JPH08100171A - 蓄熱材組成物 - Google Patents

蓄熱材組成物

Info

Publication number
JPH08100171A
JPH08100171A JP6237036A JP23703694A JPH08100171A JP H08100171 A JPH08100171 A JP H08100171A JP 6237036 A JP6237036 A JP 6237036A JP 23703694 A JP23703694 A JP 23703694A JP H08100171 A JPH08100171 A JP H08100171A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
absorbing polymer
heat storage
acid
material composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6237036A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichiro Yasuda
晋一朗 安田
Akihiro Kondo
昭裕 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP6237036A priority Critical patent/JPH08100171A/ja
Publication of JPH08100171A publication Critical patent/JPH08100171A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的高い蓄熱温度と高い蓄熱量を有し、長
時間一定温度に保つことができ、かつ着火し難い蓄熱材
の提供。 【構成】 炭素数10以上の高級脂肪酸及び炭素数10以上
の高級アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1
種と、含水吸水性重合体とからなる蓄熱材組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蓄熱材組成物に関し、詳
しくは相変化を伴って発生する潜熱を応用した蓄熱材組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一定温度で大量の熱を蓄えることの出来
る潜熱蓄熱材が、電気エネルギーの効率的利用のために
用いられている。この様な電気式潜熱蓄熱材の中で一般
的に用いられているものとしては、(ア)顕熱を利用す
るコンクリート蓄熱材、(イ)潜熱を利用する硫酸ナト
リウム水和物、塩化ナトリウム水和物の如き塩水和物を
利用した無機系潜熱材、(ウ)潜熱を利用する有機系蓄
熱材であるパラフィン類をポリエチレン等と溶融混合す
ることでパラフィンをポリエチレンに含浸させたもの等
がある。しかしながら、これらの蓄熱材は種々の欠点を
有する。即ち、上記(ア)のコンクリート蓄熱材は安価
であるが、顕熱を利用するものはその蓄熱量が少なく長
時間暖房には不十分な場合がある、(イ)の無機系蓄熱
材は蓄熱温度が高々32℃であり、寒冷地では室温が上昇
せず不十分な場合がある、(ウ)の有機系蓄熱材は有機
物であり且つ特に燃焼し易いパラフィンであるため、そ
の不燃化に大きな障害がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、比較的高い蓄熱温度と高い蓄熱量を有し、
長時間一定温度に保つことができ、かつ着火し難い蓄熱
材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、炭素数10以上の高級脂肪酸及び炭素数10以上の高
級アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種と
含水吸水性重合体とを配合した蓄熱材組成物が上記課題
を解決しうることを見いだし、本発明を完成した。即
ち、本発明は、炭素数10以上の高級脂肪酸及び炭素数10
以上の高級アルコールからなる群から選ばれる少なくと
も1種と、含水吸水性重合体とからなることを特徴とす
る蓄熱材組成物を提供するものである。
【0005】本発明の蓄熱材組成物は、含水した吸水性
重合体内に、該高級脂肪酸及び/又は高級アルコールが
含浸し、且つ使用範囲での形状を保ち、更に該高級脂肪
酸及び/又は高級アルコールが沁み出し難く、又吸水性
重合体内に多量の水を含んでいるため引火もしくは着火
し難く、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の
無機化合物は均一に分散しづらく、使用中に沈澱し充分
な効果がなくなる恐れがあるのに対し条件を選ぶことに
より長期間安定な性能を保持することができる。
【0006】本発明に使用できる炭素数10以上の高級脂
肪酸としては、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン
酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パ
ルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、
モンタン酸等の直鎖飽和脂肪酸、11−メチルドデカン
酸、13−メチルテトラデカン酸、15−メチルテトラデカ
ン酸、4−メチルオクタデカン酸、 2,2−ジメチルオク
タデカン酸等のモノおよびジアルキル分岐飽和脂肪酸、
2−ヘプタデセン酸、エライジン酸、バセニン酸、2−
メチル−2−ドデセン酸等の直鎖及び分岐モノエン酸等
が挙げられる。これらの高級脂肪酸の中で特に炭素数11
〜28のものが好ましい。
【0007】本発明に使用できる炭素数10以上の高級ア
ルコールとしては、ミリスチルアルコール、1−ペンタ
デカノール、セチルアルコール、1−ヘプタデカノー
ル、ステアリルアルコール、アラキニル−アルコール、
2−オクタデカノール等が挙げられる。これらの高級ア
ルコールの中で特に炭素数12〜20のものが好ましい。
【0008】又、本発明に使用できる吸水性重合体とし
ては、ポリアクリル酸塩系吸水性樹脂、イソブチレン・
無水マレイン酸系吸水ポリマー、澱粉系吸水ポリマー、
ビニルアルコール・アクリル酸塩共重合体、ポリビニル
メチルエーテル系吸水ポリマー、ポリビニルアルコール
系吸水性樹脂、ポリエチレンオキサイド系吸水ポリマ
ー、塩化ビニル・アクリル酸エステル共重合体ケン化
物、アクリルアミド系吸水ポリマー、酢酸ビニル・マレ
イン酸系吸水ポリマー等が挙げられるが、基本的には、
ほとんどの水が自由水としてゲル状の高分子体の中に存
在し、ゲル体として存在できるものは本発明の吸水性重
合体として使用できる。それらの中で吸水ゲル圧壊強
度、湿潤品耐熱性、他の樹脂との相溶性の良い塩化ビニ
ル・アクリル酸エステル共重合体ケン化物、ポリビニル
アルコール系吸水性樹脂、イソブチレン・無水マレイン
酸系吸水ポリマー、ポリエチレンオキサイド系吸水ポリ
マーが好ましい吸水性重合体である。また吸水倍率から
考慮すると、吸水倍率が 300〜1000g/gのポリアクリ
ル酸塩系吸水性樹脂、 500〜700 g/gの塩化ビニル・
アクリル酸エステル共重合体ケン化物、 300〜800 g/
gの澱粉アクリル酸グラフト共重合体、 200〜400 g/
gのイソブチレン・無水マレイン酸系吸水ポリマーが好
ましい。
【0009】ポリアクリル酸塩系吸水性樹脂としては、
アクアリットCA(日本触媒(株))、サンウェットIM50
00(三洋化成(株))、ダイヤウェットA(三菱油化
(株))、アラソープS−100(荒川化学工業(株))等
が使用できる。イソブチレン・無水マレイン酸系吸水ポ
リマーは1分子中に2モルのカルボキシル基を有する重
合体で、吸水ゲル圧壊強度が高く、樹脂・ゴム等との相
溶性に優れておりKIゲル201K(クラレ(株))、アクア
ビーズM(クラレケミカル(株))等が使用できる。ビ
ニルアルコール・アクリル酸塩共重合体は酢酸ビニルエ
ステル等のビニルエステルとアクリル酸メチル等のアク
リル酸エステルからなる共重合体をアルカリ触媒及び溶
剤の存在下で鹸化させて得られ、吸水状態に於いてヒド
ロゲルとなり剛性に富むため本用途に好ましい吸水性重
合体であり、スミカゲルS50 、SP510等(住友化学
(株))が使用できる。ポリビニルメチルエーテル系吸
水ポリマーは水以外にアルコール、エステル、ケトンに
可溶であり、且つ粘着性、接着性に優れているため、単
品としてよりもブレンド吸水ポリマー用として用いられ
る。代表的な吸水ポリマーとしてはルナトールM40(BASF
ジャパン(株))がある。ポリビニルアルコール系吸水
性樹脂はポリビニルアルコールを架橋剤で3次元網化し
たもので、接着性と強靱性に優れており本発明の使用に
は好ましい吸水性重合体であり、アクリザーブGP(日本
合成化学工業(株))等がある。ポリエチレンオキサイ
ド系吸水ポリマーとしてはアクアコーク(住友精化
(株))が知られており、吸水性は高々樹脂重量の50倍
と少ないが、熱可塑性を有しており一般の他の熱可塑性
樹脂と同じ様な加工法が可能で、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等の他の樹脂との相溶性に優れ本発明に使用で
きる好ましい吸水性重合体である。澱粉系吸水ポリマー
としては澱粉・アクリロニトリルグラフト共重合体の加
水分解物、澱粉・アクリル酸グラフト重合体の中和物等
が使用でき、澱粉の多数の親水基による強い親和性と、
アクリロニトリル等とのグラフトによりポリマー分子相
互間に架橋ができ強い強度を有する。このアクリロニト
リルグラフト品としてはグレインプロセシング社のWATE
R LOCKがあり、アクリル酸グラフト品としてはヘキスト
セラニーズ社のSANWETが知られている。アクリルアミド
系吸水ポリマーとしては三井東圧(株)製のN−アクリ
ロイルピリジンで架橋したもの、酢酸ビニル・マレイン
酸系吸水ポリマーとしては酢酸ビニル・マレイン酸モノ
メチル共重合体鹸化物、塩化ビニル・アクリル酸エステ
ル共重合体ケン化物等も使用できる。
【0010】本発明において、上記のような吸水性重合
体は含水状態で用いられる。含水吸水性重合体の含水量
(吸水性重合体1gに対する含水量)は50〜2000g/g
が好ましく、100 〜1000g/gが更に好ましい。含水量
が2000g/gを超えると水が分離したり、水の滲み出し
がおこりやすくなる。
【0011】また本発明には場合により本発明の組成物
の蓄熱量、蓄熱温度を調整するためにワックスを要求さ
れる蓄熱量に達するまで添加しても良い。用いられるワ
ックスの軟化点は JIS K 2235 に従って測定される値
で、25〜100 ℃が好ましく、30〜85℃が更に好ましい。
本発明に用いられるワックスとしてはカルナウバワック
ス、モンタンワックスや、パラフィンワックス等の石油
系ワックス等が挙げられる。それらの中では吸熱ピーク
がシングルでシャープであるパラフィンワックスが好ま
しいが、吸熱ピークがシングルであり、適度な蓄熱温度
で且つ蓄熱量が大きければ他のワックスを使用しても差
し支えない。
【0012】また本発明の組成物には場合により、エチ
レン、プロピレン等のα−オレフィンのホモポリマー、
オレフィン同士のコポリマー、α−オレフィンと他のモ
ノマーとの共重合体等のポリオレフィンを本発明の組成
物の強度を保つために必要量配合しても良い。ポリエチ
レン系としては例えばショウレックスS6005A(昭和電工
(株)製)、スミカセンLG2801、エクセレンVL100(住友
化学(株))、ポリプロピレン系としてはチッソポリプ
ロF8090 (チッソ(株))、共重合体系としてはタフマ
ーA−4085、タフマーP−0280、P−0680 (エチレン−
α−オレフィン共重合体:三井石油化学(株)製)、N
UK−8008 (エチレン−エチルアクリレートコポリマ
ー:日本ユニカ(株))等が挙げられる。
【0013】本発明には含水した吸水性重合体と高級脂
肪酸・高級アルコールとの親和性を向上させるために、
各種界面活性剤、例えばジアルキルスルホ琥珀酸のスル
ホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル−スルホフェニ
ルエーテル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫
酸エステル塩、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部
分けん化物、オレフィン−無水マレイン酸の部分けん化
物等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル、ソルビタン脂肪酸部分エステル、ポリエチレン
グリコール脂肪酸エステル等のノニオン性界面活性剤、
または陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を使用
しても良い。
【0014】又、融点調整のため、高級脂肪酸の低級ア
ルコールエステル、例えばパルミチン酸メチルエステ
ル、ステアリン酸エチルエステル、ステアリン酸メチル
エステル等、また高級アルコールの低級脂肪酸エステ
ル、例えばヘプタデカノール酢酸エステル等を適当量添
加する事もできる。なお、本発明には酸化防止剤、増粘
剤、カップリング剤、防黴剤、難燃剤、防鼠剤、伝熱剤
等の添加剤も適宜用いられる。
【0015】本発明の組成物における各成分の配合量
は、炭素数10以上の高級脂肪酸及び炭素数10以上の高級
アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種 100
重量部に対し、含水吸水性重合体(含水量 100g/gの
場合)10〜 100重量部が好ましく、10〜50重量部が更に
好ましい。含水吸水性重合体が10重量部より少ないと不
燃化に問題があり、100 重量部より多いと単位体積当た
りの蓄熱量が低下する。
【0016】本発明においては蓄熱量、蓄熱温度を調整
するためワックス類を併用しても良いが、その配合量は
炭素数10以上の高級脂肪酸及び炭素数10以上の高級アル
コールからなる群から選ばれる少なくとも1種 100重量
部に対し、200 重量部以下、好ましくは100 重量部以下
である。配合量が200 重量部より多いと、純度の高い高
価なワックスを使用する事が多く、価格的に問題があ
り、且つ配合系が分離する恐れがある。その際に使用す
るワックスと高級アルコール・高級脂肪酸の融解温度に
差があり過ぎると吸熱ピークが広がったり、ダブルピー
クになり蓄熱効率が低下するため、高級アルコール・高
級脂肪酸の融点に合わせたワックスを使用する事が好ま
しい。
【0017】本発明においては適度な柔軟性をもたせ、
形状と強度を保持し、成形後、使用範囲温度に於いて割
れを防止するためにポリエチレン、ポリプロピレン系樹
脂等のポリオレフィンを用いてもよいが、その配合量は
炭素数10以上の高級脂肪酸及び炭素数10以上の高級アル
コールからなる群から選ばれる少なくとも1種 100重量
部に対し、100 重量部以下、好ましくは50重量部以下で
ある。配合量が100 重量部より多すぎると蓄熱効率が低
下するので好ましくない。
【0018】本発明の蓄熱材組成物の好ましい製造方法
としては、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の
ミキサーで各種材料を均一に予備混合した後、加圧ニー
ダー、バンバリミキサー、2軸混練押出機等、通常の混
合機を用いて均一混練りして製造する方法等が挙げられ
るが、均一に分散、混練り出来れば製造装置、製造条件
は特に限定されない。本発明の蓄熱材組成物の形態も用
途に応じ平板以外にペレット状、球状、棒状、パイプ
状、紐状、シート状、ハニカム挿入等の任意の形態で使
用できる。
【0019】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例、及び比較例
を示すが、本発明は下記実施例に限定されるものでは無
い。尚、本発明に於いて、蓄熱温度はJIS K 7121に従っ
て示差走査熱量測定装置(DSC)により測定して得た
融解ピーク温度であり、蓄熱量はJIS K 7122に従って示
差走査熱量測定装置(DSC)により転移熱量測定を行
って求めたものである。
【0020】実施例1 アクリル酸72.1gを32.0gの水で希釈し、冷却しつつ30
重量%の水酸化ナトリウム水溶液98.9gで中和した後、
2.3重量%過硫酸カリウム水溶液10.7gを加えて均一溶
液とし、モノマー/開始剤水溶液を作った。別に、還流
冷却管、滴下ロート、攪拌棒、及び窒素導入管を備えた
500mlのフラスコにシクロヘキサン 283mlを取り、ポリ
オキシエチレンドデシルエーテル硫酸エステルナトリウ
ム塩〔平均エチレンオキシド付加モル数=3〕の25重量
%水溶液 1.5gを加え攪拌 (300rpm) ・分散させ、フラ
スコを窒素置換した後、75℃に昇温した。これに前記モ
ノマー/開始剤水溶液を30分間に渡り滴下した。この
際、同時に、エポキシ系二官能性架橋剤として、エチレ
ングリコールジグリシジルエーテル0.058 gをシリンジ
を用いて徐々に滴下した。滴下終了後、75℃で 1.5時
間、更に80℃で4時間攪拌重合させた。生成物を分離
し、減圧下で乾燥する事により、88.4gのアクリル酸
(ナトリウム)重合体を得た。得られた重合体は、篩い
法による平均粒子径が 400μm の歪な形状をした顆粒状
粒子で、嵩密度は0.41g/mlであった。この重合体(こ
れを高分子吸水体Aとする)の平衡膨潤吸水率を測定す
るとイオン交換水で 550g/gであった。
【0021】得られた高分子吸水体A 1.0gをビーカー
に取り、イオン交換水 100gを添加し直ちに均一に攪拌
し、この含水吸水ポリマー20g(これを含水吸水ポリマ
ーAとする)を、別にパラフィンワックス−115(日本精
蝋(株)製, 軟化点46℃)40gとステアリルアルコール
40gをウォーターバス84℃で融解し冷却した混合物に加
え、ヘンシェルミキサーで予備混合後、2軸押出機にて
均一に混練し白色固体を得た。得られた白色固体を60℃
にて保存しても滲み出しは無く、炎に近づけても融解し
難く、融解速度も遅く、なかなか着火しなかった。又、
吸熱ピークは54℃に1本のみ有り、且つ 232mJ/mgと高
い蓄熱量を示した。
【0022】実施例2 実施例1において、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテルの量を 0.100gとした以外は全く同じ方法で高分
子吸水体を得た(これを高分子吸水体Bとする) 得られた高分子吸水体Bは、篩い法による平均粒子径が
400μm の歪な形状をした顆粒状粒子で、嵩密度は0.42
g/mlであった。該高分子吸水体Bの平衡膨潤吸水率を
測定するとイオン交換水で 500g/gであった。得られ
た高分子吸水体B 1.0gをビーカーに取り、イオン交換
水 100gを添加し直ちに均一に攪拌し、この含水吸水ポ
リマー(これを含水吸水ポリマーBとする)20gを、別
にパラフィンワックス−115 40gとステアリルアルコー
ル40gをウォーターバス84℃で融解し冷却した混合物に
加え、実施例1と同様に予備混合後、混練り装置にて均
一に混練し白色固体を得た。得られた白色固体を60℃に
て保存しても滲み出しは無く、炎に近づけても融解し難
く、融解速度も遅く、なかなか着火しなかった。又、吸
熱ピークは54℃に1本のみ有り、且つ 228mJ/mgと高い
蓄熱量を示した。
【0023】実施例3 含水吸水ポリマーA20重量部、セチルアルコール80重量
部をヘンシェルミキサーで混合したあと2軸押出機にて
均一に混練りし白色固体を得た。得られた白色固体を60
℃にて保存しても滲み出しは無く、炎に近づけても融解
し難く、融解速度も遅く、なかなか着火しなかった。
又、吸熱ピークは54℃に1本のみ有り、且つ 246mJ/mg
と高い蓄熱量を示した。
【0024】実施例4 含水吸水ポリマーA20重量部、セチルアルコール60重量
部、ポリオレフィン(タフマーA−4085, 三井石油化学
製)20重量部をヘンシェルミキサーで混合したあと2軸
押出機にて均一に混練りし白色固体を得た。得られた白
色固体を60℃にて保存しても滲み出しは無く、炎に近づ
けても融解し難く、融解速度も遅く、なかなか着火しな
かった。又、吸熱ピークは55℃に1本のみ有り、且つ 2
01mJ/mgと高い蓄熱量を示した。
【0025】実施例5 含水吸水ポリマーB20重量部、ミリスチン酸80重量部を
ヘンシェルミキサーで混合したあと2軸押出機にて均一
に混練りし白色固体を得た。得られた白色固体を60℃に
て保存しても滲み出しは無く、炎に近づけても融解し難
く、融解速度も遅くなかなか着火しなかった。又、吸熱
ピークは61℃に1本のみ有り、且つ 211mJ/mgと高い蓄
熱量を示した。
【0026】実施例6 含水吸水ポリマーA20重量部、セチルアルコール20重量
部、ステアリルアルコール40部、ポリオレフィン(タフ
マーA−4085) 20重量部をヘンシェルミキサーで混合し
たあと2軸押出機にて均一に混練りし白色固体を得た。
得られた白色固体を60℃にて保存しても滲み出しは無
く、炎に近づけても融解し難く、融解速度も遅く、なか
なか着火しなかった。又、吸熱ピークは54℃に1本のみ
有り、且つ 209mJ/mgと高い蓄熱量を示した。
【0027】実施例7 含水吸水ポリマーA20重量部、パルミチン酸20重量部、
ステアリルアルコール60重量部をヘンシェルミキサーで
混合したあと2軸押出機にて均一に混練りし白色固体を
得た。得られた白色固体を60℃にて保存しても滲み出し
は無く、炎に近づけても融解し難く、融解速度も遅く、
なかなか着火しなかった。又、吸熱ピークは67℃に1本
のみ有り、且つ 243mJ/mgと高い蓄熱量を示した。
【0028】比較例1 含水吸水ポリマーAを除いた以外は実施例1と同様にし
て白色固体を得た。得られた白色固体を60℃にて保存す
ると数分で滲み出した。炎を近づけると直ちに融解し数
秒後に着火した。吸熱ピークは51.5℃と57.5℃に2本発
生し、合計の蓄熱量は 245mJ/mgであった。
【0029】比較例2 ステアリルアルコールを除き、パラフィンワックス-115
の量を40gから80gに変えた以外は実施例1と同様の方
法にて白色固体を得た。得られた白色固体を60℃にて保
存すると約10分で滲み出した。吸熱ピークは53.5℃に1
本であったが、 148mJ/mgと低い蓄熱量を示した。
【0030】比較例3 含水吸水ポリマーAを除いた以外は実施例7と同様にし
て白色固体を得た。得られた白色固体を60℃にて保存す
ると数分で滲み出した。吸熱ピークは62℃から68℃に広
いピークとなった。
【0031】以上の実施例1〜5及び比較例1〜3の評
価結果をまとめて表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明の蓄熱材組成物は以下に示すよう
な効果を有する。 高温時、着火時に流出開始が遅く、且つ固体状態が
長く保持されるため、内容物に引火する時間を遅くでき
る。 使用範囲内で固体であり強度が保てる。 使用範囲内で引火物の滲み出しが少ない。 引火性が小さく火災の危険が少ない。 使用範囲内で長期使用しても分離、沈澱物が発生せ
ず性能が低下しない。 溶融ピークが一本で、蓄熱容量が大きく、一定温度
に長時間保てるため、夜間の余剰電力や余剰熱を利用し
て経済的に蓄熱する事が出来る。 成形性に優れ種々の形態で利用できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数10以上の高級脂肪酸及び炭素数10
    以上の高級アルコールからなる群から選ばれる少なくと
    も1種と、含水吸水性重合体とからなることを特徴とす
    る蓄熱材組成物。
  2. 【請求項2】 吸水性重合体が、ポリアクリル酸塩系吸
    水性樹脂、イソブチレン・無水マレイン酸系吸水ポリマ
    ー、澱粉系吸水ポリマー、ビニルアルコール・アクリル
    酸塩共重合体、ポリビニルメチルエーテル系吸水ポリマ
    ー、ポリビニルアルコール系吸水性樹脂、ポリエチレン
    オキサイド系吸水ポリマー、塩化ビニル・アクリル酸エ
    ステル共重合体ケン化物、アクリルアミド系吸水ポリマ
    ー及び酢酸ビニル・マレイン酸系吸水ポリマーからなる
    群から選ばれることを特徴とする請求項1記載の蓄熱材
    組成物。
  3. 【請求項3】 さらにワックスを含有することを特徴と
    する請求項1記載の蓄熱材組成物。
  4. 【請求項4】 さらにポリオレフィンを含有することを
    特徴とする請求項1記載の蓄熱材組成物。
  5. 【請求項5】 ワックスの軟化点が25℃〜100 ℃である
    ことを特徴とする請求項3記載の蓄熱材組成物。
  6. 【請求項6】 ワックスがパラフィンワックスである請
    求項3記載の蓄熱材組成物。
  7. 【請求項7】 ポリオレフィンがエチレン又はプロピレ
    ンのホモポリマーあるいはコポリマーであることを特徴
    とする請求項4記載の蓄熱材組成物。
JP6237036A 1994-09-30 1994-09-30 蓄熱材組成物 Pending JPH08100171A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6237036A JPH08100171A (ja) 1994-09-30 1994-09-30 蓄熱材組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6237036A JPH08100171A (ja) 1994-09-30 1994-09-30 蓄熱材組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08100171A true JPH08100171A (ja) 1996-04-16

Family

ID=17009454

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6237036A Pending JPH08100171A (ja) 1994-09-30 1994-09-30 蓄熱材組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08100171A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006132914A (ja) * 2004-02-04 2006-05-25 Sk Kaken Co Ltd 蓄熱積層体
JP2007098075A (ja) * 2005-10-03 2007-04-19 Koden:Kk かいろ用蓄熱材
JP2008011647A (ja) * 2006-06-29 2008-01-17 Yaskawa Electric Corp キャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータ
JP2011207997A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 San-Dia Polymer Ltd 吸収性樹脂組成物、これを含む吸収体及び吸収性物品
CN103113852A (zh) * 2013-01-30 2013-05-22 成都新柯力化工科技有限公司 一种建筑相变储能保温粉及其制备方法
WO2014092093A1 (ja) 2012-12-11 2014-06-19 株式会社カネカ 蓄熱材組成物、蓄熱材及び輸送容器
WO2015170779A1 (ja) * 2014-05-09 2015-11-12 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 n-パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の製造方法およびマイクロカプセル蓄熱材
JP2016014088A (ja) * 2014-07-01 2016-01-28 株式会社カネカ 蓄熱材組成物
JP2017145363A (ja) * 2016-02-19 2017-08-24 玉井化成株式会社 蓄冷材組成物及び蓄冷材
WO2017206583A1 (zh) * 2016-06-01 2017-12-07 成都新柯力化工科技有限公司 一种用于建筑节能的相变储能粉及其制备方法
JP2020045411A (ja) * 2018-09-19 2020-03-26 株式会社Kri 潜熱蓄熱材組成物

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006132914A (ja) * 2004-02-04 2006-05-25 Sk Kaken Co Ltd 蓄熱積層体
JP2007098075A (ja) * 2005-10-03 2007-04-19 Koden:Kk かいろ用蓄熱材
JP2008011647A (ja) * 2006-06-29 2008-01-17 Yaskawa Electric Corp キャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータ
JP2011207997A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 San-Dia Polymer Ltd 吸収性樹脂組成物、これを含む吸収体及び吸収性物品
WO2014092093A1 (ja) 2012-12-11 2014-06-19 株式会社カネカ 蓄熱材組成物、蓄熱材及び輸送容器
CN103113852A (zh) * 2013-01-30 2013-05-22 成都新柯力化工科技有限公司 一种建筑相变储能保温粉及其制备方法
WO2015170779A1 (ja) * 2014-05-09 2015-11-12 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 n-パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の製造方法およびマイクロカプセル蓄熱材
JPWO2015170779A1 (ja) * 2014-05-09 2017-04-27 Jxエネルギー株式会社 n−パラフィン系潜熱蓄熱材組成物の製造方法およびマイクロカプセル蓄熱材
JP2016014088A (ja) * 2014-07-01 2016-01-28 株式会社カネカ 蓄熱材組成物
JP2017145363A (ja) * 2016-02-19 2017-08-24 玉井化成株式会社 蓄冷材組成物及び蓄冷材
WO2017206583A1 (zh) * 2016-06-01 2017-12-07 成都新柯力化工科技有限公司 一种用于建筑节能的相变储能粉及其制备方法
JP2020045411A (ja) * 2018-09-19 2020-03-26 株式会社Kri 潜熱蓄熱材組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2960010B2 (ja) 熱可塑性の成形可能な非滲出性相変換物質
JPH08100171A (ja) 蓄熱材組成物
ES2964210T3 (es) Mezcla madre para moldeo por expansión y cuerpo moldeado de espuma
JP2671267B2 (ja) 難燃性ポリマー組成物と、その電気ケーブル被覆への応用
EP3862409A1 (en) Composition for storing latent heat
JP2008024755A (ja) 熱可塑性樹脂水性分散液
JP3162367B2 (ja) 保護コロイド系再分散性アクリル樹脂エマルジョン粉末およびその製造方法
JP2006225474A (ja) 蓄熱材
JP2005054064A (ja) 固形蓄熱材
JP2002105442A (ja) 蓄熱材組成物
US20060205832A1 (en) Polymer-ionomer blends and foams thereof
US5032321A (en) Flame-retardant polymer compositions and their application to the sheathing of electrical cables
JPH0559352A (ja) 油性物質担持体およびその製造方法
JP4791821B2 (ja) 小生物捕獲用粘着性組成物
JP6710958B2 (ja) 球状親水性樹脂の製造方法
JP2000191860A (ja) 含水性ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる予備発泡粒子
JP2008513583A (ja) 陽イオン中和アイオノマー及びその発泡体
JPH02110186A (ja) 蓄熱材
JPH10152574A (ja) ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法
JP4596624B2 (ja) 官能基含有化合物変性オレフィン系樹脂用組成物及びこれを用いた変性オレフィン系樹脂の製造方法
JP7191610B2 (ja) 潜熱蓄熱材組成物
JP2007177105A (ja) 小生物捕獲用粘着剤
US4403068A (en) Process for suppressing the formation of oversized particles of thermoplastic resin produced by an aqueous dispersion procedure
JPS6359704B2 (ja)
JPH06104724B2 (ja) 超高分子量オレフィン樹脂の水性分散体の製法