JPH11273699A - 固体電解質型燃料電池セル - Google Patents

固体電解質型燃料電池セル

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JPH11273699A
JPH11273699A JP10079781A JP7978198A JPH11273699A JP H11273699 A JPH11273699 A JP H11273699A JP 10079781 A JP10079781 A JP 10079781A JP 7978198 A JP7978198 A JP 7978198A JP H11273699 A JPH11273699 A JP H11273699A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低温度での焼結性を改善し、かつ還元雰囲気中
での材料の安定性を向上できる固体電解質型燃料電池セ
ルを提供する。 【解決手段】固体電解質2の一面に空気極1を、他面に
燃料極3を形成してなり、空気極1に電気的に接続され
る集電体4を具備する固体電解質型燃料電池セルにおい
て、集電体4が、金属元素として少なくともLaおよび
Crを含有するペロブスカイト型複合酸化物を主成分と
し、Yおよび希土類元素のうち少なくとも一種と、Ca
をそれぞれ酸化物換算で0.1〜5.0重量%含有する
とともに、集電体の空気極1と接続されない自由表面8
側端部に、Yおよび希土類元素のうち少なくとも一種と
Caの濃度がそれぞれ酸化物換算で0.05重量%以下
である低濃度領域9が存在するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LaCrO3 系組
成物からなる集電体を有する固体電解質型燃料電池セル
に関し、詳細には焼結性と還元雰囲気における安定性を
改善した集電体を有する固体電解質型燃料電池セルに関
するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、固体電解質型燃料電池セルは、
その作動温度が800〜1100℃と高温であるため発
電効率が高く第三世代の燃料電池として期待されてい
る。
【0003】燃料電池セルとしては、一般的に平板型燃
料電池セルおよび円筒型燃料電池セルが知られている。
平板型燃料電池セルは発電の単位面積当たりの出力密度
が高く、一方円筒型燃料電池セルはセル強度が強く熱衝
撃性に優れるという特徴がある。
【0004】図1に円筒状の固体電解質型燃料電池セル
の一例を示した。この固体電解質型燃料電池セルでは、
例えばCa、Srを固溶させたLaMnO3 系の空気極
1の表面に、Y2 3 安定化ZrO2 からなる固体電解
質2、固体電解質2の表面にNiージルコニア等のサー
メットからなる燃料極3が設けられている。空気極1に
はCa、Srを固溶したLaCrO3 からなる集電体4
の一方側端面が接続され、この一方側端面と対向する他
方側端面が自由表面8とされている。
【0005】燃料電池は、上記した複数の固体電解質型
燃料電池セルを集合したスタックにより形成される。隣
接する固体電解質型燃料電池セル間は、例えば一方の固
体電解質型燃料電池セルの集電体の自由表面端と、他方
の固体電解質型燃料電池セルの燃料極とがNiフェルト
等を介して接続されている。固体電解質型燃料電池セル
は、空気極側に酸素または空気を流し、燃料極側に水素
や都市ガスを流し、800〜1100℃前後の温度で発
電する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】集電体を形成するLa
CrO3 系材料は陽イオンの拡散速度が遅いことに加え
て、焼結過程において材料中からCr成分が蒸発しやす
く、粒子の接触部(ネック部)にCr2 3 として蒸発
凝縮堆積してその結果焼結を阻害する。このため、La
CrO3 系材料は大気中では2000℃以上の温度で焼
結させるか、あるいは還元性雰囲気でCrの蒸発を抑制
しながら焼結させることが必要である。この場合でも、
1800℃以上の高温度が必要であり、このような高温
度での焼成により、固体電解質型燃料電池セルの量産が
経済的な観点から著しく困難であった。
【0007】それに対して、LaCrO3 にYや希土類
元素と、Caを同時に添加させて焼結性を改善すること
が試みられている。これらの元素を添加した材料系は、
焼結温度を1500〜1600℃と低温度化することに
は効果的ではあるが、その反面長時間の発電において、
LaCrO3 系材料からなる集電体の自由表面8(空気
極と接続される一方側端面と対向する他方側端面、言い
換えるとNiフェルトと接続される端面)付近で、該L
aCrO3 材料中の不可避元素であるSiと、Yや希土
類元素、Caとが化合物を形成し、これが還元雰囲気中
においてLaCrO3 材料の分解を促進させ、集電体の
集電特性を低下させ、ひいては発電性能を劣化させると
いう欠点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、集電体の低
温度での焼結性を改善し、かつ還元雰囲気中での材料の
安定性を向上させる方法について検討を重ねた結果、Y
および希土類元素のうち少なくとも一種とCaを同時に
含有させたLaCrO3 からなる集電体の自由表面側端
部に、Yおよび希土類元素のうち少なくとも一種とCa
の濃度がそれぞれ酸化物換算で0.05重量%以下であ
る低濃度領域を存在させることにより、低温度での焼結
性を改善し、かつ還元雰囲気中での材料の安定性を向上
できることを見出し、本発明に至った。
【0009】即ち、本発明の固体電解質型燃料電池セル
では、固体電解質の一面に空気極を、他面に燃料極を形
成してなり、前記空気極または前記燃料極に電気的に接
続される集電体を具備する固体電解質型燃料電池セルに
おいて、前記集電体が、金属元素として少なくともLa
およびCrを含有するペロブスカイト型複合酸化物を主
成分とし、Yおよび希土類元素のうち少なくとも一種
と、Caをそれぞれ酸化物換算で0.1〜8.0重量%
含有するとともに、前記集電体の前記空気極または前記
燃料極と接続されない自由表面側端部に、Yおよび希土
類元素のうち少なくとも一種とCaの濃度が、それぞれ
酸化物換算で0.05重量%以下である低濃度領域が存
在するものである。
【0010】ここで、低濃度領域が、集電体の自由表面
側端から10μm以上の厚みで存在することが望まし
い。
【0011】
【作用】集電体を形成するLaCrO3 系材料は、陽イ
オンの拡散速度が遅いことに加えて、焼結過程において
材料中からCr成分が蒸発し、粒子の接触部(ネック
部)にCr2 3 として凝縮堆積して焼結を阻害する。
それに対して、本発明では、Yや希土類元素と、Caを
同時に所定量含有することにより、おそらくはLaCr
3 の陽イオンの拡散速度を増加させるか、あるいはC
rの蒸発を抑制することにより、LaCrO3 系材料の
焼結性が高められる。
【0012】しかしながら、原因は不明であるが、Yや
希土類元素と、Caを含有するLaCrO3 系材料で
は、材料中に存在する不可避元素であるSiが還元雰囲
気中に表面に拡散して濃縮し、その結果発電中還元雰囲
気に晒されると、SiとYや希土類元素、Caが化合物
を生成し、LaCrO3 系材料の分解が促進されてい
た。
【0013】そこで、本発明の固体電解質型燃料電池セ
ルでは、集電体の自由表面側端部に、Yおよび希土類元
素のうち少なくとも一種とCaの濃度がそれぞれ酸化物
換算で0.05重量%以下である低濃度領域を存在せし
めることにより、Yおよび希土類元素、CaとSiとの
反応を低減でき、これに起因する還元雰囲気中でのLa
CrO3 系材料の分解を抑制できるのである。
【0014】また、上記低濃度領域を、集電体の自由表
面側端から10μm以上の厚みで存在せしめることによ
り、還元雰囲気中でのLaCrO3 系材料の分解をさら
に抑制できる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の円筒状の固体電解質型燃
料電池セルは、図1に示すように円筒状の固体電解質2
の内面に空気極1、外面に燃料極3が形成され、空気極
1には集電体4(インターコネクタ)が電気的に接続さ
れている。
【0016】即ち、集電体4の一方側端面が空気極1に
接続され、集電体4の一方側端面と対向する集電体4の
他方側端面が自由表面8とされている。この集電体4の
他方側端面である自由表面8には、Niフェルト等の接
続部材を介して他の固体電解質型燃料電池セルの燃料極
が接続されることになる。
【0017】集電体4は、金属元素として少なくともL
aおよびCrを含有するペロブスカイト型複合酸化物を
主成分とし、Yおよび希土類元素のうち少なくとも一種
と、Caをそれぞれ酸化物換算で0.1〜8.0重量%
含有するとともに、図2に示すように、集電体4の空気
極1と接続されない自由表面8側端部に、Yおよび希土
類元素のうち少なくとも一種とCaの濃度がそれぞれ酸
化物換算で0.05重量%以下である低濃度領域9が存
在するものである。
【0018】特に、低濃度領域9は、集電体4の自由表
面8側端から10μm以上の厚みで存在することが望ま
しい。
【0019】Yおよび希土類元素のうち少なくとも一種
と、Caをそれぞれ酸化物換算で0.1〜8.0重量%
含有せしめたのは、上記元素が酸化物換算で0.1重量
%よりも少ない場合、および8.0重量%よりも多い場
合には焼結性が低下するからである。焼結性を向上させ
るためには、酸化物換算でそれぞれ1〜3重量%含有す
ることが望ましい。
【0020】Yおよび希土類元素のうち少なくとも一種
とCaの濃度がそれぞれ酸化物換算で0.05重量%以
下の低濃度領域9が存在しない場合には、集電体4の自
由表面8端部にSiが偏析し易く、還元雰囲気中におい
て集電体4が分解し易いからである。
【0021】低濃度領域9におけるYおよび希土類元素
のうち少なくとも一種とCaの濃度は、それぞれ酸化物
換算で0.02重量%以下であることが望ましい。ま
た、このような低濃度領域9は、自由表面8側端から1
0μm、特には20μm以上であることが望ましい。
【0022】集電体4は、さらに、LaCrO3 系材料
のCrを5〜30原子%Mgで置換したものが好ましい
が、LaをSr、Caで置換したLaCrO3 系材料で
もよい。この場合、焼結温度がMgで置換したものより
50〜100℃高くなる。
【0023】集電体4の厚みとしては、30〜300μ
m、特に50〜100μmの範囲が望ましい。厚みが3
0μmより薄いと酸素イオンの燃料極側への拡散量が大
きく、発電性能を低下させ、また、300μmより厚い
と集電体4の電気抵抗が大きくなり同様に発電性能を低
下させるからである。
【0024】固体電解質2として、例えば、3〜20モ
ル%のY2 3 あるいはYb2 3を含有した部分安定
化あるいは安定化ZrO2 が用いられ、空気極1として
は、例えば、主としてLaをCa、Srで10〜30原
子%置換したLaMnO3 が用いられ、燃料極3として
は50〜80重量%Niを含むZrO2 (Y2 3
有)サーメットが用いられる。空気極1、固体電解質
2、燃料極3としては、上記例に限定されるものではな
く、公知材料を用いても良い。
【0025】この固体電解質型燃料電池セルの作製方法
としては、例えば押し出し成形により作製したLaを1
0〜30原子%のCa、Srで置換したLaMnO3
空気極成形体を作製し、その外表面にドクターブレード
法により作製した3〜15モル%Y2 3 を含有した安
定化あるいは部分安定化ZrO2 からなる固体電解質テ
ープ、およびLaCrO3 系材料からなる集電体テープ
を形成し、さらに固体電解質テープの表面に70〜90
重量%Niとジルコニア(Y2 3 含有)からなる燃料
極テープを貼り付け、1400〜1600℃で温度で2
〜10時間大気中で焼成して作製される。この場合、燃
料極の形成は、スラリーにディップして作製しても良
い。
【0026】上記した集電体テープを製造する方法、お
よび自由表面側端部における低濃度領域の形成法につい
て説明する。例えばLaCO3 、Cr2 3 、MgCO
3 、Y2 3 、CaCO3 の混合粉末を一旦1000〜
1500℃仮焼した後、ジルコニアボールを用い、周知
の回転ミル等などの方法により混合し、得られた粉末を
0.1〜5μmの大きさに粉砕する。この際、Y
2 3 、CaCO3 ついては、無添加の粉末も含めて、
異なる濃度になるように複数種の組成の粉末を作製す
る。
【0027】上記の粉砕した粉末に、水を溶媒としこれ
に市販の分散剤とバインダーを加え、混合した後ドクタ
ーブレード等の方法により、30〜100μmの厚みに
なるようテープ成形を行う。この後、例えば、Y
2 3 、CaCO3 の含有量の多い順に2〜5枚のテー
プを積層し、最後にY2 3 、CaCO3 の無添加のテ
ープを積層し、集電体テープを作製する。
【0028】例えば、LaCrO3 系材料において、Y
2 3 、CaCO3 の含有量の異なるテープ12、1
3、14を作製し、これらを、図3に示すように、空気
極成形体15の表面に、Y2 3 、CaCO3 の含有量
の多い順、例えばテープ12、テープ13、テープ14
が積層され、その上にY2 3 、CaCO3 を含有して
ないLaCrO3 系材料からなるテープ16が積層さ
れ、集電体テープが積層されている。
【0029】積層した集電体テープが上述の空気極成形
体に貼り付けられたものを、1400〜1600℃大気
中で焼成して作製される。その結果、YおよびCaは、
テープ間で相互に拡散して、濃度勾配を生じる。
【0030】本発明における集電体は、上述のY
2 3 、CaCO3 の無添加のテープと空気極との間
に、Ca、Y等を含有する化合物、例えばY2 3 、C
aOを含有するペーストを塗布した後、上記と同様な焼
成を行ってもよい。
【0031】尚、上記例では、円筒状の固体電解質型燃
料電池セルについて説明したが、本発明は上記例に限定
されるものではなく、平板型燃料電池セルのセパレータ
としても利用できる。この場合、Yや希土類元素、Ca
の含有量の異なるMg、Sr、Ca添加のLaCrO3
粉末を、例えば、金型プレスにより平板状に成形し、積
層してもよい。
【0032】また、本発明の円筒状の固体電解質型燃料
電池セルでは、固体電解質の一面に空気極、他面に燃料
極が形成されていればよく、その構造は図1に限定され
るものではない。
【0033】
【実施例】実施例1 市販の純度99.5%以上のLaCO3 、MgCO3
Cr2 3 粉末をLaCr0.1 Mg0.9 3 となるよう
に、かつY2 3 、Yb2 3 、Nd2 3 、Er2
3 、Nd2 3 、CeO2 粉末およびCaCO3 粉末を
所定量添加し、Y、希土類元素とCa量が異なる組成の
混合粉末になるように混合し、1200℃で5時間仮焼
した後、ジルコニアボールを用いた回転ミルで24時間
粉砕し、水を溶媒として市販の分散剤とバインダーを添
加して、ドクターブレード法により約50μmの厚みに
テープ成形し、Y、希土類元素とCa量が異なる複数種
のテープを作製した。
【0034】この後、図4に示すように、上記のY、希
土類元素およびCa量が多い順にテープ31、32を2
枚積層し、その上面にY、希土類元素およびCaを含ま
ないテープ33を積層し、大気中において1500℃で
2〜5時間焼成した。尚、テープ33の上面が集電体の
他方側端面の自由表面8に該当する。この際、試料中の
Si量はICP発光分光分析によると70〜240pp
mであった。
【0035】その後、アルキメデス法により開気孔率測
定を、試料中のY、希土類元素およびCa量はICP発
光分光分析により、また、Y、希土類元素およびCa量
が0.05重量%以下の低濃度領域が存在するか、存在
する場合には自由表面8からの深さ方向の検量線を用い
たX線マイクロアナライザ(EPMA)により求めた。
【0036】一方、上記試料から大きさ20mmの円板
を作製し、Y、希土類元素およびCaを含まないテープ
33の側に水素を、他方の側に空気を供給して、100
0℃で1000時間保持して、水素を供給した側(自由
表面側)の材料の分解について、走査電子顕微鏡により
観察し、表面が粉状となる分解が見られたもの×とし、
表面が変色したものを△、分解も変色も見られなかった
ものを○とした。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】この表より、YおよびCaの酸化物換算量
が0.1重量%より少ない試料No.1、2、および
Y、NdおよびCaの酸化物換算量が8重量%を越える
試料No.8,12では開気孔率が2%以上と焼結性が
低かった。これに対して、Y、希土類元素およびCaの
酸化物換算量がそれぞれ0.1〜8重量%の試料では、
開気孔率が0.7%以下であり、焼結性が高いことが判
る。
【0039】また、低濃度領域が存在しない試料No.
8、14では磁器が大きく分解し、また、低濃度領域は
存在するが、その深さが自由表面から10μm未満であ
る試料No.7については磁器の表面が変色し少々分解し
た。尚、試料No.14は、ErとCaを酸化物換算でそ
れぞれ1.11重量%、1.25重量%含有するテープ
を3層積層し、焼成したものである。
【0040】これに対して、低濃度領域の深さが自由表
面から10μm以上である試料では、磁器の分解や変色
が全くがないことが判る。
【0041】実施例2 Laを10原子%のCaで置換したLaMnO3 系空気
極粉末を用い押し出し成形法により外径20mm、肉厚
3mmの空気極成形体を作製した。一方、10モル%Y
2 3 を含有した安定化ZrO2 粉末、および70重量
%NiOとジルコニア(10モル%Y2 3 含有)を用
い、ドクターブレード法によりそれぞれ厚み約100μ
mの固体電解質および燃料極テープを作製した。
【0042】この後、上記の空気極成形体に、図1の形
状になるように固体電解質および実施例1の試料No.
5、6、14の集電体テープ、および燃料極テープを順
次張り付け、積層成形体を作製した。この後、この成形
体を1500℃で4時間大気中で共焼結させて、燃料電
池セルを作製した。
【0043】発電は、セルの内側に空気を、外側に水素
を流し1000℃で1000時間行い、その時の出力密
度の変化を調べた。その結果を図5に示す。これより、
試料No.14では発電後に次第に出力密度が低下し、5
00時間後において急激に低下した。そこで、発電後に
集電体表面のX線マイクロアナライザ(EPMA)によ
り分析した結果、ErとCa、Siが凝集偏析した部分
が見られた。これに対して、本発明の試料No.5、6
では1000hの発電において出力密度の低下は見られ
なかった。これより、本発明の集電体材料ならびにそれ
を用いた燃料電池セルは、従来にない優れた性能のもの
であることが明らかである。
【0044】
【発明の効果】本発明の固体電解質型燃料電池セルで
は、集電体の自由表面側端部に、Yおよび希土類元素の
うち少なくとも一種とCaの濃度がそれぞれ酸化物換算
で0.05重量%以下である低濃度領域を存在せしめる
ことにより、Y、Ca等とSiの濃縮との反応を低減で
き、これに起因する還元雰囲気中でのLaCrO3 系材
料の分解を抑制できる。特に、低濃度領域を、集電体の
自由表面側端から10μm以上の厚みで存在せしめるこ
とにより、還元雰囲気中でのLaCrO3 系材料の分解
をさらに抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】円筒状の固体電解質型燃料電池セルを示す斜視
図である。
【図2】空気極に接続された集電体を示す断面図であ
る。
【図3】集電体の形成方法を示す説明図である。
【図4】実施例1における積層成形体を示す断面図であ
る。
【図5】発電時間と出力密度との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1・・・空気極 2・・・固体電解質 3・・・燃料極 4・・・集電体 8・・・自由表面 9・・・低濃度領域

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体電解質の一面に空気極を、他面に燃料
    極を形成してなり、前記空気極または前記燃料極に電気
    的に接続される集電体を具備する固体電解質型燃料電池
    セルにおいて、前記集電体が、金属元素として少なくと
    もLaおよびCrを含有するペロブスカイト型複合酸化
    物を主成分とし、Yおよび希土類元素のうち少なくとも
    一種と、Caをそれぞれ酸化物換算で0.1〜8.0重
    量%含有するとともに、前記集電体の前記空気極または
    前記燃料極と接続されない自由表面側端部に、Yおよび
    希土類元素のうち少なくとも一種とCaの濃度が、それ
    ぞれ酸化物換算で0.05重量%以下である低濃度領域
    が存在することを特徴とする固体電解質型燃料電池セ
    ル。
  2. 【請求項2】低濃度領域が、集電体の自由表面側端から
    10μm以上の厚みで存在することを特徴とする請求項
    1記載の固体電解質型燃料電池セル。
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