JPH0559352A - 油性物質担持体およびその製造方法 - Google Patents
油性物質担持体およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH0559352A JPH0559352A JP3172604A JP17260491A JPH0559352A JP H0559352 A JPH0559352 A JP H0559352A JP 3172604 A JP3172604 A JP 3172604A JP 17260491 A JP17260491 A JP 17260491A JP H0559352 A JPH0559352 A JP H0559352A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oily substance
- ethylene
- olefin copolymer
- density
- density polyethylene
- Prior art date
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- Granted
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/14—Thermal energy storage
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 油性物質が染みだしにくい油性物質担持体を
提供する。 【構成】 そのような油性物質担持体は、0.925g
/cm3 より小さい密度を有するエチレン−αオレフィン
共重合体Aからなる基質に油性物質が分散した状態で含
まれている。
提供する。 【構成】 そのような油性物質担持体は、0.925g
/cm3 より小さい密度を有するエチレン−αオレフィン
共重合体Aからなる基質に油性物質が分散した状態で含
まれている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、油性物質担持体およ
びその製造方法に関するものである。油性物質が融点を
有するものである場合には、油性物質担持体は蓄熱体と
して有用であり、油性物質が液状である場合には、マッ
ト等に用いる弾性材として有用である。
びその製造方法に関するものである。油性物質が融点を
有するものである場合には、油性物質担持体は蓄熱体と
して有用であり、油性物質が液状である場合には、マッ
ト等に用いる弾性材として有用である。
【0002】
【従来の技術】液状の油性物質を基質に担持させ、固体
状にする油性物質担持体が各種提案されている。この中
で特にパラフィン等の油性物質をポリエチレンに担持さ
せた油性物質担持体が、蓄熱体として特開昭59−17
0180号公報、特開昭62−187782号公報で提
案されている。
状にする油性物質担持体が各種提案されている。この中
で特にパラフィン等の油性物質をポリエチレンに担持さ
せた油性物質担持体が、蓄熱体として特開昭59−17
0180号公報、特開昭62−187782号公報で提
案されている。
【0003】この蓄熱体は、油性物質の固相−液相間の
相転移に要する潜熱を利用した潜熱蓄熱材である。この
ような固相−液相間の相転移を利用した潜熱蓄熱材にお
いては、その取扱が問題になる。すなわち、相転移によ
り液体になった際、流出してしまうのを防ぐ等の配慮が
必要となり、このため、このような潜熱蓄熱材は、通常
金属や樹脂等でできた容器中に納めなければならなかっ
た。これに対し、ポリエチレンと潜熱蓄熱材であるパラ
フィンを混合することで、パラフィンをポリエチレン中
に含浸させると、パラフィン溶融時でも液状にならず固
体として取り扱える。特開昭59−170180号公報
ではポリエチレンとして超高分子量ポリエチレン、特開
昭62−187782号公報では架橋された高密度ポリ
エチレンが使用されている。
相転移に要する潜熱を利用した潜熱蓄熱材である。この
ような固相−液相間の相転移を利用した潜熱蓄熱材にお
いては、その取扱が問題になる。すなわち、相転移によ
り液体になった際、流出してしまうのを防ぐ等の配慮が
必要となり、このため、このような潜熱蓄熱材は、通常
金属や樹脂等でできた容器中に納めなければならなかっ
た。これに対し、ポリエチレンと潜熱蓄熱材であるパラ
フィンを混合することで、パラフィンをポリエチレン中
に含浸させると、パラフィン溶融時でも液状にならず固
体として取り扱える。特開昭59−170180号公報
ではポリエチレンとして超高分子量ポリエチレン、特開
昭62−187782号公報では架橋された高密度ポリ
エチレンが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の油性物質担
持体では、パラフィンなどの油性物質の染みだしがある
という問題があった。そこで、この発明は油性物質の染
みだしを少なくした油性物質担持体およびその製造方法
を提供することを課題とする。
持体では、パラフィンなどの油性物質の染みだしがある
という問題があった。そこで、この発明は油性物質の染
みだしを少なくした油性物質担持体およびその製造方法
を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、0.925g/cm3 より小さい密度を
有するエチレン−αオレフィン共重合体A(以下、「共
重合体A」と言う)からなる基質に油性物質が分散した
状態で含まれている油性物質担持体を提供する。
に、この発明は、0.925g/cm3 より小さい密度を
有するエチレン−αオレフィン共重合体A(以下、「共
重合体A」と言う)からなる基質に油性物質が分散した
状態で含まれている油性物質担持体を提供する。
【0006】上記課題を解決するために、この発明は、
さらに、共重合体Aと油性物質を溶融混合して油性物質
担持体を得る方法を提供する。高温にしたときに油性物
質担持体の形状を保ち強度を高めるという点から、共重
合体A;ならびに、共重合体Aよりも大きい密度を有す
るエチレン−αオレフィン共重合体B(以下、「共重合
体B」と言う)、中密度ポリエチレンおよび高密度ポリ
エチレンのうちの少なくとも1つからなる基質に油性物
質が分散した状態で含まれていてもよい。この発明の製
造方法においては、共重合体A;共重合体B、中密度ポ
リエチレンおよび高密度ポリエチレンのうちの少なくと
も1つ;ならびに、油性物質を溶融混合するようにして
もよい。
さらに、共重合体Aと油性物質を溶融混合して油性物質
担持体を得る方法を提供する。高温にしたときに油性物
質担持体の形状を保ち強度を高めるという点から、共重
合体A;ならびに、共重合体Aよりも大きい密度を有す
るエチレン−αオレフィン共重合体B(以下、「共重合
体B」と言う)、中密度ポリエチレンおよび高密度ポリ
エチレンのうちの少なくとも1つからなる基質に油性物
質が分散した状態で含まれていてもよい。この発明の製
造方法においては、共重合体A;共重合体B、中密度ポ
リエチレンおよび高密度ポリエチレンのうちの少なくと
も1つ;ならびに、油性物質を溶融混合するようにして
もよい。
【0007】この発明の油性物質担持体は、上記2種の
基質に油性物質が分散した状態で含まれているもの(た
とえば溶融混合物)中に無機フィラーが分散されていて
もよい。この発明で用いる共重合体Aの密度が0.92
5g/cm3 以上だと、エチレン−αオレフィン共重合体
であっても、油性物質の染みだしを少なくするのが難し
い。共重合体Aの密度が0.89g/cm3 より小さい
と、油性物質が液体時に透明性を有することが可能であ
る。
基質に油性物質が分散した状態で含まれているもの(た
とえば溶融混合物)中に無機フィラーが分散されていて
もよい。この発明で用いる共重合体Aの密度が0.92
5g/cm3 以上だと、エチレン−αオレフィン共重合体
であっても、油性物質の染みだしを少なくするのが難し
い。共重合体Aの密度が0.89g/cm3 より小さい
と、油性物質が液体時に透明性を有することが可能であ
る。
【0008】この発明で用いる共重合体Bは、共重合体
Aよりも大きい密度を有するものである。密度が共重合
体Aよりも小さいと、形状を保つ効果が増加できないこ
とがある。共重合体Aの密度が0.90g/cm3 より小
さい場合、結晶性が少なくなるため強度および形状保持
のために共重合体Bの添加は特に効果的である。共重合
体Bの密度は望ましくは0.910g/cm3 以上であ
る。
Aよりも大きい密度を有するものである。密度が共重合
体Aよりも小さいと、形状を保つ効果が増加できないこ
とがある。共重合体Aの密度が0.90g/cm3 より小
さい場合、結晶性が少なくなるため強度および形状保持
のために共重合体Bの添加は特に効果的である。共重合
体Bの密度は望ましくは0.910g/cm3 以上であ
る。
【0009】前記エチレン−αオレフィン共重合体とし
ては、たとえば、エチレンと、プロピレン、ブテン−
1、ペンタン、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−
1、オクテン−1などのαオレフィンとをαオレフィン
が数モル%程度の割合で共重合させたものが挙げられる
が、これに限定するものではない。この発明で用いる中
密度ポリエチレンおよび高密度ポリエチレンは、JIS
−K6760で規定されているものが挙げられる。JI
S−K6760の規定では、中密度ポリエチレンは、密
度(g/cm3 )0.930以上0.942未満であり、
高密度ポリチエンは、密度(g/cm3 )0.942以上
である。中密度ポリエチレンおよび高密度ポリエチレン
の代わりに高圧法低密度ポリエチレンを用いると油性物
質担持体の形状が保てない。
ては、たとえば、エチレンと、プロピレン、ブテン−
1、ペンタン、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−
1、オクテン−1などのαオレフィンとをαオレフィン
が数モル%程度の割合で共重合させたものが挙げられる
が、これに限定するものではない。この発明で用いる中
密度ポリエチレンおよび高密度ポリエチレンは、JIS
−K6760で規定されているものが挙げられる。JI
S−K6760の規定では、中密度ポリエチレンは、密
度(g/cm3 )0.930以上0.942未満であり、
高密度ポリチエンは、密度(g/cm3 )0.942以上
である。中密度ポリエチレンおよび高密度ポリエチレン
の代わりに高圧法低密度ポリエチレンを用いると油性物
質担持体の形状が保てない。
【0010】この発明で用いる油性物質は、エチレン−
αオレフィン共重合体、中密度ポリエチレンおよび高密
度ポリエチレンと相溶性を有するものが望ましく、その
具体例としては、たとえば、ハイドロカーボン(パラフ
ィン、パラフィンワックス)、脂肪酸および脂肪酸エス
テル(以下では、これら2者を「脂肪酸類」と言うこと
がある)から選ばれた少なくとも1つが挙げられる。
αオレフィン共重合体、中密度ポリエチレンおよび高密
度ポリエチレンと相溶性を有するものが望ましく、その
具体例としては、たとえば、ハイドロカーボン(パラフ
ィン、パラフィンワックス)、脂肪酸および脂肪酸エス
テル(以下では、これら2者を「脂肪酸類」と言うこと
がある)から選ばれた少なくとも1つが挙げられる。
【0011】油性物質が結晶性を有する場合、蓄熱体と
して有用であり、たとえば、蓄熱体の持つ蓄熱および/
または放熱の温度などに応じて適宜の融点(または凝固
点)を持つものが選択されて使用される。油性物質の融
点は、配合するエチレン−αオレフィン共重合体、中密
度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレンの少なくとも
1つの融点以下である。
して有用であり、たとえば、蓄熱体の持つ蓄熱および/
または放熱の温度などに応じて適宜の融点(または凝固
点)を持つものが選択されて使用される。油性物質の融
点は、配合するエチレン−αオレフィン共重合体、中密
度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレンの少なくとも
1つの融点以下である。
【0012】この発明では、上記樹脂(共重合体A;ま
たは、共重合体A、B、中密度ポリエチレンと高密度ポ
リエチレン)と油性物質との混合比率は、油性物質担持
体の用途などに応じて適宜設定され特に限定はないが、
たとえば、油性物質担持能力の確保の点からは、樹脂が
10重量部以上であることが好ましい。ただし、樹脂と
油性物質の合計は、100重量部とする。蓄熱体として
使用する場合は、蓄熱能の確保および油性物質担持能力
の確保から 樹脂:10〜70重量部、 油性物質:30〜90重量部、とされる。ただし、樹脂
と結晶性有機化合物の合計は100重量部とする。樹脂
の比率が上記範囲を下回ると染みだし量が増大するおそ
れがある。樹脂の比率が上記範囲を上回ると蓄熱量が低
すぎるおそれがある。樹脂として、共重合体A、B、中
密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンを用いる場合、
たとえば、共重合体Aは5重量部以上であることが好ま
しい。ただし、共重合体A、共重合体B、中密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレンの合計は10重量部以上と
し、樹脂と油性物質の合計は100重量部とする。蓄熱
体として使用する場合は、 共重合体A:5〜70重量部、 共重合体Bと中密度ポリエチレンと高密度ポリエチレン
の合計:0〜65重量部、とされる。ただし、共重合体
A、共重合体B、中密度ポリエチレンおよび高密度ポリ
エチレンの合計は10〜70重量部とする。共重合体A
の比率が前記範囲を下回ると染みだしが増大するおそれ
がある。共重合体Aの比率がその範囲を上回ると蓄熱量
が低すぎるおそれがある。共重合体Bと中密度ポリエチ
レンと高密度ポリエチレンの合計がその範囲を上回ると
蓄熱量が減少するおそれがある。
たは、共重合体A、B、中密度ポリエチレンと高密度ポ
リエチレン)と油性物質との混合比率は、油性物質担持
体の用途などに応じて適宜設定され特に限定はないが、
たとえば、油性物質担持能力の確保の点からは、樹脂が
10重量部以上であることが好ましい。ただし、樹脂と
油性物質の合計は、100重量部とする。蓄熱体として
使用する場合は、蓄熱能の確保および油性物質担持能力
の確保から 樹脂:10〜70重量部、 油性物質:30〜90重量部、とされる。ただし、樹脂
と結晶性有機化合物の合計は100重量部とする。樹脂
の比率が上記範囲を下回ると染みだし量が増大するおそ
れがある。樹脂の比率が上記範囲を上回ると蓄熱量が低
すぎるおそれがある。樹脂として、共重合体A、B、中
密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンを用いる場合、
たとえば、共重合体Aは5重量部以上であることが好ま
しい。ただし、共重合体A、共重合体B、中密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレンの合計は10重量部以上と
し、樹脂と油性物質の合計は100重量部とする。蓄熱
体として使用する場合は、 共重合体A:5〜70重量部、 共重合体Bと中密度ポリエチレンと高密度ポリエチレン
の合計:0〜65重量部、とされる。ただし、共重合体
A、共重合体B、中密度ポリエチレンおよび高密度ポリ
エチレンの合計は10〜70重量部とする。共重合体A
の比率が前記範囲を下回ると染みだしが増大するおそれ
がある。共重合体Aの比率がその範囲を上回ると蓄熱量
が低すぎるおそれがある。共重合体Bと中密度ポリエチ
レンと高密度ポリエチレンの合計がその範囲を上回ると
蓄熱量が減少するおそれがある。
【0013】この発明では、油性物質担持体からの染み
だし率をより低くするために、樹脂と油性物質の混合物
中に無機フィラーが分散されているのが望ましい。蓄熱
体として使用する場合は熱伝導率の増加にも寄与する。
無機フィラーとしては、たとえば、金属、金属塩および
カーボンブラックの中から選ばれた少なくとも1つを用
いることができる。これらは、油性物質、エチレン−α
オレフィン共重合体等の樹脂の熱伝導率よりはるかに大
きな熱伝導率を有する。
だし率をより低くするために、樹脂と油性物質の混合物
中に無機フィラーが分散されているのが望ましい。蓄熱
体として使用する場合は熱伝導率の増加にも寄与する。
無機フィラーとしては、たとえば、金属、金属塩および
カーボンブラックの中から選ばれた少なくとも1つを用
いることができる。これらは、油性物質、エチレン−α
オレフィン共重合体等の樹脂の熱伝導率よりはるかに大
きな熱伝導率を有する。
【0014】無機フィラーの形状は粒状(粉末)、繊維
状、フレーク状、ハニカム状等各種選択でき、限定を受
けるものではない。大きさも特に限定はない。金属塩と
しては、たとえば、金属水酸化物、アルミナ、シリカ、
タルク、クレイ、ベントナイトなどが挙げられる。無機
フィラーとして金属を用いると、他のものに比べて少量
の添加で染み出し率を少なくしたり、熱伝導率の増加を
図ることができる。また、油性物質が融点を有する場
合、融点の上下の温度で相変化にともなう熱膨張・収縮
により、融点以上の温度で熱伝導率を低く、融点以下の
温度で熱伝導率を高くすることができる。
状、フレーク状、ハニカム状等各種選択でき、限定を受
けるものではない。大きさも特に限定はない。金属塩と
しては、たとえば、金属水酸化物、アルミナ、シリカ、
タルク、クレイ、ベントナイトなどが挙げられる。無機
フィラーとして金属を用いると、他のものに比べて少量
の添加で染み出し率を少なくしたり、熱伝導率の増加を
図ることができる。また、油性物質が融点を有する場
合、融点の上下の温度で相変化にともなう熱膨張・収縮
により、融点以上の温度で熱伝導率を低く、融点以下の
温度で熱伝導率を高くすることができる。
【0015】無機フィラーとして金属水酸化物を用いる
と、油性物質担持体の燃焼性を低くする、すなわち燃え
にくくすることができる。金属水酸化物としては、エチ
レン−αオレフィン共重合体の融点の温度で安定で、さ
らに高温に加熱した際に水を発生させることが必要であ
り、たとえば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ムなどが用いられる。
と、油性物質担持体の燃焼性を低くする、すなわち燃え
にくくすることができる。金属水酸化物としては、エチ
レン−αオレフィン共重合体の融点の温度で安定で、さ
らに高温に加熱した際に水を発生させることが必要であ
り、たとえば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ムなどが用いられる。
【0016】この発明では、上記溶融混合物中に含まれ
ている無機フィラーの混合比率は、染みだし率の程度な
どに応じて適宜設定され特に限定はないが、たとえば、
蓄熱体として使用する場合、樹脂(共重合体A;また
は、共重合体A、Bと中密度ポリエチレンと高密度ポリ
エチレン)と油性物質の合計100重量部に対して、0
〜200重量部とされる。無機フィラーの混合比率がこ
の範囲を上回ると蓄熱量が低すぎるおそれがある。
ている無機フィラーの混合比率は、染みだし率の程度な
どに応じて適宜設定され特に限定はないが、たとえば、
蓄熱体として使用する場合、樹脂(共重合体A;また
は、共重合体A、Bと中密度ポリエチレンと高密度ポリ
エチレン)と油性物質の合計100重量部に対して、0
〜200重量部とされる。無機フィラーの混合比率がこ
の範囲を上回ると蓄熱量が低すぎるおそれがある。
【0017】樹脂への油性物質の分散は特にやり方に限
定はないが、たとえば、共重合体等樹脂の融点以上の温
度で混練機等で混練することにより行われる。このよう
にすることにより均一な溶融混合物を得ることができ
る。得られた溶融混合物は必要に応じて所望の形状に成
形される。
定はないが、たとえば、共重合体等樹脂の融点以上の温
度で混練機等で混練することにより行われる。このよう
にすることにより均一な溶融混合物を得ることができ
る。得られた溶融混合物は必要に応じて所望の形状に成
形される。
【0018】
【作用】密度が0.925g/cm3 より小さいエチレン
−αオレフィン共重合体Aからなる基質に油性物質が分
散された状態で含まれていることにより、油性物質担持
体からの油性物質の染みだし量が大幅に低下する。この
共重合体Aよりも大きい密度を有するエチレン−αオレ
フィン共重合体B、中密度ポリエチレンおよび高密度ポ
リエチレンのうち少なくとも1つを用いることにより、
油性物質が液体状の時に油性物質担持体の強度および形
状安定性を高めることができる。
−αオレフィン共重合体Aからなる基質に油性物質が分
散された状態で含まれていることにより、油性物質担持
体からの油性物質の染みだし量が大幅に低下する。この
共重合体Aよりも大きい密度を有するエチレン−αオレ
フィン共重合体B、中密度ポリエチレンおよび高密度ポ
リエチレンのうち少なくとも1つを用いることにより、
油性物質が液体状の時に油性物質担持体の強度および形
状安定性を高めることができる。
【0019】無機フィラーは、油性物質、エチレン−α
オレフィン共重合体等の樹脂の熱伝導率よりもはるかに
大きな熱伝導率を有する。このため、無機フィラーが溶
融混合物中に分散されていると、油性物質担持体の熱伝
導率が増加する。油性物質担持体が無機フィラーを含ん
でいると、染みだし率がより低くなる。無機フィラーが
金属水酸化物であると、水酸基が熱により分解して水分
を出す反応(たとえば、金属水酸化物が金属酸化物と水
を生成する反応)を生じるため、油性物質担持体の燃焼
性が低くなる。
オレフィン共重合体等の樹脂の熱伝導率よりもはるかに
大きな熱伝導率を有する。このため、無機フィラーが溶
融混合物中に分散されていると、油性物質担持体の熱伝
導率が増加する。油性物質担持体が無機フィラーを含ん
でいると、染みだし率がより低くなる。無機フィラーが
金属水酸化物であると、水酸基が熱により分解して水分
を出す反応(たとえば、金属水酸化物が金属酸化物と水
を生成する反応)を生じるため、油性物質担持体の燃焼
性が低くなる。
【0020】油性物質が融点を有するものの場合、無機
フィラーが金属であると、油性物質の融点の上下の温度
で相変化による膨張・収縮により、担持体の熱伝導率を
変化させることができる。密度が0.90g/cm3 より
小さいエチレン−αオレフィン共重合体Aからなる基質
に使用温度で液状の油性物質を含浸させると、弾性を有
する材料が形成でき、たとえば、マットなどとして利用
できる。
フィラーが金属であると、油性物質の融点の上下の温度
で相変化による膨張・収縮により、担持体の熱伝導率を
変化させることができる。密度が0.90g/cm3 より
小さいエチレン−αオレフィン共重合体Aからなる基質
に使用温度で液状の油性物質を含浸させると、弾性を有
する材料が形成でき、たとえば、マットなどとして利用
できる。
【0021】
【実施例】以下に、この発明の具体的な実施例および比
較例を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。
下記実施例および比較例で用いた、エチレン−αオレフ
ィン共重合体およびポリエチレンを表1に、油性物質を
表2に示した。表1には、品番、αオレフィンの種類、
密度(試験法JIS−K6760)および融点を示し
た。表2には、品番、種類、化学構造、融点および潜熱
量を示した。
較例を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。
下記実施例および比較例で用いた、エチレン−αオレフ
ィン共重合体およびポリエチレンを表1に、油性物質を
表2に示した。表1には、品番、αオレフィンの種類、
密度(試験法JIS−K6760)および融点を示し
た。表2には、品番、種類、化学構造、融点および潜熱
量を示した。
【0022】パラフィン125品は日本精蝋株式会社製
の結晶性アルキルハイドロカーボンである。「6006
M」は昭和電工株式会社製の直鎖状高密度ポリエチレ
ン、「240M」は三井石油化学工業株式会社製の超高
分子量ポリエチレン、「F15」は東ソー株式会社製の
エチレン−αオレフィン共重合体(αオレフィンはブテ
ン−1である)、「F101−1」は住友化学工業株式
会社製の低密度ポリエチレン、「VL100」は住友化
学工業株式会社製のエチレン−αオレフィン共重合体
(αオレフィンはブテン−1である)、「EUL13
0」は住友化学工業株式会社製のエチレン−αオレフィ
ン共重合体(αオレフィンはブテン−1である)、「H
F44X」は三菱油化株式会社製のシラン変性架橋ポリ
エチレン(ゲル分率40wt%)、「タフマーP068
0」は三井石油化学工業株式会社製のエチレン−αオレ
フィン共重合体(αオレフィンはプロピレンである)、
「タフマーA4085」は三井石油化学工業株式会社製
のエチレン−αオレフィン共重合体(αオレフィンはブ
テン−1である)、「ZF150−1」は東ソー株式会
社製のエチレン−αオレフィン共重合体(αオレフィン
はヘキセン−1である)である。
の結晶性アルキルハイドロカーボンである。「6006
M」は昭和電工株式会社製の直鎖状高密度ポリエチレ
ン、「240M」は三井石油化学工業株式会社製の超高
分子量ポリエチレン、「F15」は東ソー株式会社製の
エチレン−αオレフィン共重合体(αオレフィンはブテ
ン−1である)、「F101−1」は住友化学工業株式
会社製の低密度ポリエチレン、「VL100」は住友化
学工業株式会社製のエチレン−αオレフィン共重合体
(αオレフィンはブテン−1である)、「EUL13
0」は住友化学工業株式会社製のエチレン−αオレフィ
ン共重合体(αオレフィンはブテン−1である)、「H
F44X」は三菱油化株式会社製のシラン変性架橋ポリ
エチレン(ゲル分率40wt%)、「タフマーP068
0」は三井石油化学工業株式会社製のエチレン−αオレ
フィン共重合体(αオレフィンはプロピレンである)、
「タフマーA4085」は三井石油化学工業株式会社製
のエチレン−αオレフィン共重合体(αオレフィンはブ
テン−1である)、「ZF150−1」は東ソー株式会
社製のエチレン−αオレフィン共重合体(αオレフィン
はヘキセン−1である)である。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】−実施例1〜4および比較例1〜4− 表3に示すポリエチレンおよびエチレン−αオレフィン
共重合体をそれぞれニーダー(入江商会株式会社の製
品、PBV−0.1H)で140℃に加熱しながら混練
し、パラフィン125品(日本精蝋株式会社製)を徐々
に添加することで表3に示す所定の混合比率の均一な油
性物質担持体を作製した。混練は、最終のパラフィン添
加後、20分間継続した。混練した油性物質担持体は、
冷却速度1℃/分で冷却を行った後、ペレット状(直径
1mm、長さ2mm)に成形した。
共重合体をそれぞれニーダー(入江商会株式会社の製
品、PBV−0.1H)で140℃に加熱しながら混練
し、パラフィン125品(日本精蝋株式会社製)を徐々
に添加することで表3に示す所定の混合比率の均一な油
性物質担持体を作製した。混練は、最終のパラフィン添
加後、20分間継続した。混練した油性物質担持体は、
冷却速度1℃/分で冷却を行った後、ペレット状(直径
1mm、長さ2mm)に成形した。
【0026】−比較例5− 架橋高密度ポリエチレンとして、シラン変性架橋ポリエ
チレン「HF44X」(三菱油化株式会社製:ゲル分率
40wt%)を用いた。このシラン変性架橋ポリエチレン
にパラフィン125品(日本精蝋株式会社製)を含浸さ
せた油性物質担持体を作製するため、シラン変性架橋ポ
リエチレンのペレットを約140℃に熱したパラフィン
中に漬け、60分間後に取り出した。シラン変性架橋ポ
リエチレンはパラフィンが含浸されて膨潤し、パラフィ
ン約70wt%、シラン変性架橋ポリエチレン約30wt%
の成分比を有する油性物質担持体(直径2mm、長さ2m
m)が作製できた。
チレン「HF44X」(三菱油化株式会社製:ゲル分率
40wt%)を用いた。このシラン変性架橋ポリエチレン
にパラフィン125品(日本精蝋株式会社製)を含浸さ
せた油性物質担持体を作製するため、シラン変性架橋ポ
リエチレンのペレットを約140℃に熱したパラフィン
中に漬け、60分間後に取り出した。シラン変性架橋ポ
リエチレンはパラフィンが含浸されて膨潤し、パラフィ
ン約70wt%、シラン変性架橋ポリエチレン約30wt%
の成分比を有する油性物質担持体(直径2mm、長さ2m
m)が作製できた。
【0027】以上により作製した油性物質担持体を図1
に示す温度条件の雰囲気中で200サイクルの寒熱試験
を行った。試験後、油性物質担持体を取り出し、パラフ
ィン125品の融点以上の温度(80℃)で油性物質担
持体の周囲に染みだしたパラフィンを拭き取り、減少し
た重量から染み出し率を計測した。ここでの染み出し率
は、(油性物質担持体の重量減少量/初期の油性物質含
有量)×100(%)の関係式で求めた。結果を表3に
示した。
に示す温度条件の雰囲気中で200サイクルの寒熱試験
を行った。試験後、油性物質担持体を取り出し、パラフ
ィン125品の融点以上の温度(80℃)で油性物質担
持体の周囲に染みだしたパラフィンを拭き取り、減少し
た重量から染み出し率を計測した。ここでの染み出し率
は、(油性物質担持体の重量減少量/初期の油性物質含
有量)×100(%)の関係式で求めた。結果を表3に
示した。
【0028】
【表3】
【0029】ペレットを作製する段階で、長鎖分岐を有
する高圧法低密度ポリエチレンF101−1はパラフィ
ンにより結晶化を阻害され、ペレット化することができ
ず、崩れてしまった。また、超高分子量ポリエチレン2
40M30wt%とパラフィン70wt%を混合した場合、
超高分子量ポリエチレンの溶融粘度が大きいため、通常
のニーダーでは混合ができず、ペレット化には至らなか
った。表3の結果から明らかなように、エチレン−αオ
レフィン共重合体の密度が0.925g/cm3 より小さ
くなるとパラフィンの染み出し率が大きく低下する。パ
ラフィンの含有量が70wt%のもので比較すると、VL
100およびEUL130といった密度の値が0.92
5より小さいエチレン−αオレフィン共重合体を使用し
た油性物質担持体からの染み出し率がそれぞれ2%と
0.6%であるのに対し、密度0.925以上のエチレ
ン−αオレフィン共重合体およびポリエチレンを使用し
た場合は8〜13%の染み出しが生じた。パラフィンの
含有量を80wt%に増やした場合でも、VL100およ
びEUL130を使用した油性物質担持体からの染み出
し率がそれぞれ7%と1%であり、密度0.925以上
の樹脂にパラフィンを含有量70wt%使用した場合より
も染み出しは少なく、同一含有量のパラフィンを混合し
たポリエチレン240Mの場合の染み出し率21%と比
較すると大幅に染み出しが低減していることが明らかで
ある。
する高圧法低密度ポリエチレンF101−1はパラフィ
ンにより結晶化を阻害され、ペレット化することができ
ず、崩れてしまった。また、超高分子量ポリエチレン2
40M30wt%とパラフィン70wt%を混合した場合、
超高分子量ポリエチレンの溶融粘度が大きいため、通常
のニーダーでは混合ができず、ペレット化には至らなか
った。表3の結果から明らかなように、エチレン−αオ
レフィン共重合体の密度が0.925g/cm3 より小さ
くなるとパラフィンの染み出し率が大きく低下する。パ
ラフィンの含有量が70wt%のもので比較すると、VL
100およびEUL130といった密度の値が0.92
5より小さいエチレン−αオレフィン共重合体を使用し
た油性物質担持体からの染み出し率がそれぞれ2%と
0.6%であるのに対し、密度0.925以上のエチレ
ン−αオレフィン共重合体およびポリエチレンを使用し
た場合は8〜13%の染み出しが生じた。パラフィンの
含有量を80wt%に増やした場合でも、VL100およ
びEUL130を使用した油性物質担持体からの染み出
し率がそれぞれ7%と1%であり、密度0.925以上
の樹脂にパラフィンを含有量70wt%使用した場合より
も染み出しは少なく、同一含有量のパラフィンを混合し
たポリエチレン240Mの場合の染み出し率21%と比
較すると大幅に染み出しが低減していることが明らかで
ある。
【0030】VL100を30wt%配合した油性物質担
持体(実施例2)について、図2に、雰囲気温度を20
℃から80℃まで変化させた場合の油性物質担持体の温
度変化を示す。図2にみるように、この発明の油性物質
担持体は、含有している油性物質(パラフィン125
品)と同じ融点(約52℃)を有しており、パラフィン
とエチレン−αオレフィン共重合体を混合することで、
パラフィンの有する蓄熱作用が変化しないことを示して
いる。このことは、DSC(示差走査熱量計)によって
も同様に確認している。その他の樹脂を配合した油性物
質担持体についても同様にパラフィンの蓄熱作用は変化
していないことを確認しており、蓄熱体として有用であ
る。
持体(実施例2)について、図2に、雰囲気温度を20
℃から80℃まで変化させた場合の油性物質担持体の温
度変化を示す。図2にみるように、この発明の油性物質
担持体は、含有している油性物質(パラフィン125
品)と同じ融点(約52℃)を有しており、パラフィン
とエチレン−αオレフィン共重合体を混合することで、
パラフィンの有する蓄熱作用が変化しないことを示して
いる。このことは、DSC(示差走査熱量計)によって
も同様に確認している。その他の樹脂を配合した油性物
質担持体についても同様にパラフィンの蓄熱作用は変化
していないことを確認しており、蓄熱体として有用であ
る。
【0031】−実施例5〜14および比較例6〜11− 表4に示すエチレン−αオレフィン共重合体またはポリ
エチレンをニーダー(入江商会株式会社、PBV−0.
1H)で140℃に加熱しながら混練し、表4に示す油
性物質を徐々に添加することで表4に示す所定の混合比
率の均一な油性物質担持体を作製した。混練は、最終の
油性物質添加後20分間継続した。混練した油性物質担
持体は、140℃でボード状(200mm×200mm×1
5mm)に成形し、冷却速度1℃/分で冷却を行った。各
油性物質担持体に関しては、DSCにより油性物質の有
する蓄熱性能が保持されており、蓄熱体として有用であ
ることを確認している。
エチレンをニーダー(入江商会株式会社、PBV−0.
1H)で140℃に加熱しながら混練し、表4に示す油
性物質を徐々に添加することで表4に示す所定の混合比
率の均一な油性物質担持体を作製した。混練は、最終の
油性物質添加後20分間継続した。混練した油性物質担
持体は、140℃でボード状(200mm×200mm×1
5mm)に成形し、冷却速度1℃/分で冷却を行った。各
油性物質担持体に関しては、DSCにより油性物質の有
する蓄熱性能が保持されており、蓄熱体として有用であ
ることを確認している。
【0032】
【表4】
【0033】なお、実施例12で用いたエチレン−αオ
レフィン共重合体の密度が0.87g/cm3 と低いた
め、結晶性が低く、透明性を有する。このため、実施例
12で得られた油性物質担持体もステアリン酸ブチルの
融点以上では透明性を有し、柔らかく、弾性を示した。
実施例12で得られた油性物質担持体はまた染みだし率
測定時に変形が生じた。
レフィン共重合体の密度が0.87g/cm3 と低いた
め、結晶性が低く、透明性を有する。このため、実施例
12で得られた油性物質担持体もステアリン酸ブチルの
融点以上では透明性を有し、柔らかく、弾性を示した。
実施例12で得られた油性物質担持体はまた染みだし率
測定時に変形が生じた。
【0034】なお、実施例5,6で用いたエチレン−α
オレフィン共重合体は密度が0.88g/cm3 よりも低
いため、結晶性が低く、透明性を有する。このため、実
施例5,6で得られた油性物質担持体もパラフィンの融
点以上では透明性を有し、柔らかく、弾性を示した。実
施例5〜7で得られた油性物質担持体は染みだし率測定
時に変形が生じた。
オレフィン共重合体は密度が0.88g/cm3 よりも低
いため、結晶性が低く、透明性を有する。このため、実
施例5,6で得られた油性物質担持体もパラフィンの融
点以上では透明性を有し、柔らかく、弾性を示した。実
施例5〜7で得られた油性物質担持体は染みだし率測定
時に変形が生じた。
【0035】高圧法低密度ポリエチレンF101−1を
用いた比較例9では、成形時に形状をなさず崩れたた
め、以後の実験はできなかった。上記実施例5〜14お
よび比較例6〜11で作製したボード状油性物質担持体
について、図3(実施例5〜9では図4)に示す温度条
件の雰囲気中で200サイクルの寒熱試験を行った。試
験後、油性物質担持体を取り出し、油性物質の融点以上
の温度(80℃)で油性物質担持体の周囲に染み出した
油性物質を拭き取り、減少した重量から染み出し率を計
測した。ここでの染み出し率は、(油性物質担持体の重
量減少量/初期の油性物質含有量)×100(%)の関
係式で求めた。結果を表5に示す。
用いた比較例9では、成形時に形状をなさず崩れたた
め、以後の実験はできなかった。上記実施例5〜14お
よび比較例6〜11で作製したボード状油性物質担持体
について、図3(実施例5〜9では図4)に示す温度条
件の雰囲気中で200サイクルの寒熱試験を行った。試
験後、油性物質担持体を取り出し、油性物質の融点以上
の温度(80℃)で油性物質担持体の周囲に染み出した
油性物質を拭き取り、減少した重量から染み出し率を計
測した。ここでの染み出し率は、(油性物質担持体の重
量減少量/初期の油性物質含有量)×100(%)の関
係式で求めた。結果を表5に示す。
【0036】
【表5】
【0037】表5の結果から明らかなように密度が0.
925g/cm3 よりも小さいエチレン−αオレフィン共
重合体と油性物質を混合することで染み出し率が大きく
低下している。 −実施例15〜22および比較例12,13− 表6に示すエチレン−αオレフィン共重合体およびポリ
エチレンをニーダー(入江商会株式会社、PBV−0.
1H)で140℃に加熱しながら混練し、表6に示す油
性物質を徐々に添加することで表6に示す所定の混合比
率の均一な油性物質担持体を作製した。混練は、最終の
油性物質添加後20分間継続した。混練した油性物質担
持体は、140℃でボード状(200mm×200mm×1
5mm)に成形し、冷却速度1℃/分で冷却を行った。各
油性物質担持体に関しては、DSCにより油性物質の有
する蓄熱性能が保持されていることを確認している。
925g/cm3 よりも小さいエチレン−αオレフィン共
重合体と油性物質を混合することで染み出し率が大きく
低下している。 −実施例15〜22および比較例12,13− 表6に示すエチレン−αオレフィン共重合体およびポリ
エチレンをニーダー(入江商会株式会社、PBV−0.
1H)で140℃に加熱しながら混練し、表6に示す油
性物質を徐々に添加することで表6に示す所定の混合比
率の均一な油性物質担持体を作製した。混練は、最終の
油性物質添加後20分間継続した。混練した油性物質担
持体は、140℃でボード状(200mm×200mm×1
5mm)に成形し、冷却速度1℃/分で冷却を行った。各
油性物質担持体に関しては、DSCにより油性物質の有
する蓄熱性能が保持されていることを確認している。
【0038】
【表6】
【0039】上記実施例15〜22および比較例12,
13で作製したボード状油性物質担持体について、図4
に示す温度条件の雰囲気中で200サイクルの寒熱試験
を行った。試験後、油性物質担持体を取り出し、油性物
質の融点以上の温度(80℃)で油性物質担持体の周囲
に染み出した油性物質を拭き取り、減少した重量から染
み出し率を計測した。ここでの染み出し率は、(油性物
質担持体の重量減少量/初期の油性物質含有量)×10
0(%)の関係式で求めた。結果を表7に示す。
13で作製したボード状油性物質担持体について、図4
に示す温度条件の雰囲気中で200サイクルの寒熱試験
を行った。試験後、油性物質担持体を取り出し、油性物
質の融点以上の温度(80℃)で油性物質担持体の周囲
に染み出した油性物質を拭き取り、減少した重量から染
み出し率を計測した。ここでの染み出し率は、(油性物
質担持体の重量減少量/初期の油性物質含有量)×10
0(%)の関係式で求めた。結果を表7に示す。
【0040】
【表7】
【0041】上記実施例5,6,12の結果から明らか
なように密度が0.89g/cm3 より小さいエチレン−
αオレフィン共重合体と油性物質の混合品は、試験中に
変形してしまった。高密度ポリエチレンの代わりに低密
度ポリエチレンを使用した比較例12も変形が生じた。
これに対し、前記エチレン−αオレフィン共重合体Aの
密度より高い密度のエチレン−αオレフィン共重合体B
および/または高密度ポリエチレンを加えた実施例15
〜22は、変形がなく、密度0.88g/cm3 よりも大
きいエチレン−αオレフィン共重合体と油性物質の溶融
混合品(実施例2,4,10)と比較して染みだし量が
減少した。この発明の油性物質担持体は、添加されてい
る、密度の高いエチレン−αオレフィン共重合体または
高密度ポリエチレンの融点近傍まで形状が安定なことが
確かめられている。
なように密度が0.89g/cm3 より小さいエチレン−
αオレフィン共重合体と油性物質の混合品は、試験中に
変形してしまった。高密度ポリエチレンの代わりに低密
度ポリエチレンを使用した比較例12も変形が生じた。
これに対し、前記エチレン−αオレフィン共重合体Aの
密度より高い密度のエチレン−αオレフィン共重合体B
および/または高密度ポリエチレンを加えた実施例15
〜22は、変形がなく、密度0.88g/cm3 よりも大
きいエチレン−αオレフィン共重合体と油性物質の溶融
混合品(実施例2,4,10)と比較して染みだし量が
減少した。この発明の油性物質担持体は、添加されてい
る、密度の高いエチレン−αオレフィン共重合体または
高密度ポリエチレンの融点近傍まで形状が安定なことが
確かめられている。
【0042】以下では、溶融混合物中に無機フィラーが
分散されている油性物質担持体の実施例を説明する。使
用した無機フィラーは次のとおりであった。フレーク状
アルミニウム(1mm×1.2mm×0.03mm)、アルミ
ニウム粉末(200メッシュ通過品)、銅粉末(200
メッシュ通過品)、ステンレス繊維(φ0.06mm×1
5mm)、アルミナ(住友化学工業株式会社製「C−3
1」)、シリカ(日本シリカ株式会社製「ニップシール
SS−15」)、カーボンブラック(三菱化成株式会社
製「MA600」)、タルク(日本タルク株式会社製
「TALC−S」)、クレイ(フジライト工業株式会社
製)、ベントナイト(株式会社豊順洋行製「穂高印30
0メッシュ」、水酸化アルミニウム(住友化学工業株式
会社製「C35」)、水酸化マグネシウム(協和化学工
業株式会社製「キスマ5A」)。
分散されている油性物質担持体の実施例を説明する。使
用した無機フィラーは次のとおりであった。フレーク状
アルミニウム(1mm×1.2mm×0.03mm)、アルミ
ニウム粉末(200メッシュ通過品)、銅粉末(200
メッシュ通過品)、ステンレス繊維(φ0.06mm×1
5mm)、アルミナ(住友化学工業株式会社製「C−3
1」)、シリカ(日本シリカ株式会社製「ニップシール
SS−15」)、カーボンブラック(三菱化成株式会社
製「MA600」)、タルク(日本タルク株式会社製
「TALC−S」)、クレイ(フジライト工業株式会社
製)、ベントナイト(株式会社豊順洋行製「穂高印30
0メッシュ」、水酸化アルミニウム(住友化学工業株式
会社製「C35」)、水酸化マグネシウム(協和化学工
業株式会社製「キスマ5A」)。
【0043】−実施例23〜36− 表8,9に示すエチレン−αオレフィン共重合体をニー
ダー(入江商会株式会社、PBV−0.1H)で140
℃に加熱しながら混練し、表8,9に示す油性物質と無
機フィラーを徐々に添加することで表8,9に示す所定
の混合比率の均一な油性物質担持体を作製した。混練
は、最終の油性物質および無機フィラー添加後20分間
継続した。混練した油性物質担持体は、140℃でボー
ド状(200mm×200mm×15mm)に成形し、冷却速
度1℃/分で冷却を行った。各油性物質担持体に関して
は、DSCにより油性物質の有する蓄熱性能が保持され
ていることを確認している。
ダー(入江商会株式会社、PBV−0.1H)で140
℃に加熱しながら混練し、表8,9に示す油性物質と無
機フィラーを徐々に添加することで表8,9に示す所定
の混合比率の均一な油性物質担持体を作製した。混練
は、最終の油性物質および無機フィラー添加後20分間
継続した。混練した油性物質担持体は、140℃でボー
ド状(200mm×200mm×15mm)に成形し、冷却速
度1℃/分で冷却を行った。各油性物質担持体に関して
は、DSCにより油性物質の有する蓄熱性能が保持され
ていることを確認している。
【0044】
【表8】
【0045】
【表9】
【0046】上記実施例23〜36で作製したボード状
油性物質担持体と実施例2,4,10の配合で同様に作
製したボード状油性物質担持体について、図4に示す温
度条件の雰囲気中で200サイクルの寒熱試験を行っ
た。試験後、油性物質担持体を取り出し、油性物質の融
点以上の温度(80℃)で油性物質担持体の周囲に染み
出した油性物質を拭き取り、減少した重量から染み出し
率を計測した。ここでの染み出し率は、(油性物質担持
体の重量減少量/初期の油性物質含有量)×100
(%)の関係式で求めた。ボード状油性物質担持体につ
いて、熱伝導率を熱流計法で計測した。これらの結果を
表10に示す。熱流計法の計測条件1として、ボードの
両面をそれぞれ5℃と20℃の油性物質の融点以下の温
度に維持して熱流の計測を行った。計測条件2として
は、ボードの両面をそれぞれ55℃と70℃の油性物質
の融点以上の温度に維持して熱流の計測を行った。
油性物質担持体と実施例2,4,10の配合で同様に作
製したボード状油性物質担持体について、図4に示す温
度条件の雰囲気中で200サイクルの寒熱試験を行っ
た。試験後、油性物質担持体を取り出し、油性物質の融
点以上の温度(80℃)で油性物質担持体の周囲に染み
出した油性物質を拭き取り、減少した重量から染み出し
率を計測した。ここでの染み出し率は、(油性物質担持
体の重量減少量/初期の油性物質含有量)×100
(%)の関係式で求めた。ボード状油性物質担持体につ
いて、熱伝導率を熱流計法で計測した。これらの結果を
表10に示す。熱流計法の計測条件1として、ボードの
両面をそれぞれ5℃と20℃の油性物質の融点以下の温
度に維持して熱流の計測を行った。計測条件2として
は、ボードの両面をそれぞれ55℃と70℃の油性物質
の融点以上の温度に維持して熱流の計測を行った。
【0047】
【表10】
【0048】表10の結果から明らかなように少量の無
機フィラーの混入により、染み出し率が大きく低下して
いる。熱伝導率も少量の無機フィラーの混入により増加
しており、フレーク状アルミニウムの場合10部加える
と添加していない油性物質担持体に比べて熱伝導率が約
2倍となった。また、金属を加えた場合、油性物質の融
点の上下の温度での測定で熱伝導率が大きく変化した。
油性物質担持体を蓄熱体として用いる場合、熱伝導率が
増加できることは、蓄熱放熱効率の増加に有用である。
また、融点以上の温度で熱伝導率が小さくなり、融点以
下の温度で大きくなることは、従来の蓄熱体の放熱量が
高温で大きくなり、低温になると小さくなるという欠点
を減じるものである。
機フィラーの混入により、染み出し率が大きく低下して
いる。熱伝導率も少量の無機フィラーの混入により増加
しており、フレーク状アルミニウムの場合10部加える
と添加していない油性物質担持体に比べて熱伝導率が約
2倍となった。また、金属を加えた場合、油性物質の融
点の上下の温度での測定で熱伝導率が大きく変化した。
油性物質担持体を蓄熱体として用いる場合、熱伝導率が
増加できることは、蓄熱放熱効率の増加に有用である。
また、融点以上の温度で熱伝導率が小さくなり、融点以
下の温度で大きくなることは、従来の蓄熱体の放熱量が
高温で大きくなり、低温になると小さくなるという欠点
を減じるものである。
【0049】−実施例37〜46− 表11に示すエチレン−αオレフィン共重合体をニーダ
ー(入江商会株式会社、PBV−0.1H)で140℃
に加熱しながら混練し、表11に示す油性物質と無機フ
ィラーを徐々に添加することで表11に示す所定の混合
比率の均一な油性物質担持体を作製した。混練は、最終
の油性物質および無機フィラー添加後20分間継続し
た。混練した油性物質担持体は、140℃でボード状
(200mm×200mm×15mm)および棒状(20mm×
10mm×200mm)に成形し、冷却速度1℃/分で冷却
を行った。各油性物質担持体に関しては、DSCにより
油性物質の有する蓄熱性能が保持されていることを確認
している。
ー(入江商会株式会社、PBV−0.1H)で140℃
に加熱しながら混練し、表11に示す油性物質と無機フ
ィラーを徐々に添加することで表11に示す所定の混合
比率の均一な油性物質担持体を作製した。混練は、最終
の油性物質および無機フィラー添加後20分間継続し
た。混練した油性物質担持体は、140℃でボード状
(200mm×200mm×15mm)および棒状(20mm×
10mm×200mm)に成形し、冷却速度1℃/分で冷却
を行った。各油性物質担持体に関しては、DSCにより
油性物質の有する蓄熱性能が保持されていることを確認
している。
【0050】
【表11】
【0051】上記実施例37〜46で作製したボード状
油性物質担持体について、図4に示す温度条件の雰囲気
中で200サイクルの寒熱試験を行った。試験後、油性
物質担持体を取り出し、油性物質の融点以上の温度(8
0℃)で油性物質担持体の周囲に染み出した油性物質を
拭き取り、減少した重量から染み出し率を計測した。こ
こでの染み出し率は、(油性物質担持体の重量減少量/
初期の油性物質含有量)×100(%)の関係式で求め
た。ボード状油性物質担持体について、熱伝導率を熱流
計法で計測した。棒状油性物質担持体について、端面よ
りガスバーナーの炎に一定時間かざしたのち燃焼性を調
べる実験を行った。これらの結果を表12に示す。
油性物質担持体について、図4に示す温度条件の雰囲気
中で200サイクルの寒熱試験を行った。試験後、油性
物質担持体を取り出し、油性物質の融点以上の温度(8
0℃)で油性物質担持体の周囲に染み出した油性物質を
拭き取り、減少した重量から染み出し率を計測した。こ
こでの染み出し率は、(油性物質担持体の重量減少量/
初期の油性物質含有量)×100(%)の関係式で求め
た。ボード状油性物質担持体について、熱伝導率を熱流
計法で計測した。棒状油性物質担持体について、端面よ
りガスバーナーの炎に一定時間かざしたのち燃焼性を調
べる実験を行った。これらの結果を表12に示す。
【0052】
【表12】
【0053】表12の結果から明らかなように無機フィ
ラーの混入により、染み出し率が低下しており配合によ
って大きく低下している。熱伝導率は無機フィラーの混
入により増加しており、水酸化アルミニウムの場合10
0部加えると添加していない油性物質担持体(実施例
4)に比べて熱伝導率が約2倍となった。金属水酸化物
を入れない試料(実施例4)は5秒間炎にかざすと燃焼
を始めた。エチレン−αオレフィン共重合体30重量部
と油性物質70重量部と金属水酸化物100重量部の組
成の同一形状の試料では、ガスバーナーの炎に15秒間
かざしても自己消火性を示し、20秒間かざすと燃焼を
始めた。エチレン−αオレフィン共重合体30重量部と
油性物質70重量部と金属水酸化物150重量部の組成
の同一形状の試料では、ガスバーナーの炎に20秒間か
ざしても自己消火性を示し、30秒間かざすと燃焼を始
めた。このように、金属水酸化物により燃焼性が減少す
る(燃焼しにくくなる)ことが確認できた。
ラーの混入により、染み出し率が低下しており配合によ
って大きく低下している。熱伝導率は無機フィラーの混
入により増加しており、水酸化アルミニウムの場合10
0部加えると添加していない油性物質担持体(実施例
4)に比べて熱伝導率が約2倍となった。金属水酸化物
を入れない試料(実施例4)は5秒間炎にかざすと燃焼
を始めた。エチレン−αオレフィン共重合体30重量部
と油性物質70重量部と金属水酸化物100重量部の組
成の同一形状の試料では、ガスバーナーの炎に15秒間
かざしても自己消火性を示し、20秒間かざすと燃焼を
始めた。エチレン−αオレフィン共重合体30重量部と
油性物質70重量部と金属水酸化物150重量部の組成
の同一形状の試料では、ガスバーナーの炎に20秒間か
ざしても自己消火性を示し、30秒間かざすと燃焼を始
めた。このように、金属水酸化物により燃焼性が減少す
る(燃焼しにくくなる)ことが確認できた。
【0054】−実施例47〜55− 表13に示すエチレン−αオレフィン共重合体とポリエ
チレンをニーダー(入江商会株式会社、PBV−0.1
H)で140℃に加熱しながら混練し、表13に示す油
性物質と無機フィラーを徐々に添加することで表13に
示す所定の混合比率の均一な油性物質担持体を作製し
た。混練は、最終の油性物質および無機フィラー添加後
20分間継続した。混練した油性物質担持体は、140
℃でボード状(200mm×200mm×15mm)に成形
し、冷却速度1℃/分で冷却を行った。実施例47、4
8と55では、別に棒状(20mm×10mm×200mm)
にも成形して同様に冷却した。各油性物質担持体に関し
ては、DSCにより油性物質の有する蓄熱性能が保持さ
れていることを確認している。
チレンをニーダー(入江商会株式会社、PBV−0.1
H)で140℃に加熱しながら混練し、表13に示す油
性物質と無機フィラーを徐々に添加することで表13に
示す所定の混合比率の均一な油性物質担持体を作製し
た。混練は、最終の油性物質および無機フィラー添加後
20分間継続した。混練した油性物質担持体は、140
℃でボード状(200mm×200mm×15mm)に成形
し、冷却速度1℃/分で冷却を行った。実施例47、4
8と55では、別に棒状(20mm×10mm×200mm)
にも成形して同様に冷却した。各油性物質担持体に関し
ては、DSCにより油性物質の有する蓄熱性能が保持さ
れていることを確認している。
【0055】
【表13】
【0056】上記実施例47〜55で作製したボード状
油性物質担持体について、図4に示す温度条件の雰囲気
中で200サイクルの寒熱試験を行った。試験後、油性
物質担持体を取り出し、油性物質の融点以上の温度(8
0℃)で油性物質担持体の周囲に染み出した油性物質を
拭き取り、減少した重量から染み出し率を計測した。こ
こでの染み出し率は、(油性物質担持体の重量減少量/
初期の油性物質含有量)×100(%)の関係式で求め
た。ボード状油性物質担持体について、熱伝導率を熱流
計法で計測した。これらの結果を表14に示した。
油性物質担持体について、図4に示す温度条件の雰囲気
中で200サイクルの寒熱試験を行った。試験後、油性
物質担持体を取り出し、油性物質の融点以上の温度(8
0℃)で油性物質担持体の周囲に染み出した油性物質を
拭き取り、減少した重量から染み出し率を計測した。こ
こでの染み出し率は、(油性物質担持体の重量減少量/
初期の油性物質含有量)×100(%)の関係式で求め
た。ボード状油性物質担持体について、熱伝導率を熱流
計法で計測した。これらの結果を表14に示した。
【0057】
【表14】
【0058】表14の結果から明らかなように無機フィ
ラーの混入により、染み出し率が低下している。熱伝導
率も無機フィラーの混入により増加している。棒状油性
物質担持体について、端面よりガスバーナーの炎に一定
時間かざしたのち燃焼性を調べる実験を行った。その結
果、水酸化アルミニウム60部を加えた油性物質担持体
は、ガスバーナーの炎に5秒間かざしても自己消火性を
示し、水酸化アルミニウム150部を加えた油性物質担
持体は、20秒間かざしても自己消火性を示した。
ラーの混入により、染み出し率が低下している。熱伝導
率も無機フィラーの混入により増加している。棒状油性
物質担持体について、端面よりガスバーナーの炎に一定
時間かざしたのち燃焼性を調べる実験を行った。その結
果、水酸化アルミニウム60部を加えた油性物質担持体
は、ガスバーナーの炎に5秒間かざしても自己消火性を
示し、水酸化アルミニウム150部を加えた油性物質担
持体は、20秒間かざしても自己消火性を示した。
【0059】
【発明の効果】この発明によれば、密度0.925g/
cm3 より小さいエチレン−αオレフィン共重合体Aから
なる基質に油性物質を担持させることで、液状の油性物
質を固体状にでき、かつ、油性物質の染みだしの非常に
少ない油性物質担持体が作製できる。
cm3 より小さいエチレン−αオレフィン共重合体Aから
なる基質に油性物質を担持させることで、液状の油性物
質を固体状にでき、かつ、油性物質の染みだしの非常に
少ない油性物質担持体が作製できる。
【0060】前記エチレン−αオレフィン共重合体A
と、これより大きい密度を有するエチレン−αオレフィ
ン共重合体B、中密度ポリエチレンおよび高密度ポリエ
チレンのうちの少なくとも1つとを併用すると、高温に
したときの形状保持性を有し、強度の増した油性物質担
持体が得られる。溶融混合物中に無機フィラーが分散さ
れていると、染み出しをより少なくし、油性物質担持体
の熱伝導率をより大きくすることができる。
と、これより大きい密度を有するエチレン−αオレフィ
ン共重合体B、中密度ポリエチレンおよび高密度ポリエ
チレンのうちの少なくとも1つとを併用すると、高温に
したときの形状保持性を有し、強度の増した油性物質担
持体が得られる。溶融混合物中に無機フィラーが分散さ
れていると、染み出しをより少なくし、油性物質担持体
の熱伝導率をより大きくすることができる。
【0061】無機フィラーが金属であると、油性物質の
融点以上で熱伝導率を低下させ、融点以下で増加させる
ことができる。無機フィラーが金属水酸化物であると、
染み出しの減少と熱伝導率の向上効果に加えて、燃焼性
の低下をはかることができる。油性物質が基質となるエ
チレン−αオレフィン共重合体または高密度ポリエチレ
ンの少なくとも1つの融点より低い温度に融点を有する
場合、蓄熱体として有用である。
融点以上で熱伝導率を低下させ、融点以下で増加させる
ことができる。無機フィラーが金属水酸化物であると、
染み出しの減少と熱伝導率の向上効果に加えて、燃焼性
の低下をはかることができる。油性物質が基質となるエ
チレン−αオレフィン共重合体または高密度ポリエチレ
ンの少なくとも1つの融点より低い温度に融点を有する
場合、蓄熱体として有用である。
【0062】密度0.89g/cm3 より小さいエチレン
−αオレフィン共重合体Aからなる基質に液状の油性物
質を担持させると、柔らかく、弾性を有し、油性物質の
染みだしのほとんどない弾性体が得られる。
−αオレフィン共重合体Aからなる基質に液状の油性物
質を担持させると、柔らかく、弾性を有し、油性物質の
染みだしのほとんどない弾性体が得られる。
【図1】寒熱試験条件の説明図であるグラフである。
【図2】この発明の1実施例の蓄熱効果の測定結果を表
すグラフである。
すグラフである。
【図3】寒熱試験条件の説明図であるグラフである。
【図4】寒熱試験条件の説明図であるグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸尾 勝彦 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 鶴来 充啓 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内
Claims (12)
- 【請求項1】 0.925g/cm3 より小さい密度を有
するエチレン−αオレフィン共重合体Aからなる基質に
油性物質が分散した状態で含まれている油性物質担持
体。 - 【請求項2】 0.925g/cm3 より小さい密度を有
するエチレン−αオレフィン共重合体A、ならびに、前
記エチレン−αオレフィン共重合体Aより大きい密度を
有するエチレン−αオレフィン共重合体B、中密度ポリ
エチレンおよび高密度ポリエチレンのうち少なくとも1
つからなる基質に油性物質が分散した状態で含まれてい
る油性物質担持体。 - 【請求項3】 無機フィラーが分散した状態で含まれて
いる請求項1または2記載の油性物質担持体。 - 【請求項4】 無機フィラーが金属である請求項3記載
の油性物質担持体。 - 【請求項5】 無機フィラーが金属水酸化物である請求
項3記載の油性物質担持体。 - 【請求項6】 油性物質がエチレン−αオレフィン共重
合体A、エチレン−αオレフィン共重合体B、中密度ポ
リエチレンおよび高密度ポリエチレンと相溶性を示す請
求項1から5までのいずれかに記載の油性物質担持体。 - 【請求項7】 油性物質が基質となるエチレン−αオレ
フィン共重合体A、エチレン−αオレフィン共重合体
B、中密度ポリエチレンおよび高密度ポリエチレンのう
ち少なくとも1つの融点より低い融点を有する請求項6
記載の油性物質担持体。 - 【請求項8】 0.90g/cm3 より小さい密度を有す
るエチレン−αオレフィン共重合体からなる基質に液状
の油性物質が担持されてなる請求項1記載の油性物質担
持体。 - 【請求項9】 0.925g/cm3 より小さい密度を有
するエチレン−αオレフィン共重合体Aと油性物質を溶
融混合する油性物質担持体の製造方法。 - 【請求項10】 0.925g/cm3 より小さい密度を
有するエチレン−αオレフィン共重合体A;前記エチレ
ン−αオレフィン共重合体Aより大きい密度を有するエ
チレン−αオレフィン共重合体B、中密度ポリエチレン
および高密度ポリエチレンのうち少なくとも1つ;なら
びに、油性物質を溶融混合する油性物質担持体の製造方
法。 - 【請求項11】 溶融混合時に無機フィラーも混合する
請求項9または10記載の油性物質担持体の製造方法。 - 【請求項12】 0.90g/cm3 より小さい密度を有
するエチレン−αオレフィン共重合体と液状の油性物質
を溶融混合する油性物質担持体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3172604A JP2826211B2 (ja) | 1990-10-15 | 1991-07-12 | 油性物質担持体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27716590 | 1990-10-15 | ||
JP877491 | 1991-01-28 | ||
JP3-8774 | 1991-06-20 | ||
JP3-148971 | 1991-06-20 | ||
JP14897191 | 1991-06-20 | ||
JP2-277165 | 1991-06-20 | ||
JP3172604A JP2826211B2 (ja) | 1990-10-15 | 1991-07-12 | 油性物質担持体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0559352A true JPH0559352A (ja) | 1993-03-09 |
JP2826211B2 JP2826211B2 (ja) | 1998-11-18 |
Family
ID=27455017
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3172604A Expired - Fee Related JP2826211B2 (ja) | 1990-10-15 | 1991-07-12 | 油性物質担持体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2826211B2 (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5565132A (en) * | 1995-06-06 | 1996-10-15 | The University Of Dayton | Thermoplastic, moldable, non-exuding phase change materials |
US5885475A (en) * | 1995-06-06 | 1999-03-23 | The University Of Dayton | Phase change materials incorporated throughout the structure of polymer fibers |
JP2005134101A (ja) * | 2003-10-09 | 2005-05-26 | Sk Kaken Co Ltd | 蓄熱体 |
WO2017002890A1 (ja) * | 2015-07-02 | 2017-01-05 | 株式会社カネカ | 熱伝導性樹脂組成物 |
WO2018066605A1 (ja) * | 2016-10-07 | 2018-04-12 | 日立化成株式会社 | 樹脂部材及びそれを用いたシート、樹脂部材の製造方法、並びに蓄熱材及びそれを用いた熱制御シート |
WO2018066130A1 (ja) * | 2016-10-07 | 2018-04-12 | 日立化成株式会社 | 樹脂部材及びそれを用いたシート、並びに蓄熱材及びそれを用いた熱制御シート |
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WO2019193677A1 (ja) * | 2018-04-04 | 2019-10-10 | 日立化成株式会社 | 樹脂部材、樹脂部材の製造方法及び蓄熱体 |
CN111655817A (zh) * | 2018-12-17 | 2020-09-11 | 卡迈尔烯烃有限公司 | 用于存储热能的、形状稳定的热塑性聚合物的组合物 |
WO2022190631A1 (ja) * | 2021-03-10 | 2022-09-15 | 三井化学株式会社 | 樹脂組成物および成形体 |
-
1991
- 1991-07-12 JP JP3172604A patent/JP2826211B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US10640631B2 (en) | 2015-07-02 | 2020-05-05 | Kaneka Corporation | Thermally conductive resin composition |
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US11441022B2 (en) | 2016-10-07 | 2022-09-13 | Showa Denko Materials Co., Ltd. | Resin member and sheet using same, method for producing resin member, and heat storage material and heat control sheet using same |
CN109804038A (zh) * | 2016-10-07 | 2019-05-24 | 日立化成株式会社 | 树脂构件及使用了该树脂构件的片材以及蓄热材料及使用了该蓄热材料的热控制片 |
JPWO2018066130A1 (ja) * | 2016-10-07 | 2019-07-25 | 日立化成株式会社 | 樹脂部材及びそれを用いたシート、並びに蓄熱材及びそれを用いた熱制御シート |
JPWO2018066605A1 (ja) * | 2016-10-07 | 2019-07-25 | 日立化成株式会社 | 樹脂部材及びそれを用いたシート、樹脂部材の製造方法、並びに蓄熱材及びそれを用いた熱制御シート |
WO2018066130A1 (ja) * | 2016-10-07 | 2018-04-12 | 日立化成株式会社 | 樹脂部材及びそれを用いたシート、並びに蓄熱材及びそれを用いた熱制御シート |
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EP3524658A4 (en) * | 2016-10-07 | 2020-05-20 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | RESIN MEMBER AND SHEET USING THE SAME, AND HEAT STORAGE MATERIAL AND THERMAL REGULATION SHEET USING THE SAME |
US11535782B2 (en) | 2016-10-07 | 2022-12-27 | Showa Denko Materials Co., Ltd. | Resin member and sheet using same, and heat storage material and heat control sheet using same |
WO2019193677A1 (ja) * | 2018-04-04 | 2019-10-10 | 日立化成株式会社 | 樹脂部材、樹脂部材の製造方法及び蓄熱体 |
JPWO2019193677A1 (ja) * | 2018-04-04 | 2021-04-15 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | 樹脂部材、樹脂部材の製造方法及び蓄熱体 |
CN111936596A (zh) * | 2018-04-04 | 2020-11-13 | 日立化成株式会社 | 树脂部件、树脂部件的制造方法及蓄热体 |
CN111655817B (zh) * | 2018-12-17 | 2022-06-28 | 卡迈尔烯烃有限公司 | 用于存储热能的、形状稳定的热塑性聚合物的组合物 |
CN111655817A (zh) * | 2018-12-17 | 2020-09-11 | 卡迈尔烯烃有限公司 | 用于存储热能的、形状稳定的热塑性聚合物的组合物 |
US11578244B2 (en) | 2018-12-17 | 2023-02-14 | Carmel Olefins Ltd. | Thermoplastic shape-stable polymer compositions for storing thermal energy |
WO2022190631A1 (ja) * | 2021-03-10 | 2022-09-15 | 三井化学株式会社 | 樹脂組成物および成形体 |
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---|---|
JP2826211B2 (ja) | 1998-11-18 |
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