JP3506134B2 - 卵スプレッド - Google Patents
卵スプレッドInfo
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Description
卵を細断したものをマヨネーズ等の酸性調味料で和えた
スプレッドに関する。
で、サンドイッチの具やサラダのトッピング等として食
されているが、このような卵スプレッドを食品工業的に
大量に製造する場合、一般的には加熱凝固した卵をダイ
ス状にカットし、カットされた茹卵とマヨネーズ等の酸
性調味料と、必要に応じ、澱粉や他の具材、香辛料、調
味料等とを和えることにより製造している。
供されるサンドイッチの具材として卵スプレッドを用い
る場合、ある程度の期間、そのおいしさを保持するため
に、卵スプレッドの離水を防止し、保形性を維持するこ
とが必要となる。
を添加することが必須となっており、この目的で使用す
る澱粉として、アルファ化澱粉、架橋澱粉等の様々な化
工澱粉が用いられている。
レッドに澱粉を配合した場合、澱粉が卵スプレッドの食
感、舌触り、口溶け感に大きな影響があるにも関わら
ず、卵スプレッドの保形性を改善し、離水を防止すると
いう点を追求するあまり、口の中でのべたつき感が増大
する一方で口溶け感も低下する傾向がある。このような
傾向は、酸性調味料として、マヨネーズよりも水分含量
が多いマヨネーズタイプの半固形状ドレッシングを使用
した場合には、水分含量の増大に対応して澱粉の添加量
を増加させざるを得ないため、特に顕著となる。
付与し且つその離水を防止しながらも、食した時に、べ
たつき感がなく良好な口溶け感と舌触りの滑らかさとを
卵スプレッドに実現することを目的とする。
ッドに配合する澱粉として特定の冷水膨潤性澱粉を使用
することにより上述の目的を達成できることを見出し、
本発明を完成させた。
子径が90〜250μmである冷水膨潤性澱粉を含有し
てなる卵スプレッドを提供する。
状にカットした茹卵や卵ペーストなどのように細断した
加熱凝固卵と酸性調味料とを混合した食品であり、食パ
ン等に塗り拡げて使用するスプレッド用途や、サンドイ
ッチの具として使用するフィリング用途、マカロニサラ
ダ等のサラダの具用途などに用いるものであり、その特
徴は、水で膨潤した後の平均粒子径が90〜250μm
である冷水膨潤性澱粉を含有することである。ここで、
冷水膨潤性澱粉とは、冷水(約0〜30℃の水)と混合
したときに、冷水を吸収して膨潤する澱粉である。従っ
て、冷水膨潤性澱粉を使用することにより、卵スプレッ
ドに良好な保形性と耐離水性(離水しにくい性質)を付
与することができる。
性澱粉の中でも、冷水で飽和状態となるまで膨潤させた
後の平均粒子径が90〜250μmのものを使用する。
平均粒子径が90μm未満であると、卵スプレッドが口
の中で溶けにくく、べたつき感が強くなり好ましくな
い。250μmを超えると、舌にザラツキを感じ好まし
くない。なお、ザラツキを抑制し、より好ましい口溶け
感を達成するという点からは、160〜200μmのも
のを使用することがより好ましい。
の測定は、まず、冷水膨潤性澱粉と大量(約10〜20
0質量倍)の20℃の清水とを混合し、24時間放置し
て、冷水膨潤性澱粉に水を飽和状態となるまで吸水さ
せ、得られた澱粉の1〜5質量%水溶液を調製し、その
水溶液に対してレーザー回折式粒度分布測定装置(SA
LD−200V ER、島津製作所製)により平均粒子
径測定を行えばよい。
レッド中の含有量は、少なすぎると離水防止効果が十分
得られず、多すぎると粉っぽくなるので、好ましくは膨
潤前の状態換算で(即ち、乾燥粉末状態で)0.1%〜
5.0質量%、より好ましくは0.2〜3.0質量%で
ある。
潤性澱粉の具体例としては、微粉砕アルファー化された
架橋澱粉、架橋エーテル化澱粉あるいは架橋エステル化
澱粉等を挙げることができる。これらは市販されてお
り、例えば、日澱化学(株)社製の商品名「KZR−1
0」で特定されているものが挙げられる。
類としては、鶏卵、ウズラ卵、アヒル卵等が好ましく挙
げられる。それらの加熱凝固卵としては、穀付きのまま
茹でて穀を剥いたもの、割卵した液卵を加熱して凝固さ
せたもの、あるいはスクランブルエッグや目玉焼きのよ
うに焼成したものを用いることができる。また、卵黄と
卵白を別々に加熱凝固させたものや、卵黄や卵白に増粘
剤や多糖類等を添加して加熱凝固したもの等も用いるこ
とができる。加熱方法としては、茹でる、蒸す、通電加
熱する、焼成する、マイクロ波加熱する等、卵が凝固す
る方法であればいずれでもよい。
は、細断して使用することが好ましい。例えば、ダイス
状にカットしてもよく、ペースト状にしてもよく、不定
形につぶしてもよい。特に、1辺が5〜15mm程度の
大きさのダイス状にカットして用いることが好ましい。
酢やクエン酸等により酸性(好ましくは約pH3〜5)
に調整された水性調味液を含有するものであり、通常、
油脂分も含有するものであるが、油脂分を含有しなくて
もよい。
すぎると卵スプレッドが水っぽくなる傾向があり、味の
低下が懸念され、少なすぎると平均粒子径90〜250
μmの冷水膨潤性澱粉を使用した効果が得られにくくな
る傾向があるので、好ましくは約15〜80質量%、よ
り好ましくは40〜60質量%である。
日本農林規格で規定されている乳化液状ドレッシング、
分離液状ドレッシング、半固体状ドレッシング(例え
ば、マヨネーズ、サラダクリーム、サラダドレッシング
等)を用いることができる。特に、マヨネーズよりも水
分含量の高い、具体的には40〜70質量%の水分含量
を有するマヨネーズタイプの半固体状ドレッシング(例
えば、キユーピーハーフ、キユーピー株式会社)を好ま
しく使用することができる。
及び酸性調味料の好ましい配合量は、卵スプレッドの用
途に応じて異なるが、通常、加熱凝固卵30〜90質量
%で酸性調味料10〜70質量%である。
て、食酢、クエン酸、グルタミン酸ナトリウム、食塩、
砂糖、動植物等のエキス類等の各種調味料、からし粉、
胡椒等の香辛料、糖アルコール、オリゴ糖、水あめ等の
糖類、甘味料、キレート剤、酢酸ソーダ、グリシン、ポ
リリジン、卵白リゾチーム、プロタミン等の保存料を適
宜添加することができる。
性の点からは酸性であることが好ましいが、pHが低す
ぎると卵スプレッド全体の酸味が強くなりすぎる。従っ
て、そのpHを、好ましくは4.5〜7.5に調整す
る。
(10g)をストマッカー袋に採り、清水で10質量倍
に希釈し、オルガノ社製のストマッカー(400−T)
を用いてノーマルスピードで60秒間、ストマッカー処
理し、その処理物をpHメーター(MP225、メトラ
ー・トレド社製)で測定した値として定義することがで
きる。
ように製造することができる。
性澱粉、更に必要に応じて、清水、調味料、香辛料、保
存料、その他の食品原料や食材を用意する。ここで、加
熱凝固卵として茹卵を使用する場合には、殻付生卵を公
知の方法、例えば95℃の湯中で約12分間加熱し、冷
却した後、殻剥きし、得られた茹卵を、カッターで細断
してスプレッド用茹卵とする。
性澱粉、その他の原材料を、一括して混合用のバッチに
投入し、常法により混合することにより卵スプレッドが
得られる。この場合、冷水膨潤性澱粉は、予め清水ある
いは酸性調味料と馴染ませておき、それを加熱凝固卵と
混合してもよい。
じて、耐熱性ナイロンポリ袋に充填密封し、60℃〜9
5℃の湯中で加熱殺菌することが好ましい。
具体的に説明する。
下に説明するように製造した。
間茹でた後、4℃の冷水にて冷却し、殻を剥いて茹卵を
得、更に、一辺が約lcmのダイス状に細断することに
より卵スプレッド用茹卵を調製した。また、表1の配合
処方に示した成分のうち、冷水膨潤性澱粉(粉末)、酢
酸ナトリウム、グリシン、食塩及び清水を、全体が均一
になるまで混合することにより清水混合物を調製した。
製した卵スプレッド用茹卵及び清水混合物とマヨネーズ
とを、常法により混合することにより製造した。得られ
た実施例1の卵スプレッド全体のpHは6.0であっ
た。
潤した後の平均粒子径が180.4μmの冷水膨潤性澱
粉に代えて、20℃の冷水で飽和状態となるまで膨潤し
たときの平均粒子径が55.5μmの冷水膨潤性澱粉を
使用する以外は、実施例1と同じ操作を繰り返すことに
より製造した。得られた比較例1の卵スプレッド全体の
pHは6.0であった。
ろ、平均粒子径が180.4μmの冷水膨潤性澱粉を用
いた実施例1の卵スプレッドは、口の中に入れるとさっ
と溶ける良好な口溶け感があり、滑らかな舌触りであっ
た。一方、比較例1の卵スプレッドは、口溶け感が悪
く、舌に絡みつく感じがあった。
下に説明するように製造した。
間茹でた後、4℃の冷水にて冷却し、殻を剥いて茹卵を
得、更に、一辺が約lcmのダイス状に細断することに
より卵スプレッド用茹卵を調製した。また、表2の配合
処方に示した成分のうち、酢酸ナトリウム、グリシン、
食塩及び清水を、全体が均一になるまで混合することに
より清水混合物を調製した。
製したスプレッド用茹卵及び清水混合物と半固体状ドレ
ッシングとを常法により混合しながら、その中へ更に冷
水膨潤性澱粉(粉末)をそのまま添加することにより製
造した。得られた実施例2の卵スプレッド全体のpHは
5.6であった。
リ袋に5kgずつ充填し、密封し、65℃の湯中で60
分間加熱殺菌することにより袋包装体入り卵スプレッド
を得た。
く殺菌後にも口の中に入れるとさっと溶け、優れた口溶
け感を示し、しかも滑らかな舌触りであった。
下に説明するように製造した。
間茹でた後、4℃の冷水にて冷却し、殻を剥いて茹卵を
得、更に、一辺が約lcmのダイス状に細断することに
より卵スプレッド用茹卵を調製した。また、表3の配合
処方に示した成分のうち、冷水膨潤性澱粉、酢酸ナトリ
ウム、グリシン、食塩及び清水を、全体が均一になるま
で混合することにより清水混合物を調製した。
製した卵スプレッド用茹卵及び清水混合物と液状ドレッ
シングとを、常法により混合することにより製造した。
得られた実施例3の卵スプレッド全体のpHは5.6で
あった。
潤した後の平均粒子径が190.4μmの冷水膨潤性澱
粉に代えて、20℃の冷水で飽和状態となるまで膨潤し
たときの平均粒子径が55.5μmの冷水膨潤性澱粉を
使用する以外は、実施例3と同様の操作を繰り返すこと
により製造した。得られた比較例2の卵スプレッド全体
のpHは5.6であった。
ろ、平均粒子径が190.4μmの冷水膨潤性澱粉を用
いた実施例3の卵スプレッドは、口の中に入れるとさっ
と溶ける良好な口溶け感があり、滑らかな舌触りであっ
た。一方、比較例2の卵スプレッドは、口溶け感が悪
く、舌に絡みつく感じがあった。
1000
性澱粉の平均粒子径の影響を調べるために、20℃の冷
水で飽和状態に膨潤した後の平均粒子径が表5に示す冷
水膨潤性澱粉を使用する以外は、実施例1と同様の操作
を繰り返すことにより卵スプレッド4a〜4hを得た。
0名の訓練されたパネラーによる試食試験によって、以
下の表4に示す判定基準に従って口溶け感とザラツキ感
との評価を行った。得られた結果を表5に示す。
ラーの平均値である。平均粒子径は、冷水膨潤性澱粉1
%濃度溶液(20℃)をレーザー回折式粒度分布測定装
置(SALD−200V ER、島津製作所製)を用い
て測定した。
すぎると口溶け感が低下し、大きすぎるとサラツキ感が
増大する傾向があることがわかる。約90μm〜250
μmの大きさが好ましいこともわかる。
膨潤性澱粉の添加量の影響を調べるために、冷水膨潤性
澱粉の配合量を表7に示す配合量とする以外は、実施例
2と同様の操作を繰り返すことにより卵スプレッド5a
〜5hを製造し、加熱殺菌処理を行った。
れた10名のパネラーによる試食試験によって以下の表
6に示す判定基準に従って舌触り感と離水性との評価を
行った。得られた結果を表7に示す。表7の評価の数値
は、10名のパネラーの平均値である。
水防止効果が得られず、多すぎると舌触り感が低下する
傾向があることがわかる。冷水膨潤性澱粉の配合量が
0.1〜5質量%であることが好ましいこともわかる。
保形性と離水防止効果とを示しながらも、食した時に、
べたつき感がなく良好な口溶け感と舌触りの滑らかさと
を実現できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 水で膨潤した後の平均粒子径が90〜2
50μmである冷水膨潤性澱粉を含有してなる卵スプレ
ッド。 - 【請求項2】 冷水膨潤性澱粉を、水で膨潤する前の状
態換算で0.1〜5.0質量%含有する請求項1記載の
卵スプレッド。 - 【請求項3】 加熱凝固卵30〜90質量%と酸性調味
料10〜70質量%とを含有する請求項1又は2記載の
卵スプレッド。 - 【請求項4】 酸性調味料の水分含量が15〜80質量
%である請求項3記載の卵スプレッド。
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JP2001354356A JP3506134B2 (ja) | 2001-11-20 | 2001-11-20 | 卵スプレッド |
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---|---|---|---|
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-
2001
- 2001-11-20 JP JP2001354356A patent/JP3506134B2/ja not_active Expired - Lifetime
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