WO2012150652A1

WO2012150652A1 - 旋回式作業機械

Info

Publication number: WO2012150652A1
Application number: PCT/JP2012/002723
Authority: WO
Inventors: 耕治山下; 浩司上田; 昌之小見山; 洋一郎山▼崎▲; 佑介上村
Original assignee: コベルコ建機株式会社
Priority date: 2011-05-02
Filing date: 2012-04-19
Publication date: 2012-11-08
Also published as: EP2706151A4; US8752373B2; EP2706151B1; CN103547741A; US20140007565A1; EP2706151A1; CN103547741B

Abstract

　エネルギー回収効率が高くかつ安全な旋回式作業機械が提供される。この旋回式作業機械は、下部走行体と、上部旋回体と、上部旋回体を旋回駆動する油圧モータ１１と、油圧ポンプ１０と、旋回操作装置１２と、その操作信号に基づいて油圧モータ１１を制御するコントロールバルブ１３と、油圧モータ１１とコントロールバルブ１３とをつなぐ管路１４，１５と、パイロット油圧源２８と、パイロット圧によって管路１４，１５とタンクＴとの間の連通及び遮断の切換が可能な連通弁２５，２６と、電動機２９と、蓄電器３０と、連通弁２５，２６の一次側に設けられる連通切換弁３２，３３と、その一次側に設けられる切換制御弁４１と、コントローラ２７と、を備える。コントローラ２７は、旋回減速時に切換制御弁４１を接続位置に切換えかつ連通切換弁３２，３３をパイロット圧供給位置に切換える指令を行い、旋回停止状態では、連通切換弁３２，３３を遮断位置に切換える指令及び連通弁２５，２６を連通遮断位置に切換える指令を行う。

Description

旋回式作業機械

　本発明は、ショベル等の旋回式作業機械に関するものである。

　本発明の背景技術を、ショベルを例にとって説明する。

　一般的なショベルは、例えば図３に示すように、クローラ式の下部走行体１と、その上に地面に対して鉛直な軸Ｘまわりに旋回自在に搭載される上部旋回体２と、この上部旋回体２に装着される掘削アタッチメント３と、を備える。掘削アタッチメント３は、起伏自在なブーム４と、このブーム４の先端に取付けられたアーム５と、このアーム５の先端に取付けられたバケット６と、前記ブーム４、アーム５及びバケット６をそれぞれ動かすためのシリンダ（油圧シリンダ）であるブームシリンダ７、アームシリンダ８及びバケットシリンダ９と、を有する。

　図４は、前記上部旋回体２を旋回駆動するための従来の油圧回路の例を示す。この回路は、図示しないエンジンによって駆動される油圧源としての油圧ポンプ１０と、この油圧ポンプ１０から供給される油圧により回転して上部旋回体２を旋回駆動する旋回用の油圧モータ１１と、その旋回駆動の指令を入力するために操作されるレバー１２ａを含む、旋回操作装置としてのリモコン弁１２と、油圧ポンプ１０及びタンクＴと油圧モータ１１との間に設けられ、前記リモコン弁１２により操作されることが可能な油圧パイロット式の切換弁であるコントロールバルブ１３と、を含む。

　前記リモコン弁１２のレバー１２ａは、中立位置と左右の旋回位置との間で操作され、リモコン弁１２はその操作方向に対応するポートから操作量に対応した大きさのパイロット圧を出力する。このパイロット圧によりコントロールバルブ１３が図示の中立位置１３ａから左旋回位置１３ｂまたは右旋回位置１３ｃに切換えられ、これにより、油圧モータ１１への作動油の供給方向及び油圧モータ１１からの左右の吐出方向と、その作動油の流量とが制御される。換言すれば、旋回状態の切換、すなわち（起動を含む）加速、速度一定での定常運転、減速、停止の各状態への切換と、旋回方向および旋回速度の制御と、が行われる。

　前記コントロールバルブ１３と油圧モータ１１の左右のポートとはそれぞれ左旋回管路１４および右旋回管路１５を介して接続され、両旋回管路１４，１５同士の間に、リリーフ弁回路１８と、チェック弁回路２１と、連通路２２と、が設けられている。リリーフ弁回路１８は両旋回管路１４，１５同士を接続するように設けられ、このリリーフ弁回路１８に一対のリリーフ弁１６，１７がその出口同士が互いに対向し且つ接続されるように配置されている。チェック弁回路２１は、前記リリーフ弁回路１８よりも前記油圧モータ１１に近い位置で両旋回管路１４，１５同士を接続するように設けられ、このチェック弁回路２１に一対のチェック弁１９，２０がその入口同士が互いに対向しかつ接続されるように配置されている。連通路２２は、前記リリーフ弁回路１８のうち両リリーフ弁１６，１７同士の間に位置する部位と、前記チェック弁回路２１のうち両チェック弁１９，２０同士の間に位置する部位とを接続する。この連通路２２は、作動油を吸い上げるためのメイクアップライン２３を介してタンクＴに接続され、メイクアップライン２３には背圧弁２４が設けられている。

　この回路において、リモコン弁１２が操作されないとき、すなわちそのレバー１２ａが中立位置にあるとき、は、コントロールバルブ１３が前記中立位置１３ａに保持され、リモコン弁１２のレバー１２ａが前記中立位置から左または右に操作されたときはその操作方向に応じてコントロールバルブ１３が前記中立位置１３ａから左旋回位置１３ｂまたは右旋回１３ｃへ前記レバー１２ａの操作量に応じたストロークで作動する。

　コントロールバルブ１３は、前記中立位置１３ａでは、両旋回管路１４，１５をポンプ１０に対してブロックすることにより、油圧モータ１１の回転を阻止する一方、左旋回位置１３ｂまたは右旋回位置１３ｃに切換えられると、ポンプ１０から左旋回管路１４または右旋回管路１５への作動油の供給を許容し、これにより、油圧モータ１１を同モータ１１が左または右に回転して上部旋回体２を旋回させる旋回駆動状態にする。この旋回駆動状態は、起動を含む加速回転状態も、回転速度が一定である定常運転状態も、含む。一方、油圧モータ１１から吐出された油はコントロールバルブ１３経由でタンクＴに戻る。

　次に、旋回の減速について説明する。たとえば右旋回駆動中、リモコン弁１２が減速操作、具体的にはレバー１２ａを中立位置に戻す操作または中立位置側に戻す方向への操作が行われると、コントロールバルブ１３が中立位置１３ａに戻る側に作動して油圧モータ１１への作動油の供給及び油圧モータ１１からタンクＴへの作動油の戻りを停止させ、またはその供給流量及び戻り流量を減らす。しかし、油圧モータ１１は上部旋回体２の慣性によって右旋回方向の回転を続けるため、メータアウト側である左旋回管路１４に圧力が立つ。この圧力が一定値に達すると図左側のリリーフ弁１６が開き、左旋回管路１４の作動油が図４中破線矢印で示すように同リリーフ弁１６、連通路２２、図右側のチェック弁２０及び右旋回管路１５を通じて油圧モータ１１に流入することを許容する。このことは、前記慣性により回転を続ける油圧モータ１１に前記リリーフ１６の作用によるブレーキ力を与え、これにより当該油圧モータ１１を減速させ、停止させる。左旋回からの減速／停止時もこれと同じである。一方、当該減速中に旋回管路１４または１５が負圧傾向になると、タンクＴ内の作動油がメイクアップライン２３、連通路２２及びチェック弁回路２１を通じて旋回管路１４または１５に吸い上げられ、これによりキャビテーションが防止される。

　特開２０１０－６５５１０号公報（特許文献１）は、前記図４に示すような回路を備えたショベルにおいて、さらに、前記油圧モータ１１に接続される旋回電動機と、左右両管路１４，１５同士を短絡する短絡位置と遮断する遮断位置とに切換可能な短絡切換弁と、蓄電器と、前記旋回の減速時に前記短絡切換弁を短絡位置に切換えてモータ吐出油をモータ入口側に戻すとともに前記旋回電動機に発電機作用を行わせるコントローラと、を備え、前記蓄電気が前記発電機作用によって生成された回生電力を蓄えるものを開示する。この技術では、前記短絡切換弁が旋回減速時にモータ出口側に作用する背圧を低くして油圧モータの連れ回り負荷を低減し、これによって慣性運動エネルギーの回収（すなわち回生）の効率を高めることができる。

　ところで、前記特許文献１に記載された公知技術では、前記短絡切換弁として電磁切換弁が用いられているが、例えば流量が比較的大きい場合や、切換時の衝撃の緩和が求められる場合には、電磁切換弁ではなく油圧パイロット切換弁を用いて前記モータ負荷の低減を行うことが要請される場合がある。この場合、当該油圧パイロット切換弁の切換を電気的に行うためには、当該油圧パイロット切換弁のパイロットポートとパイロット油圧源との間に別の電磁切換弁からなる連通切換弁が介設され、この連通切換弁の開閉によって前記油圧パイロット切換弁へのパイロット圧の入力のオンオフが行われることになる。

　しかし、この場合、前記連通切換弁のスプールが固着する等の現象によって当該連通切換弁がパイロット圧供給位置から動かなくなるような作動不良が発生すると、旋回が停止しても油圧パイロット切換弁にパイロット圧が供給される状態が続いてしまう。従って、例えば前記短絡切換弁が前記油圧パイロット切換弁で構成された場合、この短絡切換弁が両管路を短絡した状態が維持されるために、油圧モータ及びこれに接続される上部旋回体の回転を阻止することができなくなり、たとえば傾斜地では自重によって当該上部旋回体が旋回してしまうおそれがある。

特開２０１０－６５５１０号公報

　本発明の目的は、油圧パイロット切換弁及びこれに対するパイロット圧の供給切換のための連通切換弁を用いて少なくとも旋回減速時におけるモータ負荷を軽減してエネルギー回収効率を高めることができ、かつ、前記連通切換弁にそのスプールの固着などに起因する作動不良が発生した場合にも上部旋回体を停止状態に保持することが可能な旋回式作業機械を提供することである。本発明により提供される旋回式作業機械は、下部走行体と、この下部走行体上に旋回自在に搭載された上部旋回体と、第１及び第２ポートを有してその一方のポートから作動油の供給を受けて他方のポートから作動油を吐出し、これにより上部旋回体を旋回駆動するように作動する油圧モータと、この油圧モータに供給される作動油を吐出する油圧ポンプと、前記油圧モータの第１ポートと前記コントロールバルブとをつなぐ第１管路と、前記油圧モータの第２ポートと前記コントロールバルブとをつなぐ第２管路と、前記旋回駆動についての指令を入力するために操作される操作部材を含み、この操作部材の操作に対応した操作信号を出力する旋回操作装置と、この旋回操作装置の操作信号に基づいて前記油圧モータへの作動油の供給及び前記油圧モータからの作動油の吐出を制御するように作動し、かつ、操作信号がないときは前記第１及び第２管路をともに前記油圧ポンプ及びタンクから遮断する中立位置に保持されるコントロールバルブと、パイロットポートを有する油圧パイロット切換弁からなり、当該パイロットポートにパイロット圧が供給されたときは前記第１及び第２管路のうち前記油圧モータの出口側の管路である出口側管路に該当する管路を前記コントロールバルブを介さずに直接タンクに連通しまたは前記モータの入口側の管路である入口側管路に連通する連通位置に切換えられ、前記パイロットポートに前記パイロット圧が供給されないときは前記連通を遮断する連通遮断位置に保持される連通弁と、前記連通弁に供給されるべきパイロット圧を生成するパイロット油圧源と、このパイロット油圧源からのパイロット圧を前記連通弁のパイロットポートに供給するためのパイロットラインに設けられ、前記連通弁へのパイロット圧の供給を許容する供給位置と遮断する位置とに切換えられる連通切換弁と、この連通切換弁の一次側に設けられ、前記パイロット油圧源と前記連通切換弁とを接続する接続位置と遮断する遮断位置とに切換えられる切換制御弁と、前記連通切換弁及び前記切換制御弁に対してこれらの位置を切換えるための指令を行うコントローラと、を備え、このコントローラは、少なくとも旋回減速時に前記切換制御弁を接続位置に切換えかつ前記連通切換弁を供給位置に切換える指令を行うことにより前記連通弁のパイロットポートへのパイロット圧の供給を許容して前記連通弁を前記連通位置とし、旋回停止状態では、前記連通切換弁を前記遮断位置に切換える指令を行い、かつ、当該連通切換弁の実際の位置にかかわらず前記連通弁が前記連通遮断位置となるように前記切換制御弁を前記遮断位置に切換える指令を行う。

本発明の第１実施形態に係る油圧回路を示す図である。本発明の第２実施形態に係る油圧回路を示す図である。一般的なショベルを示す側面図である。従来の作業機械に搭載される油圧回路の例を示す図である。本発明に対する比較例についての油圧回路を示す図である。

　本発明の実施形態を説明する。この実施形態は、前記の背景技術と同じく、図３に示すショベルを適用対象としている。

　図１は、本発明の第１実施形態に係る油圧回路を示す。この回路は、図示しないエンジンによって駆動される油圧源としての油圧ポンプ１０と、この油圧ポンプ１０から吐出された作動油の供給により回転して上部旋回体２を旋回駆動する旋回用の油圧モータ１１と、その旋回駆動の指令を入力するために操作されるレバー１２ａを含む、旋回操作装置としてのリモコン弁１２と、油圧ポンプ１０及びタンクＴと油圧モータ１１との間に設けられ、前記リモコン弁１２により操作されることが可能な油圧パイロット式の切換弁であるコントロールバルブ１３と、を含む。

　前記油圧モータ１１は、それぞれ第１ポート及び第２ポートである左ポート１１ａ及び右ポート１１ｂを有し、左ポート１１ａから作動油が供給されるときはこれを右ポート１１ｂから吐出して図３に示す上部旋回体２を左旋回させ、逆に右ポート１１ｂから作動油が供給されるときはこれを左ポート１１ａから吐出して前記上部旋回体２を右旋回させる。

　この回路は、それぞれ第１管路及び第２管路である左旋回管路１４及び右旋回管路１５と、リリーフ弁回路１８と、チェック弁回路２１と、連通路２２と、メイクアップライン２３と、を含む。

　左旋回管路１４は前記コントロールバルブ１３と油圧モータ１１の左ポート１１ａとを接続し、右旋回管路１５は前記コントロールバルブ１３と前記油圧モータ１１の右ポート１１ｂとを接続する。前記コントロールバルブ１３は、前記中立位置１３ａでは左右両管路１４，１５を油圧ポンプ１０及びタンクＴから遮断して作動油の流れを止め、前記左旋回位置１３ｂでは左旋回管路１４に油圧ポンプ１０を接続して右旋回管路１５をタンクに連通し、前記右旋回位置１３ｃでは右旋回管路１５に油圧ポンプ１０を接続して左旋回管路１４をタンクに連通する。

　前記リリーフ弁回路１８、チェック弁回路２１、及び連通路２２は、両旋回管路１４，１５同士の間に設けられている。

　前記リリーフ弁回路１８は、両旋回管路１４，１５同士を接続するように設けられる。このリリーフ弁回路１８は、一対のリリーフ弁１６，１７を含み、これらのリリーフ弁１６，１７がその出口同士が互いに対向し且つ接続されるように配置されている。

　前記チェック弁回路２１は、前記リリーフ弁回路１８よりも前記油圧モータ１１に近い位置で両旋回管路１４，１５同士を接続するように前記リリーフ弁回路１８と並列に設けられる。このチェック弁回路２１は、一対のチェック弁１９，２０を含み、これらのチェック弁１９，２０がその入口同士が互いに対向しかつ接続されるように配置されている。

　前記連通路２２は、前記リリーフ弁回路１８のうち両リリーフ弁１６，１７同士の間に位置する部位と、前記チェック弁回路２１のうち両チェック弁１９，２０同士の間に位置する部位とを接続する。前記メイクアップライン２３は、作動油を吸い上げるために前記連通路２２をタンクＴに接続する。このメイクアップライン２３には背圧弁２４が設けられている。

　さらに、この第１実施形態に係る回路は、第１連通弁及び第２連通弁である左連通弁２５及び右連通弁２６と、パイロットポンプ２８と、左右連通弁２５，２６についてそれぞれ設けられた第１連通切換弁及び第２連通切換弁である左連通切換弁３２及び右連通切換弁３３と、油圧モータ１１により回転駆動されることが可能な旋回電動機３５と、蓄電器３６と、操作検出器である圧力センサ３７，３８と、速度検出器である速度センサ３９と、ロック弁４１と、コントローラ４２と、を備える。

　前記各連通弁２５，２６は、それぞれパイロットポート２５ａ，２６ａを有する油圧パイロット切換弁により構成され、そのパイロットポートにパイロット圧が供給されたときには前記両管路１４，１５のうち当該連通弁が対応する管路とタンクＴとを連通する連通位置ａに切換わり、パイロットポートにパイロット圧が供給されないときには前記管路と前記タンクＴとを遮断する連通遮断位置ｂに切換わる。各連通弁２５，２６は、前記旋回管路１４，１５にそれぞれ接続される入口側ポートと、通路２７を介してリリーフ弁回路１８のうち両リリーフ弁１６，１７同士の間の部位にそれぞれ接続される出口側ポートと、を有する。このリリーフ弁回路１８の部位は、前記のように連通路２２及びメイクアップライン２３を介してタンクＴに接続されているため、各連通弁２５，２６は開き位置ａにセットされると各旋回管路１４，１５をそれぞれコントロールバルブ１３を介さずに直接タンクＴに連通する。

　パイロットポンプ２８は、前記各連通弁２５，２６に供給されるべきパイロット圧を生成するパイロット圧油圧源であるとともに、この実施形態では前記リモコン弁１２へのパイロット一次圧を供給する油圧源としても用いられる。すなわち、このパイロットポンプ２８により生成されたパイロット圧はパイロットラインを通じて各連通弁２５，２６に供給されるとともにリモコン弁１２にそのパイロット一次圧として供給されることが可能である。具体的に、前記パイロットラインは、前記パイロットポンプ２８の吐出側に接続される吐出ラインであるパイロットポンプライン（パイロット油圧源ライン）２９と、このパイロットポンプライン２９から互いに並列に分岐する第１連通弁パイロットライン３０、第２連通弁パイロットライン３１及びリモコン弁一次圧ライン４０とを有し、前記第１及び第２連通弁パイロットライン３０，３１が前記左右連通弁２５，２６のパイロットポート２５ａ，２６ａにそれぞれ接続され、前記リモコン弁一次圧ライン４０が前記リモコン弁１２の一次側に接続されている。

　前記左右連通切換弁３２，３３は、前記連通弁２５，２６に対するパイロット圧の供給の切換を行うためのもの、すなわち、両連通切換弁３２，３３の切換制御を行うためのもので、それぞれ前記第１及び第２連通弁パイロットライン３０，３１の途中に設けられる。各連通切換弁３２，３３は、それぞれ、前記パイロットポンプ２８から連通弁２５，２６へのパイロット圧の供給を許容するパイロット圧供給位置ａと、当該パイロット圧の供給を遮断するパイロット圧遮断位置ｂと、を有し、後述のようにコントローラ４２から出力される切換指令信号が入力されたときにのみ前記パイロット圧供給位置ａにセットされる。

　前記各圧力センサ３７，３８は、前記リモコン弁１２から出力されるパイロット圧を通じてリモコン弁１２の操作を検出する。すなわち、そのレバー１２ａが中立位置にあるかあるいは左または右旋回操作されているか、を検出する。具体的には、前記リモコン弁１２から出力される各パイロット圧に対応した操作信号を出力する。前記速度センサ３９は、前記旋回電動機３５の回転速度、すなわち上部旋回体２の旋回速度に対応する速度、を検出して旋回速度検出信号を出力する。

　前記コントローラ４２は、前記圧力センサ３７，３８から入力される操作検出信号と、前記速度センサ３９から入力される旋回速度検出信号と、に基づいて、上部旋回体２について旋回駆動時（起動時を含む加速時または定常運転時）か、減速時か、あるいは停止状態かを判断し、旋回駆動時と判断したときは、前記両連通弁２５，２６のうち操作された側と反対側のもの、すなわち、両旋回管路１４，１５のうち油圧モータ１１の出口側の管路である出口側管路に相当する管路につながる連通弁（右旋回時では左旋回管路１４につながる左連通弁２５、左旋回時では右旋回管路１５につながる右連通弁２６：以下、「出口側連通弁」という）のみを連通位置ａに切換える指令を行う。具体的には、その出口側連通弁に対応する連通切換弁（右旋回時では左連通弁２５に対応する左連通切換弁３２、左旋回時では右連通弁２６に対応する右連通弁３３：以下「出口側連通切換弁」という）にのみ切換指令信号（当該出口側連通切換弁のソレノイドを励磁する駆動信号）を出力してこれをパイロット圧供給位置ａに切換える。

　従って、旋回駆動時に油圧モータ１１から左旋回管路１４または右旋回管路１５に吐出された作動油は、コントロールバルブ１３を通らずに、その出口側管路につながる連通弁２５または２６を通じてタンクＴに直接戻される。たとえば右旋回時には、油圧モータ１１から吐出された作動油は左旋回管路１４、左側連通弁２５、通路２７、連通路２２、及びメイクアップライン２３を順に通ってタンクＴに戻る。この旋回駆動中、旋回電動機３５は油圧モータ１１に所謂連れ回りするように回転する。換言すれば、当該油圧モータ１１により駆動される。

　例えば前記の右旋回状態からリモコン弁１２のレバー１２ａが減速方向に操作されると、すなわち中立位置に復帰するように、または中立位置に近づく向きに操作されると、前記作動油は、前記連通路２２からチェック弁回路２１の右側チェック弁２０を通って右旋回管路１５に戻るように循環する。このとき、旋回電動機３５は、コントローラ４２からの回生指令に基づいて発電機（回生）作用を行い、油圧モータ１１の回転に対してブレーキ力を発揮するとともに、発生した回生電力を蓄電器３６に送って充電させる。この回生作用により油圧モータ１１の回転にブレーキがかけられ、上部旋回体２が減速／停止する。そして、旋回停止状態でコントローラ４２は両連通切換弁３２，３３をともにパイロット圧遮断位置ｂにして両連通弁２５，２６を連通遮断位置ｂにセットする。これにより、回路内の油の流れ及び当該流れによる油圧モータ１１の回転が阻止され、上部旋回体２は停止状態に保持される。

　従って、この回路では、加速時または定常運転時である旋回駆動時に、油圧モータ１１から吐出された油を、コントロールバルブ１３を介さずに連通弁２５，２６によって直接タンクＴに戻すことにより、コントロールバルブ１３での絞り作用による背圧を無くすることができる。すなわち、旋回駆動時にメータアウト側に作用する背圧を低減し、これによりメータイン側の圧力を落としてポンプ圧を低下させることができるため、油圧ポンプの動力損失を抑えてエネルギーの無駄を省くことができる。

　また、減速時には電動機３５に回生作用を行わせて旋回エネルギーを蓄電器電力として回生することにより、エネルギー効率を上げることができる。すなわち、この減速時にも連通弁２５，２６のうちの出口側連通弁を連通位置ａにして出口側管路をタンクＴに連通することで、回生作用を確保して省エネ効果を超えることができる。

　さらに、この第１実施形態では、機械の乗降口を開閉する図示しないロックレバーと、切換制御弁としてのロック弁４１と、を備える。このロック弁４１は、電磁切換弁からなり、前記リモコン弁１２及び前記連通切換弁３２，３３の一次側における前記パイロットポンプライン２９の途中に設けられている。このロック弁４１は、前記コントローラ４２から入力される切換指令信号によって、前記パイロットポンプライン２９を開通してパイロット圧の供給を許容するパイロット圧供給位置（すなわち前記パイロットポンプ２８と前記両連通切換弁３２，３３とを接続する接続位置）ａと、当該パイロットポンプライン２９を途中で遮断して前記各連通切換弁３２，３３及びリモコン弁１２の一次側をタンクＴに連通するタンク連通位置（すなわち前記パイロットポンプ２８と前記両連通切換弁３２，３３とを遮断する遮断位置）ｂとの間で切換わる。

　この第１実施形態に係るショベルは、さらに、オペレータが降車するために前記ロックレバーを開き操作したことを検出してその検出信号を出力する図略のレバー検出器（この検出器はリミッタスイッチやマイクロスイッチ等の接触型スイッチ、または光電スイッチ等の非接触型スイッチでもよい。）を備える。前記コントローラ４２は、前記レバー検出器が出力する検出信号に基づき、旋回停止状態では前記ロック弁４１のソレノイドを非励磁にして当該ロック弁４１をパイロット圧供給位置ａから図示のタンク連通位置ｂに切換える指令を行う。

　このようにしてタンク連通位置ｂに切換えられたロック弁４１はパイロットポンプ２８からリモコン弁１２へのパイロット一次圧の供給を遮断してリモコン弁１２の操作を無効にしていわゆるロック状態にし、コントロールバルブ１３を作動不能にする、すなわち、上部旋回体２を旋回不能にするとともに、連通切換弁３２，３３の一次側もタンクＴに連通することにより、これら連通切換弁３２，３３へのパイロット圧の供給も不能にする。すなわち、この第１実施形態では、ロック弁４１の二次側で前記リモコン弁一次圧ライン４０とともに前記連通弁パイロットライン３０，３１も互いに並列で分岐し、これらのパイロットライン３０，３１にそれぞれ連通切換弁３２，３３が設けられているから、前記ロック弁４１がタンク連通位置ｂに切換わることは、リモコン弁１２の操作を不能にするのに加え、実際の連通切換弁３２，３３の位置にかかわらず、これら連通切換弁３２，３３を通じての連通弁２５，２６へのそれぞれのパイロット圧の供給を不能にする。従って、連通切換弁３２，３３においてそのスプールが固着するなどしてパイロット圧供給位置ａから動かなくなる事態が発生しても、旋回停止状態では、ロック弁４１が各連通弁２５，２６へのパイロット圧の供給を阻止し、これにより、各連通弁２５，２６を確実に連通遮断位置ｂに保持して油圧モータ１１の回転を阻止する。

　この第１実施形態の効果を、比較例である図５に示す回路と比較しながら説明する。この図５に示す回路も、図１に示す回路と同じくロック弁４１を備えるが、このロック弁４１はパイロットポンプライン２９の途中ではなく、このパイロットポンプライン２９から分岐したリモコン弁一次圧ライン４０の途中に設けられ、同ライン４０を開通する開通位置ａと同ライン４０を途中で遮断してタンクＴに連通する遮断位置ｂと、を有する。この回路では、前記ロック弁４１が位置ａ，ｂのいずれに切換えられても両連通切換弁３２，３３がタンクＴに連通されることはないので、連通切換弁３２，３３のうちの出口側連通切換弁にスプール固着現象が発生するなどして当該出口側連通切換弁がパイロット供給位置ａから動かなくなると、コントロールバルブ１３が中立位置１３ａに戻されているにもかかわらず油圧モータ１１から吐出される作動油が前記パイロット供給位置ａから動けない出口側連通切換弁を通じてタンクＴに逃がされてしまい、油圧モータ１１の回転を阻止することはできなくなる。

　これに対して図１に示す回路では、ロック弁４１が各連通切換弁３２，３３の一次側、すなわち、図１ではパイロットポンプライン２９の途中、に設けられているから、コントローラ４２は、旋回停止状態で当該ロック弁４１をタンク連通位置ｂに切換えることにより、リモコン弁１２を操作不能な状態にするのに加え、連通切換弁３２，３３の位置にかかわらず（例えば連通切換弁３２，３３のいずれかがスプール固着現象などによってパイロット圧供給位置ａから動かなくなっているにもかかわらず）、当該連通切換弁３２，３３を通じての連通弁２５，２６へのパイロット圧の供給を確実に阻止して両連通弁２５，２６を連通遮断位置ｂに保持し、これにより油圧モータ１１の回転阻止及びこれによる上部旋回体２の旋回停止の保持を確実にすることができる。

　次に、本発明の第２実施形態を、図２を参照しながら説明する。

　この第２実施形態に係る作業機械は、前記第１実施形態に係る各構成要素に加え、上部旋回体２を機械的に停止状態に保持する旋回パーキングブレーキ４３を備えるとともに、前記第１実施形態に係るロック弁４１に代え、前記旋回パーキングブレーキ４３のブレーキ作動／ブレーキ解除を制御するためのブレーキ制御弁４４を備える。

　前記旋回パーキングブレーキ４３は、前記上部旋回体２の保持を行うブレーキ状態と当該保持を解除するブレーキ解除状態とに切換可能で、かつ、パイロットポンプ２８から出力される油圧により前記ブレーキ解除状態に切換えられるネガティブブレーキとして構成されている。この第２実施形態に係るパイロットラインは、パイロットポンプライン２９と、前記連通切換弁３２，３３がそれぞれ設けられる第１及び第２連通弁パイロットライン３２，３３に加え、これらの連通弁パイロットライン３２，３３と並列に前記パイロットポンプライン２９から分岐するブレーキライン４５を有し、このブレーキライン４５が前記旋回パーキングブレーキ４３に接続されている。前記旋回パーキングブレーキ４３は、前記パイロットポンプ２９から前記ブレーキライン４５を通じて油圧が導入されない状態で前記上部旋回体２にブレーキ力を与えるためのばねを有し、前記油圧は前記ばねの力に抗してそのブレーキ力を解除させるように前記旋回パーキングブレーキ４３に入力される。

　前記ブレーキ制御弁４４は、前記第１実施形態に係るロック弁４１と同様、電磁切換弁からなり、前記連通切換弁３２，３３の一次側におけるパイロットポンプライン２９の途中に設けられ、コントローラ４２から入力される切換指令信号によって、前記パイロットポンプライン２９を開通するパイロット圧供給位置（すなわち前記パイロットポンプ２８と前記両連通切換弁３２，３３とを接続する接続位置）ａと当該パイロットポンプライン２９を途中で遮断してタンクＴに連通するタンク連通位置（すなわち前記パイロットポンプ２８と前記両連通切換弁３２，３３とを遮断する遮断位置）ｂとに切換えられる。

　コントローラ４２は、圧力センサ３７，３８から入力される操作検出信号に基づいて前記ブレーキ制御弁４４の切換指令を行う。具体的には、リモコン弁１２の旋回操作中（旋回停止操作されてから数秒の間を含む。）は前記ブレーキ制御弁４４のソレノイドを非励磁にして当該ブレーキ制御弁４４をパイロット圧供給位置ａにセットし、旋回停止状態では前記ソレノイドを励磁して前記ブレーキ制御弁４４をタンク連通位置ｂに切換わる。

　この第２実施形態では、ブレーキ制御弁４４の二次側が前記旋回パーキングブレーキ４３に加えて各連通切換弁３２，３３の一次側に接続されているから、コントローラ４２が旋回停止状態でブレーキ制御弁４４をタンク連通位置ｂに切換えることにより、旋回パーキングブレーキ４３への油圧供給を遮断してこれをブレーキ作動状態にするのに加えて、連通切換弁３２，３３の実際の位置にかかわらず、これらの連通切換弁３２，３３を通じての連通弁２５，２６へのパイロット圧の供給を確実に阻止することができる。従って、この第２実施形態でも、連通切換弁３２，３３がスプールの固着現象などによってパイロット圧供給位置ａから動かなくなる事態が発生しても、旋回停止状態では、ブレーキ制御弁４４によって各連通弁２５，２６へのパイロット圧の供給を阻止して両連通弁２５，２６をともに連通遮断位置ｂに保持することができ、第１実施形態と同様、コントロールバルブ１３が中立位置１３ａにあるにもかかわらず油圧モータ１１が回転するのを防ぐことができる。

　このように、第１、第２両実施形態のいずれにおいても、連通切換弁３２，３３でのスプールの固着などによる作動不良に対するフェールセーフ機能が発揮され、上部旋回体を停止状態に確実に保持して安全性を高めることができる。

　また、両実施形態では、旋回／旋回停止に応じてリモコン弁１２のロック切換や旋回パーキングブレーキ４３の作動切換を行うための電磁切換弁であるロック弁４１やブレーキ制御弁４４が、前記フェールセーフのための切換制御弁として利用されるから、当該フェールセーフ専用の切換制御弁を別途追加する場合と比べて回路構成を簡略化し、設備コストを安くすることができる。

　また、第１実施形態において切換制御弁に用いられるロック弁４１は、第２実施形態のブレーキ制御弁４４とは逆に、旋回停止状態で非励磁に切換えられるものであるため、当該ロック弁４１にソレノイドの断線等の作動障害が発生した場合でも前記のフェールセーフ機能を維持することができる。このことは、作業機械の安全性をさらに高める。

　本発明は前記第１及び第２実施形態に限定されず、例えば次のような実施形態も包含する。

　（１）前記第１及び第２実施形態では、切換制御弁としてロック弁４１またはブレーキ制御弁４４が利用されるが、本発明は専用の切換制御弁を具備する実施形態を除外しない。あるいは、前記ロック弁４１及びブレーキ制御弁４４の他、旋回停止状態でパイロット圧遮断位置となる既存の電磁切換弁があればこれを切換制御弁として利用することにより前記第１及び第２実施形態と同じく構成の簡素化を図ることができる。

　（２）前記第１及び第２実施形態では、左右の旋回管路１４，１５ごとにそれぞれ連通弁２５，２６が設けられるが、本発明は、これに代え、両旋回管路１４，１５に共用される三位置切換式の単一の連通弁を具備するものであって、当該連通弁が、両旋回管路１４，１５をともにタンクＴから遮断する中立位置と、左旋回管路１４をタンクに連通して右旋回管路１５をタンクＴから遮断する左連通位置と、右旋回管路１５をタンクに連通して左旋回管路１４をタンクＴから遮断する右連通位置と、を有する態様も含む。

　（３）前記第１及び第２実施形態に係るコントローラ４２は、旋回駆動時には、起動時を含む加速時か定常運転時かを問わず出口側連通弁を開く指令を行うが、本発明に係るコントローラは、起動を含む加速時と定常運転時とをリモコン弁１２の操作等に基づいて判別し、いずれか一方のみについて出口側連通弁を開くものでもよい。あるいは、コントローラ４２は、旋回減速時にのみ前記出口側連通弁を開くものでもよい。

　（４）本発明に係る連通弁は、前記連通弁２５，２６のようにモータ出口側管路をタンクＴに連通する連通位置ａとこの連通を遮断する連通遮断位置ｂとに切換わるものではなく、特許文献１に記載された短絡切換弁と同様、モータ両側管路とコントロールバルブとの間に設けられ、モータ両側管路同士を連通するすなわち短絡させる連通位置と、両側管路をコントロールバルブに接続する連通遮断位置との間で切換わるものでもよい。この場合も、当該連通弁がパイロット切換弁で構成され、そのパイロットポートにパイロット圧が入力されたときに前記連通位置に切換えられ、コントローラは、少なくとも旋回減速時に前記連通弁を前記連通位置に切換えて出口側管路をその反対側の入口側管路に連通させるように連通切換弁に対する指令を行えばよい。

　（５）本発明に係る旋回式作業機械は、ショベルに限られない。例えばショベルの母体を利用して構成される解体機や破砕機等の他の旋回式作業機械にも適用され得る。

　以上のように、本発明によれば、油圧パイロット切換弁及びこれに対するパイロット圧の供給切換のための連通切換弁を用いて少なくとも旋回減速時におけるモータ負荷を軽減してエネルギー回収効率を高めることができ、かつ、前記連通切換弁にそのスプールの固着現象などによる作動不良が発生した場合にも上部旋回体を停止状態に保持することが可能な旋回式作業機械が提供される。この旋回式作業機械は、下部走行体と、この下部走行体上に旋回自在に搭載された上部旋回体と、第１及び第２ポートを有してその一方のポートから作動油の供給を受けて他方のポートから作動油を吐出し、これにより上部旋回体を旋回駆動するように作動する油圧モータと、この油圧モータに供給される作動油を吐出する油圧ポンプと、前記油圧モータの第１ポートと前記コントロールバルブとをつなぐ第１管路と、前記油圧モータの第２ポートと前記コントロールバルブとをつなぐ第２管路と、前記旋回駆動についての指令を入力するために操作される操作部材を含み、この操作部材の操作に対応した操作信号を出力する旋回操作装置と、この旋回操作装置の操作信号に基づいて前記油圧モータへの作動油の供給及び前記油圧モータからの作動油の吐出を制御するように作動し、かつ、操作信号がないときは前記第１及び第２管路をともに前記油圧ポンプ及びタンクから遮断する中立位置に保持されるコントロールバルブと、パイロットポートを有する油圧パイロット切換弁からなり、当該パイロットポートにパイロット圧が供給されたときは前記第１及び第２管路のうち前記油圧モータの出口側の管路である出口側管路に該当する管路を前記コントロールバルブを介さずに直接タンクに連通しまたは前記モータの入口側の管路である入口側管路に連通する連通位置に切換えられ、前記パイロットポートに前記パイロット圧が供給されないときは前記連通を遮断する連通遮断位置に保持される連通弁と、前記連通弁に供給されるべきパイロット圧を生成するパイロット油圧源と、このパイロット油圧源からのパイロット圧を前記連通弁のパイロットポートに供給するためのパイロットラインに設けられ、前記連通弁へのパイロット圧の供給を許容する供給位置と遮断する位置とに切換えられる連通切換弁と、この連通切換弁の一次側に設けられ、前記パイロット油圧源と前記連通切換弁とを接続する接続位置と遮断する遮断位置とに切換えられる切換制御弁と、前記連通切換弁及び前記切換制御弁に対してこれらの位置を切換えるための指令を行うコントローラと、を備え、このコントローラは、少なくとも旋回減速時に前記切換制御弁を接続位置に切換えかつ前記連通切換弁を供給位置に切換える指令を行うことにより前記連通弁のパイロットポートへのパイロット圧の供給を許容して前記連通弁を前記連通位置とし、旋回停止状態では、前記連通切換弁を前記遮断位置に切換える指令を行い、かつ、当該連通切換弁の実際の位置にかかわらず前記連通弁が前記連通遮断位置となるように前記切換制御弁を前記遮断位置に切換える指令を行う。

　この作業機械では、コントローラが旋回停止状態で連通切換弁へのパイロット圧の供給を遮断するように切換制御弁を遮断位置に切換える指令を行うから、連通切換弁のスプールが固着する等してパイロット圧供給位置から動かなくなる事態が発生しても、当該切換制御弁を通じての連通弁へのパイロット圧の供給を確実に阻止して連通弁を連通遮断位置に保持することができ、これにより、コントロールバルブが中立位置に戻されたにもかかわらず油圧モータが回転して上部旋回体が旋回するのを防ぐことができる。すなわち、連通切換弁の作動不良が発生した場合にフェールセーフ機能が発揮され、当該連通切換弁の実際の位置に係わらず上部旋回体を停止状態に確実に保持して安全性を高めることができる。

　本発明に係る切換制御弁には、前記切換制御弁について専用に設けられるものだけでなく、他の目的で旋回停止状態で切換えられる種々の切換弁が利用されることが可能である。このような利用は、専用の切換制御弁を別途追加する場合と比べて回路構成を簡略化し、設備コストを安くすることを可能にする。

　例えば、前記コントロールバルブがパイロット切換弁により構成され、前記旋回操作装置が操作信号として前記コントロールバルブにパイロット圧を入力するリモコン弁により構成される場合において、前記切換制御弁は、前記連通切換弁に加えて前記リモコン弁に前記パイロット油圧源を接続して当該パイロット油圧源から当該リモコン弁へのパイロット一次圧の供給を許容する接続位置と、前記連通切換弁及び前記リモコン弁と前記パイロット油圧源との間を遮断する遮断位置とを有するロック弁であり、前記コントローラは作業機械の乗降口を開閉するロックレバーが開き操作されたときに前記ロック弁を前記遮断位置に切換える指令を行うものでもよい。このコントローラは、当該指令を行うことにより、前記パイロット油圧源から前記リモコン弁へのパイロット一次圧の供給を阻止して当該リモコン弁を操作不能にする、すなわちロックするのと同時に、当該パイロット油圧源から前記連通切換弁へのパイロット圧の供給を阻止することができる。

　具体的には、前記パイロットラインが、前記パイロット油圧源に接続されるパイロット油圧源ラインと、このパイロット油圧源ラインから分岐して前記連通切換弁に接続される連通弁パイロットラインと、前記パイロット油圧源ラインから分岐して前記リモコン弁に接続されるリモコン弁一次圧ラインとを有し、前記ロック弁が前記パイロット油圧源ラインに設けられるものが、好適である。

　また、前記ロック弁は、ソレノイドを有する電磁切換弁からなり、当該ソレノイドが非励磁のときに前記接続位置に保持されるものであるものが、好ましい。このような電磁切換弁からなるロック弁は、仮にそのソレノイドの断線等の作動障害が発生した場合でも前記接続位置に保持されてフェールセーフ機能を維持することができ、これにより、作業機械の安全性をさらに高めることを可能にする。

　あるいは、本発明に係る作業機械が上部旋回体を停止状態に保持するブレーキ状態とそのブレーキを解除するブレーキ解除状態とに切換可能な旋回パーキングブレーキを備え、この旋回パーキングブレーキが油圧の供給を受けることにより前記ブレーキ状態から前記ブレーキ解除状態に切換えられるものである場合に、前記切換制御弁が、前記連通切換弁に加えて前記旋回パーキングブレーキに前記パイロット油圧源を接続して当該パイロット油圧源から当該旋回パーキングブレーキへの油圧の供給を許容する接続位置と、前記連通切換弁及び前記旋回パーキングブレーキと前記パイロット油圧源との間を遮断する遮断位置とを有するブレーキ制御弁であり、前記コントローラは旋回停止状態で前記ブレーキ制御弁を前記遮断位置に切換える指令を行うものでもよい。このコントローラは、当該指令を行うことにより、前記パイロット油圧源から前記旋回パーキングブレーキへの油圧の供給を阻止することにより当該旋回パーキングブレーキをブレーキ状態にして上部旋回体を停止状態に保持させると同時に、当該パイロット油圧源から前記各切換制御弁へのパイロット圧の供給を阻止することができる。

　具体的には、前記パイロットラインが、前記パイロット油圧源に接続されるパイロット油圧源ラインと、このパイロット油圧源ラインから分岐して前記連通切換弁に接続される連通弁パイロットラインと、前記パイロット油圧源ラインから分岐して前記旋回パーキングブレーキに接続されるブレーキラインとを有し、前記ブレーキ制御弁が前記パイロット油圧源ラインに設けられるものが、好適である。

　本発明では、例えば、前記連通弁として、前記第１管路と前記タンクとの間に設けられ、両者を連通する開き位置と両者の間を遮断する閉じ位置とに切換えられる第１連通弁と、前記第２管路と前記タンクとの間に設けられ、両者を連通する開き位置と両者の間を遮断する閉じ位置とに切換えられる第２連通弁と、を備えるものが、好適である。この場合、前記パイロットラインが、前記パイロット油圧源に接続されるパイロット油圧源ラインと、このパイロット油圧源ラインから分岐して前記第１連通弁に接続される第１連通弁パイロットラインと、前記パイロット油圧源ラインから前記第１連通弁パイロットラインと並列に分岐して前記第２連通弁に接続される第２連通弁パイロットラインとを有し、前記連通切換弁として、前記第１連通弁パイロットラインに設けられ、当該第１連通弁パイロットラインを開通することにより前記第１連通弁へのパイロット圧の供給を許容するパイロット圧供給位置と当該第１連通弁パイロットラインを遮断することにより前記第１連通弁へのパイロット圧の供給を遮断するパイロット圧遮断位置とに切換えられる第１連通切換弁と、前記第２連通弁パイロットラインに設けられ、当該第２連通弁パイロットラインを開通することにより前記第２連通弁へのパイロット圧の供給を許容するパイロット圧供給位置と当該第２連通弁パイロットラインを遮断することにより前記第２連通弁へのパイロット圧の供給を遮断するパイロット圧遮断位置とに切換えられる第２連通切換弁と、を備え、前記切換制御弁が前記パイロット油圧源ラインに設けられるのが、よい。

Claims

　旋回式作業機械であって、
　下部走行体と、
　この下部走行体上に旋回自在に搭載された上部旋回体と、
　第１及び第２ポートを有してその一方のポートから作動油の供給を受けて他方のポートから作動油を吐出し、これにより上部旋回体を旋回駆動するように作動する油圧モータと、
　この油圧モータに供給される作動油を吐出する油圧ポンプと、
　前記油圧モータの第１ポートと前記コントロールバルブとをつなぐ第１管路と、
　前記油圧モータの第２ポートと前記コントロールバルブとをつなぐ第２管路と、
　前記旋回駆動についての指令を入力するために操作される操作部材を含み、この操作部材の操作に対応した操作信号を出力する旋回操作装置と、
　この旋回操作装置の操作信号に基づいて前記油圧モータへの作動油の供給及び前記油圧モータからの作動油の吐出を制御するように作動し、かつ、操作信号がないときは前記第１及び第２管路をともに前記油圧ポンプ及びタンクから遮断する中立位置に保持されるコントロールバルブと、
　パイロットポートを有する油圧パイロット切換弁からなり、当該パイロットポートにパイロット圧が供給されたときは前記第１及び第２管路のうち前記油圧モータの出口側の管路である出口側管路に該当する管路を前記コントロールバルブを介さずに直接タンクに連通しまたは前記モータの入口側の管路である入口側管路に連通する連通位置に切換えられ、前記パイロットポートに前記パイロット圧が供給されないときは前記連通を遮断する連通遮断位置に保持される連通弁と、
　前記連通弁に供給されるべきパイロット圧を生成するパイロット油圧源と、
　このパイロット油圧源からのパイロット圧を前記連通弁のパイロットポートに供給するためのパイロットラインに設けられ、前記連通弁へのパイロット圧の供給を許容する供給位置と遮断する位置とに切換えられる連通切換弁と、
　この連通切換弁の一次側に設けられ、前記パイロット油圧源と前記連通切換弁とを接続する接続位置と遮断する遮断位置とに切換えられる切換制御弁と、
　前記連通切換弁及び前記切換制御弁に対してこれらの位置を切換えるための指令を行うコントローラと、を備え、このコントローラは、少なくとも旋回減速時に前記切換制御弁を接続位置に切換えかつ前記連通切換弁を供給位置に切換える指令を行うことにより前記連通弁のパイロットポートへのパイロット圧の供給を許容して前記連通弁を前記連通位置とし、旋回停止状態では、前記連通切換弁を前記遮断位置に切換える指令を行い、かつ、当該連通切換弁の実際の位置にかかわらず前記連通弁が前記連通遮断位置となるように前記切換制御弁を前記遮断位置に切換える指令を行う、旋回式作業機械。
　請求項１記載の旋回式作業機械であって、前記コントロールバルブはパイロット切換弁により構成され、前記旋回操作装置は操作信号として前記コントロールバルブにパイロット圧を入力するリモコン弁により構成され、前記切換制御弁は、前記連通切換弁に加えて前記リモコン弁に前記パイロット油圧源を接続して当該パイロット油圧源から当該リモコン弁へのパイロット一次圧の供給を許容する接続位置と、前記連通切換弁及び前記リモコン弁と前記パイロット油圧源との間を遮断する遮断位置とを有するロック弁であり、前記コントローラは作業機械の乗降口を開閉するロックレバーが開き操作されたときに前記ロック弁を前記遮断位置に切換える指令を行う、旋回式作業機械。
　請求項２記載の旋回式作業機械であって、前記パイロットラインが、前記パイロット油圧源に接続されるパイロット油圧源ラインと、このパイロット油圧源ラインから分岐して前記連通切換弁に接続される連通弁パイロットラインと、前記パイロット油圧源ラインから分岐して前記リモコン弁に接続されるリモコン弁一次圧ラインとを有し、前記ロック弁が前記パイロット油圧源ラインに設けられる、旋回式作業機械。
　請求項２または３記載の旋回式作業機械であって、前記ロック弁は、ソレノイドを有する電磁切換弁からなり、当該ソレノイドが非励磁のときに前記接続位置に保持されるものである、旋回式作業機械。
　請求項１記載の旋回式作業機械であって、前記上部旋回体を停止状態に保持するブレーキ状態とそのブレーキを解除するブレーキ解除状態とに切換可能な旋回パーキングブレーキをさらに備え、この旋回パーキングブレーキが油圧の供給を受けることにより前記ブレーキ状態から前記ブレーキ解除状態に切換えられるものであり、前記切換制御弁は、前記連通切換弁に加えて前記旋回パーキングブレーキに前記パイロット油圧源を接続して当該パイロット油圧源から当該旋回パーキングブレーキへの油圧の供給を許容する接続位置と、前記連通切換弁及び前記旋回パーキングブレーキと前記パイロット油圧源との間を遮断する遮断位置とを有するブレーキ制御弁であり、前記コントローラは旋回停止状態で前記ブレーキ制御弁を前記遮断位置に切換える指令を行う、旋回式作業機械。
　請求項５記載の旋回式作業機械であって、前記パイロットラインは、前記パイロット油圧源に接続されるパイロット油圧源ラインと、このパイロット油圧源ラインから分岐して前記連通切換弁に接続される連通弁パイロットラインと、前記パイロット油圧源ラインから分岐して前記旋回パーキングブレーキに接続されるブレーキラインとを有し、前記ブレーキ制御弁が前記パイロット油圧源ラインに設けられる、旋回式作業機械。
　請求項１記載の旋回式作業機械であって、前記連通弁として、前記第１管路と前記タンクとの間に設けられ、両者を連通する開き位置と両者の間を遮断する閉じ位置とに切換えられる第１連通弁と、前記第２管路と前記タンクとの間に設けられ、両者を連通する開き位置と両者の間を遮断する閉じ位置とに切換えられる第２連通弁と、を備え、前記パイロットラインは、前記パイロット油圧源に接続されるパイロット油圧源ラインと、このパイロット油圧源ラインから分岐して前記第１連通弁に接続される第１連通弁パイロットラインと、前記パイロット油圧源ラインから前記第１連通弁パイロットラインと並列に分岐して前記第２連通弁に接続される第２連通弁パイロットラインとを有し、前記連通切換弁として、前記第１連通弁パイロットラインに設けられ、当該第１連通弁パイロットラインを開通することにより前記第１連通弁へのパイロット圧の供給を許容するパイロット圧供給位置と当該第１連通弁パイロットラインを遮断することにより前記第１連通弁へのパイロット圧の供給を遮断するパイロット圧遮断位置とに切換えられる第１連通切換弁と、前記第２連通弁パイロットラインに設けられ、当該第２連通弁パイロットラインを開通することにより前記第２連通弁へのパイロット圧の供給を許容するパイロット圧供給位置と当該第２連通弁パイロットラインを遮断することにより前記第２連通弁へのパイロット圧の供給を遮断するパイロット圧遮断位置とに切換えられる第２連通切換弁と、を備え、前記切換制御弁が前記パイロット油圧源ラインに設けられる、旋回式作業機械。