JPH08124760A - 電磁装置 - Google Patents

電磁装置

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Publication number
JPH08124760A
JPH08124760A JP6262982A JP26298294A JPH08124760A JP H08124760 A JPH08124760 A JP H08124760A JP 6262982 A JP6262982 A JP 6262982A JP 26298294 A JP26298294 A JP 26298294A JP H08124760 A JPH08124760 A JP H08124760A
Authority
JP
Japan
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winding
coil
bobbin
inductor
transformer
Prior art date
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Pending
Application number
JP6262982A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ogasawara
宏 小笠原
Akinobu Matsuo
晃伸 松尾
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】インバータ式の放電灯点灯装置の周波数特性を
向上でき、電源のオン、オフの繰り返しや、ランプ脱
着、エミッタレス等による過渡ストレスが加えられたと
きの信頼性が向上する電磁装置を提供する。 【構成】放電灯を負荷に持つインバータ点灯回路におけ
るフィルタ用のインダクタ、共振用のインダクタ、バラ
ンサ用のトランス、出力用トランスあるいは始動用パル
ス発生回路のパルストランスの高圧側コイルの巻線構造
がコイル巻線の断面において、巻回軸方向の線幅が巻回
半径方向の線幅よりも狭く、一つのコイル巻線が一層で
構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放電灯点灯装置に用いら
れるチョークやトランスのような電磁装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図19は従来の放電灯点灯装置の回路図
である。この点灯装置は、ハーフブリッジ型のインバー
タ回路と昇圧型のチョッパー回路とでスイッチング素子
を兼用している。以下、その回路構成について説明す
る。ダイオードD4 ,D5 ,D6,D7 よりなる全波整
流器DBの交流入力端子は、インダクタL1 とコンデン
サC0 よりなるフィルター回路を介して交流電源Vsに
接続されている。全波整流器DBの直流出力端子には、
チョッパー用のインダクタL3 と、逆流阻止用のダイオ
ードD1 を介して平滑用のコンデンサC1 が接続されて
いる。コンデンサC 1 には、トランジスタQ1 ,Q2
直列回路が接続されている。各トランジスタQ1 ,Q2
にはそれぞれダイオードD1 ,D2 が逆並列接続されて
いる。トランジスタQ1 の両端には、直流カット用のコ
ンデンサC3 と限流及び共振用のインダクタL2 を介し
て放電灯DLが接続されている。放電灯DLのフィラメ
ントの非電源側端子間には、共振及び予熱電流通電用の
コンデンサC2 が並列接続されている。
【0003】以下、上記回路の動作について説明する。
まず、トランジスタQ1 ,Q2 、ダイオードD1 ,D
2 、インダクタL2 、コンデンサC2 ,C3 、放電灯D
Lが直列インバータ回路を構成している。トランジスタ
1 ,Q2 は高速度で交互にオン、オフされる。平滑コ
ンデンサC1 の直流電圧は、トランジスタQ1 ,Q2
高周波的にスイッチングされ、放電灯DLに高周波電力
が供給される。次に、トランジスタQ2 とダイオードD
1 及びインダクタL3 は、チョッパー回路を構成してい
る。トランジスタQ2 のオン時に、全波整流器DBの出
力をインダクタL 3 に通電して、インダクタL3 にエネ
ルギーを蓄積し、トランジスタQ2 のオフ時にダイオー
ドD1 を介してインダクタL3 のエネルギーを放出し、
平滑コンデンサC1 を充電する。このチョッパー作用に
より入力力率が高く、入力電流の高調波成分も少なくな
る。さらに、コンデンサC0 とインダクタL1 はフィル
ター回路を構成しており、チョッパー回路のスイッチン
グ電流に含まれる高周波成分を除去している。
【0004】この回路に用いられているインダクタL
1 ,L2 ,L3 の構成例を図20に示す。この図は、イ
ンダクタL1 ,L2 ,L3 の断面構成を示している。図
中、Gpはギャップ、Bはボビン、Nは巻線、Tpはテ
ープである。コイル部の巻線NはボビンBに巻回され、
テープで絶縁されて、一対のE型コアEcが形成する磁
路には、ギャップGpが設けられている。図示されたよ
うに、インダクタL1 ,L2 ,L3 は、そのコイル部が
ともに単線あるいはリッツ線により、多層整列巻きで構
成されている。この構成によると、任意の巻線に対して
その左右のみならず上下にも巻線が近接し、そのため任
意の巻線間に発生する分布容量が大きくなり、コイル部
全体での分布容量はかなり大きいものとなる。この分布
容量はインダクタに並列に挿入されることになり、イン
ダクタは、それ自身のインダクタンス値Lと分布容量C
pによりfp=1/2π√(LCp)の周波数で共振す
ることになる。このため、インダクタとして使えるの
は、この共振周波数fp以下の周波数に限定される。し
たがって、分布容量Cpが大きいほど、インダクタの使
用周波数領域が限られる。
【0005】また、図20に示したような丸断面の巻線
を機械巻きあるいは手動で巻く場合、巻線の巻乱れ、あ
るいは上層からの段落ち等の問題があり、これは巻線の
断面形状から完全に無くすことはできない。さらに、ボ
ビン等の熱膨張や収縮その他の原因で生じる外部からの
加圧により、巻線位置がずれやすい。これらの問題によ
り、インダクタのインダクタンス値のばらつきが生じや
すくなる。また、巻線間の絶縁性も悪くなる。
【0006】図19に示す点灯装置において、電源オ
ン、オフの繰り返しやランプ脱着、エミッタレス等によ
る過渡ストレスが加えられた場合、過渡的に大きな電流
がインダクタL2 に流れることになる。このとき、イン
ダクタL2 のインダクタンス値に大きくばらつきがある
場合に加えて、インダクタL2 の周囲温度が非常に高く
なっているなどの悪条件が重なった場合、インダクタL
2 が過渡的な電流で飽和する可能性も考えられる。この
とき、回路に流れる電流は限流要素を失い、非常に大き
くなり、トランジスタQ1 あるいはQ2 を破壊する危険
性がある。
【0007】また、図19に示した点灯装置において、
感電防止のために、負荷部と回路部をトランスにより絶
縁する場合がある。このときの負荷部1Aの回路図を図
21に示す。図中の出力トランスTでインバータ回路部
と負荷部が絶縁され、感電を防止できる。従来の出力ト
ランスTの構成例を図22に示す。図のようにボビンに
1次巻線N1 を多層整列巻きし、さらにテープTpで絶
縁して、その上に2次巻線N2 も多層整列巻きして構成
されている。図22に示したような丸断面の巻線を機械
巻きあるいは手動で巻く場合、巻線の巻乱れ、あるいは
上層からの段落ち等の問題があり、これは巻線の断面形
状から完全に無くすことはできない。さらに、ボビン等
の熱膨張や収縮その他の原因で生じる外部からの加圧に
より、巻線位置がずれやすい。これらの問題により、イ
ンダクタのインダクタンス値のばらつきが生じやすくな
る。また、巻線間の絶縁性も悪くなる。
【0008】図21に示した出力トランスTを有する点
灯装置において、電源オン、オフの繰り返しやランプ脱
着、エミッタレス等による過渡ストレスが加えられた場
合、過渡的に大きな電流がトランスTの2次側とコンデ
ンサC2 に流れることになる。このとき、トランスTの
1次側にも電流が流れているため、2次側のインダクタ
ンス値は殆どコアの無い空心時のインダクタンス値とな
っているので、コンデンサC2に溜まっていた電荷の放
電による過渡的な電流は限流要素が殆ど無い状態で流れ
ることになり、コンデンサC2 としては電流耐量の大き
いものが必要となる。
【0009】また、図19に示した点灯装置において、
放電灯を2灯とする例として、図23のようにバランサ
Tbを用いることで並列点灯させるものがある。この点
灯方式では、共振回路を共用でき、回路構成が簡単にな
る。バランサTbは、2つの放電灯DL1 ,DL2 に流
れる電流を等しくするために用いられる。このようなバ
ランサTbを用いた並列点灯方式の場合、バランサTb
の特性(主に2つの巻線のインダクタンス値)により、
2灯に光出力差が生じる。2灯の同じ種類の放電灯DL
1 ,DL2 を点灯させる場合、2つの放電灯DL1 ,D
2 のランプ電圧及びランプ電流が等しくなるようにす
る必要があるため、バランサTbの2巻線の巻数を等し
く設定する。しかしながら、バランサTbの構造によっ
ては、2巻線のインダクタンス値に大きな差を生じた
り、ばらつきが生じる場合があり、これが光出力に差が
生じる原因となる。そこで、バランサTbを用いた並列
点灯方式の場合、バランサTbの構造を2巻線のインダ
クタンスの差を小さくできるような構造とすることによ
り、光出力差を小さくすることができる。
【0010】従来のバランサTbの構成として、例え
ば、図24のような構造がある。この構造では、2次側
の巻線N2 が1次側の巻線N1 の外側にあるため、巻線
の内側を通る磁束は2次側の巻線N2 の方が多くなり、
その結果、2次側の巻線N2 のインダクタンス値の方が
1次側の巻線N1 のインダクタンス値よりも大きくな
る。また、図25はオートトランス構造を示している。
バランサは通常オートトランスの構造であり、一体形ボ
ビンBに1次巻線N1 と2次巻線N2 を巻き、その間を
絶縁テープ等で絶縁している。このような構造において
は、図25に示したように、1次巻線N1 の巻き方が不
均一となった場合、2次巻線N2 も不均一となる可能性
が高い。いま、図25に示すように、1次巻線N1 がフ
ェライトコアのギャップ側に近寄って巻かれ、2次巻線
2 がギャップから遠い方に近寄って巻かれた場合、1
次巻線N1 と2次巻線N2 の巻数が一定であっても、ギ
ャップによる漏れ磁束のために、1次巻線N1 のインダ
クタンス値は均一に巻かれた場合よりも減少し、逆に、
2次巻線N2 のインダクタンス値は増加する。このよう
に、バランサBの2巻線N1 ,N2 のインダクタンス値
が異なる場合、これらのバランサBを用いて放電灯DL
1 ,DL2 を点灯させると、2つの放電灯DL1,DL2
のランプ電圧やランプ電流が異なってくるため、光出
力差の原因となる。
【0011】その解決策として、バランサの構成を1次
巻線と2次巻線とを交互に巻き上げる図26の構成と
か、あるいは、図27に示す構成のバランサを図28に
示すように複数組み合わせて各放電灯の出力差を低減す
ることにより、バランサの2巻線のインダクタンス値の
差を小さくすることができ、したがって、低光束域にお
ける複数の放電灯の光出力差を小さくすることができ
る。しかしながら、図26の構成では、2巻線のインダ
クタンス値の差を小さくするために、より多く層を重ね
なければならず、形状が大型化し、工程が複雑でコスト
アップとなってしまう。また、図28の構成では、バラ
ンサを2個以上必要とするために実装容積が増えて、コ
ストも大きくなる。
【0012】図29に従来の高圧放電灯点灯装置の回路
図を示す。図中、E1 は直流電源であり、交流電源V1
を整流器DB1 で全波整流し、コンデンサC1 で平滑し
て直流電圧を出力する。Q1 〜Q4 はスイッチング素
子、D1 〜D4 はダイオードであり、フルブリッジ型の
インバータ回路を構成している。DL1 は放電灯、
1,L2 はインダクタ、C2 はコンデンサ、X1 は制
御回路である。この放電灯点灯装置では、制御回路X1
の制御動作により、低周波(例えば400Hz程度)の
毎周期を第1及び第2の動作期間に分け、第1の動作期
間中はスイッチング素子Q1 を高周波(例えば40KH
z程度)でオン・オフ動作させるとともにスイッチング
素子Q2 をオフに保持し、且つ、スイッチング素子Q
3 ,Q4 をそれぞれオフ、オンに保持し、第2の動作期
間中はスイッチング素子Q1 をオフに保持するとともに
スイッチング素子Q2 を高周波でオン・オフ動作させ、
且つ、スイッチング素子Q3 、Q4 をそれぞれオン、オ
フに保持するようにしている。
【0013】この図29の放電灯点灯装置では、高周波
はコンデンサC2 を通り、放電灯DL1 及びインダクタ
2 の直列回路には、低周波の略矩形波電流が流れるこ
とになる。この回路に用いられるインダクタL1 の構成
例を図30に示す。図中、Gpはギャップ、Bはボビ
ン、Nは巻線、Tpはテープである。コイル部の巻線N
はボビンBに巻回され、テープTpで絶縁されており、
一対のE型コアEcが形成する磁路には、ギャップGp
が設けられている。図示されたように、インダクタL1
は、そのコイル部が単線あるいはリッツ線により、多層
整列巻きで構成されている。この構成によると、任意の
巻線に対してその左右のみならず上下にも巻線が近接
し、そのため任意の巻線間に発生する分布容量が大きく
なり、コイル部全体での分布容量はかなり大きいものと
なる。この分布容量はインダクタに並列に挿入されるこ
とになり、インダクタは、それ自身のインダクタンス値
Lと分布容量Cpによりfp=1/2π√(LCp)の
周波数で共振することになる。このため、インダクタと
して使えるのは、この共振周波数fp以下の周波数に限
定される。したがって、分布容量Cpが大きいほど、イ
ンダクタの使用周波数領域が限られる。
【0014】また、図30に示したような丸断面の巻線
を機械巻きあるいは手動で巻く場合、巻線の巻乱れ、あ
るいは上層からの段落ち等の問題があり、これは巻線の
断面形状から完全に無くすことはできない。さらに、ボ
ビン等の熱膨張や収縮その他の原因で生じる外部からの
加圧により、巻線位置がずれやすい。これらの問題によ
り、インダクタのインダクタンス値のばらつきが生じや
すくなる。また、巻線間の絶縁性も悪くなる。
【0015】図29に示す点灯装置において、電源オ
ン、オフの繰り返しやランプ脱着等による過渡ストレス
が加えられた場合、コンデンサC2 に溜まっていた電荷
の放出等により、過渡的に大きな電流がインダクタL2
に流れることになる。このとき、インダクタL2 のイン
ダクタンス値に大きくばらつきがある場合に加えて、イ
ンダクタL2 の周囲温度が非常に高くなっているなどの
悪条件が重なった場合、インダクタL2 が過渡的な電流
で飽和する可能性も考えられる。このとき、回路に流れ
る電流は限流要素を失って、非常に大きくなり、トラン
ジスタQ1 〜Q4のいずれかを破壊する危険性がある。
【0016】また、高圧放電灯点灯装置において、高圧
放電灯を始動するためには、図29のようにイグナイタ
回路IGを設け、始動パルス電圧を放電灯DL1 に印加
し、絶縁破壊によって始動させ、電源からインダクタL
1 を介して供給されるエネルギーにより点灯状態に移行
させる。イグナイタ回路IGの一例を図31に示す。図
中、PTはパルストランス、S1 は電圧応答素子、C4
はコンデンサ、L4 は空心インダクタ(限流要素)、R
2 は抵抗である。ここで、パルストランスPTの2次側
巻線N2 は、定常点灯時のインダクタL2 の作用をも兼
ねている。
【0017】以下、イグナイタ回路IGの動作を説明す
る。電源が投入されると、イグナイタ回路IGのコンデ
ンサC4 には電圧Vcが印加される。この電圧Vcはコ
ンデンサC4 と抵抗R2 による時定数で増加して行き、
電圧応答素子S1 のブレークオーバー電圧を越えると、
電圧応答素子S1 がオンし、コンデンサC4 から電圧応
答素子S1 、パルストランスPTの1次側巻線N1 、空
心インダクタL4 、コンデンサC4 を通る経路で放電電
流が流れ、パルストランスPTの1次側巻線N 1 にLa
×(di/dt)(Laは1次側巻線N1 のインダクタ
ンス値)なる電圧が誘起され、高圧放電灯DL1 の両端
には、パルストランスPTの巻数比(=N2 /N1 )に
昇圧されたパルス電圧が印加されて、始動に至ることに
なる。放電灯DL1 が点灯すると、コンデンサC4 に印
加される電圧が下がるため、電圧応答素子S1 のブレー
クオーバー電圧を越えることがなく、パルス電圧は印加
されなくなる。
【0018】ここで、放電灯DL1 に印加するパルス電
圧は、放電灯DL1 の種類や出力によって異なるが、通
常、2000〜5000V程度である。この場合、電圧
応答素子S1 のブレークオーバー電圧が電源電圧程度が
限度であり、図29の点灯装置においては、図31のイ
グナイタ回路IGのパルストランスPTの1次側巻線N
1 に誘起される電圧は250V〜300Vとなるため、
昇圧比は10倍程度必要であり、2次側巻線N2 は1次
側巻線N1 の10倍程度の巻数になる。例えば、1次側
巻線N1 が10ターンであれば、2次側巻線N2 は10
0ターン程度になる。また、放電灯DL1 が充分に冷え
ている場合には、放電灯内の封入物の圧力が低いので、
2000〜5000V程度のパルス電圧により始動可能
であるが、点灯している状態から一旦消灯させ、その直
後に再び点灯させる場合、放電灯内が高温・高圧であ
り、2000〜5000V程度のパルス電圧では再点灯
できず、非常に高圧の再始動パルスを放電灯に印加する
必要がある。ちなみに、高圧ナトリウム灯の場合、10
KV〜20KV、メタルハライド灯の場合、20KV〜
40KV程度必要であると言われている。このような場
合、パルストランスPTの昇圧比は40〜100倍近く
になる。実際には、このような非常に高圧のパルス電圧
が必要な場合は、1次側巻線に誘起される電圧を上昇さ
せる方法が採られる。例えば、コンデンサを増やし、倍
電圧にする等の手段を用いるものである。しかしなが
ら、どちらにしてもパルストランスPTの2次側巻線数
は多くなり、100〜400ターンは必要となる。
【0019】図32に従来のパルストランスPTのコイ
ル部の構成を示す。図中、Bはボビン、N1 は1次側巻
線、N2 は2次側巻線、Psは層間紙である。2次側巻
線N2は、図33に示すように、単線を多層整列巻きで
巻いており、層間は層間紙Psにより絶縁している。ま
た、2次側巻線N2 の上に層間紙Psで絶縁して1次巻
線N1 が整列巻きされている。この構成では、層間紙P
sの厚さで耐圧を確保しているため、高圧化とともに大
型化する。また、巻線の巻乱れや段落ちの危険性もあ
る。さらに、2次側巻線数が数百ターンもあることに加
えて、2次側巻線はそれぞれの巻線が上下左右に近接し
て位置しているため、巻線間には分布容量が多く発生
し、2次側巻線全体に発生する分布容量は非常に大きい
ものとなる。例えば、100ターンの2次側巻線を4層
で整列巻きさせた場合、2次側に発生する分布容量Cp
は約40pFとなる。この分布容量は2次側のパルス電
圧の波高値を低下させてしまう。よって、分布容量が大
きくなるほどパルス電圧を補うために、巻数の増加ある
いはコアの磁路断面の増加が必要となり、パルストラン
スの大型化、コストアップを招くことになる。
【0020】図34はボビンBにつばfを設けて、巻線
を分割して巻く例を示している。その部分拡大図を図3
5に示す。この構成では、つばfにより分割された巻線
群間の耐圧は向上するが、つばfによりコイルの体積が
増加してしまう。また、1分割中の巻線群の中で巻線の
巻乱れや、段落ち等が起こりやすい。そのため、1分割
中の電位差は数百V程度にしなければならず、数十KV
のパルス電圧の場合には、分割数が数十分割もなってし
まう。このため、形状が大型化し、コストアップとな
る。また、2次側に発生する分布容量は電位差の高い巻
線が図33より離れて配置されるため、図33の構成よ
りも小さくなるが、電位差の低い巻線同士が上下左右に
近接していることにより、例えば100ターンの2次側
巻線を4分割で分割巻きさせた場合、2次側に発生する
分布容量は約20pFとなる。
【0021】そこで、図36に示すように、単線を一層
で巻いたコイルを考える。この図のように、巻線Nを一
層とすると、巻線Nの層間が無くなり、層間耐圧は考え
なくても良く、耐圧性能が非常に向上する。また、巻線
NはボビンBの上に一層で1列に並んでいるため、分布
容量は左右の影響を受けるだけで2次側巻線の全体に発
生する分布容量は非常に小さくなる。例えば、100タ
ーンの2次側巻線を一層で1列に並べたときの分布容量
Cpは約5pFであった。これにより、パルス電圧の波
高値を向上させることができた。
【0022】しかし、2次側巻線数は100〜400タ
ーン程度あり、図36のようなコイル構成にすると、非
常に磁路が長くなってしまう。また、パルストランスP
Tの2次側巻線N2 には、図29に示されるように、放
電灯DL1 が点灯した後、ランプ電流が流れることにな
るため、巻線の線径は、温度上昇、効率等を考慮して、
ランプ電流に応じた線径が必要となる。例えば、70W
負荷の放電灯DL1 (ランプ電圧100V、ランプ電流
0.7A)を点灯させる場合、パルストランスPTの2
次側巻線N2 の線径はφ0.5mmとしている。このと
き、2次側巻線N2 の巻数が100ターンであると、磁
路は少なくとも50mm以上必要となる。磁路をトロイ
ダル状にしても、磁路が長くなることに変わりはない。
【0023】また、図29の点灯装置において、イグナ
イタ回路IGにより、放電灯DL1が点灯した直後、コ
ンデンサC2 に充電されていた電荷が放出し、コンデン
サC 2 、パルストランスPTの2次側巻線N2 よりなる
インダクタL2 、放電灯DL 1 、コンデンサC2 の経路
で放電電流が流れる。このとき、放電電流の限流要素は
パルストランスPTの2次側巻線N2 のインダクタンス
値である。しかしながら、パルストランスPTの1次側
に電流が流れているので、2次側のインダクタンス値
は、コアの飽和時のインダクタンス値(空心時のインダ
クタンス値にほぼ等しい)しかない。このため、コンデ
ンサC2 の放電電流は過渡的に大きな電流となり、電流
容量の大きいコンデンサC2 が必要となる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上述の図19、図2
1、図29の放電灯点灯装置に用いられるインダクタに
ついて、そのコイル部の構成が丸線の多層整列巻きとな
っているため、コイル部に発生する分布容量が大きく、
また、巻線の巻き乱れ、段落ち、あるいはボビンの熱膨
張、熱収縮によるインダクタンス値のばらつきがある。
これにより、回路の周波数特性の信頼性が低下する。ま
た、電源オン、オフの繰り返し、ランプ脱着、エミッタ
レス等による過渡ストレスが加えられた場合の信頼性が
低下する。図23の従来例においては、バランサTbの
2巻線のインダクタンス値の差を小さくするため、1次
巻線N1 と2次巻線N2 を交互に巻くとか、2個以上の
バランサを組み合わせる等の手段があるが、構成が複雑
で作成に時間を要したり、高価になったり、実装体積が
増えたりする問題がある。さらに、図31の従来例にお
いては、高圧放電灯DL1 の始動に必要なパルス電圧の
波高値を低下させずに、且つ絶縁性能を良くすると、パ
ルストランスPTの2次側巻線の構成において、巻線部
の磁路が長くなり、大型化する。また、高圧放電灯DL
1 が始動した直後、高圧放電灯DL1 とパルストランス
PTに並列に入っているコンデンサC2 に過渡的に大電
流が流れ、電流容量の大きいコンデンサC2 が必要とな
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明にあっては、上記
の課題を解決するために、図1及び図2のように、平角
状の巻線nを、その短い辺yの部分を立てて巻いたソレ
ノイド状のコイルを採用するものである。この巻線nに
は絶縁樹脂が塗布されている。このように形成された図
1のコイルは、巻線nの巻乱れもなく、コイル自体の変
形も少なく、安定している。図3にこのコイルの断面図
の拡大図を示す。図のようにコイル状に巻かれた平角状
の巻線nは、コイル内径側が縮み、外径側は伸びて薄く
なる。絶縁膜もこのように外径側の方が厚みが薄くなっ
てしまうが、外径側の巻線間隔gは、図3のように離間
するため、絶縁性能は落ちない。
【0026】
【作用】図1のコイルは、従来例の丸線で巻かれたコイ
ルよりも巻線の占有率が高く、小型になる。また、コイ
ルの巻き高さHは、同じ断面積の丸線で一層巻きした場
合の巻き高さに比べて非常に小さくなる。例えば、図1
及び図2において、x=2mm、y=0.1mmの平角
状巻線nにより、100ターンのコイルを形成したと
き、コイルの巻き高さHは約10mmとなる。これに対
して、同じ巻線断面の線径φ0.5mmの丸線で100
ターンのソレノイドコイルを形成すると、コイルの巻き
高さHは約50mmとなる。また、コイルの断面が図3
のようになっており、外側が開いているため、放熱性が
良い。我々は、また、このコイルが従来例の丸線のコイ
ルよりもインダクタンス値が大きくなることを発見し
た。これは先程示したようにコイルの巻き高さHが従来
例の丸線コイルよりも非常に小さくなり、コイルの磁路
が非常に短くなるため、インダクタンス値が大きくなっ
たものと考えられる。
【0027】
【実施例】図4は本発明の一実施例である。この実施例
は、平角状巻線nをボビンBに縦巻きしたコイルを備え
るインダクタであり、磁路は一対のE型コアEcで形成
されており、中央部にギャップGpを有している。図4
に示すインダクタは巻線nの巻乱れが無く、コイルが安
定しているため、インダクタンス値のばらつきが少な
く、且つ巻線nは一層で巻かれているため、コイルに発
生する分布容量は小さい。したがって、図19に示す放
電灯点灯装置のフィルター回路に使用するインダクタL
1 とした場合、フィルターとしての信頼性を向上させる
ことができる。また、巻線の絶縁性能も良く、巻線の放
熱性も良いので、温度上昇を幾分抑えられる。また、イ
ンダクタL1 を図7に示すような構造のコモンモードチ
ョークにした場合も同様の効果がある。図中、n1 は平
角状巻線をボビンに縦巻きした1次コイルであり、n2
は平角状巻線をボビンに縦巻きした2次コイルである。
磁路は一対のU型コアUcで形成されている。
【0028】また、図4に示す構造のインダクタを図1
9に示す放電灯点灯装置のチョッパー回路に使用される
インダクタL3 としても良い。上述のように、図4に示
す構造のインダクタは巻線の巻乱れが無く、コイルが安
定しているため、インダクタンス値のばらつきが少な
く、且つコイルの分布容量は小さいため、チョッパー回
路としての信頼性を向上させることができ、周波数特性
も向上する。また、巻線の絶縁性能も良く、巻線の放熱
性も良いので、温度上昇を幾分抑えられる。
【0029】さらに、図4に示す構造のインダクタを図
19に示す放電灯点灯装置の共振回路に使用されるイン
ダクタL2 としても良い。図4に示すインダクタは巻線
の巻き乱れが無く、コイルが安定しているため、インダ
クタンス値のばらつきが少なく、且つ巻線は一層で巻か
れているため、コイルに発生する分布容量は小さく、共
振回路の信頼性を向上させることができる。また、電源
オン・オフの繰り返しや、ランプの脱着、エミッタレス
等による過渡ストレスが共振回路に加えられた場合にお
いても、インダクタL2 のインダクタンス値はばらつき
が小さいため、安全性が保たれる。また、仮に、インダ
クタL2 が飽和した場合においても、従来例のような丸
線のコイルよりもインダクタンス値が大きいので、図1
6に示すように、スイッチング素子に流れる過渡的な電
流は幾分抑えられ、信頼性が向上する。また、巻線の絶
縁性能も良く、巻線の放熱性も良いので、温度上昇を幾
分抑えられる。また、図4に示す構造のインダクタを図
29の高圧放電灯点灯装置に使われるインダクタL1
した場合も同様の効果が得られる。
【0030】図5は本発明の他の実施例である。この実
施例は、平角状巻線をボビンに縦巻きした1次コイルn
1 と、同じく平角状巻線をボビンBに縦巻きした2次コ
イルn2 を備えるトランスであり、磁路は一対のE型コ
アEcで形成されており、中央部にギャップGpを有し
ている。図5に示すトランスは巻線の巻乱れが無く、コ
イルが安定しているため、インダクタンス値のばらつき
が少なく、且つ巻線は一層で巻かれているため、コイル
に発生する分布容量は小さい。したがって、図21に示
す放電灯点灯装置に使われる絶縁出力トランスTとした
場合、信頼性を向上させることができる。また、巻線の
絶縁性能も良く、巻線の放熱性も良いので、温度上昇を
幾分抑えられる。
【0031】図6は本発明の別の実施例である。この実
施例は、平角状巻線をボビンBに縦巻きした1次コイル
1 と、同じく平角状巻線をボビンBに縦巻きした2次
コイルn2 を備えるトランスであり、磁路は一対のE型
コアEcで形成されており、中央部にギャップGpを有
している。図5の実施例では、1次コイルn1 は2次コ
イルn2 の外側に配置されているが、図6の実施例で
は、1次コイルn1 と2次コイルn2 は軸方向に並べて
配置されており、1次コイルn1 と2次コイルn 2 のバ
ランスが良い。したがって、図23に示す放電灯点灯装
置に使われるバランサTbとした場合、巻線の巻乱れが
なく、コイルが安定しており、且つ、2巻線コイルはほ
ぼ同一の形状に固定でき、2巻線のコイルのインダクタ
ンス値はばらつきも無く、コイル間の差も殆ど無い。こ
れにより、2つの放電灯DL1 ,DL2 の光出力差を低
減できる。また、巻線の絶縁性能も良く、さらに、放熱
性が良く、温度上昇が抑制される。また、巻線部は大型
化しない。また、コイルをボビンに嵌め込むだけでバラ
ンサを構成できるので、組立てに時間がかからず、コス
ト上昇を抑えられる。また、図7に示すように、一対の
U型コアUcで磁路を形成しても良い。
【0032】図8は本発明のさらに他の実施例である。
本実施例は、図29に示す高圧放電灯点灯装置のイグナ
イタ回路IGに使われるパルストランスPT(図31参
照)であり、パルストランスPTの高圧巻線部(2次巻
線N2 )が、平角状巻線を縦巻きしたコイルとなってい
る。このコイルは巻線の巻き乱れが無く、且つ、一層巻
きで配置されるので、絶縁性能が非常に良い。また、高
圧巻線部の分布容量が小さく、図17に示すように、パ
ルス電圧の波高値の低下を抑えることができる。さら
に、この高圧巻線部は占有率が高く、パルストランスP
Tの大型化を防ぐことができる。また、高圧巻線部(2
次巻線N2 )のインダクタンス値が大きいため、図18
に示すように、高圧放電灯DL1 の点灯直後に流れる電
流のピーク値を抑えることができ、コンデンサC2 の電
流容量も小さくすることができる。
【0033】ところで、イグナイタ回路において、図9
に示すように、高圧巻線部を2分割して、2つの2次巻
線n21,n22により放電灯DL1 を両側から挟み込むよ
うに接続する場合がある。このときのパルストランスP
Tの構造を図10に示す。この場合においても、図8の
実施例と同様の効果が得られ、さらに、高圧巻線部の電
圧が2分されるので、高圧巻線部とそれ以外の部分との
電位差を半分にできる利点がある。また、2つの高圧巻
線部において、互いに高圧となる巻線端がボビンBの両
端に来るので、その間の距離が長く、絶縁性能はさらに
良くなる。
【0034】図8又は図10の実施例のように、パルス
トランスPTの高圧巻線部と低圧巻線部が空間交鎖して
いない場合、両コイル間の結合が悪くなり、例えば高圧
巻線部ヘの伝達が悪くなり、パルス電圧の波高値が低下
する可能性がある。このような場合、高圧巻線部と低圧
巻線部を空間交鎖させる実施例として、図11及び図1
2に示す構造がある。この実施例は、らせん状の溝Mを
ボビンBに設けてあり、この溝Mに低圧側の1次巻線N
1 を巻き、その上にそのまま高圧巻線部(平角状巻線を
縦巻きしたコイルn2 )を配置したものである。これに
より、高圧巻線部と低圧巻線部が空間交鎖して結合比が
上がる。低圧巻線部と高圧巻線部との絶縁耐圧は、図1
2に示すように、ボビンBに設けた溝Mの深さによって
確保される。また、高圧巻線部を従来例のような丸線の
巻線とした場合、低圧巻線部の巻かれた溝に高圧巻線部
が落ち込むため、ボビンと高圧巻線部との間に耐圧テー
プあるいは他のボビン等を配置しなければならないが、
本発明の平角状巻線を縦巻きした高圧巻線部は形状が安
定しており、高圧巻線が低圧巻線部の巻かれたボビンの
溝に落ち込むことがなく、耐圧テープあるいは他のボビ
ン等を間に配置する必要がない。
【0035】さらに、図13の実施例では、ボビンBに
2種類の溝M(らせん状の回転方向が異なり、深さも異
なる)が設けてあり、低圧巻線部N1 を図14のように
折り返して巻ける。この場合も図12の実施例と同様に
耐圧テープあるいは他のボビン等を間に配置する必要が
ない。また、図15のように、高圧巻線部を2分割する
場合のボビンにおいても、同様の効果がある。
【0036】ところで、点灯装置のイグナイタ回路に用
いられるパルストランスは、負荷がメタルハライドラン
プの場合、数kV〜数十kVの高圧パルス電圧を発生す
る。そのため、巻線の耐圧及び耐熱性能を向上させるた
め、絶縁樹脂等での充填が良く施されている。しかし、
コイル部とともに、コアも絶縁樹脂等で充填すると、コ
アと樹脂の熱膨張率が違うことにより、コアが樹脂の膨
張に耐えられず、クラックを起こしてしまう。そのた
め、コイル部のみ充填できるように、図37に示すよう
なケースKが用いられ、ボビンBに巻線Nを施したコイ
ル部を収納し、ケースKとボビンBの間隙を絶縁樹脂で
充填し、その後、ケースKの貫通穴3を通し、ボビンB
の内側にU型コアUcを両側から嵌め込む方法があっ
た。また、コイル部が丸線等で積層巻きされている場合
は、絶縁性確保のため、真空充填してコイル層間まで充
填材が入る必要があった。
【0037】この図37に示す構成では、ボビンBとケ
ースKとの結合部分から充填した樹脂が漏れてしまい、
ボビンBの内側やケースKの貫通穴3の中に漏れた樹脂
が付着して固まってしまうと、両側からU型コアUcを
差し込むのが困難であり、環境的な信頼性が著しく劣化
する。また、図のように、U型コアUcを貼り合わせて
配置しているため、コアの若干の位置ずれが生じると、
これによりコアのギャップ長がばらつき、コアの透磁率
制御が困難となり、特性の信頼性に欠ける。また、図3
7のように、コアのギャップ部が巻線部内に位置してい
ると、ギャップ部で磁束が広がり、巻線部にも磁束が鎖
交するようになり、巻線部の損失が増加し、巻線部の温
度上昇を促してしまう。また、絶縁性を確保するため
に、真空充填にして巻線層間まで充填材を入れる必要が
あった。
【0038】そこで、図38及び図39に示すように、
ボビンBに1次巻線n1 、2次巻線n2 を配置し、巻線
間にボビンBと嵌合したつばfを配置し、I型コアIc
をボビンBに挿入して成るコイル部をケースKに嵌合さ
せて収納し、このケースKとボビンBの間隙を絶縁樹脂
で充填し、その後、ケースKの外側面にC型コアCcを
ケースKのつばで規制保持して配置する。ボビンBの外
周には、ケースKの突起2並びにつばfの突起4に嵌合
する凹溝6が形成されている。この構造では、ケースK
に貫通穴や貼り合わせた部分が無いので、ケースKの外
に絶縁樹脂5が漏れることがなく、C型コアCcもスム
ーズに配置できる。また、C型コアCcとI型コアIc
とのギャップは、2箇所で構成されているため、ギャッ
プを1箇所で構成する従来例よりも、それぞれのギャッ
プ長が短くなり、ギャップ部での磁束の広がりが小さ
く、且つ巻線部がギャップ部上に無いので、巻線部に鎖
交する磁束量が非常に少なく、うず電流損失も少なく、
巻線部の温度上昇を抑制できる。また、2箇所あるギャ
ップは、ケースKの肉厚により固定されているので、ギ
ャップのばらつきがほとんどなく、透磁率制御を安定し
て行うことができ、特性の信頼性も高い。また、2つの
ギャップはそれぞれケースKの肉厚で決まるので、常に
2つのギャップ長は同じ長さとなり、磁束の広がりを最
小限に抑えられる。さらに、充填材はコイル表面を覆う
だけで絶縁性能を確保できるので、真空中で充填を行う
必要もない。なお、本実施例において、C型コアをO型
コアとした場合も同様の仕様で実施でき、また、同じ効
果が得られる。
【0039】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、コイルの巻線
構造がコイル巻線の断面において、巻回軸方向の線幅が
巻回半径方向の線幅よりも狭く、一つのコイル巻線が一
層で構成されているので、インバータ式の放電灯点灯装
置の周波数特性を向上でき、電源のオン、オフの繰り返
しや、ランプ脱着、エミッタレス等による過渡ストレス
が加えられたときの信頼性が向上するという効果があ
る。また、請求項2に記載のように、放電灯を並列点灯
させるためのバランサに本発明の巻線構造を用いた場
合、2灯の放電灯を点灯させる場合、光出力差を小さく
させることができる。さらに、トランスの大型化やコス
トアップを抑えることができる。
【0040】また、請求項3に記載のように、高圧放電
灯を始動させるためのパルス発生回路に本発明の巻線構
造を用いた場合、パルス電圧の波高値を低下させずに、
かつ絶縁性能を確保して、小型にできる。また、高圧放
電灯の始動直後の過渡的な電流値を抑制し、コンデンサ
の電流容量を小さくできる。また、請求項4に記載のよ
うに、パルストランスのボビンに溝を設けて、この溝に
低圧巻線部を巻いて、その上に本発明の巻線構造の高圧
側コイルを配置すれば、高圧側と低圧側の結合を改善で
き、且つ、高圧側コイルとボビンの間に絶縁テープ又は
他のボビン等を必要とせず、大型化やコストアップを抑
えることができる。
【0041】請求項5又は6の発明によれば、ケースの
外に充填した絶縁樹脂が漏れることなく、コアの装着が
容易で、環境的な信頼性を上げ、また生産性を向上する
ことができる。また、コアのギャップを確実に固定し、
ギャップ長のばらつきを抑え、透磁率制御がしやすくな
る。さらに、巻線の磁束の鎖交が少なくでき、うず電流
損失を少なくして、巻線の温度上昇を抑制することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる平角状巻線を縦巻きしたコイル
を示す斜視図である。
【図2】本発明に用いる平角状巻線を示す斜視図であ
る。
【図3】本発明に用いる平角状巻線を縦巻きしたコイル
を示す断面図である。
【図4】本発明の第1実施例の断面図である。
【図5】本発明の第2実施例の断面図である。
【図6】本発明の第3実施例の断面図である。
【図7】本発明の第4実施例の断面図である。
【図8】本発明の第5実施例の断面図である。
【図9】本発明の第6実施例を用いた放電灯点灯装置の
要部回路図である。
【図10】本発明の第6実施例の断面図である。
【図11】本発明の第7実施例の斜視図である。
【図12】本発明の第7実施例の断面図である。
【図13】本発明の第8実施例に用いるボビンの斜視図
である。
【図14】本発明の第8実施例に用いるボビンの断面図
である。
【図15】本発明の第9実施例に用いるボビンの斜視図
である。
【図16】本発明の第1実施例の過渡的動作を示す波形
図である。
【図17】本発明の第4実施例のパルス電圧を示す波形
図である。
【図18】本発明の第4実施例のコンデンサに流れる電
流を示す波形図である。
【図19】従来の放電灯点灯装置の回路図である。
【図20】第1の従来例の断面図である。
【図21】従来の出力トランス付き放電灯点灯装置の負
荷周辺部の回路図である。
【図22】第2の従来例の断面図である。
【図23】従来のバランサ付き放電灯点灯装置の負荷周
辺部の回路図である。
【図24】第3の従来例の断面図である。
【図25】第4の従来例の断面図である。
【図26】第5の従来例の断面図である。
【図27】第6の従来例の断面図である。
【図28】第6の従来例の回路図である。
【図29】従来の高圧放電灯点灯装置の回路図である。
【図30】第7の従来例の断面図である。
【図31】従来の高圧放電灯点灯装置のイグナイタ回路
の回路図である。
【図32】第8の従来例の断面図である。
【図33】第8の従来例の要部断面図である。
【図34】第9の従来例の断面図である。
【図35】第9の従来例の要部断面図である。
【図36】第10の従来例の断面図である。
【図37】従来の電磁装置の分解斜視図である。
【図38】請求項5に記載の電磁装置の分解斜視図であ
る。
【図39】請求項5に記載の電磁装置の断面図である。
【符号の説明】
n 平角状巻線 B ボビン

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電灯を負荷に持つインバータ点灯回
    路におけるフィルタ用のインダクタ、共振用のインダク
    タ、バランサ用のトランス、出力用トランスあるいは始
    動用パルス発生回路のパルストランスの高圧側コイルの
    巻線構造がコイル巻線の断面において、巻回軸方向の線
    幅が巻回半径方向の線幅よりも狭く、一つのコイル巻線
    が一層で構成されていることを特徴とする電磁装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のバランサ用のトランス
    であって、ボビンとコアと同一形状の2つのコイルとか
    らなり、ボビンの中心から磁路方向に対称的に2つのコ
    イルが配置されていることを特徴とする電磁装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の始動用パルス発生回路
    のパルストランスであって、励磁用低圧側コイルとボビ
    ンとコアと同一形状の2つの高圧側コイルとからなり、
    ボビンの中心から磁路方向に対称的に2つの高圧側コイ
    ルが配置されていることを特徴とする電磁装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の始動用パルス発生回路
    のパルストランスであって、励磁用低圧側コイルとボビ
    ンとコアと少なくとも1つの高圧側コイルとからなり、
    ボビンには低圧側コイルを巻かれる溝が設けてあり、ホ
    ビンの周囲に高圧側コイルが配置されていることを特徴
    とする電磁装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の電磁装置であって、C
    型コアとI型コアを対接し、I型コアの両端にギャップ
    を設けて磁路を形成するCI型コアにおいて、巻線を施
    したボビンにI型コアを組み込ませたコイル部と、その
    コイル部を固定し収納するケースと、ボビンとケースの
    間隙に充填した絶縁樹脂と、ケースの外側面に固定して
    配置されたC型コアとからなることを特徴とする電磁装
    置。
  6. 【請求項6】 C型コアの代わりにO型コアとしたこ
    とを特徴とする請求項5記載の電磁装置。
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