JPH0818791B2 - 建設・荷役作業用機械の旋回警報装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、上部旋回体を有する建設・荷役作業用機械
の旋回警報装置に関する。

従来の技術 従来から油圧ショベルや全旋回式クレーン等の建設・
荷役作業用機械は、上部旋回体を旋回させることによ
り、土砂、つり荷を所望の位置に運搬または位置決めの
作業をしているが、上部旋回体の前方には重量の大きい
作業対象物並びにその取扱い工具を搭載している関係
上、機体の安定性を保つため、上部旋回体後方にはバラ
ンス用のカウンタウエイトを突設しており、また、機体
の全巾は輸送上から一定の制限以内の寸法となってい
る。例えば、第２図に示す図は油圧ショベルの外観側面
図で、28は、上部旋回体27を旋回するベアリングなどを
介して回動自在に支持する下部走行体で、上部旋回体27
の前方にはバケットなどの先端工具を有するフロントア
タッチメント29を装備しこれは土砂の掘削、積込み、運
搬に十分耐えられるだけの頑丈な構造となっており、ま
た後方には、旋回中心Ｏ−Ｏ′からＬなる長さだけ突出
してフロントアタッチメント29とのバランスをとるた
め、カウンタウエイト31が取付けてある。第３図は第２
図のＡ矢視で示す平面図であるが、一般に不特定現場で
稼働する機械では、機体巾Ｗは前述の如く輸送上の制約
から、一定限度の大きさにしてあり、旋回中心Ｏ−Ｏ′
からカウンタウエイト31の後端迄の直線長さをＬとする
と、Ｌ＞W/2の関係となっている。

このような形態の機械の上部旋回体27を旋回させる
と、後端旋回半径Ｒは機体巾Ｗに対し予想外に大きく、
しかも、運転者は運転室30内から前方の作業対象物を凝
視し乍ら操縦するので、カウンタウエイト31の端部を障
害物に接触させ、機体および建造物などを損傷させる以
外に、その近くに危害を与える結果ともなることが往々
にしてあり、その対策として従来から作業現場への一般
の人々の立入禁止は勿論であるが、補助作業員にも、機
械運転中は旋回範囲に立入ることを禁止するステッカを
機体に添付したり、必要に応じ監視員を置くなどして危
険防止に努めていた。あるいはまた建設・荷役作業用機
械のうちには、図示しないが上部旋回体を旋回させる操
作レバーを操作したとき、その操作レバーの動作に応動
して警報を発するようにした旋回警報装置を装備してい
るものがあった。

発明が解決しようとする課題 従来技術の旋回警報装置を装備した建設・荷役作業用
機械として実開昭51−38885号公報にみられるように旋
回用操作レバーを操作すると、上部旋回体が旋回を行う
とともにフラッシャランプ、回転灯、ブザーなどによる
旋回時の警報が発せられる。そしてその旋回時に旋回用
操作レバーを中立位置に戻すと、旋回警報装置の電気回
路が開かれるので、上記警報の発生はすぐに停止してし
まう。ところが慣性力の大きい上部旋回体を旋回急停止
させると運転者の運転感覚を不快にし、また旋回モータ
及び関連部品を破損するので、上部旋回体の旋回を所定
の減速度でもって停止させるようにしている。すなわち
旋回用操作レバーを中立位置に戻したとき旋回用警報の
発生は直ちに停止されるが、上部旋回体は引続いて短時
間だけ旋回作動するので、安全面において万全でなかっ
た。本発明は、上記の課題を解決することを目的とす
る。

課題を解決するための手段 イ．上部旋回体を旋回させる駆動系への動力の断接を指
令する入力指令手段、例えば、旋回用操作レバーが、動
力を断つ状態である中立位置以外の位置に操作される
と、これを検出して操作信号を出力する指令検出手段を
設ける。

ロ．電源により作動し、旋回中であることを周囲に知ら
しめる警報装置を機体上に設けるとともに、該警報装置
へ上記電源を接続する電源回路の中間には、外部信号に
より内部の電気回路を開閉するリレーを設け、 ハ．上記リレーの第１の機能は、前記指令検出手段から
の操作信号の入力がある間は内部の電気回路を閉路し、
第２の機能は、操作信号の入力が停止されてから、上部
旋回体の慣性による旋回が所定の減速度でもって停止に
至るまでの所要時間だけ、引続き内部の電気回路の閉路
を維持し、然る後開路する限時ブレーク接点の特性をそ
れぞれ付与しておく。

作用 上部旋回体を旋回させるべく旋回用操作レバーを中立
位置から右または左旋回方向に操作すると、指令検出手
段から操作信号がリレーに入力され、該リレーの第１の
機能により、電源回路は閉路され、警報装置は電源によ
り作動する。

次に、上部旋回体の旋回中に入力指令手段である旋回
用操作レバーを操作位置から中立位置に戻すと、指令検
出手段からの操作信号は消滅し、リレーの第１の機能は
停止し、内部の電気回路は開路され、上部旋回体は慣性
により、なお、減速しながら旋回を続けようとするので
あるが、このとき、リレーの第２の機能である限時ブレ
ーク接点の特性により、上記上部旋回体の旋回速度が次
第に減速し、停止に至るまで電源回路は閉路されてお
り、その後開路する。

このことにより、上部旋回体の作動開始時点から、旋
回操作レバーの中立復帰操作には関係なく、旋回停止に
至るまで警報装置は作動を続ける。

実施例 この発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。

第１図は、この発明の実施例を示す電気・油圧回路図
である。この図において、１は上部旋回体27を旋回させ
る動力源となる高圧油を発生するメインポンプ、２はメ
インポンプ１と共に原動機で、駆動されるパイロットポ
ンプ、３は旋回モータ４を制御するパイロット圧作動式
の油圧切換弁、５は旋回用のパイロット弁、９及び９′
は旋回モータ４のブレーキ作動を行うチェック弁、10及
び10′はそれぞれチェック弁、12はメインポンプ１から
の圧油を油圧切換弁３の中立位置（Ｃ位置）におけるバ
イパス通路を経て他の油圧切換弁（図示しない）または
直接タンクへ流入するための油路、15はパイロットポン
プ２の吐出側よりパイロット弁５に通じる油路、16は高
圧選択用のシャトル弁、18は電源、19はスイッチ、20は
圧力スイッチ、21はリレー、22はリレー21の限時ブレー
ク接点、Ｂはフラッシュユニット23、フラッシャランプ
24,回転灯25,ブサー26など警報装置である。

次に、本発明の旋回警報装置の構成を第１図について
述べる。上部旋回体用の旋回モータ４に圧油を供給して
正逆転動作を行わしめる油圧切換弁３の２つのパイロッ
ト油室イ、ロにそれぞれ通じるパイロット油路８−６、
８′−６′からシャトル弁16を介し、その何れか高い側
の圧力の取出して圧力スイッチ20に導くとともに、上部
旋回体に設けたフラッシャランプ24、回転灯25、ブザー
26などの警報装置Ｂに、上記圧力スイッチ20、リレー21
を介して電源18を導く電気回路を設け、上記警報装置Ｂ
と圧力スイッチ20との間に接続されているリレー21に限
時ブレーク接点22を設けて構成した。

次に、以上の回路、機器構成からなる本発明の作動に
ついて説明する。先ず、上部旋回体を旋回させて作業す
る場合には、運転開始に先立ちスイッチ19を閉路してお
く。この状態でパイロット弁５の操作レバーを操作して
旋回動作に入ろうとすると、パイロット油路７−８また
７′−８′にパイロット圧が発生し、油圧切換弁３はＣ
位置からＤまたはＥ位置に切換えられ、メインポンプ１
からの圧油は油路11、油圧切換弁３のＤまたはＥ位通
路、油路13または14に通って旋回モータ４に流入する。
それと同時にパイロット油路７−８または７′−８′に
発生しているパイロット圧はパイロット油路６または
６′、シャトル弁16を経て、その何れか高い側のパイロ
ット圧がパイロット油路17へ導出され、圧力スイッチ20
に作用する。圧力スイッチ20の内部電気回路が閉路する
ので、電源18はスイッチ19、圧力スイッチ20を経てリレ
ー21を作動させ、その結果、警報装置Ｂのフラッシャラ
ンプ24、回転灯25、ブザー26などの１個または複数個を
自動的に作動させ、周囲に警告をする。次に、運転者が
旋回停止を行うためにパイロット弁５の操作レバーを中
立位置（Ｃ位置）に戻す。パイロット油路７−８、７′
−８′は何れもパイロット弁５の内部経路を通り、タン
クに連通するのでパイロット圧は発生せず、従ってメイ
ンポンプ１からの圧油は旋回モータ４に供給されること
はなく、上部旋回体は停止しようとするが急停止は行わ
ない。それと同時に、パイロット油路17は、シャトル弁
16、パイロット油路６および７または８を経てタンクに
連通するので、圧力スイッチ20の内部電気回路は開路さ
れる。それによりリレー21の内部電気回路も開かれよう
とするが、そのリレー21の限時ブレーク接点22は所定の
短時間だけ閉路状態を維持する。この短時間の間には、
電源18からの電流がスイッチ19、電路ハ、ニ、リレー21
の限時ブレーク接点22を通じて、警報装置Ｂに供給され
る。したがって旋回停止操作後に上部旋回体が減速しな
がら慣性により動き続けているとき、旋回用の警報が引
続き発せられ、上部旋回体が完全に停止したときに限時
ブレーク接点22が自動的に開いて、旋回用警報の発生も
停止される。すなわち上部旋回体が旋回の動きを完全に
停止するまで旋回用の警報が発せられるので、安全面に
おいて十分な効果を発揮することができる。

なお、本発明の実施例においては警報装置Ｂへの電源
回路の開閉を指示する信号として、油圧切換弁３のパイ
ロット油室に作用するパイロット圧を利用した、圧力ス
イッチ20を作動させるようにしたが、この他に、旋回用
操作レバの操作位置を機械的または電気的に検出し、直
接または間接的にリレー21または限時ブレーク接点22を
作動せしめてもよいことはいうまでもない。

発明の効果 従来技術の旋回警報を装置した建設・荷役作業用機械
では、旋回用操作レバーを操作すると、上部旋回体が旋
回を行うとともにフラッシャランプ、回転灯、ブザーな
どによる旋回時の警報が発せられる。そしてその旋回時
に旋回用操作レバーを中立位置に戻すと、旋回警報装置
の電気回路が開かれるので、上記警報の発生はすぐに停
止してしまう。ところが上部旋回体は減速しながら引続
いて慣性により短時間だけ旋回作動するので、安全面に
おいて万全でなかった。

しかし本発明の旋回警報装置では、上部旋回体の旋回
時に旋回用操作レバーを中立位置に戻すと、上部旋回体
は急停止を行わないがパイロット回路における圧力スイ
ッチの内部電気回路は開路される。それによりリレーの
内部電気回路も開かれようとするが、そのリレーの限時
ブレーク接点は所定の短時間だけ閉路状態を維持する。
この短時間の間には、電源からの電流が上記リレーの限
時ブレーク接点を介して旋回警報装置に供給される。し
たがって旋回停止操作後に上部旋回体が減速しながら慣
性により動き続けているとき、旋回用の警報が引続き発
せられ、上部旋回体が完全に停止したときに限時ブレー
ク接点が自動的に開いて、旋回用警報の発生も停止され
る。すなわち上部旋回体が旋回の動きを完全に停止する
まで旋回用の警報が発せられるので、安全面において十
分な効果を発揮することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す電気・油圧回路図、第２
図は上部旋回体を有する油圧ショベルの側面図、第３図
は第２図のＡ矢視で示す平面図である。 １……メインポンプ ２……パイロットポンプ ３……油圧切換弁 ４……旋回モータ ５……パイロット弁 16……シャトル弁 18……電源 20……圧力スイッチ 21……リレー 22……限時ブレーク接点 23……フラッシャユニット 24……フラッシャランプ 25……回転灯 26……ブザー Ｂ……警報装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】入力指令手段により動力を断接して上部旋
   回体を旋回、停止させる方式の建設・荷役作業用機械に
   おいて、該入力指令手段の操作位置が中立位置以外に操
   作されたことを検出して操作信号を出力する指令検出手
   段と、上部旋回体上に設け電源回路を介して電源により
   作動する警報装置と、上記電源回路の中間に設け前記操
   作信号により内部電気回路を閉路する機能を有し、か
   つ、該操作信号の入力が停止後においても、上部旋回体
   の慣性による旋回が所定の減速度でもって停止に至るま
   での所要時間だけ内蔵の限時ブレーク接点の特性により
   内部電気回路の閉路を維持する機能を備えたリレーと、
   からなることを特徴とする建設・荷役作業用機械の旋回
   警報装置。