JP2011129776A - トランス - Google Patents

トランス Download PDF

Info

Publication number
JP2011129776A
JP2011129776A JP2009288129A JP2009288129A JP2011129776A JP 2011129776 A JP2011129776 A JP 2011129776A JP 2009288129 A JP2009288129 A JP 2009288129A JP 2009288129 A JP2009288129 A JP 2009288129A JP 2011129776 A JP2011129776 A JP 2011129776A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winding
section
secondary winding
wound
substantially cylindrical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009288129A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4962922B2 (ja
Inventor
Makoto Ono
小野  誠
Kazumi Kobayashi
一三 小林
Nobuo Kitajima
伸夫 北島
Yutaka Hatakeyama
豊 畠山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2009288129A priority Critical patent/JP4962922B2/ja
Publication of JP2011129776A publication Critical patent/JP2011129776A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4962922B2 publication Critical patent/JP4962922B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)
  • Insulating Of Coils (AREA)

Abstract

【課題】セクション毎の1次巻線、2次巻線の巻回位置のばらつきが極力抑えられ、1次巻線と2次巻線との磁気結合、及び2次巻線同士の磁気結合が良好なトランスの提供。
【解決手段】略円筒形状部21の軸方向で見たときに、第3セクション21dにおいて周面直上巻回部を構成する第二の1次巻線Np2が巻回されている略円筒形状部21の周面上の領域A1と、第六の2次巻線Ns6が巻回されている略円筒形状部21の周面上の領域A2とは交互に配置されており、略円筒形状部21の軸方向において第2セクション21c内でA1とA2とが混在している。第1セクション21b、第2セクション21c、及び第4セクション21eについても同様にこれらのセクション内でA1とA2とが混在している。
【選択図】図6

Description

本発明はトランスに関し、特に1次巻線と、互いに別個独立した出力を有する複数の2次巻線とが同軸的に巻回されるトランスに関する。
1次巻線と2次巻線とがボビンに巻回された構成のトランスが従来より知られている。ボビンは略円筒形状部を有しており、略円筒形状部の軸方向において略円筒形状部の周面は仕切板によって複数のセクションに仕切られている。各セクションには、1次巻線が巻回されており、1次巻線が巻回された略円筒形状部には、更にその上に2次巻線が巻回されている。このようなトランスは、例えば、特開平11−288830号公報に記載されている。
特開平11−288830号公報
しかし、上述した従来のトランスを実際に製造してみると、上述のように、1次巻線が巻回された略円筒形状部に更にその上に2次巻線を巻回するのであるが、1次巻線と2次巻線とがきれいに巻回されていないことがある。即ち、セクションの略円筒形状部の軸方向において1次巻線、2次巻線がそれぞれ固まって巻回された状態となり、巻芯部の軸方向においてセクションが、1次側巻線の巻回されている1次巻回領域と、2次側巻線の巻回されている2次巻回領域とに2分割された状態となってしまうことがある。
このような状態のセクションが生ずることで、セクション毎に1次巻線、2次巻線の巻回位置のばらつきが生ずると、1次巻線と2次巻線との磁気結合が悪化する。また、2次巻線が互いに別個独立した複数の出力を有する場合には、2次巻線同士の磁気結合が良好であることも要求されるのであるが、セクション毎に1次巻線、2次巻線の巻回位置のばらつきが生ずると、2次巻線同士の磁気結合を良好とすることもできない。
そこで本発明は、セクション毎の1次巻線、2次巻線の巻回位置のばらつきが極力抑えられ、1次巻線と2次巻線との磁気結合、及び2次巻線同士の磁気結合が良好なトランスを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、絶縁被膜された1次巻線と、互いに別個独立した出力を有しそれぞれ絶縁被膜された複数の2次巻線と、絶縁材料からなる略円筒形状部を有し、略円筒形状部の周面上には略円筒形状部の周方向へ延出する少なくとも一つの仕切板が立設され該略円筒形状部の軸方向において該略円筒形状部の周面は該仕切板によって複数のセクションに仕切られ各該セクションには該1次巻線の一部及び該2次巻線の一部がそれぞれ巻回されたボビンと、該略円筒形状部の内周面により画成される空間に挿入されたコアとを備え、該1次巻線、該2次巻線のうちの少なくとも一方の該絶縁被覆は絶縁性の高い高絶縁被覆からなり、該1次巻線は、該各セクションにおける巻回数が略同数になるように巻回され、該2次巻線は、該各セクションにおける巻回数が略同数になるように巻回され、該1次巻線と該2次巻線とは、該各セクションにおいて該略円筒形状部の半径方向に略層状をなし、該1次巻線は、該各セクションにおいて該略円筒形状部の周面の直上にのみ巻回される周面直上巻回部を有し、該1次巻線と該2次巻線との少なくとも一方が複数回巻回されている該セクションでは、該略円筒形状部の軸方向において、該周面直上巻回部を構成する該1次側巻線の部分が巻回されている1次巻回領域と該2次側巻線が巻回されている2次巻回領域とに該セクションが2分割されずに該1次巻回領域と該2次巻回領域とが混在しているトランスを提供している。
「1次巻線は、各セクションにおける巻回数が略同数になるように巻回され、」とは、各セクションにおける1次巻線の巻回数が同数であるか、又は、同数でないセクションがある場合には当該セクションにおける巻回数と他のセクションの巻回数との巻回数の違いは1以内であることを意味する。同様に、「2次巻線は、各セクションにおける巻回数が略同数になるように巻回され、」とは、各セクションにおける2次巻線の巻回数が同数であるか、又は、同数でないセクションがある場合には当該セクションにおける巻回数と他のセクションの巻回数との巻回数の違いは1以内であることを意味する。また、「1次巻線と2次巻線とは、各セクションにおいて略円筒形状部の半径方向に略層状をなし、」とは、きれいに層状をなしている場合と、きれいな層状をなしてはいないが、下層に位置するものと上層に位置するものとが存在するような状態を意味する。従って、積層方向において、最下層を構成するものと同一の位置に下から2番目の層を構成するものがあってもよいが、それと同時に、当該下から2番目の層を構成するものが最下層を構成するものよりも上の層にも配置されていることを意味する。
1次巻線と2次巻線との少なくとも一方が複数回巻回されているセクションでは、略円筒形状部の軸方向において、周面直上巻回部を構成する1次側巻線の部分が巻回されている1次巻回領域と2次側巻線が巻回されている2次巻回領域とにセクションが2分割されずに1次巻回領域と2次巻回領域とが混在しているため、当該セクションで略円筒形状部の軸方向において1次巻線と2次巻線とが偏って巻回されていない状態となっており、当該セクションにおける1次巻線と2次巻線との磁気結合のばらつきを極力抑えることができる。
ここで、該1次巻線は、各該セクションにおいて少なくとも一部が最上層に位置する最上層部を有していることが好ましい。1次巻線は、各セクションにおいて少なくとも一部が最上層に位置する最上層部を有しているため、略円筒形状部の半径方向において最上層部と周面直上巻回部とで2次巻線を挟むような略層状とすることができ、1次巻線と2次巻線との磁気結合をより良好とすることができる。
また、該仕切板には、該仕切板によって仕切られた隣接する2つの該セクションを連通する複数の切欠きが形成され、該1次巻線及び該2次巻線は、一の該切欠きに全て通されずに該複数の切欠きに通されて、隣接する2つの該セクションに跨って巻回されていることが好ましい。
仕切板には、仕切板によって仕切られた隣接する2つのセクションを連通する複数の切欠きが形成され、1次巻線及び2次巻線は、一の切欠きに全て通されずに複数の切欠きに通されて、隣接する2つのセクションに跨って巻回されているため、一のセクションと当該一のセクションに隣接する他のセクションとの間の仕切板の部分で、1次巻線及び2次巻線が略円筒形状部の半径方向に膨らまずに当該一のセクションから他のセクションへと跨って巻回された状態とすることができる。このため、1次巻線及び2次巻線の巻太りを防止することができ、且つ1次巻線と2次巻巻線との磁気結合を安定させることができる。
また、該各セクションにおける該略円筒形状部の周面には溝が形成されており、該周面直上巻回部をなす該1次巻線の部分は該溝に係合した状態で該略円筒形状部の周面に巻回されていることが好ましい。
各セクションにおける略円筒形状部の周面には溝が形成されており、周面直上巻回部をなす1次巻線の部分は溝に係合した状態で略円筒形状部の周面に巻回されているため、各セクション毎に、周面直上巻回部をなす1次巻線の部分が巻回される位置を安定させることができる。このため、1次巻線と2次巻線との磁気結合を安定させることができる。
以上により本発明は、セクション毎の1次巻線、2次巻線の巻回位置のばらつきが極力抑えられ、1次巻線と2次巻線との磁気結合、及び2次巻線同士の磁気結合が良好なトランスを提供することができる。
本発明の実施の形態によるトランスの、1次巻線、2次巻線が巻回されていない状態を示す上方斜視図。 本発明の実施の形態によるトランスの、1次巻線、2次巻線が巻回されていない状態を示す下方斜視図。 本発明の実施の形態によるトランスの、1次巻線、2次巻線が巻回されていない状態を示す分解斜視図。 本発明の実施の形態によるトランスのボビンを示す正面図。 本発明の実施の形態によるトランスのボビンを示す下方斜視図。 本発明の実施の形態によるトランスの1次巻線及び2次巻線の巻回状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態によるトランスを示す回路図。 本発明の実施の形態によるトランスの略円筒形状部に周面直上巻回部を有する第2の1次巻線が巻回された様子を示す底面図。 本発明の実施の形態によるトランスの略円筒形状部に第6の2次巻線が巻回された様子を示す底面図。 本発明の実施の形態によるトランスの略円筒形状部に第2の2次巻線が巻回された様子を示す底面図。 本発明の実施の形態によるトランスの略円筒形状部に第5の2次巻線が巻回された様子を示す底面図。 本発明の実施の形態によるトランスの略円筒形状部に第1の2次巻線が巻回された様子を示す底面図。 本発明の実施の形態によるトランスの略円筒形状部に第3の2次巻線が巻回された様子を示す底面図。 本発明の実施の形態によるトランスの略円筒形状部に第4の2次巻線が巻回された様子を示す底面図。 本発明の実施の形態によるトランスの略円筒形状部に最上部を有する第1の1次巻線が巻回された様子を示す底面図。 本発明の実施の形態によるトランスの変形例の1次巻線及び2次巻線の巻回状態を示す要部断面図。
本発明の実施の形態によるトランスについて図1乃至図15に基づき説明する。図1に示されるようにトランス1は、コア10と、ボビン20と、導線50(図8、図9等)と、ケース91、92とを備えている。なお、説明の便宜上、図1、図2においては、トランス1のうちの導線50が設けられていない状態のものを「トランス1」として図示している。
コア10は同一形状で一対設けられている。図3に示すように、コア10は、底壁部10Aと、当該底壁部10Aの一端と他端とからそれぞれ底壁部10Aから離間する方向へ延出する一対の側壁部10Bと、底壁部10Aから離間する方向へ当該底壁部10Aの中央部から延出する中央壁部10Cとをそれぞれ有し、全体として略E字形状をなしている。一方のコア10の一対の側壁部10Bの延出端は、それぞれ他方のコア10の側壁部10Bの延出端と面で当接している。一方のコア10の中央壁部10Cの延出端は、他方のコア10の中央壁部10Cの延出端とは当接せずにこれらは所定の距離で離間している。
ボビン20は、図3乃至図5に示されるように、絶縁樹脂により構成され略筒形状をなしその軸方向両端に端子台40が設けられた略円筒形状部21を有している。
略円筒形状部21は、当該略円筒形状部21の軸方向に垂直な面で切った断面形状が、一対の平行な直線状をなす部分と、当該一対の平行な直線状をなす部分の一端同士、他端同士をそれぞれ接続する一対の略円弧状の部分と、を有する長円形状の筒状をなしており、略円筒形状部21の内周面により画成される空間21aにはコア10の中央壁部10Cが挿入されている。長円形状の当該一対の平行をなす部分の一方は、図示せぬ実装基板の表面に平行をなす部分であり、実装基板に対向する筒状部実装基板対向面21A(図4)をなす。長円形状の当該一対の平行をなす部分の他方は反筒状部実装基板対向面21B(図4)をなす。
略円筒形状部21の周面には仕切板22A〜22Eが設けられている。仕切板22A〜22Eは、図3〜図5に示されるように、略円筒形状部21の周面の周方向に沿って全周に渡り板状をなして5枚立設されている。仕切板22A〜22Eによって略円筒形状部21の周面は、略円筒形状部21の軸方向において4つのセクションに仕切られている。図4に示すように、各セクションを図の左側から右側へ向かって第1セクション21b、第2セクション21c、第3セクション21d、第4セクション21eとする。
筒状部実装基板対向面21A上に位置している5枚の仕切板22A〜22Eの部分には、図5等に示されるように、第1引出し切欠き22Aa〜22Eaと、第2引出し切欠き22Ab〜22Ebと、第3引出し切欠き22Ac〜22Ecと、第4引出し切欠き22Ad〜22Edとが、略円筒形状部21の半径方向内方へ向けてそれぞれ形成されている。第1引出し切欠き22Aa〜22Eaと、第2引出し切欠き22Ab〜22Ebと、第3引出し切欠き22Ac〜22Ecと、第4引出し切欠き22Ad〜22Edとは、筒状部実装基板対向面21A上に位置している5枚の仕切板22A〜22Eの部分において略円筒形状部21の周方向に等間隔で形成されており、略円筒形状部21の半径方向外方における仕切板22A〜22Eの縁部から略円筒形状部21の周面に至るまで矩形状に形成されている。
略円筒形状部21の軸方向における一端及び他端には、端子台40が略円筒形状部21と一体でそれぞれ設けられている。端子台40は、略円筒形状部21と同一の絶縁樹脂により構成されている。端子台40は、略円筒形状部21の軸方向における筒状部実装基板対向面21Aの両端位置にそれぞれ接続されており、それぞれ略円筒形状部21と同一の絶縁樹脂により構成された端子支持部42を有している。端子支持部42は、それぞれ略円筒形状部21の軸方向に垂直の方向であって筒状部実装基板対向面21Aに平行に延出しており、その中央部分が筒状部実装基板対向面21Aを規定する略円筒形状部21の軸方向両端にそれぞれ一体接続されている。ここで端子支持部42において、図示せぬ実装基板に近い側、即ち、図1〜図4における下側を実装面側とし、図示せぬ実装基板からより離れた側、即ち、図1〜図4における上側を実装面側とし、反実装面側とする。
端子支持部42の反実装面側の部分、即ち、図1〜図3における端子支持部42の上側の部分には、コア支持部23が設けられている。図3に示されるようにコア支持部23は、第1延出部23Aと、反実装面平行部23Bと、第2延出部23Cとを有している。第1延出部23A、第2延出部23Cは、筒状部実装基板対向面21Aから反筒状部実装基板対向面21Bへと向かう方向へ、即ち図3の上方へ、当該反実装面側の端子支持部42の表面から平行に延出している。反実装面平行部23Bは、第1延出部23A、第2延出部23Cの延出端を結ぶように、反筒状部実装基板対向面21B(図4)に平行に延出している。反実装面平行部23Bの延出方向における中央部は、略円筒形状部21の軸方向における反筒状部実装基板対向面21Bの一端、他端の部分に一体に接続されている。
コア支持部23の第1延出部23Aと反実装面平行部23Bと略円筒形状部21と端子支持部42とで画成された空間23aには、コア10の一方の側壁部10Bが挿入されている。コア支持部23の第2延出部23Cと反実装面平行部23Bとフランジ状部41と端子支持部42とで画成された空間23bには、コア10の他方の側壁部10Bが挿入されている。
端子支持部42の実装面側には金属端子たる端子金具24が設けられている。端子金具24は計16個設けられており、略円筒形状部21の軸方向における一端側に設けられた端子台40−1(図8等)の端子支持部42において端子支持部42の延出方向に沿って所定の間隔を隔てて8個固定されている。また、端子金具24は、略円筒形状部21の軸方向における他端側に設けられた端子台40−2(図8等)の端子支持部42において端子支持部42の延出方向に2本ずつ所定の間隔を隔てて計8個固定されている。
端子金具24は、板状の金属片がフォーミングされることにより略コの字とされている。略コの字をなす端子金具24を、互いに平行をなす第1側壁24−A(図1)及び第2側壁24−B(図1)と、これらの一端を互いに連結する図示せぬ底壁と、からなると考えた場合の当該図示せぬ底壁の全体と、当該底壁に接続されている第1側壁24−A、第2側壁24−Bの一端部とは、図1に示されるように端子支持部42を構成する絶縁樹脂中に保持されている。このことにより端子金具24は端子支持部42により支持固定されている。第1側壁24−Aは反実装面側に配置され第1側壁24−Aには後述の導線50の一端部又は他端部が電気的に接続されている。第2側壁24−Bは実装面に平行な位置関係をなし、図示せぬ実装基板上の導電パターンに電気的に接続される。
略円筒形状部21の軸方向における他端側の端子台42−2に設けられた端子支持部42の8個の端子金具24を、それぞれ図8等に示されるように、図の上側から下側へ向かって第1端子24A、第2端子24B、・・・第8端子24Hとする。また、略円筒形状部21の軸方向における一端側の端子台42−1に設けられた端子支持部42の12個の端子金具24について、それぞれ図8等に示されるように、図の下側から上側へ向かって第9端子24I、第10端子24J、・・・第16端子24Pとする。第1端子24A、第2端子24B、・・・、第16端子24Pを支持する端子支持部42の部分は、それぞれ実装面側へ、即ち図1の下方へ突出する端子支持基部42A、42B、・・・、42P(図8等)をなす。
図5に示されるように、端子支持部42に接続されている略円筒形状部21の部分における仕切板22Aの部分は、後述のケース91のフック91Aが係合可能なフック受け部44R−A、44V−Aを有している。同様に、端子支持部42に接続されている略円筒形状部21の部分における仕切板22Eの部分は、後述のケース91のフック91Aが係合可能なフック受け部44E−A、44G−Aを有している。フック受け部44E−A、44G−A、44R−A、44V−Aは、図8等に示されるように、略円筒形状部21の中央位置を中心として、互いに点対象且つ線対称の位置関係で配置されており、図4において下方へ延出している。
図3に示すように、ケースは実装面側ケース91と反実装面側ケース92とからなり、それぞれ略長方形の板状をなしている。実装面側ケース91、反実装面側ケース92の4つの角部近傍位置には、それぞれフック91A、92Aがこれらの表面の法線方向へ延出して設けられている。フック91Aはフック受け部44E−A、44G−A、44R−A、44V−Aに係合可能である。フック92Aは反実装面平行部23Bに係合可能である。反実装面側ケース92には、図示せぬ自動機の吸着ノズルが吸着可能である。
導線50は、図7に示されるように、第一の1次巻線Np1と、第二の1次巻線Np2と、第一の2次巻線Ns1と、第二の2次巻線Ns2と、第三の2次巻線Ns3と、第四の2次巻線Ns4と、第五の2次巻線Ns5と、第六の2次巻線Ns6と、を有している。1次巻線Np1、Np2は、絶縁性の高い高絶縁性被覆が施された銅線からなる三層絶縁ワイヤにより構成されている。2次巻線Ns1〜Ns6は、絶縁性被覆が施された銅線からなる二層絶縁ワイヤにより構成されている。1次巻線Np1、Np2の直径はそれぞれ0.46mmであり、2次巻線Ns1〜Ns6の直径は0.24mmであり、1次巻線Np1、Np2の方が2次巻線Ns1〜Ns6よりも太い。
導線50は、第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、第二の2次巻線Ns2、第五の2次巻線Ns5、第一の2次巻線Ns1、第三の2次巻線Ns3、第四の2次巻線Ns4、第一の1次巻線Np1の順で、略円筒形状部21の各セクションに略層状に巻回されている。
なお、以下の説明で参照する図8〜図15については、説明の便宜上1次巻線又は2次巻線を1本のみ巻回した状態を図示している。また、図8〜図15においては、説明の便宜上各1次巻線Np1、Np2、2次巻線Ns1〜Ns6の一端部、他端部は、第1端子24A〜第16端子24Pに電気的に接続される前の、これらの端子から延出する被巻付け部に巻付けられた状態を図示している。
より具体的には第二の1次巻線Np2は、図8に示されるように、その一端が第6端子24Fに電気的に接続され、端子支持基部42Fに掛けられ、仕切板22Eの第4引出し切欠き22Edを通り第4セクション21e内に入り、第4セクション21eにおいて略円筒形状部21の周面直上に2ターン巻回されている。そして、仕切板22Dの第4引出し切欠き22Ddを通り、第3セクション21d内に入り、第3セクション21dにおいて略円筒形状部21の周面直上に2ターン巻回されている。そして、仕切板22Cの第4引出し切欠き22Cdを通り、第2セクション21c内に入り、第2セクション21cにおいて略円筒形状部21の周面直上に2ターン巻回されている。そして、仕切板22Bの第4引出し切欠き22Bdを通り、第1セクション21b内に入り、第1セクション21bにおいて略円筒形状部21の周面直上に2ターン巻回されている。そして、仕切板22Bの第4引出し切欠き22Bd、仕切板22Cの第4引出し切欠き22Cd、仕切板22Dの第4引出し切欠き22Dd、仕切板22Eの第4引出し切欠き22Edを通り、端子支持基部42Gに掛けられ、第二の1次巻線Np2の他端は第7端子24Gに電気的に接続されている。第二の1次巻線Np2の一部であって各セクションにおいて略円筒形状部21の周面直上に巻回されている部分は、周面直上巻回部に相当する。
第六の2次巻線Ns6は、図9に示されるように、その一端が第1端子24Aに電気的に接続され、端子支持基部42Aに掛けられ、仕切板22Eの第1引出し切欠き22Eaを通り第4セクション21e内に入り、第4セクション21eにおいて第二の1次巻線Np2が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Dの第1引出し切欠き22Daを通り、第3セクション21d内に入り、第3セクション21dにおいて第二の1次巻線Np2が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Cの第1引出し切欠き22Caを通り、第2セクション21c内に入り、第2セクション21cにおいて第二の1次巻線Np2が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Bの第1引出し切欠き22Baを通り、第1セクション21b内に入り、第1セクション21bにおいて第二の1次巻線Np2が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Bの第1引出し切欠き22Ba、仕切板22Cの第1引出し切欠き22Ca、仕切板22Dの第1引出し切欠き22Da、仕切板22Eの第1引出し切欠き22Eaを通り、第六の2次巻線Ns6の他端は第2端子24Bに電気的に接続されている。
第二の2次巻線Ns2は、図10に示されるように、その一端が第10端子24Jに電気的に接続され、仕切板22Aの第4引出し切欠き22Adを通り第1セクション21b内に入り、第1セクション21bにおいて第二の1次巻線Np2及び第六の2次巻線Ns6が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Bの第4引出し切欠き22Bdを通り、第2セクション21c内に入り、第2セクション21cにおいて第二の1次巻線Np2及び第六の2次巻線Ns6が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Cの第4引出し切欠き22Cdを通り、第3セクション21d内に入り、第3セクション21dにおいて第二の1次巻線Np2及び第六の2次巻線Ns6が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Dの第4引出し切欠き22Ddを通り、第4セクション21e内に入り、第4セクション21eにおいて第二の1次巻線Np2及び第六の2次巻線Ns6が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Dの第4引出し切欠き22Dd、仕切板22Cの第4引出し切欠き22Cd、仕切板22Bの第4引出し切欠き22Bd、仕切板22Aの第4引出し切欠き22Adを通り、端子支持基部42Iに掛けられ、第二の2次巻線Ns2の他端は第9端子24Iに電気的に接続されている。
第五の2次巻線Ns5は、図11に示されるように、その一端が第16端子24Pに電気的に接続され、仕切板22Aの第1引出し切欠き22Aaを通り第1セクション21b内に入り、第1セクション21bにおいて第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、及び第二の2次巻線Ns2が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Bの第1引出し切欠き22Baを通り、第2セクション21c内に入り、第2セクション21cにおいて第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、及び第二の2次巻線Ns2が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Cの第2引出し切欠き22Cbを通り、第3セクション21d内に入り、第3セクション21dにおいて第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、及び第二の2次巻線Ns2が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Dの第1引出し切欠き22Daを通り、第4セクション21e内に入り、第4セクション21eにおいて第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、及び第二の2次巻線Ns2が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Dの第1引出し切欠き22Da、仕切板22Cの第1引出し切欠き22Ca、仕切板22Bの第1引出し切欠き22Ba、仕切板22Aの第1引出し切欠き22Adを通り、第五の2次巻線Ns5の他端は第15端子24Oに電気的に接続されている。
第一の2次巻線Ns1は、図12に示されるように、その一端が第3端子24Cに電気的に接続され、仕切板22Eの第2引出し切欠き22Ebを通り第4セクション21e内に入り、第4セクション21eにおいて第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、第二の2次巻線Ns2、及び第五の2次巻線Ns5が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Dの第2引出し切欠き22Dbを通り、第3セクション21d内に入り、第3セクション21dにおいて第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、第二の2次巻線Ns2、及び第五の2次巻線Ns5が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Cの第2引出し切欠き22Cbを通り、第2セクション21c内に入り、第2セクション21cにおいて第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、第二の2次巻線Ns2、及び第五の2次巻線Ns5が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Bの第2引出し切欠き22Bbを通り、第1セクション21b内に入り、第1セクション21bにおいて第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、第二の2次巻線Ns2、及び第五の2次巻線Ns5が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Bの第2引出し切欠き22Bb、仕切板22Cの第2引出し切欠き22Cb、仕切板22Dの第2引出し切欠き22Db、仕切板22Eの第2引出し切欠き22Eb、を通り、第一の2次巻線Ns1の他端は第4端子24Dに電気的に接続されている。
第三の2次巻線Ns3は、図13に示されるように、その一端が第12端子24Lに電気的に接続され、仕切板22Aの第3引出し切欠き22Acを通り第1セクション21b内に入り、第1セクション21bにおいて第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、第二の2次巻線Ns2、第五の2次巻線Ns5、及び第一の2次巻線Ns1が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Bの第3引出し切欠き22Bcを通り、第2セクション21c内に入り、第2セクション21cにおいて第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、第二の2次巻線Ns2、第五の2次巻線Ns5、及び第一の2次巻線Ns1が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Cの第3引出し切欠き22Ccを通り、第3セクション21d内に入り、第3セクション21dにおいて第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、第二の2次巻線Ns2、第五の2次巻線Ns5、及び第一の2次巻線Ns1が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Dの第3引出し切欠き22Dcを通り、第4セクション21e内に入り、第4セクション21eにおいて第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、第二の2次巻線Ns2、第五の2次巻線Ns5、及び第一の2次巻線Ns1が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Dの第3引出し切欠き22Dc、仕切板22Cの第3引出し切欠き22Cc、仕切板22Bの第3引出し切欠き22Bc、仕切板22Aの第3引出し切欠き22Acを通り、第三の2次巻線Ns3の他端は第11端子24Kに電気的に接続されている。
第四の2次巻線Ns4は、図14に示されるように、その一端が第14端子24Nに電気的に接続され、仕切板22Aの第2引出し切欠き22Abを通り第1セクション21b内に入り、第1セクション21bにおいて第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、第二の2次巻線Ns2、第五の2次巻線Ns5、第一の2次巻線Ns1、及び第三の2次巻線Ns3が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Bの第2引出し切欠き22Bbを通り、第2セクション21c内に入り、第2セクション21cにおいて第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、第二の2次巻線Ns2、第五の2次巻線Ns5、第一の2次巻線Ns1、及び第三の2次巻線Ns3が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Cの第2引出し切欠き22Cbを通り、第3セクション21d内に入り、第3セクション21dにおいて第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、第二の2次巻線Ns2、第五の2次巻線Ns5、第一の2次巻線Ns1、及び第三の2次巻線Ns3が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Dの第2引出し切欠き22Dbを通り、第4セクション21e内に入り、第4セクション21eにおいて第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、第二の2次巻線Ns2、第五の2次巻線Ns5、第一の2次巻線Ns1、及び第三の2次巻線Ns3が巻回された略円筒形状部21のその上に5ターン巻回されている。そして、仕切板22Dの第2引出し切欠き22Db、仕切板22Cの第2引出し切欠き22Cb、仕切板22Bの第2引出し切欠き22Bb、仕切板22Aの第2引出し切欠き22Abを通り、第四の2次巻線Ns4の他端は第13端子24Mに電気的に接続されている。
第一の1次巻線Np1は、図15に示されるように、その一端が第5端子24Eに電気的に接続され、仕切板22Eの第4引出し切欠き22Edを通り第4セクション21e内に入り、第4セクション21eにおいて第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、第二の2次巻線Ns2、第五の2次巻線Ns5、第一の2次巻線Ns1、第三の2次巻線Ns3、及び第四の2次巻線Ns4が巻回された略円筒形状部21のその上に2ターン巻回されている。そして、仕切板22Dの第4引出し切欠き22Ddを通り、第3セクション21d内に入り、第3セクション21dにおいて第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、第二の2次巻線Ns2、第五の2次巻線Ns5、第一の2次巻線Ns1、第三の2次巻線Ns3、及び第四の2次巻線Ns4が巻回された略円筒形状部21のその上に2ターン巻回されている。そして、仕切板22Cの第4引出し切欠き22Cdを通り、第2セクション21c内に入り、第2セクション21cにおいて第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、第二の2次巻線Ns2、第五の2次巻線Ns5、第一の2次巻線Ns1、第三の2次巻線Ns3、及び第四の2次巻線Ns4が巻回された略円筒形状部21のその上に2ターン巻回されている。そして、仕切板22Bの第4引出し切欠き22Bdを通り、第1セクション21b内に入り、第1セクション21bにおいて第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、第二の2次巻線Ns2、第五の2次巻線Ns5、第一の2次巻線Ns1、第三の2次巻線Ns3、及び第四の2次巻線Ns4が巻回された略円筒形状部21のその上に2ターン巻回されている。そして、仕切板22Bの第4引出し切欠き22Bd、仕切板22Cの第4引出し切欠き22Cd、仕切板22Dの第4引出し切欠き22Dd、仕切板22Eの第4引出し切欠き22Edを通り、第一の1次巻線Np1の他端は第8端子24Hに電気的に接続されている。以上のように各2次巻線は、互いに別個独立した出力を有する構成となっている。
ここで、例えば第2セクション21c及び第3セクション21dについて見ると、図6に示されるように、第二の1次巻線Np2、第六の2次巻線Ns6、第二の2次巻線Ns2、第五の2次巻線Ns5、第一の2次巻線Ns1、第三の2次巻線Ns3、第四の2次巻線Ns4、第一の1次巻線Np1は略層状、即ち、図6の下から上へ向かって、完全に層にはなっていないものの、略積み重なるように重なるように巻回されている。
略円筒形状部21の軸方向、即ち、図6の左右方向で見たときに、第2セクション21cにおいて周面直上巻回部を構成する第二の1次巻線Np2が巻回されている略円筒形状部21の周面上の領域A1は、第二の1次巻線Np2の次に巻回された(第二の1次巻線Np2の上に巻回された)第六の2次巻線Ns6が巻回されている略円筒形状部21の周面上の領域A2に挟まれた位置関係をなしており、略円筒形状部21の軸方向において第2セクション21c内でA1とA2とが混在している。同様に、略円筒形状部21の軸方向、即ち、図6の左右方向で見たときに、第3セクション21dにおいて周面直上巻回部を構成する第二の1次巻線Np2が巻回されている略円筒形状部21の周面上の領域A1と、第六の2次巻線Ns6が巻回されている略円筒形状部21の周面上の領域A2とは交互に配置されており、略円筒形状部21の軸方向において第2セクション21c内でA1とA2とが混在している。第1セクション21b及び第4セクション21eについても同様にこれらのセクション内でA1とA2とが混在している。
このようにA1とA2とが混在しており、図6の左右方向で見たときにセクション22c、22dの各セクションにおいて図6の右側がA1、左側がA2というようにセクションが2分割されていないため、各セクションで略円筒形状部21の軸方向において1次巻線Np1、Np2と2次巻線Ns1〜Ns6とが偏って巻回されていない状態とすることができ、各セクションにおいて1次巻線と2次巻線との磁気結合のばらつきを極力抑えることができる。
また、絶縁テープを介して各1次巻線、各2次巻線同士を互いに絶縁するように積層して巻回する場合と比較して、略円筒形状部21の半径方向において各1次巻線、各2次巻線同士を互いに密な状態として積層して巻回することができるため、リーケージインダクタンスを安定させることができ、良好な磁気結合を得ることができる。
また、第一の1次巻線Np1の一部は、図6において一番上に配置されている部分を有している。この部分は最上層部に相当する。このため、略円筒形状部21の半径方向たる図6の上下方向において最上層部と周面直上巻回部とで2次巻線Ns1〜Ns6を挟むような略層状とすることができ、1次巻線Np1、Np2と2次巻線Ns1〜Ns6との磁気結合をより良好とすることができる。
また、仕切板22A〜22Eには、仕切板22A〜22Eによって仕切られた隣接する2つのセクションを連通する第1〜第4引出し切欠き22Aa〜22Edが形成され、1次巻線Np1、Np2及び2次巻線Ns1〜Ns6は、一の引出し切欠きに全て通されずに第1〜第4引出し切欠きそれぞれに通されて、隣接する2つのセクションに跨って巻回されているため、一のセクションと当該一のセクションに隣接する他のセクションとの間の仕切板の部分で、1次巻線Np1、Np2及び2次巻線Ns1〜Ns6が略円筒形状部21の半径方向に膨らまずに当該一のセクションから他のセクションへと跨って巻回された状態とすることができる。このため、1次巻線Np1、Np2及び2次巻線Ns1〜Ns6の巻太りを防止することができ、且つ1次巻線Np1、Np2と2次巻線Ns1〜Ns6との磁気結合を安定させることができる。
次に、本実施の形態によるトランスの効果を試す試験を行った。試験では、本実施の形態によるトランスを本発明品1とした。また、後述の変形例と同様に、各セクションにおける略円筒形状部21の周面に螺旋状の溝21g(図16)が形成され、周面直上巻回部をなす1次巻線の部分が当該溝21g(図16)に係合し、周面直上巻回部をなす1次巻線Np2の部分及び2次巻線Ns6が略円筒形状部21の軸方向において平らに配置されているトランスを本発明品2とした。また、本実施の形態によるトランスの1次巻線及び2次巻線の全てを、仕切板22A〜22Eの第1引出し切欠き22Aa〜22Eaのみを通して各セクションに巻回して、本発明品1と同様に一端部、他端部をそれぞれ第1端子24A〜第16端子24Pに電気的に接続したものを本発明品3とした。また、本実施の形態によるトランスの1次巻線及び2次巻線に代えて、三層絶縁ワイヤ、二層絶縁ワイヤではなく通常の絶縁性を有する絶縁被膜により被覆された銅線を1次巻線及び2次巻線として用い、各1次巻線、各2次巻線間に絶縁テープを設けて絶縁したものを従来品とした。
そして、第六の2次巻線Ns6(1層)、第二の2次巻線Ns2(2層)、第五の2次巻線Ns5(3層)、第一の2次巻線Ns1(4層)、第三の2次巻線Ns3(5層)、第四の2次巻線Ns4(6層)をそれぞれショートさせて、1次巻線のL値を測定することによりリーケージインダンタンスの値を得た。また、これらの2次巻線全てをショートさせて、1次巻線のL値を測定することによりリーケージインダンタンスの値を得た。結果は表1に示すとおりである。
Figure 2011129776
表1に示すように、本発明品1〜本発明品3のいずれの2次巻線をショートさせた場合も、従来品より良好なリーケージインダクタンスの値を得ることができた。特に、第五の2次巻線Ns5(3層)、第一の2次巻線Ns1(4層)、第三の2次巻線Ns3(5層)をそれぞれショートさせた場合には、従来品と比較して略30%〜略55%もリーケージインダクタンスが低下しており、結果は極めて良好であることが分かった。また、2次巻線全てをショートさせた場合も、従来品と比較して略40%弱リーケージインダクタンスが低下しており、結果は極めて良好であることが分かった。
本発明のトランスは、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、図16に示されるように、各セクションにおける略円筒形状部21の周面には螺旋状の溝21gが形成されていてもよい。このようにすることで、周面直上巻回部をなす1次巻線Np2の部分が溝21gに係合して略円筒形状部21の周面に巻回された状態とすることができる。このため、各セクション毎に、周面直上巻回部をなす1次巻線Np2の部分が巻回される位置を安定させることができる。この結果、1次巻線Np1、Np2と2次巻線Ns1〜Ns6との磁気結合を安定させることができる。なお、説明の便宜上、図16においては、1次巻線Np2、2次巻線Ns6のみを図示している。
また、1次巻線Np1、Np2は絶縁性の高い高絶縁性被覆が施された銅線からなる三層絶縁ワイヤにより構成され、2次巻線Ns1〜Ns6は絶縁性被覆が施された銅線からなる二層絶縁ワイヤにより構成されていたが、1次巻線、2次巻線のうちの少なくとも一方が三層絶縁ワイヤ又は二層絶縁ワイヤにより構成されていればよい。
本発明のトランスは、特に1次巻線と、互いに別個独立した出力を有する複数の2次巻線とが同軸的に巻回されるトランスの分野において特に有用である。
1 トランス
10 コア
20 ボビン
21 略円筒形状部
22A〜E 仕切板
21a 空間
21b 第1セクション
21c 第2セクション
21d 第3セクション
21e 第4セクション
24 端子金具
22Aa、22Ba、22Ca、22Da、22Ea 第1引出し切欠き
22Ab、22Bb、22Cb、22Db、22Eb 第2引出し切欠き
22Ac、22Bc、22Cc、22Dc、22Ec 第3引出し切欠き
22Ad、22Bd、22Cd、22Dd、22Ed 第4引出し切欠き
40 端子台
50 導線

Claims (4)

  1. 絶縁被膜された1次巻線と、
    互いに別個独立した出力を有しそれぞれ絶縁被膜された複数の2次巻線と、
    絶縁材料からなる略円筒形状部を有し、略円筒形状部の周面上には略円筒形状部の周方向へ延出する少なくとも一つの仕切板が立設され該略円筒形状部の軸方向において該略円筒形状部の周面は該仕切板によって複数のセクションに仕切られ各該セクションには該1次巻線の一部及び該2次巻線の一部がそれぞれ巻回されたボビンと、
    該略円筒形状部の内周面により画成される空間に挿入されたコアとを備え、
    該1次巻線、該2次巻線のうちの少なくとも一方の該絶縁被覆は絶縁性の高い高絶縁被覆からなり、
    該1次巻線は、該各セクションにおける巻回数が略同数になるように巻回され、該2次巻線は、該各セクションにおける巻回数が略同数になるように巻回され、該1次巻線と該2次巻線とは、該各セクションにおいて該略円筒形状部の半径方向に略層状をなし、
    該1次巻線は、該各セクションにおいて該略円筒形状部の周面の直上にのみ巻回される周面直上巻回部を有し、
    該1次巻線と該2次巻線との少なくとも一方が複数回巻回されている該セクションでは、該略円筒形状部の軸方向において、該周面直上巻回部を構成する該1次側巻線の部分が巻回されている1次巻回領域と該2次側巻線が巻回されている2次巻回領域とに該セクションが2分割されずに該1次巻回領域と該2次巻回領域とが混在していることを特徴とするトランス。
  2. 該1次巻線は、各該セクションにおいて少なくとも一部が最上層に位置する最上層部を有していることを特徴とする請求項1記載のトランス。
  3. 該仕切板には、該仕切板によって仕切られた隣接する2つの該セクションを連通する複数の切欠きが形成され、該1次巻線及び該2次巻線は、一の該切欠きに全て通されずに該複数の切欠きに通されて、隣接する2つの該セクションに跨って巻回されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のトランス。
  4. 該各セクションにおける該略円筒形状部の周面には溝が形成されており、
    該周面直上巻回部をなす該1次巻線の部分は該溝に係合した状態で該略円筒形状部の周面に巻回されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載のトランス。
JP2009288129A 2009-12-18 2009-12-18 トランス Active JP4962922B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009288129A JP4962922B2 (ja) 2009-12-18 2009-12-18 トランス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009288129A JP4962922B2 (ja) 2009-12-18 2009-12-18 トランス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011129776A true JP2011129776A (ja) 2011-06-30
JP4962922B2 JP4962922B2 (ja) 2012-06-27

Family

ID=44292035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009288129A Active JP4962922B2 (ja) 2009-12-18 2009-12-18 トランス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4962922B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210119326A (ko) * 2020-03-24 2021-10-05 티디케이가부시기가이샤 코일 장치

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57102110U (ja) * 1980-12-12 1982-06-23
JPH0869930A (ja) * 1994-08-29 1996-03-12 Matsushita Electric Works Ltd 電磁装置
JPH08124760A (ja) * 1994-10-26 1996-05-17 Matsushita Electric Works Ltd 電磁装置
JPH09134821A (ja) * 1995-11-09 1997-05-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd トランス
JPH09219325A (ja) * 1996-02-08 1997-08-19 Sanyo Electric Co Ltd 変圧器用コイルボビン
JP2002093633A (ja) * 2000-09-14 2002-03-29 Matsushita Electric Works Ltd トランス
JP2007266454A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Murata Mfg Co Ltd トランス接続回路、放電管点灯回路、および電子装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57102110U (ja) * 1980-12-12 1982-06-23
JPH0869930A (ja) * 1994-08-29 1996-03-12 Matsushita Electric Works Ltd 電磁装置
JPH08124760A (ja) * 1994-10-26 1996-05-17 Matsushita Electric Works Ltd 電磁装置
JPH09134821A (ja) * 1995-11-09 1997-05-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd トランス
JPH09219325A (ja) * 1996-02-08 1997-08-19 Sanyo Electric Co Ltd 変圧器用コイルボビン
JP2002093633A (ja) * 2000-09-14 2002-03-29 Matsushita Electric Works Ltd トランス
JP2007266454A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Murata Mfg Co Ltd トランス接続回路、放電管点灯回路、および電子装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210119326A (ko) * 2020-03-24 2021-10-05 티디케이가부시기가이샤 코일 장치
KR102480687B1 (ko) 2020-03-24 2022-12-23 티디케이가부시기가이샤 코일 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP4962922B2 (ja) 2012-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11189418B2 (en) Coil component
JP7028796B2 (ja) 変圧器および誘導子用巻線を形成する組み重ね式平形巻線コイル
JP4888841B2 (ja) コイル部品
JP2010199549A (ja) トランス
US10739384B2 (en) PCB Rogowski coil
KR20130063363A (ko) 커먼 모드 노이즈 필터
JP2015158369A (ja) 電流検出用コイル
JP4569481B2 (ja) トロイダルコイル構造
JP4962922B2 (ja) トランス
JP5680327B2 (ja) 分割巻トランス
JP2014075535A (ja) 誘導機器
JP2006032589A (ja) トランス
WO2016005526A1 (en) Centre-tapped transformer
TWM333646U (en) Improved structure of leakage inductance resonant transformer
JP5120782B2 (ja) 高圧トランス
JP7373775B2 (ja) リーケージトランス
JP2003037017A (ja) フライバックトランス
JP2012182285A (ja) コイル部品
JP4930809B2 (ja) トランス
JP5464733B2 (ja) トランス
JP3696582B2 (ja) インバータ用トランス
KR20100054875A (ko) 복합 자성소자
US20140313004A1 (en) Magnetic component and transformer made therefrom
TWM430693U (en) Improved structure inductance leakage winding
KR101326677B1 (ko) 1개의 레이어에 1개 이상의 코어가 구현된 서로 다른 권선부재들이 적층되어 형성되는 온-칩 트랜스포머 밸룬 및 권선부재 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120305

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4962922

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120318

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150406

Year of fee payment: 3