JPH07249414A - 固体電解質型燃料電池セル - Google Patents

固体電解質型燃料電池セル

Info

Publication number
JPH07249414A
JPH07249414A JP6040826A JP4082694A JPH07249414A JP H07249414 A JPH07249414 A JP H07249414A JP 6040826 A JP6040826 A JP 6040826A JP 4082694 A JP4082694 A JP 4082694A JP H07249414 A JPH07249414 A JP H07249414A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
air electrode
fuel cell
element selected
cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6040826A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3359413B2 (ja
Inventor
Masahide Akiyama
雅英 秋山
Shoji Yamashita
祥二 山下
Masahito Nishihara
雅人 西原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP04082694A priority Critical patent/JP3359413B2/ja
Publication of JPH07249414A publication Critical patent/JPH07249414A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3359413B2 publication Critical patent/JP3359413B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
    • H01M4/90Selection of catalytic material
    • H01M4/9016Oxides, hydroxides or oxygenated metallic salts
    • H01M4/9025Oxides specially used in fuel cell operating at high temperature, e.g. SOFC
    • H01M4/9033Complex oxides, optionally doped, of the type M1MeO3, M1 being an alkaline earth metal or a rare earth, Me being a metal, e.g. perovskites
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】空気極の焼結に伴う空気極の緻密化およびセル
の変形等によるセル間の接続不良を防ぎ、長期にわたり
出力が安定した信頼性の高い燃料電池セルを提供する。 【構成】固体電解質3の片面に空気極2が、他方の面に
燃料極4が被着形成されてなる固体電解質型燃料電池セ
ルにおいて、前記空気極が下記化1 【化1】 で表され、化1中のAはYおよびYb、Sc、Erなど
の希土類元素、BはCa、BaおよびSrのアルカリ土
類元素、CはNi、Co、Fe、Cr、CeおよびZr
の群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、化1中
のm、nおよびzが、0.02≦m≦0.98、0≦n
≦0.50、0.80≦z≦1.10を満足する複合酸
化物からなり、さらにこれを主結晶とし、第2結晶相と
してYおよびYb、Sc、Erなどの希土類元素の酸化
物を全体量に対して0.01〜10重量%の割合で分散
含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体電解質型燃料電池
セルに用いられる導電性セラミックスからなる空気極の
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体電解質型燃料電池としては、これま
で円筒型と平板型の2種類のタイプについて研究開発が
行われている。平板型燃料電池セルは、発電の単位体積
当り出力密度が高いという特長を有するが、実用化に関
してはガスシ−ル不完全性やセル内の温度分布の不均一
性などの問題がある。それに対して、円筒型燃料電池セ
ルでは、出力密度は低いものの、セルの機械的強度が高
く、またセル内の温度の均一性が保てるという特長があ
る。両形状の固体電解質燃料電池セルとも、それぞれの
特長を生かして積極的に研究開発が進められている。
【0003】円筒型燃料電池の単セルは、図1に示すよ
うに開気孔率40%程度のCaO安定化ZrO2 を支持
管1とし、その上にスラリ−ディップ法により多孔性の
空気極としてLaMnO3 系材料2を塗布し、その表面
に気相合成法(EVD)や、あるいは溶射法により電解
質3であるY2 3 安定化ZrO2 膜を被覆し、さらに
この表面に多孔性のNi−ジルコニアの燃料極4が形成
されている。燃料電池のモジュールにおいては、各単セ
ルはLaCrO3 系のインターコネクタ5を介して接続
される。発電は、支持管1内部に空気(酸素)を、セル
の外側に燃料(水素)を流し、1000〜1050℃の
高温下で行われる。
【0004】近年、このセル作製の工程においてプロセ
スを単純化するため、空気極材料であるLaMnO3
材料を直接多孔性の支持管として使用する試みがなされ
ている。空気極としての機能を合せ持つ支持管材料とし
ては、Laを10〜20原子%のCaあるいはSrで置
換したLaMnO3 固溶体材料が一般に用いられてい
る。
【0005】一方、平板型燃料電池の単セルは、円筒型
と同じ材料系を用いて、図2に示すように電解質6の一
方に多孔性の空気極7を、他方に多孔性の燃料極8が設
けられ、単セル間の接続には、セパレータ9と呼ばれる
緻密質のMgOやCaOを添加した緻密質のLaCrO
3 固溶体材料が用いられる。発電はセルの空気極側に空
気(酸素)、燃料極側に燃料(水素)を供給して100
0〜1050℃の高温下で行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、前記
のCaO安定化ZrO2 を支持管とし、これにCa、S
rを固溶したLaMnO3 材料を空気極として設けた構
造のセル、および空気極を直接支持管として使用する構
造の円筒型燃料電池セルおよび平板型燃料電池セルにお
いて、長時間の発電を行うとセルが変形し出力が序々に
低下するという問題があった。
【0007】本発明は、円筒型および平板型燃料電池に
おいて、燃料電池システムの長時間運転においてセルの
変形が小さく発電出力の安定した長寿命の燃料電池セル
を提供することを目的とする。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは上記の問
題に対して検討を重ねた結果、固体電解質の片面に空気
極を、他方の面に燃料極を形成してなる固体電解質型燃
料電池セルにおいて、前記空気極が下記化1、
【0009】
【化1】
【0010】で表され、化1中のAはY、Yb、Sc、
Er、Nd、Gd、Dy、Sm、PrおよびCeの希土
類元素の群から選ばれた少なくとも1種の元素、BはC
a、BaおよびSrのアルカリ土類元素から選ばれた少
なくとも1種の元素、CはNi、Co、Fe、Cr、C
eおよびZrの群から選ばれた少なくとも1種の元素で
あり、化1中のm、nおよびzが、 0.02≦ m ≦0.98 0≦ n ≦0.50 0.80≦ z ≦1.10 を満足する導電性セラミックスを空気極として用いるこ
とにより前記目的が達成されることを見出だした。
【0011】また、本発明によれば、前記空気極におけ
る主結晶相が下記化1
【0012】
【化1】
【0013】で表され、式中のAはY、Yb、Sc、E
r、Nd、Gd、Dy、Sm、PrおよびCeの希土類
元素の群から選ばれた少なくとも1種の元素、BはC
a、Ba、Srのアルカリ土類元素から選ばれた少なく
とも1種の元素、CはNi、Co、Fe、Cr、Ceお
よびZrの群から選ばれた少なくとも1種の元素であ
り、化1中のm、nおよびzが、 0.02≦ m ≦0.98 0≦ n ≦0.50 0.80≦ z ≦1.10 を満足する複合酸化物からなり、第2結晶相としてY、
Yb、Sc、Er、Nd、Gd、Dy、Sm、Prおよ
びCeの希土類元素の群から選ばれた少なくとも1種の
元素の酸化物を全体量に対して0.01〜10重量%の
割合で分散含有することを特徴とするものである。
【0014】本発明の燃料電池セルにおける空気極は、
前述の化1で示されるような組成からなるもので、いわ
ゆるABO3 型のペロブスカイト型結晶構造を主体とす
るものである。本発明において、化1中のm、n、zを
上記の範囲に限定した理由は、Yおよび各種希土類元素
に対するアルカリ土類元素であるCa、Sr、Baの置
換比率mが0.02より小さいと電気伝導度が小さく空
気極としての機能を成さず、mが0.98より大きいと
焼結性が高くなり、1000℃での長時間発電において
空気極の焼結が進み空気極が変形し発電性能が悪くな
る。また、ペロブスカイト型結晶構造中のAサイトとB
サイトの原子比zが0.80までの不定比系においても
同様な結果が得られるが、これはその格子欠陥構造が定
比系に類似しているためである。このzが0.8より小
さくなるとMn2 3 等の第2成分の析出が起こり焼結
が促進されて空気極の変形が生じ、また、Mnに対して
Ni、Co、Fe、Cr、Ce、Zrなどの元素を置換
しても同様な特性が得られるが、この置換比率nが0.
50を越えると焼結性が悪くなり1650℃以上の温度
でないと焼結が困難なため、不経済である。
【0015】本発明における化1中のm、n、zの好ま
しい範囲は、0.10≦m≦0.40、0≦n≦0.2
0、0.95≦z≦1.0である。
【0016】また、燃料電池セルにおいては、空気極
は、セルの作動温度である1000℃あるいはそれを越
えるような温度に保持されるが、発電出力を高めるため
には空気極を小さな結晶粒子からなるセラミックスで構
成することが行われるが、このような場合には空気極が
緻密化しガスの透過係数が小さくなったり電極が変形し
電極性能が低下し、その結果、発電出力が低下してしま
う。このような問題に対して、本発明によれば、前記化
1で表される組成物を主結晶相とし、さらに第2結晶相
を含むことを特徴とするものである。この第2結晶相の
析出効果はその第2結晶相の粒径が小さいほど、また第
2結晶相の量が多いほど緻密化抑制の効果が大きくなる
傾向にある。
【0017】本発明者らは、これらの知見に基づき第2
結晶相の種類と量について検討したところ、第2結晶相
としてY、Yb、Sc、Er、Nd、Gd、Dy、S
m、PrおよびCeの希土類元素の群から選ばれた少な
くとも1種の元素の酸化物を全体量に対して0.01〜
10重量%の割合で分散含有させることが最もよいこと
を知見したものである。即ち、上記第2結晶相の量が
0.01重量%より少ないと緻密化抑制効果が顕著でな
く、10重量%を越えると空気極の導電性が低下するた
めである。第2結晶相の量は1〜5重量%が望ましい。
【0018】また、第2結晶相は2粒子界面に数10〜
500nmの大きさで、また3重点のネックと呼ばれる
部分に平均粒子径が0.1〜5μmの大きさで存在する
と効果的である。特に0.1〜3μmの大きさが好まし
い。第2結晶相は、その量が増加すると3重点のネック
に析出しやすくなる。第2結晶相は主結晶相の成分を若
干固溶する場合があるが、結晶構造が変化しなければ特
に問題はない。また、第2結晶相の一部がYMnO3
YbMnO3 等の複合酸化物として析出する場合がある
が、主結晶相および第2結晶相が上述の範囲を満足すれ
ばこれも特に問題はない。
【0019】本発明における空気極は、図1に示される
ような円筒型燃料電池セルにおいては、例えば10〜1
5モル%CaOあるいは8〜20モル%Y2 3 、Yb
2 3 を添加したZrO2 からなる多孔質で非電子伝導
性の支持管の表面に形成される空気極として、あるいは
空気極としての機能を付与した空気極支持管としても使
用される。また、平板型燃料電池セルにおいても空気極
およびガスディフューザとしても利用できる。
【0020】また、空気極はそれ自体多孔質でガス透過
性を有することが必要である。ガス透過性を高めるため
には開気孔率が大きいことが良いが、開気孔率が大きい
と空気極自体の強度が低下する。特に、空気極を直接支
持管として用いる場合において、強度が低いと表面に電
解質を形成する際支持管の破損やその他の製造工程にお
ける取扱いにより破損するなどの問題が生じる。発明の
構成によれば、開気孔率と強度およびガス透過性の関係
から、開気孔率は20〜45%、特に30〜40%の範
囲であることが望ましい。また、ガス透過量と支持管強
度は空気極中の細孔径にも依存する。この細孔の大きさ
としては、平均細孔径が1.0〜5.0μmの範囲がガ
ス透過性と強度に優れる。特に平均細孔径が1.0μm
より小さいと、強度は優れるもののガス透過性が充分で
なく、平均細孔径が5.0μmより大きいと強度が小さ
くなり、製造工程における取扱いにより破損するなどの
問題が生じる。平均細孔径の特に好ましい範囲は1.5
〜3.0μmである。
【0021】本発明における空気極材料は、前記化1で
示された構成金属元素の酸化物、炭酸塩、硝酸塩等を用
い、周知の混合法で混合し、1300〜1500℃の温
度で2〜5時間仮焼し固溶体粉末を生成する。また、希
土類元素酸化物を第2結晶相として析出させる場合には
予めこれを過剰分として添加してもよいし、あるいは上
述の固溶体粉末に添加しても良い。
【0022】空気極としての機能を併用したいわゆる自
己支持管の作製は、上述の固溶体粉末を所定の結晶粒子
径に粉砕し、押出成形法や冷間静水圧成形(CIP)法
で所定の形状に成形し、1400〜1550℃の温度で
大気中あるいはAr等の不活性雰囲気中で2〜7時間焼
成して作製することができる。
【0023】円筒型セルは、本発明の空気極を多孔質の
自己支持管CaO安定化ZrO2 の表面にスラリーディ
ップ法、溶射法で塗布しこの表面に気相合成法や溶射法
で電解質のY2 3 あるいはYb2 3 安定化ZrO2
薄膜を被覆し、さらにNi−ジルコニア(Y2 3
有)の燃料極を設けることにより作製する。また、Ca
O安定化ZrO2 を用いず、本発明の空気極材料よりな
る自己支持管に上記と同様な方法により電解質および燃
料極を形成することによりセルを作製することもでき
る。
【0024】一方、平板型セルは、押出成形や、プレス
成形、ドクターブレード法等により、Y2 3 あるいは
Yb2 3 安定化ZrO2 で電解質を作製し、一方の面
に本発明の空気極材料を、また他方の面に燃料極をスク
リーン印刷等で塗布し乾燥した後に焼き付けることによ
り得られる。
【0025】
【作用】従来用いられているLaを10〜20原子%S
rあるいはCaで置換したLaMnO3 の格子欠陥構造
に着目して研究を進めた結果、固溶体中では大気中、高
温においては下記化2に示すように酸素を格子中に取り
込み、系の電気的中性を保持するためLaとMnイオン
の空孔がそれぞれ生成することが分かった。
【0026】
【化2】
【0027】この格子欠陥構造から従来の空気極材料の
焼結は、LaMnO3 固溶体中ではLa、Mnイオン空
孔濃度が高いため、陽イオンの拡散速度が速くなり、そ
の結果焼結が促進されるためと考えられる。燃料電池セ
ルにおいては、燃料同士の反応は一部は電力に、またそ
の他は熱として放出される。問題となっているセルの変
形は、燃料電池セルの温度分布の不均一性に起因して、
空気極の焼結促進が均一に起こるためと判断される。
【0028】これらの推論から本発明者らは結晶内の格
子欠陥構造を変化させ、La、Mnイオン空孔の生成を
抑制すれば空気極の緻密化とそれに付随するセルの変形
は抑制できると考えた。本発明ではこの格子欠陥構造に
着目し、ペロブスカイト型酸化物系材料について欠陥構
造をさらに詳細に検討した結果、Ca、Sr、Ba等を
固溶したYMnO3 、YbMnO3 、GdMnO3 等が
焼結に対する促進効果が小さく安定した発電性能を示す
ことを見出だした。
【0029】例えば、Caを固溶したYMnO3 は大気
中、高温において、主として下記化3で示される格子欠
陥が生成する。
【0030】
【化3】
【0031】この格子欠陥を有する材料においては、C
aはYと置換固溶し、系の電気的中性を保持するためホ
−ルが生成し、生成したホ−ルは電気伝導に寄与する。
また、この系ではLa、Mnイオン空孔濃度も小さいた
め、成分イオンの拡散速度が抑制され、その結果セルの
変形が防止される。本発明は、上記の(Y、Ca)Mn
3 の他、Yb、Sc、Er、Nd、Gd、Dy、S
m、Pr、Ceの希土類元素とCa、Sr、Baのアル
カリ土類元素およびMnからなる複合ペロブスカイト酸
化物、(Y、Ba)MnO3 、(Yb、Ca)Mn
3 ,(Y、Sr)MnO3 、(Gd、Sr)MnO3
等も上記と同様な格子欠陥構造を有し、空気極として使
用した場合セル変形が防止される。また、本発明品に関
して構造中のAサイトの原子が不足した不定比系におい
ても、その格子欠陥構造が定比系に類似しているため定
比系と同様な効果が得られる。また、Mnの一部をC
o、Ni、Fe、Cr、Ce、Zrで置換した材料も同
様な格子欠陥を有しておりセル変形が極めて小さな空気
極として使用できる。
【0032】本発明においては、空気極材料を小さい結
晶粒子で構成し、燃料電池セルの性能を上げる形式のセ
ルにおいては、空気極材料が緻密化し電極性能が劣化す
るため、(Y,Ba)MnO3 、(Yb,Ca)MnO
3 、(Y,Sr)MnO3 、(Gd,Sr)MnO3
どの複合ペロブスカイト型酸化物材料中にさらに第2結
晶相を析出させることにより、この緻密化を抑制でき
る。粒界に析出物が存在する場合、経験的の移動に成長
できる粒子の限界の大きさ、Dは下記数1
【0033】
【数1】
【0034】で表される。これより、析出物の効果は析
出物が小さいほど、また析出物の量が多いほど大きいこ
とが分かる。本発明では、上記の経験式に基づき析出物
の種類とその量について検討した結果、Y、Yb、S
c、Er、Nd、Gd、Dy、Smの希土類酸化物を第
2結晶相として含む(Y,Ca)MnO3 、(Yb,S
r)MnO3 等の酸化物固溶体が緻密化抑制効果が大き
いことを見いだしたものである。
【0035】本発明の燃料電池セルは、空気極を前述し
たような特定のマンガナイト系導電性セラミックスによ
り構成することにより、空気極の焼結に伴う空気極やセ
ルの変形等によるセル間の接続不良を防ぎ、長期安定性
に優れたセルを提供できる。また、平板型燃料電池セル
においても、運転における電解質の剥離を防ぎ、長期的
に出力が安定性したセルを提供できる。なお、平板型燃
料電池では、空気極をガスディフュ−ザとして使用する
場合もありうるが、この場合もガスディフュ−ザの変形
が小さいために電解質との接続に優れ、その結果接続不
良による発電時の出力低下等も抑制することができる。
【0036】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づき説明する。 実施例1 市販の純度99.9%以上の表1および表2に示す各種
の金属元素の酸化物粉末、アルカリ土類元素の炭酸塩を
出発原料として、これを表1および表2の組成になるよ
うに調合し、ジルコニアボ−ルを用いて10時間混合し
た後、1400℃で10時間固相反応させて固溶体粉末
を得た。この粉末をジルコニアボ−ルを用いて、さらに
10時間粉砕した。この粉末を用いて円筒状に成形し
て、大気中で1470〜1550℃にて焼成し、外径1
6mm、内径12mm、長さ100mmの円筒状焼結体
を得た。
【0037】得られた焼結体に対して、アルキメデス法
により開気孔率を測定した結果、開気孔率は30〜35
%であった。また走査電子顕微鏡写真(SEM)により
求めた平均結晶粒径は8〜12μmであった。その後、
この円筒状焼結体を電気炉を用いて、大気中、室温から
200℃/hの速度で1000℃まで昇温し、1000
℃で2000時間保持した後、室温まで200℃/hの
速度で冷却した。そしてこの熱処理を行った後の円筒状
焼結体の外径の寸法測定を行い、熱処理前のそれと比較
して下記数2
【0038】
【数2】
【0039】の式に従い変形率を算出した。
【0040】また、上記の円筒状焼結体を長さ50mm
に切断し電圧端子間を40mmとなるようにPtの電極
を取り付け、大気中1000℃で抵抗を測定し、下記数
【0041】
【数3】
【0042】によりシート抵抗Rsを測定した。測定の
結果は表1および表2に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】表1および表2によれば、周期律表第3a
族元素に対するCaの置換量mが0.98より大きい試
料No.13,28,39では変形が大きく、シート抵抗
も大きかった。またmが0.02より小さい試料No.
2,41でもシート抵抗が大きくなった。AサイトとB
サイトの比率zが0.8より小さい試料No.14ではM
2 3 が析出し変形が生じた。またzが1.1より大
きい試料No.19ではLa2 3 が析出し焼結体が短時
間で風化した。さらにMnへの置換量nが0.5より大
きい試料No.24,53では、焼結性が低下し所定の気
孔率の焼結体を得ることができなかった。
【0046】実施例2 実施例1で作成した固溶体粉末に純度99.9%以上で
平均粒子径が約1μmのY2 3 、Yb2 3 、Sc2
3 、Er2 3 、Nd2 3 、Gd2 3 、Dy2
3 、Sm2 3 の各粉末を表3に示す割合で過剰に添加
し、ジルコニアボ−ルで20時間混合粉砕を行った。こ
の粉末を円筒形状に成形して、1400〜1500℃で
3〜5時間焼成して外径16mm、内径12mm、長さ
100mmで開気孔率が30〜34%の円筒状焼結体を
作製した。またSEMにより求めた平均結晶粒径は3〜
5μmであった。さらに、実施例1と同様な方法で変形
率を測定した。また、試料の一部は実施例1に従い10
00℃でのシ−ト抵抗を測定した。その結果を表3に示
した。
【0047】
【表3】
【0048】表3の結果より第2結晶相(析出物)の量
が0.01重量%以上で変形の発生をさらに抑制できる
が、この量が10重量%を越える試料No.62,74で
はシ−ト抵抗が大きくなり空気極として機能しない。ま
た、SEM観察によると、本発明品における空気極の2
つの結晶間および三重点のネック部における第2結晶相
の大きさはいずれも0.1〜5μmであった。また、透
過型電子顕微鏡(TEM)によると2つの結晶粒子の粒
界には数10〜500nmの析出物が認められた。
【0049】実施例3 実施例1中の試料No.1,2,7,20,57の組成に
ついて、開気孔率が30〜34%、平均細孔径が2.0
3〜2.35μmで、長さ200mm、外形16mm、
内径12mmの一端が封じた円筒状焼結体を作製し、空
気極として機能するセルの支持管とした。
【0050】この後、気相合成法により1150℃で円
筒状焼結体の表面に厚さ約50μmの固体電解質(10
mol%Y2 3 −90mol%ZrO2 )を被覆し、
さらにこの上にスラリーディップ法により30μmの厚
みに70重量%のNiを含有するZrO2 (8mol%
2 3 含有)の燃料極を被覆し単セルとした。
【0051】このセルを電気炉中に保持しセルの内側に
酸度ガスを、外側に水素ガスを流し、1000℃で発電
を行った。そして、発電時間と出力密度の変化を図3に
示した。
【0052】図3から明らかなように、本発明の試料N
o.7,20,57については、出力密度はほとんど変化
せず、出力密度も高い。それに対して従来品であるNo.
1,2は時間とともに出力が低下した。これにより、本
発明品が長期安定性に優れることが理解される。
【0053】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の燃料電池セルは、空気極の焼結に伴う空気極およびセ
ルの変形等によるセル間の接続不良を防ぎ、長期にわた
り出力が安定した信頼性の高い燃料電池セルを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】円筒型燃料電池セルの構造を説明するための図
である。
【図2】平板型燃料電池セルの構造を説明するための図
である。
【図3】実施例3における発電時間に対する出力密度の
変化を示す図である。
【符号の説明】
1 支持管 2 空気極 3 固体電解質 4 燃料極 5 インターコネクタ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体電解質の片面に空気極を、他方の面に
    燃料極を形成してなる固体電解質型燃料電池セルにおい
    て、前記空気極が下記化1、 【化1】 で表され、化1中のAはY、Yb、Sc、Er、Nd、
    Gd、Dy、Sm、PrおよびCeの希土類元素の群か
    ら選ばれた少なくとも1種の元素、BはCa、Baおよ
    びSrのアルカリ土類元素から選ばれた少なくとも1種
    の元素、CはNi、Co、Fe、Cr、CeおよびZr
    の群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、化1中
    のm、nおよびzが、 0.02≦ m ≦0.98 0≦ n ≦0.50 0.80≦ z ≦1.10 を満足する導電性セラミックスであることを特徴とする
    固体電解質型燃料電池セル。
  2. 【請求項2】固体電解質の片面に空気極を、他方の面に
    燃料極を形成してなる固体電解質型燃料電池セルにおい
    て、前記空気極における主結晶相が下記化1 【化1】 で表され、化1中のAはY、Yb、Sc、Er、Nd、
    Gd、Dy、Sm、PrおよびCeの希土類元素の群か
    ら選ばれた少なくとも1種の元素、BはCa、Baおよ
    びSrのアルカリ土類元素から選ばれた少なくとも1種
    の元素、CはNi、Co、Fe、Cr、CeおよびZr
    の群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、化1中
    のm、nおよびzが、 0.02≦ m ≦0.98 0≦ n ≦0.50 0.80≦ z ≦1.10 を満足する複合酸化物からなり、第2結晶相としてY、
    Yb、Sc、Er、Nd、Gd、Dy、Sm、Prおよ
    びCeの希土類元素の群から選ばれた少なくとも1種の
    元素の酸化物を全体量に対して0.01〜10重量%の
    割合で分散含有することを特徴とする固体電解質型燃料
    電池セル。
JP04082694A 1994-03-11 1994-03-11 固体電解質型燃料電池セル Expired - Lifetime JP3359413B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04082694A JP3359413B2 (ja) 1994-03-11 1994-03-11 固体電解質型燃料電池セル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04082694A JP3359413B2 (ja) 1994-03-11 1994-03-11 固体電解質型燃料電池セル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07249414A true JPH07249414A (ja) 1995-09-26
JP3359413B2 JP3359413B2 (ja) 2002-12-24

Family

ID=12591473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04082694A Expired - Lifetime JP3359413B2 (ja) 1994-03-11 1994-03-11 固体電解質型燃料電池セル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3359413B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0855754A3 (de) * 1997-01-27 1998-08-05 Forschungszentrum Jülich Gmbh Kathodenwerkstoff für eine Hochtemperaturbrennstoffzelle
JP2003007309A (ja) * 2001-06-26 2003-01-10 Nissan Motor Co Ltd 電極材料、固体電解質型燃料電池及びガスセンサ
WO2012144533A1 (ja) * 2011-04-19 2012-10-26 本田技研工業株式会社 リチウムイオン酸素電池
WO2012153774A1 (ja) * 2011-05-10 2012-11-15 本田技研工業株式会社 酸素電池
JP2016170898A (ja) * 2015-03-11 2016-09-23 日本電信電話株式会社 リチウム空気二次電池
CN109786772A (zh) * 2019-03-13 2019-05-21 深圳道童新能源有限公司 一种适用于燃料电池的催化剂的制备方法
CN116375469A (zh) * 2023-03-31 2023-07-04 中国矿业大学 一种固相合成质子导体电解质陶瓷粉体的方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0855754A3 (de) * 1997-01-27 1998-08-05 Forschungszentrum Jülich Gmbh Kathodenwerkstoff für eine Hochtemperaturbrennstoffzelle
JP2003007309A (ja) * 2001-06-26 2003-01-10 Nissan Motor Co Ltd 電極材料、固体電解質型燃料電池及びガスセンサ
US9130228B2 (en) 2011-04-19 2015-09-08 Honda Motor Co., Ltd. Lithium ion oxygen battery
JP5336007B2 (ja) * 2011-04-19 2013-11-06 本田技研工業株式会社 リチウムイオン酸素電池
JPWO2012144533A1 (ja) * 2011-04-19 2014-07-28 本田技研工業株式会社 リチウムイオン酸素電池
WO2012144533A1 (ja) * 2011-04-19 2012-10-26 本田技研工業株式会社 リチウムイオン酸素電池
WO2012153774A1 (ja) * 2011-05-10 2012-11-15 本田技研工業株式会社 酸素電池
JP5202766B2 (ja) * 2011-05-10 2013-06-05 本田技研工業株式会社 酸素電池
JPWO2012153774A1 (ja) * 2011-05-10 2014-07-31 本田技研工業株式会社 酸素電池
US8940447B2 (en) 2011-05-10 2015-01-27 Honda Motor Co., Ltd. Oxygen cell
JP2016170898A (ja) * 2015-03-11 2016-09-23 日本電信電話株式会社 リチウム空気二次電池
CN109786772A (zh) * 2019-03-13 2019-05-21 深圳道童新能源有限公司 一种适用于燃料电池的催化剂的制备方法
CN116375469A (zh) * 2023-03-31 2023-07-04 中国矿业大学 一种固相合成质子导体电解质陶瓷粉体的方法
CN116375469B (zh) * 2023-03-31 2024-05-03 中国矿业大学 一种固相合成质子导体电解质陶瓷粉体的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3359413B2 (ja) 2002-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3260988B2 (ja) 固体電解質の製造方法
JP3359413B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セル
JPH1021931A (ja) 固体電解質型燃料電池セル
JP3121982B2 (ja) 導電性セラミックス
JP3339983B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セルおよびその製造方法
JPH09180731A (ja) 固体電解質型燃料電池セル
JP3121993B2 (ja) 導電性セラミックスの製造方法
JP3342541B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セル
JP3725997B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セルの製造方法
JP3342571B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セル
JP3359412B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セル
JP4038628B2 (ja) 酸化物イオン導電体およびその製造法並びに固体電解質型燃料電池
JP3350137B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セル材料
JP3389407B2 (ja) 導電性セラミックス及び燃料電池セル
JP3199546B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セル用集電部材および導電性セラミックスの製造方法
JP3339936B2 (ja) 導電性セラミックスの製造方法
JP3091100B2 (ja) 導電性セラミックスの製造方法
JPH08130029A (ja) 固体電解質型燃料電池セルおよびその製造方法
JP3121991B2 (ja) 導電性セラミックス
JP3346668B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セル
JP3220320B2 (ja) 燃料電池セルおよび導電性セラミックスの製造方法
JP3091064B2 (ja) 導電性セラミックスの製造方法および固体電解質型燃料電池セルの製造方法
JP3370460B2 (ja) 導電性セラミックスの製造方法
JP3359421B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セル
JP3325388B2 (ja) 導電性セラミックス及びこれを用いた燃料電池セル

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071011

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081011

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091011

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101011

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101011

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111011

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121011

Year of fee payment: 10