JP2658520B2 - 自動車のエアボックス構造 - Google Patents

自動車のエアボックス構造

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JP2658520B2
JP2658520B2 JP2195200A JP19520090A JP2658520B2 JP 2658520 B2 JP2658520 B2 JP 2658520B2 JP 2195200 A JP2195200 A JP 2195200A JP 19520090 A JP19520090 A JP 19520090A JP 2658520 B2 JP2658520 B2 JP 2658520B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は自動車のエアボックス構造に関する。
(従来の技術) 従来、自動車のエアボックス構造としては、第3図乃
至第5図に示すものが知られている。第3図乃至第5図
は第2図の自動車CのA−A線に沿った断面を示したも
のである。
第3図に示すものはエアボックス1を形成するカウル
トップパネル2の前後端部に形成されたフランジ2a,2b
に、ダッシュアッパーパネル3の前後端部のフランジ3
a,3bがスポット溶接され、カウルトップパネル2の上壁
部にウィンドシールドパネル4の下端部を保持する傾斜
部2cが形成され、この傾斜部2cに接着剤5を介してウィ
ンドシールドパネル4の下端部が支持されている。
又、第4図に示すエアボックス構造では、エアボック
ス1はオープンタイプのものとされており、カウルフロ
ントパネル6の下部フランジ6aにダッシュロアパネル7
の前部フランジ7aがスポット溶接されされ、ダッシュロ
アパネル7の後部フランジ7bにダッシュメンバーアッパ
ー8の後部フランジ8bがスポット溶接され、ダッシュメ
ンバーアッパー8の前部フランジ8aにダッシュメンバー
ロア9の前部フランジ9aがスポット溶接され、ダッシュ
メンバーロア9の後部フランジ9bはダッシュロアパネル
10の後部内壁面にスポット溶接により接合されている。
ダッシュメンバーアッパー8は、ウィンドシールドパネ
ル4の下端部を支持する傾斜部8cを有しており、傾斜部
8c上の接着剤5を介してウィンドシールドパネル4の下
端部が保持されている。
更に、第5図に示すものでは、エアボックス1が、カ
ウルトップパネル11とダッシュアッパーパネル12とで形
成され、カウルトップパネル11の前後のフランジ11a,11
bとダッシュアッパーパネル12の前後フランジ12a,12bと
がスポット溶接されている。カウルトップパネル11とダ
ッシュアッパーパネル12にはウィンドシールドパネル4
の傾斜に合わせて傾斜する傾斜部11cと傾斜部12cを備え
ており、傾斜部11c,12cは接着剤13を介して装着されて
いる。カウルトップパネル11の傾斜部11cの上には接着
剤5を介してウィンドシールドパネル4が保持されてい
る。フランジ11b,12bは、ダッシュメンバー14の上部フ
ランジ14aと共にスポット溶接により接合され、ダッシ
ュメンバー14の下部フランジ14bはダッシュアッパーパ
ネル12の後部にスポット溶接により接合されている。
(特開昭59−23720号公報参照) (発明が解決しようとする課題) ところで、最近は自動車の車重軽減が要請されてい
る。しかし、従来の自動車のエアボックス構造の場合、
車重軽減のために鋼板を薄くすると以下に示すような課
題が生ずる。
先ず、第3図に示す自動車のエアボックス構造の場
合、ステアリングの支持剛性が低く防振対策が不十分に
なると共に、ウィンドシールドパネル4の支持剛性が低
く、車両衝突時のウィンドシールドパネル4の保持に懸
念がある。
次に、第4図に示すものの場合、ステアリングの防振
対策或は車両衝突時のウィンドシールドパネル4の保持
力確保の対策に懸念はないが、スポット溶接の打点箇所
が第3図、第5図に示すものと較べて多く、生産効率の
向上に不利であるという問題があると共に、エアボック
ス1がオープンタイプであり、充分な防水対策を要する
問題がある。
更に、第5図に示すものの場合、第4図のエアボック
ス構造に較べてスポット溶接の打点箇所が少なくてすむ
利点があるが、傾斜部11c,12cをスポット溶接すると溶
接跡の歪みが生ずるため、ウィンドシールドパネル4を
支持するには、傾斜部11c,12cを接着剤により接着する
のが望ましい。しかし、傾斜部11c,12cの接着には傾斜
部11c,12cを挟圧接着するための装置を要する問題があ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明は,上記課題に着目してなされたものであり,
自動車のウィンドシールドパネルの支持強度を向上させ
ると共に,ステアリングの支持剛性を向上させ,防振機
能並びに防水機能を向上させることを目的とし,あわせ
て,溶接箇所の増加を防ぎ,特殊工具や特殊装置を必要
とせず,作業性を向上させることを目的とする。
かかる課題を解決するために、本願発明の自動車のエ
アボックス構造は,エアボックスの前壁部及び上壁部を
形成するカウルトップパネルと、エアボックスの下壁部
と後壁部とを形成するダッシュアッパーパネルとを接合
して第1の閉断面を形成し、前記ダッシュアッパーパネ
ルの車室の室内側に、ステアリングを支持するダッシュ
メンバーを接合して第2の閉断面を形成し、このダッシ
ュメンバーの上方にウィンドシールドパネルを配設する
自動車のエアボックス構造であって、 前記カウルトップパネルの上壁部の後端部を、前記ウ
ィンドシールドパネルの下端部の近傍に突出させ、前記
ダッシュアッパーパネルの後壁部の上端部に、前記カウ
ルトップパネルの上壁部の後端部の下面に沿うように、
車体後方に折曲される折曲部を形成し、前記ダッシュメ
ンバーの上部に、前記ダッシュアッパーパネルの折曲部
下面に沿うように形成されるフランジ部と、このフラン
ジ部の車体後方側に位置して下方に凹む溝状の部位と、
この溝状の部位から車体後方に位置して前記ウィンドシ
ールドパネルに沿って斜め上方に延びる傾斜部と、この
傾斜部の車体後方側に位置する溶接用の電極を挿入可能
な開口部とを形成し、前記カウルトップパネルの上端部
の後端部の下面に、前記ダッシュアッパーパネルの前記
折曲部を重ね、この折曲部下面に前記ダッシュメンバー
のフランジ部を順次重ねて三者をスポット溶接し、前記
溝状の部位に前記ウィンドシールドパネルの下端を保持
させると共に、前記ダッシュメンバーの傾斜部に前記ウ
ィンドシールドパネルの下端部を支持させて接着したこ
とを特徴とする。
(作 用) 本発明の自動車のエアボックス構造によれば,ウィン
ドシールドパネルの下端部の前方に3枚のパネルの積層
部分が形成されると共に、ウィンドシールドパネルの下
端部が溝状の部位に支持され、更に、ウィンドシールド
パネルの下端部下面が傾斜部により支持されるので、第
1閉断面と第2閉断面が形成される場合よりも、ウィン
ドシールドパネルの下端部の支持剛性や防振機能が更に
向上する。
また、傾斜部の後方に開口部が形成されているので、
上記の3枚のパネルを接合するときに、傾斜部後方の開
口部により溶接の電極の一方を挿入し、カウルトップパ
ネルの上壁部の後端部の上面に電極の他方を当てること
により、ダッシュメンバーの内側から行うことができ、
特殊工具や特殊装置を必要としないと共に、ダッシュメ
ンバーの軽量化を図ることができる。
さらに、ダッシュメンバーに開口部が形成されていて
も、ダッシュメンバーはウィンドシールドパネルの車室
内側に位置しており、3枚のパネルは接合されているの
で、室内側の防水性が向上する。
(実施例) 以下、発明の実施例にかかる自動車のエアボックス構
造について図面を参照しつつ説明する。
第1図は、この実施例のエアボックスの斜視一部断面
構成を示したものであり、このエアボックス20は、ダッ
シュアッパーパネル21とカウルトップパネル22とで閉断
面が形成されている。ダッシュアッパーパネル21の前端
部21aは縦方向に延びるダッシュロアパネル23の上端フ
ランジ23aの上に位置し、この前端部21aの上にカウルト
ップパネル22の前端フランジ22aが位置しており、前端
部21aと前端フランジ22aと上端フランジ23aとは3枚打
ちのスポット溶接により接合されている。カウルトップ
パネル22の上壁部の後端部22b(接合部)は、ウィンド
シールドパネル4の下端部4aに至らない程度に延びてい
る。ダッシュアッパーパネル21は乗員席側に突出してお
り、ダッシュアッパーパネル21の後壁部はカウルトップ
パネル22の上壁部の後端部22b側に傾斜する傾斜部21cを
有している。このダッシュアッパーパネル21の後部の上
端部は車体後方に折曲されており、この折曲された部分
が後部フランジ21b(折曲部)とされている。ダッシュ
アッパーパネル21の後方、即ち、乗員席側の側面には、
ダッシュメンバー24が接合される。ダッシュメンバー24
は、ステアリング支持用のブラケット(図示省略)を取
り付けるもので、ダッシュアッパーパネル21と車幅方向
に沿って延びる第2の閉断面を形成する。
ダッシュメンバー24は、ダッシュアッパーパネル21の
後部フランジ21bに接合される上部フランジ24aと、ダッ
シュアッパーパネル21の下壁部21dの後部下面に接合さ
れる下部フランジ24bとを有し、上部フランジ24aの後方
には一旦下方に凹む溝状の部位24eが形成され、この溝
状の部位24eの車体後方側に車体上方に傾斜する第1傾
斜部24c(傾斜部)が形成されている。この第1傾斜部2
4cには断面が大略L字状に接着剤25が塗布されており、
この第1傾斜面24cにウィンドシールドパネル4の下端
部4aが接着して支持されており、溝状の部位24eにウィ
ンドシールドパネル4の下端部4aが保持される。ダッシ
ュメンバー24の第1傾斜部24cの後方部位には車体の下
方に折曲される第2傾斜部24dが形成されている。第2
傾斜部24dには、スポット溶接用の作業穴としてのボス
穴26が開口されている。第2傾斜部24dの下部は、下部
フランジ24bに連なる縦壁部24dとされている。カウルト
ップパネル22の後端部22bとダッシュアッパーパネル21
の後部フランジ21bとダッシュメンバー24の上部フラン
ジ24aは、3枚打ちのスポット溶接により接合されてい
る。このときのスポット溶接は、第2傾斜部24dのボス
穴26から溶接装置の一方の電極を挿入し、カウルトップ
パネル21の後端部22bに他方の電極を当接させて行な
う。この場合、ダッシュアッパーパネル21の下壁部21d
の後部とダッシュメンバー24の下部フランジ24bとを先
にスポット溶接し、次にダッシュロアパネル23の上部フ
ランジ23aと、ダッシュアッパーパネル21の前端部21a
と、カウルトップパネル22の前端部フランジ22aとを3
枚打ちでスポット溶接し、その後でカウルトップパネル
22の後端部22bと、ダッシュアッパーパネル21の後部フ
ランジ21bと、ダッシュメンバー24の上部フランジ24aと
の3枚打ちのスポット溶接を行なっても良い。
次に、本実施例にかかる自動車のエアボックス構造の
作用を説明する。
本実施例のダッシュロアパネル23、ダッシュアッパー
パネル21、カウルトップパネル22並びにダッシュメンバ
ー24に車体前方側から車体後方側に向かう衝撃力が加わ
った場合、カウルトップパネル22の後端部22bと、ダッ
シュアッパーパネル21の後部フランジ21bと、ダッシュ
メンバー24の上部フランジ24aとが、3枚打ちのスポッ
ト溶接により接合され、ウィンドシールドパネル4の下
端部4aが溝状の部位24eに保持されているので、この接
合部分の剛性が高く変形し難いので、第1傾斜部24cも
変形し難くなり、ウィンドシールドパネル4の保持力が
向上する。又、ダッシュメンバー24とダッシュアッパー
パネル21が閉断面を形成するので、ダッシュメンバー24
のステアリング支持ブラケットの支持剛性が向上する。
更に、スポット溶接を行なう箇所は、ダッシュロアパネ
ル23とダッシュアッパーパネル21とカウルトップパネル
22の接合部S1と、ダッシュアッパーパネル21とダッシュ
メンバー24との接合部S2と、カウルトップパネル22とダ
ッシュアッパーパネル21とダッシュメンバー24の接合部
S3の3箇所であるので、スポット溶接箇所が従来と較べ
ても増加しないばかりでなく、接合部S3がウィンドシー
ルドパネル4の前方に位置するので、カウルトップパネ
ル22とダッシュアッパーパネル21の接合部の室内側のシ
ールが不要となる。しかも、第2傾斜部24dのボス穴2
6、26は、スポット溶接を可能とする他に、ダッシュメ
ンバー24の重量軽減に寄与し、更に装備の配設等にも利
用できる。
本発明の自動車のエアボックス構造によれば、ウィン
ドシールドパネルの下端部の前方に3枚のパネルの積層
部分が形成されると共に、ウィンドシールドパネルの下
端部が溝状の部位に支持され、更に、ウィンドシールド
パネルの下端部下面が第1傾斜部により支持されるの
で、第1閉断面と第2閉断面が形成される以上に、ウィ
ンドシールドパネルの下端部の支持剛性や防振機能が向
上する。特に、車体前後方向に向かう衝撃荷重が作用す
る場合において、ウィンドシールドパネルの支持剛性は
向上している。
また、ダッシュメンバーに開口部が形成されているの
で、上記の3枚のパネルを接合するときに、この開口部
により溶接の電極の一方を挿入し、カウルトップパネル
の上壁部の後端部の上面に溶接用の電極の他方を当てる
ことにより、ダッシュメンバーの内側からの溶接を行う
ことができ、特殊工具や特殊装置を必要としないと共
に、ダッシュメンバーの軽量化を図ることができる。
さらに、ダッシュメンバーに開口部が形成されていて
も、ダッシュメンバーはウィンドシールドパネルの車室
内側に位置しており、3枚のパネルは接合されており、
室内側の防水性が向上する。
これにより,自動車のウィンドシールドパネルの支持
強度が向上し,ステアリングの支持剛性が向上し,防振
機能並びに防水機能が向上し,しかも、特殊工具や特殊
装置を必要とせず,作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例にかかる自動車のエアボック
ス構造の断面構成を示す断面図である。 第2図は、本発明の実施例が適用される自動車の概略説
明図である。 第3図乃至第5図は従来の自動車のエアボックス構造の
断面構成を示す断面図であり、第3図はダッシュメンバ
ーがないタイプのエアボックス構造、第4図は上下のダ
ッシュメンバーがあるタイプのエアボックス構造、第5
図は内部にダッシュメンバーがあるタイプのエアボック
ス構造である。 4……ウィンドシールドパネル 4a……ウィンドシールドパネルの下端部 20……エアボックス 21……ダッシュアッパーパネル 21b……後部フランジ 22……カウルトップパネル 22b……後端部(カウルトップパネルの上壁部後端部) 24……ダッシュメンバー 24a……ダッシュメンバー上部の接合部位 24d……傾斜部 26……作業穴 S1,S2,S3……スポット溶接箇所

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エアボックスの前壁部及び上壁部を形成す
    るカウルトップパネルと、エアボックスの下壁部と後壁
    部とを形成するダッシュアッパーパネルとを接合して第
    1の閉断面を形成し、前記ダッシュアッパーパネルの車
    室の室内側に、ステアリングを支持するダッシュメンバ
    ーを接合して第2の閉断面を形成し、このダッシュメン
    バーの上方にウィンドシールドパネルを配設する自動車
    のエアボックス構造であって、 前記カウルトップパネルの上壁部の後端部を、前記ウィ
    ンドシールドパネルの下端部の近傍に突出させ、前記ダ
    ッシュアッパーパネルの後壁部の上端部に、前記カウル
    トップパネルの上壁部の後端部の下面に沿うように、車
    体後方に折曲される折曲部を形成し、前記ダッシュメン
    バーの上部に、前記ダッシュアッパーパネルの折曲部下
    面に沿うように形成されるフランジ部と、このフランジ
    部の車体後方側に位置して下方に凹む溝状の部位と、こ
    の溝状の部位から車体後方に位置して前記ウィンドシー
    ルドパネルに沿って斜め上方に延びる傾斜部と、この傾
    斜部の車体後方側に位置する溶接用の電極を挿入可能な
    開口部とを形成し、前記カウルトップパネルの上端部の
    後端部の下面に、前記ダッシュアッパーパネルの前記折
    曲部を重ね、この折曲部下面に前記ダッシュメンバーの
    フランジ部を順次重ねて三者をスポット溶接し、前記溝
    状の部位に前記ウィンドシールドパネルの下端を保持さ
    せると共に、前記ダッシュメンバーの傾斜部に前記ウィ
    ンドシールドパネルの下端部を支持させて接着したこと
    を特徴とする自動車のエアボックス構造。
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