリエステル繊維が単独または他の繊維と混用さ
れてなり、かつ染色を施した繊維構造物であって、縫い
糸や刺繍糸、ひも類などの糸形態でもよく、織物、編
物、不織布、フェルト等の布帛形態、あるいはコート、
セーター、その他の外衣、下着、パンスト、靴下、裏
地、芯地、スポーツ衣料などの衣料用製品、カーテン、
カーペット、椅子貼り、カバン、家具貼り、壁材、各種
のベルトやスリング等の生活資材用製品、帆布、ネッ
ト、ロープ、重布等の産業資材用製品、人工皮革製品な
ど、各種の繊維製品形態を含む。
は、本発明の脂肪族ポリエステル繊維を単独で使用して
もよく、また他の繊維と混用することもできる。混用す
る場合でも、脂肪族ポリエステル繊維の高い黒発色性を
生かす利用方法とすることが好ましい。布帛として混用
する場合には、例えば本発明の脂肪族ポリエステル繊維
の混用比率を重量比で30%以上とすることが好まし
く、50%以上とすることがより好ましく、混用する他
の繊維は適正な染料により脂肪族ポリエステル繊維と同
様に黒色に染色して使用することが好ましい。他の繊維
としては特に制限はないが、綿、麻などのセルロース繊
維、ウール、絹、レーヨン、アセテート、テンセル、あ
るいはポリエステル、ナイロン、アクリル、ビニロン、
ポリオレフィン、ポリウレタン等の繊維が挙げられる。
維構造物との各種組み合わせのほか、他の繊維との混繊
糸、複合仮撚糸、混紡糸、長短複合糸、流体加工糸、カ
バリングヤーン、合撚、交織、交編、パイル織編物、混
綿詰め綿、長繊維や短繊維の混合不織布、フェルトが例
示される。
下、C*値が10以下となるように分散染料によって染
色されてなる。L*値は、L*a*b*系の色表示にお
ける明度であり、その値が小さいほど明度が低い、すな
わち黒色の発色が深いことを意味する。また、C*値は
(a*2+b*2)1/2で定義される彩度を意味してお
り、その値が小さいほど無彩色で黒らしい黒に見える。
本発明においては、黒発色性の点からL*値は12以下
であることが重要である。L*値は好ましくは8以下で
あり、さらに好ましくは6以下である。また、C*値に
ついても黒発色性の点から、10以下であることが重要
である。
布帛はエルメンドルフ強力計で測定した引き裂き強力が
490cN以上であることが重要である。引裂強力が4
90cNに満たない場合には、衣服の耐久性に問題を生
じることがある。引裂強力はより好ましくは700cN
以上である。
っても編物であってもよいが、織物の場合には、下記式
1で規定される織物カバーファクターF1 が300〜2
000であることが望ましい。
積あたりの繊維の存在率が高く、優れた黒発色が得られ
る。また、2000以下の場合には、風合いが硬くなら
ず衣料用途に適したものになる。カバーファクターF1
は、より好ましくは500〜1500、最も好ましくは
700〜1200である。
2で規定される編地カバーファクターF2 が、2〜60
であることが望ましい。
たりの繊維の存在率が高く、優れた黒発色が得られる。
また、60以下の場合には、風合いが硬くならず衣料用
途に適したものとなる。カバーファクターF2 は、より
好ましくは5〜50、最も好ましくは10〜40であ
る。
繊維構造物は、繊維構造物のKES(Kawabata
Evaluation System)による曲げ剛性
測定値Bが0.01〜0.1(g・cm2 /cm)であ
ることが望ましい。曲げ剛性測定値Bは、繊維機械学会
誌、vol.26, No.10, p.721−728
に記載されているように、KESの曲げ特性測定器(カ
トーテック製)を用いて繊維構造物を曲げた時の、各曲
率での反発力を表している。具体的には、タテ方向、ヨ
コ方向ともに測定した時の、曲率0.5から1.5の間
での反発力の平均値である。曲げ剛性測定値Bが高けれ
ば、繊維布帛が堅くなりすぎ、布帛触感の観点からは好
ましくない。逆に曲げ剛性Bの値が小さすぎる場合に
は、繊維構造物の形態維持性が悪くなるため好ましくな
い。曲げ剛性Bの好適な範囲は0.01〜0.1であ
り、より好ましくは0.02〜0.08である。
マーの屈折率が1.30〜1.50、カルボキシル基末
端濃度[COOH]が0〜20eq/tであるポリマー
からなる脂肪族ポリエステル繊維を少なくとも一部に用
いた繊維構造物を、黒色分散染料により染料濃度5〜3
0%owf、染色温度120〜130℃で染色する染色
方法を採用する。
肪族ポリエステル繊維を染色した際に、彩度(C*値)
が、10以下となる染料を意味する。すなわち、C*値
が10以下である限り、たとえば有彩色染料を1種また
は2種以上含む染料であってもよい。
は、L*値が12以下といった深い黒色の発色が得られ
ない。染料濃度を高くしても、濃染化の効果はある一定
の所で飽和するので、経済的な観点から30%owf以
下とすることがよい。また、染色温度が120℃に満た
ない場合には、染料の繊維中への拡散が不十分であるた
め、L*値で12以下といった深い黒色の発色が得られ
ない。高い染着性の観点から染色温度は120〜130
℃である。130℃を越えると、カルボキシル末端濃度
[COOH]を20eq/tとしても、染色加工時の繊
維の強力低下を防ぐことはできない。
度を高くした場合に加水分解は顕著であるため、布帛の
強力保持の観点からは、脂肪族ポリエステル繊維のカル
ボキシル基末端濃度[COOH]は好ましくは10eq
/t以下、最も好ましくは6eq/t以下とする。
カリ条件下での精練および/または50〜100℃のア
ルカリ条件下での減量加工を、必要に応じて実施するこ
とができる。また、染色加工後に、弱アルカリ条件、還
元剤存在下で還元洗浄を行うことも、必要に応じて実施
できる。さらに、発色性向上やその他の機能付与のため
に公知の樹脂コーティングを実施しても良い。
明する。なお、実施例中の各特性値は次の方法で求め
た。 A.融点 パーキンエルマー社製の示差走査熱量計(DSC−7)
を用いて、昇温速度15℃/分の条件で測定し、得られ
た溶融ピークのピーク温度を融点とした。 B.カルボキシル基末端濃度[COOH](eq/t) 精秤した試料をo−クレゾール(水分5%)調製液に溶
解し、この溶液にジクロロメタンを適量添加の後、0.
02規定のKOHメタノール溶液にて滴定することによ
り測定した。 C.屈折率 ポリマーの熱圧フィルムを試料として、23℃に調節さ
れた、プリズムを備えたアッベ屈折計により、JIS−
K7105記載の方法に準拠して測定した。 D.強度 オリエンテック社製引張試験機(テンシロンUCT−1
00型)を用い、試料長20cm、引張速度20cm/
分の条件で引張試験を行い破断点の応力を繊維の強度と
した。 E.L*a*b*値 染色した布帛を試料とし、ミノルタ社製分光測色機CM
−3700dを用いて、D65光源、視野角度10度の
条件で、L*、a*、b*を測定した。 F.曲げ剛性B KES(Kawabata Evaluation Sy
stem)測定器を用いて曲げ特性を測定し、曲げ剛性
のタテ、ヨコの平均値B(単位:g・cm2 /cm)を
算出した。 G.引裂強力 ダイエイ科学製機(株)のエルメンドルフ引裂強力計を
用いて、縦10cm×横6.5cmの試験片をセット
し、試験機のカッターハンドルを引いて2cmの切れ目
を入れた。落下ボタンを押して扇形振り子を落下させ、
試験片の残り4.5cmを引き裂き、この時の強力を読
みとった。試験はタテ方向とヨコ方向を各3回繰り返し
て、平均値をもって布帛の引裂強力(cN)とした。 H.繊維中の染料濃度の定量 染色に用いる染色前の染浴を、水:アセトン=1:1の
混合溶媒で10倍に希釈した溶液を調製し、日立製作所
(株)製U−3010形分光光度計を用いて500〜7
00nm領域の吸光度測定を行って、最大ピークを与え
る波長(nm)と、そのときの吸光度LA(Abs)を
求めた。同様に染色を行った後の染色後の染浴を、水:
アセトン=1:1の混合溶媒で10倍に希釈した溶液を
調製し、先に求めた最大ピーク波長における、吸光度L
B(abs)を求め、下式によって繊維中の染料濃度を
算出した。
− LB)/LA}×浴中の染料濃度(%owf) 参考例1.低カルボキシル基末端濃度ポリマーの調製 融点168℃、重量平均分子量12万、カルボキシル基
末端濃度[COOH]26.6eq/tであるポリL乳
酸ポリマー100重量部に対して1.7重量部のN,
N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイ
ミドを、2軸エクストルーダーを用いて、スクリュー部
温度200℃、平均滞留時間2分間の条件で均一に混練
・反応させた。エクストルーダーから押し出したガット
を水冷し、チップ状に成形した。得られたポリマーの屈
折率は1.43、融点は166℃、カルボキシル基末端
濃度[COOH]は5eq/tであった。 実施例1 参考例1で得られた、屈折率1.43、融点166℃、
カルボキシル基末端濃度[COOH]5eq/tのポリ
L乳酸ポリマーのチップを、105℃に設定した真空乾
燥器で12hr乾燥した。乾燥したチップをプレッシャ
ーメルター型紡糸機にて、メルター温度210℃にて溶
融し、紡糸温度220℃で、0.23D−0.30Lの
口金孔より紡出した。この紡出糸を20℃、25m/m
inのチムニー風によって冷却し、油剤を付与して収束
した後、3000m/minで引き取って未延伸糸(1
22dtex−36f)を得た。
を用い、延伸温度90℃、熱セット温度120℃、延伸
倍率1.45倍、延伸速度800m/minの条件で延
伸して84dtex−36fの延伸糸を得た。得られた
延伸糸の強度は、4.2cN/dtex、沸騰水収縮率
は6.2%であり、布帛の取り扱い上問題を生じなかっ
た。
作成し、80℃×20分間精練を行った後、150℃×
2分間乾熱セットを施した。該織物を下記の条件に調整
された染浴にて、120℃×1hr染色を行い、続いて
カセイソーダ0.5g/l、ハイドロサルファイト0.
2g/lを溶解させた水溶液を用いて60℃×20分間
還元洗浄を行った。得られた染色布帛は、タテ糸密度が
40本/cm、ヨコ糸密度が40本/cmであり、カバ
ーファクターF1 は733であった。
8.1wt%、L*値は12.2と十分低い値であり、
C*値は1.2であって、黒発色性に優れていた。ま
た、引裂強力は930cNと耐久性に優れたものであっ
た。曲げ剛性Bは0.05g・cm2 /cmであり、柔
らかなタッチであった。
f)を用いて、サテン織物(5枚朱子)を作成した。該
織物を下記の条件に調整された染浴にて、120℃×1
hr染色を行い、実施例1と同様に還元洗浄を行った。
得られた染色布帛は、タテ糸密度79本/cm、ヨコ糸
密度39本/cmであり、カバーファクターF1 は10
81であった。
0.2wt%、布帛のL*値は5.8であり、C*値は
0.8であって、黒発色性に極めて優れていた。また、
引き裂き強力は800cNであり、耐久性にも優れたも
のであった。曲げ剛性Bは、0.04g・cm2 /cm
であり、柔らかなタッチであった。
f)を用いて、24ゲージの緯編機を用いてインターロ
ック編地を作成した。下記の条件に調整された染浴に
て、130℃×1hr染色を行い、続いて60℃×20
分間還元洗浄を行った。得られた染色編地のカバーファ
クターF2 は38であった。
2.1wt%、布帛のL*値は6.3であり、C*値は
0.9であって、黒発色性に極めて優れていた。また、
引き裂き強力は1810cNであり、耐久性にも優れた
ものであった。曲げ剛性Bは、0.02g・cm2 /c
mであり、柔らかなタッチであった。
f)を用いて、パイル織物(ベロア)を作成した。実施
例1と同様に120℃×1hr染色を行い、続いて60
℃×20分間還元洗浄を行った。カバーファクターF1
は850であった。
8wt%、布帛のL*値は5.4であり、C*値は0.
8であって、黒発色性に極めて優れていた。また、引き
裂き強力は1200cNであり、耐久性にも優れたもの
であった。曲げ剛性Bは、0.06g・cm2/cmで
あり、柔らかなタッチであった。
端濃度[COOH]が28(eq/t)のポリエチレン
テレフタレートのチップを、160℃に設定した真空乾
燥機で5hr乾燥した。乾燥したチップをプレッシャー
メルター型紡糸機にて、メルター温度280℃にて溶融
し、紡糸温度290℃で、0.23D−0.30Lの口
金孔より紡出した。この紡出糸を20℃、25m/mi
nのチムニー風によって冷却し、油剤を付与して収束し
た後、3000m/minで引き取って未延伸糸(15
0dtex−36f)を得た。
を用い、延伸温度90℃、熱セット温度130℃、延伸
倍率1.80倍、延伸速度800m/minの条件で延
伸して84dtex−36fの延伸糸を得た。得られた
延伸糸の強度は、5.0cN/dtex、沸騰水収縮率
は6.8%であり、布帛の取り扱い上問題を生じなかっ
た。
作成し、80℃×20分間精練を行った後、180℃×
2分間乾熱セットを施した。該織物を下記の条件に調整
された染浴にて、130℃×1hr染色を行い、続いて
カセイソーダ0.5g/l、ハイドロサルファイト0.
2g/lを溶解させた水溶液を用いて80℃×20分間
還元洗浄を行った。得られた染色布帛は、タテ糸密度が
40本/cm、ヨコ糸密度が40本/cmであり、カバ
ーファクターF1 は1091であった。
8.2wt%で、L*値は20.0と高い値であり、C
*値が2.5であって、黒発色の深色性に劣るものであ
った。曲げ剛性Bは0.08g・cm2 /cmであり、
実施例に比較して粗硬なタッチであった。引き裂き強力
は1500cNであった。
に染色加工を行った。表2に示す通り、繊維中の染料濃
度は1.0wt%であり、布帛のL*値は24.2、C
*値は2.0と深色性に劣るものであった。
f)を用いて、経緯密度の粗いタフタ織物を作成した。
該織物を実施例1と同様に120℃×1hr染色を行
い、続いて60分×20分の還元洗浄を行った。得られ
た染色布帛は、タテ糸密度15本/cm、ヨコ糸密度が
15本/cmであり、カバーファクターF 1 は275で
あった。
8.8wt%であったが、L*値は20.2と高い値で
あり、C*値は1.8で、黒発色の深色性に劣るもので
あった。また、引裂強力は220cNと低いものであ
り、耐久性に難があった。 比較例4 実施例1と同様にして得た延伸糸(84dtex−36
f)を用いて、8ゲージの緯編機を用いて天竺を作成し
た。下記の条件に調製された染浴にて、120℃×1h
r染色を行い、続いて60℃×20分間還元洗浄を行っ
た。得られた染色編地のカバーファクターF2 は1.8
であった。
6.5wt%であったが、L*値は26.2と高い値で
あり、C*値は3.2で、黒発色の深色性に劣るもので
あった。また、引裂強力は320cNと低いものであ
り、耐久性に難があった。
色の深色性に優れる繊維構造物を得ることができる。ま
た、風合いにも優れるため、ブラックフォーマル、学
衣、和服用途に好適である。
Claims (12)
- 【請求項1】屈折率が1.30〜1.50、カルボキシ
ル基末端濃度[COOH]が0〜20eq/tであるポ
リマーからなり、分散染料によって染色された脂肪族ポ
リエステル繊維を少なくとも一部に用いた繊維構造物で
あって、明度L*値が12以下、彩度C*値が10以下
であることを特徴とする脂肪族ポリエステル繊維構造
物。 - 【請求項2】繊維構造物が布帛であり、エルメンドルフ
引裂強力計を用いて測定される該布帛の引裂強力が49
0cN以上であることを特徴とする請求項1記載の脂肪
族ポリエステル繊維構造物。 - 【請求項3】脂肪族ポリエステルがL−乳酸及び/又は
D−乳酸を主たる繰り返し単位とするポリエステルであ
ることを特徴とする請求項1または2に記載の脂肪族ポ
リエステル繊維構造物。 - 【請求項4】脂肪族ポリエステル繊維の強度が3〜8c
N/dtex、沸騰水収縮率が0〜15%、カルボキシ
ル基末端濃度[COOH]が0〜10eq/tであるこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の脂
肪族ポリエステル繊維構造物。 - 【請求項5】繊維構造物が織物であり、下記式1で規定
される織物カバーファクターF1が300〜2000で
あることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記
載の脂肪族ポリエステル繊維構造物。 F1={経糸密度(本/cm)×(経糸の繊度(dte
x))0.5}+{緯糸密度(本/cm)×(経糸の繊度
(dtex)0.5)} ・・・(式1) - 【請求項6】繊維構造物が編物であり、下記式2で規定
される編地カバーファクターF2が、2〜60であるこ
とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の脂肪
族ポリエステル繊維構造物。 F2={繊度(dtex)0.5}/{ループ長(cm)}
・・・(式2) - 【請求項7】明度L*値が8以下であることを特徴とす
る請求項1〜6のいずれか1項記載の脂肪族ポリエステ
ル繊維構造物。 - 【請求項8】繊維構造物のKES(Kawabata
Evaluation System)による曲げ剛性
測定値Bが0.01〜0.1(g・cm2/cm)であ
ることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の
脂肪族ポリエステル繊維構造物。 - 【請求項9】脂肪族ポリエステル繊維の混用比率を重量
比で30%以上とすることを特徴とする請求項1〜8の
いずれか1項記載の脂肪族ポリエステル繊維構造物。 - 【請求項10】屈折率が1.30〜1.50、カルボキ
シル基末端濃度[COOH]が0〜20eq/tである
ポリマーからなる脂肪族ポリエステル繊維を少なくとも
一部に用いた繊維構造物を、黒色分散染料により染料濃
度5〜30%owf、染色温度120〜130℃で染色
することを特徴とするポリエステル繊維構造物の製造方
法。 - 【請求項11】脂肪族ポリエステル繊維のカルボキシル
基末端濃度[COOH]が0〜10eq/tであること
を特徴とする請求項10に記載のポリエステル繊維構造
物の製造方法。 - 【請求項12】カルボジイミド化合物、エポキシ化合
物、オキサゾリン化合物の中から選ばれる少なくとも1
種の末端封鎖剤を反応させた脂肪族ポリエステル繊維を
用いることを特徴とする請求項10または11記載の脂
肪族ポリエステル繊維構造物の製造方法。
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