JPH08119738A - 導電性セラミックスの製造方法 - Google Patents
導電性セラミックスの製造方法Info
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- JPH08119738A JPH08119738A JP6264783A JP26478394A JPH08119738A JP H08119738 A JPH08119738 A JP H08119738A JP 6264783 A JP6264783 A JP 6264783A JP 26478394 A JP26478394 A JP 26478394A JP H08119738 A JPH08119738 A JP H08119738A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
- Inert Electrodes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】低温での焼成により緻密質な焼結体を作製す
る。 【構成】金属元素として少なくとも周期律表第3a族元
素と、Crと、Ca、Ba、SrおよびMgの群から選
ばれる少なくとも1種のアルカリ土類元素を含有する酸
化物粉末の混合粉末、あるいはそれらの固溶によるペロ
ブスカイト複合酸化物粉末を1000〜1700℃の酸
素分圧が10-2気圧以下の雰囲気中で熱処理した後、こ
れを成形し、酸素分圧が10-3気圧以上の酸化雰囲気中
で焼成することにより、開気孔率1%以下の焼結体を
得、これを燃料電池セルの集電部材や発熱素子として使
用する。
る。 【構成】金属元素として少なくとも周期律表第3a族元
素と、Crと、Ca、Ba、SrおよびMgの群から選
ばれる少なくとも1種のアルカリ土類元素を含有する酸
化物粉末の混合粉末、あるいはそれらの固溶によるペロ
ブスカイト複合酸化物粉末を1000〜1700℃の酸
素分圧が10-2気圧以下の雰囲気中で熱処理した後、こ
れを成形し、酸素分圧が10-3気圧以上の酸化雰囲気中
で焼成することにより、開気孔率1%以下の焼結体を
得、これを燃料電池セルの集電部材や発熱素子として使
用する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体電解質型燃料電池
セルのセパレータ、ガスディフューザー、およびインタ
ーコネクタなどの集電材料あるいはセラミック発熱素子
として好適なMCrO3 (M:周期律表第3a族元素)
系導電性セラミックスを製造するための方法に関する。
セルのセパレータ、ガスディフューザー、およびインタ
ーコネクタなどの集電材料あるいはセラミック発熱素子
として好適なMCrO3 (M:周期律表第3a族元素)
系導電性セラミックスを製造するための方法に関する。
【0002】
【従来技術】MCrO3 (M:周期律表第3a族元素)
で表される化合物は、高温において化学的安定性に優
れ、また電子伝導性が大きいことから固体電解質型燃料
電池セルのセパレータ、ガスディフューザ、およびイン
ターコネクタなどの集電材料あるいはセラミック発熱素
子への応用が検討されている。
で表される化合物は、高温において化学的安定性に優
れ、また電子伝導性が大きいことから固体電解質型燃料
電池セルのセパレータ、ガスディフューザ、およびイン
ターコネクタなどの集電材料あるいはセラミック発熱素
子への応用が検討されている。
【0003】固体電解質型燃料電池セルにおいては、図
1に示すようにY2 O3 安定化ZrO2 の電解質1の一
面に多孔性のLaをCa、Srで置換したLaMnO3
を空気極2として形成し、他方の面にNi−ZrO
2 (Y2 O3 含有)からなる燃料極3を形成して単セル
が構成されている。この単セルは上述の例えばMg、C
aなどをドープしたLaCrO3 系のセパレータ4で挟
みこまれている。
1に示すようにY2 O3 安定化ZrO2 の電解質1の一
面に多孔性のLaをCa、Srで置換したLaMnO3
を空気極2として形成し、他方の面にNi−ZrO
2 (Y2 O3 含有)からなる燃料極3を形成して単セル
が構成されている。この単セルは上述の例えばMg、C
aなどをドープしたLaCrO3 系のセパレータ4で挟
みこまれている。
【0004】一方、高温作動のセラミックの発熱素子に
おいては、絶縁性セラミックスであるアルミナの表面に
白金などの抵抗体を形成したり、内部にタングステン等
の抵抗体を内蔵したものが使用されている。この種の発
熱素子においては、作動温度が700℃と高いことが利
点であるが、抵抗に掛かる電圧が不均一なためその結果
発熱温度が不均一となることに加えて、発熱面積が小さ
いなどの欠点がある。
おいては、絶縁性セラミックスであるアルミナの表面に
白金などの抵抗体を形成したり、内部にタングステン等
の抵抗体を内蔵したものが使用されている。この種の発
熱素子においては、作動温度が700℃と高いことが利
点であるが、抵抗に掛かる電圧が不均一なためその結果
発熱温度が不均一となることに加えて、発熱面積が小さ
いなどの欠点がある。
【0005】この問題を克服するため特願平5−103
117号記載のようにLaCrO3 系の自己発熱型のセ
ラミック発熱素子も検討されている。
117号記載のようにLaCrO3 系の自己発熱型のセ
ラミック発熱素子も検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】MCrO3 (M=周
期律表第3a族元素)系材料は、上述のように固体電解
質型燃料電池セルの集電材料や各種セラミック発熱素子
として好適な材料であるが、MCrO3 系材料は陽イオ
ンの拡散速度が遅いことに加えて、焼結過程において材
料中からCr成分が揮発して、粒子の接触部(ネック
部)にCr2 O3 として凝縮堆積して焼結を阻害する。
このため、大気中では2000℃以上の高温で焼結させ
るか、あるいは還元性雰囲気でこのCr成分の蒸発凝縮
を抑制しながら焼結させる必要がある。Crの蒸発凝縮
を抑制し得る雰囲気で焼結する場合においても1800
℃以上の高温での焼成が必要である。
期律表第3a族元素)系材料は、上述のように固体電解
質型燃料電池セルの集電材料や各種セラミック発熱素子
として好適な材料であるが、MCrO3 系材料は陽イオ
ンの拡散速度が遅いことに加えて、焼結過程において材
料中からCr成分が揮発して、粒子の接触部(ネック
部)にCr2 O3 として凝縮堆積して焼結を阻害する。
このため、大気中では2000℃以上の高温で焼結させ
るか、あるいは還元性雰囲気でこのCr成分の蒸発凝縮
を抑制しながら焼結させる必要がある。Crの蒸発凝縮
を抑制し得る雰囲気で焼結する場合においても1800
℃以上の高温での焼成が必要である。
【0007】このような高温での材料の作製は、経済的
な観点から燃料電池セルの量産やセラミック発熱素子へ
の応用を著しく困難にさせるとともに、製品コストを高
める大きな要因になっている。または、特開平2−11
1632号に記載されるようにLa1+x+y Cax CrO
3 のようにCaを過剰に添加して低温度で焼成する方法
もあるが、この材料は1000℃付近で使用すると相分
離を起こし、特性が劣化する場合がある。このため、こ
の材料は使用条件により必ずしも安定な材料とは言えな
いという問題があった。
な観点から燃料電池セルの量産やセラミック発熱素子へ
の応用を著しく困難にさせるとともに、製品コストを高
める大きな要因になっている。または、特開平2−11
1632号に記載されるようにLa1+x+y Cax CrO
3 のようにCaを過剰に添加して低温度で焼成する方法
もあるが、この材料は1000℃付近で使用すると相分
離を起こし、特性が劣化する場合がある。このため、こ
の材料は使用条件により必ずしも安定な材料とは言えな
いという問題があった。
【0008】また、一方LaCrO3 系材料を低温で作
製する方法として、電気化学的気相合成(EVD)法が
知られている。しかしながら、この方法は1400℃と
比較的低温でLaCrO3 系材料が作製できるものの、
LaCrO3 の成長速度が遅いため量産性に欠ける欠点
がある。これに加えて、この方法では出発原料として極
めて高価な金属塩化物を使用する必要があるため経済的
にも問題があった。
製する方法として、電気化学的気相合成(EVD)法が
知られている。しかしながら、この方法は1400℃と
比較的低温でLaCrO3 系材料が作製できるものの、
LaCrO3 の成長速度が遅いため量産性に欠ける欠点
がある。これに加えて、この方法では出発原料として極
めて高価な金属塩化物を使用する必要があるため経済的
にも問題があった。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、上述の
問題点を解決するためMCrO3 (M=周期律表第3a
族元素)系材料を低温で焼成するための方法について検
討を重ねた結果、周期律表第3a族元素と、Crと、C
a、Sr、Ba、Mgなどのアルカリ土類元素を含む酸
化物の混合粉末、あるいはそれらの固溶により形成され
たペロブスカイト型複合酸化物粉末を、成形前に100
0〜1700℃の酸素分圧が10-2気圧以下の雰囲気中
で熱処理した後、これを成形し、酸素分圧が10-3気圧
以上の酸化雰囲気中で焼成することにより、緻密質なL
aCrO3 系導電性セラミックスが得られることを知見
したものである。
問題点を解決するためMCrO3 (M=周期律表第3a
族元素)系材料を低温で焼成するための方法について検
討を重ねた結果、周期律表第3a族元素と、Crと、C
a、Sr、Ba、Mgなどのアルカリ土類元素を含む酸
化物の混合粉末、あるいはそれらの固溶により形成され
たペロブスカイト型複合酸化物粉末を、成形前に100
0〜1700℃の酸素分圧が10-2気圧以下の雰囲気中
で熱処理した後、これを成形し、酸素分圧が10-3気圧
以上の酸化雰囲気中で焼成することにより、緻密質なL
aCrO3 系導電性セラミックスが得られることを知見
したものである。
【0010】以下、本発明を詳述する。本発明において
製造される導電性セラミックスは、MCrO3 (M:周
期律表第3a族元素)系固溶体を主結晶相とするもの
で、式中、Mとしては具体的にはLa、Y、Yb、S
c、Sm、Dy、Nd、Pr、Ce、GdおよびErの
群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。また、こ
のMCrO3 からなる主結晶相において、Ca、Ba、
SrおよびMgのうちの少なくとも1種を含むものであ
る。この組成における金属元素の組成を下記化1
製造される導電性セラミックスは、MCrO3 (M:周
期律表第3a族元素)系固溶体を主結晶相とするもの
で、式中、Mとしては具体的にはLa、Y、Yb、S
c、Sm、Dy、Nd、Pr、Ce、GdおよびErの
群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。また、こ
のMCrO3 からなる主結晶相において、Ca、Ba、
SrおよびMgのうちの少なくとも1種を含むものであ
る。この組成における金属元素の組成を下記化1
【0011】
【化1】
【0012】と表した時、x+y+z=2、0.005
≦y/x+y+z≦0.3を満足することが望ましい。
これらアルカリ土類元素による置換は、セラミックスの
導電性を高める上で必要であり、0.005>y/x+
y+zでは、電気伝導度が小さくなり、y/x+y+z
>0.3では水素/水蒸気雰囲気で材料分解が起こった
り、あるいは材料表面の腐食が著しいため好ましくな
い。特に望ましくは0.01≦y/x+y+z≦0.1
である。
≦y/x+y+z≦0.3を満足することが望ましい。
これらアルカリ土類元素による置換は、セラミックスの
導電性を高める上で必要であり、0.005>y/x+
y+zでは、電気伝導度が小さくなり、y/x+y+z
>0.3では水素/水蒸気雰囲気で材料分解が起こった
り、あるいは材料表面の腐食が著しいため好ましくな
い。特に望ましくは0.01≦y/x+y+z≦0.1
である。
【0013】また、この導電性セラミックスによれば、
主結晶相を構成するCrの一部をMn、Ni、Fe、C
oでCrに対して30原子%以下の比率で置換すること
も可能である。
主結晶相を構成するCrの一部をMn、Ni、Fe、C
oでCrに対して30原子%以下の比率で置換すること
も可能である。
【0014】上記MCrO3 (M:周期律表第3a族元
素)系導電性セラミックスを製造するには、通常、出発
原料として周期律表第3a族元素酸化物、Cr2 O3 、
CaO、MgO、SrO等や、熱処理により酸化物を形
成する各構成金属の水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩
などを用いて所定の比率で調合した後、1000〜16
00℃で1〜5時間仮焼した後に、ボールミル等の周知
の方法により粉砕を行い0.1〜10μmのペロブスカ
イト複合酸化物粉末を作製する。そしてこの粉末を用い
て成形、焼成する。
素)系導電性セラミックスを製造するには、通常、出発
原料として周期律表第3a族元素酸化物、Cr2 O3 、
CaO、MgO、SrO等や、熱処理により酸化物を形
成する各構成金属の水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩
などを用いて所定の比率で調合した後、1000〜16
00℃で1〜5時間仮焼した後に、ボールミル等の周知
の方法により粉砕を行い0.1〜10μmのペロブスカ
イト複合酸化物粉末を作製する。そしてこの粉末を用い
て成形、焼成する。
【0015】本発明の導電性セラミックスの製造方法に
おける最も大きな特徴は、成形前の粉末、即ち、金属元
素として少なくとも周期律表第3a族元素(M)と、C
rと、Ca、Ba、SrおよびMgの群から選ばれる少
なくとも1種のアルカリ土類元素を含有する酸化物粉末
の混合粉末、あるいはそれらを熱処理することにより固
溶体化処理することにより得られたペロブスカイト複合
酸化物粉末に対して、1000〜1700℃の酸素分圧
が10-2気圧以下の雰囲気中で熱処理を施す点にある。
おける最も大きな特徴は、成形前の粉末、即ち、金属元
素として少なくとも周期律表第3a族元素(M)と、C
rと、Ca、Ba、SrおよびMgの群から選ばれる少
なくとも1種のアルカリ土類元素を含有する酸化物粉末
の混合粉末、あるいはそれらを熱処理することにより固
溶体化処理することにより得られたペロブスカイト複合
酸化物粉末に対して、1000〜1700℃の酸素分圧
が10-2気圧以下の雰囲気中で熱処理を施す点にある。
【0016】この熱処理を施すことにより、その後の焼
成時における焼結性を飛躍的に高めることができる。し
かし、この熱処理時の温度が1000℃より低いと、C
rの蒸発が少なく得られた粉末の焼結性が低くなり、1
700℃より高いとMCrO3 の粒成長が大きくなり、
同様に焼結性が低くなる。また酸素分圧が10-2気圧を
越える雰囲気中で熱処理するとCrの蒸発凝縮が起こ
り、得られた粉末の焼結性が低下することから熱処理時
の条件を上記範囲に設定した。
成時における焼結性を飛躍的に高めることができる。し
かし、この熱処理時の温度が1000℃より低いと、C
rの蒸発が少なく得られた粉末の焼結性が低くなり、1
700℃より高いとMCrO3 の粒成長が大きくなり、
同様に焼結性が低くなる。また酸素分圧が10-2気圧を
越える雰囲気中で熱処理するとCrの蒸発凝縮が起こ
り、得られた粉末の焼結性が低下することから熱処理時
の条件を上記範囲に設定した。
【0017】次に、この熱処理後の粉末を用いて成形、
焼成する。成形は、例えば、金型プレス,冷間静水圧プ
レス,押出し成形、ドクターブレード法等により行われ
る。
焼成する。成形は、例えば、金型プレス,冷間静水圧プ
レス,押出し成形、ドクターブレード法等により行われ
る。
【0018】そして、この成形体を焼成するにあたり、
酸素分圧が10-3気圧以上の酸化雰囲気中で1〜10時
間程度焼成する。この焼成時の酸素分圧を10-3気圧以
上に限定したのは、10-3気圧未満の分圧下ではCrO
3 の蒸発や、固溶させたMg、Srの蒸発が促進される
ためである。また、本発明によれば、前述したような処
理を施した粉末を用いることにより1300〜1700
℃の低温度で1〜10時間程度行うことにより気孔率5
%以下の高密度の焼結体を作製することができる。
酸素分圧が10-3気圧以上の酸化雰囲気中で1〜10時
間程度焼成する。この焼成時の酸素分圧を10-3気圧以
上に限定したのは、10-3気圧未満の分圧下ではCrO
3 の蒸発や、固溶させたMg、Srの蒸発が促進される
ためである。また、本発明によれば、前述したような処
理を施した粉末を用いることにより1300〜1700
℃の低温度で1〜10時間程度行うことにより気孔率5
%以下の高密度の焼結体を作製することができる。
【0019】なお、焼成温度はその用途により適宜調整
され、例えば燃料電池セルの集電部材として用いる場合
には、開気孔率を1%以下、特に0.5%以下に小さく
する必要があるため1400〜1700℃の焼成温度が
最適である。
され、例えば燃料電池セルの集電部材として用いる場合
には、開気孔率を1%以下、特に0.5%以下に小さく
する必要があるため1400〜1700℃の焼成温度が
最適である。
【0020】以上のようにして得られる導電性セラミッ
クスは、金属元素として少なくとも周期律表第3a族元
素と、Crと、Ca、Ba、SrおよびMgの群から選
ばれる少なくとも1種のアルカリ土類元素を含有するペ
ロブスカイト複合酸化物を主結晶相とするものである。
また、上記主結晶相中にはCrに対する置換元素として
Ni、Fe、Co、Mnなどを含む場合もある。このN
i、Fe、Co、Mnによる総置換量としてはCrに対
して30原子%以下に制御することが望ましい。それ
は、その置換量が30原子%を越えると水素などの還元
雰囲気でセラミックスが分解しやすくなるためである。
クスは、金属元素として少なくとも周期律表第3a族元
素と、Crと、Ca、Ba、SrおよびMgの群から選
ばれる少なくとも1種のアルカリ土類元素を含有するペ
ロブスカイト複合酸化物を主結晶相とするものである。
また、上記主結晶相中にはCrに対する置換元素として
Ni、Fe、Co、Mnなどを含む場合もある。このN
i、Fe、Co、Mnによる総置換量としてはCrに対
して30原子%以下に制御することが望ましい。それ
は、その置換量が30原子%を越えると水素などの還元
雰囲気でセラミックスが分解しやすくなるためである。
【0021】本発明における導電性セラミックスによれ
ば、Mg、Srの置換比率が高くなると、仮焼条件や焼
結条件により少量のMgO、SrOが析出する場合や、
La2 O3 が析出する場合があるが、主結晶相が上述の
組成範囲を満足し、且つ第2結晶相の割合が全結晶相に
対して10体積%以下であれば、主結晶相中に第2結晶
相が分散して存在しても、主結晶相が連続相を形成する
ため電気伝導度をほとんど阻害することはない。
ば、Mg、Srの置換比率が高くなると、仮焼条件や焼
結条件により少量のMgO、SrOが析出する場合や、
La2 O3 が析出する場合があるが、主結晶相が上述の
組成範囲を満足し、且つ第2結晶相の割合が全結晶相に
対して10体積%以下であれば、主結晶相中に第2結晶
相が分散して存在しても、主結晶相が連続相を形成する
ため電気伝導度をほとんど阻害することはない。
【0022】また、焼結体中の前記ペロブスカイト複合
酸化物主結晶相の平均結晶粒子径としては0.5〜20
μmであることが望ましい。
酸化物主結晶相の平均結晶粒子径としては0.5〜20
μmであることが望ましい。
【0023】さらに、セラミックス中の金属不純物量に
関しては、高温度における耐クリープ性を向上させる観
点からAl、Si量は金属換算で全金属元素量に対して
それぞれ2原子%以下が好ましい。これはAl、Si量
がそれぞれ2原子%を越えると粒界でガラス相を形成し
て、高温度における耐クリープ性が悪くなる傾向にある
ためである。好ましい範囲はそれぞれ0.5原子%以下
がよい。
関しては、高温度における耐クリープ性を向上させる観
点からAl、Si量は金属換算で全金属元素量に対して
それぞれ2原子%以下が好ましい。これはAl、Si量
がそれぞれ2原子%を越えると粒界でガラス相を形成し
て、高温度における耐クリープ性が悪くなる傾向にある
ためである。好ましい範囲はそれぞれ0.5原子%以下
がよい。
【0024】次に、本発明の導電性セラミックスを燃料
電池の集電部材として用いる場合について説明する。図
1に示した平板型燃料電池セルにおいて、3〜15モル
%のY2 O3 あるいはYb2 O3 を含有した安定化Zr
O2 または5〜30モル%のY2 O3 、Yb2 O3 、G
d2 O3 を含有したCeO2 からなる固体電解質1の片
面にLaを10〜20原子%のSr、Caで置換した多
孔性のLaMnO3 または特願平5−66935号など
の材料からなる空気極2を、他方の面には燃料極3とし
て多孔性のNi−ZrO2 (Y2 O3 含有) サーメット
を形成する。これを単セルとしてセル間を接続するイン
ターコネクタと呼ばれる集電部材4が、空気極と隣接す
るセルの燃料極とを電気的に接続する。本発明の導電性
セラミックスをこの集電部材4として用いる。かかるセ
ルにおいては、空気極2には空気あるいは酸素ガス、燃
料極に水素、COおよびCO2 ガス等が供給される。こ
のため、集電部材4の一方の面が酸化性ガス、他方の面
が還元性ガスと接触し、これらを完全に隔離する必要性
から、高電気伝導性の他、高緻密質が要求され、そのた
め開気孔率としては1%以下、特に0.5%以下が好ま
しい。また、円筒型燃料電池セルにおいては、本発明の
導電性セラミックスは、円筒状燃料電池セルのインター
コネクタとしても使用することができる。
電池の集電部材として用いる場合について説明する。図
1に示した平板型燃料電池セルにおいて、3〜15モル
%のY2 O3 あるいはYb2 O3 を含有した安定化Zr
O2 または5〜30モル%のY2 O3 、Yb2 O3 、G
d2 O3 を含有したCeO2 からなる固体電解質1の片
面にLaを10〜20原子%のSr、Caで置換した多
孔性のLaMnO3 または特願平5−66935号など
の材料からなる空気極2を、他方の面には燃料極3とし
て多孔性のNi−ZrO2 (Y2 O3 含有) サーメット
を形成する。これを単セルとしてセル間を接続するイン
ターコネクタと呼ばれる集電部材4が、空気極と隣接す
るセルの燃料極とを電気的に接続する。本発明の導電性
セラミックスをこの集電部材4として用いる。かかるセ
ルにおいては、空気極2には空気あるいは酸素ガス、燃
料極に水素、COおよびCO2 ガス等が供給される。こ
のため、集電部材4の一方の面が酸化性ガス、他方の面
が還元性ガスと接触し、これらを完全に隔離する必要性
から、高電気伝導性の他、高緻密質が要求され、そのた
め開気孔率としては1%以下、特に0.5%以下が好ま
しい。また、円筒型燃料電池セルにおいては、本発明の
導電性セラミックスは、円筒状燃料電池セルのインター
コネクタとしても使用することができる。
【0025】次に、本発明の導電性セラミックスを円筒
状の発熱素子として用いた場合について説明する。図2
に示す発熱素子は、円筒状焼結体からなる抵抗体5と両
端に形成した電極6、7により構成される。本発明の導
電性セラミックスは抵抗体5として使用される。この発
熱素子は電極6、7に50V以下の電圧を印加すること
により400〜1200℃の温度で作動させることが可
能である。発熱素子としては図2の円筒状の他、平板形
状をはじめ円筒スパイラル、ハニカム構造などの任意に
作製することができる。発熱素子においては、必ずしも
緻密質であることは要求されないが、素子の高温強度や
耐クリープ性の観点からは開気孔率としては20%以
下、特に10%以下であることが好ましい。
状の発熱素子として用いた場合について説明する。図2
に示す発熱素子は、円筒状焼結体からなる抵抗体5と両
端に形成した電極6、7により構成される。本発明の導
電性セラミックスは抵抗体5として使用される。この発
熱素子は電極6、7に50V以下の電圧を印加すること
により400〜1200℃の温度で作動させることが可
能である。発熱素子としては図2の円筒状の他、平板形
状をはじめ円筒スパイラル、ハニカム構造などの任意に
作製することができる。発熱素子においては、必ずしも
緻密質であることは要求されないが、素子の高温強度や
耐クリープ性の観点からは開気孔率としては20%以
下、特に10%以下であることが好ましい。
【0026】
【作用】MCrO3 (M:周期律表第3a族元素)の重
要な特性は酸化雰囲気から還元雰囲気において電気伝導
性を有することである。例えば、LaCrO3 におい
て、LaをCaで置換すると下記化1に従い、ホールが
生成し、これが電気伝導に寄与する。LaをSrやCa
で置換したり、CrをMgで置換した場合も同様であ
る。LaCrO3 の電気伝導度は下記化1で示すように
Caの置換比率により制御されるため、使用雰囲気に影
響されず安定した製品性能を有することが大きな特徴で
ある。
要な特性は酸化雰囲気から還元雰囲気において電気伝導
性を有することである。例えば、LaCrO3 におい
て、LaをCaで置換すると下記化1に従い、ホールが
生成し、これが電気伝導に寄与する。LaをSrやCa
で置換したり、CrをMgで置換した場合も同様であ
る。LaCrO3 の電気伝導度は下記化1で示すように
Caの置換比率により制御されるため、使用雰囲気に影
響されず安定した製品性能を有することが大きな特徴で
ある。
【0027】
【化1】
【0028】また、LaCrO3 等はその融点が220
0℃以上あるため化学的安定性に優れており、空気など
の酸化雰囲気から水素などの還元雰囲気中まで広い範囲
での使用も可能である。
0℃以上あるため化学的安定性に優れており、空気など
の酸化雰囲気から水素などの還元雰囲気中まで広い範囲
での使用も可能である。
【0029】しかしながら、従来のLaCrO3 系材料
は極めて高温でしか焼結できなかった。その理由は高温
でLaCrO3 中からCr成分が優先的に蒸発しやす
く、これが焼結の際粉末粒子の接触部、いわゆるネック
部にCr2 O3 として堆積し、陽イオンの拡散を阻害し
焼結性を悪くする、いわゆる蒸発凝縮機構で進行するた
めであると考えられる。また、La以外の第3a族元素
とCrの酸化物も同様にCrの蒸発に起因して焼結性が
悪い。
は極めて高温でしか焼結できなかった。その理由は高温
でLaCrO3 中からCr成分が優先的に蒸発しやす
く、これが焼結の際粉末粒子の接触部、いわゆるネック
部にCr2 O3 として堆積し、陽イオンの拡散を阻害し
焼結性を悪くする、いわゆる蒸発凝縮機構で進行するた
めであると考えられる。また、La以外の第3a族元素
とCrの酸化物も同様にCrの蒸発に起因して焼結性が
悪い。
【0030】本発明によれば、焼成前に混合粉末あるい
は複合酸化物粉末を1000〜1700℃の温度で酸素
分圧が10- 2 気圧以下の雰囲気中で熱処理すると、粉
末粒子表面のCrがCrガスとして蒸発し、このガス種
は粒子界面(ネック部)に凝縮することがなく、粉末粒
子の表面層にLa酸化物を析出させる。このような表面
状態を有する粉末を10-3気圧以上の酸化性雰囲気中で
焼成するとCrO3 の蒸発凝縮とMg、Ca等の蒸発が
抑制され、その結果、焼結が促進される。
は複合酸化物粉末を1000〜1700℃の温度で酸素
分圧が10- 2 気圧以下の雰囲気中で熱処理すると、粉
末粒子表面のCrがCrガスとして蒸発し、このガス種
は粒子界面(ネック部)に凝縮することがなく、粉末粒
子の表面層にLa酸化物を析出させる。このような表面
状態を有する粉末を10-3気圧以上の酸化性雰囲気中で
焼成するとCrO3 の蒸発凝縮とMg、Ca等の蒸発が
抑制され、その結果、焼結が促進される。
【0031】また、本発明における導電性セラミックス
の製造方法は、燃料電池セルの集電部材を製造するのに
好適であり、特に従来より低温の酸化性雰囲気中で焼成
することができるために、例えば空気極を形成するLa
MnO3 系導電性セラミックスや、固体電解質を形成す
るY2 O3 安定化ZrO2 などと同時に焼成することが
できる。
の製造方法は、燃料電池セルの集電部材を製造するのに
好適であり、特に従来より低温の酸化性雰囲気中で焼成
することができるために、例えば空気極を形成するLa
MnO3 系導電性セラミックスや、固体電解質を形成す
るY2 O3 安定化ZrO2 などと同時に焼成することが
できる。
【0032】
実施例1 市販の純度99.9%の周期律表第3a族元素酸化物、
SrCO3 、CaCO3 、MgCO3 およびCr2 O3
を用い、これらを表1に示す組成になるように調合し、
ジルコニアボールを用いたボールミルにて12時間混合
した後、1400℃で5時間仮焼して固相反応を行わせ
ペロブスカイト複合酸化物粉末を作製した。この後、こ
の粉末を表1に示す条件下で熱処理を1〜10時間施し
た。そして熱処理後の粉末をジルコニアボールを用いて
回転ミルにて10時間粉砕し、4×4×40mmの四角
柱に成形した後、1400〜1600℃で表1の酸素分
圧下で3〜5時間焼成した。
SrCO3 、CaCO3 、MgCO3 およびCr2 O3
を用い、これらを表1に示す組成になるように調合し、
ジルコニアボールを用いたボールミルにて12時間混合
した後、1400℃で5時間仮焼して固相反応を行わせ
ペロブスカイト複合酸化物粉末を作製した。この後、こ
の粉末を表1に示す条件下で熱処理を1〜10時間施し
た。そして熱処理後の粉末をジルコニアボールを用いて
回転ミルにて10時間粉砕し、4×4×40mmの四角
柱に成形した後、1400〜1600℃で表1の酸素分
圧下で3〜5時間焼成した。
【0033】得られた焼結体に対して、アルキメデス法
により開気孔率の測定を行い焼結性を判断した。またこ
の焼結体にPtを焼き付け、これを電極として電圧端子
間距離を20mmとして直流4端子法により1000
℃、大気中の電気伝導度を測定した。
により開気孔率の測定を行い焼結性を判断した。またこ
の焼結体にPtを焼き付け、これを電極として電圧端子
間距離を20mmとして直流4端子法により1000
℃、大気中の電気伝導度を測定した。
【0034】また、比較のために市販の純度99.8%
のLa0.9 Sr0.1 CrO3 とLaMg0.1 Cr0.9 O
3 について2000℃で1時間Ar中で焼成した焼結体
に対しても上記の同様な評価を行い、その結果を表1に
示した。
のLa0.9 Sr0.1 CrO3 とLaMg0.1 Cr0.9 O
3 について2000℃で1時間Ar中で焼成した焼結体
に対しても上記の同様な評価を行い、その結果を表1に
示した。
【0035】
【表1】
【0036】表1の結果から明らかなように、焼成前の
複合酸化物粉末に対して熱処理を施した本発明品は、熱
処理を行わなかったものに比較して低温での焼結性が明
らかに向上した。また電気伝導度については本発明品の
うち、金属元素の組成をMxAy Crz (M:周期律表第
3a族元素)と表した時、x+y+z=2、0.005
≦y/x+y+z≦0.30を満足するものは2000
℃で焼成した比較品(試料No.1、No.21)と同等、
あるいはそれ以上であり、処理による特性への影響がな
いことが確認された。
複合酸化物粉末に対して熱処理を施した本発明品は、熱
処理を行わなかったものに比較して低温での焼結性が明
らかに向上した。また電気伝導度については本発明品の
うち、金属元素の組成をMxAy Crz (M:周期律表第
3a族元素)と表した時、x+y+z=2、0.005
≦y/x+y+z≦0.30を満足するものは2000
℃で焼成した比較品(試料No.1、No.21)と同等、
あるいはそれ以上であり、処理による特性への影響がな
いことが確認された。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の導電性セ
ラミックスは、従来の材料に比較して低温で緻密な焼結
体を作製することができるとともに、組成制御すると従
来品と同等の電気伝導度を有するものであり、これによ
り、燃料電池セルの集電部材や発熱素子としての製造を
より容易にするとともにその製造コストも低減すること
ができる。
ラミックスは、従来の材料に比較して低温で緻密な焼結
体を作製することができるとともに、組成制御すると従
来品と同等の電気伝導度を有するものであり、これによ
り、燃料電池セルの集電部材や発熱素子としての製造を
より容易にするとともにその製造コストも低減すること
ができる。
【図1】平板型燃料電池セルの構造を説明するための図
である。
である。
【図2】発熱素子の構造を説明するための図である。
1 電解質 2 空気極 3 燃料極 4 セパレータ 5 抵抗体 6、7 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 1/08 H01M 4/88 T 8/02 B 9444−4K Y 9444−4K
Claims (1)
- 【請求項1】金属元素として少なくとも周期律表第3a
族元素と、Crと、Ca、Ba、SrおよびMgの群か
ら選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類元素を含有す
る酸化物粉末の混合粉末、あるいはそれらの固溶による
ペロブスカイト複合酸化物粉末を1000〜1700℃
の酸素分圧が10-2気圧以下の雰囲気中で熱処理した
後、これを成形し、酸素分圧が10-3気圧以上の酸化雰
囲気中で焼成することを特徴とする導電性セラミックス
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06264783A JP3085632B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | 導電性セラミックスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06264783A JP3085632B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | 導電性セラミックスの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08119738A true JPH08119738A (ja) | 1996-05-14 |
JP3085632B2 JP3085632B2 (ja) | 2000-09-11 |
Family
ID=17408138
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06264783A Expired - Fee Related JP3085632B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | 導電性セラミックスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3085632B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5795502A (en) * | 1995-12-13 | 1998-08-18 | Kyocera Corporation | Electrically conducting ceramics, process for producing the same and fuel cell using the ceramics |
-
1994
- 1994-10-28 JP JP06264783A patent/JP3085632B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5795502A (en) * | 1995-12-13 | 1998-08-18 | Kyocera Corporation | Electrically conducting ceramics, process for producing the same and fuel cell using the ceramics |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3085632B2 (ja) | 2000-09-11 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |