JP5201239B2 - 旋回式作業機械 - Google Patents

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Description

本発明は ショベル等の旋回式作業機械に関するものである。
ショベルを例にとって背景技術を説明する。
ショベルは、図3に示すようにクローラ式の下部走行体1上に上部旋回体2が地面に対して鉛直な軸Xまわりに旋回自在に搭載され、この上部旋回体2に掘削アタッチメント3が装着されて構成される。
掘削アタッチメント3は、起伏自在なブーム4と、このブーム4の先端に取付けられたアーム5と、このアーム5の先端に取付けられたバケット6、それにこれらを作動させるブーム、アーム、バケット各シリンダ(油圧シリンダ)7,8,9によって構成される。
上部旋回体2を旋回駆動する従来の旋回管路の構成を図4に示す。
図4において、10は図示しないエンジンによって駆動される油圧源としての油圧ポンプ、11はこの油圧ポンプ10からの圧油により回転して上部旋回体2を旋回駆動する旋回用の油圧モータで、油圧ポンプ10及びタンクTとこの油圧モータ11との間に、旋回操作手段としてのリモコン弁12(12aは操作用のレバーである)によって操作される油圧パイロット式の切換弁であるコントロールバルブ13が設けられている。
リモコン弁12は、中立位置と左右の旋回位置との間で操作され、このリモコン弁12からのパイロット圧によりコントロールバルブ13が図示の中立位置イと左、右両旋回位置ロ,ハとの間で切換わり動作して油圧モータ11に対する圧油の給排、すなわち、旋回の起動を含む加速、速度一定での定常運転、減速、停止の各状態、そして回転方向と回転速度が制御される。
一方、コントロールバルブ13と油圧モータ11とを結ぶモータ両側管路(図左側を左旋回管路、右側を右旋回管路という)14,15間には、一対のリリーフ弁16,17を互いの出口同士が接続された状態で対向配置したリリーフ弁回路18と、一対のチェック弁19,20を互いの入口同士が接続された状態で対向配置したチェック弁回路21とが並列状態で設けられている。
リリーフ弁、チェック弁両回路18,21は連通路22によって接続されるとともに、この連通路22が油吸い上げ用のメークアップライン23によってタンクTに接続されている。24はメークアップライン23に設けられた背圧弁である。
この構成において、リモコン弁12が操作されないとき(レバー12aが中立のとき)はコントロールバルブ13が図示の中立位置イにセットされ、リモコン弁操作時にコントロールバルブ13が中立位置イから図左側の位置(左旋回位置)ロまたは右側の位置(右旋回位置)ハにリモコン弁操作量に応じたストロークで作動する。
コントロールバルブ13の中立位置イでは、両旋回管路14,15がポンプ10に対してブロックされるため、油圧モータ11は回転しない。
この状態から、リモコン弁12が左または右旋回側に操作されてコントロールバルブ13が左旋回位置ロまたは右旋回位置ハに切換えられると、ポンプ10から左旋回管路14または右旋回管路15に圧油が供給される。
これにより、油圧モータ11が左または右に回転して旋回力行、すなわち起動を含む加速または定常運転状態となる。
この場合、油圧モータ11から吐出された油はコントロールバルブ13経由でタンクTに戻る。
また、たとえば右旋回力行中、リモコン弁12が減速操作(中立復帰、または中立側への戻し操作)されると、油圧モータ11への圧油の供給及び油圧モータ11からタンクTへの油の戻りが停止し、または供給油量及び戻り油量が減少する。
ここで、油圧モータ11は上部旋回体2の慣性によって右旋回を続けようとするため、メータアウト側である左旋回管路14に圧力が立ち、これが一定値に達すると図左側のリリーフ弁16が開いて左旋回管路14の油が図6中破線矢印で示すように同リリーフ弁16−連通路22−図右側のチェック弁20を通って右旋回管路(メータイン側管路)15に入り、油圧モータ11に流入する。
これにより、油圧モータ11が慣性回転しながら上記リリーフ作用によるブレーキ力を受けるため、減速し停止する。左旋回からの減速/停止時もこれと同じである。
また、この減速中、旋回管路14または15が負圧傾向になると、メークアップライン23、連通路22、チェック弁回路21のルートで旋回管路14または15にタンク油が吸い上げられてキャビテーションが防止される。
以上の構成はたとえば特許文献1に示されている。
また、特許文献1には、油圧モータ11に電動機を接続し、旋回力行時にこの電動機を駆動して油圧モータ11をアシストする一方、上記減速時に電動機に回生発電を行わせ、ブレーキ作用を助けるとともに発生した回生電力を蓄電器に充電する技術も開示されている。
ところで、図4の回路構成によると、旋回力行時に、油圧モータ11から吐出された油がコントロールバルブ13を通ってタンクTに戻るため、このコントロールバルブ13での絞り作用によってモータ吐出側(メータアウト側)の管路、すなわち、右旋回時には左旋回管路14、左旋回時には右旋回管路15に背圧が立つ。
そして、この背圧によってモータ流入側(メータイン側)の圧力が上昇し、ポンプ圧が高くなってポンプ負荷が増加し、これが大きな動力損失となっていた。
この問題を解決する手段として、図5に示す構成をとることができる。
図5において、図4に示す従来回路と同一部分には同一符号を付して示し、その重複説明を省略する。
両旋回管路14,15とタンクTとの間に左側及び右側両連通弁25,26を設ける。
詳しくは、連通弁25,26は、パイロット圧の供給時にモータ吐出側管路とタンクTとを連通させる連通位置aに、パイロット圧遮断時に連通遮断位置bにそれぞれセットされる油圧パイロット切換弁として構成し、入口側を旋回管路14,15に、出口側を通路27を介してリリーフ弁回路18にそれぞれ接続する。
ここで、リリーフ弁回路18は前記のように連通路22及びメークアップライン23を介してタンクTに接続されているため、連通弁25,26が連通位置aにセットされると両旋回管路14,15がコントロールバルブ13を介さずに直接タンクTに連通する。
また、連通弁25,26を制御する手段として、パイロット油圧源としてのパイロットポンプ28の吐出ライン(パイロットポンプライン)29から連通弁パイロットライン30,31を分岐させ、この連通弁パイロットライン30,31を連通弁25,26のパイロットポート25a,26bに接続するとともに、両連通弁パイロットライン30,31に連通切換弁32,33を設ける。
この連通切換弁32,33は、連通弁25,26にパイロット圧を供給するパイロット圧供給位置aと、パイロット圧の供給を遮断するパイロット圧遮断位置bとの間で切換わる電磁切換弁として構成し、制御手段としてのコントローラ34からの信号が入力されたときにパイロット圧供給位置aにセットされる。
一方、油圧モータ11によって回転駆動される旋回電動機35と、蓄電器36とを設けるとともに、センサとして、リモコン弁12からのパイロット圧を通じてリモコン弁12の操作(中立か左または右旋回操作されたか)を検出する操作検出手段としての圧力センサ37,38と、旋回電動機35の回転速度(旋回速度)を検出する速度検出手段としての速度センサ39とを設け、これらからの信号をコントローラ34に入力する。
コントローラ34は、圧力センサ37,38からの操作信号及び速度センサ39からの速度信号に基づいて旋回力行時(加速時または定常運転時)か、減速時か、停止状態かを判断する。
そして、旋回力行時に、連通切換弁32,33のうち操作された側と反対側のもの(右旋回時には左側連通切換弁32を、左旋回時には右側連通切換弁33.以下、反対側連通切換弁弁という)をパイロット圧供給位置aに切換えて、同切換弁に対応する連通弁(以下、反対側連通弁という)25または26を連通位置aに切換える。
従って、旋回力行時には、油圧モータ11から吐出された油は、コントロールバルブ13を通らずに、一方の連通弁25または26を通るルートでタンクTに直接戻される。
たとえば右旋回時には、図1中に太線書きしかつ実線矢印を付して示すように油圧モータ11、左旋回管路14、左側連通弁25、通路27、連通路22、メークアップライン23のルートでタンクTに戻る。
この旋回力行中、旋回電動機35は油圧モータ11により駆動されて所謂連れ回り回転する。
また、この右旋回からリモコン弁12が減速操作(中立復帰操作、または中立側に戻し操作)されると、油が、連通路22からチェック弁回路21(右側チェック弁20)を通って右旋回管路15に戻る破線矢印のルートで循環する。
このとき、旋回電動機35は、コントローラ34からの回生指令に基づいて発電機(回生)作用を行い、ブレーキ力を発揮させるとともに、発生した回生電力を蓄電器36に送ってこれを充電する。
この回生作用により油圧モータ11にブレーキがかけられ、上部旋回体が減速/停止する。
そして、旋回停止状態で、連通切換弁32,33がパイロット圧遮断位置bに切換えられて両連通弁25,26が連通遮断位置bにセットされる。
この状態で、回路内の油の流れ(=油圧モータ11の回転)が阻止されるため、上部旋回体が停止状態に保持される。
この回路構成をとれば、旋回力行時(加速時または定常運転時)に、油圧モータ11から吐出された油を、コントロールバルブ13を介さずに連通弁25,26によって直接タンクTに戻すため、コントロールバルブ13での絞り作用による背圧を無くすることができる。
すなわち、旋回力行時のメータアウト側に作用する背圧を低減し、これによりメータイン側の圧力を落としてポンプ圧を低下させることができるため、油圧ポンプの動力損失を抑えてエネルギーの無駄を省くことができる。
また、減速時に電動機35に回生作用を行わせて旋回エネルギーを蓄電器電力として回生できるため、エネルギー効率を上げることができる。
ところで、この回路において、リモコン弁12の二次圧を連通弁25,26のパイロット圧源とすることも可能である。
しかし、こうすると、リモコン弁12が中立復帰(旋回停止)操作されるとただちに連通弁25,26が連通遮断位置bに切換わるため、電動機25による回生作用が働かず、省エネ効果が得られなくなる。
この点、上記のようにパイロットポンプ28を連通弁25,26のパイロット圧源とする構成をとることにより、リモコン弁12の停止操作にかかわらず連通弁25,26を連通位置aに保って回生作用を確保し、省エネ効果を得ることができる。
なお、ショベルにおいては、一般に、オペレータ乗降口を遮断機のように開閉する状態でロックレバーが設けられ、降車時にこのロックレバーが開き操作されると、旋回を含む機械の一切の動作が停止するという安全策がとられる。
旋回系では、そのための回路構成として、パイロットポンプライン29とリモコン弁12の一次側とを結ぶリモコン弁一次圧ライン40に、コントローラ34によってパイロット圧供給位置aとタンク連通位置bとの間で切換わる電磁切換式のロック弁41を設け、ロックレバーの開き操作時にこのロック弁41をタンク連通位置bに切換えることにより、リモコン弁12への一次圧の供給をストップして旋回動作を停止させるように構成している。
特開2010−65510号公報
ところが、旋回背圧低減のための図5の回路構成において、連通切換弁32,33がスプールの固着現象によってパイロット圧供給位置aから動かなくなると、旋回停止状態でモータ回路がタンクTに連通するため、上部旋回体を停止保持できなくなり、たとえば傾斜地では自重によって旋回してしまうおそれがある。
一方、特許文献1に記載された公知技術では、旋回減速時の回生効率を高めるためにモータ両側管路とコントロールバルブとの間に、旋回減速時にモータ出口管路を入口管路に短絡させる連通弁を設けており、この連通弁を油圧パイロット切換弁として前記連通切換弁で制御する構成をとった場合にも、連通切換弁の固着現象の発生によって同様の問題が生じる。
そこで本発明は、少なくとも旋回減速時にモータ出口管路をタンクまたは入口管路に連通させる油圧パイロット式の連通弁を設け、この連通弁を連通切換弁で制御する回路構成を前提として、連通切換弁の固着現象が発生した場合にフェールセーフ機能を発揮させ、上部旋回体を停止状態に保持することができる旋回式作業機械を提供するものである。
上記課題を解決する手段として、本発明においては、下部走行体と、この下部走行体上に旋回自在に搭載された上部旋回体と、この上部旋回体の旋回駆動源としての油圧モータと、この油圧モータの圧油供給源としての油圧ポンプと、上記油圧モータに対する旋回の加速、定常運転、減速、停止を指令する旋回操作手段と、この旋回操作手段の操作に基づいて上記油圧モータに対する圧油の給排を制御するコントロールバルブとを備えた旋回式作業機械において、油圧モータの出口側管路を上記コントロールバルブを介さずに直接タンクまたはモータ入口管路に連通させる連通位置とこの連通を遮断する連通遮断位置との間で作動する油圧パイロット式の連通弁を設け、パイロット油圧源からのパイロット圧をこの連通弁のパイロットポートに供給するパイロットラインに、連通弁に対するパイロット圧の供給/遮断を制御する連通切換弁を設けるとともに、この連通切換弁の一次側に切換制御弁を設け、制御手段により、
(i) 少なくとも旋回減速時に、上記パイロット油圧源からのパイロット圧が上記切換制御弁及び連通切換弁を介して上記連通弁のパイロットポートに供給されて連通弁が上記連通位置となり、旋回停止状態で連通弁が上記連通遮断位置となるように上記切換制御弁及び連通切換弁を制御し、
(ii) 旋回停止状態で上記連通切換弁へのパイロット圧の供給が遮断されるように上記切換制御弁を制御する
ように構成したものである。
この構成によれば、旋回停止状態で連通切換弁へのパイロット圧の供給が遮断されるため、連通切換弁がスプールの固着現象によってパイロット圧供給位置から動かなくなる事態が発生しても、連通弁に対するパイロット圧の供給がストップし、連通弁が連通遮断位置に確保されるため、油圧モータが回転するおそれがなくなる。
すなわち、連通切換弁の固着が発生した場合にフェールセーフ機能が発揮され、上部旋回体を停止状態に確実に保持して安全性を高めることができる。
この場合、上記旋回操作手段としてリモコン弁、上記コントロールバルブとして上記リモコン弁によって操作される油圧パイロット式の切換弁をそれぞれ用いる一方、機械の乗降口を開閉するロックレバーと、電磁切換式のロック弁とを備え、このロック弁は、上記ロックレバーの開き操作時に非励磁状態となって上記リモコン弁へのパイロット一次圧の供給を遮断するように構成された旋回式作業機械において、上記ロック弁を上記切換制御弁として上記連通切換弁の一次側に設けるのが望ましい(請求項2)。
あるいは、上部旋回体を停止状態に保持する旋回パーキングブレーキと、この旋回パーキングブレーキのブレーキ作動/ブレーキ解除を制御するブレーキ制御弁とを備え、このブレーキ制御弁は、旋回停止状態で励磁されて上記旋回パーキングブレーキをブレーキ作動させるように構成された旋回式作業機械において、上記ブレーキ制御弁を上記切換制御弁として上記連通切換弁の一次側に設けるのが望ましい(請求項3)。
これらの構成によれば、旋回/旋回停止に応じて切換わり作動する既存の電磁切換弁(ロック弁またはブレーキ制御弁)を切換制御弁として利用するため、専用の切換制御弁を別途追加する場合と比べて回路構成を簡略化し、設備コストを安くすることができる。
また、旋回停止状態で非励磁となるロック弁を切換制御弁として用いる請求項2の構成によると、ロック弁にソレノイドの断線等の作動障害が発生した場合でも、フェールセーフ機能を確保できるため、より安全となる。
本発明によると、少なくとも旋回減速時にモータ出口管路をタンクまたは入口管路に連通させる油圧パイロット式の連通弁を設け、この連通弁を連通切換弁で制御する回路構成を前提として、連通切換弁の固着現象が発生した場合にフェールセーフ機能を発揮させ、上部旋回体を停止状態に保持して安全性を確保することができる。
本発明の第1実施形態を示す旋回回路の回路構成図である。 本発明の第2実施形態を示す旋回回路の回路構成図である。 ショベルの概略側面図である。 従来の旋回回路の回路構成図である。 連通弁と連通切換弁を設けた旋回回路の回路構成図である。
実施形態は、背景技術の説明に合わせてショベルを適用対象としている。
以下の第1、第2両実施形態は、旋回背圧低減のために連通弁25,26を設け、この連通弁25,26にパイロット圧を供給する連通弁パイロットライン30,31に連通切換弁32,33を設ける図5の回路構成を前提として、連通切換弁32,33の一次側に切換制御弁を設け、旋回停止状態で、この切換制御弁により連通切換弁32,33へのパイロット圧の供給を遮断する構成をとっている。
両実施形態において、図5の回路と同一部分には同一符号を付して示し、その重複説明を省略する。
第1実施形態(図1参照)
第1実施形態においては、機械の乗降口を開閉する図示しないロックレバーと、電磁切換式のロック弁41とを備え、このロック弁41をリモコン弁一次圧ライン40に設けたショベルにおいて、ロック弁41を切換制御弁として連通切換弁32,33の一次側に設けている。
詳述すると、ロック弁41は、前記のようにコントローラ34からの信号によってパイロット圧供給位置aとタンク連通位置bとの間で切換わる電磁切換弁として構成され、旋回停止状態でオペレータが降車するためにロックレバーを開き操作したときに、同レバーの操作を検出する検出手段(リミッタスイッチやマイクロスイッチ等の接触型スイッチ、または光電スイッチ等の非接触型スイッチ。図示省略)からの信号に基づくコントローラ34の制御によって非励磁となり、パイロット圧供給位置aから図示のタンク連通位置bに切換わる。
これにより、リモコン弁12へのパイロット一次圧の供給が遮断されてリモコン弁12の操作が無効となり、コントロールバルブ13が作動不能(旋回不能)となる。
第1実施形態では、リモコン弁一次圧ライン40におけるこのロック弁41の二次側に連通弁パイロットライン30,31を並列に分岐接続し、同ライン30,31に連通切換弁32,33を設けている。
いいかえれば、ロック弁41の二次側を連通切換弁32,33の一次側に接続し、ロック弁41がタンク連通位置bに切換わった状態(旋回停止状態)では、連通切換弁32,33にパイロット圧が供給されないように構成している。
この構成によると、連通切換弁32,33がスプールの固着現象によってパイロット圧供給位置aから動かなくなる事態が発生しても、旋回停止状態では、ロック弁41によってパイロット圧の供給がストップする。
従って、連通弁25,26が連通遮断位置bに確保されるため、油圧モータ11が回転するおそれがなくなる。
第2実施形態(図2参照)
第2実施形態においては、上部旋回体を停止状態に保持する旋回パーキングブレーキ43と、この旋回パーキングブレーキ43のブレーキ作動/ブレーキ解除を制御するブレーキ制御弁と44とを備え、このブレーキ制御弁44を、パイロットポンプライン29と旋回パーキングブレーキ43とを結ぶブレーキ管路45に設けたショベルにおいて、ブレーキ制御弁44を、切換制御弁として連通切換弁32,33の一次側に設けている。
旋回パーキングブレーキ43は、油圧が導入されない状態でバネ力によってブレーキ作動を行い、油圧導入時にブレーキ力が解除されるネガティブブレーキとして構成されている。
ブレーキ制御弁44は、圧力センサ37,38からの信号に基づくコントローラ42の制御によってパイロット圧供給位置aとタンク連通位置bとの間で切換わる電磁切換弁として構成されている。
具体的には、リモコン弁12の旋回操作中(旋回停止操作されてから数秒の間を含む)は非励磁となってパイロット圧供給位置aにセットされ、旋回停止状態で励磁されてタンク連通位置bに切換わる。
第2実施形態では、ブレーキ管路45におけるこのブレーキ制御弁44の二次側に連通弁パイロットライン30,31を並列に接続し、同ライン30,31に連通切換弁32,33を設けている。
いいかえれば、ブレーキ制御弁44の二次側を連通切換弁32,33の一次側に接続し、ブレーキ制御弁44がタンク連通位置bに切換わった状態(旋回停止状態)では連通切換弁32,33にパイロット圧が供給されないように構成している。
この構成によっても、連通切換弁32,33がスプールの固着現象によってパイロット圧供給位置aから動かなくなる事態が発生しても、旋回停止状態では、ブレーキ制御弁44によってパイロット圧の供給がストップして連通弁25,26が連通遮断位置bに確保されるため、第1実施形態と同様に油圧モータ11が回転するおそれがなくなる。
このように、第1、第2両実施形態によると、連通切換弁32,33の固着が発生した場合にフェールセーフ機能が発揮され、上部旋回体を停止状態に確実に保持して安全性を高めることができる。
また、両実施形態の構成によれば、旋回/旋回停止に応じて切換わり作動する既存の電磁切換弁(ロック弁41またはブレーキ制御弁44)を切換制御弁として利用するため、専用の切換制御弁を別途追加する場合と比べて回路構成を簡略化し、設備コストを安くすることができる。
また、第1実施形態によると、第2実施形態のブレーキ制御弁44とは逆に、旋回停止状態で非励磁となるロック弁41を切換制御弁として用いるため、ロック弁41にソレノイドの断線等の作動障害が発生した場合でも、フェールセーフ機能を確保することができるできる。このため、より安全となる。
他の実施形態
(1) 上記両実施形態では、切換制御弁としてロック弁41またはブレーキ制御弁44を利用する構成をとったが、他に、旋回停止状態でパイロット圧遮断位置となる既存の電磁切換弁があればこれを切換制御弁として利用する構成をとってもよい。
(2) 本発明においては、回路構成の簡略化及びコスト低減の点で上記両実施形態のように既存の電磁切換弁を切換制御弁として利用する構成をとるのが望ましいが、専用の切換制御弁を追加してもよい。
(3) 上記両実施形態では左右の旋回管路14,15ごとに連通弁25,26を設けたが、両旋回管路14,15に共用される三位置切換式の一つの連通弁を用い、この連通弁を、第1または第2実施形態と同様に連通切換弁及び切換制御弁によって連通遮断位置(中立位置)と左右の連通位置との間で切換制御する構成をとってもよい。
(4) 上記実施形態では、旋回力行時には、起動時を含む加速時か定常運転時かを問わず反対側連通弁を開く構成を前提としたが、起動を含む加速時と定常運転時とをリモコン弁12の操作等によって区別し、いずれか一方のみについて反対側連通弁を開く構成をとってもよい。
(5) 上記実施形態では、連通弁として、モータ出口側管路をタンクTに連通させる連通位置aとこの連通を遮断する連通遮断位置bとの間で切換わる連通弁25,26をモータ両側管路14,15とタンクTとの間に設けたが、本発明は、特許文献1に記載された短絡切換弁と同様に、モータ両側管路を短絡させる連通位置と、両側管路をコントロールバルブに接続する連通遮断位置との間で切換わる連通弁をモータ両側管路とコントロールバルブとの間に設け、旋回減速時にこの連通弁によりモータ出口管路を入口管路に連通させる回路構成をとる場合にも上記同様に適用することができる。
(6) 本発明はショベルに限らず、ショベルを母体として構成される解体機や破砕機等の他の旋回式作業機械にも上記同様に適用することができる。
1 下部走行体
2 上部旋回体
10 油圧ポンプ
11 油圧モータ
12 リモコン弁(旋回操作手段)
13 コントロールバルブ
14 左旋回管路
15 右旋回管路
25,26 連通弁
25a,26a 連通弁のパイロットポート
28 油圧源としてのパイロットポンプ
29 パイロットポンプライン
30,31 連通弁パイロットライン
32,33 連通切換弁
37,38 圧力センサ
39 速度センサ
40 リモコン弁一次圧ライン
41 切換制御弁を兼ねるロック弁
42 制御手段としてのコントローラ
43 旋回パーキングブレーキ
44 切換制御弁を兼ねるブレーキ制御弁
45 ブレーキ管路

Claims (3)

  1. 下部走行体と、この下部走行体上に旋回自在に搭載された上部旋回体と、この上部旋回体の旋回駆動源としての油圧モータと、この油圧モータの圧油供給源としての油圧ポンプと、上記油圧モータに対する旋回の加速、定常運転、減速、停止を指令する旋回操作手段と、この旋回操作手段の操作に基づいて上記油圧モータに対する圧油の給排を制御するコントロールバルブとを備えた旋回式作業機械において、油圧モータの出口側管路を上記コントロールバルブを介さずに直接タンクまたはモータ入口管路に連通させる連通位置とこの連通を遮断する連通遮断位置との間で作動する油圧パイロット式の連通弁を設け、パイロット油圧源からのパイロット圧をこの連通弁のパイロットポートに供給するパイロットラインに、連通弁に対するパイロット圧の供給/遮断を制御する連通切換弁を設けるとともに、この連通切換弁の一次側に切換制御弁を設け、制御手段により、
    (i) 少なくとも旋回減速時に、上記パイロット油圧源からのパイロット圧が上記切換制御弁及び連通切換弁を介して上記連通弁のパイロットポートに供給されて連通弁が上記連通位置となり、旋回停止状態で連通弁が上記連通遮断位置となるように上記切換制御弁及び連通切換弁を制御し、
    (ii) 旋回停止状態で上記連通切換弁へのパイロット圧の供給が遮断されるように上記切換制御弁を制御する
    ように構成したことを特徴とする旋回式作業機械。
  2. 上記旋回操作手段としてリモコン弁、上記コントロールバルブとして上記リモコン弁によって操作される油圧パイロット式の切換弁をそれぞれ用いる一方、機械の乗降口を開閉するロックレバーと、電磁切換式のロック弁とを備え、このロック弁は、上記ロックレバーの開き操作時に非励磁状態となって上記リモコン弁へのパイロット一次圧の供給を遮断するように構成された旋回式作業機械において、上記ロック弁を上記切換制御弁として上記連通切換弁の一次側に設けたことを特徴とする請求項1記載の旋回式作業機械。
  3. 上部旋回体を停止状態に保持する旋回パーキングブレーキと、この旋回パーキングブレーキのブレーキ作動/ブレーキ解除を制御するブレーキ制御弁とを備え、このブレーキ制御弁は、旋回停止状態で励磁されて上記旋回パーキングブレーキをブレーキ作動させるように構成された旋回式作業機械において、上記ブレーキ制御弁を上記切換制御弁として上記連通切換弁の一次側に設けたことを特徴とする請求項1記載の旋回式作業機械。
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