JP2008011647A - キャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータ - Google Patents

キャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータ Download PDF

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ムハマド エナムル カビル
Toru Shikayama
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Abstract

【課題】 キャンド・リニアモータ電機子の厚さを大きくせずに、電機子表面の温度を一定温度に保持することができるキャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータを提供する。
【解決手段】 3相の電機子巻線105と、電機子巻線105を額縁状に囲むように設けた筐体101と、筐体101の両開口部を密閉する筐体ための板状のキャン102aとを備えたキャンド・リニアモータ電機子において、キャン102aにはその外側面を覆うように薄い潜熱蓄熱材120aを設けた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、半導体製造装置や工作機のテーブル送りに使用されると共に、リニアモータ本体の温度分布の均一性が要求されるキャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータに関する。
従来のキャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータは、電機子巻線をキャンで覆い、電機子巻線とキャンの間に設けた冷媒通路に冷媒を流すことより、電機子巻線が発生する熱を冷媒で回収し、リニアモータ表面の温度上昇を低減している(例えば、特許文献1参照、特許文献2参照)。
図12は従来技術を示すキャンド・リニアモータの全体斜視図である。
図において、100は固定子、101は筐体、102はキャン、103はキャン固定用ボルト、104は押え板、105は電機子巻線、106は端子台、107は冷媒供給口、108は冷媒排出口、200は可動子、201は界磁ヨーク支持部材、202は界磁ヨーク、203は永久磁石である。可動子200は、界磁ヨーク支持部材201の長さ分の距離を隔てて上下に界磁ヨーク202が備えられ、その四隅に界磁ヨーク支持部材201が配置され、上下の界磁ヨーク202の対向面に永久磁石203がそれぞれ取り付けられている。そして、可動子200の中空空間内に固定子100が挿入され、永久磁石203が固定子100の電機子巻線105と対向するように配置されている。可動子200は、図示しない直線転がり案内や静圧軸受案内等によって支持されている。
このような構成において、所定の電流を電機子巻線105に流すと永久磁石203の作る磁界との作用により可動子200に推力が発生し、可動子200は矢印で示す進行方向に移動する。
図13は、図12におけるA−A’線に沿って断面を1/4にカットしたキャンド・リニアモータの正断面図である。
図において、109はOリング、110は冷媒通路である。固定子100は、内部を中空とする、電機子巻線を額縁状(口の字形)に囲むように設けた金属製の筐体101と、筐体101の両開口部を密閉するため筐体101の外形を象った板状のキャン102と、キャン102を筐体101に固定するためのキャン固定用ボルト103と、キャン固定用ボルト103の通し穴を持ちキャン102を均等な荷重でもって押えるための押え板104と、筐体101の中空内に配置された複数のコイル群よりなる平板状に成形された3相の電機子巻線105と、筐体101の中空部より少し大き目に象られたOリング109により構成されている。
キャン102の材質には、例えば、ステンレスなどの非磁性の金属、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂や熱可塑性樹脂であるポリフェニレンサルファイド(PPS)、さらにはガラス繊維やカーボン繊維をエポキシ樹脂で含浸したGFRPやCFRPが使用されている。筐体101の中空部の形状は、電機子巻線105の外周を囲うように象られている。電機子巻線105は、巻線固定部材111と一体に樹脂モールドされており、電機子巻線105と一体になった巻線固定部材111は、筐体101の中空内に配置され、巻線固定部材111と筐体101とがボルト(図示しない)により固定される。筐体101の表裏の縁には、周回した溝が設けられており、そこにOリング109が配置される。そして、キャン102が筐体101の表裏に配置される。キャン102の上から筐体101の縁に沿って押え板104が敷かれ、キャン固定用ボルト103にて締め付けられ、キャン102と筐体101が固定される。電機子巻線105は、複数の集中巻コイルを3相分用意したもので構成されている。電機子巻線105への電力供給は、筐体101に取り付けられた端子台106から行われる。端子台106と電機子巻線105はリード線(図示しない)で各々電気的に接続されている。また、冷媒は筐体101に設けた冷媒供給口107より供給され、冷媒排出口108より排出される。その間に、冷媒は冷媒通路110を流れ、銅損により発熱する電機子巻線105を冷却する。
このように構成されたキャンド・リニアモータは、可動子200と固定子100の電気的相対位置に応じた3相交流電流を電機子巻線105に流すことにより、永久磁石203の作る磁界と作用して可動子200に推力が発生する。このとき銅損によって発熱した電機子巻線105は冷媒通路110を流れる冷媒により冷却される。
特開2002−27730号公報(第6頁、図1) 特開平11−206099号公報(第15頁、図1)
従来のキャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータは、発熱する電機子巻線105上の冷媒通路110を冷媒が流れることにより、以下のような問題が起きた。
従来のキャンド・リニアモータ電機子は、キャンに金属であるステンレス、樹脂であるエポキシ樹脂、PPS、GFRP、CFRP等が使用されていた。しかし、ステンレスの熱伝導率は約15(W/(m・k))、樹脂の熱伝導率は約0.3(W/(m・k))であり、断熱材として使用されている硬質ウレタンフォームやグラスウールに比べ数10〜数100倍も大きい。つまり、電機子巻線の発生銅損による熱は、ほとんどが冷媒により回収されるものの、キャンの熱伝導率が大きいために断熱効果を得られずに冷媒が吸収される熱の一部がキャンに伝導し、冷媒の入口から出口に向かってキャン表面に温度勾配を生じ自然対流による大気の揺らぎなどを引き起こし、リニアモータの位置制御に用いるレーザー測長器の測定誤差に影響を与えていた。
また、キャン表面への熱伝導を低減するために、キャンの厚さを大きくしたり、キャン表面に硬質ウレタンフォームやグラスウールなど(熱伝導率0.02〜0.05(W/(m・k))の断熱材で覆うことが考えられるが、大きな断熱効果を得るためにはキャン材や断熱材の厚さを大幅に大きくし(電機子自体の厚さを大きくし)、可動子の上下永久磁石間の長さである磁気的空隙長も大きくしなければならなかった。その結果、ギャップ磁束密度が低下し、所定の推力に対する電流増加、ひいては電機子巻線の発熱量を増加させた。よって、電機子表面の温度分布を均一に保持することができなかった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、キャンド・リニアモータ電機子の厚さを大きくせずに、電機子表面の温度を均一に保持することができるキャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータを提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1記載の発明は、複数のコイル群よりなる平板状に成形された電機子巻線と、前記電機子巻線を額縁状に囲むように設けた金属製の筐体と、前記筐体の両開口部を密閉するキャンと、前記電機子巻線と前記キャンとの間に形成された冷媒通路とを具備したキャンド・リニアモータ電機子において、前記キャンの外側面もしくは内側面に潜熱蓄熱材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2記載の発明は、複数のコイル群よりなる平板状に成形された電機子巻線と、前記電機子巻線を額縁状に囲むように設けた金属製の筐体と、前記筐体の両開口部を密閉するキャンと、前記電機子巻線と前記キャンとの間に形成された冷媒通路とを具備したキャンド・リニアモータ電機子において、前記キャン自体を潜熱蓄熱材により構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3記載の発明は、複数のコイル群よりなる円筒状に成形された電機子巻線と、前記電機子巻線を囲むように設けた円筒状のキャンと前記キャンの両開口部を密閉する金属製の筐体と、前記電機子巻線と前記キャンとの間に形成された冷媒通路とを具備したキャンド・リニアモータ電機子において、前記キャンの外側面もしくは内側面に潜熱蓄熱材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4記載の発明は、複数のコイル群よりなる円筒状に成形された電機子巻線と、前記電機子巻線を囲むように設けた円筒状のキャンと前記キャンの両開口部を密閉する金属製の筐体と、前記電機子巻線と前記キャンとの間に形成された冷媒通路とを具備したキャンド・リニアモータ電機子において、前記キャン自体を潜熱蓄熱材により構成したことを特徴とするものである。
また、請求項5記載の発明は、請求項1、2、3、4の何れか1項に記載のキャンド・リニアモータ電機子において、無機相変化材であるKF−4HO、CaCl−6HO、NaSO−10HO、NaHPO−12HO、Zn(NO−6HOまたは有機相変化材であるCH(CH16COO(CHCH、CH(CH11OH、CH(CH11)(CH3…)、CH(CH12COOCを潜熱蓄熱材として使用したことを特徴とするものである。
また、請求項6記載の発明は、請求項1、2、3、4の何れか1項に記載のキャンド・リニアモータ電機子において、前記冷媒通路を複数設け隣り合う前記冷媒通路の冷媒の流れ向きを逆向きにしたことを特徴とするものである。
また、請求項7記載の発明は、請求項1、2、3、4の何れか1項に記載のキャンド・リニアモータ電機子において、前記潜熱蓄熱材の流路に対向した面に金属板を設置したことを特徴とするものである。
また、請求項8記載の発明は、請求項1、2、3、4の何れか1項に記載のキャンド・リニアモータ電機子において、前記冷媒通路に流す冷媒として液体冷媒を使用したことを特徴とするものである。
さらに、請求項9記載の発明は、請求項1、2、3、4の何れか1項に記載の電機子と、前記電機子と磁気的空隙を介して対向配置されると共に交互に極性が異なる複数の永久磁石を隣り合わせて並べて配置した界磁とを備え、前記電機子と前記界磁の何れか一方を固定子に、他方を可動子として、前記界磁と前記電機子を相対的に走行するようにしたものである。
請求項1記載の発明によると、潜熱蓄熱材でキャン外側面もしくは内側面を覆っているので、冷媒通路で流れる冷媒によって吸収される電機子巻線で発生する熱の一部が潜熱蓄熱材に吸収される。吸収された熱は潜熱蓄熱材の相変化に使用されるので相変化完了までに電機子外表面での温度が潜熱蓄熱材の相変化温度で均一に保持することができる。
請求項2記載の発明によると、キャンそのものを潜熱蓄熱材としているので、請求項1記載の発明と同様の効果が得られることができる。
請求項3記載の発明によると、請求項1記載の発明と同様の効果を得ることができる。
請求項4記載の発明によると、請求項1記載の発明と同様の効果を得ることができる。
請求項5記載の発明によると、潜熱蓄熱材として無機相変化材KF−4HO、CaCl−6HO、NaSO−10HO、NaHPO−12HO、Zn(NO−6HOなどまたは有機相変化材CH(CH16COO(CHCH、CH(CH11OH、CH(CH11)(CH3…)、CH(CH12COOCなど異なった相変化温度持つ潜熱蓄熱材を使用することで電機子表面温は使用環境に応じて異なった相変化温度で均一に保持することができる。
請求項6記載の発明によると、前記冷媒通路を複数設け隣り合う前記冷媒通路の冷媒の流れ向きを逆向きにしたことにより、二つ冷媒通路内反対方向に温度分布が発生するので、各冷媒通路の高温側で潜熱蓄熱材によって吸収された熱が隣の低温側によって吸収され、潜熱蓄熱材の温度が相変化温度を超えるのは避けることができる。その結果、電機子表面温度が潜熱蓄熱材の相変化温度に維持することができる。
また、潜熱蓄熱材の相変化に必要な大量の熱エネルギに比べ冷媒から潜熱蓄熱材に吸収される熱流速が小さいので、キャン表面を薄い潜熱蓄熱材を覆っていれば電機子表面を潜熱蓄熱材の相変化温度で均一に保持することができる。
さらに電機子表面を均一温度に保持することを目的とする薄肉の潜熱蓄熱材と、耐冷媒圧力を目的とする高剛性のキャンを重ね合わせているので、冷媒の流量を多くし冷媒の熱回収率を高めつつ、冷媒圧力に伴うキャンと潜熱蓄熱材の変形を抑えることができる。よって、キャンド・リニアモータ電機子の厚さを大きくすることなく、電機子表面を潜熱蓄熱材の相変化温度で均一に保持することができる。
請求項7記載の発明によると、潜熱蓄熱材の流路に対向した面に金属板を設置したことにより、高温の冷媒流路から潜熱蓄熱材に吸収された熱を、潜熱蓄熱材の低温側に移動させ、隣り合う冷媒通路の低温冷媒によって効率良く吸収することができる。その結果、電機子表面を潜熱蓄熱材の相変化温度で均一に保持することができる。
請求項8記載の発明によると、冷媒として気体に比べ熱伝導率と比熱の大きい液体冷媒を使用することにより、液体冷媒の温度上昇を低減し、潜熱蓄熱材に流れる熱量を低減することができる。
請求項9記載の発明によると、請求項1、2、3、4の何れかの電機子と永久磁石を有する界磁とを対向させて、電機子と界磁の何れか一方を固定子、他方を可動子として構成しているので、請求項1から8の効果を有するキャンド・リニアモータを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は本発明の第1実施例を示すキャンド・リニアモータの全体斜視図、図2は図1におけるA−A’線に沿って断面を1/4にカットした正断面図である。なお、本発明の構成要素が従来技術と同じものについては、同一符号を付してその説明を省略し、異なる点について説明する。
図1、図2において、102aはキャン、120aは潜熱蓄熱材である。
本発明が、従来技術と異なる点は以下のとおりである。
すなわち、3相の電機子巻線105と、電機子巻線105を額縁状に囲むように設けた筐体101と、筐体101の両開口部を密閉する筐体ための板状のキャン102aと、電機子巻線105とキャン102aとの間に形成された冷媒通路110とを具備したキャンド・リニアモータ電機子(固定子100)において、キャン102aにはその外側面を覆うように薄い潜熱蓄熱材120aを設けた点である。
ここで、キャン102aの材質はステンレスなどの金属や熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂、熱可塑性樹脂のポリフェニレンサルファイド(PPS)、ガラス繊維やカーボン繊維をエポキシ樹脂で含浸したGFRPやCFRPが使用されている。また、筐体101の表裏の縁には、周回した溝が設けられており、そこにOリング109が配置されている。
それから、該潜熱蓄熱材120aはキャン102aと同じ外形に象られ、縁が表裏の外袋を接合する部分(以下、この部分を溝と呼ぶ)を構成している。また、該潜熱蓄熱材120aは、外袋に樹脂や金属製のラミネートフィルム、芯材に潜熱蓄熱材となる無機相変化材KF−4HO、CaCl−6HO、NaSO−10HO、NaHPO−12HO、Zn(NO−6HO等または有機相変化材CH(CH16COO(CHCH、CH(CH11OH、CH(CH11)(CH3…)、CH(CH12COOC等が用いられ、構成されている。潜熱蓄熱材120aの上から筐体101の縁に沿って押え板104が敷かれ、キャン固定用ボルト103にて締め付けられ、キャン102aと潜熱蓄熱材120aと筐体101が一体に固定される。
このような構成により、冷媒によって吸収される電機子巻線で発生する熱の一部が潜熱蓄熱材に吸収される。図3に示すように潜熱蓄熱材は相変化を行うには大量の熱エネルギが必要である。潜熱蓄熱材に吸収された熱は、潜熱蓄熱材の相変化に使用されるので電機子表面である潜熱蓄熱相の温度を潜熱蓄熱材の相変化温度に保持することができる。
なお、可動子が加減速をともなう往復動作を行う場合、電機子巻線には熱が間欠的に発生する。電機子巻線で熱が発生するときは、冷媒通路に流れる冷媒は温度上昇し、潜熱蓄熱材は冷媒から熱を一部吸収する。一方、電機子巻線で熱が発生しないときは、冷媒は温度下降し、潜熱蓄熱材は蓄熱された熱を逆に冷媒に放出する。つまり、電機子巻線で熱が間欠的に発生したとしても、蓄熱材表面温度を相変化温度で均一に保持することができる。
次に本発明の第2実施例について説明する。
図4は本発明の第2実施例を示すキャンド・リニアモータであって、図1におけるA−A’線に沿って断面を1/4にカットした正断面図である。
第3実施例が第1実施例と異なる点は、潜熱蓄熱材120aをキャン102aの内側面、つまり冷媒通路110とキャン102aの間に介在させた点である。キャン102aは、第1実施例同様に冷媒通路110内の圧力上昇に伴う変形防止を目的としているが、さらに、潜熱蓄熱材120aを保護する役割もある。
このような構成により、第1実施例同様に、電機子流路内の冷媒からキャン表面へ逃げる熱を潜熱蓄熱材が吸収し、電機子表面であるキャンの外側面での温度を潜熱蓄熱材の相変化温度に保持することができる。さらに、潜熱蓄熱材が電機子の表面に現れないので、運搬時や組立時の異物との接触による潜熱蓄熱材の破損を防ぐことができる。
次に本発明の第3実施例について説明する。
図5は本発明の第3実施例を示すキャンド・リニアモータであって、図1におけるA−A’線に沿って断面を1/4にカットした正断面図である。
図において、102bはキャンである。
第3実施例が第1実施例および第2実施例と異なる点は、キャン自体を潜熱蓄熱材とした点である。
このような構成により、第2実施例同様に、電機子の冷媒からキャン表面へ逃げる熱を潜熱蓄熱材が吸収し、電機子表面であるキャンの外側面での温度を潜熱蓄熱材の相変化温度に保持することができる。
図6は本発明の第4実施例を示すキャンド・リニアモータの全体斜視図、図7は図6におけるA−A’線に沿って断面を1/4にカットした正断面図である。
第4実施例が第1実施例と異なる点は、電機子巻線105とキャン102aとの間に形成された冷媒通路110は壁112を設けることで二つの冷媒通路になっていることと冷媒通路の冷媒の流れ向きを逆向きにしたことである。
このような構成により、電機子巻線で熱が連続的に発生した場合図8に示すように各冷媒通路の流れ方向に温度分布が発生する。冷媒から熱の一部は各冷媒通路の高温側で潜熱蓄熱材によって吸収され相変化に利用されるが、吸収された熱は隣の低温側の蓄熱材に流れ低温の冷媒によって吸収されるので、潜熱蓄熱材の温度が相変化温度を超えるのは避けることができる。その結果、電機子表面温度が潜熱蓄熱材の相変化温度に保持することができる。
また、電機子表面を一定温度に保持することを目的とする薄肉の潜熱蓄熱材と、耐冷媒圧力を目的とする高剛性のキャンを重ね合わせているので、冷媒の流量を多くし冷媒の熱回収率を高めつつ、冷媒圧力に伴うキャンと潜熱蓄熱材の変形を抑えることもできる。
次に本発明の第5実施例について説明する。
図9は本発明の第5実施例を示すキャンド・リニアモータの全体斜視図、図10は図9におけるA−A’線に沿って断面を1/4にカットした正断面図である。
図において、500は可動子、501は筐体、502はキャン、505は電機子巻線、506は端子台、507aと507bは冷媒供給口、508aと508bは冷媒排出口、510は冷媒通路、511は巻線固定部材、512は冷媒流路を二つの冷媒通路に分ける壁、520は潜熱蓄熱材、600は固定子、602は界磁ヨーク、603は永久磁石である。
第5実施例が第2実施例〜第4実施例と異なる点は、電機子巻線、永久磁石、キャン、冷媒流路、潜熱蓄熱材を円筒状に形成した点にある。
具体的に説明すると、固定子600は、ストローク方向に長い円柱状の界磁ヨーク602の外周に多極を構成する複数の永久磁石603が配置されている。一方、可動子500は中間に電機子巻線505が配置され、その内外周に巻線固定部材511、冷媒通路510、壁512、潜熱蓄熱材520、キャン502が設けられている。ここで、筐体501とキャン502にはステンレスが使用され、これらは溶接によって接合されている。また、電機子巻線505は巻線固定部材511と一体にモールドされ筐体501とボルト(図示しない)により固定されている。冷媒は一方の筐体501に設けられた冷媒供給口507a、507bから各冷媒通路に供給され、筐体501内部の管路を通り冷媒通路510に流れ、その後、他方の筐体501内の管路を通って冷媒排出口508a、508bから排出される。可動子500は、その中空空間内に固定子600が挿入され、図示しない直線転がり案内や静圧軸受案内等によって支持されている。このような構成において、所定の電流を電機子巻線505に流すことで永久磁石603の作る磁界との作用により可動子500に推力が発生し、可動子500は矢印で示す進行方向に移動する。
このような構成により、第4実施例と同様に、電機子の冷媒からキャン表面へ逃げる熱を潜熱蓄熱材が吸収し潜熱蓄熱材の相変化に使われるので、電機子表面であるキャンの外側面での温度を潜熱蓄熱材の相変化温度で均一に保持することができる。
次に本発明の第6実施例について説明する。
図11は本発明の第6実施例を示すキャンド・リニアモータであって、図4におけるA−A’線に沿って断面を1/4にカットした正断面図である。
図において、102bはキャン、123は金属板である。
第6実施例が第1から第5実施例と異なる点は、潜熱蓄熱材の流路に対向した面に金属板123を設置した点である。
このような構成により、高温の冷媒流路から潜熱蓄熱材に吸収された熱を潜熱蓄熱材の低温側に移動させ、隣り合う冷媒通路の低温冷媒によって効率良く吸収することができ、電機子表面を一定温度に保持することができる。
本発明は、冷媒通路と電機子表面の間に潜熱蓄熱材を介在させて構成することによって、電機子の冷媒からキャン表面へ逃げる熱を潜熱蓄熱材が吸収し、リニアモータ電機子表面の温度を潜熱蓄熱材の相変化温度で均一保持することができる。よって、リニアモータ表面温度分布の均一性が要求される半導体露光装置や検査装置などの用途に適用することができる。
本発明の第1実施例を示すキャンド・リニアモータの全体斜視図 図1におけるA−A’線に沿って断面を1/4にカットした正断面図 本発明の潜熱蓄熱材の温度とエンタルピの関係図 本発明の第2実施例を示すキャンド・リニアモータであって、図1におけるA−A’線に沿って断面を1/4にカットした正断面図 本発明の第3実施例を示すキャンド・リニアモータであって、図1におけるA−A’線に沿って断面を1/4にカットした正断面図 本発明の第4実施例を示すキャンド・リニアモータの全体斜視図 図6におけるA−A’線に沿って断面を1/4にカットした正断面図 本発明第4実施例における冷媒流れと流れ方向に各冷媒通路の冷媒の温度分布図 本発明の第5実施例を示すキャンド・リニアモータの全体斜視図 図9におけるA−A’線に沿って断面を1/4にカットしたキャンド・リニアモータの正断面図 本発明の第6実施例を示すキャンド・リニアモータであって、図4におけるA−A’線に沿って断面を1/4にカットした正断面図 従来技術を示すキャンド・リニアモータの全体斜視図 図12におけるA−A’線に沿って断面を1/4にカットしたキャンド・リニアモータの正断面図
符号の説明
100、600 固定子
101、501 筐体
102、102a、102b、 キャン
502 キャン
103 キャン固定用ボルト
104 押え板
105、505 電機子巻線
106、506 端子台
107、507a、507b 冷媒供給口
108、508a、508b 冷媒排出口
109 Oリング
110、510 冷媒通路
111、 巻線固定部材
112、512 壁
120a、120b、 潜熱蓄熱材
123 金属板
520 潜熱蓄熱材
200、500 可動子
201 界磁ヨーク支持部材
202、602 界磁ヨーク
203、603 永久磁石

Claims (9)

  1. 複数のコイル群よりなる平板状に成形された電機子巻線と、前記電機子巻線を額縁状に囲むように設けた金属製の筐体と、前記筐体の両開口部を密閉するキャンと、前記電機子巻線と前記キャンとの間に形成された冷媒通路とを具備したキャンド・リニアモータ電機子において、
    前記キャンの外側面もしくは内側面に潜熱蓄熱材を設けたことを特徴とするキャンド・リニアモータ電機子。
  2. 複数のコイル群よりなる平板状に成形された電機子巻線と、前記電機子巻線を額縁状に囲むように設けた金属製の筐体と、前記筐体の両開口部を密閉するキャンと、前記電機子巻線と前記キャンとの間に形成された冷媒通路とを具備したキャンド・リニアモータ電機子において、
    前記キャン自体を潜熱蓄熱材により構成したことを特徴とするキャンド・リニアモータ電機子。
  3. 複数のコイル群よりなる円筒状に成形された電機子巻線と、前記電機子巻線を囲むように設けた円筒状のキャンと前記キャンの両開口部を密閉する金属製の筐体と、前記電機子巻線と前記キャンとの間に形成された冷媒通路とを具備したキャンド・リニアモータ電機子において、
    前記キャンの外側面もしくは内側面に潜熱蓄熱材を設けたことを特徴とするキャンド・リニアモータ電機子。
  4. 複数のコイル群よりなる円筒状に成形された電機子巻線と、前記電機子巻線を囲むように設けた円筒状のキャンと前記キャンの両開口部を密閉する金属製の筐体と、前記電機子巻線と前記キャンとの間に形成された冷媒通路とを具備したキャンド・リニアモータ電機子において、
    前記キャン自体を潜熱蓄熱材により構成したことを特徴とするキャンド・リニアモータ電機子。
  5. 前記潜熱蓄熱材として、無機相変化材であるKF−4HO、CaCl−6HO、NaSO−10HO、NaHPO−12HO、Zn(NO−6HOまたは有機相変化材であるCH(CH16COO(CHCH、CH(CH11OH、CH(CH11)(CH3…)、CH(CH12COOCを用いたことを特徴とする請求項1、2、3、4の何れか1項に記載のキャンド・リニアモータ電機子。
  6. 前記冷媒通路を複数設け隣り合う前記冷媒通路の冷媒の流れ向きを逆向きにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4の何れか1項に記載のキャンド・リニアモータ電機子。
  7. 前記潜熱蓄熱材の流路に対向した面に金属板を設置したことを特徴とする請求項1、2、3、4の何れか1項に記載のキャンド・リニアモータ電機子。
  8. 前記冷媒通路に流す冷媒として液体冷媒を使用したことを特徴とする請求項1、2、3、4の何れか1項に記載のキャンド・リニアモータ電機子。
  9. 請求項1、2、3、4の何れか1項に記載の電機子と、前記電機子と磁気的空隙を介して対向配置されるとともに交互に極性が異なる複数の永久磁石を隣り合わせて並べて配置した界磁とを備え、前記電機子と前記界磁の何れか一方を固定子に、他方を可動子として、前記界磁と前記電機子を相対的に走行するようにしたことを特徴とするキャンド・リニアモータ。
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