JPH08126478A - 溶解性をコントロールした顆粒状調味料 - Google Patents

溶解性をコントロールした顆粒状調味料

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JPH08126478A
JPH08126478A JP6269054A JP26905494A JPH08126478A JP H08126478 A JPH08126478 A JP H08126478A JP 6269054 A JP6269054 A JP 6269054A JP 26905494 A JP26905494 A JP 26905494A JP H08126478 A JPH08126478 A JP H08126478A
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JP
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granular seasoning
water
seasoning
granular
calcium
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JP6269054A
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Keiko Okanishi
圭子 岡西
Ren Kawase
漣 川瀬
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サラダ等の生野菜等の水分を有する食品に供
する場合に、その溶解性がコントロールできる調味料の
提供。 【構成】 水不溶性カルシウム、粉末酢および酸味料な
らびに食塩の微粉末を一定の配合比にて配合し、それを
顆粒状とする。好ましくは、その顆粒の90%重量以上
の粒径が10メッシュパスの大きさとする。 【効果】 サラダ等の表面に水分を有する食品に供して
から約2時間は溶解しないため容器の底に落ちたものを
再度混ぜ合わせる必要がなく、しかも、食味・食感に優
れ、調理時の作業性に優れ、かつ酸味料の酸臭が緩和さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カルシウムの補給に有
用で、サラダ等の生野菜の水分を有する食品に供した際
の溶解性がコントロールされた顆粒状調味料、特に、給
食施設等への業務用として好適な顆粒状調味料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】学校給食等においては、食品が調理され
てから配送もしくは保存され、約2時間を経て摂食され
るため、ドレッシング等の液状の調味料は、その間に、
サラダ等の食品の有する水分によってその成分が溶解し
粘度が低下して容器の底にほとんど落ちてしまう。従っ
て、一旦調理されたにもかかわらず、摂食の前に再度混
ぜ合わせる必要があった。
【0003】また、最近では、液体のドレッシングに代
わる固形ドレッシングが提案されており、例えば、特開
平1−269469号においては、ドレッシングの各成
分を粉末状態で混合し、顆粒化させた顆粒状ドレッシン
グが開示されている。しかしながら、このような顆粒状
にしたものでも、水分が付着した食品に添加した後は、
すぐに溶解してしまい、容器の底部に落ちてしまうとい
う問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
溶解性がコントロールされた顆粒状の調味料を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、溶解性を
コントロールできる顆粒状の調味料を得るため、鋭意検
討を重ねた結果、水不溶性カルシウム、酸味料および食
塩の微粉末を配合して顆粒状とすることにより前記課題
を解決でき、さらに、カルシウムの補給にも役立つこと
を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、水不溶性カルシウ
ム、酸味料および食塩の微粉末を配合することにより溶
解性をコントロールしたことを特徴とする顆粒状調味料
を提供するものである。
【0007】本発明の顆粒状調味料で配合する水不溶性
カルシウム微粉末としては、炭酸カルシウム、水酸化カ
ルシウム、焼成牛骨カルシウム等が挙げられるが、こと
に栄養補給の面等からして、天然原料であって人体に不
可欠なカルシウムおよびリンを理想的な比率で含有する
焼成牛骨カルシウムが好ましい。
【0008】かかる水不溶性カルシウム微粉末の粒径
は、調製法により適宜調整することが可能であるが、こ
とに、200〜450メッシュが好ましい。200メッ
シュより粗い粒子である場合には食感が悪くなり、一
方、450メッシュより細かい場合には舌にカルシウム
の苦味が残る傾向があり、後味が悪くなる。また、該調
味料製造工程中の粉末混合工程および造粒工程における
作業性からも200〜450メッシュの範囲が最も好適
である。
【0009】また、水不溶性カルシウム微粉末の該調味
料への配合量は、3〜8重量%が好ましい。3重量%未
満では該調味料の溶解性を十分にコントロールできず本
発明の目的が達成できない。一方、8重量%を超えて配
合しても、それ以上溶解性を低下させることができず、
また、舌ざわり等の食感が悪くなる。
【0010】酸味料としては、酒石酸、アジピン酸、フ
マル酸、粉末酢、酢酸、クエン酸、リンゴ酸等が挙げら
れるが、ドレッシング的な食味の向上の面より、こと
に、粉末酢、酢酸、クエン酸およびリンゴ酸が好まし
い。
【0011】食塩としては、市販されているものであれ
ば特に限定されることなく、いずれも用いることができ
る。
【0012】本発明者らは、酸味料と配合のバランスを
採ることにより酸味料の酸臭を緩和でき、食感にマイル
ド感を付与できることも見い出した。この場合における
酸味料の合計量に対する水不溶性カルシウムの配合比
は、重量比で、1:0.5〜1.3が好ましい。該配合割
合が1:0.5より低い場合には、酸味料独特の酸臭の
緩和が不十分となり、一方1:1.3を超えるとカルシ
ウムの苦味が出るため食味が損なわれる。
【0013】また、塩分の浸透圧によってサラダ等の生
野菜等の食品から水分が浸出して溶解性が高まることを
考慮すると、粉末酢および酸味料の合計量と食塩の配合
比は、重量比で表して、粉末酢および酸味料:食塩=2:
5〜4:5の範囲が好ましい。これを前記の酸味料と水
不溶性カルシウムとの配合割合を合わせると、必須三成
分の配合比は、水不溶性カルシウム:粉末酢および酸味
料:食塩=1:2:5〜5:4:5の範囲とするのが好まし
いこととなる。
【0014】本発明の該顆粒状調味料には、調味料とし
て適度な粘度を付与するため、結着剤として水溶性高分
子等を配合することもできるが、の面よりグアーガムが
好ましい。
【0015】本発明の顆粒状調味料の粒径は、その溶解
時間を所定の時間にコントロールするためには、その顆
粒の90重量%以上が、10メッシュパスとするのが好
ましい。
【0016】本発明の顆粒状調味料は、例えば、ドレッ
シング、マヨネーズ、ソース、トッピング剤等の形態の
調味料とすることができる。
【0017】また、本発明の顆粒状調味料は、必要に応
じて、香辛料、果汁等の添加剤の一種または2種以上を
適宜配合することができる。
【0018】本発明の顆粒状調味料を製造するには、例
えば、水不溶性カルシウム、粉末酢および酸味料、なら
びに食塩を所定量配合槽に添加して粉末混合し、流動造
粒機にて顆粒化する。顆粒化することにより、調理時の
計量、添加および使用器具の洗浄が容易となり、調理時
の作業性を向上させることができる。
【0019】かくして、得られる本発明の顆粒状調味料
は、給食で出される野菜を用いる食品の他に、例えば、
コンビニエンスストアーで販売されているサラダや、弁
当屋の弁当等の、調理と摂食の間に一定の時間が介在す
る食品に好適に用いることができる。
【0020】
【実施例】以下に実験例および実施例を挙げて本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0021】実験例1 水不溶性カルシウムの配合量と
顆粒状調味料の溶解性(溶解時間)との関係 本発明の顆粒状調味料における顆粒粒径と溶解性との関
係を以下の方法によって検討し、本発明の目的を達成す
るために好ましい水不溶性カルシウムの添加量を求め
た。 方法:各カルシウム添加量の試験において、男女5人か
らなるテストパネルにより、官能的に以下のような判定
基準で試験し、3点以上で完全に溶解したと判断した。 溶解未完全:0点:視覚的に顆粒が残っており、食感も
顆粒によるザラつきと味にムラがある。 完全溶解 :1点:視覚的に顆粒が認められず、食味・
食感ともに良好な状態。
【0022】結果を図1に示す。図1より、水不溶性カ
ルシウム添加量を適宜増加させることにより、溶解時間
は約140分まで延長され、それ以降は添加量を増加し
ても溶解時間はほとんど変化しない。この結果より、本
発明のことに目的とする約2時間の溶解時間を達成する
ためには水不溶性カルシウムを3〜8%添加すればよい
ことが分かる。なお、8重量%を超える量の水不溶性カ
ルシウムを添加するとカルシウム独特のザラつきが舌に
残り、食感が悪化する。
【0023】実験例2 顆粒状調味料の粒径と溶解性
(溶解時間)との関係 次に、顆粒状調味料の粒径と溶解性との関係を以下の方
法によって検討し、顆粒状調味料の好ましい粒径を求め
た。 方法:各顆粒の試験について、男女5人からなるテスト
パネルにより官能的に以下のような判定基準で試験し、
3点以上で完全に溶解したと判断した。 溶解未完全:0点:視覚的に顆粒が残っており、食感も
顆粒によるザラつきと味にムラがある。 完全溶解 :1点:視覚的に顆粒が認められず、食味・
食感ともに良好な状態。
【0024】
【表1】
【0025】結果を表1および図2に示す。表1および
図2から明らかなように、顆粒の粒径が増加するに従っ
て溶解時間が長くなり、本発明の目的とする溶解時間を
達成するためには、顆粒の大部分が10メッシュパスで
あればよいこと分かる。
【0026】実験例3 カルシウムに対する粉末酢およ
び酸味料の配合割合と酸臭緩和効果との関係 さらに、カルシウム/粉末酢および酸味料の配合割合を
変化させて該調味料を製造し、その各々を官能評価する
ことにより酸臭の緩和効果を検討した。 方法:各配合割合の試験において、男女5人からなるテ
ストパネルにより官能的に以下のような判定基準で試験
し、3点以上で適性範囲と判断した。 不適:0点:食味に偏りがあり、バランスが悪い。 適性:1点:ドレッシングとして食味・食感が良好な状
態。
【0027】
【表2】 表2から明らかなように、粉末酢および酸味料に対する
カルシウムの配合割合が0.5ないし1.3の範囲である
場合に酸臭が緩和される。また、配合割合がその下限よ
り低い場合には酸臭の緩和が不十分で、その上限より高
い割合の場合には逆にカルシウムの苦味が出てくること
も判明した。
【0028】実施例1 成 分 配合率(重量%) 粉末油脂 33.9 ぶどう糖 28.7 食塩 10.0 粉末マヨネーズ 10.0 粉末卵黄 7.5 粉末酢および酸味料 6.0 香料 0.6 調味料 0.3 カルシウム 3.0 グアーガム 0.08 合計 100.08 前記成分を示した配合率にて配合槽に添加して粉末混合
し、流動造粒機にて顆粒化した結果、マヨネーズ風味を
呈する良好な顆粒が得られ、該調味料をサラダに添加し
た後の溶解時間としても約1時間30分と良好なものが
得られた。
【0029】実施例2 成 分 配合率(重量%) 粉末油脂 33.9 ぶどう糖 27.0 食塩 10.0 粉末マヨネーズ 10.0 粉末卵黄 7.5 粉末酢および酸味料 6.0 香料 0.6 調味料 0.3 カルシウム 4.7 グアーガム 0.08 合計 100.08 前記成分および配合率にて常法により製造した結果、マ
ヨネーズ風味を呈する口溶けの良い良好な顆粒状の調味
料が得られた。また、該調味料をサラダ等に添加した後
の溶解時間は約2時間00分と溶解性がコントロールさ
れたものが得られた。
【0030】実施例3 成 分 配合率(重量%) 粉末油脂 33.9 ぶどう糖 24.7 食塩 10.0 粉末マヨネーズ 10.0 粉末卵黄 7.5 粉末酢および酸味料 6.0 香料 0.6 調味料 0.3 カルシウム 7.0 グアーガム 0.08 合計 100.08 前記成分および配合率にて常法により製造した結果、マ
ヨネーズ風味を呈する良好な顆粒状の調味料が得られ
た。また、サラダ等に添加した後の溶解時間は約2時間
00分と溶解性がコントロールされたものであった。
【0031】
【発明の効果】本発明により、調理して摂食される間に
約2時間の時間が経過する場合においても、供したサラ
ダ等の水分を有する食品を再度混ぜ合わせる必要がな
く、計量、洗浄等の調理時の作業性に優れ、かつ、配合
する酸味料の酸臭が抑制され、しかも近年その摂取につ
き関心の高まりつつあるカルシウムを適量含有する顆粒
状調味料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 水不溶性カルシウムの添加量(重量%)と顆
粒状調味料の溶解性(溶解時間)との関係を示すグラフ
である。
【図2】 顆粒状調味料の顆粒粒径とその溶解性(溶解
時間)との関係を示すグラフである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水不溶性カルシウム、酸味料および食塩
    の微粉末を配合して溶解性をコントロールしたことを特
    徴とする顆粒状調味料。
  2. 【請求項2】 90重量%以上の顆粒の粒径が10メッ
    シュパスである請求項1記載の顆粒状調味料。
  3. 【請求項3】 該水不溶性カルシウム微粉末を3〜8重
    量%の範囲で配合してなる請求項1記載の顆粒状調味
    料。
  4. 【請求項4】 該水不溶性カルシウムとして、粒径20
    0〜450メッシュの焼成牛骨の微粉末を配合してなる
    請求項1記載の顆粒状調味料。
  5. 【請求項5】 水不溶性カルシウム:酸味料:食塩=
    1:2:5〜5:4:5の範囲で配合してなる請求項1記載
    の顆粒状調味料。
  6. 【請求項6】 該酸味料が、酢酸、クエン酸およびリン
    ゴ酸よりなる群から選択される1種または2種以上であ
    る請求項1記載の顆粒状調味料。
  7. 【請求項7】 酢酸として粉末酢を用いる請求項6記載
    の顆粒状調味料。
  8. 【請求項8】 グアーガムを結着剤として配合してなる
    請求項1記載の顆粒状調味料。
JP6269054A 1994-11-01 1994-11-01 溶解性をコントロールした顆粒状調味料 Withdrawn JPH08126478A (ja)

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Cited By (5)

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