JPH08113165A - 自動車の車体前部構造 - Google Patents

自動車の車体前部構造

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JPH08113165A JP6253680A JP25368094A JPH08113165A JP H08113165 A JPH08113165 A JP H08113165A JP 6253680 A JP6253680 A JP 6253680A JP 25368094 A JP25368094 A JP 25368094A JP H08113165 A JPH08113165 A JP H08113165A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 側面視でクランク形を呈するサイドフレーム
１のＬ字部２にダッシュボードロア３の下部４を重ね、
このダッシュボードロアの下部４を介して前記サイドフ
レームのＬ字部２にガセット１０を取付けたことを特徴
とする。 【効果】 ガセットの補強作用により、フロントサイド
フレーム後端を保持でき、前方からの外力に耐え、しか
もダッシュボードロアが局部的に変形するという不都合
を抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は自動車の車体前部構造に
関する。
【０００２】
【従来の技術】図６は従来の自動車の車体前部構造を示
す側面図であり、車体前部においては長手方向にクラン
ク形状のフロントサイドフレーム１０１が延設され、こ
のフロントサイドフレーム１０１にダッシュボードロア
１０２の下端が当接され、フロアプレート１０３が載せ
られている。フロアプレート１０３にはフロントシート
１０４が載置される。ところで、矢印の如く作用した
外力の一部をサブフレーム１０６を介してダッシュボー
ドロア１０２へ逃す構成が知られている。
【０００３】図７は従来の自動車の車体前部構造を示す
平面図（図６の要部のみを示した。）であり、前記サブ
フレーム１０６は例えば「バチ」形を呈し、力を矢印
，のように分散させることで、ダッシュボードロア
１０２の局部変形を抑える構造としている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図６に示した
通りに、フロントサイドフレーム１０１は側面視でクラ
ンク形を呈し、ダッシャボードロア１０２の下端で下方
へ折れ曲がっているために、矢印の外力に対する剛性
は乏しい。即ち、フロントサイドフレーム１０１の後面
を直接支持していないので支持効率が小さい。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、側面視でクランク形を呈するフロントサイ
ドフレームのＬ字部にダッシュボードロアの下部を重
ね、このダシュボードロアプレートを介して前記フロン
トサイドフレームのＬ字部にガセットを取付けたことを
特徴とする。
【０００６】ガセットを、車室中央へ面した傾斜板とこ
の傾斜板の左右端から下降した側板とから構成する。
【０００７】ガセットの傾斜板は、車体前方斜め下方へ
窪んだ湾曲板であることが好ましい。
【０００８】ガセットは、フロントサイドフレームより
薄い板材で構成することが望ましい。
【０００９】フロントサイドフレームとダッシュボード
ロアとガセットは、３枚同時にスポット溶接結合すれば
よい。
【作用】
【００１０】ガセットで補強することで、フロントサイ
ドフレーム後端を保持させ、前方からの外力に備える。
ダッシュボードロアの局部変形を抑えることができる。
【００１１】ガセットを下面開放のコ字断面形状とする
ことで、ガセットの剛性を高める。
【００１２】ガセットの傾斜板を湾曲させることでガセ
ットを適度に弱める。前方から外力を受けたときにガセ
ットを変形させて、衝撃を吸収させる。
【００１３】ガセットの板厚をフロントサイドフレーム
より薄くすることでガセットを適度に弱める。
【００１４】フロントサイドフレームとダッシュボード
ロアとガセットを、３枚同時にスポット溶接すること
で、溶接工数を削減する。
【００１５】
【実施例】本発明の実施例を添付図に基づいて以下に説
明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。ま
た、「前後」、「左右」は運転者の見た向きである。図
１は本発明に係る自動車の車体前部構造の側面図であ
り、側面視でクランク形を呈するフロントサイドフレー
ム１（以下「サイドフレーム１」と略記する。）のＬ字
部２にダッシュボードロア３の下部４を重ね、このダッ
シュボードロアの下部４を介して前記サイドフレームの
Ｌ字部２にガセット１０を取付けたことを特徴とする。
【００１６】図２は本発明に係る自動車の車体前部の分
解斜視図であり、ガセット１０は「相互に角度をもった
部材の結合部を補強するため、双方の部材に跨がっる部
材であり、すみ板はその代表である。」と定義されるも
のであり、本実施例では傾斜板１１とこの傾斜板の左右
端から下降した側板１２，１２とフランジ１３とからな
る。また、傾斜板１１は、車体前方斜め下方へ窪んだ湾
曲板である。
【００１７】サイドフレーム１は略矩形断面構造体であ
り、Ｌ字部２にフランジ１ａを有するととも、後端には
上部開放コ字断面のサイドフレーム後延材６の先端６ａ
が重なる。更にこのサイドフレーム後延材６の後端に上
部開放コ字断面のフロアフレーム７の先端７ａが重な
る。図中、６ｂ，７ｂはフランジである。ダッシュボー
ドロア３はダッシュボードの下部を構成する板であり、
それの下部４がＬ字形に折り曲げられ、更に後端部４ａ
にフロアプレート８が重なる。４ｂ，８ｂはトンネルで
ある。
【００１８】図３は本発明に係る自動車の車体前部の斜
視図であり、図２の組立て後の姿を示す。なお、ガセッ
ト１０のフランジ１３に付した「×」はスポット溶接部
を示す。図２も同様。
【００１９】図４は本発明に係る自動車の車体前部の要
部断面図であり、サイドフレーム１及びサイドフレーム
後延材６で形成したＬ字部２にダッシュボードロア３の
下部４を重ね、更にガセット１０を重ね、これら三部材
をスポット溶接結合したことを示す。また、湾曲した傾
斜板１１は両端を結んだ基準直線Ｌに対して距離δだけ
前方斜め下方へ窪んでいる。
【００２０】以上に述べた自動車の車体前部構造の作用
を次に説明する。図５（ａ），（ｂ）は本発明の車体前
部構造の作用図であり、（ａ）は通常の車体前部側面を
示す。（ｂ）は矢印のごとく極めて大きな外力が作用
したときを示し、サイドフレーム１は図の様に変形して
衝撃力を吸収する。この際に、ガセット１０はＬ字部２
を補強し支持するので図示せぬダッシュボードロアに局
部変形を起こさせる恐れは少ない。しかも、ガセット１
０は湾曲した傾斜板１１が「く」字に変形するので衝撃
吸収作用は良好である。即ち、湾曲した傾斜板１１で構
成したガセット１０を採用すれば、適度な剛性（ダッシ
ュボードの極端な局部変形の抑制）と、適度な変形（衝
撃吸収）との両方の作用が得られる。
【００２１】ガセット１０は傾斜板１１と側板１２，１
２とで下方開口のコ字断面を呈し、曲げ剛性は大きい。
そこで変形性を高めるためにサイドフレーム１よりも薄
い板厚とすることは有効である。また、本発明はサイド
フレームとフロアフレームのオフセットが小さいものほ
どガセットの車室内への張出しを抑えることができるの
で、商品性を損うことなく、フレームに適度な剛性と変
形力とを持たせることができる。
【００２２】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項１は、側面視でクランク形を呈するフロン
トサイドフレームのＬ字部にダッシュボードロアの下部
を重ね、このダシュボードロアプレートを介してフロン
トサイドフレームのＬ字部にガセットを取付けたので、
ガセットの補強作用により、フロントサイドフレーム後
端を保持でき、前方からの外力に耐え、しかもダッシュ
ボードロアが局部的に変形するという不都合を抑えるこ
とができる。
【００２３】請求項２は、ガセットを車室中央へ面した
傾斜板とこの傾斜板の左右端から下降した側板とから構
成したので、ガセットの剛性を高めることができる。
【００２４】請求項３は、ガセットの傾斜板を車体前方
斜め下方へ窪んだ湾曲板とし、ガセットを適度に弱めた
ので前方から外力を受けたときにガセットを変形させ
て、衝撃を吸収させることができる。
【００２５】請求項４は、ガセットをフロントサイドフ
レームより薄い板材して適度に弱めたので前方から外力
を受けたときにガセットを変形させて、衝撃を吸収させ
ることができる。
【００２６】請求項５は、フロントサイドフレームとダ
ッシュボードロアとガセットとを同時にスポット溶接結
合したので、溶接工数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る自動車の車体前部構造の側面図
【図２】本発明に係る自動車の車体前部の分解斜視図
【図３】本発明に係る自動車の車体前部の斜視図
【図４】本発明に係る自動車の車体前部の要部断面図
【図５】本発明の車体前部構造の作用図
【図６】従来の自動車の車体前部構造を示す側面図
【図７】従来の自動車の車体前部構造を示す平面図
【符号の説明】
１…フロントサイドフレーム（サイドフレーム）、１ａ
…フランジ、２…Ｌ字部、３…ダッシュボードロア、４
…ダッシュボードロアの下部、６…サイドフレーム後延
材、７…フロアフレーム、８…フロアプレート、１０…
ガセット、１１…傾斜板、１２…側板、１３…フラン
ジ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 側面視でクランク形を呈するフロントサ
    イドフレームのＬ字部にダッシュボードロアの下部を重
    ね、このダシュボードロアプレートを介して前記フロン
    トサイドフレームのＬ字部にガセットを取付けたことを
    特徴とする自動車の車体前部構造。
  2. 【請求項２】 前記ガセットは、車室中央へ面した傾斜
    板とこの傾斜板の左右端から下降した側板とからなるこ
    とを特徴とした請求項１記載の自動車の車体前部構造。
  3. 【請求項３】 前記ガセットの傾斜板は、車体前方斜め
    下方へ窪んだ湾曲板であることを特徴とした請求項２記
    載の自動車の車体前部構造。
  4. 【請求項４】 前記ガセットは、フロントサイドフレー
    ムより薄い板材で構成されていることを特徴とした請求
    項１、請求項２又は請求項３記載の自動車の車体前部構
    造。
  5. 【請求項５】 前記フロントサイドフレームとダッシュ
    ボードロアとガセットは、３枚同時にスポット溶接結合
    されたことを特徴とする請求項１、請求項２、請求項３
    又は請求項４記載の自動車の車体前部構造。
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